説明

加熱炉のNOx抑制制御装置

【課題】連続燃焼バーナを備えた加熱炉においてのNOx濃度低減を、低コストで、しかも該連続燃焼バーナでの燃焼状態、炉内に装入したスラブに悪影響を与えることなく行う。
【解決手段】熱交換手段5によって予熱された予熱燃焼空気の一部を外部に排出する排気手段9aと、連続燃焼バーナ2に供給する予熱燃焼空気中に予熱されていない冷空気を供給する供給手段14と、加熱炉1から排出される燃焼排ガス中のNOx濃度を測定するNOx測定手段11と、NOx測定手段11で測定したNOx濃度が予め設定した設定値を超えたときに、連続燃焼バーナ2に供給される燃焼空気の温度を下げるために、排気手段9aが予熱された燃焼空気の一部を外部に排出すると共に該外部に排出した予熱燃焼空気に対応した量の冷空気を供給手段14により連続燃焼バーナ2に供給する予熱燃焼空気中に供給するための制御を行う制御手段12を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続燃焼バーナを備えた加熱炉のNOx抑制制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、熱間圧延設備の連続式加熱炉では、燃焼排ガスの排熱を回収して燃焼空気を予熱することにより、省エネルギー効果を向上させることが行われている。この場合、燃焼排ガスからの排熱回収を増やすほど、燃焼空気を高温で予熱することができ、高い熱交換率を得ることができる。しかしながら、燃焼空気の予熱温度が高くなると、加熱炉に設置されたバーナの火炎温度が局所的に上昇し、大気汚染物質である窒素酸化物(NOx)の濃度が急激に上昇するという問題がある。
【0003】
また、加熱炉に設けられるバーナが、ルーフバーナのようなバーナタイル内で強い旋回流を与えて、バーナタイル内やその近傍の天井部において急激な燃焼を生じさせる形式のものの場合にはNOx濃度が非常に高くなる。
【0004】
このような場合にNOx濃度の低減を図る方法としては、例えば燃焼排ガスとの熱交換により予熱された燃焼空気に水又は水蒸気を供給し、この燃焼空気を加湿し、バーナでの燃焼温度を下げることによって、NOxの発生を低減する方法が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。また、NOx濃度を低減する別の方法としては、加熱炉の排気設備に脱硝装置を設ける方法も提案されている(例えば、特許文献2、3を参照)。
【特許文献1】特開2005−241184号公報
【特許文献2】特開2001−79394号公報
【特許文献3】特開平9−141363号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載される方法は、水又は水蒸気を供給するための加湿装置が必要となるため、設備が複雑になり、設備コストが増加し、かつ、炉内での湿度が高くなって、加熱炉内のスラブにスケールが発生し易くなるといった問題がある。また、上記特許文献2、3に記載される方法も、脱硝装置が高価であることやアンモニアの取り扱いに注意が必要であることなど問題が多い。
【0006】
本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、連続燃焼バーナを備えた加熱炉においてのNOx濃度低減を、低コストで、しかも、該連続燃焼バーナでの燃焼状態、炉内に装入したスラブに悪影響を与えることなく、行うことができるNOx抑制制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決することを目的とした本発明の要旨は以下の通りである。
(1) 炉内を連続的に燃焼する連続燃焼バーナを備えた加熱炉と、該加熱炉の炉尻から排出される燃焼排ガスの排熱を回収して前記連続燃焼バーナに供給される燃焼空気を予熱する熱交換手段と、該熱交換手段で排熱を回収した後の前記燃焼排ガスを大気中に放散する煙突を有する加熱炉において、
前記熱交換手段によって予熱された予熱燃焼空気の一部を外部に排出する排気手段と、
前記連続燃焼バーナに供給する予熱燃焼空気中に予熱されていない冷空気を供給する供給手段と、
