説明

動体に乗車する乗客用の映像装置

【課題】電車などの移動体の走行に沿った臨場感がある動画を車内でみることのできる映像装置を提供する。
【解決手段】車輌と、この車輌用のトンネルと、このトンネルに設けたミラーと、このミラーに映像を投射する車輌の屋根に設けたプロジェクターとで構成した動体の窓に映像を表示する装置で、映像を反射媒体で車輌の窓のスクリーンに投射し、このスクリーンは透明構造を採用し、窓の外の物体を視認可能とした車輌に乗車する乗客用の映像装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動体(汽車・電車等の車輌、自動車等の車輌、船、遊具等)の窓に映像を表示する動体に乗車する乗客(乗客、運転者、車掌等を含む)用の映像装置、又は動体の窓から映像を視認できる動体に乗車する乗客用の映像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、愛知県の丘陵地帯で開催される愛・地球博(愛知万博)のイベントの一つとして考えられた発明であり、具体的には、公共交通機関による万博への来場を誘導し、また公共交通機関の利用促進と、万博の意義をアピールする。このような趣旨より、出願人はトンネル内を走行するリニアモーターカー(リニモ)の車内において、その車窓のスクリーンに映し出される映像を乗客に、楽しみと驚きを与えることを意図する。
【0003】
即ち、殺風景なトンネルの車窓に、突如としてモリゾーとキッコロが現れて、万博の雰囲気が感じられる公共交通機関の空間の有効利用である。
【0004】
そして、従来、動体を利用して乗客が動画の映像を楽しむ構造としては、次のような方式が公知となっており、その一部は実施されているので、その代表的な構造の概要を説明する。
【0005】
(1)ぱらぱら漫画式(サブメディア方式)
米サブメディアが開発した方式で、トンネル内に連続したフィルムを特殊なディスプレイボックスに入れて並べ、走る列車から見ることにより、動画に見えるというものである。そして、既に、アメリカに3箇所、香港に1箇所設置されており、日本でも平成16年6月3日から東京メトロ銀座線に導入された。この例は、通過する全列車の全ての窓で見ることができる利点があるが、列車速度がある程度以上でないと動画にならないこと、またコンテンツの作成、入れ替えに数百万円がかかること等の課題があり、その実施及び/又は施工には、構成面での改良と、経済性の問題解決とを必要とすることが考えられる。また他の面では、動画はフルカラーであるが音声がないので問題と思われる。
【0006】
(2)発光ダイオード方式(タイムスリット方式)
我国の某社で開発された方式で、トンネル内に発光ダイオードのユニットを一定間隔(例えば、約1.5m間隔)で並べ、列車の速度に同調させて発光させる構成であり、この発光の残像を利用し、動画を映し出すことを特徴とする。そして、見聞によれば、この例は東京モノレールやJR東日本成田線での実施と、地方での実施中とのことである。そして、この構造では、通過する全列車の全ての窓で見ることができる利点があるが、列車速度がある程度以上でないと動画にならない等の如く。前述と同様にその実施及び/又は施工には問題を残している。また他の面では、動画がフルカラーではなく、また音声もないので問題と思われる。
【0007】
尚、この種の公共交通機関に乗車する乗客用の映像装置に関し、先行特許文献を検索した。しかし、該当する発明は見当たらなかった。車輌の窓に広告用の映像、情報等を提供する発明がある(例えば、特開2004−163837の「情報表示とその製造方法および使用方法」)や、車内で映像を楽しむ構造の発明がある(例えば、特開2002−40560の「ホログラムディスプレイ装置」)等が挙げられる。
【0008】
【特許文献1】特開2004−163837
【特許文献2】特開2002−40560
