説明

加齢黄斑変性の治療のためのミクロ粒子組成物及び治療法

加齢黄斑変性の治療又は予防に有用なラニビズマブのミクロ粒子を含む医薬組成物が開示される。また、斑点のある脈管形成の治療又は予防に用いられ得るミクロ粒子も開示される。更に、ミクロ粒子及び組成物の製造方法や、黄斑変性や、増大した又は異常な斑点のある脈管形成に関連する病気、疾患、又は状態を治療又は予防するための方法が開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(0001)
(関連出願の相互参照)
本願は、米国仮出願第61/247849号(出願日:2009年10月1日)及び米国仮出願第61/247,848号(出願日:2009年10月1日)に基づく優先権を主張する(いずれも参照によりその全体が本願に組み込まれる)。
【背景技術】
【0002】
(0002)
血管内皮増殖因子A(VEGF-A)は、新たな血管の成長である脈管形成を引き起こし得る一つの生物学的要素である。様々な病気、とりわけ、虚血、貧血、抹消血管症、動脈硬化性病変は、脈管形成の増進により治療し得る。脈管形成の増進は、VEGF-Aの増加調節を促すことにより達成され、それによってその病気組織における血液の循環を増進し、もって酸素の供給が増進される。しかし、目においては、過度の血管新生によって血液や体液が目の中に漏れ得る。こういった液漏れする血管は黄斑浮腫や脈絡膜血管新生の原因となり得るものであり、その結果として滲出型の加齢黄斑変性(ARMD)となる。ARMDの結果として視力の喪失や、さらには失明に至り得る。そのため、過度の黄斑血管新生の調節は黄斑変性の治療においては重要となる。従って、医療専門家が目指すのは、身体の他の部分における通常のVEGF-A活性の有益な効果を阻害することなく、ARMDの抑制や回復のための治療を提供することである。
【0003】
(0001)
ラニビズマブはARMDの効果的な治療法と考えられている。ラニビズマブは組み換えヒト化IgG1カッパー(kappa)アイソタイプモノクローナル抗体であり、VEGF-Aの切断型であり生物学的に活性のあるVEGF110を含む活性型VEGF-Aの受容体結合部位に競合的に結合することで、VEGF活性を阻害する。その結果、ラニビズマブは、VEGF-Aがその本来の受容体である内皮細胞表面で発見されたVEGFR1やVEGFR2に結合するのを妨げる。その結果、内皮細胞の増殖、血管の漏れ、新血管形成が抑制される。
【0004】
(0002)
LUCENTISTMはラニビズマブの医薬製剤であり、直接目の硝子体液に眼内注射するよう設計されており、活性成分ラニビズマブが内部限定膜(internal limiting membrane)を突き通り、網膜下の空間へ到達する。こういった注射は被験者に対して一般的には一年に5〜7回なされ、多くの場合には毎月なされる。必要な治療法であるが、一般に眼内注射がきっかけで、とりわけ、感染症、網膜剥離、網膜破壊(retinal disruption)、白内障、出血を起こすことがあり、そのいくつかは失明に繋がることもある。そのため、注射の頻度を減らすことができる、ラニビズマブを目へと送達するための組成物と方法が必要であり、徐々にラニビズマブを放出し、注射の頻度及び高頻度の注射による潜在的な有害な副作用を減らす方法で、一定量のラニビズマブを目へ注入する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
(0003)
ラニビズマブを含むミクロ粒子が開示され、そのミクロ粒子は眼内注射により直接目の硝子体液へ加齢黄斑変性の治療のために十分な量のラニビズマブを送達するのに用い得るものであり、注射は3〜12ヶ月ごとの間隔で必要となるのみである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(0004)
本開示の一つの特徴は、ミクロ粒子を含む医薬組成物であって、前記ミクロ粒子が、
(1)約1質量%〜約15質量%のラニミズマブ、及び
(2)ポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)共重合体、
を含み、前記共重合体が、
(i)約75%〜約90%のD,L-ラクチド単位、及び
(ii)約10%〜約25%のグリコリド単位、
を含むことを特徴とする医薬組成物に関連する。
【0007】
(0005)
この特徴のもう一つの態様は、加齢黄斑変性の治療のためのミクロ粒子を含む医薬組成物であって、前記ミクロ粒子が、
(1)約1質量%〜約15質量%のラニビズマブ、及び
(2)ポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)共重合体、
を含み、
前記共重合体が
(i)約75%〜約90%のD,L-ラクチド単位と、
(ii)約10%〜約25%のグリコリド単位と、
を含み、
前記ミクロ粒子が、以下の工程、
(1)約1質量%〜約15質量%のラニビズマブを含む水相を提供する工程、
(2)一以上のポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)共重合体を含む有機相を提供する工程であって、前記共重合体が、
(i)約75%〜約90%のD,L-ラクチド単位と、
(ii)約10%〜約25%のグリコリド単位と、
を含む工程、
(3)工程(1)の水相を工程(2)の有機相と混合して第一のエマルションを形成する工程、
(4)第一のエマルションを水性連続相と混合して水/油/水のエマルションを形成する工程、
(5)水/油/水のエマルションを水性抽出相に混合して、ミクロ粒子を形成する工程、
を含む方法により形成されることを特徴とする医薬組成物に関連する。
【0008】
(0006)
この特徴のさらにもう一つの態様は、ミクロ粒子に対して1〜15質量%のラニビズマブ及びポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)共重合体を含むミクロ粒子であって、
前記共重合体が75質量%〜90質量%のラクチド単位と、25質量%〜10質量%のグリコリド単位とを含むことを特徴とするミクロ粒子に関連する。
【0009】
(0007)
本開示の今一つの特徴は、ミクロ粒子を含む医薬組成物であって、前記ミクロ粒子が、
(1)約1質量%〜約15質量%のラニビズマブ、及び
(2)ポリ(D,L-ラクチド)、
を含むことを特徴とする医薬組成物に関連する。
【0010】
(0008)
この特徴の更に今一つの態様は、ミクロ粒子を含む加齢黄斑変性の治療のための医薬組成物であって、前記ミクロ粒子が、
(1)約1質量%〜約15質量%のラニビズマブ、及び
(2)ポリ(D,L-ラクチド)、
を含み、
前記ミクロ粒子が、以下の工程、
(1)約1質量%〜約15質量%のラニビズマブを含む水相を提供する工程、
(2)ポリ(D,L-ラクチド)を含む有機相を提供する工程、
(3)工程(1)の水相を工程(2)の有機相と混合して第一のエマルションを形成する工程、
(4)第一のエマルションを水性連続相と混合して水/油/水のエマルションを形成する工程、
(5)水/油/水のエマルションを水性抽出相に混合して、ミクロ粒子を形成する工程、
を含む方法により形成されることを特徴とする医薬組成物に関連する。
【0011】
(0003)
この特徴のさらなる態様は、ミクロ粒子に対して1〜15質量%のラニビズマブ及びポリ(D,L-ラクチド)を含むミクロ粒子に関連する。
【0012】
(0004)
本開示のさらなる特徴は、ミクロ粒子を含む医薬組成物であって、前記ミクロ粒子が、
(1)約1質量%〜約15質量%のラニビズマブ、及び
(2)ポリマー混合物、
を含み、
前記ポリマー混合物が、
(i)約60%〜約99%のポリ(D,L-ラクチド)、及び
(ii)約1%〜約40%のポリカプロラクトン、
を含むことを特徴とする医薬組成物に関連する。
【0013】
(0005)
この特徴のもう一つの態様は、ミクロ粒子を含む加齢黄斑変性の治療のための医薬組成
物であって、前記ミクロ粒子が、
(1)約1質量%〜約15質量%のラニビズマブ、及び
(2)ポリマー混合物、
を含み、
前記ポリマー混合物が、
(i)約60%〜約99%のポリ(D,L-ラクチド)、及び
(ii)約1%〜約40%のポリカプロラクトン、
を含み、
前記ミクロ粒子が、以下の工程、
(1)約1質量%〜約15質量%のラニビズマブを含む水相を提供する工程、
(2)ポリマー混合物を含む有機相を提供する工程であって、前記ポリマー混合物が、
(i)約60%〜約99%のポリ(D,L-ラクチド)、及び
(ii)約1%〜約40%のポリカプロラクトン、
を含む工程、
(3)工程(1)の水相を工程(2)の有機相と混合して第一のエマルションを形成する工程、
(4)第一のエマルションを水性連続相と混合して水/油/水のエマルションを形成する工程、
(5)水/油/水のエマルションを水性抽出相に混合して、ミクロ粒子を形成する工程、
を含む方法により形成されることを特徴とする医薬組成物に関連する。
【0014】
(0006)
この特徴のさらなる態様は、ミクロ粒子に対して1〜15質量%のラニビズマブ及びポリマー混合物を含むミクロ粒子であって、前記ポリマー混合物が約60%〜約99%のポリ(D,L-ラクチド)及び約1%〜約40%のポリカプロラクトンを含むことを特徴とするミクロ粒子に関連する。
【0015】
(0007)
本開示のさらにもう一つの特徴は、ミクロ粒子を含む医薬組成物であって、前記ミクロ粒子が、
(1)約1質量%〜約15質量%のラニビズマブ、及び
(2)ポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)共重合体の混合物、
を含み、
前記共重合体の混合物が、
(i)約65%〜約90%のD,L-ラクチド単位及び10%〜約35%のグリコリド単位を含む、約10質量%〜約90質量%の第一の共重合体、及び
(ii)約55%〜約90%のD,L-ラクチド単位及び10%〜約45%のグリコリド単位を含む、約10質量%〜約90質量%の第二の共重合体、
を含むことを特徴とする医薬組成物に関連する。
【0016】
(0008)
この特徴のさらなる態様は、ミクロ粒子を含む加齢黄斑変性の治療のための医薬組成物であって、前記ミクロ粒子が、
(1)約1質量%〜約15質量%のラニビズマブ、及び
(2)ポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)共重合体の混合物、
を含み、
前記共重合体の混合物が、
(i)約65%〜約90%のD,L-ラクチド単位及び10%〜約35%のグリコリド単位を含む、約10%〜約90%の第一の共重合体、及び
(ii)約55%〜約90%のD,L-ラクチド単位及び10%〜約45%のグリコリド単位を含む、約10%〜約90%の第二の共重合体、
を含み、
前記ミクロ粒子が、以下の工程、
(1)約1質量%〜約15質量%のラニビズマブを含む水相を提供する工程、
(2)ポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)共重合体の混合物を含む有機相を提供する工程であって、前記共重合体の混合物が、
(i)約65%〜約90%のD,L-ラクチド単位及び10%〜約35%のグリコリド単位を含む、約10%〜約90%の第一の共重合体、及び
(ii)約55%〜約90%のD,L-ラクチド単位及び10%〜約45%のグリコリド単位を含む、約10質量%〜約90質量%の第二の共重合体、
を含む工程、
(3)工程(1)の水相を工程(2)の有機相と混合して第一のエマルションを形成する工程、
(4)第一のエマルションを水性連続相と混合して水/油/水のエマルションを形成する工程、
(5)水/油/水のエマルションを水性抽出相に混合して、ミクロ粒子を形成する工程、
を含む方法により形成されることを特徴とする医薬組成物に関連する。
【0017】
(0009)
この特徴のまだ更なる態様は、ミクロ粒子に対して1〜15質量%のラニビズマブ及びポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)共重合体の混合物を含むミクロ粒子であって、
前記共重合体の混合物が、
(1)約65%〜約90%のD,L-ラクチド単位及び10%〜約35%のグリコリド単位を含む、約10%〜約90%の第一の共重合体、及び
(2)約55%〜約90%のD,L-ラクチド単位及び10%〜約45%のグリコリド単位を含む、約10質量%〜約90質量%の第二の共重合体、
を含むことを特徴とするミクロ粒子に関連する。
【0018】
(0010)
この特徴のまだ更なる態様は、加齢黄斑変性を予防又は治療する方法であって、その治療を必要とする被験者に、本件開示の組成物を適量投与することを特徴とする方法に関連するものである。
【0019】
(0011)
この特徴のまださらなる態様は、加齢黄斑変性を予防又は治療する方法であって、その治療を必要とする被験者に、本件開示のミクロ粒子を適量投与することを特徴とする方法に関連するものである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
(0012)
【図1】図1は、100 mM PBS/0.5% BSA/0.05% Proclin 300、37℃におけるインンビトロでのラニビズマブマイクロ粒子の溶出プロフィールを示す。黒三角(▲)の線は8515 DLG 4.5E及び8515 DLG 6Aのポリマー混合物、 白三角(△) の線は8515 DLG 5A及び 7525 DLG 5.5Eのポリマー混合物、 黒丸(●)の線は7525 DLG 7A及び6535 DLG 2Eのポリマー混合物、白丸(○)の線は7525 DLG 7E及び6535 DLG 4.5Aのポリマー混合物、黒四角(■)の線はコポリマー8515 DLG 7Aに対応する。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(0009)
本発明は、以下の詳細な説明、実施例、特許請求の範囲、そしてこれまで又はこれからの説明を参照すれば、より容易に理解できる。しかし、本発明の組成物、物品、装置、及び/又は方法を開示し、説明する前に、本発明は、別に特定しない限りは、当然変更可能なものとして、開示された特定の組成物、物品、装置、及び/又は方法に限定されないことを理解しなければならない。また、ここで使用する専門用語は特定の特徴だけを説明するためのものであり、限定することを意図してはいないことも理解しなければならない。
【0022】
(00010)
この発明に関する以下の記述は、既知の態様において本発明の実施可能な教示として提供する。このため、関連分野の当業者は、ここに記載された発明の様々な特徴には多くの変化がなされ、本発明の有益な結果をまだ得られることを認識し、理解する。本発明のいくつかの特徴を選択することで、他の特徴を利用せずにこの発明のいくつかの所望の利益を得ることができることもまた明白である。その結果、当業者は、本発明に対する多くの修飾や適応が、可能であり、ある状況では望ましくさえあり、本発明の一部であることを認識する。したがって、以下の記述は本発明の原理の実例として提供するのであって、限定ではない。
【0023】
(00011)
このミクロ粒子、共重合体、ポリマー混合物、化合物、組成物、及び/又は方法を開示し説明する前に、ここに説明する特徴は、当然変更可能なものとして、特定の化合物、合成方法あるいは利用法に限定されるものではないことを理解しなければならない。ここで使用する専門用語は特定の特徴だけを説明するためのものであり、ここで特に定義しない限りは、限定することを意図していないこともまた理解しなければならない。
【0024】
(00012)
以下の明細書及び特許請求の範囲において、以下の意味をもって定義される多数の用語に言及する。
【0025】
(00013)
この明細書を通して、別に文脈上必要がない限り、「含む(comprise)」 又は「comprises」や「comprising」のような変形は、述べられた整数や工程、又は一群の整数や工程を包含することを意味するが、他の整数や工程、又は一群の工程を排除することは意味しないことが理解される。
【0026】
(00014)
本明細書や添付の特許請求の範囲において使用されているように、「a」や「an」、そして「the」といった単数形は、別に文脈上明確に指示されない限り、複数の意味を含むことも注意しなければならない。従って、例えば、「医薬的担体(a pharmaceutical carrier)」への言及は、二種以上のそのような担体の混合物などを含む。
【0027】
(00015)
「任意の」又は「任意に」は、その後に説明される事象や状況が、起こり得るし、起こり得ないことを意味し、この記載は事象や状況が起こる例と起こらない例とを含む。
【0028】
(00016)
範囲は、「約」一つの特定の値から、及び/又は「約」他の特定の値まで、のようにこの中で表され得る。そのような範囲が表されると、別の特徴はその一つの特定の値から、及び/又は他方の特定の値までを含む。同様に、値が先行詞「約」を使用して概算として表されると、その特定の値は他の特徴を形成することが理解される。更に、それぞれの範囲の終点は他方の終点との関係においても、他方の終点と独立しても、重要であることが理解される。
【0029】
(00017)
ここで使用される、成分の「質量%(wt. %)」又は「weight percent」又は「percent by weight」は、そうでないと明確に述べない限り、百分率で表した、成分を含む組成物の全体の重量に対する成分の重量の割合を言う。
【0030】
(00018)
「接触する」によって、少なくとも一つの物質と他の物質との物理的な接触を意味する。
【0031】
(00019)
「十分な量」及び「十分な時間」によって、所望の結果、例えばポリマーの一部を溶解するなど、を実現するのに必要な量や時間を意味する。
【0032】
(00020)
ここで一般に使用される「混合物」又は「ブレンド」は、複数の異なる成分の物理的な組み合わせを意味する。ポリマーの場合、複数の異なるモノマーで構成される一つの高分子材料である共重合体とは対照的に、ポリマーの混合物又はブレンドは、複数の異なるポリマーの物理的なブレンド又は組み合わせである。
【0033】
(00021)
ここで使用される「分子量」は、別に特定しない限り、一般に巨大ポリマーの相対的な平均分子量を言う。実際には、分子量はゲル透過クロマトグラフィー(GPC)又は毛細管粘度測定法(capillary viscometry)を含む様々な方法で測定され又は特徴づけられ得る。GPC分子量は量平均分子量(Mw)又は数平均分子量(Mn)として記録される。毛細管粘度測定法は、濃度、温度、溶媒条件の特定のセットを用いて希薄ポリマー溶液から決定されるインヘレント粘度(IV)として、分子量の概算を提供する。別で特定されない限りは、IV測定は30℃、クロロホルムを用いた溶液、ポリマー濃度0.5 g/dLで行われる。
【0034】
(00022)
ここで使用される「制御放出」は、材料を使用して他の物質の放出を調整することを意味する。
【0035】
(00023)
ここで使用される「生物活性物質」は、開示されるミクロ粒子内又はミクロ粒子上にラニミズマブを含む。
【0036】
(00024)
ここで使用される「賦形剤」は、ミクロ粒子内又はミクロ粒子上に含まれ得る、治療的に又は生物学的に活性な化合物ではない、他の化合物や添加物を含む。従って、賦形剤は医薬的に又は生物学的に許容され得る又は関連するべきである(例えば、賦形剤は被験者に対して一般に無毒であるべきである)。
「賦形剤」は一つのそのような化合物を含み、そしてまた複数の賦形剤を含むことも意図する。
【0037】
(00025)
ここで使用される「剤(agent)」は、一般にミクロ粒子の組成物内又はミクロ粒子の組成物上に含まれる化合物を言う。剤は生物活性物質又は賦形剤を含み得る。剤は一つのそのような化合物を含み、そしてまた複数のそのような化合物を含むことも意図する。
【0038】
(00026)
ここで使用される「生物学的適合の」は、受容者に対して一般に無毒であり、被験者に対するいかなる重大な悪影響も有さない材料であって、さらにその材料のいかなる代謝産物又は分解産物も被験者に対して無毒である材料を言う。
【0039】
(00027)
「生物分解性の」はここでは一般に、可溶な種類に腐食する材料、又は生理的な条件下で分解され、それ自身が被験者に対して無毒(生物学的適合の)であって、被験者によって代謝され、除去され、排出され得るより小さな単位又は化学種となる材料を言う。
【0040】
(00028)
ここで使用される「ミクロ粒子」という用語は一般に、ナノ粒子、ミクロスフェア、ナノスフェア、マイクロカプセル、ナノカプセル及び粒子を含む。従って、ミクロ粒子という用語は様々な内部構造や内部組織を持つ粒子を言い、中でもミクロスフェア(ナノスフェア)のような均質なマトリックス、ミクロカプセルやナノカプセルのような不均質なコアシェルマトリックス(core-shell matrix)、多孔性の粒子、多層の粒子を含む。「ミクロ粒子」という用語は一般に、約10nm〜約2mmの範囲の大きさを持つ粒子を言う。
【0041】
(00029)
ここで使用される「被験者」は、投与のあらゆる標的を言う。被験者は、脊椎動物、例えば哺乳類でもあり得る。従って、被験者は人間でもあり得る。この用語は特定の年齢や性別を意味しない。従って、大人や、胎児のみならず新生児の被験者も、男性女性を問わず、対象となることを意味する。「患者」は、病気や不調に苦しむ被験者を言い、人間や動物被験者も含む。
【0042】
(00030)
ここで開示するのは、開示されている方法や組成物のために使用することができる、又はそれらと共に使用することができる、それらの調合のために使用できる、それらの産物である、化合物や組成物や成分である。ここではこれらの又は他の材料が開示されており、これらの材料の組み合わせ、部分集合、相互作用、グループ等が開示されているとき、これらの成分のそれぞれの様々な個別の又は集合的な組み合わせの特定指示やこれらの成分の置換は明示的に開示されていないかもしれないが、ここではそれぞれが明確に検討され、開示されていることが理解される。例えば、多数の異なるポリマーや物質が開示され、議論されているならば、そうでないことを明示的に示唆しない限りは、そのポリマーや物質のそれぞれ、そして全ての組み合わせや置換が検討されている。従って、A、B、Cの分子の集合とD、E、Fの分子の集合が開示されており、A-Dの分子の組み合わせの例が開示されているならば、たとえそれぞれが個別に列挙されていなくても、それぞれ個別に、そして集合的に検討されている。従って、この例では、A-E、A-F、B-D、B-E、B-F、C-D、C-E、C-Fのそれぞれの組み合わせは明確に検討されており、A、B、CとD、E、Fと組み合わせ例のA-Dの開示から、開示されていると考えるべきである。同様に、これらのあらゆる部分集合や組み合わせもまた、明確に検討され、開示されている。従って、例えば、A-E、B-F、C-Eの下位群は明確に検討され、A、B、CとD、E、Fと組み合わせ例のA-Dの開示から、開示されていると考えるべきである。この概念は、開示されている組成物を作り又は使用する方法における段階を含め、しかし限定されず、本開示の全ての特徴に適用される。従って、行い得る様々な付加的な段階があれば、これらの付加的な段階のそれぞれは開示されている方法のいずれの特定の態様又は態様の組み合わせでも行い得て、そのような組み合わせのそれぞれが明確に検討され、開示されていると考えるべきであると理解される。
【0043】
(00031)
第一の主要な特徴において、開示されているミクロ粒子は、
(1)約1質量%〜約15質量%のラニミズマブ、及び
(2)ポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)共重合体、
