説明

動植物製油脂の燃料化方法

【課題】 流動点や目詰まり点の向上を図り、環境に優しいバイオディーゼル燃料と、バッテリー液を提供する。
【解決手段】 一次処理装置11で、植物性油脂または動物性油脂である元原料Mを、オゾンガスGを加えながら、所定温度および所定圧力の条件下で加温して液化し、液体原料M1とする一次処理工程1と、二次処理装置12で、一次処理工程1で得た液体原料M1を、所定温度および所定圧力の条件下で加温して蒸発させて気化し、気体原料M2とする二次処理工程2と、凝縮コンデンサー13で、二次処理工程2で得た気体原料M2を、チラー16から供給される液体によって冷却して液化し、蒸留原料M3とする凝縮工程3と、油水分離槽14で、凝縮工程3で得た蒸留原料M3を、油成分であるバイオディーゼル燃料Fと、水性分であるバッテリー液Lとに分離する分離工程4と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物性油脂や動物性油脂を使用してディーゼルエンジンの燃料となるバイオディーゼル燃料、およびバッテリー液を精製することのできる方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、環境問題の観点から、軽油に代わる燃料としてバイオディーゼル燃料の使用が、日本をはじめ、EU、アメリカおよび東南アジアなど、世界的に進められている。このバイオディーゼル燃料は、通常、植物性油脂にメタノールを添加し、アルカリ触媒によって脂肪酸のメチルエステル化を図り、脂肪酸メチルエステルを製造するものである。なお、このとき、グリセリンが副産物として産出される。
【0003】
なお、現在使用されている原料は、品質保持(特に低い流動点を保つため)のために、不飽和脂肪酸を多く含む菜種油、ひまわり油、大豆油、パーム油オレインが主である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来のメチルエステル化によって製造されたバイオディーゼル燃料は、燃料として必要な流動点、目詰まり点、動粘度、引火点などにおいて、さらなる改善が求められる。また、アルカリ触媒を用いているので、洗浄水の排水の対策が必要となり環境汚染の問題が発生し、また、ディーゼルエンジンの損傷も懸念される。
【0005】
一方、従来のバッテリー液は、希硫酸液であるため廃棄する際に環境を汚染する懸念があり、また、その寿命も必ずしも満足できるものではない。
【0006】
本発明はこうした点に鑑み創案されたもので、流動点や目詰まり点などの燃料としての性質の向上を図り、環境に、より優しいバイオディーゼル燃料を製造する方法を提供することを課題とする。同時に、環境に優しく寿命の長いバッテリー液を製造する方法を提供することも課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
図1および図2を参照して説明する。請求項1に記載の動植物油脂の燃料化方法は、一次処理装置11、二次処理装置12、凝縮コンデンサー13、および油水分離槽14を備える燃料化設備10を用いて、バイオディーゼル燃料Fとバッテリー液Lを精製する方法であって、前記一次処理装置11において、植物性油脂または動物性油脂である元原料Mを、オゾンガスGを加えながら、所定温度および所定圧力の条件下で加温して液化し、液体原料M1とする一次処理工程1と、前記二次処理装置12において、前記一次処理工程1で得た液体原料M1を、所定温度および所定圧力の条件下で加温して蒸発させて気化し、気体原料M2とする二次処理工程2と、前記凝縮コンデンサー13において、前記二次処理工程2で得た気体原料M2を、チラー16から供給される液体によって冷却して液化し、蒸留原料M3とする凝縮工程3と、前記油水分離槽14において、前記凝縮工程3で得た蒸留原料M3を、油成分であるバイオディーゼル燃料Fと、水性分であるバッテリー液Lとに分離する分離工程4と、を備えることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の動植物油脂の燃料化方法は、一次処理装置11、二次処理装置12、凝縮コンデンサー13、および油水分離槽14を備える燃料化設備10を用いて、バイオディーゼル燃料Fとバッテリー液Lを精製する方法であって、前記一次処理装置11において、植物性油脂または動物性油脂である元原料Mを、オゾンガスGを加えながら、温度60℃〜150℃、常圧〜最大0