説明

加硫缶の排水装置及び加硫装置

【課題】加硫缶内に溜まる加硫用蒸気の凝縮水を精度よく検出して、凝縮水を確実に加硫缶外に排水する。
【解決手段】加硫管2の排水装置10は、加硫缶2内に溜まる蒸気Sの凝縮水Wを、排水流路から加硫缶2外に排水する。密閉容器14は、加硫缶2の外部に配置されて、凝縮水Wと蒸気Sが流通可能に加硫缶2と連通し、加硫缶2内の凝縮水Wの水量に対応して内部の凝縮水Wの水量が変化する。水量検出手段20は、密閉容器14内の凝縮水Wの水量を、密閉容器14の外部に設けられた検出センサ21により検出する。排水装置10は、水量検出手段20の検出結果に基づいて排水流路を開閉し、加硫缶2から凝縮水Wを排水させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加硫缶内に収納した被加硫物を加硫用蒸気により加硫する加硫装置と、加硫缶内に溜まる加硫用蒸気の凝縮水を排水する加硫缶の排水装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ゴムホース等の長尺なゴム部材は、未加硫ゴムで成形した長尺な未加硫成形品(被加硫物)を加硫装置により加硫して製造される。また、従来、被加硫物を収納する加硫缶を使用して、加硫缶内で被加硫物を加硫する加硫装置が知られている(特許文献1、2参照)。
【0003】
図6は、従来の加硫装置の例を示す要部模式図であり、図6A、Cは側面図、図6Bは図6A、CのZ−Z線矢視断面図である。
加硫装置100は、図6Aに示すように、水平に設置された加硫缶110を備えている。加硫缶110は、直径Dに対する長さLの比率が比較的大きい長尺な円筒状に形成され、一端部の蓋111を開閉して、内部に被加硫物(図示せず)を収納する。加硫装置100は、加硫缶110内に所定温度(例えば、150〜180℃)の蒸気Sを注入し、蒸気Sで被加硫物を加圧及び加熱して加硫する。
【0004】
ところで、加硫時には、蒸気S(図6B参照)が凝縮して、加硫缶110内の底部に比較的低温(例えば50℃程度)の凝縮水Wが溜まることがある。この状態で加硫を開始すると、低温の凝縮水Wが溜まった加硫缶110内の上部に高温の蒸気Sが注入される結果、加硫缶110の上下部間で温度差が生じる。これにより、加硫缶110の上下部が各温度で熱膨張して、加硫缶110に熱膨張量の差により大きな歪みが発生し、加硫缶110(図6C参照)の全体が反るように変形することがある。その際、例えば、長さLが10m、直径Dが200mmの細長い加硫缶110では、加硫缶110の中央部における変形量Hが60〜65mm程度にもなる。
【0005】
このような歪みや変形が加硫缶110に繰り返し作用すると、金属疲労が生じて、加硫缶110が破損することが懸念される。また、安全性をより向上させて、加硫装置100を安定して稼動させるためにも、加硫缶110から凝縮水Wを適宜排水して、歪みや変形の発生を抑制するのが望ましい。そのため、加硫装置100には、通常、加硫缶110の排水装置が組み込まれる。
【0006】
図7は、従来の加硫缶110の排水装置を示す概略構成図であり、加硫缶110を図6Bに対応する断面で示している。
排水装置120は、図示のように、加硫缶110に接続された排水管121を途中で2つに分岐させ、各分岐部中にスチームトラップ122と手動開閉弁123とを接続している。この排水装置120は、加硫中に、スチームトラップ122により、加硫缶110から凝縮水Wのみを排水管121を通して排水する。
【0007】
ところが、スチームトラップ122は、加硫開始から加硫缶110がある程度昇温するまでの間は、凝縮水Wを充分に排水できない傾向がある。即ち、スチームトラップ122は、加硫缶110内が大気圧に近い低圧力のときには、凝縮水Wを加硫缶110外に押し出す力も弱いため、凝縮水Wを排水する能力が低くなる。これに対し、蒸気Sの注入初期においては、加硫缶110が加熱されておらず温度が低いため、注入された蒸気Sの熱が奪われて蒸気Sが凝縮水Wとなり、加硫缶110内の凝縮水Wが増加する。また、加硫缶110内の圧力上昇も抑制されるため、スチームトラップ122による排水が阻害される。その状態で、加硫缶110内に蒸気Sが順次注入されると、低温の凝縮水Wが滞留する底部と、蒸気Sにより加熱された上部との間で、上記と同様に温度差が生じる。
【0008】
そこで、この従来の排水装置120では、加硫開始時には、手動開閉弁123を手動で開放して、加硫缶110内の凝縮水Wを速やかに排水し、加硫缶110に生じる温度差を小さくする。ただし、手動開閉弁123では、排水の度に人手により開閉させる必要があるため、排水のために手間や工数がかかるという問題がある。また、開閉のタイミングによっては、加硫缶110内に凝縮水Wが残ることもあり、加硫缶110内に残留する凝縮水Wを確実に排水するのは難しい。加えて、この排水装置120では、加硫中に、加硫缶110内の凝縮水Wの水量を把握できず、手動開閉弁123を操作して凝縮水Wを適宜排水できないため、更なる排水性能の向上が求められる。
