説明

動力伝達機構

【課題】動力伝達機構のテンショナ付勢手段やストッパ部の強度を上げることなく、また補強部材や緩衝部材を追加することもなく、無端チェーンの弛み側にて瞬間的に大きな緊張が生じた場合でも、簡易的な構成としたチェーン付勢手段やストッパ部により、無端チェーンの弛み側及びテンショナの外側への大きな動きを抑制する動力伝達機構を提供する。
【解決手段】テンショナ30の外側への動きを制限するストッパ部29に加え、無端チェーン25の弛み側25aの外側への動きを規制するチェーン規制体40も配設し、バネ先端連結部28がストッパ部29へ当接するのとほぼ同時に、弛み側25aについてもチェーン規制体40の弛み側規制部41に当接させる。このことから、弛み側25aの瞬間的な緊張に伴う外側への衝撃力をストッパ部29及び弛み側規制部41により分散でき、ストッパ部29へ集中していた衝撃力を緩和する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動軸に設けられた駆動スプロケットと、従動軸に設けられた従動スプロケットとに無端チェーンを巻き掛けてなる動力伝達機構に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、駆動軸に設けられた駆動スプロケットと、従動軸に設けられた従動スプロケットとに無端チェーンを巻き掛け、駆動軸の回転駆動によって駆動スプロケット及び無端チェーンを動作させて、駆動軸からの回転動力を従動スプロケットに伝達する動力伝達機構が知られている。
【0003】
このような動力伝達機構における無端チェーンには、駆動軸による回転駆動が行われている最中において、従動スプロケットから駆動スプロケットに向けて移動しているチェーン部分であって駆動スプロケットの回転動力により引っ張られている部分(以下、「張り側」という)と、駆動スプロケットから従動スプロケットに向けて移動しているチェーン部分であって駆動スプロケットの回転動力により押されている部分(以下、「弛み側」という)とが、同時に発生することとなる。
【0004】
そして、この弛み側においては、確実な動力伝達を行うため、常にチェーンの張りを維持する必要があり、通常、余分な弛みを自動的に調整するテンショナが設けられている。
具体的には、無端チェーンの弛み側の外側にテンショナを配設するとともに、そのテンショナを弛み側の外側から内側に向けてバネ部材等のチェーン付勢手段により付勢させておき、そのチェーン付勢手段の働きにより、弛み側の余分な弛み具合にその都度対応して、無端チェーンの内側への喰い込み状態を自動的に変え、チェーンの張りを調整することとしている。
【0005】
さらに、動力伝達機構のコンパクト化のため、チェーン付勢手段を無端チェーンの内側に配設することとし、さらに、両端にテンショナ本体を装着した長尺状のアームをチェーンに対して交差配置させ、その両端に装着された二つのテンショナ本体により互いに逆方向に向けてチェーンに当接させて、チェーンの張りを調整することとした動力伝達機構も知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開昭61−112147号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従動スプロケット側に衝撃負荷が発生した際や、駆動スプロケットの回転駆動を開始する際には、駆動スプロケット及び従動スプロケットの回転速度が瞬間的に違ったものとなり、無端チェーンに急な負荷がかかることとなる。
【0008】
このため、無端チェーンの弛み側が瞬間的に緊張状態になることがあり、この場合、チェーン付勢手段の付勢力によって無端チェーンの内側に押し込まれていたテンショナは、チェーン付勢手段の付勢力に反し、弛み側の緊張力によってチェーンの外側に向けて瞬間的に押し出されることとなる。
そして、勢い余ってテンショナがチェーンケースの内側に衝突してしまい、大きな衝撃音を発生するとともに、テンショナの損傷も招いてしまうという問題があった。
【0009】
これらの点について、テンショナを付勢しているチェーン付勢手段の強度を予め強くしておくことや、テンショナの外側への動きを一定の範囲に規制するためストッパ部を設け、そのストッパ部の強度を上げ、そのストッパ部への補強部材や緩衝部材の追加をするなどして対応してきたものの、早期の損傷や構成の複雑化を招いてしまい、重量面やコスト面での問題もあった。
【0010】
また、これら補強部材や緩衝部材を追加装着する場合にも、スペース上の制約があるため、追加装着できる補強部材等にも限界があり、そのため、強度面での限界もあった。
【0011】
さらに、駆動スプロケット及び従動スプロケットの回転速度が瞬間的に変わると、無端チェーン全体への急な負荷が発生してしまい、無端チェーンの張り側においても、不規則な脈動が頻繁に発生することとなり、無端チェーン全体として安定的な動作が損なわれてしまうといった問題もあった。