前記加熱炉から排出される燃焼排ガス中のNOx濃度を測定するNOx測定手段と、
前記NOx測定手段で測定したNOx濃度が予め設定した設定値を超えたときに、前記連続燃焼バーナに供給される燃焼空気の温度を下げるために、前記排気手段が前記予熱された燃焼空気の一部を外部に排出すると共に、該外部に排出した予熱燃焼空気に対応した量の前記冷空気を前記供給手段により前記連続燃焼バーナに供給する予熱燃焼空気中に供給するための制御を行う制御手段を設けたことを特徴とする加熱炉のNOx抑制制御装置。
(2) 前記NOx測定手段により測定したNOx濃度と予め設定した設定値の差に応じて、前記予熱燃焼空気の排出量を決定することを特徴とする前記(1)に記載の加熱炉のNOx抑制制御装置。
【発明の効果】
【0008】
以上のように、本発明では、簡単な設備構成であることから既設の加熱炉でも容易に適用可能であり、かつ、低コストで、しかも、加熱炉内に供給する燃焼用空気量及び水分量の変動が殆どないことから、バーナでの燃焼を安定継続でき、かつ、炉内に装入したスラブに悪影響を与えることなく、加熱炉の炉尻から排出される燃焼排ガス中の排熱を回収すると共に排ガス中のNOx濃度を予め設定した設定値以下にすることが可能となり、この分野における効果は大きい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明を適用した加熱炉のNOx抑制制御装置について、図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施形態)
先ず、第1の実施形態として、図1に示すような熱間圧延設備の連続式加熱炉1に本発明を適用した場合を例に挙げて説明する。
【0010】
この熱間圧延設備の連続式加熱炉(以下、加熱炉という。)1は、装入口1aから炉内に装入された被加熱材であるスラブ(鋳片)を、搬送手段であるウォーキングビーム(図示せず。)によって搬送しながら、炉内の予熱帯、加熱帯、均熱帯を順次通過する間に、バーナによって所定温度まで加熱するものである。なお、所定温度まで加熱されたスラブは、加熱炉1の抽出口1bから抽出された後、次工程の圧延ライン(図示せず。)へと送られる。
【0011】
加熱炉1には、炉内を連続的に加熱する連続燃焼バーナ2が複数設置されている。この連続燃焼バーナ2は、例えば、加熱炉1の上部に炉幅、炉長方向に並んで配置されるものである。なお、連続燃焼バーナ2としては、ルーフバーナ以外にも、加熱炉1の側部に配置されるサイドバーナや、加熱炉1の上部又は下部に炉長方向に沿って配置される軸流バーナなどを挙げることができ、これらの連続燃焼バーナ2を1種又は2種以上用いることができる。
【0012】
加熱炉1は、その排熱回収設備として、炉内の燃焼排ガスを炉尻側から排出する排気系3と、排気系3から排出される燃焼排ガスを大気中に排出する1本の煙突4と、排気系3から排出される燃焼排ガスの排熱を回収して燃焼空気を予熱する熱交換手段であるレキュペレータ5とを備えている。
【0013】
また、レキュペレータ5は、排気系3から排出される燃焼排ガスの排熱を回収し、燃焼空気ファン(ブロア)6により冷空気配管7を通して導入された燃焼空気を予熱した後、予熱燃焼空気配管8を通して連続燃焼バーナ2に供給する。
【0014】
以上のような構造を有する加熱炉1の排熱回収設備では、レキュペレータ5が排気系3から排出される燃焼排ガスの排熱を回収して連続燃焼バーナ2に供給される燃焼空気を予熱することにより、加熱炉1の炉尻から排出される燃焼排ガスからの排熱回収を行うことができる。
【0015】
ところで、このような加熱炉1の排熱回収設備では環境対策としてNOx濃度が設定値(例えば法規制による規制値など。) を超えないように、NOxの発生を抑制する必要がある。すなわち、このような低NOx化の背景として、条例等によるNOx濃度の規制強化や、排出されるNOxの総量規制などがある。
【0016】
そこで、本発明では、NOx濃度がそのような設定値を下回ることが困難な場合には、上述した加熱炉1の炉尻から排出される燃焼排ガスからの排熱回収に優先して、連続燃焼バーナ2に供給される燃焼空気の温度を下げることによりNOxの低減を図ることとした。
