説明

効率的なマイクロ流体デバイス

複数のマイクロチャネル構造より成り、そして、それは:A)無許可なアクセスに対する制限手段を持って書き込み可能であり;ならびに/またはB):a):(i)使用される(非冗長構造)および/もしくは使用されない(冗長構造)マイクロチャネル構造、ならびに/または(ii)承認されたおよび/もしくは承認されていないマイクロチャネル構造、の位置に関する情報、ならびに/またはb)マイクロチャネル構造のマクロワールドとインタフェースする位置に関する情報、ならびに/またはc)マイクロチャネル構造に許容されるプロセスプロトコルに関する補足情報を含むメモリーを含むことを特徴とする、マイクロ流体デバイス。好ましくは、それが、冗長および/もしくは非冗長マイクロチャネル構造を与える情報と組合せて、50%である冗長性を持つ複数のマイクロチャネル構造を含むことを特徴とする、マイクロ流体デバイス。無許可の使用に制限を有する書き込み可能なメモリーを含むマイクロ流体デバイス。好ましい変形において、メモリーは書き込み可能でありそしてその中でデバイスが使用されかつ処理されるシステムにより書き込みにアクセス可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メモリーを含むマイクロ流体デバイス(microfluidic device)に関する。
マイクロ流体デバイスは、それぞれが、例えば、分析および/もしくは分取の目的のために、一つもしくはそれ以上の液体アリコートの処理を行うことを意図する、複数のマイクロチャネル構造を含む。これらのアリコートは、一つもしくはそれ以上のマイクロチャネル構造のそれぞれの一つもしくはそれ以上の注入口に分注され、その構造の中で、アリコートは次いで、予め決められた位置に存在する下部構造に輸送されそして処理される。典型的な下部構造は、注入口、反応マイクロ孔、攪拌マイクロ孔、検出マイクロ孔(しばしば透明もしくは外気に開く)、排出口等である。注入口および排出口は、液体の導入もしくは排出のためにおよび/または外気の注入もしくは外気への排出(通気孔)のために用いられる。
【0002】
マイクロ流体デバイスは典型的に、処理の間にデバイスを取り扱うための機器、ならびにこの取り扱いおよび処理を制御するための適切なコンピュータおよびソフトウェアを含むシステムでの使用を意図する。ソフトウェアおよび/もしくは付随するコンピュータは典型的に、機器に物理的に設置されるが、また機器に連絡が取れておれば遠隔にあり得る。ソフトウェアの特定の部分は、マイクロ流体デバイス上に設置され得る。
【0003】
用語“専用の”とは、流体デバイス、機器および/もしくはソフトウェアが一緒に、好ましくは同じシステムの中で、使用され得ることを意味する。用語“ソフトウェア”は、論理およびメモリーの両方を含む。
【背景技術】
【0004】
WO 97 21090(Gamera Bioscience)は、中でも、その中でデバイスが、デバイスの回転速度、持続時間、もしくは方向性を制御するための電磁的に読み取り可能な命令セットを含むメモリーを含む上記の種類のシステムを記載する(請求項1)。テキストは、他の種類のオンボード情報およびメモリーを与える。メモリーは、読み取り専用メモリーもしくは読み出し書き込みメモリーであり得る。ディスクおよび対応する機器との間の通信は種々の手段による。
US 6,030,581(Burstein Laboratories)もまた参照されたい。
【0005】
WO 9957310(Biochip Technologies)は、その中に構造に沿って置かれた多数のマトリックススポットがあり得る一つのマイクロチャネル構造を有する、マイクロ液体バイオチップを記載する。スポットのそれぞれは、特別な試薬を保有する。同じ試薬/マトリックス組成を有するスポットは冗長(redundant)であると言われ、そして得られた結果の信頼性を増加するために並列に使用される。特定の種類の利用者関連の情報は、メモリー中のバイオチップ上に保存される。
【0006】
WO 02059625(Weigl等)は、a)デバイス上の特異的な機能を制御するための超小型電子チップおよびb)デバイス上で電気的成分を運転するための電力に次いで変換される無線エネルギーを受け取るアンテナを備える、マイクロ流体デバイスを記載する。チップの特異的な機能は、デバイスの識別、外部の読み出し装置への計算情報、化学的なもしくは工学的なパラメータの測定および製造パラメータ(例えば、チャネル深度、光学的ウインドウ伝送)を提供することを含む。
【0007】
US 6,495,104(Caliper Technologies)は、デバイスの本体構造の中に組み立てられ、デバイスの機能性の指示(使用もしくは不使用を含んで)を提供し、そして電気的な、機械的な、光学的なおよび/もしくは化学的な指示エレメントの中から選択される指示エレメントを備える、マイクロ流体デバイスを記載する。
【0008】
本発明の占有権所有者は見出し“技術分野”の下で定義される種類のシステムを開発しつつある。これらのシステムは、個別のマイクロ流体デバイスにおよび/もしくは特別な使用者/顧客に適合させたプロセスプロトコル(方法)をデザインすることを可能にするソフトウェアを含むであろう。同時継続出願のPCT/SE02/01606およびUS 09/953,155を参照されたい。
【0009】
PCT/SE02/02431(Gyros AB)は、複数のマイクロチャネル構造を含むマイクロ流体デバイス中で機能的マイクロチャネル構造の百分率を増加させるであろう、製造プロセスに関する。
【発明の開示】
【0010】
<発明が解決しようとする課題>
マイクロ流体デバイス中のマイクロチャネル構造の物理的なおよび化学的な特色のチャネル内変動は、得られる結果の良好な再現性および信頼性を促進するために微小でなければならない。変動は、a)マイクロチャネル構造の組み立てそれ自体、b)組み立て後の工程における化学的なおよび物理的な修飾、c)使用者による不適当な取り扱い等から起こる。
【0011】
