説明

加湿器

【課題】ノズル詰まりの発生を長期に亘って抑制する加湿器を提供すること。
【解決手段】圧縮空気と液体とを混合し霧化して噴霧する噴霧ノズル30を有する加湿器本体12と、加湿器本体12を覆い且つ噴霧ノズル30で霧化した液体15Aを外側に噴霧可能な吹出口48を形成したカバー40と、カバー40の内側に圧縮空気を供給し、カバー40の内側の空気圧をカバー40の外側の空気圧より高くする第1エアコンプレッサ52と、を加湿器10が備えることで、カバー40の外側の空気がカバー40の内側へ流入するのを抑制することができるため、噴霧ノズル30の空気噴出口34が引き込む空気が正常化され、ノズル詰まりの発生を長期に亘って抑制することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気圧噴霧式の加湿器に関する。
【背景技術】
【0002】
高いレベルの湿度調整が必要な空間や、静電気の帯電防止などが必要なゴム工場や印刷工場などでは、圧縮空気と液体(例えば、水)とを混合し霧化させて噴霧する空気圧噴霧式の加湿器が用いられることが多い。この種の加湿器としては、液体を送出する液体送出口と圧縮空気を噴出する空気噴出口とがノズルに設けられ、液体送出口から送出(又は吸引)された液体に空気噴出口から噴出した圧縮空気を混合させて液体を霧化させ噴霧するものがある(例えば、特許文献1〜3参照)。
【特許文献1】特許第2843970号
【特許文献2】特開平9−137978号公報
【特許文献3】特許第3826328号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、従来の空気圧噴霧式の加湿器は、埃や粉塵の存在する工場で使用した場合、早期にノズルの空気噴出口が詰まることがある。このノズル詰まり(空気噴出口の詰まり)は、ノズルに供給される圧縮空気をフィルター等で清浄化しても概ね一定の期間で発生する。このため、ノズル詰まりの原因となる付着物質を分析して調べたところ、工場内の空気中を浮遊している埃や粉塵等が空気噴出口に付着してノズル詰まりが発生していることが分かった。
【0004】
通常、空気圧噴霧式の加湿器では、圧縮空気(例えば、300kpa程度の圧力を加えた空気)を空気噴出口から噴出しているため、空気中を浮遊している埃や粉塵等がノズル詰まりの原因になるとは考え難かったが、ノズル周囲の空気の流れを調べたところ、空気噴出口は圧縮空気を噴出しつつ、ノズル周囲の空気を引き込むことが判明した。つまり、引き込んだ空気に埃や粉塵等が含まれている場合、空気噴出口に埃や粉塵等が付着してノズル詰まりが発生すると考えられる。なお、特許文献1〜3には、ノズルの空気噴出口の詰まりを解消する技術は開示されていない。
【0005】
以上のことから、本発明は、ノズル詰まりの発生を長期に亘って抑制する加湿器の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の加湿器は、圧縮空気と液体とを混合し霧化して噴霧するノズルを有する加湿器本体と、前記加湿器本体を覆い、且つ前記ノズルで霧化した液体を外側に噴霧可能な吹出口が形成されたカバーと、前記カバーの内側に圧縮空気を供給し、前記カバーの内側の空気圧を前記カバーの外側の空気圧より高くする圧縮空気供給手段と、を備える。
【0007】
請求項1に記載の加湿器によれば、カバーの内側に供給される圧縮空気によって、カバーの内側の空気圧が外側の空気圧よりも高くなり、カバーの内側からカバーの外側へ吹出口を通って空気が流れるようになる。すなわち、カバーの外側の空気に埃や粉塵等が多量に含まれていても、カバーの外側の空気圧とカバーの内側の空気圧との圧力差で、カバーの内側にカバーの外側の空気が流入するのが抑制される。これにより、噴霧時、ノズルはカバーの内側に供給された圧縮空気を引き込むため、ノズル詰まりの発生を長期に亘って抑制することができる。
【0008】
請求項2に記載の加湿器は、前記ノズルの先端が前記カバーの内側に配置された。
【0009】
請求項2に記載の加湿器によれば、ノズルの先端がカバーの内側に配置されたことで、ノズル先端周囲が圧縮空気供給手段によって生成された圧縮空気で満たされる。
【0010】
請求項3に記載の加湿器は、前記カバーの内側の空気圧が前記カバーの外側の空気圧より10kpa以上高い。
【0011】