【0012】
そこで本発明は、無端チェーンの弛み側にて瞬間的に大きな緊張が生じた場合でも、簡易的な構成としたチェーン付勢手段やストッパ部により、無端チェーンの弛み側及びテンショナの外側への大きな動きを抑えることができる動力伝達機構を提供することを目的とする。
また、無端チェーンの張り側における脈動も抑制し、無端チェーン全体として安定的な動作を可能とする動力伝達機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1に記載の発明は、回転駆動する駆動軸に設けられた駆動スプロケットと、回転動力を受けて回転する従動スプロケットと、前記駆動スプロケット及び前記従動スプロケットに巻き掛けられるとともに、前記駆動スプロケットからの回転動力を前記従動スプロケットに伝達する無端チェーンと、前記無端チェーンの弛み側の外側に配置されるとともに、前記無端チェーンを外側から内側に向けて付勢するテンショナと、前記テンショナにおける前記無端チェーンの外側に向けた移動を制限するストッパ部と、前記テンショナに連結されるとともに前記テンショナにおける付勢力を発生するチェーン付勢手段と、を備える動力伝達機構であって、前記無端チェーンの内側に配置され、前記無端チェーンの弛み側の外側に突出するとともに外側から前記無端チェーンの動きを規制する弛み側規制部を備えた第1チェーン規制体を設けたことを特徴とする。
【0014】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の動力伝達機構であって、前記無端チェーンの内側に配置され、前記無端チェーンの張り側の動きを規制する張り側規制部を備えた第2チェーン規制体を設けたことを特徴とする。
【0015】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の動力伝達機構であって、前記第1チェーン規制体及び前記第2チェーン規制体は、一方の端部を前記第1チェーン規制体とするとともに、他方の端部を前記第2チェーン規制体として一体に構成されたチェーン規制体であることを特徴とする。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は請求項3のいずれかに記載の動力伝達機構であって、前記張り側規制部は、前記無端チェーンの張り側の内側に位置することを特徴とする。
【0017】
請求項5に記載の発明は、請求項2又は請求項3のいずれかに記載の動力伝達機構であって、前記張り側規制部は、前記無端チェーンの張り側の外側に位置することを特徴とする。
【0018】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の動力伝達機構であって、前記弛み側規制部及び前記張り側規制部は、前記付勢力により前記テンショナが前記弛み側を前記無端チェーンの内側に向けて付勢している状態において、前記無端チェーンに対して所定の間隔を隔てて配置されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、テンショナを付設した動力伝達機構について、テンショナを無端チェーンの内側へ付勢するチェーン付勢手段を無端チェーンの内側に配設してコンパクト化を可能とした構成を前提としつつ、無端チェーンの弛み側にて瞬間的に大きな緊張を生じた場合でも、その弛み側のチェーン部分は、チェーン規制体と、外側へ押し出されるテンショナの動きを規制するストッパ部とによって、弛み側の外側への挙動に係る衝撃力を分散でき、無端チェーンの弛み側及びテンショナの外側への動きを効果的に抑えることができる。
【0020】
このため、テンショナを付勢しているチェーン付勢手段やストッパ部を簡易的な構成にし、ストッパ部への補強部材や緩衝部材の追加の必要もなくなるため、構成の簡易化、軽量化やコスト低減の効果を奏することができる。
さらに、無端チェーンの張り側において発生した脈動も抑制でき、駆動スプロケット及び従動スプロケットの回転速度が異なる状況になった場合においても、常に、無端チェーン全体としての安定的な動作を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明を適用した畦塗り機の部分平面図を示す。
【図2】本発明を適用した畦塗り機の側面図を示す。
【図3】本発明を適用した畦塗り機の斜視図を示し、同図(a)は畦塗り機の左斜め後方から見た畦塗り機の斜視図であり、同図(b)は畦塗り機の左斜め後方から見た畦塗り機の斜視図である。
【図4】本発明を適用した畦塗り機に設けられたオフセットフレームの先端側の部分拡大模式側面図を示す。
【図5】本発明を適用した動力伝達機構を示し、同図(a)は平面図であり、同図(b)は側面図であり、同図(c)は斜視図である。
【図6】本発明を適用した動力伝達機構の内部を示し、同図(a)はチェーン規制体及びチェーン部の断面図であり、同図(b)はテンショナ及びチェーン部の断面図である。