典型的には、製造[項目a)およびb)]は、大多数の工程より成り、それらのそれぞれが大抵の場合には100%以下である特定の収率を有する。これは、その中で全てのマイクロチャネル構造が事前設定の品質基準を満たすマイクロ流体デバイスを高い全収率で管理することは困難であろうことを意味する。許容されていない構造は、デバイスの中に無作為に現れるだろうが、これはそれらの数ならびに位置がマイクロ流体デバイスの間で変わるであろうことを意味する。許容されていない構造の存在は、最少化されるべき不利点であろう。許容されていないマイクロチャネル構造を含むマイクロ流体デバイスを販売から取り除くことにより、製造プロセスにおける収率は容易には許容されないであろう。他方において、許容されていないマイクロチャネル構造を含むマイクロ流体デバイスを顧客に提供することは、製造業者‐顧客の見地からマイナスになるであろう。許容されたおよび許容されていないマイクロチャネル構造の両方を含むデバイスの中で、顧客が許容されていないマイクロチャネル構造を使用することを阻止するための、簡単でかつ効果的な方式は、有益であろう。
【0012】
外部の検出手段、分注手段等を高精度でデバイス上に受信構造と共に並べることは重要である。下で議論されるように、製造プロセスが、注入口、検出ウインドウ等の位置化における許容されないデバイス内の変動を引き起こし得る顕著な危険性がある。もしデバイスに特異的な訂正情報を個別のデバイスに取り付けることができたら、有益であろう。
【0013】
もしマイクロ流体デバイスが、システムの随所に割り当てられるソフトウェアにより提供されるプロセスプロトコルを補足するためにデバイスに特異的な処理変数を含むならば、有益であろう。
【0014】
<発明の目的>
第一の目的は、許容されたマイクロ流体デバイスの生産収率を増加させることである。
第二の目的は、使用されるマイクロ流体デバイスもしくはマイクロチャネル構造の数に関して特定のプロトコルの成功的走行の収率を増加させることである。
【0015】
第三の目的は、冗長なマイクロチャネル構造、即ち、使用されるように意図されないでしかもデバイスの他のマイクロチャネル構造と原理的に同じである一つもしくはそれ以上のマイクロチャネル構造、を含むマイクロ流体デバイスを提供することである。
第四の目的は、悪い結果等に至り得るマイクロ流体デバイスの非効率的な使用を制限することである。
【0016】
<発明>
本発明者らは、第一の革新的な態様におけるこれらの目的は、もしもマイクロ流体デバイスのメモリーが、
A)無許可なアクセスおよび/もしくは使用に対する制限手段を持って書き込み可能であり、ならびに/または
B)a)(i)使用される(非冗長構造)および/もしくは使用されない(冗長構造)マイクロチャネル構造、ならびに/または
(ii)承認された(許容できる)および/もしくは承認されていない(許容できない)マイクロチャネル構造、
の位置に関する情報、ならびに/または
b)マイクロチャネル構造のマクロワールドとインタフェースする位置に関する情報、ならびに/または
c)マイクロチャネル構造に許容されるプロセスプロトコルに関する補足情報を含むならば、達成され得ることを今や認識している。
【0017】
マイクロチャネル構造の表現“部位および/もしくは位置についての情報”は:マイクロ流体デバイスの液体注入口への分注、検出マイクロ孔の中の検出等を可能にする位置座標を含む。
【0018】
本発明の文脈における用語“冗長マイクロチャネル構造”とは、使用されるべきでない過剰の構造を意味する。これは、使用されるべく意図的に置かれている、WO 9957310(Biochip Technologies)の冗長スポットとは反対である。
【0019】
<図面>
図1は、100個のマイクロチャネル構造(12)および四角形状の無線周波識別(13)(RFIDもしくはトランスポンダー)を持つ円形のマイクロ流体デバイス(11)を図示する。それぞれのマイクロチャネル構造は、試料注入口(14)および試料排出口(15)ならびにそれらの間にこの場合ではnL−カラムである反応マイクロ孔(16)を有する。また、注入口(17)があり、それらのそれぞれは10個のマイクロチャネル構造に共有である。デバイスは4個の冗長構造を有する。かくして、示されたデバイスは、従来のマイクロタイタープレートにおける試料の数に相当する、最高96個の試料を意図する。示されたデバイスは、対称軸(18、スピニング軸)およびホームマーク(19)を有する。
図2は、環状形状のトランスポンダー(23)を持つ同じマイクロ流体デバイスを図示する。
【0020】
<メモリー>
メモリーは、また書き込み可能の排除無しで読み取り可能である。異なる種類のメモリー、例えば、読み取り専用メモリー(ROM)、読み出し書き込みメモリー(RAM)が、この分野では良く知られている。両方の用語は本発明の文脈において一般名で使用される。
【0021】
メモリーは、放射(レーザー光等を含んで)、電流等により読み取り可能になり得る。同じ手段が読み取りと書き込みの両方に必ずしも使用されなくてもよい、例えば、電流により読み取り可能なメモリーは、典型的にまた電流により書き込み可能であり、そして光学手段により読み取り可能なメモリーは、同じ種類の光学手段により典型的には書き込み可能でない。
【0022】
放射により読み取り可能であるメモリーは、光学メモリーと名づけられて、機械的であり得る。バーコードおよび従来のCDは、光学メモリーの例である。
電流により読み取り可能であるメモリーは電子メモリーの例である。
【0023】
デバイスおよび専用機器の間の通信は、もしメモリーおよび通信手段がメモリーから専用機器へのそして、もしメモリーがまた書き込み可能であるならば、逆に、情報の正確でかつ安全な転送に対してお互いに適応されるならば、原理的には任意の手段により得る。
【0024】
機器およびディスクのメモリーの間の通信手段は、レーザー光、赤外光、無線波、電磁波等、電流のような電磁手段等により例示される。典型的には、使用される手段は、デバイス上でおよび/もしくは機器上で送受信器を利用する。