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献(1)、(2)は、スクリーンに投影機(プロジェクター)の映像を投射(投影)する構造で、その方法は単純な投射方法であり、また利用方法であるので、面白味に欠けると考えられる。またこの特許文献(1)、(2)の発明は動体(車輌又は電車の窓の如く)内での投射と、映像を楽しむ構造であり、止まった物体(静体)を介在して動体内の乗客が、前記投射を図り、この投射による映像を楽しむ構造ではないので、動体の走行に沿った臨場感がある動画は期待できないものと考えられる。さらにこの特許文献(1)、(2)の構造では、窓越しのスクリーンの映像を楽しむことは困難視される。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1の発明は、車窓のスクリーンにプロジェクターで映像を投射し、この窓越しのスクリーンの映像を楽しむ構造であるので、臨場感があり、大変に興味をそそること、また例えば、公共交通機関による万博への来場を誘導し、また公共交通機関の利用促進と、万博の意義をアピールすること等を意図する。また本発明は、動体(車輌又は電車等)よりの投射と静体を介在し、この動体内の乗客が、動画の映像を楽しむ構造であり、確実な投射と、この投射による映像を楽しみ得ること、さらに動体の走行に沿った臨場感がある動画を視認すること等を意図する。さらに本発明は動体と静体との有益的な結合で、例えば、動体の走行に沿った臨場感がある動画を楽しみ得ること、流れるような動画の映像を満喫して視認可能とすること等を意図する。さらに請求項1の発明は、公共交通機関の利用促進を図ることで、情報のスムーズな提供と、車社会のコントロール、又は環境維持等を達成することを意図する。
【0011】
請求項1は、汽車・電車等の車輌、自動車等の車輌、船、遊具等の動体と、この動体を囲繞する隧道、カバー、幕等の遮蔽体と、この遮蔽体に設けた映像の反射媒体と、この反射媒体に映像を投射するプロジェクター等の投射体とで構成した遮蔽体及び/又は反射媒体を利用して前記動体の窓に映像を表示する装置であって、
前記投射体を前記動体の上方に配備し、この投射体の映像を反射媒体で前記動体の窓に設けたスクリーンに投射可能とするとともに、このスクリーンは透明構造を採用し、前記窓の外の物体を視認可能とした構成の動体の窓に映像を表示する動体に乗車する乗客用の映像装置である。
【0012】
請求項2の発明は、請求項1の目的を達成すること、またこの目的を達成するために最適な反射媒体を提供することを意図する。
【0013】
請求項2は、請求項1に記載の反射媒体は、リサイクル利用とメンテナンス・清掃の容易性等を考慮して、ステンレスミラーとした構成の動体の窓に映像を表示する動体に乗車する乗客用の映像装置である。
【0014】
請求項3の発明は、遮蔽体のスクリーンにプロジェクターで映像を投射し、この窓越しに映像を楽しむ構造であるので、臨場感があり、大変に興味をそそること、また例えば、公共交通機関による万博への来場を誘導し、また公共交通機関の利用促進と、万博の意義をアピールすること等を意図する。また本発明は、動体(車輌又は電車等)より静体に投射し、この動体内の乗客が、動画の映像を楽しむ構造であり、確実な投射と、この投射による映像を楽しみ得ること、さらに動体の走行に沿った臨場感がある動画を視認すること等を意図する。さらに本発明は動体と静体との有益的な結合で、例えば、動体の走行に沿った臨場感がある動画を楽しみ得ること、流れるような動画の映像を満喫して視認可能とすること等を意図する。尚、請求項3の発明は、公共交通機関の利用促進を図ることで、情報のスムーズな提供と、車社会のコントロール、又は環境維持等を達成することを意図する。
【0015】
請求項3は、汽車・電車等の車輌、自動車等の車輌、船、遊具等の動体と、この動体を囲繞する隧道、カバー、幕等の遮蔽体と、この遮蔽体に設けた映像のスクリーンと、このスクリーンに映像を投射するプロジェクター等の投射体とで構成した遮蔽体及び/又はスクリーンを利用して前記動体の窓より映像を視認できる装置であって、
