説明

加熱調理器、食品温度調整機器、食品初期温度推定装置、および食品初期温度推定方法

【課題】食品の初期温度と重量とを推定することができる加熱調理器、食品温度調整機器、食品初期温度推定装置、および食品初期温度推定方法を得る。
【解決手段】加熱開始から設定時間t1経過する間の、加熱室2内の温度変化に基づき、食品3の加熱開始時の温度である初期温度を推定する食品初期温度推定手段110と、設定時間t1のあと設定時間t2が経過するまでの、加熱室2内の温度変化に基づき、食品3の重量を推定する食品量推定手段120とを有し、推定した初期温度および食品3の重量に応じて、加熱手段を制御するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、食品の初期温度と重量とを推定する加熱調理器、食品温度調整機器、食品初期温度推定装置、および食品初期温度推定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の社会情勢により家事労働軽減が望まれており、短時間でおいしく調理できることが望まれている。オーブンレンジ等の加熱調理器においては、庫内に食品を投入し加熱終了を確実に検知できれば、何度も庫内の様子を見たり、加熱不十分な食品の出し入れを何度も繰り返したりといった面倒な作業を回避でき、ひいては家事労働の軽減につながるため、庫内に投入された食品の適切な加熱時間を推定することは非常に重要である。このためには、食品の初期温度(加熱開始時の食品の温度)と食品の重量の推定が必要になる。
【0003】
従来の加熱調理器においては、加熱室温度が所定温度に達するまでの時間からその後の加熱時間を補正するものが提案されている(例えば特許文献1参照)。
また、加熱室温度を測定するサーミスタの出力電圧勾配から調理物の重量を判断するものが提案されている(例えば特許文献2参照)。
また、食品の重量を検出する重量検出手段を食品調理台の下に設けるものが提案されている(例えば特許文献3参照)。
また、加熱停止期間における赤外線センサの検出結果から、検出対象が容器であるか食品であるかを判断して食品の加熱を制御するものが提案されている(例えば特許文献4参照)。
また、サーミスタが検出する庫内温度の温度上昇率が、所定値に達すると加熱調理を終了して食品の過加熱を回避するものが提案されている(例えば特許文献5参照)。
また、赤外線センサにより調理物の調理開始時の表面温度を検知し、その温度上昇率を検出することにより調理物の大きさを推定するものが提案されている(例えば特許文献6参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭59−167993号公報(第2頁)
【特許文献2】特開平5−113219号公報(段落[0003])
【特許文献3】特開2004−308963号公報(段落[0020])
【特許文献4】特許第3762594号公報(段落[0006]、[0007])
【特許文献5】特開2005−016788号公報(段落[0030])
【特許文献6】特開昭59−175588号公報(第2頁)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載の技術は、加熱室温度が所定温度に達するまでの時間からその後の加熱時間を補正しているが、食品の初期温度と重量とを推定することができない、という問題点があった。
また、特許文献2、3に記載の技術は、庫内温度変化や重量センサから重量のみを測定しているものであり、家庭で使用する様々な重量の容器への対応ができない。また、食品の初期温度を推定することができない。このため、食品の初期温度や重量に応じて適切な加熱を行うことができない、という問題点があった。
また、重量の検知のみでは、業務用、例えば加熱容器を一定重量にするよう指示でき加熱調理済みの冷凍食品を解凍し適温まで加熱する場合には十分に有効であると考えられるが、一般家庭のように様々な重量の容器を用い、冷凍から常温まで様々な温度帯の食品を加熱調理する場合には不正確な重量値しか得られない、という問題点があった。
また、特許文献4に記載の技術は、赤外線センサによって容器の補正を行うが、加熱途中で加熱停止するなど不要な時間がかかる。また、食品の初期温度を推定することができない。このため、食品の初期温度や重量に応じて適切な加熱を行うことができない、という問題点があった。
また、特許文献5に記載の技術は、赤外線センサ検知の補完として庫内サーミスタの温度上昇率をみるものであるが、初期温度の影響を考慮していない。このため、食品の初期温度や重量に応じて適切な加熱を行うことができない、という問題点があった。
また、特許文献6に記載の技術は、赤外線センサにより調理物の調理開始時の表面温度および所定温度に達するまでの温度上昇率を測定して食品の大きさを求め、これらから残りの加熱時間を算出しているが、赤外線センサ表面が、食品加熱時の水蒸気で曇ったり油煙付着等により温度検知精度が低下することがあり、食品の重量を精度よく推定することができない、という問題点があった。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、食品の初期温度と重量とを推定することができる加熱調理器、食品温度調整機器、食品初期温度推定装置、および食品初期温度推定方法を得るものである。