【0017】
具体的に、本発明は、レキュペレータ5によって予熱された予熱燃焼空気を外部に排出するための排気弁9を介設した排気配管9a(排気手段)と、レキュペレータ5からの予熱燃焼空気に予熱されていない空気(外気)を供給するための供給弁10を介設したバイパス配管(供給手段)14と、加熱炉1の炉尻から排出される燃焼排ガス中のNOx濃度を測定するためのNOx計(測定手段)11と、連続燃焼バーナ2に供給される燃焼空気の温度を制御するための制御部(制御手段)12とを備えている。
【0018】
排気配管9aは、予熱燃焼空気配管8の中途部に設けられている。更に、排気弁9は、流量調整弁であり、流量指示調節計13を介して制御部12と接続されている。また、バイパス配管14は、レキュペレータ5を迂回して予熱燃焼空気配管8に排気管9aの接続部よりも後段の位置で接続されており、燃焼空気ファン6によって導入された予熱されていない空気(外気)の一部を予熱燃焼空気配管8内に供給することが可能となっている。また、このバイパス配管14に介設されている供給弁10は、流量調整弁であり、流量指示調節計15を介して制御部12と接続されている。NOx計11は、排気系3のレキュペレータ5よりも後段の位置に配置されて、この排気系3を流れる燃焼排ガス中のNOx濃度を測定し、その測定データを逐次制御部12に出力する。
【0019】
制御部12は、加熱炉1の各部の制御を行うメインコンピュータ、或いはこのメインコンピュータに接続された又は独立したコンピュータからなり、NOx計11から測定データが入力されると、内部に記録された制御プログラムに従って、NOx濃度が予め設定された設定値を超えたか否かの判定を行い、NOx濃度が設定値を超えたときには後述する連続燃焼バーナ2に供給される燃焼空気の温度を下げるための制御を行う。
【0020】
以上のような構造を有する加熱炉1では、NOx計11が測定したNOx濃度が設定値を超えたときに、制御部12からの指示に従って、流量指示調節計13が排気弁9の開度を制御することによって、予熱された燃焼空気の一部を排気配管9aから外部に排出することにより、予熱燃焼空気配管8を流れる予熱燃焼空気の流量を調整する。一方、制御部12からの指示に従って、流量指示調節計15が供給弁10の開度を制御することによって、排気弁9から外部に排出された予熱燃焼空気に応じた量、すなわち同量の予熱されていない冷空気(燃焼空気ファン6から供給された外気)がバイパス配管14から予熱燃焼空気配管8に供給されるように、該バイパス配管14に流れる冷空気の流量を調整する。これにより、レキュペレータ5からの予熱燃焼空気が冷空気によって希釈されるため、例えば図3に示すように、連続燃焼バーナ2に供給される燃焼空気の温度を下げることができ、その結果、NOxの発生を抑制ずることができる。
【0021】
次に、制御部12における上記排気配管9aからの予熱燃焼空気量及びバイパス配管14からの冷空気量の制御について、さらに詳細に説明する。
制御部12において、先ず、NOx計11の測定値を入力すると予め設定された時間内(例えば1時間)における平均値を算定し、この平均値が設定値を超えた際、この差(ΔNOx)を求め、次に、この差(ΔNOx)から図4(予め求めたNOx低減量と冷風混合率の関係を示す図)を基にして冷風混合率を算出する。そして、連続燃焼バーナー2で使用している全体の燃焼空気量に算出した冷風混合率を乗じて冷風混合量を求める。
【0022】
そして、この冷風混合量に相当する予熱燃焼空気を排気管9aから外部へ排出されるように流量指示調節計13に排気弁9の開度指令を出力すると共に、バイパス配管14から上記冷風混合量の冷空気が予熱燃焼空気配管8に供給されるように流量指示調節計15に開度指令を出力する。これにより、排気弁9がその開度だけ開放して予熱燃焼空気が排気管9aから外部へ放出され、冷空気がバイパス配管14を通して予熱燃焼空気配管8に供給される。上記のように、排出される予熱燃焼空気と冷空気は同量であるために、燃焼に必要な空気量は確保される。
【0023】
