説明

加飾シート及び加飾成形体

【課題】微細なパターンのヘアーライン模様でありながら干渉ムラが見え難い加飾シートと、その加飾シートを表面に備える加飾成形体の提供
【解決手段】第1ヘアライン印刷層4を第2ヘアライン印刷層5よりも暗い低明度ヘアライン印刷層として形成しているため、交差部分の濃度はこの暗い第1ヘアライン印刷層4の濃度が強く表れ、第1ヘアライン印刷層4における交差部分と他の部分との濃度差が生じていてもその差を小さくすることができる。よって濃度の差を目立たなくすることができ、干渉ムラが見え難いヘアライン模様を実現することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘアライン模様を有する加飾シート及びその加飾シートを表面に備える加飾成形体に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器の外装部品には、デザイン価値を高めるために様々な加飾が施してあり、その加飾の一つにヘアラインやスクラッチと呼ばれる細長い複数の線からなる模様(以下「ヘアライン模様」ともいう。)がある。このヘアライン模様はアルミニウムなどの金属表面に多数の微細な線を彫り込んで形成されるが、金属加工より低コストで実現するために、樹脂成形体にヘアライン加工を施した加飾成形体の技術が知られている。
【0003】
その加工方法は、例えば特開2003−109450号公報(特許文献1)に記載される技術を利用するものである。即ち、樹脂成形体の表面に予め凹凸パターンを形成しておき、凹凸が形成された樹脂成形体にホットスタンプ箔を転写することで、ヘアライン加飾を行うものである。ところが、この方法では、転写の対象が凹凸面であるため、樹脂成形体とホットスタンプ箔の界面にエアーを巻き込んで品位が損なわれるおそれがあった。さらに凹凸パターンを施した樹脂成形金型や治具を用いて樹脂成形体の表面に凹凸パターンを形成するため、微細な凹凸パターンを形成することが困難であった。そこで本出願人は、印刷技術に着目し、樹脂フィルムなどのシート上に縞状パターンを交差するように複数回印刷して、ヘアライン模様を有する加飾シートを研究した。
【特許文献1】特開2003−109450号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、縞状パターンを交差するように複数回印刷して形成したヘアライン模様は微細なパターンを実現することができるが、縞状パターンの交差部分とそうでない部分とで濃淡の差を生じ、この濃淡の差が干渉ムラのように目立ちヘアライン模様の品位を下げてしまう。
【0005】
以上のような従来技術を背景になされたのが本発明である。すなわち本発明の目的は、微細なパターンのヘアライン模様でありながら干渉ムラが見え難い加飾シートと、その加飾シートを表面に備える加飾成形体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成すべく本発明は以下のように構成される。すなわち本発明は、ヘアライン模様を有する加飾シートであって、透明な基材シートと、縞状パターンで構成される透光性の2以上のヘアライン印刷層と、を積層して備えており、前記2以上のヘアライン印刷層は、各ヘアライン印刷層の縞状パターンが、他のヘアライン印刷層の縞状パターンと平面視で交差して積層されており、一のヘアライン印刷層は残余のヘアライン印刷層よりもL*a*b*表色系(JIS Z 8729)のL*値 が小さい低明度ヘアライン印刷層として形成されている加飾シートを提供する。
【0007】
本発明では、ヘアライン印刷層どうしの縞状パターンが平面視で交差するように積層してあるため、裏面側で積層するヘアライン印刷層の縞状パターンが、表面側で積層するヘアライン印刷層の縞状パターンを通して見え隠れし、深みのあるヘアライン模様を有する加飾シートとすることができる。ここで、「縞状パターン」は複数の直線又は曲線が互いに交わらずに描かれているものである。
さらに、各ヘアライン印刷層は透光性であるため、表面側に積層するヘアライン印刷層を通して裏面側に積層するヘアライン印刷層を視認することができる。よって縞状パターンの交差部分の濃度は表面側と裏面側の各ヘアライン印刷層の濃度の相乗効果によって周囲より濃く視認することができ、このような濃淡よりヘアライン模様の凹凸観を高めることができる。また、いわゆる裏面照光が可能なヘアライン模様とすることができ、金属加工ではできない新たなデザインを実現することができる。
【0008】
そして、一のヘアライン印刷層は残余のヘアライン印刷層よりもL*値 が小さい低明度ヘアライン印刷層として形成されている。L*値は明度、すなわち色空間立体イメージ図の「白と黒」とを表しており、数値「0」が濃く暗い(黒)、数値「100」が薄く明るい(白)、を表現している。よって、低明度ヘアライン印刷層は残余のヘアライン印刷層と比較して、暗く形成されている。本願発明者の知見によれば、ヘアライン印刷層の交差部分は前述したように他の部分と比べて濃度が濃く見えるが、低明度ヘアライン印刷層を残余のヘアライン印刷層と積層しているため、交差部分の濃度はこの暗い低明度ヘアライン印刷層の濃度が強く表れ、暗い低明度ヘアライン印刷層における交差部分と暗い低明度ヘアライン印刷層における他の部分との濃度差が生じていてもその差を小さくすることができる。よって暗い低明度ヘアライン印刷層の濃度のバラツキを目立たなくすることができ、全体として干渉ムラが見え難いヘアライン模様を実現することができる。なお、「L*値」は、JIS Z8729 に準拠して色彩色差計(MINOLTA製 CR−300)にて測定した数値である。
【0009】
ヘアライン印刷層は印刷形成されたものであるため、従来技術のような凹凸パターン面にホットスタンプ箔を転写したものと異なり、エアー巻き込みによる品位の低下を防止することができる。また、基材シートに凹凸を施すものではないので、容易に加工することができる。さらに、印刷形成によるヘアライン印刷層はミクロンオーダーの縞状パターンを構成できるため、従来技術のような樹脂成形体に形成する凹凸パターンより微細なパターンを実現することができる。
【0010】
交差して積層する2以上のヘアライン印刷層について、本発明では以下のような積層構成を提供する。
1つめの積層構成は、2以上のヘアライン印刷層を直接積層している加飾シートとすることができる。即ち、2以上のヘアライン印刷層が縞状パターンではない他の層を介さずに直接積層しているものとすることができる。2以上のヘアライン印刷層が直接積層している加飾シートとすれば、印刷工程数の削減、低コスト化を実現することができる。2以上のヘアライン印刷層の直接積層では縞状パターンの滲みを排除するため、チキソ性の高いインキを用いることが好ましい。例えば、シリカなどの粉末やワックスをインキに添加してチキソ性を高めることができる。
【0011】
