説明

動物に対する非侵襲的刺激のための装置

動物の身体に非侵襲的刺激を与えるための装置であって、当該装置は、電気導体、および当該電気導体に電気接続されている1対の刺激装置を有するコネクタ本体、を備えており、当該1対の刺激装置は、上記コネクタ本体上に設置されており、動物の身体における皮膚表面が上記刺激装置とコネクタ本体との間に係合できるようになっている。使用時に、電源は上記導体に電気接続されており、上記1対の刺激装置に電流を通し、電流が上記導体の間を通過するときに、動物の身体に非侵襲的刺激を与える。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔技術分野〕
本発明は、動物の体における皮膚表面に、非侵襲的刺激を与えるための装置、システム、および方法に関する。
【0002】
〔背景〕
動物の体における皮膚表面に、マッサージや鍼などの非侵襲的刺激を与えることは知られている。
【0003】
鍼は、形而上の概念である「気(ch'i)(Qi)」に基づいており、気とは、「経路(メリディアン)」と呼ばれる仮想のチャネル(hyptothesized channels)を通る想像上の身体エネルギーである。これら経路上に、365個の指定されたツボがあり、それらツボは、刺激を与え、気の流れにおける閉塞を取り除くことによって陰陽の均衡を保つために用いられうる。
【0004】
鍼治療を用いて病気の治療を行う従来の方法として、既知のツボに針を挿入し、手動で針を振動させることによって神経を刺激する方法が採用されている。しかしながら、そのような経皮神経刺激方法は、針の先端が突発的に曲がるか、または、破損することによって、身体に損傷を与える危険性を本質的にはらんでいる。
【0005】
侵襲的な鍼治療の代わりに、脈動電流を流すなどの非侵襲的方法によってツボに刺激を与えるための装置が知られている。脈動電流を使用する既知の装置の1つは、電源ユニット、および、当該電源ユニットを1つ以上の導通電極に接続する1つ以上のワイヤーを含む。導通電極は、脈動電流をツボに流すために、ユーザーにおけるツボ上にある導通電極を保持するための接着パッチに接続されている。
【0006】
既知の装置における1つの欠点は、電極と電源とを繋ぐ1つ以上のワイヤが互いにからまるということにある。
【0007】
既知の装置における他の欠点は、概して、電源ユニットがかさばるために携帯できないことにある。このため、移動の際に装置を使うのは不便である。
【0008】
既知の装置における他の欠点は、それら装置は、パルス電流が身体を横断するのに不可欠である電流制御よりは、むしろ電圧制御されていることにある。
【0009】
既知の装置における他の欠点は、パルス電流刺激によって不快なチクチク感が生じることにある。既知の装置における他の欠点は、装置を作動するために並列接続が必要となることにあり、それは概して不便である。例えば、電極を接着パッチおよび電源ユニットに接続しなければならず、時間もかかる。
【0010】
既知の装置における他の欠点は、接続に必要な複合ケーブルによってヒトの身体の動きが拘束されるため、装置を使用する際に他の動作を行うことができない可能性があることにある。ヒトの身体に対する拘束は、概して不便でもある。
【0011】
既知の装置における他の欠点は、多数のワイヤーおよび分離された電源は、見た目が悪く、ユーザーが装置を使う気をそいでしまう可能性があることにある。
【0012】
既知の装置における他の欠点は、それら装置がヒトの身体上に係合する時、電極は任意に設置され、目的とするツボの位置と合っていない可能性があることにある。
【0013】
上述した欠点の1つ以上を克服、または、少なくとも改善するために、動物の身体における皮膚表面のツボに、非侵襲的刺激を与えるための装置が提供される必要がある。
【0014】
〔要約〕
第1の形態によると、動物の身体に非侵襲的刺激を与えるための装置が提供されている。当該装置は、電気導体と、当該電気導体に電気接続されている1対の刺激装置とを有するコネクタ本体を備えており、上記1対の刺激装置は、上記コネクタ本体上に設置されていて、上記1対の刺激装置の間に動物の身体における皮膚表面を係合することができる構成となっている。そして使用時には、電源が上記導体に電気接続されて、上記1対の刺激装置に電流を通し、電流が上記1対の刺激装置の間を通過するときに、動物の身体に非侵襲的刺激を与えることができるようになっている。
【0015】
1対の刺激装置が動物におけるツボ、またはツボ周辺に係合し、ツボまたはツボ周辺に非侵襲的な鍼刺激を与えてもよい。1対の刺激装置は、動物の身体における皮膚表面に非侵襲的刺激を与えてもよい。
【0016】
電流は、動物の身体におけるツボ、またはツボ周辺を通ってもよい。好ましくは、動物の身体におけるツボ、または、ツボ周辺を通る上記電流は、電流制御されたものである。
【0017】
コネクタ本体は概して細長い形状であってもよい。1対の刺激装置は、細長い形状のコネクタ本体の両端にそれぞれ設置されていてもよい。細長い形状のコネクタ本体の両端は、コネクタ本体における中間部に比べて幅が広くてもよく、上記両端が上記中間部の周りに枢軸を置くようになっていてもよい。
【0018】
コネクタ本体は、バイアスを備えていてもよい。当該バイアスは、非侵襲的刺激の際に、動物の身体を把持するために1対の刺激装置のそれぞれに向かってバイアスをかける。好ましくは、動物の身体を堅く把持することによって、実質的に均質な電流が動物の身体に通される。より好ましくは、動物の身体における皮膚表面を通る均質な電流の導通によって、電流の湾曲、または、電流の収束が阻止されるか、あるいは、少なくとも抑制され、それによって使用時のユーザーの不快感を回避することができる。
【0019】