【図7】本発明を適用した動力伝達機構の平面図を示す。
【図8】本発明を適用した動力伝達機構の内部を示し、同図(a)はチェーン規制体及びチェーン部の断面図であり、同図(b)はテンショナ及びチェーン部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明に係る動力伝達機構の好ましい実施の形態について、農業用機械の畦塗り機を例にして、説明する。
ここにおいて、先ず、図1(部分平面図)及び図2(側面図)を参照しながら、走行機体に牽引される畦塗り機の全体的な概要を説明し、説明の参考として、畦塗り機の斜視図(図3)も参照する。
【0023】
畦塗り機1は、図1及び図2に示すように、走行機体90の後部に設けられた三点リンク連結機構91に連結されて、走行機体90の前進及び後進に応じて畦塗り作業を行うものである。この畦塗り機1は、走行機体90に装着されて走行機体90からの動力が入力される入力軸8aを備えた装着部5と、装着部5に設けられ進行方向に対して左右方向に回動可能に支持されたオフセット機構部10と、オフセット機構部10の先端側に旋回自在に配設されて入力軸8aから伝達される動力によって作業を行なう作業部60を有して構成される。
【0024】
装着部5は、機体幅方向に延びるヒッチフレーム6と、ヒッチフレーム6の前方に設けられて走行機体90の後部に設けられた三点リンク連結機構91に連結される連結フレーム7を有して構成される。ヒッチフレーム6の幅方向の中央下部にはギアボックス8が設けられ、このギアボックス8には前述した入力軸8aが設けられている。
【0025】
オフセット機構部10は、その基端側をヒッチフレーム6に回動自在に連結されて後方側へ延びるオフセットフレーム11と、オフセットフレーム11の幅方向一方側に沿って並設されて基端側がヒッチフレーム6の一方側端に回動自在に連結されたリンク部材13と、オフセットフレーム11の先端側とリンク部材13の先端側との間に回動自在に連結された回動支持アーム15とを有して構成される。
【0026】
オフセットフレーム11は、内部が中空状に形成された箱状部材であり、オフセットフレーム11の先端側とヒッチフレーム6の一方側端部との間に接続された揺動シリンダ17の伸縮により、オフセットフレーム11は進行方向に対して左右方向に揺動可能である。また、オフセットフレーム11の上部には後述する動力伝達機構20が設けられ、この動力伝達機構20によって、走行機体90から入力軸8aに伝達された動力がオフセットフレーム11の先端側に回転自在に配設された従動軸12に伝達可能に構成されている。
なお、動力伝達機構20は、オフセットフレーム11の上部に装着された板支持部材21の上に配置されるとともに、チェーンカバー22によって覆われている。
【0027】
リンク部材13の先端部は、オフセットフレーム11の先端部に回動自在に設けられた回動支持アーム15の一方側端に回動自在に取り付けられている。
ここで、図3(a)を参照しながら詳細に説明すると、回動支持アーム15は、進行方向に対して左右方向に延びる平行リンクフレーム部15aと、平行リンクフレーム部15aの基端側端部分から装着部5側へ延びるリンクアーム部15bとを有してなり、リンクアーム部15bの基端側がオフセットフレーム11の先端側下部に回動自在に取り付けられている。
このように構成されたオフセット機構部10は、図1に示す通り、オフセットフレーム11、リンク部材13、ヒッチフレーム6及び回動支持アーム15によって平行リンク機構を形成している。
【0028】
なお、揺動シリンダ17は、電動式油圧シリンダであり、図示しない制御装置からの制御信号に応じて伸縮するようになっている。
【0029】
また、図4(部分拡大模式側面図)に示すように、オフセットフレーム11の先端部に設けられた従動軸12の下部には、動力伝達軸14が従動軸12と同軸上に配置されて下方へ連結されて、動力伝達軸14は従動軸12の回転に伴って回転する。またオフセットフレーム11の先端下部には、動力伝達軸14と同軸上に配置された円筒状の連結部18がオフセットフレーム11に対して回動自在に取り付けられている。この連結部18は動力伝達軸14と非結合状態にあり、動力伝達軸14を回動中心として回動自在である。この連結部18の下部に作業部60の一部である伝動支持ケース61の基端部が接続され、連結部18の上部に作業部60の一部である伝動支持フレーム65が接続されている。このため、作業部60はオフセット機構部10に設けられた動力伝達軸14の中心軸線を回動支点Oとして回動可能である。
【0030】
なお、本実施形態においては、畦塗り機の構成のうち、回動支点Oを回動の中心軸として回動することが可能な部位であって、伝動支持ケース61及び伝動支持フレーム65を含み、その先端部側に配設される天場処理部62、前処理部64、整畦部66の構成を、作業部60として定義し、説明する。