を含み、前記共重合体が、
(i)約75%〜約90%のD,L-ラクチド単位、及び
(ii)約10%〜約25%のグリコリド単位、
を含むミクロ粒子に関連する。
【0044】
(00032)
この特徴を持つ開示されているミクロ粒子は、約1質量%〜約15質量%のラニミズマブを含む。この特徴の一つの態様では、ミクロ粒子は約5質量%〜約10質量%のラニミズマブを含む。別の態様では、ミクロ粒子は約6質量%〜約9質量%のラニミズマブを含む。更なる態様では、ミクロ粒子は約7質量%〜約9質量%のラニミズマブを含む。ある例では8質量%のラニミズマブを含む。しかし、ミクロ粒子は約1質量%〜約15質量%のいかなる量、例えば、1質量%、2質量%、3質量%、4質量%、5質量%、6質量%、7質量%、8質量%、9質量%、10質量%、11質量%、12質量%、13質量%、14質量%、15質量%のラニミズマブも含み得る。これらの量には、例えば1.1質量%、2.75質量%、4.33質量%のような端数の量のラニミズマブも含む。
【0045】
(00033)
この特徴を持つ開示されているミクロ粒子は、約75%〜約90%のD,L-ラクチド単位、及び残りのグリコリド単位を有する共重合体を含む。一つの態様では、ミクロ粒子は約80%〜約90%のD,L-ラクチド単位を含み得る。別の態様では、ミクロ粒子は約82%〜約88%のD,L-ラクチド単位を含み得る。更なる態様では、ミクロ粒子は約78%〜約88%のD,L-ラクチド単位を含み得る。しかし、ミクロ粒子は約75%〜約90%のいかなる量、例えば、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%のD,L-ラクチド単位も含み得る。これらの量には、例えば84.5%、86.2%、87.75%,のような端数の量のD,L-ラクチド単位も含む。 共重合体組成物の残りはグリコリド単位である。
【0046】
(00034)
この特徴を持つ開示されているミクロ粒子は、約0.2〜約0.8dL/gの固有粘度(IV)を有するポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)共重合体を含む。一つの態様では、共重合体は約0.3〜約0.8dL/gのIVを有する。別の態様では、共重合体は約0.4〜約0.8dL/gのIVを有する。更なる態様では、共重合体は約0.4〜約0.7dL/gのIVを有する。しかし、ミクロ粒子は約0.2〜約0.8dL/gのいかなるIV、例えば、0.2 dL/g、0.25 dL/g、0.3 dL/g、0.35 dL/g、0.4 dL/g、0.45 dL/g、0.5 dL/g、0.55 dL/g、0.6 dL/g、0.65 dL/g、0.7 dL/g、0.75 dL/g、0.8 dL/g、等、あるいは端数の量のそれ、例えば、0.557 dL/gも含み得る。固有粘度は便宜的にcm3/gで表すこともできる。
【0047】
(00035)
この特徴を持つ開示されているミクロ粒子は、約20ミクロン〜約125ミクロンの平均粒径を有する。一つの態様では、平均粒径の範囲は、約40ミクロン〜約90ミクロンである。別の態様では、平均粒径の範囲は、約50ミクロン〜約80ミクロンである。粒径分布は、当業者によく知られているレーザー回折技術によって測定される。
【0048】
(00036)
この特徴の更なる態様では、ミクロ粒子の調合中に用いられるバルク製剤(bulk drug product)は、一以上の水溶性担体又は賦形剤を含み得る。そのような担体又は賦形剤は、一般に糖、糖類、多糖類、界面活性剤、緩衝塩、充填剤等を含むであろう。賦形剤の非制限的な例は、2-(ヒドロキシ-メチル)-6-[3,4,5-トリヒドロキシ-6- (ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]オキシ- テトラヒドロピラン-3,4,5-トリオール、「トレハロース」 である。開示されている方法の一つの態様は、初めのバルク製剤中の薬の質量の1質量%〜200質量%のトレハロースを含む、ミクロ粒子の調合中に用いられるバルク製剤を含む。更なる態様では、ミクロ粒子の調合中に用いられるバルク製剤は、初めのバルク製剤中の薬の質量の約10質量%〜約50質量%のトレハロースを含む。この特徴の非限定的な例では、バルク製剤は25質量%〜35質量%のトレハロースを含む。賦形剤の別の非制限的な例は界面活性剤ポリソルベート20 (すなわち ツイーン 20)である。開示されている方法の一つの態様は、初めのバルク製剤中の薬の質量の0.01質量%〜5質量%のポリソルベート20を含む、 ミクロ粒子の調合中に用いられるバルク製剤を含む。今更なる態様では、ミクロ粒子の調合中に用いられるバルク製剤は、初めのバルク製剤中の薬の質量の約0.05質量%〜0.25質量%のポリソルベート20を含む。この特徴の非限定的な例では、バルク製剤は約0.1質量%のポリソルベート20を含む。更に、バルク製剤は二以上のそのような担体や賦形剤を含む可能性がある。非制限的な例は、初めのバルク製剤中の薬の質量の25質量%〜35質量%のトレハロースと約0.1質量%のポリソルベート20を含むバルク製剤を含む。
【0049】
(00037)
ここで開示されているのは、加齢黄斑変性の治療のために使用され得る組成物である。一つの特徴は、
(1)ミクロ粒子であって、
(i)約1質量%〜約15質量%のラニビズマブ、及び
(ii)ポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)共重合体であって、
(a)約75%〜約90%のD,L-ラクチド単位と、
(b)約10%〜約25%のグリコリド単位と、
を含む共重合体、
を含むミクロ粒子、及び
(2)医薬的に許容され得る担体、
を含む組成物に関連する。
【0050】
(00038)
一つの態様では、組成物は、
(1)ミクロ粒子であって、
(i)約5質量%〜約10質量%のラニビズマブ、及び
(ii)ポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)共重合体であって、
(a)85%のD,L-ラクチド単位と、
(b)15%のグリコリド単位と、
を含む共重合体、
を含むミクロ粒子、及び
(2)医薬的に許容され得る担体、
を含む。
【0051】
(00039)
この態様の一つの例は、
(1)ミクロ粒子であって、
(i)約5質量%〜約10質量%のラニビズマブ、及び
(ii)ポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)共重合体であって、
(a)85%のD,L-ラクチド単位と、
(b)15%のグリコリド単位と、
を含み、約0.45dL/g〜約0.70dL/g、約0.45dL/g〜約0.60dL/g、又は約0.60dL/g〜約0.70dL/gの固有粘度を有する共重合体、
を含むミクロ粒子、及び
(2)医薬的に許容され得る担体、
を含む組成物に関連する。
【0052】
(00040)
更なる特徴は、
(1)約1mg〜約500mgのミクロ粒子であって、
(i)約1質量%〜約15質量%のラニビズマブ、及び
(ii)一以上のポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)共重合体であって、
(a)約75%〜約90%のD,L-ラクチド単位と、
(b)約10%〜約25%のグリコリド単位と、
を含む共重合体、
を含むミクロ粒子、及び
(2)医薬的に許容され得る担体、
を含み、約1質量%〜約50質量%の固体を含む医薬組成物に関連する。
【0053】
(00041)
この特徴を持つ開示されているミクロ粒子は、どのミクロ粒子調合方法によっても調合され得る。 一つの特徴では、参照によりその全体が本願に組み込まれる米国特許第5,407,609号明細書によってミクロ粒子は調合される。もう一つの特徴では、その方法は、
(1)約1質量%〜約50質量%のラニビズマブを含む水相を提供する工程、
(2)一以上のポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)共重合体を含む有機相を提供する工程であって、前記共重合体が、
(i)約75%〜約90%のD,L-ラクチド単位と、
(ii)約10%〜約25%のグリコリド単位と、
を含む工程、
(3)工程(1)の水相を工程(2)の有機相と混合して第一のエマルションを形成する工程、
(4)第一のエマルションを水性連続相と混合して水/油/水のエマルションを形成する工程、
(5)水/油/水のエマルションを水性抽出相に混合して、ミクロ粒子を形成する工程、
を含む。
【0054】
(00042)
この特徴を持つミクロ粒子を形成するための開示されている方法は、工程(2)において、いかなる非ハロゲン化炭化水素有機溶媒又はハロゲン化有機溶媒も使用することができる。さらに、 工程(3)の水性連続相に溶媒を飽和点になる量まで加えることができる。
【0055】
(00043)
「非ハロゲン化有機溶媒」は、ここで、例えば工程(2)において、開示されているポリマーを溶解するための第一の溶媒として供給するのに適した有機溶媒を意味する。非ハロゲン化有機溶媒の非限定的な例は、アセトン、メチルエチルケトン等のケトンやメタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、ベンジアルコール、グリセロール等のアルコールやジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、グリム、ジグリム等のエーテルや酢酸メチル、酢酸エチル等のエステルやn-ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、ヘプタン、イソオクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン(すべての異性体)等の炭化水素やジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホアミド等の極性非プロトン性溶媒等がある。
【0056】
(00044)
「ハロゲン化溶媒」は、ハロゲン化した有機溶媒、すなわちC1-C4ハロゲン化アルカンを意味する。その非限定的な例には、炭素四塩化物、クロロホルム、塩化メチレン、クロロエタン、1,1-ジクロロエタン、1,1,1-トリクロロエタン、そして1,2-ジクロロエタンがある。
【0057】
(00045)
この特徴を持つ開示されているミクロ粒子を形成するための方法の一つの特徴では、工程(2)でポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)共重合体を溶解し又は分散するために酢酸エチルが使用される。この特徴を持つ開示されているミクロ粒子を形成するための方法の別の特徴では、工程(2)でポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)共重合体を溶解し又は分散するために塩化メチレンが使用される。
【0058】
(00046)
この特徴を持つ開示されているミクロ粒子を形成するための方法の別の態様では、工程(3)の水性連続相に飽和点まで塩を加え得る。塩は単独で又は連続相に加える有機溶媒と共に加え得る。一つの特徴では、塩は約0.1M 〜約10Mの量である。別の特徴では、塩は約0.5M〜約5Mの量である。しかし、連続相の塩濃度は約0.1M〜約10Mのいずれの値も取りうる。連続相に用いられ得る塩の一つの例は、例えば、1.5M塩化ナトリウム、2M塩化ナトリウム、2.5M塩化ナトリウム等の塩化ナトリウムである。この態様の一つの特徴において、水性連続相は2Mの塩化ナトリウムを含み得る。この特徴を持つミクロ粒子を形成するための開示されている方法の非制限的な例は、次の工程(4)、
(4)第一のエマルション(工程(3)で形成された油中水エマルションを2Mの塩化ナトリウムを含む水性連続相と混合して水/油/水のエマルションを形成する工程、
を含む。
【0059】
(00047)
この特徴を持つ開示されているミクロ粒子を形成するための方法の今更なる態様では、界面活性剤、例えばポリ(ビニルアルコール)(PVA)、は工程(1)のラニビズマブを含む水溶液、工程(3)の連続相、あるいはその両方に加え得る。PVAの量は工程(1)の水溶液の約0.05質量%〜約1質量%になり得る。界面活性剤の量は連続相の約0.5質量%〜約3質量%になり得る。この態様の一つの特徴では、工程(1)の水溶液は約0.1質量%〜約0.5質量%のポリ(ビニルアルコール)を含む。この態様の別の特徴では、連続相は約1.5質量%〜約2.5質量%のポリ(ビニルアルコール)を含む。
【0060】
(00048)
水性連続相溶液は一以上の他の界面活性剤又は乳化剤を含み得る。他の界面活性剤及び乳化物質は、ほとんど全ての生理的に許容し得る乳化剤を含む。例えば、卵レシチン、大豆レシチン、合成レシチンのようなレシチン等がある。乳化剤は、遊離脂肪酸, ポリオキシプロピレングリコールやポリオキシエチレングリコール等のポリオキシアルキレン化合物の脂肪酸エステル、脂肪アルコールとポリオキシアルキレングリコールのエーテル、脂肪酸とポリオキシアルキル化ソルビタンのエステル、石鹸、グリセロール-ポリアルキレンステアリン酸塩、グリセロール-ポリオキシエチレンリシノール酸塩、ポリアルキレングリコールの重合体及び共重合体、大豆油やキャスターオイルのポリエトキシ化物及び水素化物、スクロース又は他の炭水化物と脂肪酸や脂肪アルコール又はこれらの任意にポリオキシアルキル化されたもののエーテル及びエステル、飽和又は不飽和脂肪酸やグリセリド又は大豆油そしてスクロースのモノ-グリセリドやジ-グリセリド及びトリ-グリセリド、のような界面活性剤も含む。他の乳化剤は天然又は合成型の、共にアミノ酸と共役する又はタウロデオキシコール酸塩のように共役しない胆汁酸塩又は胆汁酸、そしてコール酸を含む。
【0061】
(00049)
この特徴を持つミクロ粒子を調合するための方法の一つの態様は、工程(3)の水性連続相において界面活性剤、例えばポリ(ビニルアルコール)、と塩、例えば塩化ナトリウム、の両方の使用に関連する。一つの特徴では、ポリ(ビニルアルコール)の量は、塩存在下で約0.5質量%〜約3.5質量%になり得る。別の特徴では、ポリ(ビニルアルコール)の量は、塩存在下で連続相の約2質量%になり得る。
【0062】
(00050)
この方法の一つの態様では、工程(3)の水性連続相は、ポリ(ビニルアルコール) 、塩、そして、任意に、連続相溶液中で飽和レベルに達する量の、分散相溶液の調製に用いる有機溶媒を含み得る。
【0063】
(00051)
ポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)共重合体を含む工程(2)の溶媒相は、約10質量%〜約30質量%の共重合体を含み得る。この態様の一つの特徴では、溶媒相は約15質量%〜約25質量%の共重合体を含み得る。この特徴を持つミクロ粒子を形成するための開示されている方法の非限定的な例は、以下の工程(2)、
(2)約20質量%の一以上のポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)共重合体を含む有機相を提供する工程であって、前記共重合体が、
(i)約75%〜約90%のD,L-ラクチド単位と、
(ii)約10%〜約25%のグリコリド単位と、
を含む工程、
を含む。
【0064】
(00052)
この特徴を持つミクロ粒子を形成するための開示されている方法の一つの態様は、以下の工程、
(1)約10質量%〜約30質量%のラニビズマブ及び約0.1質量%〜約0.5質量%のポリ(ビニルアルコール)を含む水相を提供する工程、
(2)酢酸エチル及び約0.2 dL/g〜約0.8 dL/gの固有粘度を有する約10質量%〜約30質量%の一以上のポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)共重合体を含む有機相を提供する工程であって、前記共重合体が、
(i)約75%〜約90%のD,L-ラクチド単位と、
(ii)約10%〜約25%のグリコリド単位と、
を含む工程、
(3)工程(1)の水相を工程(2)の有機相と混合して第一のエマルションを形成する工程、
(4)第一のエマルションを約1.5質量%〜約2.5質量%のポリ(ビニルアルコール)を含む水性連続相と混合して水/油/水のエマルションを形成する工程、
(5)水/油/水のエマルションを水性抽出相と混合して、ミクロ粒子を形成する工程、
を含む方法、
を含む。
【0065】
(00053)
この特徴を持つミクロ粒子を形成するための開示されている方法の別の態様は、以下の工程、
(1)約10質量%〜約30質量%のラニビズマブ及び約0.1質量%〜約0.5質量%のポリ(ビニルアルコール)を含む水相を提供する工程、
(2)酢酸エチル及び約0.2 dL/g〜約0.8 dL/gの固有粘度を有する約10質量%〜約30質量%の一以上のポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)共重合体を含む有機相を提供する工程であって、前記共重合体が、
(i)約75%〜約90%のD,L-ラクチド単位と、
(ii)約10%〜約25%のグリコリド単位と、
を含む工程、
(3)工程(1)の水相を工程(2)の有機相と混合して第一のエマルションを形成する工程、
(4)第一のエマルションを酢酸エチル及び約1.5質量%〜約2.5質量%のポリ(ビニルアルコール)を含む水性連続相と混合して水/油/水のエマルションを形成する工程、
(5)水/油/水のエマルションを水性抽出相と混合して、ミクロ粒子を形成する工程、
を含む方法、
を含む。
【0066】
(00054)
この特徴を持つミクロ粒子を形成するための開示されている方法の更なる非限定的な例は、以下の工程、
(1)約10質量%〜約30質量%のラニビズマブ及び約0.1質量%〜約0.5質量%のポリ(ビニルアルコール)を含む水相を提供する工程、
(2)塩化メチレン及び約0.2 dL/g〜約0.8 dL/gの固有粘度を有する約10質量%〜約30質量%の一以上のポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)共重合体を含む有機相を提供する工程であって、前記共重合体が、
(i)約75%〜約90%のD,L-ラクチド単位と、
(ii)約10%〜約25%のグリコリド単位と、
を含む工程、
(3)工程(1)の水相を工程(2)の有機相と混合して第一のエマルションを形成する工程、
(4)第一のエマルションを約1.5質量%〜約2.5質量%のポリ(ビニルアルコール)を含む水性連続相と混合して水/油/水のエマルションを形成する工程、
(5)水/油/水のエマルションを水性抽出相と混合して、ミクロ粒子を形成する工程、
を含む方法、
を含む。
【0067】
(00055)
この特徴を持つミクロ粒子を形成するための開示されている方法の更に別の態様は、以下の工程、
(1)約10質量%〜約30質量%のラニビズマブ及び約0.1質量%〜約0.5質量%のポリ(ビニルアルコール)を含む水相を提供する工程、
(2)塩化メチレン及び約0.2 dL/g〜約0.8 dL/gの固有粘度を有する約10質量%〜約30質量%の一以上のポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)共重合体を含む有機相を提供する工程であって、前記共重合体が、
(i)約75%〜約90%のD,L-ラクチド単位と、
(ii)約10%〜約25%のグリコリド単位と、
を含む工程、
(3)工程(1)の水相を工程(2)の有機相と混合して第一のエマルションを形成する工程、
(4)第一のエマルションを塩化メチレン及び約1.5質量%〜約2.5質量%のポリ(ビニルアルコール)を含む水性連続相と混合して水/油/水のエマルションを形成する工程、
(5)水/油/水のエマルションを水性抽出相と混合して、ミクロ粒子を形成する工程、
を含む方法、
を含む。
【0068】
(00056)
この特徴を持つミクロ粒子を形成するための開示されている方法の更なる非限定的な例は、以下の工程、
(1)約10質量%〜約30質量%のラニビズマブを含む水相を提供する工程、
(2)酢酸エチル及び約0.2 dL/g〜約0.8 dL/gの固有粘度を有する約10質量%〜約30質量%の一以上のポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)共重合体を含む有機相を提供する工程であって、前記共重合体が、
(i)約75%〜約90%のD,L-ラクチド単位と、
(ii)約10%〜約25%のグリコリド単位と、
を含む工程、
(3)工程(1)の水相を工程(2)の有機相と混合して第一のエマルションを形成する工程、
(4)第一のエマルションを約1.5M〜約2.5Mの塩化ナトリウムを含む水性連続相と混合して水/油/水のエマルションを形成する工程、
(5)水/油/水のエマルションを水性抽出相と混合して、ミクロ粒子を形成する工程、
を含む方法、
を含む。
【0069】
(00057)
この特徴を持つミクロ粒子を形成するための開示されている方法の今更なる非限定的な例は、以下の工程、
(1)約10質量%〜約30質量%のラニビズマブを含む水相を提供する工程、
(2)塩化メチレン及び約0.2 dL/g〜約0.8 dL/gの固有粘度を有する約10質量%〜約30質量%の一以上のポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)共重合体を含む有機相を提供する工程であって、前記共重合体が、
(i)約75%〜約90%のD,L-ラクチド単位と、
(ii)約10%〜約25%のグリコリド単位と、
を含む工程、
(3)工程(1)の水相を工程(2)の有機相と混合して第一のエマルションを形成する工程、
(4)第一のエマルションを約1.5M〜約2.5Mの塩化ナトリウムを含む水性連続相と混合して水/油/水のエマルションを形成する工程、
(5)水/油/水のエマルションを水性抽出相と混合して、ミクロ粒子を形成する工程、
を含む方法、
を含む。
【0070】
(00058)
この特徴を持つミクロ粒子を形成するための開示されている方法のより更なる非限定的な例は、以下の工程、
(1)約10質量%〜約30質量%のラニビズマブ及び約0.1質量%〜約0.5質量%のポリ(ビニルアルコール)を含む水相を提供する工程、
(2)酢酸エチル及び約0.2 dL/g〜約0.8 dL/gの固有粘度を有する約10質量%〜約30質量%の一以上のポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)共重合体を含む有機相を提供する工程であって、前記共重合体が、
(i)約75%〜約90%のD,L-ラクチド単位と、
(ii)約10%〜約25%のグリコリド単位と、
を含む工程、
(3)工程(1)の水相を工程(2)の有機相と混合して第一のエマルションを形成する工程、
(4)第一のエマルションを約1.5M〜約2.5Mの塩化ナトリウム及び約1.5質量%〜約2.5質量%のポリ(ビニルアルコール)を含む水性連続相と混合して水/油/水のエマルションを形成する工程、
(5)水/油/水のエマルションを水性抽出相と混合して、ミクロ粒子を形成する工程、
を含む方法、
を含む。
【0071】
(00059)
この特徴を持つミクロ粒子を形成するための開示されている方法のより今更なる非限定的な例は、以下の工程、
(1)約10質量%〜約30質量%のラニビズマブ及び約0.1質量%〜約0.5質量%のポリ(ビニルアルコール)を含む水相を提供する工程、
(2)塩化メチレン及び約0.2 dL/g〜約0.8 dL/gの固有粘度を有する約10質量%〜約30質量%の一以上のポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)共重合体を含む有機相を提供する工程であって、前記共重合体が、