【0009】
図8は、従来の排水装置の他の例を示す概略構成図である。
この排水装置130は、図示のように、排水管131の各分岐部中にスチームトラップ132と自動開閉弁133とを接続している。また、排水装置130は、温度センサ134の先端を加硫缶110内の底部に挿入し、温度センサ134で測定した加硫缶110内の温度に基づき、自動開閉弁133を開閉させて、凝縮水Wを排水管131から排水させる。その際、排水装置130は、測定温度が設定温度(例えば80℃)以下のときに、凝縮水Wが溜まったとして、自動開閉弁133を開放して排水し、設定温度を超えたときに、凝縮水Wが排水されたとして自動開閉弁133を閉鎖する。
【0010】
ここで、温度センサ134を使用するのは、150〜180℃の温度、及び、1MPa近い圧力になる加硫缶110内の蒸気Sに耐えられるセンサが温度センサ134しかなく、温度センサ134以外のセンサは加硫缶110内で使用できないからである。また、加硫缶110内の凝縮水Wは、加硫中に高い圧力が作用して温度が150〜180℃まで上昇することがあり、使用の上限温度が70〜80℃程度の水位センサも、耐熱性の問題から加硫缶110内で使用できない。
【0011】
しかしながら、温度センサ134では、凝縮水Wの水量とは直接関係しない温度から、加硫缶110内の凝縮水Wを間接的に検出することになるため、凝縮水Wの有無や水量を精度よく検出するのは困難である。そのため、この排水装置130では、加硫缶110や凝縮水Wの状態によっては、凝縮水Wを正確に排水できない虞があり、加硫開始時や加硫中における確実な排水を常時確保するのは難しい。また、凝縮水Wの水量が少なすぎて直ちに排水されると、排水管131が大気開放されて加硫缶110内から蒸気Sが排気され、加硫缶110内の圧力と温度が上昇しないことがある。この場合には、温度センサ134による測定温度も設定温度以下に維持され、自動開放弁133が開放し続けて、蒸気Sが加硫缶110から漏出した状態(吹き放し状態)になり、正常な加硫の進行が妨げられる虞がある。
【0012】
更に、排水装置130は、凝縮水Wの残量には関係なく、温度センサ134の測定温度が設定温度を超えた瞬間に自動開閉弁133を閉鎖するため、排水終了直後の加硫缶110内の凝縮水Wの状況が不確定となり、水量が変動することがある。これに伴い、凝縮水Wの滞留を解消できずに、被加硫物が凝縮水Wに接触することが懸念され、加硫後のゴム部材への影響を低減させて、ゴム部材の品質を安定させる観点からも、凝縮水Wの確実な排水を実現する必要がある。加えて、加硫中には、被加硫物のゴムから粘性の液体が染み出てスチームトラップ132に詰まり、スチームトラップ132から排水できない事態が生じ得る。これに対し、排水装置130は、加硫缶110内の凝縮水Wが増加して、凝縮水Wが設定温度以下まで冷えたときに排水を開始するが、その際には、既に被加硫物が凝縮水Wに接触している虞がある。以上のように、この排水装置130は、スチームトラップ132を代替する機能を有さず、排水性能の更なる向上の余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開平5−64563号公報
【特許文献2】特開2003−191269号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、このような従来の問題に鑑みなされたものであり、その目的は、加硫缶内に溜まる加硫用蒸気の凝縮水を精度よく検出して、加硫缶内からの加硫用蒸気の漏出を防止しつつ凝縮水を確実に加硫缶外に排水し、加硫缶の排水装置の排水性能を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、加硫缶内に溜まる加硫用蒸気の凝縮水を排水する加硫缶の排水装置であって、加硫缶内の凝縮水を加硫缶外に排水する排水流路と、凝縮水と加硫用蒸気が流通可能に加硫缶と連通して、加硫缶内の凝縮水の水量に対応して内部の凝縮水の水量が変化する密閉容器と、密閉容器内の凝縮水の水量を、密閉容器の外部に設けられた検出センサにより検出する水量検出手段と、水量検出手段の検出結果に基づいて、排水流路を開閉する開閉手段と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明は、加硫装置であって、被加硫物を収納する加硫缶と、加硫缶内に被加硫物の加硫用蒸気を供給する蒸気供給手段と、本加硫缶の排水装置と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、加硫缶内に溜まる加硫用蒸気の凝縮水を精度よく検出して、加硫缶内からの加硫用蒸気の漏出を防止しつつ凝縮水を確実に加硫缶外に排水でき、加硫缶の排水装置の排水性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本実施形態の加硫装置を示す概略構成図である。