【0031】
伝動支持ケース61には、図1、図3(a)、図3(b)に示すように、その先端側には、圃場の周辺に沿って形成された旧畦の上部を切り崩す天場処理部62と、切り崩した土の土盛りを行なう前処理部64が配設され、伝動支持ケース61の基端側には盛られた土を切り崩された旧畦上に塗り付ける整畦部66が配設されている。伝動支持ケース61内には図示しない動力伝達機構が内蔵され、この動力伝達機構は、従動軸12からの動力を受けて天場処理部62、前処理部64、整畦部66に動力伝達可能に構成されている。
【0032】
天場処理部62は、回転自在な天場処理ロータ62a(図3(b)参照)を備える。天場処理ロータ62aは天場動力伝達ケース63を介して上下方向に回動可能に伝動支持ケース61に連結された前処理部64の先端部に連結されるとともに、伝動支持フレーム65を介して支持されている。天場動力伝達ケース63内には図示しない動力伝達機構が内蔵され、この動力伝達機構を介して伝動支持ケース61の動力伝達機構に伝達された動力が天場処理ロータ62aに伝達されるようになっている。
【0033】
前処理部64は、回転自在な耕耘爪64a(図2参照)を備える。耕耘爪64aは伝動支持ケース61内の動力伝達機構を介して動力が伝達され、前処理部64は伝動支持ケース61に連結され伝動支持フレーム65を介して支持されている。
【0034】
整畦部66は、伝動支持ケース61に回転自在に支持された多面体ドラム66aと、多面体ドラム66aの右側端部に取り付けられて横方向に延びる円筒部66bとを有してなる。整畦部66は伝動支持ケース61内の動力伝達機構を介して動力が伝達されるように構成され、伝動支持ケース61に支持されている。このため、作業部60は連結部18を介してオフセット機構部10の先端側に設けられた動力伝達軸14(図4参照)の中心軸線を回動支点Oとして旋回可能である。
【0035】
次に、チェーンカバー22によって覆われている動力伝達機構20について、図5(a)〜(c)を参照しながら説明する。
ここにおいて図5(a)は、チェーンカバー22の内部であって、動力伝達機構20の平面図を示すものであり、入力軸8aから回転動力が伝達される駆動軸19に設けられた駆動スプロケット23と、従動軸12に設けられた従動スプロケット24とに無端チェーン25を巻き掛けてなる構成を示している。
【0036】
また、図5(b)は、図5(a)における図中矢印Cの方向から見た動力伝達機構20の側面図を示しており、図5(c)は、図5(a)における図中矢印Dの方向から見下ろした動力伝達機構20の斜視図(チェーンカバー22を除く)を示すものである。
【0037】
ここで、図5(a)に示す通り、駆動軸19は、入力軸8aから回転動力が伝達されると図中Mの方向に向けて回転駆動し、無端チェーン25には、従動スプロケット24から駆動スプロケット23に向けて移動しているチェーン部分であって駆動スプロケット23の回転動力により引っ張られている張り側25bと、駆動スプロケット23から従動スプロケット24に向けて移動しているチェーン部分であって駆動スプロケット23の回転動力により押されている弛み側25aとが発生することとなる。
【0038】
また、弛み側25aの外側には、チェーンの張りを維持するテンショナ30が設けられており、テンショナ30は、無端チェーン25の内側に設けられたバネ部材等よりなるチェーン付勢手段27の弾性力の働きにより、弛み側25aの外側から内側に向けて常に付勢され続けている。
【0039】
図5(b)及び図5(c)を参照しながら、より詳細に説明すると、板支持部材21には切欠部50(図5(c)参照)が施されており、当該板支持部材21の下側には、板支持部材21の真下に固定されたサポート部材31(図5(b)参照)が設けられ、当該サポート部材31には、板支持部材21の切欠部50の内側において上下方向に延在する回転軸34が設けられており、当該回転軸34には、板支持部材21の上側において、回転部材32が回転可能に軸支されている。
【0040】
そして、回転部材32は、略三角形状であるとともに一つの隅部に回転軸34が軸支され、別の隅部であって板支持部材21の上側には回動軸33を介してテンショナ30が回動可能に軸支されている。
【0041】
このため、無端チェーン25の弛み側25aが無端チェーン25の内側又は外側に向けて移動すると同時に、回転部材32についても回転軸34を回転軸として回転することとなり、テンショナ30が図中の矢印Aの方向、又は、矢印Bの方向に向けて動くこととなる。
【0042】
ここで、略三角形状の回転部材32の残りの隅部には、板支持部材21の下側においてバネ先端連結部28が設けられており、そのバネ先端連結部28に一端を連結されるとともに、他端がバネ基端固定部26に固定されているチェーン付勢手段27が、板支持部材21の下側に配置されている。
つまり、本実施形態において、チェーン付勢手段27、バネ先端連結部28及びバネ基端固定部26は、板支持部材21の下側に配置された構成となっている。