(i)約75%〜約90%のD,L-ラクチド単位と、
(ii)約10%〜約25%のグリコリド単位と、
を含む工程、
(3)工程(1)の水相を工程(2)の有機相と混合して第一のエマルションを形成する工程、
(4)第一のエマルションを約1.5M〜約2.5Mの塩化ナトリウム及び約1.5質量%〜約2.5質量%のポリ(ビニルアルコール)を含む水性連続相と混合して水/油/水のエマルションを形成する工程、
(5)水/油/水のエマルションを水性抽出相と混合して、ミクロ粒子を形成する工程、
を含む方法、
を含む。
【0072】
(00060)
ここでは、加齢黄斑変性を治療又は予防する方法が開示されている。更に、黄斑変性や、網膜浮腫及び増大した又は異常な斑点のある脈管形成を含む網膜新生血管に関連する病気、疾患、又は状態を治療するための方法が開示されている。
【0073】
(00061)
最初の特徴は、その治療を必要とする被験者にミクロ粒子を投与することに関連し、前記ミクロ粒子が、
(1)約1質量%〜約15質量%のラニミズマブ、及び
(2)ポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)共重合体、
を含み、前記共重合体が、
(i)約75%〜約90%のD,L-ラクチド単位、及び
(ii)約10%〜約25%のグリコリド単位、
を含む。
【0074】
(00062)
この特徴の一つの態様は、加齢黄斑変性を治療又は予防する方法に関連し、その方法は治療を必要とする被験者に組成物を投与することを含み、前記組成物は、
(1)ミクロ粒子であって、
(i)約1質量%〜約15質量%のラニビズマブ、及び
(ii)ポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)共重合体であって、
(a)約75%〜約90%のD,L-ラクチド単位と、
(b)約10%〜約25%のグリコリド単位と、
を含む共重合体、
を含むミクロ粒子、及び
(2)医薬的に許容され得る担体、
を含む。
【0075】
(00063)
この態様の非限定的な例は、加齢黄斑変性を治療又は予防する方法に関連し、その方法は治療を必要とする被験者に組成物を投与することを含み、前記組成物は、
(1)ミクロ粒子であって、
(i)約8質量%のラニビズマブ、及び
(ii)ポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)共重合体であって、
(a)約85%のD,L-ラクチド単位と、
(b)約15%のグリコリド単位と、
を含む共重合体、
を含むミクロ粒子、及び
(2)医薬的に許容され得る担体、
を含む。
【0076】
(00064)
更なる特徴は治療を必要とする被験者に医薬組成物を投与することに関連し、前記医薬組成物は、
(1)約1mg〜約500mgのミクロ粒子であって、
(i)約1質量%〜約15質量%のラニビズマブ、及び
(ii)ポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)共重合体であって、
(a)約75%〜約90%のD,L-ラクチド単位と、
(b)約10%〜約25%のグリコリド単位と、
を含む共重合体、
を含むミクロ粒子、及び
(2)医薬的に許容され得る担体、
を含み、約1質量%〜約50質量%の固体を含む。
【0077】
(00065)
第二の主要な特徴では、開示されているミクロ粒子は、
(1)約1質量%〜約15質量%のラニビズマブ、及び
(2)ポリ(D,L-ラクチド)、
を含むミクロ粒子に関連する。
【0078】
(00066)
この特徴を持つ開示されているミクロ粒子は、約1質量%〜約15質量%のラニミズマブを含む。この特徴の一つの態様では、ミクロ粒子は約5質量%〜約10質量%のラニミズマブを含む。別の態様では、ミクロ粒子は約2質量%〜約7質量%のラニミズマブを含む。更なる態様では、ミクロ粒子は約4質量%〜約8質量%のラニミズマブを含む。ある例では約5質量%〜約6質量%のラニミズマブを含む。しかし、ミクロ粒子は約1質量%〜約15質量%のいかなる量、例えば、1質量%、2質量%、3質量%、4質量%、5質量%、6質量%、7質量%、8質量%、9質量%、10質量%、11質量%、12質量%、13質量%、14質量%、15質量%のラニミズマブも含み得る。これらの量には、例えば1.1質量%、2.75質量%、4.33質量%のような端数の量のラニミズマブも含む。
【0079】
(00067)
この特徴を持つ開示されているミクロ粒子は、約0.2〜約0.8dL/gの固有粘度(IV)を有するポリ(D,L-ラクチド)を含む。一つの態様では、共重合体は約0.3〜約0.8dL/gのIVを有する。別の態様では、共重合体は約0.4〜約0.8dL/gのIVを有する。更なる態様では、共重合体は約0.3〜約0.5dL/gのIVを有する。しかし、ミクロ粒子は約0.2〜約0.8dL/gのいかなるIV、例えば、0.2 dL/g、0.25 dL/g、0.3 dL/g、0.35 dL/g、0.4 dL/g、0.45 dL/g、0.5 dL/g、0.55 dL/g、0.6 dL/g、0.65 dL/g、0.7 dL/g、0.75 dL/g、0.8 dL/g、等、あるいは端数の量のそれ、例えば、0.557 dL/gも含み得る。固有粘度は便宜的にcm3/gで表すこともできる。
【0080】
(00068)
この特徴を持つ開示されているミクロ粒子は、約20ミクロン〜約125ミクロンの平均粒径を有する。一つの態様では、平均粒径の範囲は、約40ミクロン〜約90ミクロンである。別の態様では、平均粒径の範囲は、約50ミクロン〜約80ミクロンである。粒径分布は、当業者によく知られているレーザー回折技術によって測定される。
【0081】
(00069)
この特徴の更なる態様では、ミクロ粒子の調合中に用いられるバルク製剤(bulk drug product)は、一以上の水溶性担体又は賦形剤を含み得る。そのような担体又は賦形剤は、一般に糖、糖類、多糖類、界面活性剤、緩衝塩、充填剤等を含むであろう。賦形剤の非制限的な例は、2-(ヒドロキシ-メチル)-6-[3,4,5-トリヒドロキシ-6- (ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]オキシ- テトラヒドロピラン-3,4,5-トリオール、「トレハロース」である。開示されている方法の一つの態様は、初めのバルク製剤中の薬の質量の1質量%〜200質量%のトレハロースを含む、ミクロ粒子の調合中に用いられるバルク製剤を含む。更なる態様では、ミクロ粒子の調合中に用いられるバルク製剤は、初めのバルク製剤中の薬の質量の約10質量%〜約50質量%のトレハロースを含む。この特徴の非限定的な例では、バルク製剤は25質量%〜35質量%のトレハロースを含む。賦形剤の別の非制限的な例は界面活性剤ポリソルベート20 (すなわち ツイーン 20)である。開示されている方法の一つの態様は、初めのバルク製剤中の薬の質量の0.01質量%〜5質量%のポリソルベート20を含む、 ミクロ粒子の調合中に用いられるバルク製剤を含む。今更なる態様では、ミクロ粒子の調合中に用いられるバルク製剤は、初めのバルク製剤中の薬の質量の約0.05質量%〜0.25質量%のポリソルベート20を含む。この特徴の非限定的な例では、バルク製剤は約0.1質量%のポリソルベート20を含む。更に、バルク製剤は二以上のそのような担体や賦形剤を含む可能性がある。非制限的な例は、初めのバルク製剤中の薬の質量の25質量%〜35質量%のトレハロースと約0.1質量%のポリソルベート20を含むバルク製剤を含む。
【0082】
(00070)
開示されている組成物の別の特徴は、
(1)ミクロ粒子であって、
(i)約1質量%〜約15質量%のラニビズマブ、及び
(ii)ポリ(D,L-ラクチド)、
を含むミクロ粒子、及び
(2)医薬的に許容され得る担体、
を含む組成物に関連する。
【0083】
(00071)
一つの態様では、組成物は、
(1)ミクロ粒子であって、
(i)約1質量%〜約15質量%のラニビズマブ、及び
(ii)ポリ(D,L-ラクチド)であって、約0.2〜約0.8dL/gの固有粘度を有するポリ(D,L-ラクチド)、
を含むミクロ粒子、及び
(2)医薬的に許容され得る担体、
を含む。
【0084】
(00072)
更なる特徴は、
(1)約1mg〜約500mgのミクロ粒子であって、
(i)約1質量%〜約15質量%のラニビズマブ、
(ii)ポリ(D,L-ラクチド)、
(iii)医薬的に許容され得る担体、
を含むミクロ粒子、
を含み、約1質量%〜約50質量%の固体を含む医薬組成物に関連する。
【0085】
(00073)
この特徴を持つ開示されているミクロ粒子は、どのミクロ粒子調合方法によっても調合され得る。一つの特徴では、参照によりその全体が本願に組み込まれる米国特許第5,407,609号明細書によってミクロ粒子は調合される。もう一つの特徴では、その方法は、
(1)約1質量%〜約50質量%のラニビズマブを含む水相を提供する工程、
(2)ポリ(D,L-ラクチド)を含む有機相を提供する工程、
(3)工程(1)の水相を工程(2)の有機相と混合して第一のエマルションを形成する工程、
(4)第一のエマルションを水性連続相と混合して水/油/水のエマルションを形成する工程、
(5)水/油/水のエマルションを水性抽出相と混合して、ミクロ粒子を形成する工程、
を含む。
【0086】
(00074)
この特徴を持つミクロ粒子を形成するための開示されている方法は、工程(2)において、いかなる非ハロゲン化炭化水素有機溶媒又はハロゲン化有機溶媒も使用することができる。さらに、工程(3)の水性連続相に溶媒を飽和点になる量まで加えることができる。
【0087】
(00075)
「非ハロゲン化有機溶媒」は、ここで、例えば工程(2)において、開示されているポリマーを溶解するための第一の溶媒として供給するのに適した有機溶媒を意味する。非ハロゲン化有機溶媒の非限定的な例は、アセトン、メチルエチルケトン等のケトンやメタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、ベンジルアアルコール、グリセロール等のアルコールやジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、グリム、ジグリム等のエーテルや酢酸メチル、酢酸エチル等のエステルやn-ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、ヘプタン、イソオクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン(すべての異性体)等の炭化水素やジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホアミド等の極性非プロトン性溶媒等がある。
【0088】
(00076)
「ハロゲン化溶媒」は、ハロゲン化した有機溶媒、すなわちC1-C4ハロゲン化アルカンを意味する。その非限定的な例には、炭素四塩化物、クロロホルム、塩化メチレン、クロロエタン、1,1-ジクロロエタン、1,1,1-トリクロロエタン、そして1,2-ジクロロエタンがある。
【0089】
(00077)
この特徴を持つ開示されているミクロ粒子を形成するための方法の一つの特徴では、工程(2)でポリ(D,L-ラクチド)共重合体を溶解し又は分散するために酢酸エチルが使用される。この特徴を持つ開示されているミクロ粒子を形成するための方法の別の特徴では、工程(2)でポリ(D,L-ラクチド)共重合体を溶解するために塩化メチレンが使用される。
【0090】
(00078)
この特徴を持つ開示されているミクロ粒子を形成するための方法の別の態様では、工程(3)の水性連続相に飽和点まで塩を加え得る。塩は単独で又は連続相に加える有機溶媒と共に加え得る。一つの特徴では、塩は約0.1M 〜約10Mの量である。別の特徴では、塩は約0.5M〜約5Mの量である。しかし、連続相の塩濃度は約0.1M〜約10Mのいずれの値も取りうる。連続相に用いられ得る塩の一つの例は、例えば、1.5M塩化ナトリウム、2M塩化ナトリウム、2.5M塩化ナトリウム等の塩化ナトリウムである。この態様の一つの特徴において、水性連続相は2Mの塩化ナトリウムを含み得る。この特徴を持つミクロ粒子を形成するための開示されている方法の非制限的な例は、次の工程(4)、
(4)第一のエマルション(工程(3)で形成された油中水エマルションを2Mの塩化ナトリウムを含む水性連続相と混合して水/油/水のエマルションを形成する工程、
を含む。
【0091】
(00079)
この特徴を持つ開示されているミクロ粒子を形成するための方法の今更なる態様では、界面活性剤、例えばポリ(ビニルアルコール)(PVA)、は工程(1)のラニビズマブを含む水溶液、工程(3)の連続相、あるいはその両方に加え得る。PVAの量は工程(1)の水溶液の約0.05質量%〜約1質量%になり得る。界面活性剤の量は連続相の約0.5質量%〜約3質量%になり得る。この態様の一つの特徴では、工程(1)の水溶液は約0.1質量%〜約0.5質量%のポリ(ビニルアルコール)を含む。この態様の別の特徴では、連続相は約1.5質量%〜約2.5質量%のポリ(ビニルアルコール)を含む。
【0092】
(00080)
水性連続相溶液は一以上の他の界面活性剤又は乳化剤を含み得る。他の界面活性剤及び乳化物質は、ほとんど全ての生理的に許容し得る乳化剤を含む。例えば、卵レシチン、大豆レシチン、合成レシチンのようなレシチン等がある。乳化剤は、遊離脂肪酸, ポリオキシプロピレングリコールやポリオキシエチレングリコール等のポリオキシアルキレン化合物の脂肪酸エステル、脂肪アルコールとポリオキシアルキレングリコールのエーテル、脂肪酸とポリオキシアルキル化ソルビタンのエステル、石鹸、グリセロール-ポリアルキレンステアリン酸塩、グリセロール-ポリオキシエチレンリシノール酸塩、ポリアルキレングリコールの重合体及び共重合体、大豆油やキャスターオイルのポリエトキシ化物及び水素化物、スクロース又は他の炭水化物と脂肪酸や脂肪アルコール又はこれらの任意にポリオキシアルキル化されたもののエーテル及びエステル、飽和又は不飽和脂肪酸やグリセリド又は大豆油そしてスクロースのモノ-グリセリドやジ-グリセリド及びトリ-グリセリド、のような界面活性剤も含む。他の乳化剤は天然又は合成型の、共にアミノ酸と共役する又はタウロデオキシコール酸塩のように共役しない胆汁酸塩又は胆汁酸、そしてコール酸を含む。
【0093】
(00081)
この特徴を持つミクロ粒子を調合するための工程の一つの態様は、工程(3)の水性連続相において界面活性剤、例えばポリ(ビニルアルコール)、と塩、例えば塩化ナトリウム、の両方の使用に関連する。一つの特徴では、ポリ(ビニルアルコール)の量は、塩存在下で約0.5質量%〜約3.5質量%になり得る。別の特徴では、ポリ(ビニルアルコール)の量は、塩存在下で連続相の約2質量%になり得る。
【0094】
(00082)
この方法の一つの態様では、工程(3)の水性連続相は、ポリ(ビニルアルコール)、塩、そして、任意に、連続相溶液中で飽和レベルに達する量の、分散相溶液の調製に用いる有機溶媒を含み得る。
【0095】
(00083)
ポリ(D,L-ラクチド)を含む工程(2)の溶媒相は、約10質量%〜約30質量%の重合体を含み得る。この態様の一つの特徴では、溶媒相は約15質量%〜約25質量%の重合体を含み得る。この特徴を持つミクロ粒子を形成するための開示されている方法の非限定的な例は、以下の工程(2)、
(2)約20質量%のポリ(D,L-ラクチド)を含む有機相を提供する工程、
を含む。
【0096】
(00084)
この特徴を持つミクロ粒子を形成するための開示されている方法の一つの態様は、以下の工程、
(1)約10質量%〜約30質量%のラニビズマブ及び約0.1質量%〜約0.5質量%のポリ(ビニルアルコール)を含む水相を提供する工程、
(2)酢酸エチル及び約10質量%〜約30質量%のポリ(D,L-ラクチド)を含む有機相を提供する工程、
(3)工程(1)の水相を工程(2)の有機相と混合して第一のエマルションを形成する工程、
(4)第一のエマルションを約1.5質量%〜約2.5質量%のポリ(ビニルアルコール)を含む水性連続相と混合して水/油/水のエマルションを形成する工程、
(5)水/油/水のエマルションを水性抽出相と混合して、ミクロ粒子を形成する工程、を含む方法、
を含む。
【0097】
(00085)
この特徴を持つミクロ粒子を形成するための開示されている方法の別の態様は、以下の工程、
(1)約10質量%〜約30質量%のラニビズマブ及び約0.1質量%〜約0.5質量%のポリ(ビニルアルコール)を含む水相を提供する工程、
(2)酢酸エチル及び約10質量%〜約30質量%のポリ(D,L-ラクチド)を含む有機相を提供する工程、
(3)工程(1)の水相を工程(2)の有機相と混合して第一のエマルションを形成する工程、
(4)第一のエマルションを酢酸エチル及び約1.5質量%〜約2.5質量%のポリ(ビニルアルコール)を含む水性連続相と混合して水/油/水のエマルションを形成する工程、
(5)水/油/水のエマルションを水性抽出相と混合して、ミクロ粒子を形成する工程、
を含む方法、
を含む。
【0098】
(00086)
この特徴を持つミクロ粒子を形成するための開示されている方法の更なる非限定的な例は、以下の工程、
(1)約10質量%〜約30質量%のラニビズマブ及び約0.1質量%〜約0.5質量%のポリ(ビニルアルコール)を含む水相を提供する工程、
(2)酢酸エチル及び約0.3 dL/g〜約0.5 dL/gの固有粘度を有する約10質量%〜約30質量%のポリ(D,L-ラクチド)を含む有機相を提供する工程、
(3)工程(1)の水相を工程(2)の有機相と混合して第一のエマルションを形成する工程、(4)第一のエマルションを約1.5質量%〜約2.5質量%のポリ(ビニルアルコール)を含む水性連続相と混合して水/油/水のエマルションを形成する工程、
(5)水/油/水のエマルションを水性抽出相と混合して、ミクロ粒子を形成する工程、
を含む方法、
を含む。
【0099】
(00087)
この特徴を持つミクロ粒子を形成するための開示されている方法の更に別の態様は、以下の工程、
(1)約10質量%〜約30質量%のラニビズマブ及び約0.1質量%〜約0.5質量%のポリ(ビニルアルコール)を含む水相を提供する工程、
(2)酢酸エチル及び約0.3 dL/g〜約0.5 dL/gの固有粘度を有する約10質量%〜約30質量%のポリ(D,L-ラクチド)を含む有機相を提供する工程、
(3)工程(1)の水相を工程(2)の有機相と混合して第一のエマルションを形成する工程、
(4)第一のエマルションを塩化メチレン及び約1.5質量%〜約2.5質量%のポリ(ビニルアルコール)を含む水性連続相と混合して水/油/水のエマルションを形成する工程、
(5)水/油/水のエマルションを水性抽出相と混合して、ミクロ粒子を形成する工程、
を含む方法、
を含む。
【0100】
(00088)
この特徴を持つミクロ粒子を形成するための開示されている方法の更なる非限定的な例は、以下の工程、
(1)約10質量%〜約30質量%のラニビズマブを含む水相を提供する工程、
(2)酢酸エチル及び約0.3 dL/g〜約0.5 dL/gの固有粘度を有する約10質量%〜約30質量%のポリ(D,L-ラクチド)を含む有機相を提供する工程、
(3)工程(1)の水相を工程(2)の有機相と混合して第一のエマルションを形成する工程、
(4)第一のエマルションを約1.5M〜約2.5Mの塩化ナトリウムを含む水性連続相と混合して水/油/水のエマルションを形成する工程、
(5)水/油/水のエマルションを水性抽出相と混合して、ミクロ粒子を形成する工程、
を含む方法、
を含む。
【0101】
(00089)
この特徴を持つミクロ粒子を形成するための開示されている方法の今更なる非限定的な例は、以下の工程、
(1)約10質量%〜約30質量%のラニビズマブを含む水相を提供する工程、
(2)塩化メチレン及び約0.3 dL/g〜約0.5 dL/gの固有粘度を有する約10質量%〜約30質量%のポリ(D,L-ラクチド)を含む有機相を提供する工程、
(3)工程(1)の水相を工程(2)の有機相と混合して第一のエマルションを形成する工程、
(4)第一のエマルションを約1.5M〜約2.5Mの塩化ナトリウムを含む水性連続相と混合して水/油/水のエマルションを形成する工程、
(5)水/油/水のエマルションを水性抽出相と混合して、ミクロ粒子を形成する工程、
を含む方法、
を含む。
【0102】
(00090)
この特徴を持つミクロ粒子を形成するための開示されている方法のより更なる非限定的な例は、以下の工程、
(1)約10質量%〜約30質量%のラニビズマブ及び約0.1質量%〜約0.5質量%のポリ(ビニルアルコール)を含む水相を提供する工程、
(2)酢酸エチル及び約0.3 dL/g〜約0.5 dL/gの固有粘度を有する約10質量%〜約30質量%のポリ(D,L-ラクチド)を含む有機相を提供する工程、
(3)工程(1)の水相を工程(2)の有機相と混合して第一のエマルションを形成する工程、
(4)第一のエマルションを約1.5M〜約2.5Mの塩化ナトリウム及び約1.5質量%〜約2.5質量%のポリ(ビニルアルコール)を含む水性連続相と混合して水/油/水のエマルションを形成する工程、
(5)水/油/水のエマルションを水性抽出相と混合して、ミクロ粒子を形成する工程、
を含む方法、
を含む。
【0103】
(00091)
この特徴を持つミクロ粒子を形成するための開示されている方法のより今更なる非限定的な例は、以下の工程、
(1)約10質量%〜約30質量%のラニビズマブ及び約0.1質量%〜約0.5質量%のポリ(ビニルアルコール)を含む水相を提供する工程、
(2)塩化メチレン及び約0.3 dL/g〜約0.5 dL/gの固有粘度を有する約10質量%〜約30質量%のポリ(D,L-ラクチド)を含む有機相を提供する工程、
(3)工程(1)の水相を工程(2)の有機相と混合して第一のエマルションを形成する工程、
(4)第一のエマルションを約1.5M〜約2.5Mの塩化ナトリウム及び約1.5質量%〜約2.5質量%のポリ(ビニルアルコール)を含む水性連続相と混合して水/油/水のエマルションを形成する工程、
(5)水/油/水のエマルションを水性抽出相と混合して、ミクロ粒子を形成する工程、
を含む方法、
を含む。
【0104】
(00092)
ここでは、加齢黄斑変性を治療又は予防する方法が開示されている。更に、黄斑変性や、網膜浮腫及び増大した又は異常な斑点のある脈管形成を含む網膜新生血管に関連する病気、疾患、又は状態を治療するための方法が開示されている。
【0105】
(00093)
別の特徴は、治療を必要とする被験者にミクロ粒子を投与することに関連し、前記ミクロ粒子が、
(1)約1質量%〜約15質量%のラニミズマブ、及び
(2)ポリ(D,L-ラクチド)、
を含む。
【0106】
(00094)
この特徴の一つの態様は、加齢黄斑変性を治療又は予防する方法に関連し、その方法は治療を必要とする被験者に組成物を投与することを含み、前記組成物は、
(1)ミクロ粒子であって、
(i)約1質量%〜約15質量%のラニビズマブ、及び
(ii)ポリ(D,L-ラクチド)、
を含むミクロ粒子、及び
(2)医薬的に許容され得る担体、
を含む。
【0107】
(00095)
この態様の非限定的な例は、加齢黄斑変性を治療又は予防する方法に関連し、その方法は治療を必要とする被験者に組成物を投与することを含み、前記組成物は、
(1)ミクロ粒子であって、
(i)約8質量%のラニビズマブ、及び
(ii)約0.2〜約0.8 dL/gの固有粘度を有するポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)、
を含むミクロ粒子、及び
(2)医薬的に許容され得る担体、
