説明

加工食品及びその製造方法

【課題】梅肉だけでは酸味が強く食するのに困難な状況において、梅肉に砂糖をほとんど加えなくとも適度な甘味を有し、よって、低カロリーでマイルドな味覚を楽しめる加工食品及びその製造方法の提供を目的とする。
【解決手段】加工食品の製造方法は、梅肉とバナナとを混合する工程と、梅肉とバナナとを加熱する工程とを備えた構成にしてある。また、梅肉とバナナの混合物を加熱する工程を備えてなり、そして、梅肉を潰す工程を備えてなるものである。更に、バナナの果肉を潰す工程を備えてなり、潰した梅肉を裏漉しする工程を備えてなり、潰したバナナを裏漉しする工程を備えてなるものである。そして、加工食品は、梅肉とバナナとの混合物を加熱して得られた構成を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加工食品及びその製造方法に係り、更に詳しくは梅肉とバナナの果肉を用いた加工食品及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、食生活は豊かになったが、人は運動不足のためにカロリー過多となり、体重の増加を招き肥満に至る人が増加している。そして、成人病、糖尿病、高脂血しょうなどの重大な疾病の要因を抱えている人も増えてきている。このような状況においてアルカリ食品である梅干や梅肉を食することが健康維持に効果のあることが知られている。
【0003】
下記特許文献1には飲食店、小売店、宿泊施設、又は宅配サービスで提供される健康を維持するための調理食品に関し、砂糖、塩及び油脂類を添加・使用せず、梅肉などを用いて調理した食品に関する開示がある。
【0004】
【特許文献1】特開2006−109796号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、梅肉だけでは酸味が強いために食するのに非常に困難である。また、この梅肉の酸味を抑えつつ梅肉を食するため梅肉に砂糖を加える等した場合には、かかる食品はカロリーが高くなってしまい健康によいはずの梅肉を食しても健康維持の効果が余り期待できなくなる。
【0006】
本発明は、上記した従来の問題点に鑑みてなされたものであって、梅肉だけでは酸味が強く食するのに困難な状況において、梅肉に砂糖をほとんど加えなくとも適度な甘味を有し、よって、低カロリーでマイルドな味覚を楽しめる加工食品及びその製造方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る加工食品の製造方法は、梅肉とバナナとを混合する工程と、梅肉とバナナとを加熱する工程とを備えた構成にしてある。
【0008】
また、前記構成において、梅肉とバナナの混合物を加熱する工程を備えてなるものである。
【0009】
そして、前記した各構成において、梅肉を潰す工程を備えてなるものである。
【0010】
更に、前記した各構成において、バナナの果肉を潰す工程を備えてなるものである。
【0011】
更に、前記した各構成において、潰した梅肉を裏漉しする工程を備えてなるものである。
【0012】
更に、前記した各構成において、潰したバナナを裏漉しする工程を備えてなるものである。
【0013】
そして、本発明にかかる加工食品は、梅肉とバナナとの混合物を加熱して得られた構成を有する。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る加工食品の製造方法によれば、梅肉とバナナとを混合する工程と、梅肉とバナナとを加熱する工程とを備えてなるので、梅肉の酸味をバナナによって緩和し、非常に食べやすくすることができ、また、砂糖をほとんど加えなくとも梅肉に適度な甘味を付与できるので、低カロリーでマイルドな味覚を楽しめる加工食品を提供することができる利点がある。
【0015】
また、梅肉とバナナの混合物を加熱する工程を備えてなる場合は、梅肉とバナナとを別々の容器で各々加熱した後にこれらを混合する場合に比較して、梅肉とバナナの混合物を一つの容器で一度に加熱する方が梅肉とバナナとをよく混ぜ合わせることができるとともに、手間を省くことができる。
【0016】