2つめの積層構成は、ヘアライン印刷層を透明層を介して間接積層したものとすることができる。このようにすれば、ヘアライン印刷層どうしの縞状パターンが混じり合ことを防止でき、ヘアライン印刷層の縞状パターンを潰れ難くすることができる。よって縞状パターンを明確に視認でき、見映えの良いヘアライン模様を形成することができる。さらに、2以上のヘアライン印刷層が透明層を介していれば、立体的に交差する縞状パターンを視認することができる。よって奥行き方向に凹凸観のあるヘアライン模様を実現することができる。そして、基材シート自体を透明層とすることができる。換言すれば、基材シートの表裏面にヘアライン印刷層を備えることができ、別途透明層を設けるための製造工程やコストを削減することができる。そして基材シートや透明層上にヘアライン印刷層を印刷形成すれば、平坦面にヘアライン印刷層を印刷することができ、安定した品位のヘアライン印刷層を設けることができる。このため、従来技術のような凹凸パターン面にホットスタンプ箔を転写したものと異なり、エアー巻き込みによる品位の低下を防止することができる。なお、透明層は前述のように基材シートとすることができる他、印刷層としても実施することができる。
【0012】
縞状パターンについて、本発明では以下のような構成を提供する。
2以上の各ヘアライン印刷層を同一の縞状パターンとすることができる。2以上のヘアライン印刷層について同一の縞状パターンでなるものとしたため、一の縞状パターンを作成するだけでヘアライン模様を実現することができ、縞状パターンの作成が簡単かつ容易である。そして、一の縞状パターンであっても該縞状パターンを交差して積層したため、深みのあるヘアライン模様を形成することができる。
【0013】
また、2以上の各ヘアライン印刷層が異なる縞状パターンとすることもできる。異なる縞状パターンとすれば、よりランダムな交差部分を実現することができ、不均一なヘアライン模様を視認することができる。
【0014】
さらに、縞状パターンは、所定の線幅から任意に選択された線幅を有する複数の線が、所定の線間隔から任意に選択された間隔をあけて形成しているものとすることができる。所定の線幅から任意に選択された線幅を有する複数の線が、所定の線間隔から任意に選択された間隔をあけて形成しているため、実質的に平行に並ぶ複数の線でなるヘアライン模様ではあるが、不均一で変化のあるヘアライン模様を実現することができる。ここでいう所定の線幅とは、30μm〜150μmの範囲内の線幅であり、所定の線間隔とは、40μm〜200μmの範囲内の線間隔である。こうした線幅、線間隔の範囲内で複数の線を配列することで、単調で均一なヘアライン模様ではなく、不規則で面白みのあるヘアライン模様を形成することができる。
【0015】
2以上のヘアライン印刷層を構成する2以上の縞状パターンは、所定の角度をもって交差して積層しており、その交差角度を、0.1°〜3.0°とすることができる。この範囲であれば、平行な複数の直線の繰り返しでなる単調なヘアライン模様でなく、さらにモアレが生じない程度の深みのあるヘアライン模様を形成することができる。交差角度が0.1°より小さいと重なる縞状パターンが略平行となって2以上のヘアライン印刷層が見え隠れする重なり効果が生ぜず、3.0°を超えると縞状パターンが網目状に見えモアレを生じてしまう。より好ましい交差角度は0.6°〜2.3°である。
【0016】
本発明のヘアライン印刷層の色調は、顔料や染料などの色材をインクや塗料に混合し調色して得ることができ、黒色や灰色などの無彩色、茶色や緑色などの有彩色とすることができる。このようにすれば、金属調の銀色ヘアライン模様の他、金色ヘアライン模様、カラフルなヘアライン模様、木目調模様なども実現することができる。
【0017】
本発明の加飾シートについては、残余のヘアライン印刷層として複数のヘアライン印刷層を備えることができる。このようにすれば、低明度ヘアライン印刷層に対して複数の種々のヘアライン印刷層を積層することができ、短い交差間隔による緻密なヘアライン模様を実現することができる。
【0018】
本発明の加飾シートについては、残余のヘアライン印刷層としてL*値が実質的に同じである複数のヘアライン印刷層を備えることができる。このようにすれば、実質的に低明度ヘアライン印刷層のみ暗く形成できるため、低明度ヘアライン印刷層と残余のヘアライン印刷層との濃淡を明確に視認することができ、立体感のあるヘアライン模様を実現することができる。
【0019】
本発明の加飾シートについては、残余のヘアライン印刷層としてL*値が実質的に異なる複数のヘアライン印刷層を備えることができる。このようにすれば、低明度ヘアライン印刷層の他に2種以上の濃淡に分かれるヘアライン印刷層を形成できるため、各ヘアライン印刷層ごとの濃淡を漸次的に変化させることができ、柔らかな風合いのヘアライン模様を実現することができる。
【0020】
本発明の加飾シートについては、低明度ヘアライン印刷層と残余のヘアライン印刷層とのL*値の差を3以上とすることができる。低明度ヘアライン印刷層と残余のヘアライン印刷層とのL*値の差が2より小さいと、交差部分において低明度ヘアライン印刷層の濃度が強く表れず、各ヘアライン印刷層の濃度の相乗効果によって交差部分の濃度が濃く暗くなり、この濃淡の差が目立って干渉ムラが見えるヘアライン模様になってしまう場合がある。しかし本発明のように低明度ヘアライン印刷層と残余のヘアライン印刷層とのL*値の差を3以上とすれば、交差部分の濃度は低明度ヘアライン印刷層の濃度が強く表れ、低明度ヘアライン印刷層における交差部分と他の部分との濃度差が生じていてもその差を小さくすることができる。よって濃度の差を目立たなくすることができ、干渉ムラが見え難いヘアライン模様を実現することができる。より好ましくは、低明度ヘアライン印刷層と残余のヘアライン印刷層とのL*値の差を3〜20とすることができる。低明度ヘアライン印刷層と残余のヘアライン印刷層とのL*値の差を20より大きくすると、低明度ヘアライン印刷層の縞状パターンのみが明確に視認できる場合があり、ヘアライン模様に見え難いことがある。
【0021】
本発明の加飾シートについては、視認側のヘアライン印刷層を低明度ヘアライン印刷層とすることができる。言い換えると、視認側に濃度が濃く暗い低明度ヘアライン印刷層を積層することができる。このようにすれば、濃度が薄く明るい残余のヘアライン印刷層を濃度の濃い低明度ヘアライン印刷層の裏面側に積層することになるため、交差部分の濃度は裏面側のヘアライン印刷層の濃度の影響を受け難く、濃度の濃い低明度ヘアライン印刷層における交差部分と他の部分との濃度差が生じていてもその差を小さくすることができる。よって濃度の濃い低明度ヘアライン印刷層を裏面側に積層するよりもさらに濃度の差を目立たなくすることができ、干渉ムラが見え難いヘアライン模様を実現することができる。
【0022】
本発明の加飾シートについては、積層するヘアライン印刷層の裏面側に反射層を備えるものとすることができる。このようにすれば、積層する2以上のヘアライン印刷層を裏面側から明るく照らし出すことができ、金属調の外観を表出することができる。よって金属調のヘアライン模様を実現することができる。
【0023】
本発明の加飾シートについては、基材シートを艶消し調とすることができる。このようにすれば、基材シートの表面で光を乱反射させることができ、加飾シートの質感を高めることができる。