【図2】本実施形態の加硫缶の排水装置を示す概略構成図である。
【図3】他の実施形態の排水装置を示す概略構成図である。
【図4】他の実施形態の排水装置を示す概略構成図である。
【図5】図4に示す密閉容器を矢印X方向から見た正面図である。
【図6】従来の加硫装置の例を示す要部模式図である。
【図7】従来の加硫缶の排水装置を示す概略構成図である。
【図8】従来の加硫缶の排水装置の他の例を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の加硫缶の排水装置と加硫装置の一実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態の加硫缶の排水装置(以下、単に排水装置という)は、加硫缶内に溜まる加硫用蒸気(以下、単に蒸気という)の凝縮水(いわゆるドレン)を、加硫缶内から加硫缶外に排水するドレン抜き装置であり、加硫装置の一部を構成する。また、加硫装置は、未加硫ゴムのみからなる被加硫物、又は、未加硫ゴムと他の部材からなる被加硫物を蒸気により加硫して加硫済のゴム部材を製造する。以下、加硫装置により、ゴムホース等の長尺なゴム部材を加硫する例を説明する。
【0019】
図1は、本実施形態の加硫装置を示す概略構成図であり、加硫缶2を側面図で示している。
加硫装置1は、図示のように、被加硫物(図示せず)を収納する水平に設置された加硫缶2と、加硫缶2の上部に接続された蒸気供給手段3と、加硫缶2の底部に接続された排水装置10とを備えている。蒸気供給手段3は、加熱及び加圧した蒸気を発生させるボイラー等からなり、開閉弁3Aが設けられた供給管3Bにより、加硫缶2の1以上の箇所(図1では1箇所のみ示す)に接続されている。加硫装置1は、開閉弁3Aを開閉して、蒸気供給手段3から加硫缶2内に、被加硫物を加熱して加硫するための蒸気を供給する。
【0020】
加硫缶2は、耐熱性、耐圧性、及び、密閉性を有し、直径に対する長さの比率が比較的大きい長尺な金属製の筒状(ここでは円筒状)部材からなり、一端部に設けられた蓋2Aを開閉して、内部に1又は複数の被加硫物を収納する。加硫装置1は、蒸気供給手段3から供給される蒸気を加硫缶2内に注入して、加硫缶2内に所定の温度(例えば、150〜180℃)及び圧力(例えば、1MPa程度)の蒸気を充填し、この蒸気で被加硫物を加圧及び加熱して加硫する。その際、加硫缶2内には、蒸気が凝縮して底部に集まり、凝縮水が底部に溜まって、上部側の蒸気層と底部の凝縮水層とが発生する。加硫装置1は、排水装置10を、加硫缶2の凝縮水が溜まる1箇所に、又は、加硫缶2の長手方向に沿って複数箇所(図1では3箇所)に接続し、加硫缶2内の凝縮水を所定のタイミングで排水する。
【0021】
図2は、1つの排水装置10を示す概略構成図であり、図1のY−Y線矢視断面図で示す加硫缶2を含む加硫装置1も模式的に示している。
排水装置10は、図示のように、加硫缶2に接続された排水管11と、排水管11の途中の分岐部11A、11Bに各々接続されたスチームトラップ12及び自動開閉弁13とを備え、スチームトラップ12と自動開閉弁13を独立に作動させて加硫缶2内の凝縮水Wを排水する。また、排水装置10は、加硫缶2の外部に設けられた加硫缶2とは別体の密閉容器14(図2では内部を透視して点線で示す)と、密閉容器14内の水量を検出する水量検出手段20と、装置全体を制御する制御装置15とを備え、制御装置15に水量検出手段20と自動開閉弁13を接続している。
【0022】
排水管11は、加硫缶2内の凝縮水Wを加硫缶2外に排水する排水流路であり、凝縮水Wが溜まる加硫缶2の底部に接続されて、加硫缶2内の凝縮水Wを加硫缶2の下方に向けて流出させて外部に排水する。スチームトラップ12は、加硫缶2内の蒸気Sを漏出させずに凝縮水Wを排水する排水機構を有し、排水管11の上流側から流入する凝縮水Wを排水管11の下流側に流出させる。自動開閉弁13は、例えば、外部からの信号に基づき自動で開閉する電磁弁や電動弁からなり、外部信号に応じて駆動されて、排水管11の排水流路を開放及び閉鎖し、排水管11からの凝縮水Wの排水を開始及び停止させる。排水装置10は、スチームトラップ12により、加硫缶2内の凝縮水Wを常時排水しつつ、加硫缶2内の水量や水量の変動等に応じて、自動開閉弁13を開閉して凝縮水Wを適宜排水する。
【0023】