そして、梅肉を潰す工程を備えてなる場合は、梅肉を潰すことによって容易にバナナと混合することができ、出来上がった加工食品の舌触りを良好なものとすることができる。
【0017】
更に、バナナの果肉を潰す工程を備えてなる場合は、バナナを潰すことによって容易に梅肉と混合することができ、出来上がった加工食品の舌触りを良好なものとすることができる。
【0018】
更に、潰した梅肉を裏漉しする工程を備えてなる場合には、梅肉を裏漉しすることで、梅肉に含まれる果皮が破壊され、破壊困難である果皮を適宜除去することも可能であり、これにより完成した加工食品の見た目がきめ細かく美しいものとなり、また食した際の舌触りを非常に滑らかで良好なものとすることができる。
【0019】
更に、潰したバナナを裏漉しする工程を備えてなる場合には、バナナの果肉を裏漉しすることで、塊状のバナナを破壊し、きめの細かい舌触りの滑らかな状態とすることができる。
【0020】
更に、本発明にかかる梅肉とバナナとの混合物を加熱して得られた加工食品は、今までにない新しい味覚、触感で栄養価が高く、低カロリーの食品を提供可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明の最良の実施形態について説明する。
本実施形態に係る加工食品は、梅肉とバナナとの混合物を加熱して得られるものであり、かかる加工食品の製造方法は、梅肉とバナナとを混合する工程と、梅肉とバナナとを加熱する工程とを備えてなるものである。
【0022】
加工食品の原料に用いる梅肉は、梅果実の種子を除去したものである。この梅果実の品種については限定したものではなく、バラ科に属するPrunus mume Sieb. et Zucc.の学名で知られる植物の果実であり、例えば、古城、白加賀、南高、鶯宿、甲州最小、白王、紅王、織姫等を用いることができる。これらのうち果皮が軟らかいために容易に梅肉を裏漉すことができ、裏漉しが困難である場合に生じる果皮の滓があまり生じることなく、できた加工食品の舌触りが良好なものとできる点等から南高が好ましい。
【0023】
また、梅果実は、生の果実でも、梅干や梅酒のように他の加工が施された果実であってもよい。生果実又は加工に用いるための生の梅果実についてその成熟度は、特に限定せずに使用できるが、未成熟の状態で木から故意に手でもぎ取った青梅、このような未成熟の青梅を収穫後黄色に追熟させたもの、木なりのまま十分に熟して果皮が黄色になったもの、或いは、完熟の後樹枝から自然落下したもの等いずれでもよい。このうち、十分に熟して果皮が黄色になり樹枝から自然落下したものは青梅などと比較して甘みが強くなっており、また、原料コストを低く抑えることができるので好ましい。
【0024】
梅果実として生の果実を用いる場合には、前処理として灰汁抜きをしておくことが好ましい。灰汁抜きの方法は、通常の方法に準じて行なわれ、例えば、まず、梅果実を丁寧に水洗いした後、30分〜2時間程水に浸漬する。その際、梅果実が完熟の後樹枝から自然落下したものである場合には水への浸漬時間を30分程度の短時間とすることが好ましい。完熟の後樹枝から自然落下した梅果実は比較的軟らかいので長時間の浸漬によって果肉が破壊され、ちぎれた果肉が水中に溶け出す、又は分散する恐れがあるからである。
【0025】
次に、梅果実を浸漬した水を捨て、必要により、梅果実のヘタを竹串などで取り除いた後に、新たな水を加え、加熱し、沸騰した後、使用した湯を捨てるといういわゆる茹でこぼす作業を1,2回程度行う。そして、水切りした梅果実に再度新たな水を加え、加熱し、沸騰後10分〜15分程度加熱し水切りするといった方法により灰汁抜きを行う。
【0026】
この灰汁抜きの工程を経ることで生の梅果実の苦味、渋味、えぐみ等をなくすることができるが、生の梅果実を灰汁抜きせずに以下の処理を行っても構わない。
【0027】
梅実として梅干に加工した梅果実を用いる場合に、かかる梅干は、市販の梅干を用いるか、又は通常の製法に準じて製造したものを用いる。梅干を製造する際は、例えば、まず、望ましくは完熟し果皮が黄色となった梅果実を原料とし、必要によりこのような梅果実のヘタを竹串などで取り除き、ていねいに水洗いした後、30分ほど水に漬けて灰汁を抜く。次に、梅果実を水から出してざるにとって水切りする。
【0028】