【0024】
さらに本発明は、上記何れかの加飾シートを成形体の外形面に備える加飾成形体を提供する。上記何れかの加飾シートを成形体の外形面に備えるため、高品位で微細な縞状パターンを有し、面白みのあるヘアライン模様を有する加飾成形体を実現することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明の加飾シート及び加飾成形体によれば、裏面側で積層するヘアライン印刷層の縞状パターンが、表面側で積層するヘアライン印刷層の縞状パターンを通して見え隠れし、深みのあるヘアライン模様を有する加飾シート及び加飾成形体とすることができる。
さらに、表面側に積層するヘアライン印刷層を通して裏面側に積層するヘアライン印刷層を視認することができる。よって縞状パターンの交差部分の濃度は表面側と裏面側の各ヘアライン印刷層の濃度の相乗効果によって周囲より濃く視認することができ、このような濃淡よりヘアライン模様の凹凸観を高めることができる。また、いわゆる裏面照光が可能なヘアライン模様とすることができ、例えば金属加工ではできない新たなデザインを実現することができる。
そして、暗いヘアライン印刷層における交差部分と暗い低明度ヘアライン印刷層における他の部分との濃度差が生じていてもその差を小さくすることができる。よって暗い低明度ヘアライン印刷層の濃度のバラツキを目立たなくすることができ、全体として干渉ムラが見え難いヘアライン模様を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各実施形態で共通する部材、材質、構成、製造方法、作用効果については重複説明を省略する。
【0027】
第1実施形態〔図1〜図4〕
第1実施形態の加飾シート1を図1〜図3に示し、第1実施形態の加飾成形体2を図4に示す。図1は加飾シート1の平面図と底面図、図2は加飾シート1の断面図、図3は加飾シート1における底面図の部分拡大図、図4は加飾シート1を備える加飾成形体2の要部拡大断面図を示す。第1実施形態の加飾シート1は、透明な樹脂フィルムでなる基材シート3の裏面に第1ヘアライン印刷層4、第2ヘアライン印刷層5、保護層6がこの順に積層している。
【0028】
第1ヘアライン印刷層4は、透光性を有し互いに略平行な複数の直線で縞状パターンに構成され、この直線の線幅は同一に形成されている。ここで「略平行」とは模様を構成する範囲内で隣接する線が交わらない範囲にあることをいい、「線幅」とは一の線の太さをいう。
【0029】
第2ヘアライン印刷層5も第1ヘアライン印刷層4と同様に、透光性を有し互いに略平行な複数の直線で縞状パターンに構成され、この直線の線幅は同一に形成されている。この第2ヘアライン印刷層5は第1ヘアライン印刷層4に対し直接積層しており、図3で示すように、第1ヘアライン印刷層4を構成する縞状パターンと第2ヘアライン印刷層5を構成する縞状パターンとは角度θ1で交差している。なお、交差角度を、0.1°〜3.0°とすることができるが、本実施形態では両縞状パターンが角度3.0°で交差している。そして、第1ヘアライン印刷層4は第2ヘアライン印刷層5と比較して、L*a*b*表色系(JIS Z 8729)のL*値が小さい「低明度ヘアライン印刷層」として形成してある。即ち、「視認側」となる基材シート3側に濃度の暗い第1ヘアライン印刷層4を積層してある。
【0030】
保護層6は第1ヘアライン印刷層4や第2ヘアライン層5を保護するための層であり、透光性を有している。この保護層6は成形体に対する接着層を兼ねることもできる。
【0031】
次に第1実施形態の加飾シート1を備える加飾成形体2を説明する。
図4で示すように、加飾成形体2は、熱可塑性樹脂でなる「成形体」としての筐体7に加飾シート1を設けたものである。加飾シート1の基材シート3を最表面にして、筐体7の外形面形状に沿って加飾シート1の保護層6を接着層として固着している。
【0032】
ここで加飾シート1や加飾成形体2の各構成部材の材質について説明する。なお、以下の説明は後述の各実施形態についても共通である。
基材シート3を形成する樹脂フィルムの材質は、複数のヘアライン印刷層を積層できれば足り、その基材シート3を通じて第1ヘアライン印刷層4、第2ヘアライン印刷層5を視認できる樹脂が用いられ、透明な樹脂であることが好ましい。例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、アクリル樹脂、トリアセチルセルロース樹脂、ポリエチレン樹脂などが挙げられる。
【0033】
第1ヘアライン印刷層4や第2ヘアライン印刷層5は、スクリーン印刷やグラビア印刷などの印刷手法により形成され、基材シート3に対し塗工できるインキや塗料で印刷用インキが固化した層である。そして、印刷時のインキかすれや印刷後のインキにじみ等を防ぐため、シリカなどの粉末やワックスを添加した印刷インキを用いることもできる。さらに金属調の色調を表すためにはパールインキや金属粉含有の金属調インキを使用し、着色されていても良い。この着色については、積層した縞状パターンを視認させるため、無彩色系の黒色や白色、その他有彩色系の顔料、染料などを使用し、透明性のインキを用いることが好ましい。特に高級感があって重みのあるヘアライン模様とするためには黒色系の透明インキを用いることが好ましい。
【0034】
保護層6は基材シート3、第1ヘアライン印刷層4、第2ヘアライン印刷層5に対し塗工できるインキや塗料で印刷用インキが固化した層であり、接着層を兼ねる場合は接着剤や粘着剤で形成されている。例えば、透光性の接着フィルム、粘着フィルム、ホットメルト接着剤などを用いることができる。
【0035】
成形体としての筐体7の材質は、本実施形態の熱可塑性樹脂の他、反応硬化性樹脂、ゴム、熱可塑性エラストマー、金属などその用途によって適宜選択される。なお、透光性の樹脂やゴムなどを使用すれば、筐体7の内部に設けた光源によって加飾シート1を裏面側から照光することができる。
【0036】
次に、加飾シート1及び加飾成形体2の製造方法の一例を説明する。
基材シート3の片面に、スクリーン印刷にて第1ヘアライン印刷層4を印刷形成する。そして第1ヘアライン印刷層4を印刷したスクリーン版に対し3.0°の角度で交差する別のスクリーン版を用いて第2ヘアライン印刷層5を印刷形成する。その後これら第1ヘアライン印刷層4と第2ヘアライン印刷層5を覆うようにスクリーン印刷にて保護層6を印刷形成して、加飾シート1を得ることができる。
この加飾シート1を基材シート3がキャビティー面に接するようにして筐体7の射出成形金型にインサートし、熱可塑性樹脂でなる筐体7を射出成形する。このようにして加飾シート1と筐体7とを一体成形し、加飾成形体2を得ることができる。なお、本実施形態では加飾シート1と筐体7とをインサート成形にて一体化しているが、インモールド成形、圧着などの製法を用いることもできる。さらに加飾シート1と筐体7との界面に接着剤を介在させて両者の固着力を高めることもできる。
【0037】
本実施形態の加飾シート1及び加飾成形体2の作用効果について説明する。