【0025】
特定の変形において、通信に使用される手段は、デバイスのメモリーから情報を直接に収集してそれを機器に伝達することができる。それらの変形においては、デバイス上の送受信器は、メモリーの不可欠の部分、例えば、レーザー読み取り可能メモリーである。
【0026】
他の変形においては、通信手段は、デバイス上のマイクロプロセッサにより、メモリーから情報を収集するために用いられ得るシグナルへ変換されねばならない。収集された情報を持つこのシグナルは、次いで、通信に使用されるシグナルへ再変換されて、機器に送り返される。典型的な場合は、機器上の送信器から無線波を使用することである。無線波はアンテナを介して受信されて、デバイス上のマイクロプロセッサ中で電流に変換されて、それは次いでメモリーから情報を収集する。デバイス上のマイクロプロセッサによるシグナルの再変換の後、シグナルは機器上の受信器に返されて、そこでさらに処理される。同様に、情報は、例えば、個別のマイクロチャネル構造もしくは完全なデバイスを阻止するために、機器からデバイス上のメモリーへ転送され得る。メモリーを含むチップ、アンテナおよびマイクロプロセッサは、無線周波識別(RFID)もしくはトランスポンダーと呼ばれる。これらの変形において、デバイス上の送受信器はメモリーから識別可能である。
【0027】
本発明では、書き込み可能なメモリーは、メモリー中で無許可な書き込みを防止する(即ち、許可された書き込みを独占して許容する)制限を典型的に含む。この制限は、コードの形式でもしくはメモリーの中で、無許可な個人が変更することを困難にする何か他の手段であり得る。典型的なそのような手段は、情報それ自体および/もしくはメモリー中の種々のタイプの情報の位置が暗号化されることである。許可された使用は、デバイスが属するシステムによるかまたはシステムの製造業者もしくはその代理人に典型的による。無許可な使用は顧客によるものであり得る。異なる個人がメモリーの異なる部分を使用することに許可され得る。システム、製造業者もしくはその代理人および使用者が個人の例である。
マイクロ流体デバイス上のメモリーの部位は、下の見出し“マイクロ流体デバイス”の下で議論される。
【0028】
<メモリーの革新的な内容>
承認された/承認されていないおよび非冗長/冗長構造
本発明のこの副態様は、マイクロ流体デバイス上のマイクロチャネル構造が、意図する種類のプロセスプロトコルで使用されるときに、その構造が如何に作用するかに基づく事前設定品質基準に関連して分類されることを意味する。典型的には、ただ二つの類別が必要である:許容できる=承認された、および許容できない=承認されていない。次いで、構造は二つのグループ:a)使用されるように意図された構造(非冗長)、およびb)使用されないように意図された構造(冗長)、に分けられる。非冗長グループは、予め決められた数の承認されているマイクロチャネル構造を含み、承認されていないマイクロチャネル構造を全く含まない。冗長グループは、承認されていないマイクロチャネル構造プラス任意の残存する承認されているマイクロチャネル構造を含む。ここでいう予め決められた数は、マイクロ流体デバイスの生産の望ましい収率およびこの収率が対応するデバイス当りの承認されたマイクロチャネル構造の最低比率になかんずく依存する。冗長グループにおける承認されていないマイクロチャネル構造の数は、かくして特別な種類のデバイスについて皆無および全部の間で変わり得る。
【0029】
別の変形において、冗長マイクロチャネル構造は、常に承認されていない構造である、即ち、冗長構造の割当は、同じ種類のデバイスの間で変わりそして特別なデバイスの製造の成果に依存する。その中で承認されていない構造/冗長構造の比率が一定である同様な変形がまた想定され得る。
【0030】
冗長性は、冗長なマイクロチャネル構造の数およびデバイスのマイクロチャネル構造の全数の間の比率である。目標は、革新的な液体マイクロ流体デバイスにおいては0%もしくはできるだけ0%に近い百分率で、例えば、20%もしくは10%もしくは5%もしくは1%のように50%で、冗長性を有することである。同じ範囲は、承認されていない構造の百分率は冗長性でなければならないという条件で、承認されていない構造の百分率比率に適用される。
【0031】
0%の冗長性とは、全てのマイクロチャネル構造が特別な種類のプロトコルに使用されるべきであることを意味する。別の用語は、関与するマイクロチャネル構造について冗長性の欠如である。
【0032】
システムのソフトウェアの適切なデザインにより、許容できない構造および/もしくは冗長構造は、メモリーを適切に表示することにより使用を阻止し得る。製造業者は典型的に、この阻止を作成しそしてまた、例えば、上で議論したように、セキュリティコードおよび/もしくはセキュリティチェックならびに/または暗号化を挿入することにより、阻止されたマイクロチャネル構造を開くことを無許可の個人により克服されるべきでない制限手段を挿入し得る。これに代えて、使用者は、冗長および/もしくは承認されていない構造を使用しないかもしくは阻止するシステムによりまたはマニュアルにより教示される。
【0033】
デバイスが二つもしくはそれ以上の種類のマイクロチャネル構造より成り、そしてそれぞれの種類が特別なタイプのプロセスプロトコルを意図する場合には、非冗長/冗長および/もしくは承認された/承認されていない構造への上の分類は特別な種類のプロセスプロトコルに連結され得る。
【0034】
<マイクロチャネル構造のマクロワールドとインタフェースするために使用される位置>
マクロワールドは、マイクロチャネル構造/デバイスの外側にある。
マイクロチャネル構造およびマクロワールドの間のインタフェースは、デバイス上のインタフェースする位置についての情報を必要とする。典型的なインタフェース操作は、注入口への分注、検出区域を介する検出、コネクタを介する電流の連結、加熱ウインドウを介する放射による加熱等である。
【0035】