次に、水きりした梅果実1kgに対し170g〜200g程度の塩を用意し、漬け物容器内に用意した塩のうち所定量の塩を入れて平らに均し、この塩を平らに均した漬け物容器内の底全体に梅果実を並べ、その上に用意した塩のうち残りの塩を振りかける。このときの塩の量は最初に漬け物容器内に入れた量より数%多めにする。これを交互に繰り返して、漬け物容器が梅果実で略一杯になると、最後に塩を振りかけ、その上に熱湯消毒した中蓋及び熱湯消毒した重石を載せ、その上から蓋を被せて梅果実を漬け込む。
【0029】
この塩漬けの際使用される塩としては、食用可能な塩であれば特に限定されないが、例えば精製塩や天然の粗塩などを使用できる。そのうち、粗塩はニガリなど若干のミネラル分を含み製品が美味になる点で好ましい。
【0030】
このように塩で漬けた梅果実からは、早ければ翌日から塩が溶けて梅から出た汁である白梅酢があがってくる。塩で梅果実を漬けてから4〜5日経過したら、漬けた梅果実がつぶれないように、重石の重量を約半分に減らし、そのまま約1ヶ月間漬け込む。漬け込みが終了したら、漬け物容器内から梅果実を取り出して竹ざる等に並べ、梅果実の上下を裏返しつつ4,5日間程度天日で干す(土用干し)。
【0031】
このようにして製造された梅干を、本実施形態にかかる加工食品に用いる場合には、前処理として塩抜きを行うことが好ましい。塩抜きは、梅干を塩抜き用の水に浸漬することにより行われる。塩抜き用の水は例えば梅干の2〜3倍の量とし、常温で浸漬する。塩抜き中は何度か梅干を浸漬する水を新しい水に替えることで塩抜きに要する時間を短くできる。塩抜きに要する時間は特に限定されるものでなく塩抜き態様により異なるが、例えば3時間〜24時間、好ましくは6時間〜12時間程度である。尚、本実施形態による塩抜きは上記のようなバッチ式容器でなく、流水で連続的に実施しても構わない。
【0032】
この塩抜きの工程を経ることで梅干を適度な辛さに調整できるが、梅干を塩抜きせずに以下の処理を行うことも可能であり、また、市販の梅干を用いた場合においても既に塩抜きされている梅干であれば当然ながらかかる塩抜きの工程は省略可能である。
【0033】
次に、適宜前処理の行った、又は前処理を行わない梅果実について、種子を除去し梅肉を得る。梅果実から種子を除去する方法は特に限定されず、例えば、梅果実のヘタ付近より種子に沿ってスプーンやナイフを入れ、種を刳り抜く方法や、株式会社諏訪田製作所製の梅果実の種子除去装置等を用いて種を取り出すことも可能である。尚、梅肉は、前記方法により前処理した生の梅果実又は梅干の種子を除去して得られるものに替えて、市販のチューブ状又はペースト状等の梅肉を用いても構わない。
【0034】
そして、得られた梅肉をフードプロセッサー、ミキサー、すりこぎ等を用いて潰すことが好ましい。この梅肉を潰す工程は、省略可能であり、梅肉をそのままの状態でバナナと混合及び加熱しても構わない。しかし、梅肉を潰すことによって容易にバナナと混合することができ、出来上がった加工食品の舌触りを良好なものとすることができる。
【0035】
加えて、潰した梅肉をそのまま後の混合及び加熱処理に用いることも可能であるが、潰した梅肉を更に裏漉し器を用いて裏漉しすることがより好ましい。梅肉を裏漉しすることで、梅肉に含まれる果皮が破壊され、破壊困難である果皮は適宜除去することも可能であり、これにより完成した加工食品の見た目がきめ細かく美しいものとなり、また食した際の舌触りを非常に滑らかで良好なものとすることができる。
【0036】
加工食品の原料に用いるバナナは、その種類について特に限定されず、糖度の高い生食用バナナ(ミバショウ(Musa sapientum.))、または生食用バナナに比べて糖度が低く、熟す前のものを煮たり、焼いたりして食されることの多いプランティン種バナナ(リョウバショウ(M. paradisiaca Linn.))などを用いることが出来る。また、バナナは、国産または外国産のいずれであってもよいが、輸送の容易さ、農薬の使用による安全性等の点から国産のバナナであることが好ましい。更に、国産の無農薬又は低農薬で栽培されたバナナがより好ましい。
【0037】