ある実施形態において、バイアスは板バネを備えており、当該スプリングは上記コネクタ本体と一体化して形成されてもよい。ある実施形態において、コネクタ本体は成形プラスチックであり、板バネは、融解状態のときにプラスチックによって満たされた穴を備えていてもよい。好ましくは、プラスチックによって満たされた板バネ内部の穴によって、板バネはコネクタ本体に対して定位置を保持することができ、結果として動物の身体を把持することができる。
【0020】
上記装置は、電流を制御することのできる制御装置を備えていてもよい。装置は、使用の際に電流を流したり、止めたりするために、制御装置に連結されたスイッチを備えていてもよい。装置は、使用の際に通す電流の強さを調節するために、制御装置に連結された電流調節器を備えていてもよい。装置は、使用時に電流が通される時の周波数を調節するために、制御装置に連結された周波数変調器を備えていてもよい。刺激装置から動物の身体における皮膚表面に通される電流の周波数は、2Hzから100Hzの範囲であってもよい。
【0021】
コネクタ本体は凹部を備えており、当該凹部によってバッテリー電源が上記導体に電気接続することができる。任意に、バッテリー電源は、接続部に連結するためのコネクタ本体と統合されている。
【0022】
コネクタ本体は、閉鎖型のリングやU型部材などのいかなる形状であってもよい。
【0023】
任意に、1つ以上の指示器が制御装置に電気接続されている。当該指示器は、(i)電流が刺激装置に流れること、(ii)電流が刺激装置に流れないこと、(iii)通される電流の強さ、(iv)電流が通されるときの周波数、(v)非侵襲的刺激の持続時間の残り時間、およびその組合せ、からなる群から選択される情報を示す。
【0024】
コネクタ本体は、コネクタ本体の少なくとも一部が可撓性および弾性を備えることができるいかなる適した材料から形成されてもよい。典型的な材料は、熱可塑性ゴム、軟質フォーム、またはその組合せなどの熱可塑性材料である。
【0025】
装置は、制御装置に電気接続された光結合器をさらに有していてもよい。当該光結合器は、電流に関する情報を他の装置の光結合器に送信する、および/または受信するために用いられる。
【0026】
第2の形態によると、動物の身体に電流を通すことができる、少なくとも2つの非侵襲的刺激装置を備える非侵襲的刺激システムが提供される。当該装置のそれぞれは、電流を生成するための制御装置、および、電流に関する情報を送信する、および/または受信することのできる光結合器を備えている。当該装置において、使用時に、電流に関する情報が上記光結合器の間に送信されるにつれ、少なくとも2つの装置における電流が同期される。
【0027】
好ましくは、非侵襲的刺激の持続時間の間に、電流、具体的には電流の位相を同期することによって、電流が同期されなかった場合よりも有効性があることがわかっている。
【0028】
電流を、動物の身体における皮膚表面上に加えてもよい。
【0029】
ある実施形態において、上記少なくとも2つの装置における電流の周波数は、同期される。
【0030】
他の実施形態において、上記少なくとも2つの装置における電流の位相は、同期される。
【0031】
他の実施形態において、上記少なくとも2つの装置における電流の強さは、同期される。
【0032】
第3の形態によると、上記第1の形態において定義された少なくとも2つの装置を備えた非侵襲的刺激システムが提供される。当該装置のそれぞれは、電流を生成するための制御装置、および、電流に関する情報を送信、または、受信することができるデータ結合器を備えている。当該装置において、使用の際に、電流に関する情報が上記データ結合器に送信され、2つの装置における電流が同期しているか、同期していないかを示す。
【0033】
データ結合器は、光データ結合器およびワイヤレスデータ結合器のうちの1つ、またはそれ以上であってもよい。典型的な光データ結合器は、赤外線探知機および赤外線送信機を含んでおり、当該探知機および送信機は、赤外線状態でデータをそれぞれ探知および送信する。典型的なワイヤレスデータ結合器は、WiFi対応結合器、Bluetooth(登録商標)対応結合器、および、無線結合器を含む。
【0034】
第4の形態によると、動物の身体に対して非侵襲的刺激を与えるための方法が提供される。当該方法は、第1の形態に係る第1装置を備えるステップ、第1装置における1対の刺激装置を動物の身体上に接触するよう配置するステップ、および、電流を1対の刺激装置に送信するステップを有する。
【0035】
上記方法は、第1の形態に係る第2装置を備えるステップ、および、第2装置を動物の身体上に配置し、第1および第2装置の両方を用いて当該動物を同時に刺激するステップをさらに有していてもよい。
【0036】
上記方法は、当該第1および第2装置における電流の周波数、位相、および強さのうちの少なくとも1つを同期するステップを有していてもよい。
【0037】
少なくとも2つの装置における電流の同期化は、刺激の初期段階において生じる。好ましくは、刺激の初期段階において同期化することによって、節電でき、装置が独立的に機能することができる。さらに、刺激の初期段階において同期化することによって、刺激の間の同期誤差が低減されるか、または、解消される。
【0038】
第5の形態によると、上述の第1の形態において定義された装置を用いて、動物の身体に対して非侵襲的刺激を与えるための方法が提供される。当該方法は、喫煙依存症、卒中リハビリテーション、頭痛、生理痛、テニス肘、繊維筋痛、筋筋膜疼痛、変形性関節症、腰痛、手根管症候群、ぜんそく、オピオイド、大食症、ストレス、身体の痛み、アルコール依存症、およびそれらの組合せ、からなる群から選択される症状を治療するために用いられる。
【0039】
第6の形態によると、動物の身体に対して非侵襲的刺激を与えるための装置が提供される。当該装置は、導体および当該導体に電気接続された少なくとも2つの刺激装置を有するコネクタ本体、を備えている。コネクタ本体の少なくとも一部は、少なくとも2つの刺激装置が動物の身体に接触するのに十分な可撓性を有しており、かつ、使用中に刺激装置を定位置に保持するのに十分な弾性を有している。当該装置において、使用の際に、電源は、少なくとも2つの刺激装置に電流を通すために導体に電気接続されており、それによって動物に対して非侵襲的刺激が与えられる。