請求項3に記載の加湿器によれば、カバーの内側の空気圧をカバーの外側の空気圧より10Kpa以上高くすることで、カバーの内側の空気が効果的に吹出口を通ってカバーの外側に流出される。
【0012】
請求項4に記載の加湿器は、前記カバーの内側の空気圧が前記ノズルで液体と混合する圧縮空気の空気圧より低い。
【0013】
請求項4に記載の加湿器によれば、カバーの内側の空気圧をノズルで液体と混合する圧縮空気の空気圧より低くすることで、ノズル詰まりの発生を抑制するために圧縮空気を供給する圧縮空気供給手段の損失エネルギーを最小限に抑えられる。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように、本発明の加湿器によれば、ノズル詰まりの発生を長期に亘って抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
(第1実施形態)
以下、図面を参照して本発明の加湿器の第1実施形態について詳細に説明する。図1に示されるように、加湿器10は、霧化した液体を生成する加湿器本体12と、加湿器本体12を覆うカバー40と、カバー40の内側へ圧縮空気を供給する第1エアコンプレッサ52とを備えている。
【0016】
(加湿器本体)
図1〜図3に示されるように、加湿器本体12は、外輪郭が略円柱状とされており、下部に液体15(本実施形態では水)を貯留するための液体タンク14が設けられ、上部に外側面から突出する突起部16が複数設けられている。なお、この突起部16の先端には後述する噴霧ノズル30が取付けられている。また、加湿器本体12の内部には、液体タンク14内に貯留された液体15を突起部16の先端(噴霧ノズル30)へと送り出すための液体送出路18が設けられている。この液体送出路18を通った液体15は、噴霧ノズル30に設けられた液体送出口32から外部へと送り出されるようになっている。
【0017】
また、加湿器本体12の内部には、加湿器本体12の外部から液体タンク14に液体15を供給するための液体供給路20が設けられている。この液体供給路20の入口20Aは加湿器本体12の上面に設けられ、液体供給装置22から延びる液体配管23を接続できるようになっている。入口20Aに液体配管23を接続した場合、液体供給装置22と液体タンク14とが液体配管23、入口20A、及び液体供給路20を介して連通する。これにより、液体供給装置22から供給された液体15が液体タンク14に貯留されるようになる。
【0018】
さらに、加湿器本体12の内部には、加湿器本体12の外部から突起部16の先端(噴霧ノズル30)に圧縮空気を供給するための空気供給路24が設けられている。この空気供給路24の入口24Aは加湿器本体12の上面に設けられ、第2エアコンプレッサ26から延びる高圧空気配管25を接続できるようになっている。また、空気供給路24は、噴霧ノズル30に設けられた空気噴出口34を出口としており、入口24Aに高圧空気配管25を接続した場合、第2エアコンプレッサ26と空気噴出口34とが高圧空気配管25、入口24A、及び空気供給路24を介して連通する。これにより、第2エアコンプレッサ26から供給された圧縮空気が空気噴出口34から噴出されるようになる。なお、第2エアコンプレッサ26は100〜500kpaの間の圧縮空気を生成できるようになっている。
【0019】
図1及び図4に示されるように、噴霧ノズル30の先端には、溝36が形成されており、溝36の溝底36Aに液体送出口32が設けられ、溝36の溝壁36Bに空気噴出口34が夫々設けられている。これらの空気噴出口34は、噴出された圧縮空気を噴霧ノズル30の先端付近で衝突させられる位置に配置されている。噴霧ノズル30の先端付近で圧縮空気が衝突した場合、溝36の液体送出口32付近が真空雰囲気となり、液体タンク14内の液体15が液体送出路18を通って吸い出される(送り出される)。液体送出口32から吸い出された液体15は、噴出した圧縮空気同士の衝突に巻き込まれ、内部に圧縮空気が混入し、微粒子化(霧化)して圧縮空気の流れに沿って噴霧される。なお、空気供給路24は、突起部16の内部で2又に分岐しており、この分岐路の出口が夫々の溝壁36Bに空気噴出口34として設けられている。
【0020】