【0043】
この構成により、無端チェーン25の弛み側25aが、何らかの理由により緊張状態になり、当該弛み側25aが無端チェーン25の外側に向けて動いた場合には、テンショナ30が図中の矢印Aの方向に動くこととなり、バネ先端連結部28についても同じ動き(矢印Aの方向)を伴いつつ、チェーン付勢手段27については伸びた状態となる。
【0044】
またこのとき、本発明においては、バネ先端連結部28の矢印Aの方向に向けた動きに一定の制限を設けるため、図5(a)及び図5(b)に示す通り、板支持部材21の下側においてストッパ部29を設けており、バネ先端連結部28がストッパ部29に当接することで、バネ先端連結部28がそれ以上動くことがないような構成となっている。
【0045】
つまり、バネ先端連結部28の動きの範囲に一定の制限を設けたことで、テンショナ30の無端チェーン25の外側への動きの範囲についても、一定の制限がかかることとなり、このため、無端チェーン25の弛み側25aの外側への動きについても制限され得る構成となっている。
【0046】
ここで、無端チェーン25の弛み側25aの緊張状態が無くなった際には、チェーン付勢手段27の付勢力により、チェーン付勢手段27が縮むとともにバネ先端連結部28が図中の矢印Bの方向への動き、これに伴って、テンショナ30が図中の矢印Bの方向に動いて、弛み側25aが無端チェーン25の内側に向けて押されることとなる。
【0047】
ここにおいて、チェーン付勢手段27は、図5(a)に示す状態において縮む方向に付勢されているため、常に、無端チェーン25の弛み側25aを無端チェーン25の内側に向けて付勢することとしている。
このため、通常は図5(a)に示す通り、テンショナ30が弛み側25aを無端チェーン25の内側に押し込んだ状態を維持している。
【0048】
以上のように、本実施形態においては、テンショナ30に付勢力を与えるチェーン付勢手段27を無端チェーン25の内側に配置しており、動力伝達機構20のコンパクト化が実現されている。
加えて、チェーン付勢手段27の一端に連結されたバネ先端連結部28の動きを規制するストッパ部29を設けたため、チェーン付勢手段27が過剰に伸びてしまうことを抑制し、テンショナ30が無端チェーン25の外側において過剰に移動してしまうことを防ぐことが可能となっている。
【0049】
次に、本発明の特徴事項であるチェーン規制体40について、図5(a)及び図6(a)を参照して説明する。
本実施形態においてチェーン規制体40は、図5(a)に示す通り、駆動スプロケット23とテンショナ30との間に設けられている。
【0050】
そして、チェーン規制体40は、弛み側25aの外側に突出するとともに外側から前記無端チェーンを規制する弛み側規制部41と、張り側25bを規制する張り側規制部42とを備えている。
【0051】
ここで、本実施形態における弛み側規制部41及び張り側規制部42は、図5(a)におけるL−L断面図としての図6(a)に示す通り、無端チェーン25の弛み側25aの下側を通じて同一部材として構成されている。
また、弛み側25aは、図6(a)に示す通り、通常時は弛み側規制部41と張り側規制部42との間の略中間に位置しており、これは、図5(a)における無端チェーン25の状態に対応したものである。
【0052】
次に、テンショナ30と、無端チェーン25の弛み側25aとの位置関係について、図5(a)におけるK−K断面図である図6(b)を用いて説明する。
図に示す通り、通常時は、チェーン付勢手段27の付勢力により、テンショナ30が弛み側25aを無端チェーン25の内側に向けて(図中矢印E)付勢し、弛み側25aを無端チェーン25の内側に押し込んだ状態を維持している。
【0053】
なお、先述した通り、実際に弛み側25aが緊張状態になって、無端チェーン25の弛み側25aが外側に向けて(図5(a)における図中矢印A)動いた場合には、図6(b)においては、テンショナ30が弛み側25aによって図中矢印Dの方向に押されて動き、それとほぼ同時に、図6(a)においても、弛み側25aが図中矢印Dの方向に動くこととなる。
【0054】
さらに、図6(a)に示すように、チェーン規制体40の張り側規制部42は、無端チェーン25の張り側25bの近傍まで延在しており、張り側25bとは、所定の間隔を隔てた位置に設けられている。
以上から、本発明の特徴事項であるチェーン規制体40の弛み側規制部41及び張り側規制部42は、通常時においては、無端チェーン25の弛み側25a及び張り側25bに対して、所定の間隔を維持した状態を維持して配設されるものである。
【0055】
このように、通常時においては、弛み側規制部41及び張り側規制部42が無端チェーン25に対して所定の間隔を維持して配置されることで、弛み側規制部41及び張り側規制部42がチェーン自体に接触してしまう場面を極力抑え、弛み側規制部41及び張り側規制部42の損傷や摩耗を抑制し、その結果、チェーン自体の損傷や摩耗も抑えることができ、動力伝達機構20の長期的な使用が可能となる。