【0040】
少なくとも2つの刺激装置は、動物の身体における皮膚表面上に非侵襲的刺激を与えてもよい。
【0041】
非侵襲的刺激は、動物の身体と接触している少なくとも2つの刺激装置の間を通過する電流によって与えられてもよい。
【0042】
2つの刺激装置は、細長い形状のコネクタ本体における逆端にそれぞれ配置されていてもよい。
【0043】
ある実施形態において、1対の刺激装置はそれぞれ、粘着ヒドロゲルを備えたカーボンメッシュなどの導電層からなる電極であるため、低抵抗および均質な電流分布が可能になる。
【0044】
ある実施形態において、1対の刺激装置はそれぞれ、剥離可能な粘着材料によって覆われた金属パッドである。他の実施形態において、刺激装置はそれぞれ、例えばECG電極パッドなどの粘着ヒドロゲルで覆われたカーボンメッシュである。刺激パッドの面積は、用途によって異なる可能性があることに留意されたい。例えば、電流が動物の身体における特定の箇所に限定される場合、刺激パッドは目的の刺激箇所を覆うような寸法で作られる。例えば、ある実施形態において、刺激パッドは直径約30mmの円形状であるが、パッドの範囲(面積)を減らすことによって電流を集中させるために、この直径を小さくすることができる。逆に言えば、電流の強さを弱める場合、パッドの範囲(面積)は拡張しうる。
【0045】
〔定義〕
ここに使用される用語「生物学的システム」は、化学的または電気的のいずれかの、シグナル伝達ネットワークまたは調節ネットワークのことを指すことを目的としている。当該システムは、動物の身体における皮膚表面上のツボに対する非侵襲的刺激によって刺激されてもよく、当該システムによって、上述した欠点の1つ以上が克服されるか、または、少なくとも改善される。
【0046】
ここに使用される用語「制御装置」は、制御回路を備えるが、それに限定されない、電気装置群のことを指す。当該電気装置は、デジタル式またはアナログ式、および、知的(マイクロコントローラまたは同様の電子部品を内蔵することによる)、または簡易(例えば電源などの他の手段を内蔵することによる)であってもよい。
【0047】
ここに使用される用語「市寸(cun)」は、ヒトの指の幅に基づいた長さの単位を指すことを目的としており、1市寸は、近位指節間関節における中指の背面を横切る長さと略等しい。
【0048】
用語「動物」は、ヒトおよびヒト以外の動物を含む。
【0049】
用語「非侵襲的」とは、電流が動物の皮膚表面を流れる間にその皮膚表面に穿刺が行われずに刺激が起こることを指す。
【0050】
他に特定されない限り、用語「有している・備えている」(comprising)、および、「有する・備える」(comprise)、およびその文法的変形は、不確定または包括的な言葉であって、それらは要素を列挙するが、付加的な、列挙されていない要素をも含むことができる。
【0051】
ここに使用される用語「約」は、構成材の濃度という文脈において、典型的には規定値の±5%、より典型的には規定値の±4%、より典型的には規定値の±3%、より典型的には規定値の±2%、さらにより典型的には規定値の±1%、および、さらにより典型的には規定値の±0.5%を意味する。
【0052】
本開示全文に渡って、特定の実施形態は幅を持たせた形式で開示されていてもよい。幅を持たせた形式の記載は、単に、便宜的な、簡潔にするためのものであって、開示した範囲を限定して解釈すべきでないことに留意されたい。したがって、範囲についての記載については、その範囲内における個々の数値だけでなく、想定しうるすべての部分的範囲を具体的に開示するものと考えるべきである。例えば、1〜6などの範囲についての記載は、1〜3、1〜4、1〜5、2〜4、2〜6、3〜6などの部分的な範囲、および、その範囲内の、例えば、1,2,3,4,5および6などの個々の数字を具体的に開示するものと考えるべきである。これは、範囲の幅に関わらず適用される。
【0053】
〔図面の簡単な説明〕
本発明を、添付の図面を参照するとともに、限定されない例によって、ここに説明する。
図1は、上述の実施形態に係る非侵襲的刺激を与えるための装置の第1斜視側面図を示し、装置がヒトの腕に係合するために配置されていることを示す。
図2は、図1の装置の第2斜視側面図を示す。
図3は、図1の装置の第2斜視側面図を示し、装置が平らな面に置かれていることを示す。
図4は、図1の装置に用いられる主構成の概略的な電気回路図を示す。
図5は、図1の装置によって生成されうる、異なる電流の波形を示す。
図6は、2人のヒトの手および腕の上にある4つのツボの位置を示す。
図7は、図1に記載の1対の装置のバッテリーを充電するために用いられる、接続架台の斜視正面図を示す。
図8は、図7の接続架台の斜視背面図を示す。
図9は、図7の接続架台のためのカバーの斜視正面図を示す。
図10は、図7の接続架台に取り付けられた図1に記載の1対の装置を示す。
図11は、上述の第2の実施形態に係る非侵襲的刺激を与えるための他の装置の第1斜視図を示し、装置がヒトの腕に係合するために配置されていることを示す。
図12は、図11の装置の第2斜視側面図を示す。
図13は、図11の装置の第2斜視側面図を示し、装置が平らな面に置かれていることを示す。
図14は、図11に記載の1対の装置のバッテリーを充電するために用いられる、接続架台の斜視正面図を示す。
図15は、図14の接続架台の斜視背面図を示す。
図16は、図14の接続架台のためのカバーの斜視正面図を示す。
図17は、図14の接続架台に取り付けられた図11に記載の1対の装置を示す。
図18は、上述の第3の実施形態に係る非侵襲的刺激を与えるための他の装置の斜視正面図を示し、装置がヒトの腕に係合するために配置されていることを示す。