なお、本実施形態における第2エアコンプレッサ26では、生成した圧縮空気を清浄化フィルター(図示省略)に通してから高圧空気配管25に供給している。このため、供給される圧縮空気に含まれる埃や粉塵の量は、加湿器10を使用する空間の空気に含まれる埃や粉塵の量よりも少なくなっている。つまり、第2エアコンプレッサ26から供給される圧縮空気は、加湿器10の使用空間の空気よりも清浄化されている。また、液体供給装置22では、ろ過した液体15を液体配管23に供給している。
【0021】
(カバー)
図1〜図3に示されるように、カバー40は、断面形状が円筒状の箱型とされており、上面に液体配管23を通すための液体配管口42、及び、高圧空気配管25を通すための高圧空気配管口44が設けられている。
【0022】
図2に示されるように、カバー40の上面には、カバー40の内側とカバー40の外側とを連通する空気供給口46が設けられており、この空気供給口46には、第1エアコンプレッサ52から延びる空気配管53が接続されている。これにより、第1エアコンプレッサ52で生成された圧縮空気が、空気配管53及び空気供給口46を通ってカバー40の内側に供給される。
【0023】
図3に示されるように、カバー40の外側面には、噴霧ノズル30から噴霧される霧化した液体15Aをカバー40の外側に吹き出すための吹出口48が、各噴霧ノズル30の配置位置に対応して設けられている。吹出口48の形状は円形とされており、大きさは噴霧ノズル30で霧化した液体15Aの噴霧を妨げない程度の大きさに設定されている。
【0024】
図4に示されるように、カバー40の大きさは、噴霧ノズル30の先端がカバー40の内側面よりも内側となるように設定されている。また、カバー40は、厚み2mmのステンレス鋼板(SUS304)を加工して形成されている。このため、カバー40は錆難く、カバー40の内側と外側との圧力差にも耐えられるようになっている。
【0025】
また、図1に示されるように、カバー40の下面には水抜き穴50が設けられている。この水抜き穴50により、霧化した液体15Aの一部が吹出口48から吹き出されずに、カバー40の内側面に付着した場合でも、付着して水滴となった液体は、カバー40の内側面を伝い、水抜き穴50を通ってカバー40の下方へと排出される。なお、本実施形態では、カバー40の内側面を伝う水滴を水抜き穴50へガイドするための傾斜したガイド面51がカバー40の下部に設けられている。
【0026】
(第1コンプレッサ)
第1エアコンプレッサ52は、空気配管53を介してカバー40の空気供給口46に接続されている。第1エアコンプレッサ52は圧縮空気を生成し、カバー40の内側の空気圧がカバー40の外側の空気圧のよりも10kpa以上高くなるようにしている。図4に示されるように、カバー40の内側の空気は、水抜き穴50や吹出口48からカバー40の外側(空気圧の低い方)へと流れ出すため、加湿器10の使用中は、第1エアコンプレッサ52がカバー40の内側に圧縮空気を連続して供給するようになっている。
【0027】
また、カバー40の内側の空気圧を噴霧ノズル30の空気噴出口34から噴出される圧縮空気の空気圧よりも高くすると、水抜き穴50や吹出口48から流れ出す空気量が増加し、カバー40の内側に圧縮空気を供給する第1エアコンプレッサ52のエネルギー損失が大きくなる。このため、カバー40の内側の空気圧は、噴霧ノズル30の空気噴出口34から噴出される圧縮空気の空気圧よりも低くすることが好ましい。なお、本実施形態の第2エアコンプレッサ26は、生成する圧縮空気の空気圧を100〜500kpaの間で可変できるようになっている。このため、カバー40の内側の空気圧は100kpa未満とすることが好ましい。このようにカバー40の内側の空気圧を設定することで、第1エアコンプレッサ52のエネルギー損失を最小限に抑えることが可能となる。
【0028】
なお、本実施形態における第1エアコンプレッサ52も第2エアコンプレッサ26と同様に、生成した圧縮空気を清浄化フィルター(図示省略)に通してから空気配管53に供給している。このため、カバー40の内側に供給される圧縮空気に含まれる埃や粉塵の量は、加湿器10を使用する空間の空気に含まれる埃や粉塵の量よりも少なくなっている。つまり、第1エアコンプレッサ52から供給される圧縮空気は、加湿器10の使用空間の空気よりも清浄化されている。
【0029】