インタフェース操作に使用される位置は、デバイス内で一つ、二つもしくはそれ以上の参照ポイントもしくはマークに対する座標として、例えば、通常のx;y−座標としてもしくは放射状および角状座標として、典型的に与えられる。後者の変形は、参照ポイント(マーク)がスピン軸、例えば、ディスクの中心(スピニング軸とディスクとの交差点)およびディスクのスピニング/回転部分上のホームマーク、であってスピン可能でもしくは回転可能であるディスク様デバイスに典型的に適用される。ホームマークは好ましくは、ディスクの周辺でもしくは近接して関連付けられる。
【0036】
主として、二種類の位置情報:
i)同じ種類のデバイスに共通である基本的な位置情報、および
ii)同じ種類のデバイスの間での変動を反映する他の位置情報、
がある。この文脈における用語“種類”とは、マイクロチャネル構造の数、デザインおよび/もしくは配置が個別のマイクロ流体デバイスにおいて本質的に同一であることを元来意味する。
【0037】
基本的な位置情報(タイプ(i)):この情報は、一般的な性格を持ちそしてバッチに関係なく特定の種類の全てのデバイスに典型的に関する。それは、デバイスの外部にあるメモリー中に典型的に含まれるが、またデバイス上のメモリー中に含まれ得る。
【0038】
他の位置情報(タイプ(ii)):この種類の情報とは、製造の間に創造される位置座標における変動を元来指す。情報は個別のデバイスに多少とも特異的であって、それ故に好ましくは、個別のデバイス上のメモリーへ位置している。
【0039】
製造プロセスの間に創造される位置座標における変動は、その中でマイクロチャネル構造が組み立てられる材料の容積の変化に依存し得る。それはまた、デバイス上に参照マークを置く際の不確実性に依存する。
【0040】
タイプ(ii)情報に関連する特別な問題が、一つ、二つもしくはそれ以上の参照マーク構造と一緒にマイクロチャネル構造を、種々の構造の反転を含むマスタマトリックスからの複製により基質中で組み立てるときに、起こり得る。反転のマイクロチャネル構造の位置は、マスタマトリックスにおける反転参照マークに対して典型的には良く定義される。しかしながら、距離および容積における邪魔する変動が複製プロセスの間に生成され得ること、およびこれらの変動は、レプリカにおける材料等を含んで使用されるプロセス変数に依存することが判ってきている。この種の変動は、典型的な距離の変化がマスタマトリックスに比較しての収縮である、プラスチックにおけるレプリカについて何回も報告されている。この変化は、“材料因子”と、もしくは、収縮のみが関与するときには、“収縮因子”と呼ばれる。この因子は、容積における百分率変化として表され得る。位置を規定するために放射状および角状座標を利用してスピニング/回転を意図するデバイスについては、材料因子は放射状座標に元来影響するであろう。
【0041】
先行の節に記載された問題に関して、本発明の一つの変形は、デバイス上のメモリーがデバイスの外側のメモリー中に置かれた基本的な位置情報を持つ材料因子を含むことである。もう一つの変形は、材料因子に対して取られた適切な考慮に適応する基本的な位置情報がデバイス上のメモリー中に置かれることである。これらの変形における基本的な位置情報とは、マスタマトリックス中のもしくはマスタマトリックスを製造するために使用されるマスタの中で対応する構造に対する位置座標を指し得る。
先行の節で与えられた変形は、透明な材料中で作られるデバイスに特に有用であり得る。
【0042】
もう一つの問題は、参照マーク(ホームマーク)をマイクロチャネル構造が導入された後で加えるときに、起こり得る。この場合には、デバイス上の参照マークの位置付けにおける不確実性がデバイスの間の顕著な変動に反映され得る。これは、原理的にそれぞれのデバイスにおけるメモリーは、参照マークの基本的位置座標(複数を含む)(=数個のデバイスに共通なタイプ(i)情報)からの実際の偏差(タイプ(ii))を与えられる必要があること、を意味する。これは、多数の方式:a)デバイス上のメモリー中に基本的位置座標および偏差を置くこと、b)デバイス上のメモリー中に偏差をおよびシステム等の中の随所でメモリー中に基本的位置座標(複数を含む)を置くこと、で達成される。
先行の変形は、不透明な材料中で作られるデバイスに特に有用であり得る。
【0043】
位置付けについての問題はまた、組み立て後の処理に関連し得る、例えば、デバイスの使用に必要な材料の導入は、十分な精度でマイクロチャネル構造の中に位置付けされないかもしれない。典型的な場合は、粒子の充填床としてもしくはモノリスとしての分離材料の導入である。デバイスの内ならびに間に床長の変動がしばしばあるであろう。この場合には、それぞれの個別のマイクロチャネル構造について床の延長を規定する長さおよび/もしくは位置座標のような情報は、デバイス上のメモリーの適切な部位に加えられる。正確な床延長は、もし分子実体が床の中で直接に測定されるならば、重要であり得る。情報はまた、先行の節で議論されたように、デバイスに外部的であり得る。
【0044】
<使用者関連情報>
この種類の情報は、使用者により実施される行為に元来関係し、それ故にその中で使用者もしくはシステムが製造業者により挿入された情報を修飾できる書き込み可能なメモリーを必要とする。典型的なそのような情報は、デバイスのためにおよび/もしくは個別のマイクロチャネル構造のために使用されない/使用されるものである。他の使用者関連情報は、推奨された使用期限の内/外を含む。同様な機能が、製造業者が有害とみなす他の種類の行為に関して挿入され得る。もう一つの種類の使用者関連情報は、デバイス上のメモリーが、デバイスの内および/もしくは個別のマイクロチャネル構造の内で実施されている異なるプロセス工程についての情報を保存するためのスペース、を有することである。
【0045】
使用者によりおよび/もしくはシステムにより添加される情報は、デバイスおよび/もしくは個別のマイクロチャネル構造の使用/再使用を制限し得るかまたはし得ない。典型的には、阻止は、無許可の個人が関係するデバイスおよび/もしくはマイクロチャネル構造を再オープンして使用するには困難を伴う(セキュリティコード)。再オープンでの困難性は、システムにより作られた阻止に元来指定される。