図19は、図18に記載の装置の斜視背面図を示す。
図20は、図18に記載の装置の斜視上面図を示す。
図21は、図18に記載の装置の他の斜視側面図を示す。
図22は、図18の装置に使用される板バネの側面図を示す。
図23は、図22の板バネの前部側面図を示す。
図24は、図22の板バネの後部側面図を示す。
図25は、図18に記載の1対の装置のバッテリーを充電するために用いられる、接続架台の斜視側面図を示す。
図26は、図25の接続架台に取り付けられた図18に記載の1対の装置の前部斜視側面図を示す。
図27は、図25の接続架台に取り付けられた図18に記載の1対の装置の後部斜視側面図を示す。
図28は、特定の速度、列、および持続時間において定電流パルスを配信するための、電気回路についての実施形態の概略的な回路図を示す。
【0054】
〔実施形態の詳細な説明〕
非侵襲的刺激装置についての限定されない例は、特定の開示された実施形態を参照することによってより詳しくさらに説明されており、それらは、いかなる場合でも本発明の範囲を限定するように解釈されるべきものではない。
【0055】
<選択されたツボ、または選択されたツボ周辺を刺激するための電流>
電流を用いて鍼治療を行う方法、すなわち、電気鍼治療として知られる技術、の有効性は、選択されたツボまたは選択されたツボ周辺に刺激を与えることに起因すると考えられる。予想しうる身体構造は、神経、皮下組織、筋繊維、および生物学的システムのうちの1つ以上を含む。
【0056】
ツボ自体、選択されたツボの上にある身体構造、または、選択されたツボ周辺の上にある身体構造を刺激することによって、ヒトの自然分子の合成および放出が誘発されることが示されている。これら自然分子は、身体が有する多くの自己調整システムに直接作用しうるか、または、生物学的経路を通って他の分子の調節を誘発しうる。他の分子は、身体の刺激箇所から間接的に、身体の自然治癒力の刺激、および、肉体および精神の健康促進を含む身体の恒常性に作用する。
【0057】
図示されたように、間接的に実施される鍼治療は、免疫反応や、ヒトの血圧、血流、および体温が調節される過程などの、知覚および無意識の身体機能に関する中枢神経系の部分に影響を与えることが立証されている。
【0058】
電流は、ツボから約1,2,3,4または5cmの位置、あるいは約1,2,3,4または5cm以内に適用され、好ましくはツボから約1〜2cmの位置、あるいは約1〜2cm以内に適用され、より好ましくは、ツボから約0.5,0.6,0.7,0.8、または0.9cm以内に適用される。
【0059】
ある実施形態において複数の電流を通すために複合電極を用いる場合、一旦、選択されたツボ周辺における目的の位置にそれぞれの電極が設置されると、それぞれの電極はツボに一斉に刺激を与えるように作動する。
【0060】
図6は、2人のヒトの手と腕上にある4つのツボの位置を示す。当該ツボとは、ヒトの手の甲および掌にそれぞれ位置している上部および下部合谷(Hegu)(LI4)ツボ、外関(Wai guan)(SJ5)ツボ、および、内関(Nei guan)(PC6)ツボである。これら4つのツボに関して、下記に示したツボおよびツボ周辺に対して鍼治療が実施される。
・それぞれの手の甲上にある、親指の骨と人差し指の骨とが接触する部分に位置する上部合谷(LI4)ツボ;
・上部合谷(LI4)ツボの逆側にある、手の平上に位置する下部合谷(LI4)ツボ;
・橈骨と尺骨との間の、手首の裏(手の甲側)における横断皺(transverse crease)の2市寸上方に位置する外関ツボ(SJ5);
・長掌筋における腱と橈屈筋における腱(the tendons of m. palmaris longus and m. flexor radialis)との間にある、手首の裏(手の甲側)における横断皺の2市寸上方に位置する内関ツボ(PC6)。
【0061】
電流を通す第1皮膚接触電極が、動物の四肢における選択されたツボ上、またはその周辺上に接触する場合、第2皮膚接触電極は同じ四肢における逆側の皮膚表面に接触すべきである。上記のように2つの皮膚接触電極を配置することにより、選択されたツボを電流が確実に通過する。好ましくは、選択されたツボ付近に電流が加えられ、選択されたツボ、選択されたツボ付近にある、神経、皮下組織、筋肉、線維、および、生物学的システムのうちの1つまたはそれ以上を刺激する。
【0062】
刺激の強さのある範囲は、喫煙者の喫煙衝動を抑制するという所望の結果を得るために使用されうる。本範囲の下限値は、約1mAであるか、または、少なくとも被験者の閾値である。本範囲における上限値は、被験者の閾値の3倍であるか、または、24mAである。24mAという電流の強さは、一般的な上限値であり、この値を超える刺激は不快な筋肉痙攣、または不快感を引き起こす可能性がある。本発明に係る好ましい実施形態において、流される電流の強さは、被験者の閾値の約2〜3倍である。電流に対する敏感さはヒトによって異なるため、使用される刺激(mAで表される電流)の実際の強さは、それぞれの被験者の痛みに対する閾値によって異なることを理解されたい。好ましい電流の強さの範囲は約4〜16mAであるが、電流の強さの好ましい範囲は、個々人のために調整される必要があるだろう。例えば、痛みに対する敏感さは、年齢とともに減衰していくため、高年齢の被験者に対してはより高域(例えば3〜7、4〜8、5〜9、6〜10、5〜12mAなど)に調節されねばならない可能性がある。低年齢の被験者のための範囲は、例えば1〜3、2〜4、または3〜5mAである可能性がある。
【0063】
このように痛みに対する閾値が異なるため、通常、電気刺激に対する被験者の閾値を検査する必要がある。一般的には、非常に低強度の電流(1mA未満)によって被験者を刺激し、被験者が最初に電気刺激を感じるまでその強さを強めていくことによって、この検査が行われる。被験者が最初に電気刺激に気づいた地点が、その被験者の閾値である。
【0064】