次に、第1実施形態の加湿器10をゴム工場に設置した場合の作用について説明する。まず、加湿器本体12に高圧空気配管25及び液体配管23を接続する。次に、第1エアコンプレッサ52を始動させて、カバー40の内側に圧縮空気を供給して、カバー40の内側の空気圧をカバー40の外側の空気圧よりも高くする。このとき、カバー40の内側に滞留していたゴム工場の空気は吹出口48や水抜き穴50からカバー40の外側へと排出され、カバー40の内側の空気が清浄化される。
【0030】
次に、液体供給装置22から液体タンク14へ液体を供給し、液体タンク14内に液体15を貯留させる。そして、第2エアコンプレッサ26を始動させて、噴霧ノズル30の空気噴出口34から圧縮空気を噴出させる。空気噴出口34から噴出した圧縮空気は噴霧ノズル30の先端付近で衝突し、先端付近を真空雰囲気にして液体送出路18を介して液体タンク14から液体15を吸い出す。吸い出された液体15は、圧縮空気同士の衝突に巻き込まれて微粒子化(霧化)し、吹出口48を通してカバー40の外側に噴霧される(図4参照)。
【0031】
また、第1エアコンプレッサ52の起動中は、カバー40の内側の空気が吹出口48や水抜き50を通ってカバー40の外側に流れ出している。つまり、カバー40の外側の空気に埃や粉塵等が多量に含まれていても、カバー40の外側の空気圧とカバー40の内側の空気圧との圧力差で、カバー40の内側にカバー40の外側の空気が流入するのが抑制される。このため、噴霧ノズル30周囲の空気は清浄化された空気(第1エアコンプレッサ52で生成された空気)となり、空気噴出口34から圧縮空気を噴出させた場合に、空気噴出口34が引き込む空気も清浄化された空気となる(図4参照)。これにより、カバー40の外側(ゴム工場内)の空気を直接吸い込むよりも空気噴出口34の詰まりが抑制される。結果、噴霧ノズル30の詰まりの発生を長期に亘って抑制することができる。
【0032】
特に、噴霧ノズル30の先端がカバー40の内側面よりも内側となるようにすることで、噴霧ノズル30の先端周囲が清浄化された空気で満たされる。結果、空気噴出口34が引き込む空気を確実に清浄化された空気とすることができる。
【0033】
また、カバー40の内側の空気圧は、カバー40の外側の空気圧よりも10kpa以上高くすることが好ましい。これらの圧力差を10kpa以上とすることで、霧化した液体15Aの噴霧時に、吹出口48を介してカバー40の外側の空気がカバー40の内側へと引き込まれるのを効果的に抑制することができる。結果、噴霧ノズル30の詰まりの発生を効果的に抑制することができるようになる。
【0034】
(第2実施形態)
次に、本発明の加湿器の第2実施形態について詳細に説明する。なお、第1実施形態と同一部材については、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0035】
図5に示されるように、第2実施形態の加湿器60は、カバー40の上面の空気供給口46から下方へ延び、カバー40の底面近傍で水平方向に折れ曲がれる略L字状の空気供給配管62をカバー40の内側に備えている。この空気供給配管62は、一端部(図6では上端部)が空気供給口46に接続され、他端部がカバー40内で終端している。これにより、第1エアコンプレッサ52からの圧縮空気が、空気配管53、空気供給口46、及び空気供給配管62を介してカバー40の内側に供給される。また、空気供給配管62の他端部は、開口62Aが斜め上を向くように切断されている。このため、開口62Aから吐出(供給)された圧縮空気は、カバー40の内壁に沿ってカバー40の内側(カバー40と加湿器本体12との間の空間)を下部から上部へと螺旋状に流れる。
【0036】
次に、第2実施形態の加湿器60の作用について説明する。図5に示されるように、第1エアコンプレッサ52で生成された圧縮空気は、空気供給配管62を通って開口62Aからカバー40の内側に供給(吐出)され、カバー40の内側を下部から上部へと螺旋状に流れる。つまり、カバー40の内側の空気が常に新鮮な空気へと循環されるため、噴霧ノズル30の空気噴出口34が引き込む空気も常に新鮮なものとなる。結果、第2実施形態の加湿器60は、第1実施形態の加湿器10よりも効果的に、噴霧ノズル30の詰まりの発生を抑制することができる。
【0037】
なお、第2実施形態では、空気配管53と空気供給配管62とを別体とする構成としているが、本発明はこの構成に限定される必要はなく、空気配管53と空気供給配管62とを一体とする構成としてもよい。
【0038】