【0046】
<マイクロチャネル構造に許容されるプロセスに関する補助的情報>
この種類の情報は、注入口に分注される液体アリコートの容積、液体の流速(例えば、もしデバイスが回転可能ならば、スピニング速度および時間)、温度、試薬、特別な工程についてインキュベーション時間、検出原理、洗浄液、コンディショニング条件等のようなプロセス変数に関する。情報は、変数の特別値をまた含んで、プロセス工程の添加、取替えおよび除去を含む。
【0047】
典型的には、この情報は、もしデバイス上に存在するならば、システムを通して提供されるプロセスプロトコルに対してチェックされる。そのようなプロトコルは、使用者により新しくデザインされるかまたはシステムを介して製造業者により全体的にもしくは部分的に提供され得る。適切であれば、システムは、プロトコル中でかもしくは逆に自動的に変数を変更するであろう。これに代えて、使用者がシステムを命令する。
【0048】
<他の情報>
デバイス上のメモリーはまた、製造日、デバイスのタイプ、バッチ番号、ディスクの認識番号、完全なプロセスプロトコル等のような他の情報を含み得る。この種の情報は、システムにより読み取り可能でありそして特別なデバイスの受け入れのためにチェックされ得る。
【0049】
<マイクロ流体デバイス>
マイクロ流体デバイスはこの分野で良く知られている。例えば、WO 02074438(Gyros AB)における背景技術/文献についての議論を参照されたい。
マイクロ流体デバイスは異なる形熊を持ち得る。最近の数年間の間に、ディスク様形状が最大の関心事となっている。
【0050】
発明者にとって、nが5,6,7もしくはそれより大、例えば∞(C)、である、n−数の対称軸(C)を有するマイクロ流体デバイスは特に関心が持たれている。主な理由は、もしこれらの形熊が、上流の内部部分から下流の外部部分へと伸びる下部構造を持つマイクロチャネル構造を含むならば、C−軸(スピニング軸)の周りにデバイスをスピンさせることによりその中で液体の流れを駆動させることができるということであった。この文脈において、“内部”および“外部”とは、内部は外部よりC−軸により近いことを意味する。円形、円錐形、円筒形および球形の形態は、C−対称軸を有する形熊の例である。例えば、WO 9721090(Gamera Bioscience)、WO 9807019(Gamera Bioscience)、WO 9853311(Gamera Bioscience)、WO 9955827(Gyros AB)、WO 9958245(Gyros AB)、WO 0025921(Gyros AB)、WO 0040750(Gyros AB)、WO 0056808(Gyros AB)、WO 0062042(Gyros AB)、WO 0102737(Gyros AB)、WO 0146465(Gyros AB)、WO 0147637(Gyros AB)、WO 0154810(Gyros AB)、WO 0147638(Gyros AB)、WO 02074438(Gyros AB)、WO 02075312(Gyros AB)、PCT/SE02/00538(Gyros AB)、およびWO 02075776(Gyros AB)(これらは全て出典明示により本明細書の一部とする)、を参照されたい。
【0051】
デバイス上のマイクロチャネル構造の数(複数)は典型的には、10であり、例えば25もしくは90もしくは180もしくは270である。上限は2000もしくは3000であり得る。これらの範囲は典型的には、その中でマイクロチャネル構造が次節で特定されるようなデバイスの区域に対応する区域上に置かれるデバイスに適用される。
【0052】
ここで議論した対称軸を有する円形デバイスおよび他のデバイスのサイズは典型的には、従来のCDの半径の10%から500%までの間隔での半径を有する。従来のCDの半径が好ましいサイズである。
【0053】
一つの液体を数個のマイクロチャネル構造に同時に分注することができるために、共通の注入口を持つ共通の分配チャネルを介して、二つもしくはそれ以上のマイクロチャネル構造をお互いに連結させ得る。一つもしくはそれ以上のマイクロチャネル構造はまた、共通の廃棄チャネルシステムを有し得る。
典型的には、一回の試験プロトコルがそれぞれのマイクロチャネル構造に対して実施される。
【0054】
マイクロチャネル構造はマイクロフォーマットにあり、このことはそれらのそれぞれが、10もしくは10もしくは10μmである、少なくとも一つの横断面寸法を有することを意味する。これらの範囲は、例えば、容積を規定するマイクロ孔、混合マイクロ孔、検知マイクロ孔、反応マイクロ孔等の中から選択される一つもしくはそれ以上の機能的部分に特に適用する。アリコートの容積は典型的には、nL−フォーマットを含むμL−フォーマットにある。μL−フォーマットは、100μLもしくは10μLのように、1000μLであり、そしてnL−フォーマットは、100nLもしくは10nLのように、1000nLである。
【0055】
適当なマイクロ流体デバイスは、次の工程でもう一つの平面基質(蓋)により覆われる、複数の覆われていないマイクロチャネル構造を持つ表面を含む基質を最初に形成することにより製造される。WO 9116966(Pharmacia Biotech AB)およびWO 0154810(Gyros AB)を参照されたい。少なくとも一つの基質は、プラスチック材、例えば、ポリマー材より成り得る。
【0056】
平面基質中のマイクロ構造は好ましくは、覆われていないマイクロチャネル構造の逆を含むマスタマトリックスからの複製により作られる。ホームマーク構造(参照マーク)の逆はまた、マスタマトリックス中に含まれ得る。マスタマトリックスはひいては、マスタマトリックスのマイクロ構造の逆であるマイクロ構造を含むマスタから得られていてもよい。
【0057】