前記投射体を前記動体の上方に配備し、この投射体の映像をスクリーンに投射し、この映像を前記動体の窓より視認可能とした構成の動体の窓から映像を視認できる動体に乗車する乗客用の映像装置である。
【0016】
請求項4の発明は、請求項1又は請求項3の目的を達成すること、またこの目的を達成するために最適な投射体の設置場所を提供することを意図する。
【0017】
請求項4は、請求項1又は請求項3に記載の動体の上方に投射体を配備する際に、この投射体を当該動体の屋根に設けるとともに、前記遮蔽体に向かって下がり傾斜状態に設ける構成とした動体に乗車する乗客用の映像装置である。
【発明の効果】
【0018】
請求項1の発明は、汽車・電車等の車輌、自動車等の車輌、船、遊具等の動体と、動体を囲繞する隧道、カバー、幕等の遮蔽体と、遮蔽体に設けた映像の反射媒体と、反射媒体に映像を投射するプロジェクター等の投射体とで構成した遮蔽体及び/又は反射媒体を利用して動体の窓に映像を表示する装置であって、
投射体を動体の上方に配備し、投射体の映像を反射媒体で動体の窓に設けたスクリーンに投射可能とするとともに、スクリーンは透明構造を採用し、窓の外の物体を視認可能とした構成の動体の窓に映像を表示する動体に乗車する乗客用の映像装置である。
【0019】
従って、請求項1は、車窓のスクリーンにプロジェクターで映像を投射し、この窓越しのスクリーンの映像を楽しむ構造であるので、臨場感があり、大変に興味をそそること、また例えば、公共交通機関による万博への来場を誘導し、また公共交通機関の利用促進と、万博の意義をアピールできること等の特徴がある。また本発明は、動体よりの投射と静体を介在し、この動体内の乗客が、動画の映像を楽しむ構造であり、確実な投射と、この投射による映像を楽しみ得ること、さらに動体の走行に沿った臨場感がある動画を視認できること等の利点がある。さらに本発明は動体と静体との有益的な結合で、例えば、動体の走行に沿った臨場感がある動画を楽しみ得ること、流れるような動画の映像の満喫した視認できること等の特徴がある。
【0020】
請求項2の発明は、請求項1に記載の反射媒体は、リサイクル利用とメンテナンス・清掃の容易性等を考慮して、ステンレスミラーとした構成の動体の窓に映像を表示する動体に乗車する乗客用の映像装置である。
【0021】
従って、請求項2は、請求項1の目的を達成できること、またこの目的を達成するために最適な反射媒体を提供できること等の特徴がある。
【0022】
請求項3の発明は、汽車・電車等の車輌、自動車等の車輌、船、遊具等の動体と、この動体を囲繞する隧道、カバー、幕等の遮蔽体と、遮蔽体に設けた映像のスクリーンと、スクリーンに映像を投射するプロジェクター等の投射体とで構成した遮蔽体及び/又はスクリーンを利用して動体の窓より映像を視認できる装置であって、
投射体を前記動体の上方に配備し、投射体の映像をスクリーンに投射し、映像を動体の窓より視認可能とした構成の動体の窓から映像を視認できる動体に乗車する乗客用の映像装置である。
【0023】
従って、請求項3は、遮蔽体のスクリーンにプロジェクターで映像を投射し、この窓越しに映像を楽しむ構造であるので、臨場感があり、大変に興味をそそること、また例えば、公共交通機関による万博への来場を誘導し、また公共交通機関の利用促進と、万博の意義をアピールすること等を意図する。また本発明は、動体(車輌又は電車等)より静体に投射し、この動体内の乗客が、動画の映像を楽しむ構造であり、確実な投射と、この投射による映像を楽しみ得ること、さらに動体の走行に沿った臨場感がある動画を視認できること等の特徴を有する。さらに本発明は動体と静体との有益的な結合で、例えば、動体の走行に沿った臨場感がある動画を楽しみ得ること、流れるような動画の映像の満喫した視認できること等の特徴がある。
【0024】