また、燃焼空気ファン6の送風量制御は、上記制御部12から指示で行われるようにすることが好ましい。つまり、上記燃焼空気ファン6からの送風量が上記演算した冷風混合量だけ増加するように、該燃焼空気ファン6の回転数の増速指令を燃焼空気ファン6の駆動部(図示せず。)に出力するようにする。すなわち、排気管9aから外部に排出した空気量だけ燃焼空気ファンの吐出風量が増加し、ファンの吐出圧力が低下するので、燃焼に必要な空気量と圧力が維持されるように燃焼空気ファンの制御を行っている。
【0024】
以上のように、本発明では、加熱炉1の炉尻から排出される燃焼排ガス中のNOx濃度が設定値を超える場合に連続燃焼バーナ2に供給される燃焼空気の温度を下げることによってNOx発生の抑制を図ることが可能となる。
【0025】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態として、図2に示すような熱間圧延設備の連続式加熱炉21に本発明を適用した場合を例に挙げて説明する。
【0026】
この加熱炉21には、上記第1の実施形態と同様に、炉内を連続的に加熱する連続燃焼バーナ22と、炉内で燃焼と排気とを交互に繰り返しながら、排気時に燃焼排ガスの排熱を蓄熱体によって蓄熱回収し、燃焼時に蓄熱体に蓄熱された熱によって燃焼空気を予熱する蓄熱式バーナ(リゼネバーナ)23とが設置されている。
【0027】
連続燃焼バーナ22は、上記第1の実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略するものとする。また、蓄熱式バーナ23は、蓄熱体を備えた一対のバーナを加熱炉21の側部に対向配置されてなり、これら一対のバーナが燃焼と排気とを交互に繰り返しながら、一方のバーナの燃焼により発生した燃焼排ガスを他方のバーナの蓄熱体に通過させることによって、その燃焼排ガス中の顕熱を蓄熱体に蓄熱し、他方のバーナが燃焼する際にこの蓄熱体に燃焼空気を通過させることによって燃焼空気を予熱するようになされている。この蓄熱式バーナ23は、加熱炉21の予熱帯及び加熱帯の側部において、スラブの搬送路を挟んだ上部側と下部側とにそれぞれ設置されている。なお、蓄熱式バーナ23は、上述した配置に限らず、予熱帯、加熱帯、均熱帯の何れかの側部に任意に設置することができる。
【0028】
加熱炉21は、その排熱回収設備として、誘引ファン27を介設し、蓄熱式バーナ23の燃焼排ガスを煙突26近傍の後述する第2の排気系25に導入するための第1の排気系24と、炉内の燃焼排ガスを炉尻側から煙突26に導入するための第2の排気系25とを有し、更に、第2の排気系25には前記同様に炉圧制御手段である炉圧ダンパ28と、熱交換手段であるレキュペレータ29とを備えている。
【0029】
さらに、本実施態の連続燃焼バーナ22に供給する燃焼用空気の供給系統は、上記第1の実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略するものとする。また、蓄熱式バーナ23の燃焼用空気の供給系統は、燃焼空気ファン30からの燃焼用空気がレギュベレータ29に供給される前に、該燃焼空気ファン30からの燃焼用空気の一部を配管(図示せず。)で分岐して各々の蓄熱式バーナ23に供給している。この際、この配管には流量調整弁(図示せず。)によって分岐燃焼用空気量が目標値になるように制御されている。
【0030】
NOx計35は、第1の排気系24の合流位置と煙突26の間の第2の排気系25に配置されて、この煙突26に流入する燃焼排ガス中のNOx濃度を測定し、その測定データを制御部36に入力する。
【0031】
制御部36は、上記第1の実施形態と同様に、加熱炉21の各部の制御を行うメインコンピュータ、或いはこのメインコンピュータに接続された又は独立したコンピュータからなり、NOx濃度の一定時間平均値が設定値を超えた際、この差(△NOx)を求め、炉全体の燃焼量に対する連続燃焼バーナ22の燃焼量割合で徐した量から連続燃焼バーナ22のNOx低減量を求め、上記第1の実施形態と同様の制御を行う。
【0032】