を含む。
【0108】
(00096)
更なる特徴は治療を必要とする被験者に医薬組成物を投与することに関連し、前記医薬組成物は、
(1)約1mg〜約500mgのミクロ粒子であって、
(i)約1質量%〜約15質量%のラニビズマブ、及び
(ii)約0.2〜約0.8 dL/gの固有粘度を有するポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)、
を含むミクロ粒子、及び
(2)医薬的に許容され得る担体、
を含み、約1質量%〜約50質量%の固体を含む。
【0109】
(00097)
この特徴のひとつの態様は加齢黄斑変性を治療又は予防する方法に関連し、その方法は治療を必要とする被験者に医薬組成物を投与することを含み、前記医薬組成物は、
(1)約1mg〜約500mgのミクロ粒子であって、
(i)約1質量%〜約15質量%のラニビズマブ、及び
(ii)約0.2〜約0.8 dL/gの固有粘度を有するポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)、
を含むミクロ粒子、及び
(2)医薬的に許容され得る担体、
を含み、約1質量%〜約50質量%の固体を含む。
【0110】
(00098)
開示されているミクロ粒子の第三の主要な特徴は、
(1)約1質量%〜約15質量%のラニビズマブ、及び
(2)ポリマー混合物、
を含み、
前記ポリマー混合物が、
(i)約60%〜約99%のポリ(D,L-ラクチド)、及び
(ii)約1%〜約40%のポリカプロラクトン、
を含むことを特徴とするミクロ粒子に関連する。
【0111】
(00099)
この特徴を持つ開示されているミクロ粒子は、約1質量%〜約15質量%のラニミズマブを含む。この特徴の一つの態様では、ミクロ粒子は約5質量%〜約10質量%のラニミズマブを含む。別の態様では、ミクロ粒子は約2質量%〜約7質量%のラニミズマブを含む。更なる態様では、ミクロ粒子は約4質量%〜約8質量%のラニミズマブを含む。ある例では約5質量%〜約6質量%のラニミズマブを含む。しかし、ミクロ粒子は約1質量%〜約15質量%のいかなる量、例えば、1質量%、2質量%、3質量%、4質量%、5質量%、6質量%、7質量%、8質量%、9質量%、10質量%、11質量%、12質量%、13質量%、14質量%、15質量%のラニミズマブも含み得る。これらの量には、例えば1.1質量%、2.75質量%、4.33質量%のような端数の量のラニミズマブも含む。
【0112】
(000100)
この特徴を持つ開示されているミクロ粒子は、ポリ(D,L-ラクチド)及びポリカプロラクトンの混合物を含む。ポリ(D,L-ラクチド)は約0.3〜約0.6dL/gの固有粘度(IV)を有し得る。一つの態様では、共重合体は約0.3〜約0.5dL/gのIVを有する。別の態様では、共重合体は約0.4〜約0.6dL/gのIVを有する。更なる態様では、共重合体は約0.35〜約0.55dL/gのIVを有する。しかし、ミクロ粒子は約0.3〜約0.6dL/gのいかなるIV、例えば、0.3 dL/g、0.35 dL/g、0.4 dL/g、0.45 dL/g、0.5 dL/g、0.55 dL/g、0.6 dL/g等、あるいは端数の量のそれ、例えば、0.557 dL/gも含み得る。固有粘度は便宜的にcm3/gで表すこともできる。
【0113】
(000101)
ポリカプロラクトンは0.8〜約1.2dL/gの固有粘度(IV)を有し得る。一つの態様では、共重合体は約0.9〜約1.2dL/gのIVを有する。更なるの態様では、共重合体は約0.8〜約1.1dL/gのIVを有する。今更なる態様では、共重合体は約0.85〜約1.0dL/gのIVを有する。しかし、ミクロ粒子は約0.3〜約0.6dL/gのいかなるIV、例えば、0.8 dL/g、0.85 dL/g、0.9 dL/g、0.95 dL/g、1.0 dL/g、1.05 dL/g、1.1 dL/g、1.15 dL/g、1.2 dL/g等、あるいは端数の量のそれ、例えば、8.557 dL/gも含み得る。固有粘度は便宜的にcm3/gで表すこともできる。
【0114】
(000102)
この特徴を持つ開示されているミクロ粒子は、約20ミクロン〜約125ミクロンの平均粒径を有する。一つの態様では、平均粒径の範囲は、約40ミクロン〜約90ミクロンである。別の態様では、平均粒径の範囲は、約50ミクロン〜約80ミクロンである。粒径分布は、当業者によく知られているレーザー回折技術によって測定される。
【0115】
(000103)
この特徴の更なる態様では、ミクロ粒子の調合中に用いられるバルク製剤(bulk drug product)は、一以上の水溶性担体又は賦形剤を含み得る。そのような担体又は賦形剤は、一般に糖、糖類、多糖類、界面活性剤、緩衝塩、充填剤等を含むであろう。賦形剤の非制限的な例は、2-(ヒドロキシ-メチル)-6-[3,4,5-トリヒドロキシ-6- (ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]オキシ- テトラヒドロピラン-3,4,5-トリオール、「トレハロース」 である。開示されている方法の一つの態様は、初めのバルク製剤中の薬の質量の1質量%〜200質量%のトレハロースを含む、ミクロ粒子の調合中に用いられるバルク製剤を含む。更なる態様では、ミクロ粒子の調合中に用いられるバルク製剤は、初めのバルク製剤中の薬の質量の約10質量%〜約50質量%のトレハロースを含む。この特徴の非限定的な例では、バルク製剤は25質量%〜35質量%のトレハロースを含む。賦形剤の別の非制限的な例は界面活性剤ポリソルベート20 (すなわち ツイーン 20)である。開示されている方法の一つの態様は、初めのバルク製剤中の薬の質量の0.01質量%〜5質量%のポリソルベート20を含む、 ミクロ粒子の調合中に用いられるバルク製剤を含む。今更なる態様では、ミクロ粒子の調合中に用いられるバルク製剤は、初めのバルク製剤中の薬の質量の約0.05質量%〜0.25質量%のポリソルベート20を含む。この特徴の非限定的な例では、バルク製剤は約0.1質量%のポリソルベート20を含む。更に、バルク製剤は二以上のそのような担体や賦形剤を含む可能性がある。非制限的な例は、初めのバルク製剤中の薬の質量の25質量%〜35質量%のトレハロースと約0.1質量%のポリソルベート20を含むバルク製剤を含む。
【0116】
(000104)
加齢黄斑変性の治療に用いることができる、開示されている組成物の別の特徴は、
(1)ミクロ粒子であって、
(i)約1質量%〜約15質量%のラニビズマブ、及び
(ii)ポリマーブレンド、
を含み、
前記ポリマーブレンドが、
(a)約60質量%〜約99質量%のポリ(D,L-ラクチド)、及び
(b)約1質量%〜約40質量%のポリカプロラクトン、
を含むミクロ粒子、及び
(2)医薬的に許容され得る担体、
を含む組成物に関連する。
【0117】
(000105)
一つの態様では、組成物は、
(1)ミクロ粒子であって、
(i)約5質量%〜約10質量%のラニビズマブ、及び
(ii)ポリマーブレンド、
を含み、
前記ポリマーブレンドが、
(a)約0.3〜約0.6dL/gの固有粘度を有する約60質量%〜約99質量%のポリ(D,L-ラクチド)、及び
(b)約0.8〜約1.2dL/gの固有粘度を有する約1質量%〜約40質量%のポリカプロラクトン、
を含むミクロ粒子、及び
(2)医薬的に許容され得る担体、
を含む。
【0118】
(000106)
この態様の一つの例は、
(1)ミクロ粒子であって、
(i)約5質量%〜約10質量%のラニビズマブ、及び
(ii)ポリマーブレンド、
を含み、
前記ポリマーブレンドが、
(a)約0.3〜約0.6dL/gの固有粘度を有する約95質量%のポリ(D,L-ラクチド)、及び
(b)約0.8〜約1.2dL/gの固有粘度を有する約5質量%のポリカプロラクトン、
を含むミクロ粒子、及び
(2)医薬的に許容され得る担体、
を含む組成物に関連する。
【0119】
(000107)
この態様の別の例は、
(1)ミクロ粒子であって、
(i)約5質量%〜約10質量%のラニビズマブ、及び
(ii)ポリマーブレンド、
を含み、
前記ポリマーブレンドが、
(a)0.5dL/gの固有粘度を有する約95質量%のポリ(D,L-ラクチド)、及び
(b)約1.0dL/gの固有粘度を有する約5質量%のポリカプロラクトン、
を含むミクロ粒子、及び
(2)医薬的に許容され得る担体、
を含む組成物に関連する。
【0120】
(000108)
更なる特徴は、
(1)約1mg〜約500mgのミクロ粒子であって、
(i)約1質量%〜約15質量%のラニビズマブ、及び
(ii)ポリマーブレンド、
を含み、
前記ポリマーブレンドが、
(a)約0.3〜約0.6dL/gの固有粘度を有する約60質量%〜約99質量%のポリ(D,L-ラクチド)、及び
(b)約0.8〜約1.2dL/gの固有粘度を有する約1質量%〜約40質量%のポリカプロラクトン、
を含むミクロ粒子、及び
(2)医薬的に許容され得る担体、
を含み、約1質量%〜約50質量%の固体を含む医薬組成物に関連する。
【0121】
(000109)
この特徴を持つ開示されているミクロ粒子は、どのミクロ粒子調合方法によっても調合され得る。一つの特徴では、参照によりその全体が本願に組み込まれる米国特許第5,407,609号明細書によってミクロ粒子は調合される。もう一つの特徴では、その方法は、
(1)約1質量%〜約50質量%のラニビズマブを含む水相を提供する工程、
(2)ポリマー混合物を含む有機相を提供する工程であって、前記ポリマー混合物が、
(i)約60%〜約99%のポリ(D,L-ラクチド)、及び
(ii)約1%〜約40%のポリカプロラクトン、
を含む工程、
(3)工程(1)の水相を工程(2)の有機相と混合して第一のエマルションを形成する工程、
(4)第一のエマルションを水性連続相と混合して水/油/水のエマルションを形成する工程、
(5)水/油/水のエマルションを水性抽出相と混合して、ミクロ粒子を形成する工程、
を含む。
【0122】
(000110)
この特徴を持つミクロ粒子を形成するための開示されている方法は、工程(2)において、いかなる非ハロゲン化炭化水素有機溶媒又はハロゲン化有機溶媒も使用することができる。さらに、工程(3)の水性連続相に溶媒を飽和点になる量まで加えることができる。
【0123】
(000111)
「非ハロゲン化有機溶媒」は、ここで、例えば工程(2)において、開示されているポリマーを溶解するための第一の溶媒として供給するのに適した有機溶媒を意味する。非ハロゲン化有機溶媒の非限定的な例は、アセトン、メチルエチルケトン等のケトンやメタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、ベンジルアアルコール、グリセロール等のアルコールやジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、グリム、ジグリム等のエーテルや酢酸メチル、酢酸エチル等のエステルやn-ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、ヘプタン、イソオクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン(すべての異性体)等の炭化水素やジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホアミド等の極性非プロトン性溶媒等がある。
【0124】
(000112)
「ハロゲン化溶媒」は、ハロゲン化した有機溶媒、すなわちC1-C4ハロゲン化アルカンを意味する。その非限定的な例には、炭素四塩化物、クロロホルム、塩化メチレン、クロロエタン、1,1-ジクロロエタン、1,1,1-トリクロロエタン、そして1,2-ジクロロエタンがある。
【0125】
(000113)
この特徴を持つ開示されているミクロ粒子を形成するための方法の一つの特徴では、工程(2)でポリマー混合物を溶解し又は分散するために酢酸エチルが使用される。この特徴を持つ開示されているミクロ粒子を形成するための方法の別の特徴では、工程(2)でポリマー混合物を溶解するために塩化メチレンが使用される。
【0126】
(000114)
この特徴を持つ開示されているミクロ粒子を形成するための方法の別の態様では、工程(3)の水性連続相に飽和点まで塩を加え得る。塩は単独で又は連続相に加える有機溶媒と共に加え得る。一つの特徴では、塩は約0.1M 〜約10Mの量である。別の特徴では、塩は約0.5M〜約5Mの量である。しかし、連続相の塩濃度は約0.1M〜約10Mのいずれの値も取りうる。連続相に用いられ得る塩の一つの例は、例えば、1.5M塩化ナトリウム、2M塩化ナトリウム、2.5M塩化ナトリウム等の塩化ナトリウムである。この態様の一つの特徴において、水性連続相は2Mの塩化ナトリウムを含み得る。この特徴を持つミクロ粒子を形成するための開示されている方法の非制限的な例は、次の工程(4)、
(4)第一のエマルション(工程(3)で形成された油中水エマルションを2Mの塩化ナトリウムを含む水性連続相と混合して水/油/水のエマルションを形成する工程、
を含む。
【0127】
(000115)
この特徴を持つ開示されているミクロ粒子を形成するための方法の今更なる態様では、界面活性剤、例えばポリ(ビニルアルコール)(PVA)、は工程(1)のラニビズマブを含む水溶液、工程(3)の連続相、あるいはその両方に加え得る。PVAの量は工程(1)の水溶液の約0.05質量%〜約1質量%になり得る。界面活性剤の量は連続相の約0.5質量%〜約3質量%になり得る。この態様の一つの特徴では、工程(1)の水溶液は約0.1質量%〜約0.5質量%のポリ(ビニルアルコール)を含む。この態様の別の特徴では、連続相は約1.5質量%〜約2.5質量%のポリ(ビニルアルコール)を含む。
【0128】
(000116)
水性連続相溶液は一以上の他の界面活性剤又は乳化剤を含み得る。他の界面活性剤及び乳化物質は、ほとんど全ての生理的に許容し得る乳化剤を含む。例えば、卵レシチン、大豆レシチン、合成レシチンのようなレシチン等がある。乳化剤は、遊離脂肪酸, ポリオキシプロピレングリコールやポリオキシエチレングリコール等のポリオキシアルキレン化合物の脂肪酸エステル、脂肪アルコールとポリオキシアルキレングリコールのエーテル、脂肪酸とポリオキシアルキル化ソルビタンのエステル、石鹸、グリセロール-ポリアルキレンステアリン酸塩、グリセロール-ポリオキシエチレンリシノール酸塩、ポリアルキレングリコールの重合体及び共重合体、大豆油やキャスターオイルのポリエトキシ化物及び水素化物、スクロース又は他の炭水化物と脂肪酸や脂肪アルコール又はこれらの任意にポリオキシアルキル化されたもののエーテル及びエステル、飽和又は不飽和脂肪酸やグリセリド又は大豆油そしてスクロースのモノ-グリセリドやジ-グリセリド及びトリ-グリセリド、のような界面活性剤も含む。他の乳化剤は天然又は合成型の、共にアミノ酸と共役する又はタウロデオキシコール酸塩のように共役しない胆汁酸塩又は胆汁酸、そしてコール酸を含む。
【0129】
(000117)
この特徴を持つミクロ粒子を調合するための方法の一つの態様は、工程(3)の水性連続相において界面活性剤、例えばポリ(ビニルアルコール)、と塩、例えば塩化ナトリウム、の両方の使用に関連する。一つの特徴では、ポリ(ビニルアルコール)の量は、塩存在下で約0.5質量%〜約3.5質量%になり得る。別の特徴では、ポリ(ビニルアルコール)の量は、塩存在下で連続相の約2質量%になり得る。
【0130】
(000118)
この方法の一つの態様では、工程(3)の水性連続相は、ポリ(ビニルアルコール) 、塩、そして、任意に、連続相溶液中で飽和レベルに達する量の、分散相溶液の調製に用いる有機溶媒を含み得る。
【0131】
(000119)
ポリ(D,L-ラクチド)及びポリカプロラクトンの混合物を含む工程(2)の溶媒相は、約10質量%〜約30質量%の総重合体濃度を取り得る。この態様の一つの特徴では、溶媒相は約15質量%〜約25質量%の総重合体濃度を取り得る。この特徴を持つミクロ粒子を形成するための開示されている方法の非限定的な例は、以下の工程(2)、
(2)約20質量%のポリマー混合物を含む有機相を提供する工程であって、前記ポリマー混合物が、
(i)約60%〜約99%のポリ(D,L-ラクチド)、及び
(ii)約1%〜約40%のポリカプロラクトン、
を含む工程、
を含む。
【0132】
(000120)
この特徴を持つミクロ粒子を形成するための開示されている方法の一つの態様は、以下の工程、
(1)約10質量%〜約30質量%のラニビズマブ及び約0.1質量%〜約0.5質量%のポリ(ビニルアルコール)を含む水相を提供する工程、
(2)酢酸エチル及び約20質量%のポリマー混合物を含む有機相を提供する工程であって、前記ポリマー混合物が、
(i)約0.3 dL/g〜約0.6 dL/gの固有粘度を有する約60%〜約99%のポリ(D,L-ラクチド)、及び
(ii)約0.8 dL/g〜約1.2 dL/gの固有粘度を有する約1%〜約40%のポリカプロラクトン、
を含む工程、
(3)工程(1)の水相を工程(2)の有機相と混合して第一のエマルションを形成する工程、
(4)第一のエマルションを約1.5質量%〜約2.5質量%のポリ(ビニルアルコール)を含む水性連続相と混合して水/油/水のエマルションを形成する工程、
(5)水/油/水のエマルションを水性抽出相と混合して、ミクロ粒子を形成する工程、
を含む方法、
を含む。
【0133】
(000121)
この特徴を持つミクロ粒子を形成するための開示されている方法の別の態様は、以下の工程、
(1)約10質量%〜約30質量%のラニビズマブ及び約0.1質量%〜約0.5質量%のポリ(ビニルアルコール)を含む水相を提供する工程、
(2)約20質量%のポリマー混合物を含む有機相を提供する工程であって、前記ポリマー混合物が、
(i)約60%〜約99%のポリ(D,L-ラクチド)、及び
(ii)約1%〜約40%のポリカプロラクトン、
を含む工程、
(3)工程(1)の水相を工程(2)の有機相と混合して第一のエマルションを形成する工程、
(4)第一のエマルションを酢酸エチル及び約1.5質量%〜約2.5質量%のポリ(ビニルアルコール)を含む水性連続相と混合して水/油/水のエマルションを形成する工程、
(5)水/油/水のエマルションを水性抽出相と混合して、ミクロ粒子を形成する工程、
を含む方法、
を含む。
【0134】
(000122)
この特徴を持つミクロ粒子を形成するための開示されている方法の更なる非限定的な例は、以下の工程、
(1)約10質量%〜約30質量%のラニビズマブ及び約0.1質量%〜約0.5質量%のポリ(ビニルアルコール)を含む水相を提供する工程、
(2)塩化メチレン及び約20質量%のポリマー混合物を含む有機相を提供する工程であって、前記ポリマー混合物が、
(i)約0.3 dL/g〜約0.6 dL/gの固有粘度を有する約60%〜約99%のポリ(D,L-ラクチド)、及び
(ii)約0.8 dL/g〜約1.2 dL/gの固有粘度を有する約1%〜約40%のポリカプロラクトン、
を含む工程、
(3)工程(1)の水相を工程(2)の有機相と混合して第一のエマルションを形成する工程、
(4)第一のエマルションを約1.5質量%〜約2.5質量%のポリ(ビニルアルコール)を含む水性連続相と混合して水/油/水のエマルションを形成する工程、
(5)水/油/水のエマルションを水性抽出相と混合して、ミクロ粒子を形成する工程、
を含む方法、
を含む。
【0135】
(000123)
この特徴を持つミクロ粒子を形成するための開示されている方法の更に別の態様は、以下の工程、
(1)約10質量%〜約30質量%のラニビズマブ及び約0.1質量%〜約0.5質量%のポリ(ビニルアルコール)を含む水相を提供する工程、
(2)酢酸エチル及び約20質量%のポリマー混合物を含む有機相を提供する工程であって、前記ポリマー混合物が、
(i)約0.3 dL/g〜約0.6 dL/gの固有粘度を有する約60%〜約99%のポリ(D,L-ラクチド)、及び
(ii)約0.8 dL/g〜約1.2 dL/gの固有粘度を有する約1%〜約40%のポリカプロラクトン、
を含む工程、
(3)工程(1)の水相を工程(2)の有機相と混合して第一のエマルションを形成する工程、
(4)第一のエマルションを塩化メチレン及び約1.5質量%〜約2.5質量%のポリ(ビニルアルコール)を含む水性連続相と混合して水/油/水のエマルションを形成する工程、
(5)水/油/水のエマルションを水性抽出相と混合して、ミクロ粒子を形成する工程、
を含む方法、
を含む。
【0136】
(000124)
この特徴を持つミクロ粒子を形成するための開示されている方法の更なる非限定的な例は、以下の工程、
(1)約10質量%〜約30質量%のラニビズマブを含む水相を提供する工程、
(2)酢酸エチル及び約20質量%のポリマー混合物を含む有機相を提供する工程であって、前記ポリマー混合物が、
(i)約0.3 dL/g〜約0.6 dL/gの固有粘度を有する約60%〜約99%のポリ(D,L-ラクチド)、及び
(ii)約0.8 dL/g〜約1.2 dL/gの固有粘度を有する約1%〜約40%のポリカプロラクトン、
を含む工程、
(3)工程(1)の水相を工程(2)の有機相と混合して第一のエマルションを形成する工程、
(4)第一のエマルションを約1.5M〜約2.5Mの塩化ナトリウムを含む水性連続相と混合して水/油/水のエマルションを形成する工程、
(5)水/油/水のエマルションを水性抽出相と混合して、ミクロ粒子を形成する工程、
を含む方法、
を含む。
【0137】
(000125)
この特徴を持つミクロ粒子を形成するための開示されている方法のまた更なる非限定的な例は、以下の工程、
(1)約10質量%〜約30質量%のラニビズマブを含む水相を提供する工程、
(2)塩化メチレン及び約20質量%のポリマー混合物を含む有機相を提供する工程であって、前記ポリマー混合物が、
(i)約0.3 dL/g〜約0.6 dL/gの固有粘度を有する約60%〜約99%のポリ(D,L-ラクチド)、及び
(ii)約0.8 dL/g〜約1.2 dL/gの固有粘度を有する約1%〜約40%のポリカプロラクトン、
を含む工程、
(3)工程(1)の水相を工程(2)の有機相と混合して第一のエマルションを形成する工程、
(4)第一のエマルションを約1.5M〜約2.5Mの塩化ナトリウムを含む水性連続相と混合して水/油/水のエマルションを形成する工程、
(5)水/油/水のエマルションを水性抽出相と混合して、ミクロ粒子を形成する工程、
を含む方法、
を含む。
【0138】
(000126)
この特徴を持つミクロ粒子を形成するための開示されている方法の今更なる非限定的な例は、以下の工程、
(1)約10質量%〜約30質量%のラニビズマブ及び約0.1質量%〜約0.5質量%のポリ(ビニルアルコール)を含む水相を提供する工程、
(2)酢酸エチル及び約20質量%のポリマー混合物を含む有機相を提供する工程であって、前記ポリマー混合物が、
(i)約0.3 dL/g〜約0.6 dL/gの固有粘度を有する約60%〜約99%のポリ(D,L-ラクチド)、及び
(ii)約0.8 dL/g〜約1.2 dL/gの固有粘度を有する約1%〜約40%のポリカプロラクトン、
を含む工程、
(3)工程(1)の水相を工程(2)の有機相と混合して第一のエマルションを形成する工程、
(4)第一のエマルションを約1.5M〜約2.5Mの塩化ナトリウム及び約1.5質量%〜約2.5質量%のポリ(ビニルアルコール)を含む水性連続相と混合して水/油/水のエマルションを形成する工程、
(5)水/油/水のエマルションを水性抽出相と混合して、ミクロ粒子を形成する工程、
を含む方法、
を含む。
【0139】
(000127)
この特徴を持つミクロ粒子を形成するための開示されている方法の今また更なる非限定的な例は、以下の工程、