もしあれば、付属品を含むメモリーは、デバイスの中心部に典型的に置かれる。この文脈において、付属品は、例えば、マイクロプロセッサ、アンテナおよび使用される通信手段による情報の受送信のために必要であり得る任意の他の手段を含む。回転可能な(スピン可能な)デバイスについては、メモリーは、スピニング軸の近くにおよび/もしくは円周のより近くに置かれ得る。メモリープラス付属品は、二次曲面、長方形、星形、ヌードル型、環状等である区域を占有し得る。回転可能な基質については、区域はスピニング軸の周りにある環状リング/ゾーンであり得る。図1および2を参照されたい。メモリーは、デバイスの注入/排出口と同じ側に、もしくは反対の側に置かれ得る。デバイスへ/から情報を送受信するための送受信器は機器内でデバイスの近くに配置される。メモリープラス付属品の部位についての一般則は、この機能が他の機能に負に影響しないおよびその逆であるとすることである。
【0058】
出願日における好ましい形態では、好ましいメモリーは、好ましくは、注入/排出口および検出区域と同じ側にもしくは反対の側にある、ディスクの中心部に置かれる、トランスポンダーである。特に、中心部にあるメモリーでは、典型的に中心部として作用するディスクホールダーのデザインに合うように側を選択することが重要になる。
【0059】
本発明の第二の態様は、複数のマイクロチャネル構造を含むマイクロ流体デバイスである。主な特徴的な特色は、多くとも50%のマイクロチャネル構造が使用されることを意図しない過剰の構造である、即ち、デバイスは50%である冗長性を有する、ことである。好ましい変形において、デバイスは、冗長および/もしくは非冗長のマイクロチャネル構造についての位置座標を与える情報を兼備している。この文脈において、位置座標とは、注入口への液体等の適切な注入、マイクロ孔中の検出等を可能にする情報を意味する。
【0060】
情報は、上で議論したように、メモリー中のデバイス上に置かれ得る。これに代えて、情報は、例えば、上述のように、同じ種類の中から選択された、デバイスと離れたメモリー中に、またはデバイスのラベル上の注の中にもしくは添付するマニュアルの中に、置かれ得る。この文脈において、用語“情報”とは、それから完全な情報を得ることができる情報源への直接的なもしくは間接的な参照、例えば、製造業者から情報を得るために使用することができる参照番号、をまた意味する。この種類の情報は好ましくは、マイクロ流体デバイスと同じ包装の中に含まれる。
【0061】
本発明の第二の態様は、種々の特色および第一の態様について記載された特色、例えば、スピン可能なデバイスが、上で議論したように、スピニング部分に配置され得る適当な参照マーク、の組み合わせを含み得る。
本発明は添付している特許請求の範囲でさらに定義される。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】図1は、100個のマイクロチャネル構造(12)および四角形状の無線周波識別(13)(RFIDもしくはトランスポンダー)を持つ円形のマイクロ流体デバイス(11)を図示する。それぞれのマイクロチャネル構造は、試料注入口(14)および試料排出口(15)ならびにそれらの間にこの場合ではnL−カラムである反応マイクロ孔(16)を有する。また、注入口(17)があり、それらのそれぞれは10個のマイクロチャネル構造に共有である。デバイスは4個の冗長構造を有する。かくして、示されたデバイスは、従来のマイクロタイタープレートにおける試料の数に相当する、最高96個の試料を意図する。示されたデバイスは、対称軸(18、スピニング軸)およびホームマーク(19)を有する。
【図2】図2は、環状形状のトランスポンダー(23)を持つ同じマイクロ流体デバイスを図示する。
【符号の説明】
【0063】
11 マイクロ流体デバイス
12 マイクロチャネル構造
13 無線周波識別
14 試料注入口
15 試料排出口
16 反応マイクロ孔
17 注入口
18 対称軸(スピニング軸)
19 ホームマーク
23 環状形状のトランスポンダー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のマイクロチャネル構造を含むマイクロ流体デバイスであって、マイクロ流体デバイスが、
a)(i)使用される(非冗長構造)および/もしくは使用されない(冗長構造)マイクロチャネル構造、ならびに/または
(ii)承認されたおよび/もしくは承認されていないマイクロチャネル構造、
の位置に関する情報、ならびに/または
b)マイクロチャネル構造のマクロワールドとインタフェースする位置に関する情報、ならびに/または
c)マイクロチャネル構造に許容されるプロセスプロトコルの種類に関する補足情報を含む、メモリーを含むことを特徴とする、マイクロ流体デバイス。
【請求項2】
メモリーがタイプ(a)の情報を含むことを特徴とする、請求項1に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項3】
請求項1〜2のいずれか1項に記載のマイクロ流体デバイスであって、タイプ(a)の情報が、もしあれば、承認されていないおよび/もしくは冗長なマイクロチャネル構造が専用の機器により使用されることを阻止することを特徴とする、マイクロ流体デバイス。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のマイクロ流体デバイスであって、メモリーが、
(i)同じ種類の配置のマイクロチャネル構造を含むデバイスに共通である基本的な位置情報、および/もしくは
(ii)これらのデバイスの間での変動を反映する他の位置情報、
から典型的に選択される、タイプ(b)の情報を含むこと特徴とする、マイクロ流体デバイス。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載のマイクロ流体デバイスであって、タイプ(a)およびタイプ(b)の情報が読み取り専用であるメモリーによる、もしくは変更のためのアクセスが制限されているメモリーの何れかによる、無許可の個人による変更から保護されていることを特徴とする、マイクロ流体デバイス。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のマイクロ流体デバイスであって、メモリーが、例えば、