.1Mpaの条件下で加温して液化し、液体原料M1とする一次処理工程1と、前記二次処理装置12において、前記一次処理工程1で得た液体原料M1を、温度120°C〜400°C、常圧〜最大0.1Mpaの条件下で加温して蒸発させて気化し、気体原料M2とする二次処理工程2と、前記凝縮コンデンサー13において、前記二次処理工程2で得た気体原料M2を、チラー16から供給される液体によって冷却して液化し、蒸留原料M3とする凝縮工程3と、前記油水分離槽14において、前記凝縮工程3で得た蒸留原料M3を、油成分であるバイオディーゼル燃料Fと、水性分であるバッテリー液Lとに分離する分離工程4と、を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の動植物性油脂の燃料化方法は、一次処理装置11、二次処理装置12、凝縮コンデンサー13、および油水分離槽14を備える燃料化設備10を用いて、バイオディーゼル燃料Fとバッテリー液Lを精製する方法であって、前記一次処理装置11において、植物性油脂または動物性油脂である元原料Mを、助剤Aと共に、オゾンガスGを加えながら、温度60℃〜150℃、常圧〜最大0.1Mpaの条件下で、60分〜180分、加温して液化し、液体原料M1とする一次処理工程1と、前記二次処理装置12において、前記一次処理工程1で得た液体原料M1を、温度120°C〜400°C、常圧〜最大0.1Mpaの条件下で加温して蒸発させて気化し、気体原料M2とする二次処理工程2と、前記凝縮コンデンサー13において、前記二次処理工程2で得た気体原料M2を、チラー16から供給される2℃〜10℃の液体によって冷却して液化し、蒸留原料M3とする凝縮工程3と、前記油水分離槽14において、前記凝縮工程3で得た蒸留原料M3を、油成分であるバイオディーゼル燃料Fと、水性分であるバッテリー液Lとに分離する分離工程4と、を備えることを特徴とする。
【0010】
なお、助剤Aとしては、イズカライト、ゼオライトあるいはリモナイト(いずれも天然を含む)が好ましい。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1,2または3に記載の動植物性油脂の燃料化方法において、一次処理装置の液体原料M1に加えられるオゾンガスに、波長20kZH〜100kZHの超音波の振動波を加え、オゾンガスの微細な泡を更に微細化して液体原料M1との接触面積を広げることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の動植物性油脂の燃料化方法は、バイオディーゼル燃料Fを、一次処理工程1において、元原料MにオゾンガスGを加えて液化しており、従来技術のようにアルカリ触媒を用いないので、流動点−30℃以下、目詰まり点−45℃以下とすることができる(表1参照)。これは、軽油のJIS規格より優れた特性である(表2参照)。さらに、この方法で得られたバイオディーゼル燃料Fは、CO(カーボンニュートラルによる)、硫黄分量、NOxの発生量が少なく、環境にも優しい。
【0013】
【表1】













【0014】
【表2】













【0015】
また、この燃料化方法で製造されたバッテリー液Lは、硫酸分を含まないので、廃棄する際に環境を汚染することがない。また、サルフェーション(硫酸化)がないので、従来の希硫酸を含むバッテリー液Lと比較して寿命が長い。さらに、充電時間も短い(表3参照)。
【0016】
【表3】







【0017】
なお、このバッテリー液Lは希硫酸を含まないものの、その水相分は水素イオン濃度が高いので、それが希硫酸の代わりとなると推測できる。
【0018】
また、本発明におけるオゾンガスGは以下のように作用すると考えられる。すなわち、オゾンガスGを含んだ元原料M中の脂肪酸はオゾンの酸化と熱分解の酸化(脱水素)によって脱水素化され、同時に炭素と炭素の二重結合が促され、またオゾンによる二重結合部の切断化による炭素長数が短縮減少し、さらに、酸化(脱水素)により飽和脂肪酸の不飽和脂肪酸化が現象化される。また助剤Aは、それぞれの反応を促進する。これにより、バイオディーゼル燃料Fとバッテリー液Lが効果的に精製される。
【0019】
バッテリー液Lとなる水分の生成は酸化(脱水素)により、OH基がOとHに切断され、H+O=HOとなり、オゾンが分解されたOもHと結合反応してHOとなり、酸化(脱水素)された水素イオン(H+)が多いため強酸性の水分となる。