(1)約10質量%〜約30質量%のラニビズマブ及び約0.1質量%〜約0.5質量%のポリ(ビニルアルコール)を含む水相を提供する工程、
(2)酢酸エチル及び約20質量%のポリマー混合物を含む有機相を提供する工程であって、前記ポリマー混合物が、
(i)約0.3 dL/g〜約0.6 dL/gの固有粘度を有する約60%〜約99%のポリ(D,L-ラクチド)、及び
(ii)約0.8 dL/g〜約1.2 dL/gの固有粘度を有する約1%〜約40%のポリカプロラクトン、
を含む工程、
(3)工程(1)の水相を工程(2)の有機相と混合して第一のエマルションを形成する工程、
(4)第一のエマルションを約1.5M〜約2.5Mの塩化ナトリウム及び約1.5質量%〜約2.5質量%のポリ(ビニルアルコール)を含む水性連続相と混合して水/油/水のエマルションを形成する工程、
(5)水/油/水のエマルションを水性抽出相と混合して、ミクロ粒子を形成する工程、
を含む方法、
を含む。
【0140】
(000128)
ここでは、加齢黄斑変性を治療又は予防する方法が開示されている。更に、黄斑変性や、網膜浮腫及び増大した又は異常な斑点のある脈管形成を含む網膜新生血管に関連する病気、疾患、又は状態を治療するための方法が開示されている。
【0141】
(000129)
更なる特徴は、加齢黄斑変性を治療又は予防する方法に関連し、その方法は被験者に組成物を投与することを含み、前記組成物は、
(1)ミクロ粒子であって、
(i)約1質量%〜約15質量%のラニビズマブ、及び
(ii)ポリマーブレンド、
を含み、
前記ポリマーブレンドが、
(a)約60質量%〜約99質量%のポリ(D,L-ラクチド)、及び
(b)約1質量%〜約40質量%のポリカプロラクトン、
を含むミクロ粒子、及び
(2)医薬的に許容され得る担体、
を含む。
【0142】
(000130)
一つの態様では、開示されている方法は、
(1)ミクロ粒子であって、
(i)約5質量%〜約10質量%のラニビズマブ、及び
(ii)ポリマーブレンド、
を含み、
前記ポリマーブレンドが、
(a)約60質量%〜約99質量%のポリ(D,L-ラクチド)、及び
(b)約1質量%〜約40質量%のポリカプロラクトン、
を含むミクロ粒子、及び
(2)医薬的に許容され得る担体、
を含む組成物を投与することに関連する。
【0143】
(000131)
この態様の一つの例は、
(1)ミクロ粒子であって、
(i)約5質量%〜約10質量%のラニビズマブ、及び
(ii)ポリマーブレンド、
を含み、
前記ポリマーブレンドが、
(a)約0.3〜約0.6 dL/gの固有粘度を有する約60質量%〜約99質量%のポリ(D,L-ラクチド)、及び
(b)約0.8〜約1.2 dL/gの固有粘度を有する約1質量%〜約40質量%のポリカプロラクトン、
を含むミクロ粒子、及び
(2)医薬的に許容され得る担体、
を含む組成物を投与することに関連する。
【0144】
(000132)
別の態様では、前記組成物は、
(1)ミクロ粒子であって、
(i)約5質量%〜約10質量%のラニビズマブ、及び
(ii)ポリマーブレンド、
を含み、
前記ポリマーブレンドが、
(a)約0.3〜約0.6 dL/gの固有粘度を有する約95質量%のポリ(D,L-ラクチド)、及び
(b)約0.8〜約1.2 dL/gの固有粘度を有する約5質量%のポリカプロラクトン、
を含むミクロ粒子、及び
(2)医薬的に許容され得る担体、
を含む。
【0145】
(000133)
更なる態様は黄斑変性を治療又は予防する方法に関連し、その方法は被験者に組成物を投与することを含み、前記組成物は、
(1)約1mg〜約500mgのミクロ粒子であって、
(i)約1質量%〜約15質量%のラニビズマブ、及び
(iiポリマーブレンド、
を含み、
前記ポリマーブレンドが、
(a)約60質量%〜約99質量%のポリ(D,L-ラクチド)、及び
(b)約1質量%〜約40質量%のポリカプロラクトン、
を含むミクロ粒子、及び
(2)医薬的に許容され得る担体、
を含み、約1質量%〜約50質量%の固体を含む。
【0146】
(000134)
今更なる態様は黄斑変性を治療又は予防する方法に関連し、その方法は被験者に組成物を投与することを含み、前記組成物は、
(1)約1mg〜約500mgのミクロ粒子であって、
(i)約1質量%〜約15質量%のラニビズマブ、及び
(ii)ポリマーブレンド、
を含み、
前記ポリマーブレンドが、
(a)約60質量%〜約99質量%のポリ(D,L-ラクチド)、及び
(b)約1質量%〜約40質量%のポリカプロラクトン、
を含むミクロ粒子、及び
(2)医薬的に許容され得る担体、
を含み、約1質量%〜約50質量%の固体を含む。
【0147】
(000135)
開示されているミクロ粒子の第四の主要な特徴は、
(1)約1質量%〜約15質量%のラニビズマブ、及び
(2)ポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)共重合体の混合物、
を含み、
前記共重合体の混合物が、
(i)約65%〜約90%のD,L-ラクチド単位及び10%〜約35%のグリコリド単位を含む、約10質量%〜約90質量%の第一の共重合体、及び
(ii)約55%〜約90%のD,L-ラクチド単位及び10%〜約45%のグリコリド単位を含む、約10質量%〜約90質量%の第二の共重合体、
を含むことを特徴とするミクロ粒子に関連する。
【0148】
(000136)
この特徴を持つ開示されているミクロ粒子は、約1質量%〜約15質量%のラニミズマブを含む。この特徴の一つの態様では、ミクロ粒子は約7質量%〜約10質量%のラニミズマブを含む。別の態様では、ミクロ粒子は約2質量%〜約7質量%のラニミズマブを含む。更なる態様では、ミクロ粒子は約4質量%〜約8質量%のラニミズマブを含む。ある例では約5質量%〜約6質量%のラニミズマブを含む。しかし、ミクロ粒子は約1質量%〜約15質量%のいかなる量、例えば、1質量%、2質量%、3質量%、4質量%、5質量%、6質量%、7質量%、8質量%、9質量%、10質量%、11質量%、12質量%、13質量%、14質量%、15質量%のラニミズマブも含み得る。これらの量には、例えば1.1質量%、2.75質量%、4.33質量%のような端数の量のラニミズマブも含む。
【0149】
(000137)
この特徴を持つ開示されているミクロ粒子は、第一のポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)及び第二のポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)の混合物を含む。それぞれのポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)共重合体は約0.1〜約0.9dL/gの固有粘度(IV)を有し得る。一つの態様では、一方の共重合体は約0.15〜約0.25dL/gのIVを有し、他方の共重合体は約0.45〜約0.85dL/gのIVを有する。別の態様では、、一方の共重合体は約0.35〜約0.65dL/gのIVを有し、他方の共重合体は約0.5〜約0.7dL/gのIVを有する。更なる態様では、一方の共重合体は約0.1〜約0.4dL/gのIVを有し、他方の共重合体は約0.5〜約0.9dL/gのIVを有する。しかし、ミクロ粒子は約0.3〜約0.6dL/gのいかなるIV、例えば、0.3 dL/g、0.35 dL/g、0.4 dL/g、0.45 dL/g、0.5 dL/g、0.55 dL/g、0.6 dL/g等、あるいは端数の量のそれ、例えば、0.557 dL/gも含み得る。固有粘度は便宜的にcm3/gで表すこともできる。
【0150】
(000138)
この特徴を持つ開示されているミクロ粒子は、約20ミクロン〜約125ミクロンの平均粒径を有する。一つの態様では、平均粒径の範囲は、約40ミクロン〜約90ミクロンである。別の態様では、平均粒径の範囲は、約50ミクロン〜約80ミクロンである。粒径分布は、当業者によく知られているレーザー回折技術によって測定される。
【0151】
(000139)
この特徴の更なる態様では、ミクロ粒子の調合中に用いられるバルク製剤(bulk drug product)は、一以上の水溶性担体又は賦形剤を含み得る。そのような担体又は賦形剤は、一般に糖、糖類、多糖類、界面活性剤、緩衝塩、充填剤等を含むであろう。賦形剤の非制限的な例は、2-(ヒドロキシ-メチル)-6-[3,4,5-トリヒドロキシ-6- (ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]オキシ- テトラヒドロピラン-3,4,5-トリオール、「トレハロース」 である。開示されている方法の一つの態様は、初めのバルク製剤中の薬の質量の1質量%〜200質量%のトレハロースを含む、ミクロ粒子の調合中に用いられるバルク製剤を含む。更なる態様では、ミクロ粒子の調合中に用いられるバルク製剤は、初めのバルク製剤中の薬の質量の約10質量%〜約50質量%のトレハロースを含む。 この特徴の非限定的な例では、バルク製剤は25質量%〜35質量%のトレハロースを含む。賦形剤の別の非制限的な例は界面活性剤ポリソルベート20 (すなわち ツイーン 20)である。開示されている方法の一つの態様は、初めのバルク製剤中の薬の質量の0.01質量%〜5質量%のポリソルベート20を含む、 ミクロ粒子の調合中に用いられるバルク製剤を含む。今更なる態様では、ミクロ粒子の調合中に用いられるバルク製剤は、初めのバルク製剤中の薬の質量の約0.05質量%〜0.25質量%のポリソルベート20を含む。この特徴の非限定的な例では、バルク製剤は約0.1質量%のポリソルベート20を含む。更に、バルク製剤は二以上のそのような担体や賦形剤を含む可能性がある。非制限的な例は、初めのバルク製剤中の薬の質量の25質量%〜35質量%のトレハロースと約0.1質量%のポリソルベート20を含むバルク製剤を含む。
【0152】
(000140)
加齢黄斑変性の治療に用いることができる、開示されている組成物の別の特徴は、
(1)ミクロ粒子であって、
(i)約1質量%〜約15質量%のラニビズマブ、及び
(ii)ポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)共重合体の混合物、
を含み、
前記共重合体の混合物が、
(i)約65%〜約90%のD,L-ラクチド単位及び10%〜約35%のグリコリド単位を含む、約10質量%〜約90質量%の第一の共重合体、及び
(ii)約55%〜約90%のD,L-ラクチド単位及び10%〜約45%のグリコリド単位を含む、約10質量%〜約90質量%の第二の共重合体、
を含むミクロ粒子、及び
(2)医薬的に許容され得る担体、
を含む組成物に関連する。
【0153】
(000141)
一つの態様では、組成物は、
(1)ミクロ粒子であって、
(i)約5質量%〜約10質量%のラニビズマブ、及び
(ii)ポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)共重合体の混合物、
を含み、
前記共重合体の混合物が、
(a)約65%〜約90%のD,L-ラクチド単位及び10%〜約35%のグリコリド単位を含む、約0.4dL/g〜約0.8dL/gの固有粘度を有する約10質量%〜約90質量%の第一の共重合体、及び
(b)約55%〜約90%のD,L-ラクチド単位及び10%〜約45%のグリコリド単位を含む、約0.2dL/g〜約0.7dL/gの固有粘度を有する約10質量%〜約90質量%の第二の共重合体、
を含むミクロ粒子、及び
(2)医薬的に許容され得る担体、
を含む。
【0154】
(000142)
この態様及び他の態様では、一方の共重合体はエステルでキャップされたポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)であり得、他方の共重合体は酸でキャップされたポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)であり得る。これとは別に、両方のポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)共重合体はエステルでキャップされ得、又は両方のポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)共重合体は酸でキャップされ得る。
【0155】
(000143)
この態様の一つの例は、
(1)ミクロ粒子であって、
(i)約5質量%〜約10質量%のラニビズマブ、及び
(ii)ポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)共重合体の混合物、
を含み、
前記共重合体の混合物が、
(a)85%のD,L-ラクチド単位及び15%のグリコリド単位を含む、約0.4dL/g〜約0.5dL/gの固有粘度を有する約50質量%のエステルでキャップされたポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)、及び
(b)85%のD,L-ラクチド単位及び15%のグリコリド単位を含む、約0.5dL/g〜約0.7dL/gの固有粘度を有する約50質量%の酸でキャップされたポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)、
を含むミクロ粒子、及び
(2)医薬的に許容され得る担体、
を含む組成物に関連する。
【0156】
(000144)
この態様の別の例は、
(1)ミクロ粒子であって、
(i)約5質量%〜約10質量%のラニビズマブ、及び
(ii)ポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)共重合体の混合物、
を含み、
前記共重合体の混合物が、
(a)75%のD,L-ラクチド単位及び25%のグリコリド単位を含む、約0.65dL/g〜約0.75dL/gの固有粘度を有する約80質量%のエステルでキャップされたポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)、及び
(b)65%のD,L-ラクチド単位及び35%のグリコリド単位を含む、約0.35dL/g〜約0.55dL/gの固有粘度を有する約20質量%の酸でキャップされたポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)、
を含むミクロ粒子、及び
(2)医薬的に許容され得る担体、
を含む組成物に関連する。
【0157】
(000145)
この態様の別の例は、
(1)ミクロ粒子であって、
(i)約5質量%〜約10質量%のラニビズマブ、及び
(ii)ポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)共重合体の混合物、
を含み、
前記共重合体の混合物が、
(a)75%のD,L-ラクチド単位及び25%のグリコリド単位を含む、約0.65dL/g〜約0.75dL/gの固有粘度を有する約80質量%の酸でキャップされたポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)、及び
(b)65%のD,L-ラクチド単位及び35%のグリコリド単位を含む、約0.15dL/g〜約0.25dL/gの固有粘度を有する約20質量%のエステルでキャップされたポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)、
を含むミクロ粒子、及び
(2)医薬的に許容され得る担体、
を含む組成物に関連する。
【0158】
(000146)
更なる特徴は、
(1)約1mg〜約500mgのミクロ粒子であって、
(i)約1質量%〜約15質量%のラニビズマブ、及び
(ii)ポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)共重合体の混合物、
を含み、
前記共重合体の混合物が、
(a)85%のD,L-ラクチド単位及び15%のグリコリド単位を含む、約0.45dL/g〜約0.55dL/gの固有粘度を有する約50質量%の酸でキャップされたポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)、及び
(b)75%のD,L-ラクチド単位及び25%のグリコリド単位を含む、約0.45dL/g〜約0.60dL/g又は約0.45dL/g〜約5.5dL/g又は約0.50dL/g〜約0.60dL/gの固有粘度を有する約50質量%のエステルでキャップされたポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)、
を含むミクロ粒子、及び
(2)医薬的に許容され得る担体、
を含み、約1質量%〜約50質量%の固体を含む医薬組成物に関連する。
【0159】
(000147)
この特徴を持つ開示されているミクロ粒子は、どのミクロ粒子調合方法によっても調合され得る。一つの特徴では、参照によりその全体が本願に組み込まれる米国特許第5,407,609号明細書によってミクロ粒子は調合される。もう一つの特徴では、その方法は、
(1)約1質量%〜約50質量%のラニビズマブを含む水相を提供する工程、
(2)ポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)共重合体の混合物を含む有機相を提供する工程であって、前記共重合体の混合物が、
(i)約65%〜約90%のD,L-ラクチド単位及び10%〜約35%のグリコリド単位を含む、約10%〜約90%の第一の共重合体、及び
(ii)約55%〜約90%のD,L-ラクチド単位及び10%〜約45%のグリコリド単位を含む、約10%〜約90%の第二の共重合体、
を含む工程、
(3)工程(1)の水相を工程(2)の有機相と混合して第一のエマルションを形成する工程、
(4)第一のエマルションを水性連続相と混合して水/油/水のエマルションを形成する工程、
(5)水/油/水のエマルションを水性抽出相と混合して、ミクロ粒子を形成する工程、
を含む。
【0160】
(000148)
この特徴を持つミクロ粒子を形成するための開示されている方法は、工程(2)において、いかなる非ハロゲン化炭化水素有機溶媒又はハロゲン化有機溶媒も使用することができる。さらに、工程(3)の水性連続相に溶媒を飽和点になる量まで加えることができる。
【0161】
(000149)
「非ハロゲン化有機溶媒」は、ここで、例えば工程(2)において、開示されているポリマーを溶解するための第一の溶媒として供給するのに適した有機溶媒を意味する。非ハロゲン化有機溶媒の非限定的な例は、アセトン、メチルエチルケトン等のケトンやメタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、ベンジルアアルコール、グリセロール等のアルコールやジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、グリム、ジグリム等のエーテルや酢酸メチル、酢酸エチル等のエステルやn-ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、ヘプタン、イソオクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン(すべての異性体)等の炭化水素やジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホアミド等の極性非プロトン性溶媒等がある。
【0162】
(000150)
「ハロゲン化溶媒」は、ハロゲン化した有機溶媒、すなわちC1-C4ハロゲン化アルカンを意味する。その非限定的な例には、炭素四塩化物、クロロホルム、塩化メチレン、クロロエタン、1,1-ジクロロエタン、1,1,1-トリクロロエタン、そして1,2-ジクロロエタンがある。
【0163】
(000151)
この特徴を持つ開示されているミクロ粒子を形成するための方法の一つの特徴では、工程(2)でポリマー混合物を溶解するために酢酸エチルが使用される。この特徴を持つ開示されているミクロ粒子を形成するための方法の別の特徴では、工程(2)でポリマー混合物を溶解するために塩化メチレンが使用される。
【0164】
(000152)
この特徴を持つ開示されているミクロ粒子を形成するための方法の別の態様では、工程(3)の水性連続相に飽和点まで塩を加え得る。塩は単独で又は連続相に加える有機溶媒と共に加え得る。一つの特徴では、塩は約0.1M 〜約10Mの量である。別の特徴では、塩は約0.5M〜約5Mの量である。しかし、連続相の塩濃度は約0.1M〜約10Mのいずれの値も取りうる。連続相に用いられ得る塩の一つの例は、例えば、1.5M塩化ナトリウム、2M塩化ナトリウム、2.5M塩化ナトリウム等の塩化ナトリウムである。この態様の一つの特徴において、水性連続相は2Mの塩化ナトリウムを含み得る。この特徴を持つミクロ粒子を形成するための開示されている方法の非制限的な例は、次の工程(4)、
(4)第一のエマルション(工程(3)で形成された油中水エマルションを2Mの塩化ナトリウムを含む水性連続相と混合して水/油/水のエマルションを形成する工程、
を含む。
【0165】
(000153)
この特徴を持つ開示されているミクロ粒子を形成するための方法の今更なる態様では、界面活性剤、例えばポリ(ビニルアルコール)(PVA)、は工程(1)のラニビズマブを含む水溶液、工程(3)の連続相、あるいはその両方に加え得る。PVAの量は工程(1)の水溶液の約0.05質量%〜約1質量%になり得る。界面活性剤の量は連続相の約0.5質量%〜約3質量%になり得る。この態様の一つの特徴では、工程(1)の水溶液は約0.1質量%〜約0.5質量%のポリ(ビニルアルコール)を含む。この態様の別の特徴では、連続相は約1.5質量%〜約2.5質量%のポリ(ビニルアルコール)を含む。
【0166】
(000154)
水性連続相溶液は一以上の他の界面活性剤又は乳化剤を含み得る。他の界面活性剤及び乳化物質は、ほとんど全ての生理的に許容し得る乳化剤を含む。例えば、卵レシチン、大豆レシチン、合成レシチンのようなレシチン等がある。乳化剤は、遊離脂肪酸, ポリオキシプロピレングリコールやポリオキシエチレングリコール等のポリオキシアルキレン化合物の脂肪酸エステル、脂肪アルコールとポリオキシアルキレングリコールのエーテル、脂肪酸とポリオキシアルキル化ソルビタンのエステル、石鹸、グリセロール-ポリアルキレンステアリン酸塩、グリセロール-ポリオキシエチレンリシノール酸塩、ポリアルキレングリコールの重合体及び共重合体、大豆油やキャスターオイルのポリエトキシ化物及び水素化物、スクロース又は他の炭水化物と脂肪酸や脂肪アルコール又はこれらの任意にポリオキシアルキル化されたもののエーテル及びエステル、飽和又は不飽和脂肪酸やグリセリド又は大豆油そしてスクロースのモノ-グリセリドやジ-グリセリド及びトリ-グリセリド、のような界面活性剤も含む。他の乳化剤は天然又は合成型の、共にアミノ酸と共役する又はタウロデオキシコール酸塩のように共役しない胆汁酸塩又は胆汁酸、そしてコール酸を含む。
【0167】
(000155)
この特徴を持つミクロ粒子を調合するための方法の一つの態様は、工程(3)の水性連続相において界面活性剤、例えばポリ(ビニルアルコール)、と塩、例えば塩化ナトリウム、の両方の使用に関連する。一つの特徴では、ポリ(ビニルアルコール)の量は、塩存在下で約0.5質量%〜約3.5質量%になり得る。別の特徴では、ポリ(ビニルアルコール)の量は、塩存在下で連続相の約2質量%になり得る。
【0168】
(000156)
この方法の一つの態様では、工程(3)の水性連続相は、ポリ(ビニルアルコール) 、塩、そして、任意に、連続相溶液中で飽和レベルに達する量の、分散相溶液の調製に用いる有機溶媒を含み得る。
【0169】
(000157)
別の態様は、
(1)第一の共重合体であって、
