説明

加熱可能なゴデットロールの誘導鉄心

【課題】製造が簡単でかつ高い加熱出力を達成可能とする、誘導加熱されるゴデットロールの誘導鉄心および誘導子ならびに誘導加熱可能なゴデットロールを提供する。
【解決手段】加熱可能なゴデットロール用の誘導鉄心が提案され、このものは、半径方向部分12、各1つの外側軸方向部分13および内側軸方向部分を具備し半径方向に星形に配置された複数の誘導鉄心積層体11を備える。誘導鉄心は、半径方向部分12および固定手段に対して相補的な各1つの表面21を具備したエンドプレート19、20を有している。誘導鉄心積層体11はエンドプレート19、20間に配置され、固定手段は、誘導鉄心積層体11をその半径方向部分12においてエンドプレート19、20に固定し、或いは、これに代えておよびまたは内方チューブの外面に固定するように設置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、誘導加熱可能なゴデットロールの誘導鉄心ならびに誘導子および誘導加熱可能なゴデットロールに関する。
【背景技術】
【0002】
誘導鉄心は複数の誘導鉄心積層体を備え、これらの積層体は、半径方向部分、各1つの外側軸方向部分および1つの内側軸方向部分を有し、半径方向に星形に配置されている。誘導子において、スリーブが誘導鉄心積層体の回りに配され、誘導鉄心積層体の外側軸方向部分はスリーブに隣接している。これらのゴデットロールは、紡糸機械やファイバたとえば糸を製造する機械において処理対象のファイバのガイドローラまたは取り出しロールとして使用されている。
【0003】
誘導加熱可能なゴデットロールは先行技術で公知である。これらのゴデットロールはコイル巻線が巻回された磁性誘導鉄心を有し、コイル巻線は交番電流により付勢される。コイル巻線は誘導鉄心と共に誘導子を形成し、この誘導子はゴデットロールを誘導加熱することができる。誘導鉄心は、電流が流れるコイル巻線が発生した磁場を集めると共に増強するものになっている。誘導子により誘起された磁場は、ゴデットロールの導電部分に渦電流を誘起し、導電部分ひいてはゴデットロールを加熱する。
【0004】
鋳鉄製の誘導鉄心は公知である。鋳鉄製の誘導鉄心は安価に製造可能ではあるが、磁場強度が約1100VAと低い。誘導鉄心は磁気飽和し、コイル巻線に流れる電流により発生される磁場が誘導鉄心内に浸入しにくくなる。従って、処理対象のファイバと接触することになるゴデットロール面を種々のファイバ処理方法で必要となる240℃以上の温度まで加熱可能とする高い加熱出力を、鋳鉄製の誘導鉄心を用いて達成することは困難である。これに加えて、これらの誘導鉄心には渦電流も誘起される。この結果、誘導鉄心自体が加熱し、ゴデットロール温度を迅速に制御することが困難になる。
【0005】
240℃の温度は、ゴデットロールの電力消費が1100VAのときに達成可能であるが、ゴデットロールの回転速度が低い場合に限られる。大部分の出力は、高速回転するゴデットロールの周囲状況への熱損失を補償するために用いられる。回転速度が増加するにつれて、この熱損失が自乗で増大する。長さ90mmかつ直径100mmの全体寸法を有するゴデットロールでは、1100VAが出力限界である。ゴデットロールが大きいほど、鋳鉄製の誘導鉄心で加熱出力を増大可能である。しかしながら、ゴデットロールの寸法が増大するとゴデットロールの表面がより増大し、熱エネルギ損失がこの表面に比例して増大する。従って、ゴデットロール寸法の増大によって得た加熱出力の大きい部分がこれにより相殺される。
【0006】
積層した誘導鉄心を有する誘導子も公知である。これらの誘導鉄心において、半径方向部分、各1つの外側軸方向部分および1つの内側軸方向部分を有し半径方向に星形に離隔して配される誘導鉄心積層体は、この誘導鉄心積層体の内側軸方向部分が内方チューブの外面にそれぞれ隣接するように内方チューブのまわりに配置される。この場合、誘導鉄心積層体は、その内側軸方向部分が内方チューブの外面に存した状態で溶接される。誘導鉄心積層体は変圧器金属シートからなる。誘導鉄心にはコイル巻線が巻回される。巻回中、コイル巻線を構成するために使用されるワイヤの絶縁が損傷しないように注意する必要がある。積層された誘導鉄心により、積層された変圧器鉄心により誘導鉄心での渦電流形成が防止される。スリーブが導電材料たとえば鋼からなる場合、スリーブには渦電流が誘起され、この結果、スリーブが加熱され、誘導子が挿入されるゴデットロールが加熱されることになる。誘導鉄心自体は、誘導鉄心の積層によりさほど加熱されない。ゴデットロールの表面に近い局所加熱が生じる。