【0056】
なお、本発明におけるチェーン規制体40の弛み側規制部41は、無端チェーン25の弛み側25aが緊張状態になった際に、弛み側25aが接触する位置にあればよい。
また、張り側規制部42については、張り側25bにおいて無端チェーン25が張った状態において接触することなく、その張った状態において所定の間隔を維持した位置であって、張り側25bが脈動した際に、張り側規制部42が張り側25bに接触することで、脈動を抑えることが可能な位置であればよい。
【0057】
また、図5(a)に示す通り、チェーン規制体40は、概ね無端チェーン25の内側に配設される構成であるため、新たなスペースを必要とすることがなく、テンショナ30を付勢するチェーン付勢手段27やストッパ部29についても無端チェーン25の内側に配設された構成を考慮すると、本発明は、動力伝達機構20におけるコンパクト化を可能とし、さらに既存の動力伝達機構に対して容易に装着することも可能となるものである。
【0058】
そして、チェーン規制体40は、板支持部材21に対して、溶接や図に示す締結部材51を介して装着される構成であればよく、溶接によって装着された場合には、無端チェーン25からの衝撃力に対して高い耐久性を備えることとなり、締結部材51を介して装着された場合には、着脱作業が容易になり、摩耗による交換作業が容易に行えることとなる。
【0059】
次に、無端チェーン25の弛み側25aが瞬間的に緊張状態になった状態について、図7、図8(a)及び図8(b)を参照しながら説明する。
ここにおいて、図7、図8(a)及び図8(b)は、従動スプロケット24側に衝撃負荷が発生した際や、駆動スプロケット23の回転駆動を開始した際など、駆動スプロケット23及び従動スプロケット24の回転速度が瞬間的に違ったものとなり、無端チェーン25に急な負荷がかかった状態であって、弛み側25aが瞬間的に緊張状態となった場合について示すものである。
【0060】
特に、図8(a)は図7におけるP−P断面図を示し、図8(b)は図7におけるQ−Q断面図を示しており、弛み側25aが瞬間的に緊張状態になった状態において、チェーン規制体40と弛み側25aとの位置関係、及び、テンショナ30と弛み側25aとの位置関係を示すものである。
【0061】
この場合、通常は弛んでいる弛み側25aが、瞬間的に緊張状態となって外側へ急な移動を行い、図7に示す通り、弛み側25aのチェーン部分が張った状態となる。そして、チェーン付勢手段27の付勢力に反して、テンショナ30が無端チェーン25の外側に向けて瞬間的に押し出されることとなる。
【0062】
このため、図8(b)に示す通り、弛み側25aが瞬間的にテンショナ30を無端チェーン25の外側に向けて(図中矢印D)移動させることとなり、それとほぼ同時に、図8(a)においても、弛み側25aが図中矢印Dの方向に動くこととなり、チェーン規制体40の弛み側規制部41に当接することとなる。
【0063】
そして、図7及び図8(b)に示す通り、バネ先端連結部28がストッパ部29に当接することにより、テンショナ30の動き(図中矢印Dの方向への動き)が制限され、無端チェーン25の弛み側25aについても外側への動きが抑えられることとなる。
【0064】
また、本発明は、ストッパ部29に加えてチェーン規制体40も配設した構成であり、バネ先端連結部28がストッパ部29へ当接するのとほぼ同時に、弛み側25aについてもチェーン規制体40の弛み側規制部41に当接することにもなる。
このことから、弛み側25aの瞬間的な緊張に伴う外側への衝撃力をストッパ部29及び弛み側規制部41によって効果的に分散でき、ストッパ部29へ集中していた衝撃力を緩和することが可能となる。
【0065】
なお、本実施形態においては、バネ先端連結部28のストッパ部29への当接と、弛み側25aの弛み側規制部41への当接とが同時に発生することとなっており、ストッパ部29及び弛み側規制部41の協働作用によって、弛み側25aの瞬間的な緊張に伴う外側への衝撃力を効果的に分散できる。
【0066】
また、その他の実施態様として、弛み側25aの弛み側規制部41への当接の直後に、バネ先端連結部28のストッパ部29への当接が行われる場合であっても、それらの当接が僅かな時間差の中で行われることとなるため、弛み側25aの瞬間的な緊張に伴う外側への衝撃力を効果的に分散できる。
【0067】
この結果、ストッパ部29への補強部材や緩衝部材の追加の必要もなくなり、テンショナ30を付勢しているチェーン付勢手段27を強力な仕様にする必要性もなくなるため、これらを簡易的な構成とすることができ、構成の簡易化、軽量化やコスト低減という効果が得られる。
【0068】