また、推定した食品の初期温度と重量とに応じて適切な動作時間を設定することができる加熱調理器、食品温度調整機器を得るものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る加熱調理器は、食品を収納する加熱室と、前記食品を加熱する加熱手段と、前記加熱室内の温度を検出する温度検出手段と、前記加熱手段を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、加熱開始から第1所定時間経過する間の、前記加熱室内の温度変化に基づき、前記食品の加熱開始時の温度である初期温度を推定する食品初期温度推定手段と、前記第1所定時間のあと第2所定時間が経過するまでの、前記加熱室内の温度変化に基づき、前記食品の重量を推定する食品量推定手段とを有し、推定した前記初期温度および前記食品の重量に応じて、前記加熱手段を制御するものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明は、加熱室内の温度変化に基づき、食品の初期温度と重量とを推定することができる。また、推定した食品の初期温度と重量とに応じて適切な加熱時間を設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】この発明の実施の形態1を示す加熱調理器の外観斜視図である。
【図2】この発明の実施の形態1を示す加熱調理器の中央縦断面図である。
【図3】この発明の実施の形態1を示す加熱調理器の制御ブロック図である。
【図4】この発明の実施の形態1を示す制御フローチャートである。
【図5】この発明の実施の形態1を示す、庫内サーミスタ検知温度変化と食品重量の相関を示す表である。
【図6】この発明の実施の形態1を示す、加熱前の温度が同一で重量が異なる食品を加熱したときの庫内サーミスタの出力変化である。
【図7】この発明の実施の形態1を示す、重量が同一で加熱前の温度が異なる食品を加熱したときの庫内サーミスタの出力変化である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の実施の形態においては、高周波加熱および輻射加熱を利用して食品を加熱するオーブンレンジに本発明を適用した場合を例に説明する。
【0011】
実施の形態1.
(全体構成)
図1はこの発明の実施の形態1を示す加熱調理器の外観斜視図である。
図2はこの発明の実施の形態1を示す加熱調理器の中央縦断面図である。
図1、図2において、1は加熱調理機器の本体、2は食品3が収納される加熱室である。加熱室2は脱臭塗料などが塗られた金属板を箱状に形成して構成されている。4は本体1の前面に設けられた扉である。扉4には調理中に加熱室2内を見るための窓4aやチョーク構造など高周波漏洩低減手段4bが設けられている。また、扉4の上方の中央には、扉4の開閉時に使用者が持つ取っ手4cが設けられている。なお、加熱室2は、本発明における「収納室」に相当する。
【0012】
扉4は、図示しないヒンジによって、扉4が本体1前面(つまりは使用者側)に縦開きに開けることができる。このように扉4を開けるよう構成することにより、扉4を開けるのに必要な力が少なくて済む。また、本体1の高さが低いので、扉4が開いたときに従来の加熱調理器よりも扉4が手前に出てくる幅が狭いので、使用者は加熱室2内の奥まで手が届きやすく、これにより食品3の出し入れが容易になったり、加熱室2内の清掃性が向上する。なお、取っ手4cは扉4の上方に設置してあれば良く、例えば両手を使って開けられるように扉4の左右、または使用者が如何様にも開けやすいように扉4上面の端から端まで亘って設置されていてもよい。また、扉4の左右に取っ手4cを設ける際は、扉4の側方に取っ手4cを設けることにより、高温になりやすい扉4上方よりもやけどの危険性が少なくてよい。また、取っ手4cを凸状に構成することにより、本体1や扉4に直接触れないで、扉4を開けることができ、これによってやけどなどの危険性を減らすことができる。また、取っ手4cを凸状に構成することにより、扉4内に形成される高周波漏洩低減手段4bを設置するスペースが取りやすいというメリットもある。なお、扉4に設けられた高周波漏洩低減手段4bは、実施の形態1の方式に限定されるものでなく、高周波の漏洩を防ぐことができるものであれば良い。
【0013】
5は加熱手段の一つである上面加熱ヒータである。上面加熱ヒータ5は、ニクロム線をマイカ板に巻きつけたものを鉄板に密着したいわゆるフラットヒータで形成し、加熱室2の天井面に固定される。これにより加熱室2内を均一に加熱でき、かつ清掃性もよいように構成されている。