バナナは、ブドウ糖、果糖、ショ糖、澱粉など多様な糖質を含み、エネルギー源として優れている。また、ビタミン類やミネラル類なども豊富に含んでおり、その生理活性が注目されている。
【0038】
バナナは剥皮し、バナナの果肉を得る。そして、この得られたバナナの果肉をフードプロセッサー、ミキサー、すりこぎ等を用いて潰すことが好ましい。このバナナを潰す工程は、省略可能であり、バナナをそのままの状態で梅肉と混合及び加熱しても構わない。しかし、バナナを潰すことによって容易に梅肉と混合することができ、出来上がった加工食品の舌触りを良好なものとすることができる。
【0039】
加えて、潰したバナナの果肉はそのまま後の加熱処理に用いることも可能であるが、潰したバナナの果肉を更に裏漉し器等を用いて裏漉しすることがより好ましい。バナナの果肉を裏漉しすることで、塊状のバナナを破壊し、きめの細かい舌触りの滑らかな状態とすることができる。
【0040】
そして、上記のようにそれぞれ潰した梅肉とバナナとを鍋等の容器に入れて加熱する。ここで、梅肉とバナナとを混合する工程と、梅肉とバナナとを加熱する工程とは、いずれを先に行ってもよい。即ち、梅肉とバナナとを一つの容器に入れて混合したものを加熱することで、混合する工程を先に行ってもよく、或いは梅肉とバナナとをそれぞれ別々の容器に入れ各々加熱した後にこれらを混合することで加熱する工程を先に行っても構わない。梅肉とバナナとを別々の容器で各々加熱した後に混合する場合に比較して一つの容器で一度に加熱する方が梅肉とバナナとをよく混ぜ合わせることができるとともに、手間を省くことができ好ましい。
【0041】
梅肉とバナナの加熱方法は、鍋等の容器を火にかけ煮てもよく、蒸し焼きにしてもよく、マイクロ波調理等によってもよい。鍋をガスの火炎等の火にかける場合の加熱時間は梅肉及びバナナの量にもよるが、10分〜1時間、好ましくは15分〜30分程度が好ましい。加熱時間を10分より長くすることで得られた加工食品を長期保存可能とすることができ、また1時間より短くすることで、加工食品を適度な粘度を有するペースト状とすることができ、また適度な水分を含有し離乳食や病人食に適した食品とすることができる。
【0042】
この加熱の際は、バナナから生じる灰汁を適宜除去することでより上品な味わいの加工食品を得ることができる。
【0043】
梅肉とバナナとの配合割合は、完成品に要求される酸味、辛味や甘味の程度に応じ自由に選択可能であり、例えば、梅肉に対するバナナの割合が0.1〜3.0程度であり、好ましくは0.25〜2.0、より好ましくは0.5〜1.5程度である。梅肉に対するバナナの割合が0.1より高い場合にはバナナの風味が薄れることがないので好ましく、また、3.0より低い場合には梅肉の風味が薄れることがないため好ましい。
【0044】
加熱の際、所望により、梅肉とバナナの入った容器に砂糖、塩、醤油、みりん、酢、味噌、だし汁、香辛料や、その他の各種調味料を加えることも可能である。特に、梅肉に青梅を用いる場合には、適量の砂糖を加え、甘みを調整すれば得られた加工食品をジャムなどのようにパン等に塗布するなどして食することができる。この場合、砂糖の使用料を少なく抑えてもバナナの甘みが強く、加工食品のおいしさを損なうことがなくカロリーを低く抑えることができる。
【0045】
以上より、本実施形態にかかる加工食品が完成する。この加工食品は、冷蔵庫で保存すると3ヶ月〜6ヶ月程度の保存が可能である。また、得られた加工食品を殺菌処理した瓶に減圧下において詰める等して密閉容器内で保存すれば、常温でも6ヶ月〜1年程度の保存が可能である。また、−18℃以下の冷凍庫であれば、1年〜2年程度の長期保存が可能であり、少量ずつ冷凍保存しておくことで、必要な分量を冷蔵庫等で解凍し利用することができる。
【0046】
得られた加工食品は、適度な粘度を有し、ペースト状であるために扱いやすく、そのままの状態で容易に食することができる。特に、嚥下困難者や病人等にとって食しやすく、栄養価が高いために手軽に栄養補給することが可能である。また、砂糖をあまり加えなくとも十分甘味が強いので低カロリーの食材として用いることができる。
【0047】