第1ヘアライン印刷層4と第2ヘアライン印刷層5の縞状パターンが平面視で交差するように積層してあるため、裏面側で積層する第2ヘアライン印刷層5の縞状パターンが、表面側で積層する第1ヘアライン印刷層4の縞状パターンを通して見え隠れし、深みのあるヘアライン模様を有する加飾シート1及び加飾成形体2とすることができる。
さらに、第1ヘアライン印刷層4と第2ヘアライン印刷層5は透光性であるため、表面側に積層する第1ヘアライン印刷層4を通して裏面側に積層する第2ヘアライン印刷層5を視認することができる。よって縞状パターンの交差部分の濃度は表面側と裏面側の各ヘアライン印刷層の濃度の相乗効果によって周囲より濃く視認することができ、このような濃淡よりヘアライン模様の凹凸観を高めることができる。また、裏面照光が可能なヘアライン模様とすることができ、例えば金属加工ではできない新たなデザインを実現することができる。
【0038】
第1ヘアライン印刷層4を第2ヘアライン印刷層5よりも暗い低明度ヘアライン印刷層として形成しているため、交差部分の濃度はこの暗い第1ヘアライン印刷層4の濃度が強く表れ、第1ヘアライン印刷層4における交差部分と他の部分との濃度差が生じていてもその差を小さくすることができる。よって濃度の差を目立たなくすることができ、干渉ムラが見え難いヘアライン模様を実現することができる。
【0039】
さらに、視認側に濃度の暗い第1ヘアライン印刷層4を積層するため、濃度が薄く明るい第2ヘアライン印刷層5が第1ヘアライン印刷層4の裏面側に積層することになり、交差部分の濃度は裏面側の第2ヘアライン印刷層5の濃度の影響を受け難く、第1ヘアライン印刷層4における交差部分と他の部分との濃度差が生じていてもその差を小さくすることができる。よって低明度ヘアライン印刷層を裏面側に積層するよりもさらに第1ヘアライン印刷層4における濃度のバラツキを目立たなくすることができ、干渉ムラが見え難いヘアライン模様を実現することができる。
【0040】
第1ヘアライン印刷層4と第2ヘアライン印刷層5は印刷形成されたものであるため、従来技術のような凹凸パターン面にホットスタンプ箔を転写したものと異なり、エアー巻き込みによる品位の低下を防止することができる。また、基材シート3に凹凸を施すものではないので、容易に加工することができる。さらに、印刷形成による第1ヘアライン印刷層4と第2ヘアライン印刷層5はミクロンオーダーの縞状パターンを構成できるため、従来技術のような樹脂成形体に形成する凹凸パターンより微細なパターンを実現することができる。
【0041】
第1ヘアライン印刷層4と第2ヘアライン印刷層5が縞状パターンではない他の層を介さずに直接積層しているため、印刷工程数の削減、低コスト化を実現することができる。
【0042】
第1ヘアライン印刷層4と第2ヘアライン印刷層5とを同一の縞状パターンでなるものとしたため、一の縞状パターンを作製するだけでヘアライン模様を実現することができ、縞状パターンの作製が簡単かつ容易である。そして、一の縞状パターンであっても該縞状パターンを交差して積層したため、深みのあるヘアライン模様を形成することができる。
【0043】
交差角度を3.0°としているため、平行な複数の直線の繰り返しでなる単調なヘアライン模様でなく、さらにモアレが生じない程度の深みのあるヘアライン模様を形成することができる。交差角度は0.1°〜3.0°が好ましく、交差角度が0.1°よりも小さいと単調な平行線の連続であるヘアラインに見えてしまい、3.0°を超えるとモアレが生じたり、およそヘアラインとは呼べないような格子模様が生じてしまう。
【0044】
第1実施形態の第1変形例〔図5〕
第1実施形態の加飾シート1では第1ヘアライン印刷層4と第2ヘアライン印刷層5を直接積層する例を示したが、第1変形例の加飾シート11は第1ヘアライン印刷層4と第2ヘアライン印刷層5とを透明層8を介して間接積層したものとすることができる。透明層8もまたスクリーン印刷やグラビア印刷などで形成されるため、第1ヘアライン印刷層4などと同様な印刷用インキが用いられる。但し、第1ヘアライン印刷層4や第2ヘアライン印刷層5は、細い線幅のヘアラインを実現するためダレが起きにくいインキが用いられるのに対し、透明層8は、第1ヘアライン印刷層4によって生じた空隙を埋め、平坦な平面を生じさせるものであることから、レベリング性の高いインキが用いられる。また、透明層8は、第1ヘアライン印刷層4と第2ヘアライン印刷層5よりも透明性の高いインキが用いられる。
このようにすれば、第1ヘアライン印刷層4と第2ヘアライン印刷層5の縞状パターンが混じり合ことを防止でき、第1ヘアライン印刷層4と第2ヘアライン印刷層5の縞状パターンを潰れ難くすることができる。よって縞状パターンを明確に視認でき、見映えの良いヘアライン模様を形成することができる。さらに、立体的に交差する縞状パターンを視認することができ、奥行き方向に凹凸観のあるヘアライン模様を実現することができる。そして、透明層8上に第2ヘアライン印刷層5を印刷形成すれば、平坦面に印刷するため、安定した品位の第2ヘアライン印刷層5を設けることができ、従来技術のような凹凸パターン面にホットスタンプ箔を転写したものと異なり、エアー巻き込みによる品位の低下を防止することができる。
【0045】
第1実施形態の第2変形例〔図6〕
第1実施形態の加飾シート1では第1ヘアライン印刷層4と第2ヘアライン印刷層5を直接積層する例を示したが、第2変形例の加飾シート21は第1ヘアライン印刷層4と第2ヘアライン印刷層5とを「透明層」として基材シート3を介して間接積層し、第1ヘアライン印刷層4の表面側をトップコート層9で被覆したものとすることができる。このトップコート層9は、第1ヘアライン印刷層4を保護するための層であり、印刷やスプレー塗装による塗膜形成など各種塗装によって形成でき、透明性が高い材料が用いられる。
このようにしても第1変形例と同様に、第1ヘアライン印刷層4と第2ヘアライン印刷層5との縞状パターンの混じり合ことを防止でき、縞状パターンを潰れ難くすることができる。よって縞状パターンを明確に視認でき、見映えの良いヘアライン模様を形成することができる。そして、立体的に交差する縞状パターンを視認することができ、奥行き方向に凹凸観のあるヘアライン模様を実現することができる。また、平坦面に印刷するため、安定した品位の第2ヘアライン印刷層5を設けることができ、エアー巻き込みによる品位の低下を防止することができる。さらに第2変形例では、別途透明層を設けるための製造工程やコストを削減することができる。
【0046】
第1実施形態の第3変形例〔図7〕
第1実施形態の加飾シート1では第1ヘアライン印刷層4と第2ヘアライン印刷層5を同一の縞状パターンとする例を示したが、第3変形例の加飾シート31は第1ヘアライン印刷層32と第2ヘアライン印刷層33とを異なる縞状パターンとすることができる。第1ヘアライン印刷層32は3種の線幅と1種の線間隔によって形成される縞状パターンでなり、第2ヘアライン印刷層33は1種の線幅と1種の線間隔によって形成される縞状パターンでなる。そして第1ヘアライン印刷層32と第2ヘアライン印刷層33とが2.0°の角度で交差してなる例である。