【0020】
請求項2に記載の動植物油脂の燃料化方法は、請求項1に記載の発明と同様の効果を発揮する。また、一次処理工程1において、元原料Mを、温度60℃〜150℃、常圧〜最大0.1Mpaの条件下で加温しているので、円滑かつ迅速に液体原料M1とすることができる。また、二次処理工程2において、液体原料M1を、温度120°C〜400°C、常圧〜最大0.1Mpaの条件下で加温しているので、円滑かつ迅速に気体原料M2とすることができる。
【0021】
請求項3に記載の動植物性油脂の燃料化方法は、請求項1および2に記載の発明と同様の効果を発揮する。また、一次処理工程1において、助剤Aを加えているので、各処理工程における処理を促進させることができる。また、一次処理工程1において、元原料Mを60分〜180分加温するので、元原料Mを充分に液化することができる。さらに、凝縮工程3において、気体原料M2を2℃〜10℃の液体によって冷却しているので、充分かつ適度な冷却とすることができる。
【0022】
請求項4に記載の動植物性油脂の燃料化方法は、請求項1,2または3に記載の発明と同様の効果を発揮する。また、一次処理装置の液体原料M1に加えられるオゾンガスに、波長20kZH〜100kZHの超音波の振動波を加え、オゾンガスの微細な泡を更に微細化して液体原料M1との接触面積を広げることにより、一次処理反応を高効率化する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明に係る動植物性油脂の燃料化方法の実施形態を、図1に示す。これは、一次処理装置11、二次処理装置12、凝縮コンデンサー13、および油水分離槽14を備える燃料化設備10を用いて、バイオディーゼル燃料Fとバッテリー液Lを精製する方法であり、一次処理工程1、二次処理工程2、凝縮工程3および分離工程4を有する。この燃料化方法は、図2に示す燃料化設備10によって行うことができる。なお、図2において、符号15はオゾン発生機、18は受液タンク、19は減圧タンク、20は減圧ポンプを示す。
【0024】
一次処理工程1は、一次処理装置11において行われるもので、植物性油脂または動物性油脂である元原料Mを、助剤A(イズカライト、ゼオライトまたはリモナイト(いずれも天然を含む))と共に、オゾンガスGを加えながら、温度60℃〜150℃、常圧〜最大0.1Mpaの条件下で、60分〜180分、加温して液化し、液体原料M1とするものである。本実施形態で使用するイズカライトおよびリモナイトの構成成分を、表4と表5に示す。なお、オゾンガスGの濃度は30g〜100g/Nm、発生量を6g/h以上としている。
【0025】
【表4】












【0026】
【表5】













【0027】
なお、本実施形態では、液体原料M1とオゾンガスGを混合して微細な泡状となるようにしている。これによりオゾンガスGの溶融溶解率を高め、微細な泡の接触する表面積が最大限に活用されるようにし、反応効果を高めている。
【0028】
また、オゾンガスGの強力な酸化作用により脂肪酸の炭素が分断され、飽和脂肪酸は不飽和脂肪酸へと変化することにより、燃焼し易くなる。また、オゾンガスGの反応により重合化現象が発生し、粘性が増す。
【0029】
なお、一次処理工程1における残留物は、高分子化ポリマーPとなっており、一次処理装置11から取り出されて使用される。この高分子化ポリマーPは、トリグリセリドを構成する不飽和脂肪酸の二重結合が移動し、分子内2量化を形成し、さらに同じような構造となったトリグリド2分子が結合し(分子間反応し)、グリセリドの2量体になったものと考えられる。これは、ゴム状の弾力のある物質である。この高分子化ポリマーPの用途としては、インク原料、塗料原料、接着剤原料などがある。
【0030】
二次処理工程2は、二次処理装置12において行われるもので、一次処理工程1で得た液体原料M1を、温度120°C〜400°C、常圧〜最大0.1Mpaの条件下で加温して蒸発させて気化し、気体原料M2とするものである。この二次処理工程2で、約80%の精製ができ、残留液は送液ポンプ17によって、一次処理装置11へ移送され、再度、一次処理工程1の対象となる。
【0031】
図2に仮線で示すごとく、送液ポンプ17の吐出路中に超音波発生器21を介在させ、波長20kZH〜100kZHの超音波の振動波を一次処理装置11の液体原料M1に加えれば、オゾンガスの微細な泡を更に微細化して液体原料M1との接触面積を広げることにより、一次処理反応を高効率化する。