密閉容器14は、加硫缶2と比較して外形と内部の容量が充分小さく、気密状及び水密状に密閉された小型容器であり、ここでは、ステンレス等の金属により直方体形状に形成された箱状部材からなり、加硫缶2と同等の耐熱性と耐圧性を有する。また、密閉容器14は、加硫缶2の側方で、加硫缶2内の凝縮水Wの水面と垂直方向の位置を合わせて、かつ、その水面位置が内部の収容空間の範囲内に位置するように配置され、加硫缶2内の凝縮水Wが溜まる範囲に応じた高さに設けられる。更に、密閉容器14は、上部と底部(ここでは、上板と底板)に、耐熱耐圧性を有するフレキシブルホース等、変形自在な連通部材16、17の一端が接続され、各連通部材16、17内の流路(管路)が内部に開口している。
【0024】
上部の連通部材16は、他端が、蒸気Sの供給流路である供給管3B、又は、加硫缶2の上部(ここでは供給管3B)に接続されており、加硫缶2と密閉容器14の上部同士を連通させる。この連通部材16は、蒸気Sの流路であり、蒸気供給手段3から供給される蒸気Sを密閉容器14の内部に流入させるとともに、加硫缶2と密閉容器14の内部間で蒸気Sを流出入させる。これに対し、底部の連通部材17は、他端が、加硫缶2と自動開閉弁13の間の排水管11に接続されており、密閉容器14と排水管11とを繋いで、加硫缶2と密閉容器14の凝縮水Wが溜まる底部同士を連通させる。この連通部材17は、凝縮水Wの流路であり、加硫缶2と密閉容器14の内部間で凝縮水Wを流出入させるとともに、密閉容器14内の凝縮水Wを排水管11に向けて排水させる。
【0025】
密閉容器14は、これら連通部材16、17を除いて密閉されて、連通部材16、17を介して、上部側と底部側で、それぞれ蒸気Sと凝縮水Wが流出入し、同じ収容空間に、凝縮水Wと、その水面よりも上側の蒸気Sとを同時に収容する。その際、密閉容器14は、加硫缶2内に充填された蒸気Sと同じ圧力の蒸気Sが収容されて、内部が加硫缶2の内部と同等の状態になる。また、密閉容器14は、加硫缶2内の凝縮水Wと平衡に保たれた凝縮水Wを内部に収容して、内部の凝縮水Wの水位(水面)が加硫缶2内の凝縮水Wの水位と同じになるように、内部に収容する凝縮水Wの水面と水量が変化する。このように、密閉容器14は、加硫缶2に、凝縮水Wと蒸気Sが流通可能に接続され、加硫缶2と内部同士が連通して凝縮水Wと蒸気Sが相互に流出入し、加硫缶2内の凝縮水Wの水量に対応して内部の凝縮水Wの水量が変化する。
【0026】
排水装置10は、密閉容器14内の凝縮水Wの水量を、水量検出手段20により検出して、水量検出手段20による水量の検出結果に基づいて、排水流路である排水管11を開閉して、加硫缶2と密閉容器14から凝縮水Wを排水する。水量検出手段20は、密閉容器14の外部に設けられた検出センサ21を有し、検出センサ21により凝縮水Wの水量を検出して、検出結果を制御装置15へ出力する。制御装置15は、マイクロプロセッサと各種メモリを備えたコンピュータ、又は、プログラマブルロジックコントローラからなり、検出センサ21の検出結果に基づき自動開閉弁13を作動させて弁を開閉させ、排水管11を開放及び閉鎖させる。従って、制御装置15は、自動開閉弁13とともに、排水管11を開閉する開閉手段を構成する。
【0027】
また、本実施形態では、水量検出手段20は、密閉容器14を上下方向に変位可能に保持する変位手段(保持手段)22を有する。変位手段22は、密閉容器14の上方に固定された固定部材22Aと、バネやゴム等の弾性部材(ここではバネ22B)とを有し、バネ22Bの上下の端部が、それぞれ固定部材22Aと密閉容器14の上部に取り付けられている。密閉容器14は、固定部材22Aからバネ22Bにより吊り下げられてバネ22Bを弾性変形させ、その質量に応じてバネ22Bの変形量(長さ)を変化させて、垂直方向の両方向に変位して上昇及び下降する。具体的には、密閉容器14は、凝縮水Wが流入して内部の水量と質量が増加すると、バネ22Bを伸長させて下方に変位し、凝縮水Wが流出して内部の水量と質量が減少すると、バネ22Bを収縮させて上方に変位する。
【0028】
このように、変位手段22は、密閉容器14を水量に応じた位置に保持しつつ、内部の凝縮水Wの水量に応じて、バネ22Bを弾性変形させて、密閉容器14の全体を上下方向に変位させる。水量検出手段20は、この変位する密閉容器14、又は、密閉容器14に設けられた被検出物を検出センサ21により検出する。ここでは、検出センサ21は、密閉容器14の変位範囲に近接して設けられた近接スイッチからなり、密閉容器14が所定位置まで変位して近接したときに、密閉容器14を検出する。また、検出センサ21は、加硫缶2内の凝縮水Wが設定位置(例えば、排水開始位置や上限位置)まで溜まり、その水量に応じた凝縮水Wが密閉容器14内に収容されたときに、下方に変位した密閉容器14を検出する位置に配置されている。水量検出手段20は、検出センサ21により、変位する密閉容器14を外部から検出して、検出した密閉容器14の変位位置から、密閉容器14内の凝縮水Wの水量を検出する。
【0029】