なお、上面加熱ヒータ5のヒータ種類を限定するものではなく、例えばガラス管ヒータを用いて加熱する際の輻射成分を増加し、より食品3表面の加熱速度を速め、例えば肉の表面を焼き固め肉汁に含まれるおいしさを逃がさずに調理できるようにしてもよい。また、より安価な加熱手段としてシーズヒータを用いてもよい。
【0014】
6は加熱手段の一つであるコンベクションヒータである。コンベクションヒータ6は、加熱室2背面に設けられたファン6aと、ファン6a近傍に取り付けられたガラス管ヒータからなる送風空気加熱ヒータ6bとで構成されている。このコンベクションヒータ6は、ファン6aによって加熱室2内の空気を加熱室2背面に設けられた吸気孔2aから吸引し、吸気孔2aから吸引された空気を送風空気加熱ヒータ6bが加熱し、送風空気加熱ヒータ6bによって加熱された熱風は加熱室2背面に設けられた排気孔2bから加熱室2内に戻って加熱室2内に収納された食品3を加熱する。
【0015】
7は加熱手段の一つである高周波発生部である。高周波発生部7は、高周波発生器であるマグネトロン7aと、商用交流電源からの交流電力を変換してマグネトロン7aへ供給し駆動させる電源回路7bからなる。マグネトロン7aは、マグネトロン7aから加熱室2の床下に向かって伸びる導波管8の一端に連通し、導波管8の他端は加熱室2下部に設けられたアンテナ室9に連通している。導波管8はマグネトロン7aが発生するマイクロ波を、アンテナ室9を介して加熱室2内に導くものである。アンテナ室9には、マイクロ波の進行方向を調節するアンテナ10が備えられている。アンテナ10はモータ11によって回転可能に設けられている。このような構成にすることにより、マグネトロン7aが発生するマイクロ波を、加熱室2内に均一に放射し、加熱室2内に置かれた食品3を均一に加熱することができる。
【0016】
なお、上面加熱ヒータ5、コンベクションヒータ6は、本発明における「電熱発熱手段」に相当する。また、高周波発生部7は、本発明における「高周波加熱手段」に相当する。また、上面加熱ヒータ5、コンベクションヒータ6、高周波発生部7は、本発明における「食品温度変化手段」に相当する。
【0017】
12は角皿スライド用のレールである。レール12は、加熱室2の両側壁に凸状に設けられている。
【0018】
13は加熱調理器の運転を操作する操作部である。操作部13は、電源のオンオフスイッチや取り消しボタン、自動メニューの選択ボタン、温度や加熱モードの選択スイッチ、加熱調理中の加熱室2内の温度、選択した加熱設定やメニューが視認できる表示部が備えられている。
【0019】
14は加熱室2内の温度を検出する庫内サーミスタである。庫内サーミスタ14は、加熱室2の右奥に設置されている。これが右奥に設けられているのは奥の方が外気の影響を受けにくいこと、右側にメイン基板が設置されているため配線がより容易で安価に済むことがある。なお、庫内サーミスタ14は、本発明における「温度検出手段」に相当する。
【0020】
ここで、加熱室2内空間の高さは望ましくは135〜220mm、より望ましくは135〜180mm、さらに望ましくは135〜160mmである。この高さは、加熱室2内に収納した食品3を出し入れするために、加熱室2内に手を入れて作業しやすい最低限の高さであり、例えば雑巾で加熱室2内を清掃する際に手を上下回動させる作業を円滑に行なうための必要最低限の高さでもある。また、上面加熱ヒータ5によって食品3の表面全体に良い焼き色をつけることが可能な高さである。また、JISでオーブンレンジの性能を測る容器が収納できるギリギリの高さでもある。加熱室2の横幅と奥行きは従来からある加熱調理機器と同程度の寸法であり、例えば310W×310D[mm]である。この寸法であれば、日常使用するもの、例えば高さのあるものとしてマグカップ、横幅のあるものとしてφ300mm皿、幅も高さもあるものとして、オーブン用の鍋(例えばφ200×90H[mm])やレンジ用の調理器具(炊飯器や蒸し鍋など)も入れることができる。また一般的な冷凍食品のパック、温めなおす必要のあるデリバリーのピザ、スポンジケーキ型なども問題なく入れることができる。また、加熱室2の高さが従来に比べ低いので奥が見づらくなる可能性があるが、扉4を開いたときに、扉4の上面と加熱室2の床面がほぼフラットになるように構成しているので、加熱室2に収納した食品3を容易に取り出すことが出来る。なお、加熱室2の高さは、ほとんどの容器が収納でき、かつ省エネルギー性を維持できる高さであればよく、一定値に限定するものではない。
【0021】
また、加熱調理機器の本体1の横幅と奥行きは従来からある加熱調理機器と同程度の寸法であり、例えば500W×380D[mm]である。本体1の高さは、加熱室2の高さを維持できるものであればよく、一定値に限定するものではないが望ましくは230〜315mm、より望ましくは230〜275mmである。これは、加熱調理機器の本体1を設置する際は、一般的に消防法の制約で本体1外側上面から家具まで10〜20mmの隙間を空ける必要があるため、一般的な背の高いレンジボード(レンジを設置できるスペースの高さは約500mm)に設置不可の場合が多かったが、この高さ寸法であれば、レンジボードを選ばずに設置できるためである。