電流の周波数の範囲は、喫煙者の喫煙衝動を抑制するという所望の結果を得るために使用されうる。本範囲の下限値は約1Hzであり、上限値は約120Hzであり、好ましい範囲は約2〜100Hzの間である。
【0065】
それぞれの電気鍼治療の持続時間は、特定の電流の周波数に基づく一連の刺激から構成されていてもよい。それぞれ特定の電流の周波数は約0.1〜30秒であって、そのような電流の周波数におけるそれぞれの連続は、持続時間内で繰り返し行われる。それぞれの持続時間を1日当たり3回繰り返す。治療状態によって、上記刺激の間に電流の周波数が交番しうることに留意されたい。喫煙中毒などの症状を治療するために用いられる典型的な周波数は、国際特許公開番号WO2006/043905において開示されている。
【0066】
異なるツボに対する刺激は、異なる電流の強さおよび周波数によって行われてもよい。複合周波数が用いられる場合、周波数が交番した後の周期は、ツボによって異なってもよい。
【0067】
刺激の周期中、被験者が刺激に適応し(これは一般的に最初の1分か2分後に起こる)、次第に反応が低下することもある。その後、知覚を再起させる周波数および/または強さに電気出力を調整してもよい。
【0068】
最大の効能を発揮する刺激の強さおよび持続時間は、被験者の快適性を維持するように選択されねばならない。標準的な電気鍼治療の持続時間は、使用される状況に対する被験者の耐性、および、それらの有効性によって異なる。患者の間で選択された状態に対して様々な反応が起こるため、効果的な持続時間は、1つの作用または耐えられうる限りのいかなる持続時間からなっていてもよい。好ましくは、それぞれの持続時間は少なくとも1分、好ましくは10分〜60分、より好ましくは10,35,20,25,30,35、または40分間、および、最も好ましくは、20、25または30分間持続する。
【0069】
喫煙依存症、卒中リハビリテーション、頭痛、生理痛、テニス肘、繊維筋痛、筋筋膜疼痛、変形性関節症、腰痛、手根管症候群、ぜんそく、オピオイド、食物アレルギー、ストレス、身体の痛み、および、アルコール依存症などの様々な症状が、刺激の強さ、持続時間、周波数、および位置を変えることによって治療されうることがわかった。
【0070】
<非侵襲的刺激装置>
図1,2、および3を参照すると、図6に図示されている合谷ツボ(LI4)などの、動物の身体に対して非侵襲的刺激を与えるための装置100が示されている。1対の装置100は、ヒトの腕上にあるツボ、またはツボ付近に対して非侵襲的刺激を与えるために使用されうる。装置100は、動物の身体における皮膚表面上に非侵襲的刺激を与えるのにも使用されうる。
【0071】
装置100は、2つの端部(104,106)を有する概して細長いコネクタ本体102、および中間部108を備えている。中間部108の幅は、2つの端部(104,106)の幅よりも小さく、点線108’によって示されたように、2つの端部(104,106)が中間部108辺りを枢軸とできるようになっている。コネクタ本体102は、SANTOPRENE(登録商標)(販売元:Advanced Elastomer Systems, Akron, Ohio)などの熱可塑性プラスチックエラストマーからできている。コネクタ本体102は、ユーザーによって加力された場合に、変形してヒトの腕または手に適用しうるように可撓性を備えている一方で、加力されない場合は変形しないように弾性を備えている。
【0072】
コネクタ本体102は、皮膚接触電極パッド(112,110)の形状をした1対の刺激装置を有している。加えて、皮膚接触電極パッド(112,110)それぞれの対向側とは反対側の端(104,106)において、1対の筐体(114,116)が各々配置されている。コネクタ本体102における中間部108は、皮膚接触電極パッド(112,110)によってヒトの手または腕の上、またはその周辺上に接触することができるように、十分な可撓性を備えている。
【0073】
ヒトの手に係合するために、図3に図示した非係合位置において示される装置100が、ユーザーの手の上に設置される。そして、ユーザーはそれぞれの筐体(114,116)を互いに向かって曲げ、ライン108’の周りを枢動できるようにする。装置100が図1および図2に示したような実質的なU型を形成するまで、屈曲が起こる。コネクタ本体102における中間部108は、形成されたU型を維持するのに十分な弾性を備えており、そのためそれぞれの皮膚接触電極パッド(112,110)によってヒトの腕の逆側に接触することができる。
【0074】
皮膚接触電極パッド(112,110)は、コネクタ本体102内に配置されている導体401(図4に図示)に電気接続されている。使用中、導体401が皮膚接触電極パッド(112,110)に電流を通す。通された電流は、皮膚接触電極パッド(112,110)のうちの1つからヒトの腕の片側における皮膚の上に放出される。電流は皮膚に入り、様々な線維の層を通過し、もう1つの皮膚接触電極パッド(112,110)と接触しているヒトの腕の一方の側における皮膚から出る。そして、もう1つの皮膚接触電極パッド(112,110)が出てきた電流を受信する。したがって、このようにしてヒトの腕に対する非侵襲的刺激が達成される。さらに、電流がヒトの腕および手を通過することから、電流は手/腕における皮膚表面だけでなく、当該皮膚表面の下にある神経、線維層、筋肉、骨などにも効果的に刺激を与える。バッテリー電源402(図4に図示)が、導体401を通して皮膚接触電極パッド(112,110)に電力を供給しており、電源402は筐体114の中に配置されている。
【0075】
筐体116はまた、調節ボタン(118a、118b)を有する。当該調整ボタンは、皮膚接触電極パッド(112,110)に通電される電流の強さを強める(118a)、または、弱める(118b)ために各々用いられる。調節ボタン(118a、118b)は、調節ボタン118が通す電流の周波数または強さを調節するかどうか選択するためのモード選択スイッチ(不図示)を備えている場合、皮膚接触電極パッド(112,110)に通される電流の周波数を増大させるか、または減退させるのにも使用されうる。