排水装置10は、加硫缶2と密閉容器14内の凝縮水Wが増加して密閉容器14が下降し、検出センサ21が密閉容器14を検出したときに、制御装置15により制御して自動開閉弁13を開放させる。また、排水装置10は、検出センサ21による検出が継続して、加硫缶2と密閉容器14内の水量が所定量以上である間は、自動開閉弁13を開放した状態に維持して、加硫缶2と密閉容器14内の凝縮水Wを排水管11から連続して排水させる。これに伴い、加硫缶2と密閉容器14内の凝縮水Wは減少して、密閉容器14は次第に上昇する。続いて、排水装置10は、加硫缶2と密閉容器14内の水量が所定量未満になり、検出センサ21が密閉容器14を検出しなくなったときに、自動開閉弁13を閉鎖させて凝縮水Wの排水を停止する。このように、排水装置10は、水量検出手段20による水量の検出結果に基づいて自動開閉弁13を開閉させ、加硫中や加硫前後に凝縮水Wを排水して、加硫缶2内の凝縮水Wの水量を調節する。
【0030】
以上説明したように、本実施形態の排水装置10では、加硫缶2内の凝縮水Wの水量に対応して変化する密閉容器14内の凝縮水Wの水量を、水量検出手段20の検出センサ21により検出して、検出結果に基づき排水管11を開閉する。その際、検出センサ21を密閉容器14の外部に設けたため、検出センサ21が高温・高圧の蒸気Sや凝縮水Wに接触せず、検出センサ21の維持や管理を簡便に行える。また、耐熱性等を考慮せずに、適切な検出センサ21を選択して水量の検出に使用できるため、密閉容器14と加硫缶2内の凝縮水Wの水量を精度よく検出できる。これに伴い、人手を要さずに水量を常時監視して把握できるため、加硫開始時や加硫中に、加硫缶2内の凝縮水Wを適宜排水できるとともに、排水のための手間や工数を削減できる。
【0031】
また、排水装置10の排水性能を向上させて、確実、正確に凝縮水Wを排水できるため、加硫缶2内への凝縮水Wの滞留を防止して、被加硫物と凝縮水Wとの接触を抑制できる。その結果、加硫後のゴム部材に、凝縮水Wとの接触に伴う影響が生じるのも抑制でき、ゴム部材の品質を安定させて、高い品質のゴム部材を順次製造できる。また、凝縮水Wの減少に応じて排水管11を閉鎖するため、排水管11が大気開放されることがなく、加硫缶2内からの蒸気Sの漏出(吹き放し)を防止して、加硫装置1による加硫を正常に進行させることができる。加えて、スチームトラップ12に詰まりや故障が発生したときでも、スチームトラップ12をバックアップして、加硫缶2内の凝縮水Wを排水できるため、被加硫物と凝縮水Wとの接触を確実に抑制できる。
【0032】
従って、本実施形態によれば、加硫缶2内に溜まる凝縮水Wを精度よく容易に検出して、加硫缶2内からの蒸気Sの漏出を防止しつつ凝縮水Wを確実に加硫缶2外に排水でき、排水装置10の排水性能を向上させることができる。これにより、凝縮水Wに伴い生じる加硫缶2の上下部間における温度と熱膨張量の差を小さくして、加硫缶2に発生する歪みと変形も低減できるため、加硫缶2に金属疲労や破損が生じるのを抑制できる。また、この水量検出手段20は、密閉容器14を内部の水量に応じて変位させて、検出センサ21により検出した密閉容器14の変位位置から凝縮水Wの水量を検出するため、比較的簡単な構成で水量を精度よく検出できる。
【0033】
ここで、本実施形態では、1つの検出センサ21により水量を検出したが、検出センサ21を上下方向に複数配置し、各検出センサ21の検出結果に基づき、密閉容器14内の水量の上限や下限等を検出して、凝縮水Wの排水を制御してもよい。同様に、複数の検出センサ21を接近させて配置し、各検出結果から水量をリアルタイムで検出して、自動開閉弁13の開閉と凝縮水Wの排水を制御することもできる。その際、自動開閉弁13として開度を変化させて凝縮水Wの流量を調整できる弁を使用することで、検出した水量に応じて自動開閉弁13の開度を調整して、排水管11による凝縮水Wの排水量を変更することができる。
【0034】
このように、排水管11を開閉する上記した開閉手段に、水量検出手段20の検出結果に基づき、排水流路を開放する程度(開度)を変化させて、排水流路による凝縮水Wの排水量を変更する変更手段を設けてもよい。これにより、例えば、水量が多いときは、排水量を多くして迅速に排水し、水量が少ないときは、排水量を次第に少なくして蒸気Sまで排気されるのを防止する等、水量に応じて加硫缶2から排水させて、排水装置10の排水性能をより向上できる。
【0035】
次に、他の実施形態の排水装置について説明する。
図3は、他の実施形態の排水装置30を示す概略構成図であり、図2に対応して加硫缶2を含む加硫装置1も示している。また、図3では、密閉容器34を透視して、その内部構成も模式的に点線で示している。
排水装置30は、図示のように、排水管31、スチームトラップ32、自動開閉弁33、密閉容器34、制御装置35、及び、上下の連通部材36、37を備えている。これら排水装置30の各部31〜37は、それぞれ上記した排水装置10の同じ名称の各部11〜17と同様に構成されている。