請求項4の発明は、請求項1又は請求項3に記載の動体の上方に投射体を配備する際に、投射体を動体の屋根に設けるとともに、遮蔽体に向かって下がり傾斜状態に設ける構成とした動体に乗車する乗客用の映像装置である。
【0025】
従って、請求項4は、請求項1又は請求項3の目的を達成できること、またこの目的を達成するために最適な投射体の設置場所を提供できること等の特徴を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明の一例を説明する。
【0027】
図面の説明をすると、図1は本発明の全体を正面視して示した概念図であり、向かって右側半分が請求項1の一つの例(例)を、また左側半分が請求項3の一つの例(他の例)をそれぞれ示した概念図であり、また図2は本発明の全体を側面視して示した概念図であり、図3は本発明の隧道(トンネル)の概要を説明する概念図であり、それぞれ模式的に示した。
【0028】
図において1はリニアモーターカーで、このリニアモーターカー1は多数個の電磁石2を備えた台車100と、この台車100の上方に設けた車体101と、またこの台車100の床面100aに設けた多数のシート3と、さらに車体101に設けた出入り口102とを主構成要素とする。図中103は車輌内に設けた手摺りを示す。
【0029】
図において4は投射体(投影機)の一例を示したプロジェクターで、このプロジェクター4は車体101の屋根101a(上方の一例であり、車体101の側面、車内、底面・これらの組合せ・並設等もあり得る)に、傾斜角度及び/又は投射方向を変更できるように設置されており、必要により防塵、防護、防雨等用のカバー(図示せず)を設ける。そして、このプロジェクター4は車体101の屋根101aに設けた制御ユニット5を介してコントロールされる。このコントロールとは、投射及び/又は音声、電源等のON、OFF、又は傾斜角度等の変更、その他各種の制御等が含まれる。尚、この制御ユニット5は、録音情報及び/又は録画・映像情報を収容する構成(ディスク、カード等の録画・録音媒体)と、この録音情報及び/又は録画・映像情報を通信手段でリアルタイムに変更する構成等の各種の対応を利用し、必要とする録音情報及び/又は録画・映像情報を確実かつスムーズに提供できる構造とする。そして、この制御ユニット5において、音声情報を提供する例では、この音声情報を図示しないスピーカ等の発音機器によりリニアモーターカー1(動体)の内外に向かって発する。
【0030】
そして、図示しないが、プロジェクター4は車体101の窓104に連続式、又は個別に映像を提供できる構成とし、状況と顧客の要望に対応し、適宜選択できる。そして、当然であるが、各窓104に個別に提供できる例では、その臨場感と、ダイナミック感覚とにおいて優れている。またこのプロジェクター4は、他の投射機でも可能であり、例えば、レーザー等が挙げられる。
【0031】
図において6はトンネルA(隧道、カバー、幕等の遮蔽体の一例である)内に設けた反射媒体となるステンレスミラーで、このステンレスミラー6(静体)をトンネルAの壁面に設けた支持部A2に取付け、取外し自在に設ける。そして、原則としてトンネルAの全長に設け、またプロジェクター4からの所定の角度をもって投射された映像を、反射して窓104に設けたスクリーン7に所定の角度(略20°〜略50°程度)で、美麗かつ確実に映し出すことができる位置関係を確保する。この例では車体101の屋根101aの肩部位置から、窓104の下端に至る位置(寸法)を確保する。この例では、プロジェクター4からの映像を反射し、スクリーン7に動画を映し出すことを可能とする。このステンレスミラー6は清掃の容易性、破損の危険性が少ないこと、保守管理・取付け等の容易性、汎用性とリサイクル特性等があること等が考えられる。そして、このステンレスミラー6は一例であり、鏡、プラスチック、シート等の反射体でも可能であり限定されないこと、また使用場所に適したステンレスミラー6、鏡等の手段を採用する。またスクリーン7は一例であり、調光ガラススクリーン、液晶フイルムスクリーン等の他のスクリーン手段も採用できる。