【0076】
図4は、図1、2、および3に記載の装置100において使用されている主な部品についての電気制御システム400を示す概略電気回路図である。制御システム400は筐体114の中に設置されており、バッテリー電源402、スイッチ404、波発生器406、コントローラ408、可変レジスタ410、光受信器414、光送信器416、および、コネクタ本体102内に設置されている導体401によって電気接続されている皮膚接触電極パッド(112,110)を含んでいる。
【0077】
光受信器414および光送信器416(図1〜3に不図示)は、それぞれ、光受信器414が光送信器416からの信号を光学受信し、他の装置100における光受信器414に信号を光学的に送信することができるように設置されている。ツボに非侵襲的刺激を与えるのに使用される1つ以上の装置100によって通される電流位相を同期させるために、光受信器414および光送信器416が用いられる。これについて以下でさらに説明する。
【0078】
装置100における電流位相が他の対応する装置100における電流位相と同期された場合、筐体116内に設置された第1LED(発光ダイオード)表示器413が点灯する。
【0079】
調節ボタン118、光受信器414、および光送信器416は、筐体114内に設置されたコントローラ408(図4に図示)に電気接続されている。
【0080】
装置100が使用中の場合、電源402は波発生器406に電力を供給し、電流を皮膚接触電極パッド(112,110)に通す。バッテリー電源402はコントローラ408にも電力を供給する。バッテリー電源402は再充電可能なリチウムイオンバッテリーまたはリチウムポリマーバッテリーであって、図1における装置はバッテリーを再充電するために接続架台700(図5〜8に図示)に接続されている。接続架台については以下でさらに説明する。
【0081】
スイッチ404は装置の電源を入れたり切ったりするのに使用される。
【0082】
波発生器406は、選択された周波数値について図5で図示された波形501,504、および506などの異なる波形の電流を出力するのに使用される。波発生器406はコントローラ408の一部であってもよいし、または、分離回路であってもよい。
【0083】
コントローラ408は装置100の動作を制御するために使用されており、導体401によって波発生器406、可変抵抗器410、光受信器414、および、光送信器416に電気接続されている。ある実施形態において、使用されるコントローラ408はマイクロプロセッサである。
【0084】
可変抵抗器410は、皮膚接触パッド(112,110)に通される電流の強さを制御する。電流の強さが、調整ボタン(118a、118b)によってそれぞれ強まるか、または弱まる場合、コントローラ408は可変抵抗器410における抵抗をそれぞれ強めるか、または弱めるために信号を送る。
【0085】
可変抵抗器410は、図28に記載のように、出力回路910および電流制御914回路を備える電流形式(electric form)からなっていてもよい。
【0086】
光受信器414は、他の対応装置100における光送信器416から、電流位相情報などのデータを伝送する光信号422を光学的に受信するのに使用される。光送信器416は、電流位相情報などのデータを伝送する光信号418を他の装置100における光受信器414に光学的に送信するのに使用される。
【0087】
皮膚接触電極パッド(112,110)は、電流を通し、動物の身体上にある目的のツボに、またはその周辺に非侵襲的刺激を与える。
【0088】
図5は、制御システム400によって生成される、連続波形501、低密度および高密度の波形502、または、断続的な波動503という異なる電流波形を示す。刺激の周波数全体(連続性の波動か、高密度の波動かのいずれかによるものである)は、鍼治療の針を回転させるか、または、抜き刺しすることによる手動刺激によって誘発される神経興奮の周波数と類似するよう設定されている。
【0089】
再び図1,4、および6を参照すると、喫煙者の喫煙衝動を抑えるための装置100の動作がここで記載されている。喫煙者の喫煙衝動を抑制するために、2つの装置100が連動して使用される。第1装置100に関して、皮膚接触電極パッド(112,110)のうちの1つが喫煙者の左手における上部合谷ツボ(LI4)の上に設置され、もう1つの皮膚接触電極パッド(112,110)が同じ左手における下部合谷ツボに設置されるようになっている。
【0090】
第2装置100に関して、皮膚接触電極パッド(112,110)のうちの1つが喫煙者の右手における内関ツボ(PC6)上に設置され、もう1つの皮膚接触電極パッド(112,110)が同じ右手における外関ツボ(SJ5)に設置されるようになっている。
【0091】
第1装置100における皮膚接触電極パッド(112,110)は、上部および下部合谷(LI−4)ツボの両方から約0.5〜5cmの範囲内に電流を通す。
【0092】
第2装置100における皮膚接触電極パッド(112,110)は、内関ツボ(FC6)から約0.5〜5cmの範囲内、および、外関ツボ(SJ5)から約0.5〜5cmの範囲内に電流を通す。
【0093】
刺激治療の効果を高めるために、第1および第2装置100からの電流の周波数および位相は同じである必要がある。
【0094】
第1装置100の電流と第2装置100の電流との間の位相の同期化は、第1および第2装置100の各々における光受信器414および光送信器416の使用を通して実現される。
【0095】