【0036】
ただし、密閉容器34は、マグネットが磁力で付着しない材料により所定の内径(例えば50mm程度)に形成された筒状部材からなり、加硫缶2の側方の全体に亘り配置されて、位置が固定されている。また、密閉容器34は、上部と底部に接続された連通管である連通部材36、37により、加硫缶2に、蒸気Sと凝縮水Wが流通可能に接続されている。排水装置30は、この密閉容器34内の凝縮水Wの水量を、水量検出手段40により検出して、その検出結果に基づいて排水管31を開閉し、加硫缶2と密閉容器34から凝縮水Wを排水する。
【0037】
水量検出手段40は、密閉容器34の外部に設けられた検出センサ41と、密閉容器34の内部に配置された変位部材42と、変位部材42に固定されたマグネット43とを有し、検出センサ41により密閉容器34内の水量を検出する。変位部材42は、密閉容器34内に収容されて、その内部を上下方向に変位自在な金属製(例えばステンレス)のフロートであり、密閉容器34内の凝縮水Wに浮かんで、その水面位置に合わせて変位する。また、変位部材42は、密閉容器34の内径よりも僅かに外径が小さい円筒状に形成され、凝縮水Wの水面の変位に対応して、密閉容器34内で上下方向に変位する。その際、変位部材42は、密閉容器34の内面に沿って変位して、凝縮水Wの水面上での変動が抑制されるとともに、マグネット43の磁力等で密閉容器34の内面に付着することなく円滑に変位する。水量検出手段40は、このマグネット43が設けられた変位部材42を検出センサ41により検出して、凝縮水Wの水面位置を検出する。
【0038】
検出センサ41は、密閉容器34の外面に近接して設けられたリードスイッチからなり、マグネット43の磁力により内部の接点が接触・離間してオン・オフすることで、マグネット43が設けられた変位部材42を検出する。これにより、検出センサ41は、密閉容器34内の変位部材42が所定位置まで変位して近接したときに変位部材42を検出する。水量検出手段40は、検出センサ41により、変位する変位部材42を密閉容器34の外部から検出して、検出した変位部材42の変位位置から、密閉容器34内における水面の位置と、密閉容器34内の凝縮水Wの水量を検出する。
【0039】
排水装置30は、加硫缶2と密閉容器34内の凝縮水Wが増加して変位部材42が上昇し、検出センサ41が変位部材42を検出したときに、制御装置35により制御して自動開閉弁33を開放させる。また、排水装置30は、検出センサ41による検出が継続して、加硫缶2と密閉容器34内の水量が所定量以上である間は、自動開閉弁33を開放した状態に維持して、加硫缶2と密閉容器34内の凝縮水Wを排水管31から連続して排水させる。これに伴い、加硫缶2と密閉容器34内の凝縮水Wは減少して、変位部材42は次第に下降する。続いて、排水装置30は、加硫缶2と密閉容器34内の水量が所定量未満になり、検出センサ41が変位部材42を検出しなくなったときに、自動開閉弁33を閉鎖させて凝縮水Wの排水を停止する。排水装置30は、水量検出手段40による水量の検出結果に基づいて自動開閉弁33を開閉させ、加硫中や加硫前後に凝縮水Wを排水して、加硫缶2内の凝縮水Wの水量を調節する。
【0040】
以上のように、この排水装置30では、密閉容器34の外部に設けた検出センサ41により密閉容器34内の凝縮水Wの水量を検出する等して、凝縮水Wの排水を制御するため、上記した排水装置10と同様の各効果が得られる。また、ここでは、水量検出手段40が、検出センサ41により、密閉容器34内の水量に応じて変化する凝縮水Wの水面位置を検出して、検出した密閉容器34内の凝縮水Wの水面位置から密閉容器34内の凝縮水の水量を検出する。これにより、密閉容器34内の凝縮水Wの水量を直接検出して検出の精度を向上できるため、排水装置30に、より正確、適切な排水動作を実行させることができ、排水装置30の排水性能を一層向上できる。更に、この水量検出手段40は、検出センサ41により、凝縮水Wの水面位置に合わせて変位する変位部材42を検出して水量を検出するため、検出の誤差を小さくして、より正確に水量を検出できる。
【0041】
また、密閉容器34内の変位部材42に組み込んだマグネット43の位置を、外部の検出センサ41で検出して把握する手法は、近年の油圧又は空圧シリンダ等において確立されている。そのため、この排水装置30の水量検出手段40は、特に高い難度の技術を要さずに実現できる。
【0042】
次に、水量検出手段が異なる他の実施形態の排水装置について説明する。
図4は、この排水装置50を示す概略構成図であり、密閉容器54を透視して、その内部構成も模式的に点線で示している。また、図5は、図4に示す密閉容器54を矢印X方向から見た正面図である。