(i)デバイスについての推奨された使用期限、ならびに/または
(ii)承認されたおよび/もしくは非冗長のマイクロチャネル構造について自由使用のラベル、ならびに/または
(iii)個別のマイクロチャネル構造についてそれらが行われているときに個別のプロセスを保存するためのスペース、
を含む、使用者関連情報を含むことを特徴とする、マイクロ流体デバイス。
【請求項7】
請求項6に記載のマイクロ流体デバイスであって、メモリーが、もし推奨された使用期限を越えているならばデバイスの、もしくは使用された個別のマイクロチャネル構造の、書き込み許可を阻止されていることを特徴とする、マイクロ流体デバイス。
【請求項8】
請求項7に記載のマイクロ流体デバイスであって、当該阻止を専用の機器/ソフトウェアにより実施できること、および逆の変更は無許可な個人に許容され得ないことを特徴とする、マイクロ流体デバイス。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載のマイクロ流体デバイスであって、メモリーがタイプ(c)の情報を含むこと、およびこの情報が専用システムによりデバイス中で行われる 選択されたプロセスプロトコルに転送可能であり、当該プロセスプロトコルはシステムの別の部分に保存される、ことを特徴とする、マイクロ流体デバイス。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載のマイクロ流体デバイスであって、それがプラスチックで、好ましくは複製により作られることを特徴とする、マイクロ流体デバイス。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1項に記載のマイクロ流体デバイスであって、デバイスが円形であること、ならびにそれぞれのマイクロチャネル構造が内部位置に上流部分および外部位置に下流部分を持つ下部構造を含み、当該位置は対称軸に対するものである、ことを特徴とする、マイクロ流体デバイス。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか1項に記載のマイクロ流体デバイスであって、専用システムの他の部分と通信するためのその付属品を含むメモリーがトランスポンダーであることを特徴とする、マイクロ流体デバイス。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか1項に記載のマイクロ流体デバイスであって、その付属品を含むメモリーがデバイスの中心と一致する中心を持つデバイスの環状ゾーン、もしくはそのようなゾーンの弧状部分をカバーすることを特徴とする、マイクロ流体デバイス。
【請求項14】
複数のマイクロチャネル構造を含むマイクロ流体デバイスであって、マイクロチャネル構造が、好ましくは冗長および/もしくは非冗長のマイクロチャネル構造の位置を与える情報と組合せて、50%である冗長性を有することを特徴とする、マイクロ流体デバイス。
【請求項15】
請求項14に記載のマイクロ流体デバイスであって、情報が、デバイス上でもしくはデバイスと離れて、例えば書かれた注として、しかしデバイスと同じ包装内にある、メモリー中に置かれることを特徴とする、マイクロ流体デバイス。
【請求項16】
請求項14〜15のいずれか1項に記載のマイクロ流体デバイスであって、承認されていないマイクロチャネル構造の数が冗長のマイクロチャネル構造の数であることを特徴とする、マイクロ流体デバイス。
【請求項17】
複数のマイクロチャネル構造を含むマイクロ流体デバイスであって、マイクロ流体デバイスが無許可な使用に対する制限を持って書き込み可能であるメモリーを含むことを特徴とする、マイクロ流体デバイス。
【請求項18】
請求項17に記載のマイクロ流体デバイスであって、メモリーがその中でマイクロ流体デバイスが使用され、および/もしくは処理され得るシステムに対してアクセス可能でかつ書き込み可能であることを特徴とする、マイクロ流体デバイス。
【請求項19】
請求項17〜18のいずれか1項に記載のマイクロ流体デバイスであって、それがまた、請求項1〜13のいずれか1項に記載の特色を含むことを特徴とする、マイクロ流体デバイス。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のマイクロチャネル構造を含むマイクロ流体デバイスであって、マイクロ流体デバイスが、
a)(i)使用される(非冗長構造)および/もしくは使用されない(冗長構造)マイクロチャネル構造、ならびに/または
(ii)承認されたおよび/もしくは承認されていないマイクロチャネル構造、
の位置に関する情報、ならびに/または
b)マイクロチャネル構造のマクロワールドとインタフェースする位置に関する情報、ならびに/または
c)マイクロチャネル構造に許容されそしてその中でデバイスが処理されるシステムの他の部分により供給されるプロセスプロトコルに関する補足情報を含む、メモリーを含むことを特徴とする、マイクロ流体デバイス。
【請求項2】
メモリーがタイプ(a)の情報を含むことを特徴とする、請求項1に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項3】
請求項1〜2のいずれか1項に記載のマイクロ流体デバイスであって、タイプ(a)の情報が、もしあれば、承認されていないおよび/もしくは冗長なマイクロチャネル構造が専用の機器により使用されることを阻止することを特徴とする、マイクロ流体デバイス。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のマイクロ流体デバイスであって、メモリーがタイプ(b)の情報を含むこと、および当該位置が注入口のための位置であることを特徴とする、マイクロ流体デバイス。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のマイクロ流体デバイスであって、メモリーが、デバイス製造時に作られる当該位置の座標における変動に関するタイプ(b)の情報を含むことを特徴とする、マイクロ流体デバイス。