このようにすれば、よりランダムな交差部分を実現することができ、不均一なヘアライン模様を視認することができる。なお、「線間隔」とは一の線の外縁から隣接する他の線の外縁までの長さ、即ち線自体の太さを含まない線と線との間の間隔である。
【0047】
第1実施形態の第4変形例〔図8〕
第1実施形態の加飾シート1では第1ヘアライン印刷層4と第2ヘアライン印刷層5を同一の縞状パターンとする例を示したが、第4変形例の加飾シート41は第1ヘアライン印刷層42と第2ヘアライン印刷層43とを異なる縞状パターンとすることができ、
第1ヘアライン印刷層42及び第2ヘアライン印刷層43は所定の線幅から任意に選択された線幅を有する複数の線が、所定の線間隔から任意に選択された間隔をあけて形成されている。第1ヘアライン印刷層42は3種の線幅と3種の線間隔によって形成される縞状パターンでなり、第2ヘアライン印刷層43は第1ヘアライン印刷層42の縞状パターンとは異なる3種の線幅と3種の線間隔によって形成される縞状パターンでなる。そして第1ヘアライン印刷層42と第2ヘアライン印刷層43とが2.0°の角度で交差してなる例である。ここでいう所定の線幅とは、30μm〜150μmの範囲内の線幅であり、所定の線間隔とは、40μm〜200μmの範囲内の線間隔である。このようにすれば、大略平行に並ぶ複数の線でなるヘアライン模様ではあるが、不均一で変化があり面白みのあるヘアライン模様を実現することができる。ここで、線幅及び線間隔の範囲について説明する。線幅が30μmより小さいと線を視認し難くなるためヘアラインと認め難くなる。線幅が150μmを超えると縞状にならずに、ヘアラインと認め難くなる。また、線間隔が40μmより短いと上下に重なる縞状パターンの重なりが見え難くなり、深みのあるヘアラインが得られない。線間隔が200μmを超えるとヘアラインを視認し難くなる。
このようにすれば、第3変形例の加飾シート31よりランダムな交差部分を実現することができ、不均一なヘアライン模様を視認することができる。
【0048】
第2実施形態
第2実施形態の加飾シート51を図1〜図3に示し、第2実施形態の加飾成形体52を図4に示す。第2実施形態の加飾シート51が第1実施形態の加飾シート1と異なるのは、第1ヘアライン印刷層4、第2ヘアライン印刷層5のL*値である。その他の構成、製造方法は第1実施形態と同じである。
【0049】
第2実施形態では、第1ヘアライン印刷層4より第2ヘアライン印刷層5のL*値を小さくし、第2ヘアライン印刷層5を「低明度ヘアライン印刷層」として形成してある。即ち、基材シート3側に濃度の明るい第1ヘアライン印刷層4を積層してある。
【0050】
第2実施形態の加飾シート51及び加飾シート51を備える加飾成形体52の作用と効果は、第1実施形態の加飾シート1と同様に、微細なパターンであって凹凸観を高めた深みのあるヘアライン模様を実現でき、しかも干渉ムラが見え難いヘアライン模様を実現することができ、また印刷工程数の削減、低コスト化を実現することができる。
【0051】
第3実施形態〔図9〜図12〕
第3実施形態の加飾シート61を図9〜図11に示し、第3実施形態の加飾成形体62を図12に示す。図9は加飾シート61の平面図と底面図、図10は加飾シート61の断面図、図11は加飾シート61における底面図の部分拡大図、図12は加飾シート61を備える加飾成形体62の要部拡大断面図を示す。第3実施形態の加飾シート61が第1実施形態の加飾シート1と異なるのは、第1ヘアライン印刷層63、第2ヘアライン印刷層64、第3ヘアライン印刷層65を備える構成である。その他の構成は第1実施形態と同じである。
【0052】
第1ヘアライン印刷層63は第1実施形態の第1ヘアライン印刷層4と同様に、透光性を有し互いに略平行な複数の直線で縞状パターンに構成され、この直線の線幅は同一に形成されている。
【0053】
第2ヘアライン印刷層64も第1ヘアライン印刷層63と同様に、透光性を有し互いに略平行な複数の直線で縞状パターンに構成され、この直線の線幅は同一に形成されている。この第2ヘアライン印刷層64は第1ヘアライン印刷層63に対し直接積層しており、図11で示すように、第1ヘアライン印刷層63を構成する縞状パターンと第2ヘアライン印刷層64を構成する縞状パターンとは角度θ2で交差している。この角度θ2は0.5°〜3.0°の範囲内にあるが、本実施形態では両縞状パターンが角度θ2=0.6°で交差している。
【0054】
第3ヘアライン印刷層65も第1ヘアライン印刷層63や第2ヘアライン印刷層64と同様に、透光性を有し互いに略平行な複数の直線で縞状パターンに構成され、この直線の線幅は同一に形成されている。この第3ヘアライン印刷層65も第1ヘアライン印刷層63や第2ヘアライン印刷層64に対し直接積層しており、図11で示すように、第1ヘアライン印刷層63を構成する縞状パターンと第3ヘアライン印刷層65を構成する縞状パターンとは角度θ3で交差し、第2ヘアライン印刷層64を構成する縞状パターンと第3ヘアライン印刷層65を構成する縞状パターンとは角度θ4で交差している。これら角度θ3、θ4は角度θ2と同様に、各々0.5°〜3.0°の範囲内にあるが、本実施形態では角度θ3=2.3°、角度θ4=2.9°で交差している。そして、第1ヘアライン印刷層63は第2ヘアライン印刷層64、第3ヘアライン印刷層65と比較して、L*a*b*表色系(JIS Z 8729)のL*値が小さい「低明度ヘアライン印刷層」として形成してある。即ち、「視認側」となる基材シート3側に濃度の暗い第1ヘアライン印刷層63を積層してある。
【0055】
次に第3実施形態の加飾シート61を備える加飾成形体62を説明する。
図12で示すように、加飾成形体62は、熱可塑性樹脂でなる「成形体」としての筐体7に加飾シート61を設けたものである。加飾シート61の基材シート3を最表面にして、筐体7の外形面形状に沿って加飾シート61の保護層6を固着している。
【0056】
次に、加飾シート61及び加飾成形体62の製造方法の一例を説明する。
基材シート3の片面に、スクリーン印刷にて第1ヘアライン印刷層63を印刷形成する。そして第1ヘアライン印刷層63を印刷したスクリーン版に対し0.6°の角度で交差する別のスクリーン版を用いて第2ヘアライン印刷層64を印刷形成する。さらに第2ヘアライン印刷層64を印刷したスクリーン版に対し2.9°の角度で交差する別のスクリーン版(第1ヘアライン印刷層63を印刷したスクリーン版に対し2.3°の角度で交差する)を用いて第3ヘアライン印刷層65を印刷形成する。その後これら第1ヘアライン印刷層63、第2ヘアライン印刷層64、第3ヘアライン印刷層65を覆うようにスクリーン印刷にて保護層6を印刷形成して、加飾シート61を得ることができる。
この加飾シート61を基材シート3がキャビティー面に接するようにして筐体7の射出成形金型にインサートし、熱可塑性樹脂でなる筐体7を射出成形する。このようにして加飾シート61と筐体7とを一体成形し、加飾成形体62を得ることができる。なお、本実施形態では第1実施形態と同様に加飾シート61と筐体7とをインサート成形にて一体化しているが、インモールド成形、圧着などの製法を用いることもできる。さらに加飾シート61と筐体7との界面に接着剤を介在させて両者の固着力を高めることもできる。