排水装置50は、図示のように、排水管51、スチームトラップ52、自動開閉弁53、密閉容器54、制御装置55、及び、上下の連通部材56、57を備えている。これら排水装置50の各部51〜57は、それぞれ上記した排水装置10の同じ名称の各部11〜17と同様に構成されている。
【0043】
密閉容器54は、ステンレス等の金属により箱状に形成された小型容器からなり、加硫缶2の側方に配置されて位置が固定されている。また、密閉容器54は、上部と底部に接続された連通管である連通部材56、57により、加硫缶2に、蒸気Sと凝縮水Wが流通可能に接続されている。排水装置50は、この密閉容器54内の凝縮水Wの水量を、水量検出手段60により検出して、その検出結果に基づいて排水管51を開閉し、加硫缶2と密閉容器54から凝縮水Wを排水する。
【0044】
水量検出手段60は、密閉容器54の外部に設けられた検出センサ61と、密閉容器54の内部に配置された変位部材62と、変位部材62に連結された連動部材63とを有し、検出センサ61により密閉容器54内の水量を検出する。また、水量検出手段60は、密閉容器54の対向する両側面に回転可能に取り付けられた回転軸64(図5参照)と、一端が回転軸64に固定された内部ロッド65とを有し、内部ロッド65の他端が変位部材62に固定されている。
【0045】
変位部材62は、密閉容器54内に収容されて、その内部を上下方向に変位自在な金属製(例えばステンレス)のフロートであり、密閉容器54内の凝縮水Wに浮かんで、その水面位置に合わせて変位する。また、変位部材62は、球状に形成され、凝縮水Wの水面の変位に対応して、密閉容器54内で上下方向に変位する。この変位部材62の変位に伴い、内部ロッド65が、回転軸64(図4参照)を中心に回転するように変位して、回転軸64を両方向に回転させる。その結果、回転軸64は、変位部材62の変位量に応じた回転角度だけ回転して停止する。
【0046】
連動部材63は、密閉容器54の外部に設けられた扇状板からなり、先細り状の下端部が、密閉容器54を貫通(図5参照)する回転軸64の端部に固定されて、回転軸64と内部ロッド65により、変位部材62に連結されている。連動部材63は、変位部材62が変位して回転軸64が回転(図4参照)すると、密閉容器54の側方で、回転軸64を中心に回転して、幅広な上端部(自由端部)が変位部材62の変位に連動して変位する。水量検出手段60は、この変位部材62に連結された連動部材63を検出センサ61により検出して、密閉容器54内の凝縮水Wの水面位置を検出する。
【0047】
検出センサ61は、連動部材63の変位範囲の上方に近接して設けられた近接スイッチからなり、連動部材63が変位して近接したときに、連動部材63を検出する。これにより、検出センサ61は、密閉容器54内の水面に応じて変位部材62が所定位置まで変位したときに、その変位に連動して変位する連動部材63を検出する。水量検出手段60は、検出センサ61により、変位する連動部材63を密閉容器54の外部で検出して、検出した連動部材63の変位位置から、変位部材62と密閉容器54内における水面の位置、及び、密閉容器54内の凝縮水Wの水量を検出する。
【0048】
排水装置50は、加硫缶2と密閉容器54内の凝縮水Wが増加して変位部材62が上昇し、検出センサ61が連動部材63を検出したときに、制御装置55により制御して自動開閉弁53を開放させる。また、排水装置50は、検出センサ61による検出が継続して、加硫缶2と密閉容器54内の水量が所定量以上である間は、自動開閉弁53を開放した状態に維持して、加硫缶2と密閉容器54内の凝縮水Wを排水管51から連続して排水させる。これに伴い、加硫缶2と密閉容器54内の凝縮水Wは減少して、変位部材62は次第に下降する。続いて、排水装置50は、加硫缶2と密閉容器54内の水量が所定量未満になり、検出センサ61が連動部材63を検出しなくなったときに、自動開閉弁53を閉鎖させて凝縮水Wの排水を停止する。排水装置50は、水量検出手段60による水量の検出結果に基づいて自動開閉弁53を開閉させ、加硫中や加硫前後に凝縮水Wを排水して、加硫缶2内の凝縮水Wの水量を調節する。
【0049】
以上のように、この排水装置50でも、密閉容器54の外部に設けた検出センサ61により密閉容器54内の凝縮水Wの水量を検出する等して、凝縮水Wの排水を制御する。また、水量検出手段60が、検出センサ61により、密閉容器54内の水量に応じて変化する凝縮水Wの水面位置を検出して、検出した密閉容器54内の凝縮水Wの水面位置から密閉容器54内の凝縮水の水量を検出する。そのため、上記した排水装置10、30に関して説明したのと同様の各効果が得られる。更に、この水量検出手段60は、検出センサ61により、変位部材62に連結された連動部材63を検出して水量を検出するため、検出の誤差を小さくして、より正確に水量を検出できる。
【0050】