そして、この一例では、スクリーン7は映像が投射されていない状態では、透明性及び/又は視認性が確保されていることから、例えば、トンネルAより出た場合には、透明性が確保されており、窓104よりの視認性が確保されるので、リニアモーターカー1からの展望される背景、景色(風景、光景等)、物体等や、軌条8の近辺の背景、景色等を原色又は色ガラス越しに色付での背景、景色等を視認(目視)できる。前記スクリーン7は、傾斜光を受入れる構造のスクリーン(透明・半透明ホログラムスクリーン)、液晶型スクリーン(透明・半透明構造)等の構成を採用する。尚、他の例として図1の左側半分の構成では、トンネルAの壁面A1にスクリーン7(静体)を支持部A2に取付け、取外し自在に設ける。またトンネルAの壁面A1にスクリーン7を直接設ける例もあり得る(他の例も同じ)。そして、この他の例で説明しない事項は、前述の例に準ずる。またこの例では、ステンレスミラー6を要しないが、トンネルAの構造、イベント等の場合においてステンレスミラー6をトンネルAの天井面A3に設け、映像をスクリーン7に反射させることも可能である。尚、このスクリーン7に映し出される映像は、広告媒体、緊急情報媒体等としての利用も可能である。また公共交通機関の地下鉄、バス等の乗り物では、交通情報媒体、広告媒体、緊急情報媒体等の広域的な利用にも採用可能であり重宝する。この公共交通機関の例では、この公共交通機関の利用促進が図れること、また情報のスムーズな提供と、車社会のコントロール、又は環境維持等を達成できること等の特徴がある。さらにこの動体に乗車する乗客用の映像装置は、イベント会場、乗用車、場合により自転車等の動体での採用も可能であり、その使用方法の特徴と、この特徴による効果を満喫できること、また利用の範囲の拡充が図れる。そして、この他の例では、図示しないがトンネルAの天井面A3にステンレスミラー6を設け、壁面A1に設けたスクリーン7に映像を映し出すことも可能である。
【0032】
尚、本発明は原則として、ステンレスミラー6を取外して移転・支持し、この移転に付随して、リニアモーターカー1(動体)のプロジェクター4等の付帯設備を移転・移動することで、リニアモーターカー1の走行(方向・スピード等)に囚われず(同調せずに)かつどの箇所でも静体に映し出した映像を楽しめる。従って、有益であること、また経済性、汎用性、利便性等があること等の特徴がある。また軌条8に囚われず、動体の移動する場所(空・陸・海等)、又は動体の走行箇所において、前述の効果及び/又は特徴を発揮できる利点がある。
【0033】
また本発明では、スクリーン7に投射される映像は、リニアモーターカー1の走行スピードに同調せずに映し出すことが可能であり重宝すること、又は視認に違和感がないこと、また臨場感があること、優れた映像を満喫できること等の特徴がある。また本発明は、動体と静体との間で、映像及び/又は音声をキャッチングする映像(音声)表示・映像(音声)方法を採用し、また前記リニアモーターカー1の走行スピードに囚われない構成等を採用する方法は、極めて斬新な投射・映像視認方法であって、前述したそれぞれの優れた特徴と効果とを発揮できる。尚、リニアモーターカー1の走行スピードに囚われずに、映像を残像方式で視認できる例では、斬新性と、未知の動画を楽しめるものと考えられる。
【0034】
尚、このトンネルAの構成は、右側半分は壁面A1を垂直面とし、この壁面A1へのステンレスミラー6の取付けの容易化と、このステンレスミラー6の映像の入射・反射及び/又は入射・反射角度の確保と、乗客が窓104のスクリーン7を容易に視認するに最適な形状とすることを意図する。そして、この垂直面な壁面A1と、この壁面A1に設けるステンレスミラー6と、このステンレスミラー6の映像を映し出すスクリーン7の組合せ構造が、臨場感ある動画を乗客が満喫できるのが最高である。また左側半分は壁面A1を曲面とし、この壁面A1へのスクリーン7を取付けの容易化と、このスクリーン7の映像の入射及び/又は入射角度の確保が図れるとともに、乗客が窓104越しに映像を視認するに最適な形状とすることを意図する。そして、この曲面の壁面A1と、この壁面A1に設ける映像を映し出すスクリーン7の組合せ構造が、簡易に臨場感ある動画を乗客が満喫できるのが最高である。そして、図示しないが、トンネルAの壁面A1は、垂直面が対峙する構造と、曲面が対峙する構造、又はこれらの組合せ構造が可能であり、適宜選択される。いずれにしても、臨場感がある映像を映し出し、乗客の満足度を最大限に発揮できる構成を提供する。