(i)約65%〜約90%のD,L-ラクチド単位、及び
(ii)約10%〜約35%のグリコリド単位、
を含む共重合体、及び
(2)第二の共重合体であって、
(i)約55%〜約90%のD,L-ラクチド単位、及び
(ii)約10%〜約45%のグリコリド単位、
を含む共重合体、
を含むミクロ粒子に関連する。
【0170】
(000158)
二以上のポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)共重合体の混合物を含む工程(2)の溶媒相は、約10質量%〜約30質量%の総重合体濃度を取り得る。この態様の一つの特徴では、溶媒相は約15質量%〜約25質量%の総重合体濃度を取り得る。この特徴を持つミクロ粒子を形成するための開示されている方法の非限定的な例は、以下の工程(2)、
(2)約20質量%のポリマー混合物を含む有機相を提供する工程であって、前記ポリマー混合物が、
(i)約65%〜約90%のD,L-ラクチド単位及び10%〜約35%のグリコリド単位を含む、約10%〜約90%の第一の共重合体、及び
(ii)約55%〜約90%のD,L-ラクチド単位及び10%〜約45%のグリコリド単位を含む、約10%〜約90%の第二の共重合体、
を含む工程、
を含む。
【0171】
(000159)
この特徴を持つミクロ粒子を形成するための開示されている方法の一つの態様は、以下の工程、
(1)約10質量%〜約30質量%のラニビズマブ及び約0.1質量%〜約0.5質量%のポリ(ビニルアルコール)を含む水相を提供する工程、
(2)酢酸エチル及び約20質量%のポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)共重合体の混合物を含む有機相を提供する工程であって、前記共重合体の混合物が、
(i)約65%〜約90%のD,L-ラクチド単位及び10%〜約35%のグリコリド単位を含む、約10%〜約90%の第一の共重合体、及び
(ii)約55%〜約90%のD,L-ラクチド単位及び10%〜約45%のグリコリド単位を含む、約10%〜約90%の第二の共重合体、
を含む工程、
(3)工程(1)の水相を工程(2)の有機相と混合して第一のエマルションを形成する工程、(4)第一のエマルションを約1.5質量%〜約2.5質量%のポリ(ビニルアルコール)を含む水性連続相と混合して水/油/水のエマルションを形成する工程、
(5)水/油/水のエマルションを水性抽出相と混合して、ミクロ粒子を形成する工程、
を含む方法、
を含む。
【0172】
(000160)
この特徴を持つミクロ粒子を形成するための開示されている方法の別の態様は、以下の工程、
(1)約10質量%〜約30質量%のラニビズマブ及び約0.1質量%〜約0.5質量%のポリ(ビニルアルコール)を含む水相を提供する工程、
(2)約20質量%のポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)共重合体の混合物を含む有機相を提供する工程であって、前記共重合体の混合物が、
(i)約65%〜約90%のD,L-ラクチド単位及び10%〜約35%のグリコリド単位を含む、約10%〜約90%の第一の共重合体、及び
(ii)約50%〜約75%のD,L-ラクチド単位及び25%〜約50%のグリコリド単位を含む、約10%〜約90%の第二の共重合体、
を含む工程、
(3)工程(1)の水相を工程(2)の有機相と混合して第一のエマルションを形成する工程、(4)第一のエマルションを酢酸エチル及び約1.5質量%〜約2.5質量%のポリ(ビニルアルコール)を含む水性連続相と混合して水/油/水のエマルションを形成する工程、
(5)水/油/水のエマルションを水性抽出相と混合して、ミクロ粒子を形成する工程、
を含む方法、
を含む。
【0173】
(000161)
この特徴を持つミクロ粒子を形成するための開示されている方法の更なる非限定的な例は、以下の工程、
(1)約10質量%〜約30質量%のラニビズマブ及び約0.1質量%〜約0.5質量%のポリ(ビニルアルコール)を含む水相を提供する工程、
(2)約20質量%のポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)共重合体の混合物を含む有機相を提供する工程であって、前記共重合体の混合物が、
(i)約65%〜約90%のD,L-ラクチド単位及び10%〜約35%のグリコリド単位を含む、約10%〜約90%の第一の共重合体、及び
(ii)約55%〜約90%のD,L-ラクチド単位及び10%〜約45%のグリコリド単位を含む、約10%〜約90%の第二の共重合体、
を含む工程、
(3)工程(1)の水相を工程(2)の有機相と混合して第一のエマルションを形成する工程、(4)第一のエマルションを約1.5質量%〜約2.5質量%のポリ(ビニルアルコール)を含む水性連続相と混合して水/油/水のエマルションを形成する工程、
(5)水/油/水のエマルションを水性抽出相と混合して、ミクロ粒子を形成する工程、
を含む方法、
を含む。
【0174】
(000162)
この特徴を持つミクロ粒子を形成するための開示されている方法の更に別の態様は、以下の工程、
(1)約10質量%〜約30質量%のラニビズマブ及び約0.1質量%〜約0.5質量%のポリ(ビニルアルコール)を含む水相を提供する工程、
(2)約20質量%のポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)共重合体の混合物を含む有機相を提供する工程であって、前記共重合体の混合物が、
(i)約65%〜約90%のD,L-ラクチド単位及び10%〜約35%のグリコリド単位を含む、約10%〜約90%の第一の共重合体、及び
(ii)約55%〜約90%のD,L-ラクチド単位及び10%〜約45%のグリコリド単位を含む、約10%〜約90%の第二の共重合体、
を含む工程、
(3)工程(1)の水相を工程(2)の有機相と混合して第一のエマルションを形成する工程、(4)第一のエマルションを塩化メチレン及び約1.5質量%〜約2.5質量%のポリ(ビニルアルコール)を含む水性連続相と混合して水/油/水のエマルションを形成する工程、
(5)水/油/水のエマルションを水性抽出相と混合して、ミクロ粒子を形成する工程、
を含む方法、
を含む。
【0175】
(000163)
この特徴を持つミクロ粒子を形成するための開示されている方法の更なる非限定的な例は、以下の工程、
(1)約10質量%〜約30質量%のラニビズマブを含む水相を提供する工程、
(2)約20質量%のポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)共重合体の混合物を含む有機相を提供する工程であって、前記共重合体の混合物が、
(i)約65%〜約90%のD,L-ラクチド単位及び10%〜約35%のグリコリド単位を含む、約10%〜約90%の第一の共重合体、及び
(ii)約55%〜約90%のD,L-ラクチド単位及び10%〜約45%のグリコリド単位を含む、約10%〜約90%の第二の共重合体、
を含む工程、
(3)工程(1)の水相を工程(2)の有機相と混合して第一のエマルションを形成する工程、
(4)第一のエマルションを約1.5M〜約2.5Mの塩化ナトリウムを含む水性連続相と混合して水/油/水のエマルションを形成する工程、
(5)水/油/水のエマルションを水性抽出相と混合して、ミクロ粒子を形成する工程、
を含む方法、
を含む。
【0176】
(000164)
この特徴を持つミクロ粒子を形成するための開示されている方法の更なる非限定的な例は、以下の工程、
(1)約10質量%〜約30質量%のラニビズマブを含む水相を提供する工程、
(2)約20質量%のポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)共重合体の混合物を含む有機相を提供する工程であって、前記共重合体の混合物が、
(i)約65%〜約90%のD,L-ラクチド単位及び10%〜約35%のグリコリド単位を含む、約10%〜約90%の第一の共重合体、及び
(ii)約55%〜約90%のD,L-ラクチド単位及び10%〜約45%のグリコリド単位を含む、約10%〜約90%の第二の共重合体、
を含む工程、
(3)工程(1)の水相を工程(2)の有機相と混合して第一のエマルションを形成する工程、
(4)第一のエマルションを約1.5M〜約2.5Mの塩化ナトリウムを含む水性連続相と混合して水/油/水のエマルションを形成する工程、
(5)水/油/水のエマルションを水性抽出相と混合して、ミクロ粒子を形成する工程、
を含む方法、
を含む。
【0177】
(000165)
この特徴を持つミクロ粒子を形成するための開示されている方法の更なる非限定的な例は、以下の工程、
(1)約10質量%〜約30質量%のラニビズマブ及び約0.1質量%〜約0.5質量%のポリ(ビニルアルコール)を含む水相を提供する工程、
(2)約20質量%のポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)共重合体の混合物を含む有機相を提供する工程であって、前記共重合体の混合物が、
(i)約65%〜約90%のD,L-ラクチド単位及び10%〜約35%のグリコリド単位を含む、約10%〜約90%の第一の共重合体、及び
(ii)約55%〜約90%のD,L-ラクチド単位及び10%〜約45%のグリコリド単位を含む、約10%〜約90%の第二の共重合体、
を含む工程、
(3)工程(1)の水相を工程(2)の有機相と混合して第一のエマルションを形成する工程、
(4)第一のエマルションを約1.5M〜約2.5Mの塩化ナトリウム及び約1.5質量%〜約2.5質量%のポリ(ビニルアルコール)を含む水性連続相と混合して水/油/水のエマルションを形成する工程、
(5)水/油/水のエマルションを水性抽出相と混合して、ミクロ粒子を形成する工程、
を含む方法、
を含む。
【0178】
(000166)
この特徴を持つミクロ粒子を形成するための開示されている方法の今また更なる非限定的な例は、以下の工程、
(1)約10質量%〜約30質量%のラニビズマブ及び約0.1質量%〜約0.5質量%のポリ(ビニルアルコール)を含む水相を提供する工程、
(2)約20質量%のポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)共重合体の混合物を含む有機相を提供する工程であって、前記共重合体の混合物が、
(i)約65%〜約90%のD,L-ラクチド単位及び10%〜約35%のグリコリド単位を含む、約10%〜約90%の第一の共重合体、及び
(ii)約55%〜約90%のD,L-ラクチド単位及び10%〜約45%のグリコリド単位を含む、約10%〜約90%の第二の共重合体、
を含む工程、
(3)工程(1)の水相を工程(2)の有機相と混合して第一のエマルションを形成する工程、
(4)第一のエマルションを約1.5M〜約2.5Mの塩化ナトリウム及び約1.5質量%〜約2.5質量%のポリ(ビニルアルコール)を含む水性連続相と混合して水/油/水のエマルションを形成する工程、
(5)水/油/水のエマルションを水性抽出相と混合して、ミクロ粒子を形成する工程、
を含む方法、
を含む。
【0179】
(000167)
ここでは、加齢黄斑変性を治療又は予防する方法が開示されている。更に、黄斑変性や、網膜浮腫及び増大した又は異常な斑点のある脈管形成を含む網膜新生血管に関連する病気、疾患、又は状態を治療するための方法が開示されている。
【0180】
(000168)
更なる特徴は、黄斑変性を治療又は予防する方法に関連し、その方法は被験者に組成物を投与することを含み、前記組成物は、
(1)ミクロ粒子であって、
(i)約1質量%〜約15質量%のラニビズマブ、及び
(ii)ポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)共重合体の混合物、
を含み、
前記共重合体の混合物が、
(a)約65%〜約90%のD,L-ラクチド単位及び10%〜約35%のグリコリド単位を含む、約10質量%〜約90質量%の第一の共重合体、及び
(b)約55%〜約90%のD,L-ラクチド単位及び10%〜約45%のグリコリド単位を含む、約10質量%〜約90質量%の第二の共重合体、
を含むミクロ粒子、及び
(2)医薬的に許容され得る担体、
を含む。
【0181】
(000169)
一つの態様では、開示されている方法は、
(1)ミクロ粒子であって、
(i)約5質量%〜約10質量%のラニビズマブ、及び
(ii)ポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)共重合体の混合物、
を含み、
前記共重合体の混合物が、
(a)約65%〜約90%のD,L-ラクチド単位及び10%〜約35%のグリコリド単位を含む、約10質量%〜約90質量%の第一の共重合体、及び
(b)約55%〜約90%のD,L-ラクチド単位及び10%〜約45%のグリコリド単位を含む、約10質量%〜約90質量%の第二の共重合体、
を含むミクロ粒子、及び
(2)医薬的に許容され得る担体、
を含む組成物を投与することに関連する。
【0182】
(000170)
この態様の一つの例は、
(1)ミクロ粒子であって、
(i)約5質量%〜約10質量%のラニビズマブ、及び
(ii)ポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)共重合体の混合物、
を含み、
前記共重合体の混合物が、
(a)約65%〜約90%のD,L-ラクチド単位及び10%〜約35%のグリコリド単位を含む、約0.4dL/g〜約0.8dL/gの固有粘度を有する約10質量%〜約90質量%の第一の共重合体、及び
(b)約55%〜約90%のD,L-ラクチド単位及び10%〜約45%のグリコリド単位を含む、約0.2dL/g〜約0.7dL/gの固有粘度を有する約10質量%〜約90質量%の第二の共重合体、
を含むミクロ粒子、及び
(2)医薬的に許容され得る担体、
を含む組成物を投与することに関連する。
【0183】
(000171)
別の態様では、前記組成物は
(1)ミクロ粒子であって、
(i)約5質量%〜約10質量%のラニビズマブ、及び
(ii)ポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)共重合体の混合物、
を含み、
前記共重合体の混合物が、
(a)85%のD,L-ラクチド単位及び15%のグリコリド単位を含む、約0.4dL/g〜約0.5dL/gの固有粘度を有する約50質量%のエステルでキャップされたポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)、及び
(b)85%のD,L-ラクチド単位及び15%のグリコリド単位を含む、約0.55dL/g〜約0.70dL/g又は約0.55dL/g〜約0.65dL/g又は約0.60dL/g〜約0.70dL/gの固有粘度を有する約50質量%の酸でキャップされたポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)、
を含むミクロ粒子、及び
(2)医薬的に許容され得る担体、
を含む。
【0184】
(000172)
更なる態様は黄斑変性を治療又は予防する方法に関連し、その方法は被験者に組成物を投与することを含み、前記組成物は、
(1)約1mg〜約500mgのミクロ粒子であって、
(i)約1質量%〜約15質量%のラニビズマブ、及び
(ii)ポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)共重合体の混合物、
を含み、
前記共重合体の混合物が、
(a)75%のD,L-ラクチド単位及び25%のグリコリド単位を含む、約0.65dL/g〜約0.75dL/gの固有粘度を有する約80質量%のエステルでキャップされたポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)、及び
(b)65%のD,L-ラクチド単位及び35%のグリコリド単位を含む、約0.35dL/g〜約0.5dL/gの固有粘度を有する約20質量%の酸ポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)、
を含むミクロ粒子、及び
(2)医薬的に許容され得る担体、
を含み、約1質量%〜約50質量%の固体を含む。
【0185】
(000173)
更なる態様は黄斑変性を治療又は予防する方法に関連し、その方法は被験者に組成物を投与することを含み、前記組成物は、
(1)約1mg〜約500mgのミクロ粒子であって、
(i)約1質量%〜約15質量%のラニビズマブ、及び
(ii)ポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)共重合体の混合物、
を含み、
前記共重合体の混合物が、
(a)85%のD,L-ラクチド単位及び15%のグリコリド単位を含む、約0.45dL/g〜約0.55dL/gの固有粘度を有する約50質量%の酸でキャップされたポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)、及び
(b)75%のD,L-ラクチド単位及び25%のグリコリド単位を含む、約0.45dL/g〜約0.60dL/g又は約0.45dL/g〜約0.55dL/g又は約0.50dL/g〜約0.60dL/gの固有粘度を有する約50質量%のエステルポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)、
を含むミクロ粒子、及び
(2)医薬的に許容され得る担体、
を含み、約1質量%〜約50質量%の固体を含む。
【0186】
(000174)
今また更なる態様は黄斑変性を治療又は予防する方法に関連し、その方法は被験者に組成物を投与することを含み、前記組成物は、
(1)約1mg〜約500mgのミクロ粒子であって、
(i)約1質量%〜約15質量%のラニビズマブ、及び
(ii)ポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)共重合体の混合物、
を含み、
前記共重合体の混合物が、
(a)75%のD,L-ラクチド単位及び25%のグリコリド単位を含む、約0.65dL/g〜約0.75dL/gの固有粘度を有する約80質量%の酸でキャップされたポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)、及び
(b)65%のD,L-ラクチド単位及び35%のグリコリド単位を含む、約0.15dL/g〜約0.25dL/gの固有粘度を有する約20質量%のエステルポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)、
を含むミクロ粒子、及び
(2)医薬的に許容され得る担体、
を含み、約1質量%〜約50質量%の固体を含む。
【0187】
(000175)
今また更なる態様は黄斑変性を治療又は予防する方法に関連し、その方法は被験者に組成物を投与することを含み、前記組成物は、
(1)約1mg〜約500mgのミクロ粒子であって、
(i)約1質量%〜約15質量%のラニビズマブ、及び
(ii)ポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)共重合体の混合物、
を含み、
前記共重合体の混合物が、
(a)75%のD,L-ラクチド単位及び25%のグリコリド単位を含む、約0.65dL/g〜約0.75dL/gの固有粘度を有する約75質量%の酸でキャップされたポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)、及び
(b)65%のD,L-ラクチド単位及び35%のグリコリド単位を含む、約0.4dL/g〜約0.5dL/gの固有粘度を有する約25質量%のエステルポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)、
を含むミクロ粒子、及び
(2)医薬的に許容され得る担体、
を含み、約1質量%〜約50質量%の固体を含む。
【0188】
(000176)
すべての主要な特徴では、開示されている方法は、ここで開示されているミクロ粒子や医薬組成物を直接目の硝子体液に眼内注射することに関連する。開示されている方法に使用される組成物は、注射ビヒクル(injection vehicle)中に懸濁された約10〜500mg、50〜400mg、50〜300mg、50〜200mg、50〜150mg、又は約100mgのミクロ粒子を有し得る。注射ビヒクルは、一つの特徴においては約1%〜約50%の固体を含み、別の特徴においては約10%〜40%の固体を含み、また別の特徴では20%〜30%の固体を含む。別の特徴においては、開示されている方法に使用される組成物は、注射ビヒクル中に懸濁された約10〜約150mgのミクロ粒子を有し得、その注射ビヒクルは約20%〜約30%の固体を含む。一つの特徴においては、組成物は投与一回につき約0.1mg〜約3mgのラニビズマブを供給し得る。別の特徴においては、組成物は一回の投与につき約0.7mg〜約1.5mgのラニビズマブを供給し得る。ここで開示されているミクロ粒子や組成物は、硝子体内への注射により、注射針、例えば25-G UTW注射針を使用した注射一回につき、通常は総量10〜150μl供給される。
【0189】
(000177)
別の特徴では、投薬量は3〜12ヶ月に一回の注射、例えば様々な特徴においては約3、6、9又は12ヶ月毎である。
【0190】
(000178)
すべての主要な特徴では、投与は被験者や患者に対するものである。一つの特定の特徴においては、被験者又は患者は哺乳類、例えば人である。
【0191】
(000179)
すべての主要な特徴では、開示されているミクロ粒子は、以下の工程、
(1)所望量のラニビズマブを水に溶解するか、そうでなければ分散して、水溶液を形成する工程、
(2)ラニビズマブ水溶液を、一以上の開示されているポリマー、共重合体、またはその混合物を含む溶媒の中に分散して、ここで分散相と言われる第一のエマルションを形成する工程、
(3)分散相を水性連続相に混ぜ合わせ、水/油/水のエマルション (水/油/水の二重エマルション(double emulsion))を形成する工程、
(4)水/油/水の二重エマルションを水性抽出相で希釈して、溶媒抽出及びマイクロカプセル化されたラニビズマブの形成を始める工程、
を含む方法によって形成され得る。
【0192】
(000180)
更なる特徴では、開示されているミクロ粒子は、以下の工程、
(1)所望量のラニビズマブを水に溶解解するか、そうでなければ分散して、水溶液を形成する工程、
(2)ラニビズマブ水溶液を、一以上の開示されているポリマー、共重合体、またはその混合物を含む溶媒の中に分散して、ここで分散相と言われる第一のエマルションを形成する工程、
(3)分散相を一以上の塩を含む水性連続相に混ぜ合わせ、水/油/水のエマルション(水/油/水の二重エマルション)を形成する工程、
(4)水/油/水の二重エマルションを水性抽出相で希釈して、溶媒抽出及びマイクロカプセル化されたラニビズマブの形成を始める工程、
を含む方法によって形成され得る。
【0193】
(000181)
すべての所望の賦形剤、例えばトレハロースやポリソルベート20やその組み合わせ、は工程(1)においてラニビズマブと共に加えられ得る。
【0194】
(000182)
工程(3)の連続相溶液は、PVAのような界面活性剤を含んでもよい。工程(3)の連続相溶液は、塩を含んでもよい。 工程(3)の連続相溶液は、連続相溶液中で飽和量に至る量の、分散相からの有機溶媒を含んでもよい。更に連続相は、連続相溶液中で飽和量に至る量の、PVAのような界面活性剤や塩、有機溶媒、又はそれらのあらゆる組み合わせを含んでもよい。
【0195】
(000183)