【0057】
本実施形態の加飾シート61及び加飾成形体62の作用効果は、第1実施形態の加飾シート1と同様に、微細なパターンであって凹凸観を高めた深みのあるヘアライン模様を実現でき、しかも干渉ムラが見え難いヘアライン模様を実現することができ、また印刷工程数の削減、低コスト化を実現することができる。
加飾シート61では、第1ヘアライン印刷層63、第2ヘアライン印刷層64、第3ヘアライン印刷層65の3層で構成したため、短い交差間隔による緻密なヘアライン模様を実現することができる。そしてさらに別のヘアライン印刷層を積層することができるが、第1実施形態の加飾シート1も含め2層〜5層のヘアライン印刷層の積層数が好ましい実施態様である。5層を超えると最も下側に形成したヘアライン印刷層が視認し難くなる不都合が生じる。2層〜3層の積層が緻密で深みのあるヘアライン模様を形成できる点で最も好ましい。
【0058】
第4実施形態
第4実施形態の加飾シート71を図9〜図11に示し、第4実施形態の加飾成形体72を図12に示す。第4実施形態の加飾シート71が第3実施形態の加飾シート61と異なるのは、第1ヘアライン印刷層63、第2ヘアライン印刷層64、第3ヘアライン印刷層65のL*値である。その他の構成、製造方法は第3実施形態と同じである。
【0059】
第4実施形態では、第1ヘアライン印刷層63や第2ヘアライン印刷層64より第3ヘアライン印刷層65のL*値を小さくし、第3ヘアライン印刷層65を「低明度ヘアライン印刷層」として形成してある。即ち、基材シート3とは反対側に濃度の暗い第3ヘアライン印刷層65を積層してある。
【0060】
第4実施形態の加飾シート71及び加飾シート71を備える加飾成形体72の作用と効果は、第3実施形態の加飾シート61と同様に、微細なパターンであって凹凸観を高めた緻密で深みのあるヘアライン模様を実現でき、しかも干渉ムラが見え難いヘアライン模様を実現することができ、また印刷工程数の削減、低コスト化を実現することができる。
【0061】
各実施形態に共通の変形例:
第2〜第4実施形態の加飾シート51,61,71について、第1実施形態の加飾シート1と同様の第1〜第4変形例を適用することができる。
【0062】
第1〜第4実施形態の加飾シート1,51,61,71及びそれら第1〜第4変形例は、複数の直線が略平行に並んで構成されたものであるが、線は直線でなくとも良く、隣接線が交わらない波状線や環状線とすることもできる。
【0063】
第1〜第4実施形態の加飾シート1,51,61,71及びそれら第1〜第4変形例は、最裏面側のヘアライン印刷層と保護層6の間に反射層を備えるものとすることができる。また保護層6自体を反射層とすることができる。このようにすれば、積層するヘアライン印刷層を裏面側から明るく照らし出すことができ、金属調の外観を表出することができる。よって金属調のヘアライン模様を実現することができる。
【0064】
第1〜第4実施形態の加飾シート1,51,61,71及びそれら第1〜第4変形例は、基材シート3を艶消し調とすることができる。このようにすれば、基材シート3の表面で光を乱反射させることができ、加飾シート1,51,61,71及びそれら第1〜第4変形例の質感を高めることができる。
【実施例】
【0065】
次に実施例及び比較例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0066】
1.加飾シートの製造
実施例、比較例となる加飾シートを以下のとおり製造した。なお、実施例、比較例で用いるヘアライン印刷層用のインクを次の配合比で作製した。
「インクA」; 透明インク:黒色インク=100:2.0
「インクB」; 透明インク:黒色インク=100:1.5
「インクC」; 透明インク:黒色インク=100:1.0
「インクD」; 透明インク:黒色インク=100:0.5
【0067】
実施例1
ポリカーボネート樹脂でなる厚さ100μmの基材シート(3)の片面に、スクリーン印刷にて「インクA」を用いて第1ヘアライン印刷層(63)を印刷形成する。そして第1ヘアライン印刷層(63)を印刷したスクリーン版の縞状パターンに対し0.6°の角度で交差する縞状パターンを印刷できる別のスクリーン版と「インクD」を用いて第2ヘアライン印刷層(64)を印刷形成する。さらに第2ヘアライン印刷層(64)を印刷したスクリーン版の縞状パターンに対し2.9°の角度で交差する縞状パターンを印刷できる別のスクリーン版(第1ヘアライン印刷層(63)を印刷したスクリーン版の縞状パターンに対し2.3°の角度で交差する)と「インクD」を用いて第3ヘアライン印刷層(65)を印刷形成する。その後これら第1ヘアライン印刷層(63)、第2ヘアライン印刷層(64)、第3ヘアライン印刷層(65)を覆うようにスクリーン印刷にてポリエステル樹脂系インクでなる保護層(6)を印刷形成して、加飾シート(61)を試料1として製造した。この試料1では視認側となる基材シート(3)側に最もL*値の小さい「低明度ヘアライン印刷層」として第1ヘアライン印刷層(63)を積層してある。
【0068】
実施例2
実施例1と異なるのは、「インクB」でなる第1ヘアライン印刷層(63)、「インクC」でなる第2ヘアライン印刷層(64)、「インクD」でなる第3ヘアライン印刷層(65)とした点である。このようにして加飾シート(61)を試料2として製造した。この試料2では視認側となる基材シート(3)側に最もL*値の小さい「低明度ヘアライン印刷層」として第1ヘアライン印刷層(63)を積層してある。
【0069】
実施例3
実施例1と異なるのは、「インクB」でなる第1ヘアライン印刷層(63)、「インクD」でなる第2ヘアライン印刷層(64)、「インクD」でなる第3ヘアライン印刷層(65)とした点である。このようにして加飾シート(61)を試料3として製造した。この試料3では視認側となる基材シート(3)側に最もL*値の小さい「低明度ヘアライン印刷層」として第1ヘアライン印刷層(63)を積層してある。
【0070】
実施例4
実施例1と異なるのは、「インクD」でなる第1ヘアライン印刷層(63)、「インクD」でなる第2ヘアライン印刷層(64)、「インクA」でなる第3ヘアライン印刷層(65)とした点である。このようにして加飾シート(71)を試料4として製造した。この試料4では基材シート(3)とは反対側に最もL*値の小さい「低明度ヘアライン印刷層」として第3ヘアライン印刷層(65)を積層してある。
【0071】
実施例5
実施例1と異なるのは、「インクD」でなる第1ヘアライン印刷層(63)、「インクC」でなる第2ヘアライン印刷層(64)、「インクB」でなる第3ヘアライン印刷層(65)とした点である。このようにして加飾シート(71)を試料5として製造した。この試料5では基材シート(3)とは反対側に最もL*値の小さい「低明度ヘアライン印刷層」として第3ヘアライン印刷層(65)を積層してある。
【0072】
実施例6