第1および第2装置100を喫煙者の手の上に係合させる前に、第1および第2装置100を互いに近接させることにより、第1装置100の光送信器416と第2装置100の光受信器414との間で光通信を行うことができる。第1装置100が制御装置としての役割を果たす場合、第1装置100の光送信器416は、第1装置100の波発生器406によって生成される電流についての位相情報を含む光信号218を、第2装置100の光受信器414に送信する。第2装置100の光受信器414は光信号218を受信して、第2装置100のコントローラ408を経由して第2装置100の波発生器406に信号220を送信する。それにより、その生成された電流の位相と、第1装置100の電流の位相とが同期される。
【0096】
2つの電流の同期化は、1回だけ実施されればよく、その後は第1および第2装置100は喫煙者の手の上に係合する準備ができた状態になる。腰痛などの他の状態を治療するために、第1または第2装置100における周波数を変更する場合、2つの装置100の電流を同期させるために、上記同期化手順を繰り返す必要があることを理解されたい。2つの電流が同期されると、装置100両方の上にあるLED表示器413が点灯し、装置100の両方が目的のツボ上、または、そのツボ付近に設置されうる。
【0097】
図7,8,9および10に接続架台(ドッキング・ステーション)700を示す。接続架台700は基部702を有しており、当該基部の底は十分な幅を備えているため、図1,2、および3の装置100が接続架台700に係合するときに、接続架台700が設置面に安定して配置される。接続架台は第1側壁704および第2側壁706を有する本体708を備える。第1側壁704および第2側壁706は、基部702における底から引かれた縦軸から数度傾斜している。第1側壁704における先端は、第2側壁706における先端と比べて、基部702の高さからより遠い距離に設置される。
【0098】
本体708は、装置100におけるコネクタ本体102および端部(104,106)を収容できるように形成された凹部710を有する。凹部710は凸型端子(不図示)を備えており、当該凸型端子が、装置100におけるコネクタ本体102に沿って対応の凹型端子(不図示)に係合する。装置100が凹部710に係合されたときに、接続架台700は、凸型端子および凹型端子によって装置100における電源402を充電することができる。
【0099】
図9のように、基部702と係合するカバー701が備えられており、塵が本体708の上にかかるのを防止する。
【0100】
図10に図示されたように、装置100が使用されていないとき、接続架台700は装置100を格納する。接続架台700は、装置100における電源402の充電を助長するために、主電源(不図示)にも接続されうる。
【0101】
装置100は他の形状および外形をとってもよいことを理解されたい。例えば、図11〜13には、ヒトの手および腕上にある合谷ツボ(LI4)などのツボに非侵襲的刺激を与えるための第2装置1100(図6に図示)が示されている。装置1100は図1〜3を参照して説明された装置と全く同じように機能し、かつ、同じ特徴を有している。ただし、同じ特徴についての数表示は、1000を加えた数表示になっている点は除く。
【0102】
加えて、接続架台700は他の形状および外形をとってもよい。図14〜17には第2接続架台1700が示されており、当該架台1700は図1〜3を参照して説明された接続架台700と全く同じように機能し、かつ、同じ特徴を有している。ただし、同じ特徴についての数表示は、1000を加えた数表示になっている点は除く。
【0103】
図18〜21には、図6に示された、ヒトの手および腕上にある合谷ツボ(LI4)などのツボに対して非侵襲的刺激を与えるための第3装置2100が示されている。装置2100は、図11〜13を参照して説明された装置と全くおなじように機能し、かつ、同じ特徴を有している。ただし、同じ特徴についての数表示は、1000を加えた数表示になっている点、および、装置2100が、コネクタ本体2102と一体化して形成されている板バネ800(図22〜24)を備えている点は除く。ある実施形態において、コネクタ本体2102は成形されたプラスチックであって、板バネ800は、溶融状のプラスチックによって満たされた穴801を備えていてもよい。板バネ800は、当該技術において知られたものなどの、いかなる適した板バネ金属からできていてもよい。典型的な大きさは、厚さ約0.5mmから約1mm、幅約0.5mmから約15mm、および、長さ約50mmから150mmである。
【0104】
皮膚接触電極パッド(2112,2110)に流れる電流の強さを強める(2118a)か、または弱める(2118b)ためにそれぞれ使用される調整ボタン(2118a,2118b)に加え、装置は、ミリアンペア単位の電流を表示するためのメーター2118Cを含んでいる。
【0105】
加えて、図25〜27に第3接続架台2700を示す。当該接続架台2700は図14〜17を参照して説明された接続架台1700と全く同じように機能し、かつ、同じ特徴を有する。ただし、接続架台が、それぞれの装置(図18,19および21参照)上にある対応凹型電極2711と係合するための凸型電極2709を含んでいることを除く。凸型電極2709によって、2102内に設置されたバッテリーの再充電が可能となるだけでなく、再充電の間に装置2100と適切に連動することが可能となる。
【0106】
図28は、非磁性手段によって、指定された速度、シーケンス、および持続時間で患者に定電流パルスを流すための電気制御システム900の概略的な電気回路図を示す。MCU(マイクロコントローラユニット)908は、パルスシーケンス、速度、持続時間、および電流制御914回路を通る出力電流を制御する。加えて、MCU908は、キーボード(KBD)コントローラ904入力、ディスプレイ916、および1対の装置における他のユニットとともに通されるパルスの同期化906を扱う。KBD904は、MCU908を制御するために、患者からの入力を受信するための接合部として用いられる。出力回路910は、MCU908からの低レベル信号を、特定の患者に適したレベルに変換する。出力回路910はまた、電流制御914回路に出力電流還流を送る。エネルギー貯蔵装置912は、初期のサージ電流を迂回する。ユニットはリチウムイオン/リチウムポリマーバッテリーによって作動しており、当該バッテリーはバッテリー充電902回路を通して充電される。