積層体の製造に使用される材料により、積層された誘導鉄心は鋳鉄製の誘導鉄心よりも磁気飽和限界が相当に高いものになる。これにより、実質的により大きい磁場を誘導子により発生可能である。公知の積層誘導鉄心の欠点は、誘導鉄心積層体を個々に内方チューブに溶接する必要があることである。さらに、誘導鉄心を星形に配置すること、すなわち外径において離隔して配置することはコスト高になる。このため、誘導鉄心積層体を作る金属シートには、外方領域にラグがスペーサとして設けられる。誘導鉄心の組立中、金属シートは個々に配置される。より良好に固定するため、溶接されたシームを用いてシートをスリーブに固定可能であり、これにより、不利な渦電流が、この種の誘導鉄心が嵌合されるゴデットロールの動作中に生起されることになる。積層した誘導鉄心により高い加熱出力を確かに達成可能であるが、製造するのが高価であり、コスト集約的である。
【0007】
特許文献1、2の各々には、半径方向に星形に配された複数の誘導鉄心積層体からなる誘導鉄心を具備した加熱可能なゴデットロールが開示され、固定手段が配置手段として設けられている。この配置手段は、両エンドプレートに周方向に形成され、半径方向への誘導鉄心積層体の滑りを防止するようにしている。
【0008】
特許文献3には、半径方向に星形に配置されると共に金属シートからなる矩形のパッケージから形成された複数の誘導鉄心積層体を備える誘導鉄心を具備した加熱可能なゴデットロールが開示されている。
【特許文献1】独国特許出願公開第1957110号明細書
【特許文献2】スイス国特許出願公開第467363号明細書
【特許文献3】米国特許第3448233号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、先行技術の欠点を回避し特に製造が簡単で且つ高い加熱出力を達成可能とする、誘導加熱されるゴデットロールの誘導鉄心および誘導子ならびに誘導加熱可能なゴデットロールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的は、請求項1に係る誘導鉄心、請求項9に係る誘導子、および請求項10に係るゴデットロールにより解決される。従属項は本発明の好適な実施の形態を表している。
【0011】
上記の目的は、誘導鉄心に関しては、加熱可能なゴデットロールの誘導鉄心により解決される。このものは、半径方向部分、各1つの外側軸方向部分および各1つの内側軸方向部分を具備し、半径方向に星形に配置された複数の誘導鉄心積層体を備える。誘導鉄心は配置装置として具体化された固定手段を備え、固定手段は、半径方向部分に対して相補的な各1つの表面を具備した両エンドプレートに誘導鉄心積層体の縁部分を固定するように設置される。この場合、誘導鉄心積層体は両エンドプレート間に配置される。配置手段として具体化された固定手段は、エンドプレートおよび半径方向部分に配置されると共に半径方向外方に延びるタング・溝配置手段として具体化される。この配置手段はタング・溝プラグ接続によって行われ、誘導鉄心積層体の半径方向部分は、好ましくは、エンドプレートにおける相補的な溝にタングとして挿入され、すなわち配置される。これは、製造が特に容易な固定手段の1つの実施の形態を包含している。更に、固定手段は、積層体の内側軸方向部分を内方チューブの外面に置いた状態で誘導鉄心積層体を内方チューブで位置決めするように設置することができる。こうして、誘導鉄心は、各半径方向部分に相補的な1つの表面を有したエンドプレートを有するものになる。誘導鉄心積層体はエンドプレートの間に配置され、また、固定手段は、誘導鉄心積層体をその半径方向部分においてエンドプレートに固定するように設置される。エンドプレートの相補的表面は、誘導鉄心積層体の半径方向部分に向く。これらの面は、半径方向部分を形成する成形部分を有している。最も簡単な場合、半径方向部分およびまたは軸方向部分は、好ましくは孔あけ金属シートの直線縁部である。エンドプレート表面の成形部分は、各エンドプレートの中心点から半径方向外方に延びる溝として具体化され、これらの溝には、誘導鉄心積層体の各1つの半径方向部分が挿入可能である。この結果、エンドプレートに対する誘導鉄心積層体の位置固定が行われる。
【0012】
本発明の誘導鉄心の製造には溶接プロセスは不要である。誘導鉄心積層体は、単にエンドプレートまたは内方チューブに結合およびまたは組立てることにより位置固定される。積層された誘導鉄心が設けられ、この誘導鉄心は公知の積層誘導鉄心の利点と簡単かつ低廉な製造可能性とを合わせ持つものである。本発明の誘導鉄心により1000ワット以上の加熱出力を達成可能であり、これにより、処理対象のファイバと接触することになるゴデットロール表面を240℃以上に加熱することができる。温度を迅速に変化させることにより正確な加熱が可能になる。更に、誘導鉄心の長さを、組立てに際して追加費用を発生させることなく、誘導鉄心積層体の長さを変化させることにより非常に簡単に変化可能である。