ミクロ粒子の壁形成材料(wall-forming material)として使用されるポリマーは、単一のホモポリマー、例えばポリ(D,L-ラクチド)、又は二以上のホモポリマー及び/又は共重合体のブレンドであり得る。二以上のポリマーが表面形成材料を含むとき、当業者に知られているあらゆる種類の方法を用いることができる。二つのポリマーのブレンドの非限定的な例は、以下の工程、
(1)所望量のポリマーを、一以上の有機溶媒を含む適切な容器に装填する工程、
(2)容器に封をし(例えば, 栓をする) 、ポリマーが完全に溶解するか分散するまで中身を攪拌する工程、
(3)保存する又は開示した方法の第一のエマルションを形成するために分散相として直接使用する工程、
を含む。
【0196】
(000184)
一つの特定の特徴では、ミクロ粒子は、
(1)約1質量%〜約15質量%のラニビズマブ、及び
(2)ポリ(D,L-ラクチド)、
を含む。
ポリ(D,L-ラクチド)は、酸やエステルを含むあらゆる所望の末端基を有し得る。ポリ(D,L-ラクチド)はまた、様々な固有粘度を示し得る。 例えば約0.40dL/g〜約0.70dL/g、例として0.40、0.45、0.50、0.55、0.60、0.65、又は0.70 dL/gである。
【0197】
(000185)
ある特徴では、開示されているミクロ粒子は、
(1)約1質量%〜約15質量%のラニビズマブ、及び
(2)ポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)共重合体、
を含む。
ポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)共重合体の非限定的な例は表Aに記載されている。
【表1−1】

【表1−2】

【0198】
(000186)
別の特定の特徴では、開示されているミクロ粒子は、
(1)約1質量%〜約15質量%のラニビズマブ、及び
(2)ポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)共重合体の混合物、
を含み、
前記共重合体の混合物が、
(i)約65%〜約90%のD,L-ラクチド単位及び10%〜約35%のグリコリド単位を含む、約10質量%〜約90質量%の第一の共重合体、及び
(ii)約55%〜約90%のD,L-ラクチド単位及び10%〜約45%のグリコリド単位を含む、約10質量%〜約90質量%の第二の共重合体、
を含む。
例えば、表Aに開示されているいかなる二以上の特定の共重合体も、あらゆる適切な割合で一緒に混合され得る。非限定的な例は表Bに記載されている。
【表2】

【0199】
(000187)
今別の特定の特徴では、ミクロ粒子は、
(1)約1質量%〜約15質量%のラニビズマブ、及び
(2)ポリマー混合物、
を含み、
前記ポリマー混合物が、
(i)約60%〜約99%のポリ(D,L-ラクチド)、及び
(ii)約1%〜約40%のポリカプロラクトン、
を含む。
表Cにはそのような混合物の非限定的な例が記載されている。
【表3】

【0200】
(000188)
ここで記載されているミクロ粒子は、約1質量%〜約15質量%のように、いかなる所望の配合量のラニビズマブも含み得る。例えば、ラニビズマブは1質量%、2質量%、3質量%、4質量%、5質量%、6質量%、7質量%、8質量%、9質量%、10質量%、11質量%、12質量%、13質量%、14質量%、又は15質量%の配合量で存在し得る。
【0201】
(000189)
一般的な特徴では、上記で議論したように、上記で開示されたいかなるミクロ粒子も、以下の工程、
(1)約10質量%〜約30質量%のラニビズマブ及び約0.1質量%〜約0.5質量%の界面活性剤を含む水相を提供する工程、
(2)有機溶媒及び約10質量%〜約30質量%のポリマー又はポリマー混合物を提供する工程、
(3)工程(1)の水相を工程(2)の有機相と混合して第一のエマルションを形成する工程、
(4)第一のエマルションを有機溶媒及び約1.5質量%〜約2.5質量%の界面活性剤を含む水性連続相と混合して、水/油/水のエマルションを形成する工程、
(5)水/油/水のエマルションを水性抽出相に混合して、ミクロ粒子を形成する工程、
を含む方法によって作られる。
【0202】
(000190)
更なる特定の特徴では、工程(1)の水相は10質量%、12質量%、13質量%、15質量%、18質量%、20質量%、22質量%、25質量%、又は30質量%のラニビズマブを含み得る。そのような水相はまた、0.1質量%、0.2質量%、0.3質量%、0.4質量%、又は0.5質量%、0.6質量%、0.7質量%、0.8質量%、0.9質量%、1.0質量%、1.1質量%、1.2質量%、1.3質量%、1.4質量%、又は1.5質量%の、ポリビニルアルコールのような界面活性剤を含み得る。そのような水相はまた、一以上の、トレハロースのような糖類、ヒスタジン等のアミノ酸のような他の添加物、ツイーンのような他の賦形剤を含み得る。そのような添加物や賦形剤は通常、ラニビズマブのためのバッファーとして用いられる。上記工程(2)は、エタノール、塩化メチレン、エチルエーテル、酢酸エチルのような様々な有機溶媒を用いて実施され得る。上記ポリマーまたはポリマー混合物は、ここで開示されているあらゆるポリマー又はポリマー混合物であり得る。上記工程(4)は、エタノール、エチルエーテル、酢酸エチルのような様々な有機溶媒を用いて実施され得る。工程(4)の水性連続相はまた、例えば塩化ナトリウムのような塩といった他の添加物を含み得る。工程(4)に適した界面活性剤の例はポリビニルアルコールであり、そのような界面活性剤は1.5質量%、2.0質量%、又は2.5質量%のような様々な割合で存在し得る。上記工程(5)は、水/油/水のエマルションと水性抽出相と混ぜ合わせたものを攪拌、ろ過し、その後抽出された粒子を乾燥して回収するといった、様々な方法を用いて実施され得る。抽出された粒子は、例えば10以下、15、20、25、30、40、50、60、70、80、90、100、110、125、又は125ミクロン以上の様々な平均粒径であり得る。一つの特徴では、20%以下の粒子が25ミクロン以下である。他の特徴では、10%以下の粒子が25ミクロン以下である。他の特徴では、5%以下の粒子が25ミクロン以下である。例えば、一つの特定の特徴では、5〜10%の粒子が25ミクロン以下であり得る。一つの特徴では、粒子は篩で回収される。一つの特徴では、回収された篩い分けられた粒子(sieve particles)は25〜125ミクロンであり得る。
【0203】
(000191)
ここで開示されているあらゆるミクロ粒子を含む様々な医薬製剤(pharmaceutical formulations)のため、粒子は約30〜約90cP、約30〜70cP、約30〜50cP、約30〜40cP、約50〜70cPといった粘度の範囲で再構築され得る。再構築は、例えば水、ツイーン、リン酸緩衝生理食塩水の混合液のような、様々な溶液を用いて実施され得る。再構築製剤はまた、ヒアルロン酸を含み得る。そのような方法は、注射可能な製剤のような、様々な医薬製剤で有用である。注射可能な製剤は、黄斑変性や糖尿病性黄斑浮腫といった、様々な病気を治療するために、目に注入され得る。
(実施例)
【0204】
(000192)
以下の実施例は、ここで開示され、主張されている化合物、組成物、物品、装置、及び/又は方法がどのように作られ、評価されるかについての完全な開示及び説明するために四つ設定されており、純粋に模範であることを意図し、発明者が自身の発明であるとみなす範囲を制限することを意図してはいない。数字(例えば、量、温度等)に対する正確さを保障するための努力はなされているが、いくつかの誤差や狂いが明らかになるだろう。そうでないと示されていない限り、一部は質量の一部、温度は℃又は室温、圧力は大気圧又はその近くである。反応条件には多数の変更態様や組み合わせがある。例えば、成分濃度、所望の溶媒、溶媒混合物、温度、圧力、そして記載されている方法から得られる生成物の純度及び収率を最適化するのに用いられ得る他の反応範囲や反応条件である。適当でありきたりの実験のみ、そのような方法条件の最適化を求められる。
【0205】
(000193)
下記は開示されている方法の非限定的な実施例である。下記の実施例で利用されているポリマーは、Lakeshore Biomaterials, Birmingham, ALから入手できる。次の記号表示が、開示されているミクロ粒子を形成するために使用されるポリマーや共重合体を説明するために、ここで使用される。
【化1】

85は第一のモノマーのモル%、15は第二のモノマーのモル%である。100%のラクチド単位を含むポリマー、すなわち、ポリ(D,L-ラクチド)、は「100DL」と表される。ここで使用されるポリマーの略記には、ポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)を表すDLG、ポリ(D,L-ラクチド)を表すDL、ポリカプロラクトンを表すCLがある。次の整数は、目的の固有粘度、IV値を表す。例えば、数字の4は0.4dL/gを表し、数字の6.5は0.65dL/gを表す。最後の文字は、ポリマーがエステル(E)又は酸(A)の末端基を有するか否かを示す。
【実施例1】
【0206】
(000194)
ミクロ粒子実施例A
8515 DLG 4.5E (8.5g)を酢酸エチル(34g)に溶解して、ポリマー溶液を準備した。生じたポリマー溶液は20質量%のポリマーを含んでいた。別の容器で、凍結乾燥ラニビズマブ(1.5g)とトレハロース(1.0g)とを、0.5質量%のポリ(ビニルアルコール)(6.8g)を含む水溶液に溶解した。ラニビズマブを含む水溶液とポリマーを含む酢酸エチル溶液とを室温で混合し、IKA Ultra Turrax T25 Basicホモジナイザーを使用してエマルション(分散相)を形成した。酢酸エチル(15.6g)と塩化ナトリウム(54g)とを2質量%のポリ(ビニルアルコール)(465g)を含む水溶液に加えて、第二の連続相溶液を準備した。この実施例で使用されるポリ(ビニルアルコール)はAmresco; Solon, OHから入手できる。SILVERSONTM L4R連続ミキサーを用いて室温で分散相エマルションを第二の連続相溶液に入れて乳状にした。得られたエマルションはすぐにおよそ2Lの脱イオン水(dionized water)の水性抽出相の入ったタンクに加え、その混合物を電磁攪拌機で攪拌した。
【0207】
(000195)
約30分の抽出時間の後、得られた懸濁液を、メッシュサイズが125ミクロンである第一の篩及びメッシュサイズが25ミクロン(RETSCHTM又はFISHERTM試験篩(test sieves))である第二の試験篩の、二つの直径20cm(8-inch)の試験篩に通した。125ミクロンの篩を通過したが25ミクロンの試験篩上に回収されたミクロ粒子生成物材料を、2Lの脱イオン水で洗浄した。この生成物を室温で最小限の気流で乾燥した。乾燥後、ミクロ粒子生成物をポリプロピレンバイアルに移し、冷凍保存した。結果を下記の表I、実施例1Aに示す。実施例1B〜Fに対応するミクロ粒子は、実施例1Aに見られるミクロ粒子と同じ方法で調製し、結果は下記の表Iに示す。
【実施例2】
【0208】
(000196)
ミクロ粒子実施例G
ポリマー溶液は、100 DL 5E (8.55 g)と100 CL 10E (0.45 g)をジクロロメタン(27 g)に溶解して準備した。得られたポリマー溶液は、25質量%のポリマーを含んでいた。別の容器で、凍結乾燥ラニビズマブ(1.0 g)とトレハロース(1.0 g)とを、0.1質量%のポリ(ビニルアルコール)(4.5 g)を含む水溶液に溶解した。ラニビズマブを含む水溶液とポリマーを含む酢酸エチル溶液とを室温で混合し、IKA Ultra Turrax T25 Basicホモジナイザーを使用してエマルション(分散相)を形成した。塩化ナトリウム(44 g)を2質量%のポリ(ビニルアルコール)(380 g)を含む水溶液に加えて、第二の連続相溶液を準備した。この実施例で使用されているポリ(ビニルアルコール)はAmresco; Solon, OHから入手できる。SILVERSONTM L4R連続ミキサーを用いて室温で分散相エマルションを第二の連続相溶液に入れて乳状にした。得られたエマルションはすぐにおよそ5Lの脱イオン水(dionized water)の水性抽出相の入ったタンクに加え、その混合物を電磁攪拌機で攪拌した。
【0209】
(000197)
約30分の抽出時間の後、得られた懸濁液を、メッシュサイズが125ミクロンである第一の篩及びメッシュサイズが20ミクロン(RETSCHTM又はFISHERTM試験篩)である第二の試験篩の、二つの直径20cm(8-inch)の試験篩に通した。125ミクロンの篩を通過したが25ミクロンの試験篩上に回収されたミクロ粒子生成物材料を、2Lの脱イオン水で洗浄した。この生成物を室温で最小限の気流で乾燥した。乾燥後、ミクロ粒子生成物をポリプロピレンバイアルに移し、冷凍保存した。結果を下記の表I、実施例2Gに示す。実施例2H〜Kに対応するミクロ粒子は、実施例2Gに従って調製した。結果は下記の表Iに含まれている。
【実施例3】
【0210】
(000198)
ミクロ粒子実施例H
ポリマー溶液は、100 DL 5E (4.5 g)をジクロロメタン(13.5 g)に溶解して準備した。得られたポリマー溶液は、25質量%のポリマーを含んでいた。別の容器で、凍結乾燥ラニビズマブ(0.5 g)とトレハロース(0.33 g)とを、0.1質量%のポリ(ビニルアルコール)(2.25 g)を含む水溶液に溶解した。ラニビズマブを含む水溶液とポリマーを含む酢酸エチル溶液とを室温で混合し、IKA Ultra Turrax T25 Basicホモジナイザーを使用してエマルション(分散相)を形成した。ジクロロメタン(7 g)を2質量%のポリ(ビニルアルコール)(314 g)を含む水溶液に加えて、第二の連続相溶液を準備した。この実施例で使用されているポリ(ビニルアルコール)はAmresco; Solon, OHから入手できる。SILVERSONTM L4R-TAプローブミキサーを45秒間用いて室温で分散相エマルションを第二の連続相溶液に入れて乳状にした。得られたエマルションはすぐにおよそ3〜4Lの脱イオン水(dionized water)の水性抽出相の入ったタンクに加え、その混合物を電磁攪拌機で攪拌した。
【0211】
(000199)
約30分の抽出時間の後、得られた懸濁液を、メッシュサイズが125ミクロンである第一の篩及びメッシュサイズが20ミクロン(RETSCHTM又はFISHERTM試験篩)である第二の試験篩の、二つの直径20cm(8-inch)の試験篩に通した。125ミクロンの篩を通過したが25ミクロンの試験篩上に回収されたミクロ粒子生成物材料を、2Lの脱イオン水で洗浄した。この生成物を室温で最小限の気流で乾燥した。乾燥後、ミクロ粒子生成物をポリプロピレンバイアルに移し、冷凍保存した。
【表4】

【実施例4】
【0212】
(000200)
開示された方法によって形成されたミクロ粒子の実施例は、ミクロ粒子に充填されたラニビズマブの量で評価した。活性の量はSEC及びIECによって評価した。結果は表IIに示す。
【表5】

【0213】
(000201)
図1は、100 mM PBS/0.5% BSA/0.05% Proclin 300、37℃におけるインンビトロでのラニビズマブマイクロ粒子の溶出プロフィールを示す。 黒三角(▲)の線は8515 DLG 4.5E及び8515 DLG 6Aのポリマー混合物、 白三角(△) の線は8515 DLG 5A及び 7525 DLG 5.5Eのポリマー混合物、 黒丸(●)の線は7525 DLG 7A及び6535 DLG 2Eのポリマー混合物、白丸(○)の線は7525 DLG 7E及び6535 DLG 4.5Aのポリマー混合物、黒四角(■) の線はコポリマー8515 DLG 7Aに対応する。
【0214】
(000202)
本開示における特定の態様を明らかにし、記載してきたが、本開示の趣旨や範囲から逸脱することなく様々な他の変化や修飾がなされ得ることは、当業者にとって明らかであろう。従って、この開示の範囲に含まれるすべてのそのような変化や修飾を、添付の特許請求の範囲において保護することが意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミクロ粒子を含む医薬組成物であって、前記ミクロ粒子が、
(1)約1質量%〜約15質量%のラニビズマブ、及び
(2)ポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)共重合体、
を含み、
前記共重合体が、
(i)約75%〜約90%のD,L-ラクチド単位、及び
(ii)約10%〜約25%のグリコリド単位、
を含むことを特徴とする医薬組成物。
【請求項2】
約10mg〜約500mgの前記ミクロ粒子を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
約50mg〜約400mgの前記ミクロ粒子を含む、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
約100mg〜約300mgの前記ミクロ粒子を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
更に医薬的に許容され得る担体を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
約10質量%〜約40質量%の固体を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
約10質量%〜約30質量%の固体を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
前記共重合体が、
(i)約85%のD,L-ラクチド単位、及び
(ii)約15%のグリコリド単位、
を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
前記共重合体が約0.2dL/g〜約0.8dL/gの固有粘度を有する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
前記共重合体が約0.3dL/g〜約0.8dL/gの固有粘度を有する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項11】
前記ミクロ粒子が約5質量%〜約10質量%のラニビズマブを含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項12】
前記ミクロ粒子が一以上の医薬的に許容され得る賦形剤を含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項13】
前記ミクロ粒子が更にトレハロースを含む、請求項1〜12のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項14】
前記ミクロ粒子が少なくとも約3ヶ月に亘ってラニビズマブを放出する、請求項1〜13のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項15】
前記ミクロ粒子が少なくとも約6ヶ月に亘ってラニビズマブを放出する、請求項1〜14のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項16】
前記ミクロ粒子の平均粒径が約40ミクロン〜約90ミクロンである、請求項1〜15のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項17】
前記ミクロ粒子の平均粒径が約50ミクロン〜約80ミクロンである、請求項1〜16のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項18】
ミクロ粒子を含む加齢黄斑変性の治療のための医薬組成物であって、前記ミクロ粒子が、
(1)約1質量%〜約15質量%のラニビズマブ、及び
(2)ポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)共重合体、
を含み、
前記共重合体が、
(i)約75%〜約90%のD,L-ラクチド単位と、
(ii)約10%〜約25%のグリコリド単位と、
を含み、
前記ミクロ粒子が、以下の工程、
(1)約1質量%〜約15質量%のラニビズマブを含む水相を提供する工程、
(2)一以上のポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)共重合体を含む有機相を提供する工程であって、前記共重合体が、
(i)約75%〜約90%のD,L-ラクチド単位と、
(ii)約10%〜約25%のグリコリド単位と、
を含む工程、
(3)工程(1)の水相を工程(2)の有機相と混合して第一のエマルションを形成する工程、
(4)第一のエマルションを水性連続相と混合して水/油/水のエマルションを形成する工程、
(5)水/油/水のエマルションを水性抽出相に混合して、ミクロ粒子を形成する工程、
を含む方法により形成されることを特徴とする医薬組成物。
【請求項19】
工程(1)の水相が約0.1質量%〜約0.5質量%のポリ(ビニルアルコール)を含む、請求項1〜18のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項20】
工程(2)の有機相が酢酸エチルを含む、請求項1〜19のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項21】
工程(2)の有機相が塩化メチレンを含む、請求項1〜20のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項22】
工程(4)の水性連続相が酢酸エチルを含む、請求項1〜21のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項23】
工程(4)の水性連続相が塩化メチレンを含む、請求項1〜22のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項24】
工程(4)の水性連続相が約1.5質量%〜約2.5質量%のポリ(ビニルアルコール)を含む、請求項1〜23のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項25】
工程(4)の水性連続相が約1.5M〜約2.5Mの塩を含む、請求項1〜24のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項26】
工程(4)の水性連続相が約1.5M〜約2.5Mの塩化ナトリウムを含む、請求項1〜25のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項27】
ミクロ粒子に対して1〜15質量%のラニビズマブと、ポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)共重合体とを含むミクロ粒子であり、前記共重合体が75質量%〜90質量%のラクチド単位と、25質量%〜10質量%のグリコリド単位とを含むことを特徴とするミクロ粒子。
【請求項28】
加齢黄斑変性を予防又は治療する方法であって、その治療を必要とする被験者に、請求項1〜27のいずれか1項に記載の組成物を適量投与することを特徴とする方法。
【請求項29】
加齢黄斑変性を予防又は治療する方法であって、その治療を必要とする被験者に、請求項1〜28のいずれか1項に記載のミクロ粒子を適量投与することを特徴とする方法。
【請求項30】
ミクロ粒子を含む医薬組成物であって、前記ミクロ粒子が、
(1)約1質量%〜約15質量%のラニビズマブ、及び