また、密閉容器54内の変位部材62の位置を外部の検出センサ61に伝える手法や、回転軸64の密閉シール手段は、近年確立されている。そのため、この排水装置50の水量検出手段60は、特に高い難度の技術を要さずに実現できる。
【0051】
なお、これら排水装置30、50(図3、図4参照)の水量検出手段40、60に、上記と同様に複数の検出センサ41、61を配置して、密閉容器34、54内の水量の上限や下限を検出し、或いは、水量をリアルタイムで検出して、凝縮水Wの排水を制御してもよい。また、排水管31、51の開閉手段に、水量検出手段40、60の検出結果に基づき、排水流路を開放する程度を変化させて、排水流路による凝縮水Wの排水量を変更する変更手段を設けてもよい。
【0052】
以上、長尺な円筒状の加硫缶2を備えた加硫装置1を例に説明したが、排水装置10、30、50を使用することで、寸法、形状、及び構造等が異なる種々の加硫缶2から凝縮水Wを排水できる。ただし、直径が200〜500mm、長さが5〜50mの加硫缶2では、凝縮水Wの発生により加硫缶2に大きな歪みや変形が発生し、それらに伴う問題も特に大きくなるため、排水装置10、30、50は、このような長尺な加硫缶2からの排水に好適に使用できる。
【符号の説明】
【0053】
1・・・加硫装置、2・・・加硫缶、3・・・蒸気供給手段、10・・・排水装置、11・・・排水管、12・・・スチームトラップ、13・・・自動開閉弁、14・・・密閉容器、15・・・制御装置、16、17・・・連通部材、20・・・水量検出手段、21・・・検出センサ、22・・・変位手段、30・・・排水装置、31・・・排水管、32・・・スチームトラップ、33・・・自動開閉弁、34・・・密閉容器、35・・・制御装置、36、37・・・連通部材、40・・・水量検出手段、41・・・検出センサ、42・・・変位部材、43・・・マグネット、50・・・排水装置、51・・・排水管、52・・・スチームトラップ、53・・・自動開閉弁、54・・・密閉容器、55・・・制御装置、56、57・・・連通部材、60・・・水量検出手段、61・・・検出センサ、62・・・変位部材、63・・・連動部材、64・・・回転軸、65・・・内部ロッド、S・・・蒸気、W・・・凝縮水。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加硫缶内に溜まる加硫用蒸気の凝縮水を排水する加硫缶の排水装置であって、
加硫缶内の凝縮水を加硫缶外に排水する排水流路と、
凝縮水と加硫用蒸気が流通可能に加硫缶と連通して、加硫缶内の凝縮水の水量に対応して内部の凝縮水の水量が変化する密閉容器と、
密閉容器内の凝縮水の水量を、密閉容器の外部に設けられた検出センサにより検出する水量検出手段と、
水量検出手段の検出結果に基づいて、排水流路を開閉する開閉手段と、
を備えたことを特徴とする加硫缶の排水装置。
【請求項2】
請求項1に記載された加硫缶の排水装置において、
開閉手段が、水量検出手段の検出結果に基づき、排水流路を開放する程度を変化させて、排水流路による凝縮水の排水量を変更する変更手段を有することを特徴とする加硫缶の排水装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載された加硫缶の排水装置において、
水量検出手段が、密閉容器を内部の凝縮水の水量に応じて変位させる変位手段を有し、検出センサにより検出した密閉容器の変位位置から密閉容器内の凝縮水の水量を検出することを特徴とする加硫缶の排水装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載された加硫缶の排水装置において、
水量検出手段が、検出センサにより検出した密閉容器内の凝縮水の水面位置から密閉容器内の凝縮水の水量を検出することを特徴とする加硫缶の排水装置。
【請求項5】
請求項4に記載された加硫缶の排水装置において、
水量検出手段が、密閉容器内の凝縮水の水面位置に合わせて変位する変位部材を有し、
検出センサが、変位部材又は変位部材に連結された連動部材を検出して凝縮水の水面位置を検出することを特徴とする加硫缶の排水装置。
【請求項6】
被加硫物を収納する加硫缶と、加硫缶内に被加硫物の加硫用蒸気を供給する蒸気供給手段と、請求項1ないし5のいずれかに記載された加硫缶の排水装置と、を備えたことを特徴とする加硫装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−245647(P2011−245647A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−118525(P2010−118525)
【出願日】平成22年5月24日(2010.5.24)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】