【0013】
誘導鉄心積層体は特に好ましくは、金属シートの矩形状パッケージとして構成され、成形スペーサを具備することが好ましい。矩形状の金属シートパッケージは、変圧器の如く、打ち抜き加工された金属シート部品から構成可能である点が非常に好適である。複数の矩形状の金属シートパッケージからなる構成は、誘導鉄心積層体として複数の個々の金属シートを具備した実施の形態に比べ、磁気特性が同一値を有し得る場合には、本発明による誘導鉄心アッセンブリに便宜である。スペーサは、金属シートが広い領域にわたって電気伝導可能に接合可能になることを防止する。これにより渦電流形成が更に困難になる。更に、金属シート間を一定間隔にすることができ、これにより対称的な磁場を形成することができ、従ってゴデットロールを均一加熱することができる。
【0014】
金属シートは好ましくは打ち抜き加工部品として具体化される。これにより誘導鉄心積層体を簡単かつ迅速に製造することができる。誘導鉄心積層体は、好ましくは、変圧器金属シートから製造されたとえば打ち抜き加工される。
【0015】
特に好ましくは、配置手段の各々は、両エンドプレート内の1つの周方向溝と、これに相補的な半径方向部分の隆起部分と、半径方向部分に相補的なエンドプレート内の半径方向溝とを備える。配置手段のこの実施の形態は、金属シートパッケージとして実施される誘導鉄心積層体の位置固定に特に好適である。この場合、パッケージの半径方向の滑りが周方向溝により防止され、また半径方向に垂直な滑りおよびまたは捻れが半径方向溝により防止される。
【0016】
誘導鉄心積層体は、特に好ましくは、誘導鉄心積層体の外側軸方向部分を越えて延びる半径方向部分の半径方向部分延長部を有する。誘導鉄心積層体のこの形態は、誘導鉄心の領域からゴデットロールの導電部分に磁場を効率的にガイドすることを可能とする。これらの導電部分は、特に迅速かつ効率的に加熱可能である。更に、コイル巻線が設けられたスリーブを誘導鉄心積層体の適所に固定することができる。
【0017】
両エンドプレートは、好ましくは、軸方向に通るネジを用いて互いにネジ止めされ、好ましくは、ネジは誘導鉄心積層体間の中間スペースにガイドされる。この種のネジ接続は、誘導鉄心積層体を誘導鉄心の軸方向に安定に固定可能とする。両エンドプレートおよび誘導鉄心積層体は、軸方向に互いに固定的に保持される。ネジ自身は、ネジが誘導鉄心積層体間にガイドされるとすれば、発生磁場を更に増大させる。
【0018】
エンドプレートは、好ましくは、非磁性材料たとえばアルミニウムからなる。これは、軸方向にみて誘導鉄心領域からの磁場の増大を防止する。本発明による誘導鉄心に加えて、本発明の誘導子はコイル巻線を更に備え、コイル巻線は誘導鉄心に巻回される。コイル巻線は、誘導鉄心を囲むスリーブにも巻回可能である。このコイル形態すなわちスリーブ上のコイル巻線は予め製造することができる。そして、誘導鉄心は、このコイル形態へ挿入可能である。或いは、誘導鉄心積層体はスリーブ内に個々に挿入され、次いで誘導子が組み立てられ、そしてエンドプレートが追加される。固定手段すなわち好ましくは配置手段は好適に位置づけられる。好適であれば、固定手段は、誘導鉄心に軸方向にネジ止めされる。
【0019】
本発明による加熱可能なゴデットロールは円筒状の基本形状を有し、本発明の誘導子はゴデットロール内に配置される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図面を参照して、以下、本発明を例示的な実施の形態を用いて詳細に説明する。
【0021】
図面は、本発明の主題を非常に概略的に示したものであり、一定尺度での図示であると解すべきではない。本発明の主題の個々の部品は、それらの構造を明瞭に示すことができるように図示されている。
【0022】