【0022】
このように本体1や加熱室2の容積を小さくすることにより、従来の加熱調理機器よりも、少ないエネルギー量で食品3を加熱することができる。また、加熱室2内の温度上昇も早く、且つ加熱室2を設定温度で安定させやすくなる。これは、従来の加熱調理機器と比べて本発明の加熱調理器は加熱室2や本体1を小さく構成しているので、(1)無駄な加熱室2内空間への加熱が少なくなる、(2)加熱室2を構成する壁へ投入される熱容量が小さくなる、(3)加熱室2壁面の面積が減りの加熱室2の外側壁面から外へ放熱する放熱量が減る、という効果が得られるからである。また、本体1や加熱室2の熱容量が減ることにより、例えば加熱室2の予熱に時間かかる、加熱室2や本体1が冷めにくい、という従来の加熱調理器のデメリットを軽減できる。
【0023】
(制御ブロック)
図3はこの発明の実施の形態1を示す加熱調理器の制御ブロック図である。
図3に示すように、制御手段100は、操作部13からの操作信号や庫内サーミスタ14による加熱室2内の検知温度が入力され、これらの入力信号に基づいて、上面加熱ヒータ5、コンベクションヒータ6、高周波発生部7の加熱動作を制御するものである。
【0024】
また、制御手段100は、食品3の加熱開始時の温度である初期温度を推定する食品初期温度推定手段110と、食品3の重量を推定する食品量推定手段120とを有している。なお、制御手段100は、本発明における「食品初期温度推定装置」に相当する。なお、食品初期温度推定手段110、食品量推定手段120は、これらの機能を実現する回路デバイスなどのハードウェアで実現することもできるし、マイコンやCPUなどの演算装置上で実行されるソフトウェアとして実現することもできる。
【0025】
(加熱制御動作)
次に、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の加熱制御動作について説明する。
図4はこの発明の実施の形態1を示す制御フローチャートである。
図5はこの発明の実施の形態1を示す、庫内サーミスタ検知温度変化と食品重量の相関を示す表である。
以下、図4の各ステップに基づき、図5を参照しつつ説明する。
【0026】
まず、ステップS1で、使用者は、加熱対象の食品3を加熱室2に設置する。
ステップS2で、使用者は、操作部13を操作して調理方法や加熱温度等の設定操作を行う。ここでは、調理方法として、高周波発生部7による加熱動作(以下、レンジ加熱という)の後に、上面加熱ヒータ5又は/及びコンベクションヒータ6による加熱動作(以下、グリル加熱という)を行うように設定した場合を例に説明する。
なお、調理動作はこれに限らず、レンジ加熱とグリル加熱とを同時に行うようにしても良いし、グリル加熱の後にレンジ加熱を行ってもよい。要するに、食品3の温度を変化させる動作であれば良い。
【0027】
ステップS3で、制御手段100は、高周波発生部7によるレンジ加熱を開始する。
この加熱開始時が、加熱時間を計算する起点となる時間であり、経過時間積算値t=0とする。また、加熱開始から食品3の初期温度を推定するための設定時間t1までの庫内サーミスタ14の検出温度を、庫内サーミスタ検出温度T1とする。また、加熱開始時の庫内サーミスタ検出温度T1を、加熱開始時の庫内サーミスタ検出温度T0および加熱開始から現時点までの最低温度T1_minの初期値として記憶する。
【0028】
ステップS4で、制御手段100は、1ステップ前の経過時間積算値t_old(最初は0)に、あらかじめ設定してあった1ステップ分の時間Δt(例えば10msec〜5sec、さらに限定すれば200msec〜2secの範囲で設定)を加算することで現時点の経過時間積算値tを算出し、この時間での庫内サーミスタ検出温度T1を検出する。
【0029】
ステップS5で、制御手段100は、庫内サーミスタ検出温度T1が、記憶された1ステップ前までの最低温度T1_minより低いか否かを判定する。低くない場合はそのままでステップS7に進む。
一方、庫内サーミスタ検出温度T1が最低温度T1_minより低いと判定した場合は、ステップS6で、最低温度T1_minを当該庫内サーミスタ検出温度T1に更新する(T1_min=T1)。
【0030】
ステップS7で、制御手段100は、経過時間積算値tが、あらかじめ設定してある食品3の初期温度推定のための設定時間t1を超えたか否かを判定する。
経過時間積算値tが設定時間t1を超えていなければ、ステップS8で、現時点での経過時間積算値tを、1ステップ前の経過時間積算値t_oldとし、ステップS4に戻る。
この初期温度推定のための設定時間t1は、初期温度による違いが明確になり、かつ食品3の初期温度や量によらずレンジ加熱が終了する前の時間にする必要がある。あまり少量の場合過加熱になりやすいので、100g以上の食品3が投入されるものと考え、加熱開始から1分以内の時間で設定するのが望ましい。なお、設定時間t1は、本発明における「第1所定時間」に相当する。
【0031】