更に、得られた加工食品を70℃〜100℃程度のお湯で3〜5倍程度に希釈することで飲料水とすることもできる。また、加工食品は様々な料理、お菓子等に利用可能であり、梅肉とバナナの割合に応じた利用方法としては、以下のような例を挙げることができる。即ち、梅肉に対するバナナの果肉の割合が0.1〜0.75程度の場合、完成した加工食品は梅肉の割合が高いために辛味や酸味が強く、おにぎりの具や、寿司ネタとして軍艦巻きの握り寿司の上に載置したり、肉や野菜の和え物、ドレッシング、料理の際の調味料等として用いることができる。
【0048】
また、梅果実に対するバナナの果肉の割合が0.75〜1.75程度の場合、完成した加工食品は梅肉とバナナとが略同程度の割合であるために甘味が強く、ジャムのように用いて食したり、離乳食などに用いることができる。そして、梅果実に対するバナナの果肉の割合が1.25〜3.0程度の場合、完成した加工食品はバナナの割合が比較的高いために非常に甘味が強くなり、ジャムのように用いて食したり、高齢者や病人などの食事に用いることができる。
【0049】
以上より、本実施形態に係る加工食品は、梅肉だけでは酸味が強く食するのに困難な状況において、砂糖をほとんど加えなくとも加工食品に適度な甘味を付与でき、よって、低カロリーでマイルドな味覚を楽しめる食品を提供することができる。また、無農薬又は低農薬で栽培した梅果実やバナナを原料に使用することで、非常に健康によく安全性の高い加工食品を提供可能である。
【実施例1】
【0050】
梅肉の原料として梅干を用い、流水中に12時間浸漬した後、スプーンで種子を取り除き、果肉を潰した後裏ごしした。また、国産の生食用バナナを剥皮し、バナナの果肉を手動で潰した後裏ごしした。この裏ごしした梅肉を500gと、裏ごししたバナナの果肉500gとを鍋に入れ火にかけ、内容物の沸騰後30分間灰汁を除去しつつ加熱し、800gの加工食品を得た。
【0051】
できた加工食品はペースト状であり、そのまま食すると舌触りが非常に滑らかであり、その味わいは甘味と酸味とを兼ね備えた双方の風味が抜群のものであった。
【実施例2】
【0052】
裏ごししたバナナの果肉を500gに替えて250gとした以外は、上記実施例1と同様の条件で加工食品を製造した。
【0053】
得られた加工食品は、上記実施例1と同様にペースト状であり、そのまま食すると舌触りが非常に滑らかであった。また、その味わいは比較的辛味が強く、そのままご飯のおかずにすることもでき、おにぎりの具や各種料理に利用可能であった。
【実施例3】
【0054】
裏ごししたバナナの果肉を500gに替えて750gとした以外は、上記実施例1と同様の条件で加工食品を製造した。
【0055】
得られた加工食品は、上記実施例1と同様にペースト状で、そのまま食すると舌触りが非常に滑らかであった。また、その味わいは非常に甘く、ジャム等に利用可能であった。
【実施例4】
【0056】
裏ごししたバナナの果肉を500gに替えて1kgとした以外は、上記実施例1と同様の条件で加工食品を製造した。
【0057】
得られた加工食品は、上記実施例1と同様にペースト状で、そのまま食すると舌触りが非常に滑らかであった。また、その味わいは実施例3の加工食品より更に甘く、ジャム等に利用可能であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
梅肉とバナナとを混合する工程と、梅肉とバナナとを加熱する工程とを備えてなる加工食品の製造方法。
【請求項2】
梅肉とバナナの混合物を加熱する工程を備えてなる請求項1に記載の加工食品の製造方法。
【請求項3】
梅肉を潰す工程を備えてなる請求項1または請求項2に記載の加工食品の製造方法。
【請求項4】
バナナの果肉を潰す工程を備えてなる請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の加工食品の製造方法。
【請求項5】
潰した梅肉を裏漉しする工程を備えてなる請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の加工食品の製造方法。
【請求項6】
潰したバナナを裏漉しする工程を備えてなる請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の加工食品の製造方法。
【請求項7】
梅肉とバナナとの混合物を加熱して得られた加工食品。