図1は、本発明に係る誘導鉄心10を示す。この誘導鉄心10は複数の誘導鉄心積層体11を有し、これらの積層体11は、半径方向部分12、各1つの外側軸方向部分13および各1つの内側軸方向部分を具備し、半径方向に星形に配置されている。誘導鉄心10は2つのエンドプレート19、20を有し、両エンドプレートは好ましくは非磁性材料たとえばアルミニウムからなる。各エンドプレートは、半径方向部分12および固定手段22に対して相補的な表面21を有している。誘導鉄心積層体11はエンドプレート19、20間に配置されている。固定手段22は、誘導鉄心積層体11をその半径方向部分12においてエンドプレート19、20に固定するように設置されている。誘導鉄心積層体11は半径方向延長部12の半径方向部分延長部14を有し、この延長部14は誘導鉄心積層体の外側軸方向部分13を越えて延在している。図1aでは、相補的表面21および固定手段22を示すため、エンドプレート19は回転して図示されている。固定手段22は配置手段23として具体化されており、配置手段は、エンドプレート19、20および半径方向部分12上で半径方向に配置されている。この配置手段は、半径方向部分12に隣接する誘導鉄心積層体11の領域とエンドプレート19、20の半径方向溝28とから形成されている。最も簡単な場合、半径方向溝28はエンドプレート19、20内のスリットを備え、これらのスリットは、誘導鉄心積層体11の半径方向部分12と長さおよび幅が対応している。誘導鉄心積層体11は、その内側軸方向部分が内方チューブ25に隣接するように内方チューブ25の回りに配置されている。これにより、誘導鉄心積層体の半径方向内方への滑りを防止している。しかしながら、エンドプレート19、20に固定手段を好適に形成することにより誘導鉄心積層体を半径方向で適所に固定することができるので、内方チューブは除去可能である。
【0023】
図2は、本発明による誘導鉄心の好適な実施の形態を示し、この誘導鉄心は、金属シートからなる略矩形状のパッケージ31として具体化された誘導鉄心積層体11を具備している。例えば、8個のパッケージ31を星形に配置することができ、これらのパッケージに対して溝28がエンドプレート19、20に設けられている。誘導鉄心積層体11、すなわち互いに接合される誘導鉄心積層体に係る個々の金属シートは、半径方向部分12の半径方向部分延長部14を有し、これらの延長部は誘導鉄心積層体の外側軸方向部分13を越えて延在している。配置手段は、エンドプレート19、20における誘導鉄心積層体11の半径方向固定のための各1つの周方向溝26、これに対して相補的な誘導鉄心積層体11の半径方向部分12の隆起部分27、および、エンドプレート19、20における誘導鉄心積層体11の半径方向部分12に対して相補的な半径方向溝28として具体化されている。エンドプレート19、20はネジ30により互いにネジ止めされ、これらのネジは、軸方向に通りかつ誘導鉄心積層体11のの中間スペースにガイドされるものになっている。互いに接合される誘導鉄心積層体に係る金属シートは、打ち抜き加工部分として具体化することができる。また、個々のシートは電気絶縁層により互いに絶縁することができる。
【0024】
図3は、図2の図解にしたがって誘導鉄心を構成すべく使用される誘導鉄心積層体11の1つのパッケージ31を示す。このパッケージ31は6つの金属シートを備えている。個々の誘導鉄心積層体11は半径方向部分12を有し、ここで、半径方向延長部14は、誘導鉄心積層体11の外側軸方向部分13を越えて延在している。誘導鉄心積層体11は、半径方向部分延長部14の領域において半径方向部分12に隆起部分27を有している。これらの隆起部分27は、図2に示すように、タング・溝ジョイントによって、誘導鉄心積層体11のパッケージ31をエンドプレート表面の周方向溝に配置するのに好適である。パッケージ31の個々のシートは、誘導鉄心積層体11の既述の形状に対応する形状を有している。
【0025】
図4は、本発明による誘導加熱されるゴデットロールを通る断面を示す。ここで、ゴデットロールの回転軸線の上方の、ゴデットロールの上方半部のみを示す。誘導鉄心10、コイル巻線32、ゴデットロールの基本形状を形成するシリンダのゴデットロールジャケット37、およびエンドプレート19、20が示されている。ゴデットロールジャケット37は、誘導鉄心10により誘起される磁場の磁力線34に対する短絡回路リングを形成している。誘起電流は例えば銅リング33によって増幅される。
【0026】
本発明は、先に示した例示的な実施の形態に限定されず、設計が基本的に異なるタイプのものにおいて本発明の特徴を使用する変形例が可能である。
【0027】