よって、本発明によれば、弛み側25aにおける緊張状態が頻繁に発生したとしても、ストッパ部29の早期の損傷を防ぐとともに、テンショナ30によるチェーンカバー22への衝突を防ぐことができ、そのため、テンショナ30とチェーンカバー22の損傷も防ぐことができるものである。
【0069】
さらに、本発明においては、図7に示す通り、無端チェーン25の張り側25bの近傍であって、所定の間隔を隔ててチェーン規制体40の張り側規制部42を設けた構成としており、駆動スプロケット及び従動スプロケットの回転速度が異なる状況となった場合に発生する張り側25bの脈動についても、張り側25bが張り側規制部42に接触することで、脈動を抑制することができるものである。
【0070】
なお、図7にて示す張り側規制部42は、無端チェーン25における張り側25bの内側近傍に所定の間隔を隔てて配設された構成であり、無端チェーン25の内側に配置させたことで、動力伝達機構20のコンパクト化に寄与する構成となっている。
【0071】
さらに、図示は省略するものの、本実施形態の変形例として、張り側規制部42を張り側25bの外側に配設した構成としてもよく、その場合には、張り側25bにて発生する脈動が激しい状態であっても、その脈動によるチェーン自体のチェーンカバー22への衝突を抑えることとなり、チェーンカバー22の損傷を抑制することができる。
【0072】
以上を踏まえ、本発明においては、弛み側規制部41及び張り側規制部42を備えるチェーン規制体40を動力伝達機構に用いることで、駆動スプロケット23及び従動スプロケット24の回転速度が異なる状況となった場合であって、弛み側25a及び張り側25bを含めた無端チェーン25全体への急な負荷が発生した場合においても、常に、無端チェーン25全体としての安定的な動作を維持することができるものである。
【0073】
ここで、本実施形態においては、弛み側規制部41及び張り側規制部42を同一の部材として構成しているものの、本実施形態の変形例として、弛み側規制部41と張り側規制部42とを別々の部材とし、各々別々に、板支持部材21に対して、溶接や締結部材を介して装着される構成としてもよいものである。
【0074】
この場合、弛み側規制部41(第1チェーン規制体)のみを板支持部材21に対して装着した構成や、張り側規制部42(第2チェーン規制体)のみを板支持部材21に対して装着した構成とすることもでき、動力伝達機構20における無端チェーン25の動作の安定性を考慮して、その都度変更することが可能となる。
【0075】
さらに、本実施形態においては、弛み側規制部41及び張り側規制部42を同一の部材として構成していることから、いずれの規制部材も、テンショナ30と駆動スプロケット23との間に装着した構成となっているものの、弛み側規制部41と張り側規制部42とを別々の部材とし、各々の装着位置を別々の位置にしてもよい。
【0076】
つまり、この場合には、弛み側規制部41(第1チェーン規制体)をテンショナ30と駆動スプロケット23との間に装着するとともに、張り側25bにおける脈動の激しい箇所がテンショナ30と従動スプロケット24との間であると判断できる場合には、張り側規制部42(第2チェーン規制体)をテンショナ30と従動スプロケット24との間に装着することができる。
【0077】
また、張り側25bにおける脈動の激しい箇所がテンショナ30と駆動スプロケット23との間であると判断できる場合には、本実施形態(図5参照)として示す通り、張り側規制部42(第2チェーン規制体)をテンショナ30と駆動スプロケット23との間に装着し、その一方、弛み側25aにおいては、弛み側規制部41(第1チェーン規制体)をテンショナ30と従動スプロケット24との間に装着することも可能である。
【0078】
また、本実施形態においては、図6(a)及び図8(a)に示した通り、弛み側規制部41及び張り側規制部42を簡易的な構成である板部材としたため、製造を容易とし、コスト面における影響を抑えることができる。
【0079】
さらに、これら弛み側規制部41及び張り側規制部42は、無端チェーン25の弛み側25a及び張り側25bの動きを規制する構成である限り、回転可能なプーリとする構成、或いは、板部材に弾性部材を装着させた構成としても良いものである。
【0080】
この場合、回転可能なプーリとすることで、無端チェーン25の弛み側25a及び張り側25bとの接触が頻繁に行われたとしても、当該接触に伴うこれら弛み側規制部41及び張り側規制部42の摩耗や損傷を抑制することができ、長期的な使用が可能となる。
また、板部材に弾性部材を装着しておくことで、無端チェーン25の弛み側25a及び張り側25bとの接触が頻繁に行われたとしても、当該接触に起因する無端チェーン25への損傷を軽減することができ、無端チェーン25の長期的な使用が可能となる。
【0081】
そして、弛み側規制部41については、先述した通り、バネ先端連結部28のストッパ部29への当接の際に、無端チェーン25の弛み側25aが当接することとなり、その結果、弛み側規制部41に作用する衝撃力が緩和されるため、板部材を厚く構成する必要性が無くなる。