【請求項6】
請求項1〜のいずれか1項に記載のマイクロ流体デバイスであって、タイプ(a)およびタイプ(b)の情報が読み取り専用であるメモリーによる、もしくは変更のためのアクセスが制限されているメモリーの何れかによる、無許可の個人による変更から保護されていることを特徴とする、マイクロ流体デバイス。
【請求項7】
請求項1〜のいずれか1項に記載のマイクロ流体デバイスであって、メモリーが、例えば、
(i)デバイスについての推奨された使用期限、ならびに/または
(ii)承認されたおよび/もしくは非冗長のマイクロチャネル構造について自由使用のラベル、ならびに/または
(iii)個別のマイクロチャネル構造についてそれらが行われているときに個別のプロセスを保存するためのスペース、
を含む、使用者関連情報を含むことを特徴とする、マイクロ流体デバイス。
【請求項8】
請求項に記載のマイクロ流体デバイスであって、メモリーが、もし推奨された使用期限を越えているならばデバイスの、もしくは使用された個別のマイクロチャネル構造の、書き込み許可を阻止されていることを特徴とする、マイクロ流体デバイス。
【請求項9】
請求項に記載のマイクロ流体デバイスであって、当該阻止を専用の機器/ソフトウェアにより実施できること、および逆の変更は無許可な個人によっては為され得ないことを特徴とする、マイクロ流体デバイス。
【請求項10】
請求項1〜8のいずれか1項に記載のマイクロ流体デバイスであって、メモリーがタイプ(c)の情報を含むこと、およびこの情報が専用システムによりデバイス中で行われる 選択されたプロセスプロトコルに転送可能であり、当該プロセスプロトコルはシステムの別の部分に保存される、ことを特徴とする、マイクロ流体デバイス。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1項に記載のマイクロ流体デバイスであって、それがプラスチックで、好ましくは複製により作られることを特徴とする、マイクロ流体デバイス。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか1項に記載のマイクロ流体デバイスであって、デバイスが円形であること、ならびにそれぞれのマイクロチャネル構造が内部位置に上流部分および外部位置に下流部分を持つ下部構造を含み、当該位置は対称軸に対するものである、ことを特徴とする、マイクロ流体デバイス。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか1項に記載のマイクロ流体デバイスであって、専用システムの他の部分と通信するためのその付属品を含むメモリーがトランスポンダーであることを特徴とする、マイクロ流体デバイス。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか1項に記載のマイクロ流体デバイスであって、その付属品を含むメモリーがデバイスの中心と一致する中心を持つデバイスの環状ゾーン、もしくはそのようなゾーンの弧状部分をカバーすることを特徴とする、マイクロ流体デバイス。
【請求項15】
複数のマイクロチャネル構造を含むマイクロ流体デバイスであって、複数は使用されない過剰のマイクロチャネル構造である冗長構造を含むこと、ならびにこれらの構造が、冗長および/もしくは非冗長のマイクロチャネル構造の位置を与える情報と組合せて、デバイスのマイクロチャネル構造の50%を構成することを特徴とする、マイクロ流体デバイス。
【請求項16】
請求項15に記載のマイクロ流体デバイスであって、情報が、デバイス上でもしくはデバイスから離れて、しかしデバイスと同じ包装内にある、メモリー中に置かれることを特徴とする、マイクロ流体デバイス。
【請求項17】
メモリーがデバイスから離れて書かれた注であることを特徴とする、請求項16に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項18】
請求項14〜17のいずれか1項に記載のマイクロ流体デバイスであって、許容できない性能を有する当該複数の任意のマイクロチャネル構造が承認されていないで冗長のマイクロチャネル構造の中に置かれ、承認されていないマイクロチャネル構造の数が冗長のマイクロチャネル構造の数である、ことを特徴とする、マイクロ流体デバイス。
【請求項19】
複数のマイクロチャネル構造を含むマイクロ流体デバイスであって、マイクロ流体デバイスが無許可な使用に対する制限を持って書き込み可能であるメモリーを含むことを特徴とする、マイクロ流体デバイス。
【請求項20】
請求項19に記載のマイクロ流体デバイスであって、メモリーがその中でマイクロ流体デバイスが使用され、および/もしくは処理され得るシステムに対してアクセス可能でかつ書き込み可能であることを特徴とする、マイクロ流体デバイス。
【請求項21】
請求項19〜20のいずれか1項に記載のマイクロ流体デバイスであって、それがまた、請求項1〜14のいずれか1項に記載の特色を含むことを特徴とする、マイクロ流体デバイス。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公表番号】特表2006−500552(P2006−500552A)
【公表日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−580208(P2003−580208)
【出願日】平成15年3月17日(2003.3.17)
【国際出願番号】PCT/SE2003/000448
【国際公開番号】WO2003/082730
【国際公開日】平成15年10月9日(2003.10.9)
【出願人】(300082380)ノラダ・ホールディング・アクチボラグ (2)
【氏名又は名称原語表記】Norada Holding Aktiebolag
【Fターム(参考)】