上述の実施形態では、圧縮空気同士を衝突させた際の真空雰囲気を利用して液体タンク14から液体15を吸い出す構成としたが、本発明はこの構成に限定される必要はなく、液体タンク14内の液体15に圧力を加え、液体送出路18を通して液体送出口32から液体15を送り出す構成としてもよい。
【0039】
以上、実施形態を挙げて本発明の実施の形態を説明したが、これらの実施形態は一例であり、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できる。また、本発明の権利範囲がこれらの実施形態に限定されないことは言うまでもない。
【0040】
<試験例>
以下に、加湿器のノズル詰まりの発生周期の評価試験を実施した結果を示す。本試験は、ゴム工場内に供試加湿器を3週間設置してノズル詰まり(空気噴出口の詰まり)の有無を見て評価した。また、本試験では、加湿器本体として、スプレーイングシステムスジャパン株式会社のミニフォッガーIIを用いた。その他の試験条件については、表1に記載の通りである。なお、表1中の×印は1日1回ノズル詰まりが発生することを示し、△印は5日に1回ノズル詰まりが発生することを示し、○印は3週間以上ノズル詰まりが発生しないことを示している。
【0041】
【表1】

【0042】
(試験結果)
表1から分かるように、比較例1、2では、空気噴出口から噴出される圧縮空気の空気圧を変えてもノズル詰まりを抑制できていない。これに対して、本発明に係る実施例1〜8では、比較例1、2よりも良好な結果が得られている。特に、カバーの内側の空気圧がカバーの外側の空気圧よりも10kpa以上高ければ(実施例2、3、5〜8)、3週間以上経過してもノズル詰まりの発生がなく、顕著な改善効果が認められた。実際には、カバーの内側とカバーの外側との空気圧の差が10kpa以上20kpa未満(実施例2、5)だと、改善効果が不安定なので、空気圧の差は40〜50kpa(実施例5〜8)に設定することが好ましい。しかし、カバーの内側とカバーの外側との空気圧の差を広げすぎると、カバーの外側に漏れる空気量も格段に増加し、カバーの内側へ圧縮空気を供給するエアコンプレッサのエネルギー損失が大きくなるため、カバーの内側とカバーの外側との空気圧の差は100kpaを越えないことが好ましいことが分かる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の第1実施形態の加湿器を示す部分断面図である。
【図2】第1実施形態の加湿器を上方から見た平面図である。
【図3】第1実施形態の加湿器を斜め上方から見た斜視図である。
【図4】第1実施形態の加湿器の噴霧ノズル周囲を示す部分断面図である。
【図5】第2実施形態の加湿器を斜め上方から見た斜視図である。
【符号の説明】
【0044】
10 加湿器
12 加湿器本体
30 噴霧ノズル(ノズル)
40 カバー
48 吹出口
52 第1エアコンプレッサ(圧縮空気供給手段)
60 加湿器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮空気と液体とを混合し霧化して噴霧するノズルを有する加湿器本体と、
前記加湿器本体を覆い、且つ前記ノズルで霧化した液体を外側に噴霧可能な吹出口が形成されたカバーと、
前記カバーの内側に圧縮空気を供給し、前記カバーの内側の空気圧を前記カバーの外側の空気圧より高くする圧縮空気供給手段と、
を備える加湿器。
【請求項2】
前記ノズルの先端が前記カバーの内側に配置された請求項1に記載の加湿器。
【請求項3】
前記カバーの内側の空気圧が前記カバーの外側の空気圧より10kpa以上高い請求項1又は請求項2に記載の加湿器。
【請求項4】
前記カバーの内側の空気圧が前記ノズルで液体と混合する圧縮空気の空気圧より低い請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の加湿器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−300005(P2009−300005A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−155620(P2008−155620)
【出願日】平成20年6月13日(2008.6.13)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】