誘導鉄心10は、半径方向部分12、各1つの外側軸方向部分13および各1つの内側軸方向部分を具備し半径方向に星形に配置された複数の誘導鉄心積層体11を備えた加熱可能なゴデットロールについて提案されている。この誘導鉄心10は、半径方向部分12および固定手段22に対して相補的な各1つの表面21を具備したエンドプレート19、20を有している。誘導鉄心積層体11はエンドプレート19、20間に配置され、固定手段22は、誘導鉄心積層体11をその半径方向部分12においてエンドプレート19、20に固定するように設置され、あるいはこれに代えて、およびまたは、内方チューブの外面に固定するように設置される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明による誘導鉄心を示す図であり、(a)はエンドプレートを回転して示し、相補的な表面および固定手段を示す図である。
【図2】誘導鉄心積層体を金属シートの矩形状パッケージとして具体化した本発明に係る誘導鉄心の好適な実施の形態を示す図である。
【図3】図2の図解に従って誘導鉄心を構成するために使用されるよう金属シートのパッケージとして具体化した誘導鉄心積層体を示す図である。
【図4】本発明による誘導加熱されるゴデットロールを通る断面を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半径方向部分(12)、各1つの外側軸方向部分(13)および各1つの内側軸方向部分を具備し半径方向に星形に配置された複数の誘導鉄心積層体(11)を備え、配置装置として具体化される固定手段(22)を有し、前記固定手段(22)を、前記誘導鉄心積層体(11)がエンドプレート(19、20)の間に配置され、前記半径方向部分(12)に相補的な各1つの表面(21)を具備したエンドプレート(19、20)に前記誘導鉄心積層体(11)の半径方向部分(12)が固定されるように設置した、加熱可能なゴデットロール(35)用の誘導鉄心(10)において、
前記配置装置(23)を、前記エンドプレートおよび前記半径方向部分に配置し、また、半径方向外方へ延びるタング・溝配置手段(23)として具体化したことを特徴とする誘導鉄心。
【請求項2】
前記誘導鉄心積層体(11)を、ほぼ、金属シートの矩形状のパッケージ(31)として構成したことを特徴とする請求項1記載の加熱可能なゴデットロール(35)用の誘導鉄心。
【請求項3】
前記金属シートを、打ち抜き部品として具体化したことを特徴とする請求項2記載の加熱可能なゴデットロール(35)用の誘導鉄心。
【請求項4】
前記固定手段(22)を、内方チューブの外面に前記誘導鉄心積層体(11)の内側軸方向部分を配置するように設置したことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の加熱可能なゴデットロール(35)用の誘導鉄心(10)。
【請求項5】
前記配置手段の各々が、前記エンドプレート(19、20)の1つの周方向溝(26)と、これに相補的な前記半径方向部分(12)の隆起部分(27)と、前記半径方向部分(12)に対して相補的な前記エンドプレート(19、20)の半径方向溝(28)とを備えることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の加熱可能なゴデットロール(35)用の誘導鉄心。
【請求項6】
前記誘導鉄心積層体(11)が、その外側軸方向部分(13)を越えて延在する半径方向部分(12)の半径方向部分延長部(14)を有することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の加熱可能なゴデットロール(35)用の誘導鉄心。
【請求項7】
前記エンドプレート(19、20)が、軸方向に通り好ましくは前記誘導鉄心積層体(11)の間の中間スペースにガイドされるネジ(30)を用いて互いにネジ止めされることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の加熱可能なゴデットロール(35)用の誘導鉄心。
【請求項8】
前記エンドプレート(19、20)が非磁性材料好ましくはアルミニウムからなることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の加熱可能なゴデットロール(35)用の誘導鉄心。
【請求項9】
請求項1ないし8の少なくとも1つに係る誘導鉄心(10)とコイル巻線(32)とを備え、コイル巻線(32)が前記誘導鉄心の回りに巻回される、加熱可能なゴデットロール(35)用の誘導子。
【請求項10】
円筒状の基礎形状と、ゴデットロール(35)内に配された請求項9による誘導子とを備える加熱可能なゴデットロール(35)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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