経過時間積算値tが設定時間t1を超えていれば、ステップS9に進む。
ステップS9で、制御手段100は、加熱開始から設定時間t1までの最低温度T1_minと、加熱開始時の庫内サーミスタ検出温度T0の差分(T1_min−T0)がゼロより小さいか否かを判定する。
【0032】
差分がゼロより小さい場合(T1_min−T0<0)、即ち、加熱開始から設定時間t1経過する間の最低温度T1_minが加熱開始時の庫内サーミスタ検出温度T0よりも低い場合、食品初期温度推定手段110は、食品3の初期温度が凍結温度より低い温度であると推定し、ステップS10で、初期温度Tfを、あらかじめ設定された冷凍温度Tdとする。
ここで、冷凍温度Tdは、例えば一般的な家庭用冷凍冷蔵庫の冷凍室の温度である−18℃とする。この温度は一般的な家庭用冷凍冷蔵庫の冷凍温度帯の温度である。
このときT1_min−T0<0となるのは、食品3の初期温度が低温であることと、相変化する−2℃前後で一旦食品3の温度が上がらなくなることから加熱室2を冷やすことになり、庫内サーミスタ14で検知される温度は一旦低下するためである。
【0033】
一方、差分がゼロ以上の場合(T1_min−T0≧0)、即ち、加熱開始から設定時間t1経過する間の最低温度T1_minが加熱開始時の庫内サーミスタ検出温度T0以上の場合、食品初期温度推定手段110は、食品3の初期温度が凍結温度以上の温度であると推定し、ステップS11で、初期温度Tfを、あらかじめ設定された冷蔵温度Tuとする。
ここで、冷蔵温度Tuは、例えば5〜15℃、より限定すれば10℃程度とする。食品3の初期温度が凍結温度以上の場合、食品3は冷蔵から常温まで色々な温度帯で保存されていたものを使用すると考えられるが、衛生上食品3の大部分は冷蔵庫から取り出したものであり、それを常温下で下準備していくと、ほとんどの場合で上記温度レベルで加熱室2に投入することになるためである。
【0034】
なお、本実施の形態においては、初期温度が凍結温度より低い温度であるか、凍結温度以上の温度であるかの二つの温度帯について推定したが、本発明はこれに限定されるものではない。より精度を上げるために推定する温度帯の数を適宜増やすことが可能であることは自明である。例えば差分(T1_min−T0)の値がより大きければ、初期温度がより低いこととなるため、差分値に応じて初期温度を推定することができる。
【0035】
ステップS12で、制御手段100は、1ステップ前の経過時間積算値t_oldに、あらかじめ設定してあった1ステップ分の時間Δtを加算することで現時点の経過時間積算値tを算出し、設定時間t1から設定時間t2の間での庫内サーミスタ検出温度T2を検出する。
【0036】
ステップS13で、制御手段100は、経過時間積算値tが、あらかじめ設定してある食品3の重量推定のための設定時間t2を超えたか否かを判定する。
経過時間積算値tが設定時間t2を超えていなければ、ステップS14で、現時点での経過時間積算値tを、1ステップ前の経過時間積算値t_oldとし、ステップS12に戻る。
ここで、食品3の重量推定のための設定時間t2は、食品の初期温度による温度変化の影響がなくなった時間からの温度変化を見る必要があるため、初期温度推定のための設定時間t1より大きく、かつ食品3の量による違いが明確になり、かつ食品3の初期温度や量によらずレンジ加熱が終了する前の時間にする必要がある。あまり少量の場合過加熱になりやすいので、100g以上の食品3が投入されるものと考え、5分以内、より限定すれば1分から3分の間で設定する。なお、設定時間t2は、本発明における「第2所定時間」に相当する。
【0037】
一方、経過時間積算値tが設定時間t2を超えた場合、ステップS15に進む。
ステップS15で、食品量推定手段120は、経過時間積算値tが設定時間t2となった時点での庫内サーミスタ検出温度T2と、設定時間t1での庫内サーミスタ検出温度T1との差分(T2−T1)から、温度差と重量との相関に基づき食品3の量Wfoodを算出する。この算出には、例えば図5に示すように、あらかじめ記憶された、差分(T2−T1)の範囲と食品3の重量との相関づけられた表情報から得る。なお、これが相関式であってもよいことは自明である。
制御手段100は、このようにして算出された食品3の初期温度Tfおよび量Wfoodから、適切なレンジ加熱時間t_mwoおよびグリル加熱時間t_grillを、あらかじめ設定した式や表情報から算出する。
【0038】
ステップS16で、制御手段100は、算出したレンジ加熱時間t_mwoを経過するまでレンジ加熱を続け、加熱積算時間がt_mvoになったところでレンジ加熱からグリル加熱に切り替える。
そして、ステップS17で、制御手段100は、グリル加熱の経過時間がグリル加熱時間t_grillになったところで、ステップS18へ進み、加熱を終了して使用者にブザーや操作部の表示点滅などで報知する。
【0039】
次に、上述した加熱制御を用いたときの庫内サーミスタ検出温度の履歴について、図6、図7により説明する。
【0040】