【0032】
凝縮工程3は、凝縮コンデンサー13において行われるもので、二次処理工程2で得た気体原料M2を、チラー16から供給される2℃〜10℃の液体によって冷却して液化し、蒸留原料M3とするものである。
【0033】
そして、分離工程4は、油水分離槽14において行われるもので、凝縮工程3で得た蒸留原料M3を、油成分であるバイオディーゼル燃料Fと、水性分であるバッテリー液Lとに分離するものである。
【0034】
本実施形態に係る動植物性油脂の燃料化方法は、バイオディーゼル燃料Fを製造するために、一次処理工程1において、元原料MにオゾンガスGを加えて液化して製造しているので、表1に示すように、流動点−30℃以下、目詰まり点−45℃以下とすることができる。これは、表2に示す軽油のJIS規格(流動点−30℃以下、目詰まり点−10℃以下)より優れた特性である。また、この方法で得られたバイオディーゼル燃料Fは、CO(カーボンニュートラルによる)、硫黄分量、NOxの発生量が少なく、環境にも優しい。
【0035】
また、この燃料化方法で製造されたバッテリー液Lは、硫酸分を含まないので、廃棄する際に環境を汚染することがない。また、サルフェーション(硫酸化)がないので寿命が長く、充電時間が短い(表3参照)。また、バッテリー液Lは、充電時間が40分であり、通常の希硫酸液のバッテリー液L(4〜8時間)と比較して極めて短時間である。なお、放電は希硫酸液のバッテリーと同等であることを確認した。
【0036】
なお、一次処理工程1において、元原料Mを、温度60℃〜150℃、常圧〜最大0.1Mpaの条件下で加温しているので、円滑かつ迅速に液体原料M1とすることができる。また、一次処理工程1において、助剤Aを加えているので、各処理工程における処理を促進させることができる。また、一次処理工程1において、元原料Mを60分〜180分加温するので、元原料Mを充分に液化することができる。
【0037】
また、二次処理工程2において、液体原料M1を、温度120°C〜400°C、常圧〜最大0.1Mpaの条件下で加温しているので、円滑かつ迅速に気体原料M2とすることができる。さらに、凝縮工程3において、気体原料M2を2℃〜10℃の液体によって冷却しているので、充分かつ適度に冷却することができる。
【0038】
上記実施形態の燃料化方法は、以下の特徴的な効果を併せて発揮する。
(甲)本燃料化方法により製造されたバイオディーゼル燃料Fは、品質が軽油のように安定している。また、低温域での流動性や燃料フィルターに対する目詰まりについても特別なフィルターを設けるなどのエンジン対策を採ることなく、通常の軽油と同様に使用することができる。
(乙)従来技術にはない飽和度の高いバイオディーゼル燃料Fを提供できるので、動物油脂を含めたあらゆる原料を選択することができる。
(丙)既存の設備を使用することができるので経済的である。また、操作性やメンテナンスも容易である。
(丁)コンパクトな設備で効率的な運転ができるため、省スペース化が図れる。
(戊)アルコール、化学製品、水を使用しないため、廃棄物(汚泥を含む)を排出せず、また、廃水処理も必要としないので、環境を汚染しない。
なお、本実施形態に係る燃料化方法において使用される元原料Mとしては、動物性油脂では、牛、豚、鶏、羊、山羊等(パルチアミン酸、ステアリン酸、アラキジン酸)がある。また、植物性油脂では、大豆、トウモロコシ、菜種、ひまわり、ゴマ、オリーブ、椿、パーム、椰子、ココナッツ、ジャトロファ、ヒマ等(オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、パルチミン酸、ステアリン酸)がある。
【実施例】
【0039】
本発明者らは、上記実施形態に係る燃料化方法によって、パームステアリン(ステアリン酸)からバイオディーゼル燃料Fおよびバッテリー液Lを製造した。表6に、パームステアリングをオゾン処理したことによって得られる成分と、オゾン処理しないものから得られる成分を示す。
【0040】
【表6】












【0041】
この表から明らかなように、パームステアリン酸をオゾン処理することによって、バイオディーゼル燃料Fである炭化水素を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明に係る燃料化方法の実施形態を示すフローチャートである。