なお、張り側規制部42については、無端チェーン25の張り側25bにおける脈動を規制する構成であればよいため、薄い板部材として構成できることは言うまでもない。
【0082】
ここにおいて、本実施形態における弛み側規制部41及び張り側規制部42は、無端チェーン25の弛み側25a及び張り側25bにおけるチェーンの延在する方向に対して、所定の角度傾いて配置(図5及び図7参照)されている。
【0083】
詳述すると、この角度は、弛み側25a及び張り側25bにおけるチェーンの延びる方向(駆動方向)と、弛み側25a及び張り側25bが無端チェーン25の外側に動いた際に、それら弛み側25a及び張り側25bを無端チェーン25の内側に動かすための方向との合成ベクトルの方向に略沿った角度として構成されたものである。
【0084】
このため、無端チェーン25において、瞬間的に大きな緊張が生じた場合や脈動が生じた場合には、弛み側25aが弛み側規制部41の表面に沿って、合成ベクトルの方向に摩擦しながら移動し、また、張り側25bについても張り側規制部42の表面に沿って、合成ベクトルの方向に摩擦しながら移動することとなるため、無端チェーン25にかかる衝撃力を効果的に均すことができる。
【0085】
さらに、本発明の特徴事項であるチェーン規制体40は、駆動スプロケット23、従動スプロケット24、無端チェーン25、テンショナ30、チェーン付勢手段27、バネ先端連結部28及びストッパ部29から構成されるとともに、既に使用済みの既存の動力伝達機構に対して、新たに追加オプションとして装着してもよいものである。
この場合、チェーン規制体40を追加装着することで、度重なる衝撃力の作用により摩耗が激しくなった既設のストッパ部29や、そのストッパ部29に当接するバネ先端連結部28への負荷を抑制することが可能となる。
【0086】
例えば、農作業機を牽引するトラクタとの相性や、圃場の条件等を考慮し、無端チェーン25の弛み側25a及び張り側25bの動きが激しいと判断できる場合に、この既存の動力伝達機構に対して、新たに追加オプションとして装着することが可能である構成としてもよい。
【符号の説明】
【0087】
12 従動軸
19 駆動軸
23 駆動スプロケット
24 従動スプロケット
25 無端チェーン
25a 弛み側
25b 張り側
27 チェーン付勢手段
28 バネ先端連結部
29 ストッパ部
30 テンショナ
40 チェーン規制体
41 弛み側規制部
42 張り側規制部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転駆動する駆動軸に設けられた駆動スプロケットと、
回転動力を受けて回転する従動スプロケットと、
前記駆動スプロケット及び前記従動スプロケットに巻き掛けられるとともに、前記駆動スプロケットからの回転動力を前記従動スプロケットに伝達する無端チェーンと、
前記無端チェーンの弛み側の外側に配置されるとともに、前記無端チェーンを外側から内側に向けて付勢するテンショナと、
前記テンショナにおける前記無端チェーンの外側に向けた移動を制限するストッパ部と、
前記テンショナに連結されるとともに前記テンショナにおける付勢力を発生するチェーン付勢手段と、を備える動力伝達機構であって、
前記無端チェーンの内側に配置され、前記無端チェーンの弛み側の外側に突出するとともに外側から前記無端チェーンの動きを規制する弛み側規制部を備えた第1チェーン規制体を設けたことを特徴とする動力伝達機構。
【請求項2】
前記無端チェーンの内側に配置され、前記無端チェーンの張り側の動きを規制する張り側規制部を備えた第2チェーン規制体を設けたことを特徴とする請求項1に記載の動力伝達機構。
【請求項3】
前記第1チェーン規制体及び前記第2チェーン規制体は、一方の端部を前記第1チェーン規制体とするとともに、他方の端部を前記第2チェーン規制体として一体に構成されたチェーン規制体であることを特徴とする請求項2に記載の動力伝達機構。
【請求項4】
前記張り側規制部は、前記無端チェーンの張り側の内側に位置することを特徴とする請求項2又は請求項3のいずれかに記載の動力伝達機構。
【請求項5】
前記張り側規制部は、前記無端チェーンの張り側の外側に位置することを特徴とする請求項2又は請求項3のいずれかに記載の動力伝達機構。
【請求項6】
前記弛み側規制部及び前記張り側規制部は、前記付勢力により前記テンショナが前記弛み側を前記無端チェーンの内側に向けて付勢している状態において、前記無端チェーンに対して所定の間隔を隔てて配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の動力伝達機構。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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