【0035】
図において10は軌条8に設けた電磁石であり、前記電磁石2に対峙してなる駆動手段である。また図示しないがリニアモーターカー1には緩衝手段を配備する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の全体を正面視して示した概念図であり、向かって右側半分が請求項1の一つの例(例)を、また左側半分が請求項3の一つの例(他の例)をそれぞれ示した概念図
【図2】本発明の全体を側面視して示した概念図
【図3】本発明の隧道(トンネル)の概要を説明する概念図
【符号の説明】
【0037】
1 リニアモーターカー
100 台車
100a 床面
101 車体
101a 屋根
102 出入り口
103 手摺り
104 窓
2 電磁石
3 シート
4 プロジェクター
5 制御ユニット
6 ステンレスミラー
7 スクリーン
8 軌条
10 電磁石
A トンネル
A1 壁面
A2 支持部
A3 天井面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
汽車・電車等の車輌、自動車等の車輌、船、遊具等の動体と、この動体を囲繞する隧道、カバー、幕等の遮蔽体と、この遮蔽体に設けた映像の反射媒体と、この反射媒体に映像を投射するプロジェクター等の投射体とで構成した遮蔽体及び/又は反射媒体を利用して前記動体の窓に映像を表示する装置であって、
前記投射体を前記動体の上方に配備し、この投射体の映像を反射媒体で前記動体の窓に設けたスクリーンに投射可能とするとともに、このスクリーンは透明構造を採用し、前記窓の外の物体を視認可能とした構成の動体の窓に映像を表示する動体に乗車する乗客用の映像装置。
【請求項2】
請求項1に記載の反射媒体は、リサイクル利用とメンテナンス・清掃の容易性等を考慮して、ステンレスミラーとした構成の動体の窓に映像を表示する動体に乗車する乗客用の映像装置。
【請求項3】
汽車・電車等の車輌、自動車等の車輌、船、遊具等の動体と、この動体を囲繞する隧道、カバー、幕等の遮蔽体と、この遮蔽体に設けた映像のスクリーンと、このスクリーンに映像を投射するプロジェクター等の投射体とで構成した遮蔽体及び/又はスクリーンを利用して前記動体の窓より映像を視認できる装置であって、
前記投射体を前記動体の上方に配備し、この投射体の映像をスクリーンに投射し、この映像を前記動体の窓より視認可能とした構成の動体の窓から映像を視認できる動体に乗車する乗客用の映像装置。
【請求項4】
請求項1又は請求項3に記載の動体の上方に投射体を配備する際に、この投射体を当該動体の屋根に設けるとともに、前記遮蔽体に向かって下がり傾斜状態に設ける構成とした動体に乗車する乗客用の映像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−53323(P2006−53323A)
【公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−234569(P2004−234569)
【出願日】平成16年8月11日(2004.8.11)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.モリゾー
2.キッコロ
【出願人】(000116622)愛知県 (99)
【出願人】(391009844)電研コテム株式会社 (1)
【Fターム(参考)】