NOx計35の測定値を入力すると予め設定された時間内(例えば1時間)における平均値を算定し、この平均値が基準値を超えた際、この差(ΔNOx)を求め、この差(ΔNOx)から連続燃焼バーナ22に供給する燃焼空気の温度低下量(ΔT)を算出し、この温度低下量(ΔT)となるように排気配管33aから大気中に排出する予熱燃焼空気量とバイパス配管38を通して予熱燃焼空気配管32に供給する冷空気(外気)量を演算し、この演算した両空気量を流量指示調節計37、39に出力して、排気弁33、供給弁34の開度を制御する。
【0033】
そして、排気配管a33から予熱燃焼空気を外気に排出し、この排出された予熱燃焼空気量と同等の量の予熱されていない冷空気(外気)がバイパス配管38から予熱燃焼空気配管32に供給される。これにより、連続燃焼バーナ22に供給される燃焼空気の温度を下がり、NOxの発生を抑制することができる。
【0034】
なお、本発明は、上述した熱間圧延設備の連続式加熱炉1、21に限らず、少なくとも連続燃焼バーナを備えた加熱炉において適用することが可能である。また、前記制御部12、36においては、NOx計35で測定したNOx濃度と設定値の差(ΔNOx)を求め、この差(ΔNOx)を基にして排気弁9、33、供給弁10、34の開度を制御するようにしたが、これに限定されることなく、予め、5〜10分時間ピッチでステップ的に所定量(好ましくは、燃焼空気ファン定格風量の10%程度の風量)毎に排気弁9、33、供給弁10、34の開度制御を前記測定NOX濃度が設定値以下になるまで繰り返し行ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】は、第1の実施形態として示す加熱炉の排熱回収設備の模式図である。
【図2】は、第2の実施形態として示す加熱炉の排熱回収設備の模式図である。
【図3】は、予熱燃焼空気を冷空気で希釈する希釈率と連続燃焼バーナに供給される予熱燃焼空気の温度の関係を示すグラフである。
【図4】は、希釈率とNOx低減量との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
【0036】
1、21:加熱炉
2、22:連続燃焼バーナ
3、25:排気系
4、26:煙突
5、29:レキュペレータ(熱交換手段)
6、30:燃焼空気ファン
8、32:予熱燃焼空気配管
9、33:排気弁
9a、33a:排気配管(排気手段)
10、34:供給弁
11、35:NOx計(NOx測定手段)
12、36:制御部(制御手段)
14、31:バイパス配管(供給手段)
23:蓄熱式バーナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炉内を連続的に燃焼する連続燃焼バーナを備えた加熱炉と、該加熱炉の炉尻から排出される燃焼排ガスの排熱を回収して前記連続燃焼バーナに供給される燃焼空気を予熱する熱交換手段と、該熱交換手段で排熱を回収した後の前記燃焼排ガスを大気中に放散する煙突を有する加熱炉において、
前記熱交換手段によって予熱された予熱燃焼空気の一部を外部に排出する排気手段と、
前記連続燃焼バーナに供給する予熱燃焼空気中に予熱されていない冷空気を供給する供給手段と、
前記加熱炉から排出される燃焼排ガス中のNOx濃度を測定するNOx測定手段と、
前記NOx測定手段で測定したNOx濃度が予め設定した設定値を超えたときに、前記連続燃焼バーナに供給される燃焼空気の温度を下げるために、前記排気手段が前記予熱された燃焼空気の一部を外部に排出すると共に、該外部に排出した予熱燃焼空気に対応した量の前記冷空気を前記供給手段により前記連続燃焼バーナに供給する予熱燃焼空気中に供給するための制御を行う制御手段を設けたことを特徴とする加熱炉のNOx抑制制御装置。
【請求項2】
前記NOx測定手段により測定したNOx濃度と予め設定した設定値の差に応じて、前記予熱燃焼空気の排出量を決定することを特徴とする請求項1に記載の加熱炉のNOx抑制制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−60156(P2010−60156A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−223723(P2008−223723)
【出願日】平成20年9月1日(2008.9.1)
【出願人】(000006655)新日本製鐵株式会社 (6,474)
【Fターム(参考)】