実施例1と異なるのは、「インクD」でなる第1ヘアライン印刷層(63)、「インクD」でなる第2ヘアライン印刷層(64)、「インクB」でなる第3ヘアライン印刷層(65)とした点である。このようにして加飾シート(71)を試料6として製造した。この試料6では基材シート(3)とは反対側に最もL*値の小さい「低明度ヘアライン印刷層」として第3ヘアライン印刷層(65)を積層してある。
【0073】
比較例1
実施例1と異なるのは、「インクC」でなる第1ヘアライン印刷層、第2ヘアライン印刷層、第3ヘアライン印刷層とした点である。このようにして加飾シートを試料7として製造した。この試料7では略同等のL*値のヘアライン印刷層を積層してある。
【0074】
2.測定シートの製造〔図13〕
試料1〜試料7の加飾シートと同様のインクの組み合わせで以下のとおり色差測定用の測定シートを製造した。図13で示すように、この測定シートは基材シートの片面に、スクリーン印刷にて短辺aと長辺bとで構成される矩形状の1層目(第1ヘアライン印刷層相当)を印刷形成する(図13(A))。そして、1層目の短辺aより長い一辺cと1層目の長辺bより短い一辺dとで構成される矩形状の2層目(第2ヘアライン印刷層相当)を1層目の一部を覆うようにスクリーン印刷にて印刷形成する(図13(B))。さらに2層目の一辺cより長い一辺eと2層目の一辺dより短い一辺fとで構成される矩形状の3層目(第3ヘアライン印刷層相当)を1層目と2層目の積層部の一部及び2層目の一部を覆うようにスクリーン印刷にて印刷形成する(図13(C))。
【0075】
実験例1
ポリカーボネート樹脂でなる厚さ100μmの基材シートの片面に、「インクA」を用いて1層目(第1ヘアライン印刷層(63)相当)を印刷形成し、「インクD」を用いて2層目(第2ヘアライン印刷層(64)相当)を印刷形成し、「インクD」を用いて3層目(第3ヘアライン印刷層(65)相当)を印刷形成して、測定シートを試料11として製造した。この試料11では試料1と同様に、視認側となる基材シート側に最もL*値の小さい「低明度ヘアライン印刷層」として1層目(第1ヘアライン印刷層(63)相当)を形成してある。
【0076】
実験例2
実験例1と異なるのは、「インクB」でなる1層目(第1ヘアライン印刷層(63)相当)、「インクC」でなる2層目(第2ヘアライン印刷層(64)相当)、「インクD」でなる3層目(第3ヘアライン印刷層(65)相当)とした点である。このようにして測定シートを試料12として製造した。この試料12では試料2と同様に、視認側となる基材シート側に最もL*値の小さい「低明度ヘアライン印刷層」として1層目(第1ヘアライン印刷層(63)相当)を形成してある。
【0077】
実験例3
実験例1と異なるのは、「インクB」でなる1層目(第1ヘアライン印刷層(63)相当)、「インクD」でなる2層目(第2ヘアライン印刷層(64)相当)、「インクD」でなる3層目(第3ヘアライン印刷層(65)相当)とした点である。このようにして測定シートを試料13として製造した。この試料13では試料3と同様に、視認側となる基材シート側に最もL*値の小さい「低明度ヘアライン印刷層」として1層目(第1ヘアライン印刷層(63)相当)を形成してある。
【0078】
実験例4
実験例1と異なるのは、「インクD」でなる1層目(第1ヘアライン印刷層(63)相当)、「インクD」でなる2層目(第2ヘアライン印刷層(64)相当)、「インクA」でなる3層目(第3ヘアライン印刷層(65)相当)とした点である。このようにして測定シートを試料14として製造した。この試料14では試料4と同様に、基材シートとは反対側に最もL*値の小さい「低明度ヘアライン印刷層」として3層目(第3ヘアライン印刷層(65)相当)を積層してある。
【0079】
実験例5
実験例1と異なるのは、「インクD」でなる1層目(第1ヘアライン印刷層(63)相当)、「インクC」でなる2層目(第2ヘアライン印刷層(64)相当)、「インクB」でなる3層目(第3ヘアライン印刷層(65)相当)とした点である。このようにして測定シートを試料15として製造した。この試料15では試料5と同様に、基材シートとは反対側に最もL*値の小さい「低明度ヘアライン印刷層」として3層目(第3ヘアライン印刷層(65)相当)を積層してある。
【0080】
実験例6
実験例1と異なるのは、「インクD」でなる1層目(第1ヘアライン印刷層(63)相当)、「インクD」でなる2層目(第2ヘアライン印刷層(64)相当)、「インクB」でなる3層目(第3ヘアライン印刷層(65)相当)とした点である。このようにして測定シートを試料16として製造した。この試料16では試料6と同様に、基材シートとは反対側に最もL*値の小さい「低明度ヘアライン印刷層」として3層目(第3ヘアライン印刷層(65)相当)を積層してある。
【0081】
実験例7
実施例1と異なるのは、「インクC」でなる1層目(第1ヘアライン印刷層相当)、2層目(第2ヘアライン印刷層相当)、3層目(第3ヘアライン印刷層相当)とした点である。このようにして測定シートを試料17として製造した。この試料17では略同等のL*値のヘアライン印刷層を積層してある。
【0082】
3.加飾シートの評価
上記実施例、比較例で製造した試料1〜試料7の各加飾シートについて、外観を評価した。
【0083】
「外観評価」; 試料1〜試料7の各加飾シートについて目視による外観評価を行った。その結果を表1に示す。干渉ムラの見えないものを「◎」、干渉ムラの見え難いもの「○」、干渉ムラの見えるものを「×」と判定した。
【0084】
4.測定シートの評価
上記実験例で製造した試料11〜試料17について図14で示すように、各測定シートの測定箇所I〜VIを以下の方法で色彩色差測定し評価した。
「測定箇所I」; 1層目の単層で構成されている。
「測定箇所II」; 2層目の単層で構成されている。
「測定箇所III」; 3層目の単層で構成されている。
「測定箇所IV」; 1層目、2層目の2層積層で構成されている。
「測定箇所V」; 2層目、3層目の2層積層で構成されている。
「測定箇所VI」; 1層目、2層目、3層目の3層積層で構成されている。
【0085】
「色彩色差測定」; 白色構成版の上に試料11〜試料17の各測定シートを基材シートを上面側にして載置し、これら各測定シートに対して測定箇所I〜VIごとに色彩色差計(MINOLTA製 CR−300)の測定ヘッドの先端を垂直にあてて測定ボタンを押し、データプロセッサ(MINOLTA製 DP−300)に表示された数値(L*値、a*値、b*値、ΔE)を読み取った。その結果を表2、表3に示す。
【0086】
表1で示すように、試料1〜試料6は干渉ムラが見え難いヘアライン模様にすることができた。これは、一のヘアライン印刷層が残余のヘアライン印刷層よりも濃度が暗い「低明度ヘアライン印刷層」として形成しているためで、ヘアライン印刷層の交差部分の濃度には「低明度ヘアライン印刷層」の濃度が強く表れ、「低明度ヘアライン印刷層」における交差部分と他の部分との濃度差が生じていてもその差を小さくすることができた。よって濃度の差が目立たなくなり、干渉ムラが見え難いヘアライン模様を実現することができた。なお、表2、表3で示すように、試料1〜試料6に相当する試料11〜試料16では、濃度の暗い「低明度ヘアライン印刷層」と残余のヘアライン印刷層とのL*値の差は3以上となっている。