図6はこの発明の実施の形態1を示す、加熱前の温度が同一で重量が異なる食品を加熱したときの庫内サーミスタの出力変化である。
この図6においては、食品3の初期温度が同一の冷凍温度で量が異なるときの庫内サーミスタ検出温度の経時変化を示す。
食品Aは重量300[g]、食品Bは重量800[g]であり、どちらも加熱前の食品温度は−18[℃]と冷凍庫から取り出してすぐに加熱を開始した。
【0041】
まず食品AまたはBを加熱室2に入れ、レンジ加熱を開始する。
このとき、最初は食品Aまたは食品Bは冷凍温度から始まるため相変化する−2℃前後で一旦食品温度が上がらなくなる。このため、加熱室2を冷やすことになり、庫内サーミスタ14で検知される温度は一旦低下する。その後、加熱により食品3が温まるので発熱し、蒸気も出てくるため加熱室2が温まり、庫内サーミスタ14の検知温度も上昇していく。
【0042】
この変化は、食品3の初期温度が同一であれば食品3の重量が少ないほど短時間で起きる。そして、加熱開始から、設定時間t1となる60secを経過したときに、より重量の少ない食品Aは既に庫内サーミスタ14の検知温度が上昇に転じているが、重量の多い食品Bは庫内サーミスタ14の検知温度が下げ止まっている。
食品A、Bのいずれも、T1_min―T0<0であるため、冷凍温度であったと判定できる。
このままレンジ加熱を継続し、加熱開始から、設定時間t2となる120secを経過したときに、食品AではT2−T1=2.0[deg]、食品BではT2−T1=0.3[deg]となる。
図5に示したように、この温度差を重量と相関付けた表をあらかじめ設定しておくことで重量が判定できる。これにより、初期温度と重量からレンジ加熱時間およびグリル加熱時間を設定し、加熱不足や過加熱を防ぎ、各々に適切な加熱時間で食品を加熱できる。
【0043】
図7はこの発明の実施の形態1を示す、重量が同一で加熱前の温度が異なる食品を加熱したときの庫内サーミスタの出力変化である。
この図7では食品3の重量が同一で初期温度が異なるときの庫内サーミスタ検出温度の経時変化を示す。
食品Cは冷蔵庫から取り出して調味などを行ってから加熱を始めたため初期温度は3[℃]、食品Dは冷凍庫から取り出してすぐ加熱を開始したため−18[℃]であり、どちらも食品重量は800[g]である。
【0044】
まず食品Cまたは食品Dを加熱室2に入れ、レンジ加熱を開始する。
このとき、食品Cは相変化なく加熱されるため、庫内サーミスタ14で検知できるほど庫内温度が下がることもなく上昇していく。
一方、食品Dは冷凍温度から始まるため相変化する−2℃前後で一旦食品温度が上がらなくなるため加熱室2を冷やすことになり、庫内サーミスタ14で検知される温度は一旦低下する。
その後、加熱により食品3が温まるので発熱し、蒸気も出てくるため加熱室2が温まり、庫内サーミスタ14の検知温度も上昇していく。
【0045】
そして、加熱開始から設定時間t1となる60secを経過したときに、冷蔵温度スタートの食品Cは、加熱開始から庫内サーミスタ14の検知温度が上昇しているため、T1_min―T0≧0で食品の初期温度が凍結温度以上であったことが判定できる。
冷凍温度スタートの食品Dは、一旦庫内サーミスタ14の検知温度が低下したため、T1_min―T0<0となり冷凍温度であったと判定できる。
このままレンジ加熱を継続し、加熱開始から設定時間t2となる120secを経過したときに、食品C、食品Dともに、T2−T1=0.3[deg]となる。この温度差を重量と相関付けた表をあらかじめ設定しておくことで重量が判定できる。
【0046】
これにより、初期温度と重量からレンジ加熱時間およびグリル加熱時間を設定し、加熱不足や過加熱を防ぎ、各々に適切な加熱時間で食品を加熱できる。
【0047】
なお、上記説明では食品3の初期温度や重量を判定する回数を1回にして説明したが、より正確さを期するために複数回行ってもよい。また、ある温度上昇率を設定しておいて、その温度上昇のために必要とした時間で食品3の初期温度や量を判定してもよい。
【0048】
また、初期温度推定の温度変化と重量による温度変化を検知してから、まず食品重量を推定して初期温度を推定してもよい。これにより、初期温度推定のために大部分は初期温度に依存するが重量にも依存している可能性のある温度変化のある時間領域を採用したとしても、的確に重量と初期温度を推定することができる。
【0049】
なお、上記説明では、設定時間t1、t2を固定としたが、初期温度によって可変としてもよい。これにより、例えば初期温度を早めに推定でき、加熱時間も短いと考えられる初期温度常温で重量も小さい食品でも過加熱にならず、初期温度推定に時間がかかり、加熱時間も長いと考えられる初期温度凍結温度以下で重量も大きい食品でも加熱不足にならずにすむ可能性がより高くなる。
【0050】
なお、上記説明ではレンジ加熱のみでの加熱後にグリル加熱(上面加熱ヒータ5等によるヒータ加熱)としたが、高周波加熱の途中に庫内温度の上昇加速や、ヒータ加熱へ切り替え時の上面加熱ヒータ5の温度上昇加速などを目的にして、間歇的にヒータ加熱をしてもよい。