【図2】本発明に係る燃料化方法を実施するための燃料化設備を示す構成図である。
【符号の説明】
【0043】
1 一次処理工程
2 二次処理工程
3 凝縮工程
4 分離工程
10 燃料化設備
11 一次処理装置
12 二次処理装置
13 凝縮コンデンサー
14 油水分離槽
15 オゾン発生機
16 チラー
17 送液ポンプ
18 受液タンク
19 減圧タンク
20 減圧ポンプ
21 超音波発生器
F バイオディーゼル燃料
L バッテリー液
M 元原料
M1 液体原料
M2 気体原料
M3 蒸留原料
G オゾンガス
A 助剤
P 高分子ポリマー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一次処理装置,二次処理装置,凝縮コンデンサー,および油水分離槽を備える燃料化設備を用いて,バイオディーゼル燃料とバッテリー液を精製する方法であって、前記一次処理装置において,植物性油脂または動物性油脂である元原料を,オゾンガスを加えながら,所定温度および所定圧力の条件下で加温して液化し,液体原料とする一次処理工程と、前記二次処理装置において,前記一次処理工程で得た液体原料を,所定温度および所定圧力の条件下で加温して蒸発させて気化し,気体原料とする二次処理工程と、前記凝縮コンデンサーにおいて,前記二次処理工程で得た気体原料を,チラー)から供給される液体によって冷却して液化し,蒸留原料とする凝縮工程と、前記油水分離槽において,前記凝縮工程で得た蒸留原料を,油成分であるバイオディーゼル燃料と,水性分であるバッテリー液とに分離する分離工程と、を備えることを特徴とする動植物性油脂の燃料化方法。
【請求項2】
一次処理装置,二次処理装置,凝縮コンデンサー,および油水分離槽を備える燃料化設備を用いて,バイオディーゼル燃料とバッテリー液を精製する方法であって、前記一次処理装置において,植物性油脂または動物性油脂である元原料を,オゾンガスを加えながら,温度60℃〜150℃,常圧〜最大0.1Mpaの条件下で加温して液化し,液体原料とする一次処理工程と、前記二次処理装置において,前記一次処理工程で得た液体原料を,温度120°C〜400°C,常圧〜最大0.1Mpaの条件下で加温して蒸発させて気化し,気体原料とする二次処理工程と、前記凝縮コンデンサーにおいて,前記二次処理工程で得た気体原料を,チラーから供給される液体によって冷却して液化し,蒸留原料とする凝縮工程と、前記油水分離槽において,前記凝縮工程で得た蒸留原料を,油成分であるバイオディーゼル燃料と,水性分であるバッテリー液とに分離する分離工程と、を備えることを特徴とする動植物性油脂の燃料化方法。
【請求項3】
一次処理装置,二次処理装置,凝縮コンデンサー,および油水分離槽を備える燃料化設備を用いて,バイオディーゼル燃料とバッテリー液)を精製する方法であって、前記一次処理装置において,植物性油脂または動物性油脂である元原料を,助剤と共に,オゾンガスを加えながら,温度60℃〜150℃,常圧〜最大0.1Mpaの条件下で,60分〜180分,加温して液化し,液体原料とする一次処理工程と、前記二次処理装置において,前記一次処理工程で得た液体原料を,温度120°C〜400°C,常圧〜最大0.1Mpaの条件下で加温して蒸発させて気化し,気体原料とする二次処理工程と、前記凝縮コンデンサーにおいて,前記二次処理工程で得た気体原料を,チラーから供給される2℃〜10℃の液体によって冷却して液化し,蒸留原料とする凝縮工程と、前記油水分離槽において,前記凝縮工程で得た蒸留原料を,油成分であるバイオディーゼル燃料と,水性分であるバッテリー液とに分離する分離工程と、を備えることを特徴とする動植物性油脂の燃料化方法。
【請求項4】
一次処理装置の液体原料に加えられるオゾンガスに、波長20kZH〜100kZHの超音波の振動波を加え、オゾンガスの微細な泡を更に微細化して液体原料との接触面積を広げることを特徴とする請求項1,2または3に記載の動植物性油脂の燃料化方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−35684(P2009−35684A)
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−203107(P2007−203107)
【出願日】平成19年8月3日(2007.8.3)
【出願人】(507263988)
【出願人】(507262844)
【出願人】(507263999)
【Fターム(参考)】