【0087】
特に、試料1〜試料3は干渉ムラを見えなくすることができた。これは、表2で示すように、試料1〜試料3に相当する試料11〜試料13では、視認側の第1ヘアライン印刷層(63)が、第2ヘアライン印刷層(64)や第3ヘアライン印刷層(65)よりもL*値が11〜17小さく、しかも視認側に濃度の暗い「低明度ヘアライン印刷層」が形成されているからである。このためヘアライン印刷層の交差部分の濃度は裏面側の第2ヘアライン印刷層(64)や第3ヘアライン印刷層(65)の濃度の影響を受け難く、濃度の暗い第1ヘアライン印刷層(63)における交差部分と他の部分との濃度差が生じていてもその差を小さくすることができる。よって濃度の暗い「低明度ヘアライン印刷層」を裏面側に積層するよりもさらに濃度の差を目立たなくすることができ、干渉ムラが見えないヘアライン模様を実現することができた。特に、試料1、試料3は、第2のヘアライン印刷層(64)と第3のヘアライン印刷層(65)とのL*値を実質的に同じ値にしているため、第1のヘアライン印刷層(63)のみ暗く形成することができ、第1のヘアライン印刷層(63)と第2,第3のヘアライン印刷層(64,65)との濃淡を明確に視認することができる。よって立体感のあるヘアライン模様を実現することができる。同様に試料4、試料6も第3のヘアライン印刷層(65)のみ暗く形成することができ、立体感のあるヘアライン模様を実現することができる。また、試料2は、第2のヘアライン印刷層(64)と第3のヘアライン印刷層(65)とのL*値を実質的に異なる値にしているため、第1〜第3の各ヘアライン印刷層(63,64,65)の濃度を漸次的に変化させることができ、柔らかな風合いのヘアライン模様を実現することができる。同様に試料5でも第1〜第3の各ヘアライン印刷層(63,64,65)も漸次的に濃度を変化させることができ、濃淡を漸次変化させて、柔らかな風合いのヘアライン模様を実現することができる。
【0088】
試料7は、表1で示すように、干渉ムラが見えた。これは、表3で示すように、試料7に相当する試料17では、各ヘアライン印刷層(63,64,65)のL*値の差が3未満であり、1層あたりのヘアライン印刷層のL*値が80程度の本実験の場合ではL*値が各ヘアライン印刷層(63,64,65)とも実質的に同じであるためと思われる。縞状パターンの交差部分の濃度が周囲より濃いとヘアライン模様の凹凸観を高めることができるが、試料17のように3層が積層する「測定箇所VI」のL*値が58程度となっており、1層あたりのL*値の差が20を超えると、これに相当する加飾シートの試料7では干渉ムラが発生する。
【0089】
【表1】

【0090】
【表2】


【0091】
【表3】

【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】第1実施形態の加飾シートであり、分図1(A)はその平面図、分図1(B)は底面図。
【図2】図1のSA−SA線断面図。
【図3】図1(B)の部分拡大図。
【図4】第1実施形態の加飾シートを備える加飾成形体の要部拡大断面図。
【図5】第1実施形態の第1変形例における加飾シートの図2相当の断面図。
【図6】第1実施形態の第2変形例における加飾シートの図2相当の断面図。
【図7】第1実施形態の第3変形例における加飾シートの図1(B)相当の底面図。
【図8】第1実施形態の第4変形例における加飾シートの図1(B)相当の底面図。
【図9】第3実施形態の加飾シートであり、分図1(A)はその平面図、分図1(B)は底面図。
【図10】図9のSB−SB線断面図。図。
【図11】図9(B)の部分拡大図。
【図12】第3実施形態の加飾シートを備える加飾成形体の要部拡大断面図。
【図13】測定シートであり、分図(A)は1層目を印刷成形した底面図、分図(B)は2層目を印刷成形した底面図、分図(C)は3層目を印刷成形した底面図、分図(D)は分図(C)のSC−SC線断面図。
【図14】測定シートの測定箇所I〜VIを示す平面図。
【符号の説明】
【0093】
1 加飾シート(第1実施形態)
2 加飾成形体(第1実施形態)
3 基材シート
4 第1ヘアライン印刷層
5 第2ヘアライン印刷層
6 保護層(接着層)
7 筐体
8 透明層
9 トップコート層
11 加飾シート(第1実施形態の第1変形例)
21 加飾シート(第1実施形態の第2変形例)
31 加飾シート(第1実施形態の第3変形例)
32 第1ヘアライン印刷層
33 第2ヘアライン印刷層
41 加飾シート(第1実施形態の第4変形例)
42 第1ヘアライン印刷層
43 第2ヘアライン印刷層
51 加飾シート(第2実施形態)
52 加飾成形体(第2実施形態)
61 加飾シート(第3実施形態)
62 加飾成形体(第3実施形態)
63 第1ヘアライン印刷層
64 第2ヘアライン印刷層
65 第3ヘアライン印刷層
71 加飾シート(第4実施形態)
72 加飾成形体(第4実施形態)
θ1,θ2,θ3,θ4 交差角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘアライン模様を有する加飾シートであって、
透明な基材シートと、
縞状パターンで構成される透光性の2以上のヘアライン印刷層と、を積層して備えており、
前記2以上のヘアライン印刷層は、各ヘアライン印刷層の縞状パターンが、他のヘアライン印刷層の縞状パターンと平面視で交差して積層されており、
一のヘアライン印刷層は残余のヘアライン印刷層よりもL*a*b*表色系(JIS Z 8729)のL*値 が小さい低明度ヘアライン印刷層として形成されている加飾シート。
【請求項2】
残余のヘアライン印刷層として複数のヘアライン印刷層を備える請求項1記載の加飾シート。
【請求項3】
残余のヘアライン印刷層としてL*値 が実質的に同じである複数のヘアライン印刷層を備える請求項1又は請求項2記載の加飾シート。
【請求項4】
残余のヘアライン印刷層としてL*値 が実質的に異なる複数のヘアライン印刷層を備える請求項1又は請求項2記載の加飾シート。
【請求項5】
低明度ヘアライン印刷層と残余のヘアライン印刷層とのL*値の差が3以上である請求項1〜請求項4何れか1項記載の加飾シート。
【請求項6】
視認側のヘアライン印刷層が低明度ヘアライン印刷層である請求項1〜請求項5何れか1項記載の加飾シート。
【請求項7】
請求項1〜請求項6何れか1項記載の加飾シートを成形体の外形面に備える加飾成形体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−196127(P2009−196127A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−38010(P2008−38010)
【出願日】平成20年2月19日(2008.2.19)
【出願人】(000237020)ポリマテック株式会社 (234)
【Fターム(参考)】