【0051】
また、食品3全体の加熱と食品3の外部からの加熱とを同時に行うことでさらに高速化を図ってもよい。これは例えば、食品3全体の加熱として、レンジ加熱によりマイクロ波を照射しながら、食品3の外部からの加熱として、上面加熱ヒータ5等によりヒータ加熱をする、または食品3をマイクロ波で発熱するプレートに載せて調理するなどである。
また、食品3全体の加熱を高周波加熱としたが特にそれに限定するものではなく、例えば食品3に通電して起きる自己発熱によるジュール加熱などを用いてもよい。
【0052】
また、食品3の外部からの加熱はヒータ加熱(上面加熱ヒータ5等)としたが、特にヒータに限定するものではなく、送風を使ったコンベクション加熱や過熱蒸気による加熱などを用いてもよい。
また、上記説明では、ヒータ加熱量の向上のために庫内高さを小さくする方法を提示したがこれに限定されるものではない。例えば、従来のオーブンレンジサイズで、食品3と上面加熱ヒータ5の距離を小さくするために、上面加熱ヒータ5を上下する機構や食品3を載せたトレイを上下できる機構を設けてもよい。
【0053】
なお、レンジ加熱からヒータ加熱への切り替えを他のセンサと併用で行ってもよい。例えば赤外線センサを用いた場合で、例えば食品3が加熱室2の中央に設置されて加熱されている場合、庫内サーミスタ14の温度変化がなくても赤外線センサで温度変化を検知した場合は、食品3の量が50g程度と非常に少ないものとみなし、ごく短い加熱時間を設定できる。これは重量センサでも同様である。
【0054】
また、本実施の形態では、所定の設定時間t1、t2までの庫内サーミスタ14の検知温度の温度差で、食品3の初期温度や重量を推定したが、所定の温度差までの所要時間から推定する方式であってもよい。
【0055】
以上のように本実施の形態においては、加熱開始から設定時間t1経過する間の、加熱室2内の温度変化に基づき、食品3の加熱開始時の温度である初期温度を推定し、設定時間t1のあと設定時間t2が経過するまでの、加熱室2内の温度変化に基づき、食品3の重量を推定する。そして、推定した初期温度および食品3の重量に応じて、各加熱手段を制御する。このため、加熱室2内の温度変化に基づき、食品3の初期温度と重量とを推定することができる。また、推定した食品3の初期温度と重量とに応じて適切な加熱時間を設定することができる。
【0056】
また本実施の形態においては、加熱開始から設定時間t1経過する間の、加熱室2内の温度の最小値(T1_min)が、加熱開始時の加熱室2内の温度(T0)よりも低い場合、食品3の初期温度が凍結温度より低い温度であると推定し、加熱開始から設定時間t1経過する間の、加熱室2内の温度の最小値(T1_min)が、加熱開始時の加熱室2内の温度(T0)以上の場合、食品3の初期温度が凍結温度以上の温度であると推定する。このため、食品3の初期温度が凍結温度より低い温度であるか凍結温度以上の温度の何れであるか推定することができる。
【0057】
また本実施の形態においては、食品量推定手段120は、設定時間t2経過時の加熱室2内の温度(T2)と設定時間t1経過時の加熱室2内の温度(T1)との温度差と、該温度差と重量との相関に基づき、食品3の重量を推定する。このため、食品3の重量を加熱室2内の温度変化により、推定することができる。
また、庫内サーミスタ14により加熱室2内の温度を検出するので、食品加熱時の水蒸気や油煙が付着した場合であっても、精度よく温度を検出することができ、食品3の重量を精度よく推定することができる。
【0058】
なお、本実施の形態においては、加熱調理器の一例としてオーブンレンジについて説明したが本発明はこれに限るものではない。例えば、加熱調理器であるオーブントースター、フィッシュロースター、炊飯器、ガスコンロやIHクッキングヒータなどに設けられた魚焼きグリルなどに本発明を適用しても良い。
【0059】
なお、本実施の形態においては、食品3を加熱する加熱調理器について説明したが、本発明はこれに限らず、収納室に食品3を収納し、その食品3の温度を変化させる食品温度変化手段を有する食品温度調整機器に適用することができる。
【0060】
例えば、食品3を冷却する食品温度変化手段として冷却器を設けた食品温度調整機器としての冷蔵庫に、本発明を適用することもできる。この場合においても、冷蔵庫内に収納された食品3の初期温度と重量を推定することで、例えば食品投入後の冷却能力(圧縮機の回転数)や冷気導入のためのダンパ開時間を適切に制御できるので、無駄な冷却を行わずに食品をすばやく冷やすことができる。なお、冷蔵庫の場合には、温度変化は上述した加熱の場合と逆になるため、これに応じて判定論理等を適宜設定することで本発明を適用できる。つまり、食品初期温度推定手段110は、冷却開始から設定時間t1経過する間の、庫内の温度の最大値が、冷却開始時の庫内の温度よりも大きい場合、食品3の初期温度が食品3を収納する庫内温度より高い温度であると推定し、冷却開始から設定時間t1経過する間の、庫内の温度の最大値が、冷却開始時の庫内の温度以下の場合、食品3の初期温度が凍結温度以下の温度であると推定する。