(2)ポリ(D,L-ラクチド)、
を含むことを特徴とする医薬組成物。
【請求項31】
前記ミクロ粒子を約10mg〜約500mg含む、請求項1〜30のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項32】
前記ミクロ粒子を約50mg〜約400mg含む、請求項1〜31のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項33】
前記ミクロ粒子を約100mg〜約300mg含む、請求項1〜32のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項34】
医薬的に許容され得る担体を含む、請求項1〜33のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項35】
約10質量%〜約40質量%の固体を含む、請求項1〜34のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項36】
約10質量%〜約30質量%の固体を含む、請求項1〜35のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項37】
前記ポリ(D,L-ラクチド)が約0.2dL/g〜約0.6dL/gの固有粘度を有する、請求項1〜36のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項38】
前記ポリ(D,L-ラクチド)が約0.3dL/g〜約0.5dL/gの固有粘度を有する、請求項1〜37のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項39】
約4質量%〜約8質量%のラニビズマブを含む、請求項1〜38のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項40】
前記ミクロ粒子が一以上の医薬的に許容され得る賦形剤を含む、請求項1〜39のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項41】
前記ミクロ粒子が更にトレハロースを含む、請求項1〜40のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項42】
前記ミクロ粒子が少なくとも約3ヶ月に亘ってラニビズマブを放出する、請求項1〜41のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項43】
前記ミクロ粒子が少なくとも約6ヶ月に亘ってラニビズマブを放出する、請求項1〜42のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項44】
前記ミクロ粒子の平均粒径が約40ミクロン〜約90ミクロンである、請求項1〜43のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項45】
前記ミクロ粒子の平均粒径が約50ミクロン〜約80ミクロンである、請求項1〜44のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項46】
ミクロ粒子を含む加齢黄斑変性の治療のための医薬組成物であって、前記ミクロ粒子が、
(1)約1質量%〜約15質量%のラニビズマブ、及び
(2)ポリ(D,L-ラクチド)、
を含み、
前記ミクロ粒子が、以下の工程、
(1)約1質量%〜約15質量%のラニビズマブを含む水相を提供する工程、
(2)ポリ(D,L-ラクチド)を含む有機相を提供する工程、
(3)工程(1)の水相を工程(2)の有機相と混合して第一のエマルションを形成する工程、
(4)第一のエマルションを水性連続相と混合して水/油/水のエマルションを形成する工程、
(5)水/油/水のエマルションを水性抽出相に混合して、ミクロ粒子を形成する工程、
を含む方法により形成されることを特徴とする医薬組成物。
【請求項47】
工程(1)の水相が約0.1質量%〜約0.5質量%のポリ(ビニルアルコール)を含む、請求項1〜46のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項48】
工程(2)の有機相が酢酸エチルを含む、請求項1〜47のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項49】
工程(2)の有機相が塩化メチレンを含む、請求項1〜48のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項50】
工程(4)の水性連続相が酢酸エチルを含む、請求項1〜49のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項51】
工程(4)の水性連続相が塩化メチレンを含む、請求項1〜50のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項52】
工程(4)の水性連続相が約1.5質量%〜約2.5質量%のポリ(ビニルアルコール)を含む、請求項1〜51のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項53】
工程(4)の水性連続相が約1.5M〜約2.5Mの塩を含む、請求項1〜52のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項54】
工程(4)の水性連続相が約1.5M〜約2.5Mの塩化ナトリウムを含む、請求項1〜53のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項55】
ミクロ粒子に対して1〜15質量%のラニビズマブ及びポリ(D,L-ラクチド)を含むミクロ粒子。
【請求項56】
前記ミクロ粒子の平均粒径が約40ミクロン〜約90ミクロンである、請求項1〜55のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項57】
前記ミクロ粒子の平均粒径が約50ミクロン〜約80ミクロンである、請求項1〜56のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項58】
加齢黄斑変性を予防又は治療する方法であって、その治療を必要とする被験者に、請求項1〜57のいずれか1項に記載の組成物を適量投与することを特徴とする方法。
【請求項59】
加齢黄斑変性を予防又は治療する方法であって、その治療を必要とする被験者に、請求項1〜58のいずれか1項に記載のミクロ粒子を適量投与することを特徴とする方法。
【請求項60】
ミクロ粒子を含む医薬組成物であって、前記ミクロ粒子が、
(1)約1質量%〜約15質量%のラニビズマブ、及び
(2)ポリマー混合物、
を含み、
前記ポリマー混合物が、
(i)約60%〜約99%のポリ(D,L-ラクチド)、及び
(ii)約1%〜約40%のポリカプロラクトン、
を含むことを特徴とする医薬組成物。
【請求項61】
前記ミクロ粒子を約10mg〜約500mg含む、請求項1〜60のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項62】
前記ミクロ粒子を約50mg〜約400mg含む、請求項1〜61のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項63】
前記ミクロ粒子を約100mg〜約300mg含む、請求項1〜62のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項64】
医薬的に許容され得る担体を含む、請求項1〜63のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項65】
約10質量%〜約40質量%の固体を含む、請求項1〜64のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項66】
約10質量%〜約30質量%の固体を含む、請求項1〜65のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項67】
前記ミクロ粒子の平均粒径が約40ミクロン〜約90ミクロンである、請求項1〜66のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項68】
前記ミクロ粒子の平均粒径が約50ミクロン〜約80ミクロンである、請求項1〜67のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項69】
前記ポリマー混合物が、
(i)約95%のポリ(D,L-ラクチド)、及び
(ii)約5%のポリラクトカプトン、
を含む、請求項1〜68のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項70】
前記ポリ(D,L-ラクチド)が約0.3dL/g〜約0.6dL/gの固有粘度を有する、請求項1〜69のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項71】
前記ポリカプロラクトンが約0.8dL/g〜約1.2dL/gの固有粘度を有する、請求項1〜70のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項72】
約5質量%〜約10質量%のラニビズマブを含む、請求項1〜71のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項73】
前記ミクロ粒子が一以上の医薬的に許容され得る賦形剤を含む、請求項1〜72のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項74】
前記ミクロ粒子がトレハロースを含む、請求項1〜73のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項75】
前記ミクロ粒子が少なくとも約3ヶ月に亘ってラニビズマブを放出する、請求項1〜74のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項76】
前記ミクロ粒子が少なくとも約6ヶ月に亘ってラニビズマブを放出する、請求項1〜75のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項77】
ミクロ粒子を含む加齢黄斑変性の治療のための医薬組成物であって、前記ミクロ粒子が、
(1)約1質量%〜約15質量%のラニビズマブ、及び
(2)ポリマー混合物、
を含み、
前記ポリマー混合物が、
(i)約60%〜約99%のポリ(D,L-ラクチド)、及び
(ii)約1%〜約40%のポリカプロラクトン、
を含み、
前記ミクロ粒子が、以下の工程、
(1)約1質量%〜約15質量%のラニビズマブを含む水相を提供する工程、
(2)ポリマー混合物を含む有機相を提供する工程であって、前記ポリマー混合物が、
(i)約60%〜約99%のポリ(D,L-ラクチド)、及び
(ii)約1%〜約40%のポリカプロラクトン、
を含む工程、
(3)工程(1)の水相を工程(2)の有機相と混合して第一のエマルションを形成する工程、
(4)第一のエマルションを水性連続相と混合して水/油/水のエマルションを形成する工程、
(5)水/油/水のエマルションを水性抽出相に混合して、ミクロ粒子を形成する工程、
を含む方法により形成されることを特徴とする医薬組成物。
【請求項78】
工程(1)の水相が約0.1質量%〜約0.5質量%のポリ(ビニルアルコール)を含む、請求項1〜77のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項79】
工程(2)の有機相が酢酸エチルを含む、請求項1〜78のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項80】
工程(2)の有機相が塩化メチレンを含む、請求項1〜79のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項81】
工程(4)の水性連続相が酢酸エチルを含む、請求項1〜80のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項82】
工程(4)の水性連続相が塩化メチレンを含む、請求項1〜81のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項83】
工程(4)の水性連続相が約1.5質量%〜約2.5質量%のポリ(ビニルアルコール)を含む、請求項1〜82のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項84】
工程(4)の水性連続相が約1.5M〜約2.5Mの塩を含む、請求項1〜83のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項85】
工程(4)の水性連続相が約1.5M〜約2.5Mの塩化ナトリウムを含む、請求項1〜84のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項86】
ミクロ粒子に対して1〜15質量%のラニビズマブと、ポリマー混合物とを含むミクロ粒子であって、前記ポリマー混合物が約60%〜約99%のポリ(D,L-ラクチド)と、約1%〜約40%のポリカプロラクトンとを含むことを特徴とするミクロ粒子。
【請求項87】
加齢黄斑変性を予防又は治療する方法であって、その治療を必要とする被験者に、請求項1〜86のいずれか1項に記載の組成物を適量投与することを特徴とする方法。
【請求項88】
加齢黄斑変性を予防又は治療する方法であって、その治療を必要とする被験者に、請求項1〜87のいずれか1項に記載のミクロ粒子を適量投与することを特徴とする方法。
【請求項89】
ミクロ粒子を含む医薬組成物であって、前記ミクロ粒子が、
(1)約1質量%〜約15質量%のラニビズマブ、及び
(2)ポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)共重合体の混合物、
を含み、
前記共重合体の混合物が、
(i)約65%〜約90%のD,L-ラクチド単位及び10%〜約35%のグリコリド単位を含む、約10質量%〜約90質量%の第一の共重合体、及び
(ii)約55%〜約90%のD,L-ラクチド単位及び10%〜約45%のグリコリド単位を含む、約10質量%〜約90質量%の第二の共重合体、
を含むことを特徴とする医薬組成物。
【請求項90】
前記ミクロ粒子を約10mg〜約500mg含む、請求項1〜89のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項91】
前記ミクロ粒子を約50mg〜約400mg含む、請求項1〜90のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項92】
前記ミクロ粒子を約100mg〜約300mg含む、請求項1〜91のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項93】
医薬的に許容され得る担体を含む、請求項1〜92のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項94】
約10質量%〜約40質量%の固体を含む、請求項1〜93のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項95】
約10質量%〜約30質量%の固体を含む、請求項1〜94のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項96】
前記第一の共重合体が、
(i)約75%〜約85%のD,L-ラクチド単位、及び
(ii)約15%〜約25%のグリコリド単位、
を含み、
前記第二の共重合体が、
(i)約65%〜約85%のD,L-ラクチド単位、及び
(ii)約15%〜約35%のグリコリド単位、
を含む、請求項1〜95のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項97】
前記共重合体の混合物に対して、前記第一の共重合体が約45質量%〜約80質量%、前記第二の共重合体が約20質量%〜約55質量%である、請求項1〜96のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項98】
前記共重合体の混合物が約0.2dL/g〜約0.8dL/gの固有粘度を有する、請求項1〜97のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項99】
前記共重合体の混合物が約0.3dL/g〜約0.8dL/gの固有粘度を有する、請求項1〜98のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項100】
前記ミクロ粒子の平均粒径が約40ミクロン〜約90ミクロンである、請求項1〜99のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項101】
前記ミクロ粒子の平均粒径が約50ミクロン〜約80ミクロンである、請求項1〜100のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項102】
前記ミクロ粒子が約7質量%〜約10質量%のラニビズマブを含む、請求項1〜101のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項103】
前記ミクロ粒子が一以上の医薬的に許容され得る賦形剤を含む、請求項1〜102のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項104】
前記ミクロ粒子がトレハロースを含む、請求項1〜103のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項105】
前記ミクロ粒子が少なくとも約3ヶ月に亘ってラニビズマブを放出する、請求項1〜104のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項106】
前記ミクロ粒子が少なくとも約6ヶ月に亘ってラニビズマブを放出する、請求項1〜105のいずれか1項に記載の組成物
【請求項107】
ミクロ粒子を含む加齢黄斑変性の治療のための医薬組成物であって、前記ミクロ粒子が、
(1)約1質量%〜約15質量%のラニビズマブ、及び
(2)ポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)共重合体の混合物、
を含み、
前記共重合体の混合物が、
(i)約65%〜約90%のD,L-ラクチド単位及び10%〜約35%のグリコリド単位を含む、約10%〜約90%の第一の共重合体、及び
(ii)約55%〜約90%のD,L-ラクチド単位及び10%〜約45%のグリコリド単位を含む、約10〜90%の第二の共重合体、
を含み、
前記ミクロ粒子が、以下の工程、
(1)約1質量%〜約15質量%のラニビズマブを含む水相を提供する工程、
(2)ポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)共重合体の混合物を含む有機相を提供する工程であって、前記共重合体の混合物が、
(i)約65%〜約90%のD,L-ラクチド単位及び10%〜約35%のグリコリド単位を含む、約10%〜約90%の第一の共重合体、及び
(ii)約55%〜約90%のD,L-ラクチド単位及び10%〜約45%のグリコリド単位を含む、約10質量%〜約90質量%の第二の共重合体、
を含む工程、
(3)工程(1)の水相を工程(2)の有機相と混合して第一のエマルションを形成する工程、
(4)第一のエマルションを水性連続相と混合して水/油/水のエマルションを形成する工程、
(5)水/油/水のエマルションを水性抽出相に混合して、ミクロ粒子を形成する工程、
を含む方法により形成されることを特徴とする医薬組成物。
【請求項108】
工程(1)の水相が約0.1質量%〜約0.5質量%のポリ(ビニルアルコール)を含む、請求項1〜107のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項109】
工程(2)の有機相が酢酸エチルを含む、請求項1〜108のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項110】
工程(2)の有機相が塩化メチレンを含む、請求項1〜109のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項111】
工程(4)の水性連続相が酢酸エチルを含む、請求項1〜110のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項112】
工程(4)の水性連続相が塩化メチレンを含む、請求項1〜111のいずれか1項に記載の組成物
【請求項113】
工程(4)の水性連続相が約1.5質量%〜約2.5質量%のポリ(ビニルアルコール)を含む、請求項1〜112のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項114】
工程(4)の水性連続相が約1.5M〜約2.5Mの塩を含む、請求項1〜113のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項115】
工程(4)の水性連続相が約1.5M〜約2.5Mの塩化ナトリウムを含む、請求項1〜114のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項116】
ミクロ粒子に対して1〜15質量%のラニビズマブ及びポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)共重合体の混合物を含むミクロ粒子であって、
前記共重合体の混合物が、
(1)約65%〜約90%のD,L-ラクチド単位及び10%〜約35%のグリコリド単位を含む、約10%〜約90%の第一の共重合体、及び
(2)約55%〜約90%のD,L-ラクチド単位及び10%〜約45%のグリコリド単位を含む、約10質量%〜約90質量%の第二の共重合体、
を含むことを特徴とするミクロ粒子。
【請求項117】
加齢黄斑変性を予防又は治療する方法であって、その治療を必要とする被験者に、請求項1〜116のいずれか1項に記載の組成物を適量投与することを特徴とする方法。
【請求項118】
加齢黄斑変性を予防又は治療する方法であって、その治療を必要とする被験者に、請求項1〜117のいずれか1項に記載のミクロ粒子を適量投与することを特徴とする方法。

【図1】
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【公表番号】特表2013−506693(P2013−506693A)
【公表日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−532347(P2012−532347)
【出願日】平成22年10月1日(2010.10.1)
【国際出願番号】PCT/US2010/051068
【国際公開番号】WO2011/041642
【国際公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【出願人】(512069658)エボニック デグサ コーポレイション (9)
【Fターム(参考)】