【符号の説明】
【0061】
1 本体、2 加熱室、2a 吸気孔、2b 排気孔、3 食品、4 扉、4a 窓、4b 高周波漏洩低減手段、4c 取っ手、5 上面加熱ヒータ、6 コンベクションヒータ、6a ファン、6b 送風空気加熱ヒータ、7 高周波発生部、7a マグネトロン、7b 電源回路、8 導波管、9 アンテナ室、10 アンテナ、11 モータ、12 レール、13 操作部、14 庫内サーミスタ、100 制御手段、110 食品初期温度推定手段、120 食品量推定手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品を収納する加熱室と、
前記食品を加熱する加熱手段と、
前記加熱室内の温度を検出する温度検出手段と、
前記加熱手段を制御する制御手段と
を備え、
前記制御手段は、
加熱開始から第1所定時間経過する間の、前記加熱室内の温度変化に基づき、前記食品の加熱開始時の温度である初期温度を推定する食品初期温度推定手段と、
前記第1所定時間のあと第2所定時間が経過するまでの、前記加熱室内の温度変化に基づき、前記食品の重量を推定する食品量推定手段とを有し、
推定した前記初期温度および前記食品の重量に応じて、前記加熱手段を制御する
ことを特徴とする加熱調理器。
【請求項2】
前記食品初期温度推定手段は、
加熱開始から第1所定時間経過する間の、前記加熱室内の温度の最小値(T1_min)が、加熱開始時の前記加熱室内の温度(T0)よりも低い場合、前記食品の初期温度が凍結温度より低い温度であると推定し、
加熱開始から第1所定時間経過する間の、前記加熱室内の温度の最小値(T1_min)が、加熱開始時の前記加熱室内の温度(T0)以上の場合、前記食品の初期温度が凍結温度以上の温度であると推定する
ことを特徴とする請求項1記載の加熱調理器。
【請求項3】
前記食品量推定手段は、
前記第2所定時間経過時の前記加熱室内の温度(T2)と前記第1所定時間経過時の前記加熱室内の温度(T1)との温度差と、該温度差と重量との相関に基づき、前記食品の重量を推定する
ことを特徴とする請求項1または2記載の加熱調理器。
【請求項4】
前記加熱手段は、
高周波加熱手段と、
電熱発熱手段とにより構成され、
前記制御手段は、
推定した前記初期温度および前記食品の重量に応じて、前記高周波加熱手段による加熱時間と、前記電熱発熱手段による加熱時間とをそれぞれ制御する
ことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の加熱調理器。
【請求項5】
食品を収納する収納室と、
前記食品の温度を変化させる食品温度変化手段と、
前記収納室内の温度を検出する温度検出手段と、
前記食品温度変化手段を制御する制御手段と
を備え、
前記制御手段は、
前記食品温度変化手段による前記食品の温度変化の開始から第1所定時間経過する間の、前記収納室内の温度変化に基づき、前記食品の温度変化の開始時の温度である初期温度を推定する食品初期温度推定手段と、
前記第1所定時間のあと第2所定時間が経過するまでの、前記収納室内の温度変化に基づき、前記食品の重量を推定する食品量推定手段とを有し、
推定した前記初期温度および前記食品の重量に応じて、前記食品温度変化手段を制御する
ことを特徴とする食品温度調整機器。
【請求項6】
収納室に収納され食品温度変化手段により温度が変化する食品の重量と、温度変化の開始時の温度である初期温度とを推定する食品初期温度推定装置であって、
前記食品温度変化手段による前記食品の温度変化の開始から第1所定時間経過する間の、前記収納室内の温度変化に基づき、前記初期温度を推定する食品初期温度推定手段と、
前記第1所定時間のあと第2所定時間が経過するまでの、前記収納室内の温度変化に基づき、前記食品の重量を推定する食品量推定手段とを有する
ことを特徴とする食品初期温度推定装置。
【請求項7】
収納室に収納され食品温度変化手段により温度が変化する食品の重量と、温度変化の開始時の温度である初期温度とを推定する食品初期温度推定方法であって、
前記食品温度変化手段による前記食品の温度変化の開始から第1所定時間経過する間の、前記収納室内の温度変化に基づき、前記初期温度を推定するステップと、
前記第1所定時間のあと第2所定時間が経過するまでの、前記収納室内の温度変化に基づき、前記食品の重量を推定するステップとを有する
ことを特徴とする食品初期温度推定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−104576(P2013−104576A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−246551(P2011−246551)
【出願日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(000176866)三菱電機ホーム機器株式会社 (1,201)
【Fターム(参考)】