【0107】
生来の高接触抵抗を有する動物の身体に電流を流すために、高電圧が使用される必要がある。従来技術において、低電圧を高電圧にするために変圧器が使用されているが、変圧器はかさばるため、携帯可能な装置として使用するには非実用的である。
【0108】
電気制御システム900は、出力回路910においてコンデンサ素子918、MOSFETスイッチ920、および誘導原装置922を使用することによって、定電流を送るのに必要とされる高電圧を実現している。コンデンサ素子918、MOSFETスイッチ920、および誘導原装置922によって、回路900が動物の身体に高電圧を加えることができるというフライバック効果が実現される。MSFETスイッチ920は、誘導原装置922を制御し、エネルギー貯蔵のためにコンデンサ素子918の電源を入れる。コンデンサ素子918によって、動物の身体における接触抵抗を解消するのに必要な高電圧を達成するのに十分なエネルギーが貯蔵され、ヒトの皮膚を通して電流パルスが流れる場合、MOSFETスイッチ920は誘導原装置922を作動させ、コンデンサ素子918の電源を切る。その後、コンデンサ素子918が動物の身体を通して定電流パルスを流すのに必要とされる貯蔵エネルギーを放出するタイミングを、MCU908が制御する。コンデンサ素子918、MOSFETスイッチ920および誘導原装置922は軽量装置であるため、それらは携帯装置としての使用に採用されやすい。
【0109】
ある実施形態において、エネルギー貯蔵装置912は、電流制御914回路に初期サージ電流を供給する、波形回路924を使用する。当該初期サージ電流は、動物の身体に刺激パルス電流を供給するために、電流制御914回路において必要とされている。したがって、エネルギー貯蔵装置912によって、初期サージ電流が動物の身体を流れるのが抑制され、電流が流れる際に動物が感じるチクチクとした感覚を回避することができる。
【0110】
ある実施形態において、コンデンサ素子918は、2.2uF,100Vの割合を有する。コンデンサ素子918は最小電圧25Vから最大電圧50Vを発生させるためのエネルギーを貯蔵しうる。約2.0〜2.2uFの定格静電容量および約90〜110Vの定格電圧を備えるコンデンサもまた使用されうることを理解されたい。
【0111】
上述の不快なチクチク感を回避するため、出力回路910は波形回路を含んでいる。ある実施形態において、エネルギー貯蔵装置912は、刺激パルス電流を加えるときに、電流制御914回路が必要とする初期サージ電流を供給するために用いられる。この設計によって、不快なチクチク感を引き起こす初期サージ電流が患者の身体を流れないようにする。
【0112】
出力回路910はHブリッジ開閉回路を内蔵しており、二相電流を提供する。
【0113】
好ましくは、電流制御システムはその有効性が損なわれない範囲で最小の形態をとりうる。
【0114】
上述された開示装置(100,1100,2100)は、従来の侵襲的鍼治療装置に代わる、有益な代替物を提供することを理解されたい。開示の装置(100,1100,2100)は、携帯可能で使い易い単一の統合ユニットを提供する。例えば、装置(100,1100,2100)は、コネクタ本体102の外に、皮膚接触電極パッド(112,110)と接続するためのワイヤを必要としない。したがって、開示された装置(100,1100,2100)は、互いに絡まるワイヤを有していない。
【0115】
開示された装置(100,1100,2100)、特に板バネを備えた装置2100によって、ユーザーの腕に刺激パッドが確実に固着される。これにより、ユーザーの腕に対する刺激は、パッドの部分全体を確実に刺激する。さらに、自動接着性ヒドロゲルなどの接着素材を使用することによって、ユーザーの腕に刺激装置を接着するのが容易になる。ユーザーの腕に固着することにより、電流がアーチ状に曲がること、または、ユーザーの腕に電流が集中することも低減されるか、または、防止されるため、ユーザーの不快感を回避しうる。
【0116】
装置(2100)における電気制御システム900によって、ユーザーの身体に定電流を加えることができるため、ユーザーに対して増強した刺激を与えることができる。変圧器を使用することなく、定電流を流しうるため、開示された装置(2100)において制御システム900が小型化される。開示された制御システム900は、変圧器を使用することなく、ユーザーの腕における自然抵抗を解消する比較的高い電圧を発生させることができるため、ユーザーの身体を通過する電流に変換される。
【0117】
開示された装置(100,1100,2100)はコネクタ本体102と統合された電源を有するため、かさばる電源ユニットを利用している従来装置の問題を回避する。統合電源は、開示された装置(100,1100,2100)の携帯性を高め、使用しやすいようにする。
【0118】
上記コネクタ本体における可撓性および弾性を備えた中間部108は、可撓性を備え、かつ、弾性をも備えているため、ヒトの腕および手におけるツボ上に皮膚接触電極パッドを接触させることができる。それによって、ヒトの肌に確実に接着させるためのいかなる形状の接着パッチをも使う必要がなくなる。これにより従来装置において見られた、取り外し時の痛みを回避しうる。
【0119】
開示された装置(100,1100,2100)の部品は、1つの統合体として形成されているため、並列接続を必要とせず、ユーザーの不便さを改善する。この点に関して、皮膚接触電極パッド(112,110)を接着パッチおよび電源ユニットに接続する必要はなく、ユーザーは自身の動きを拘束されることはない。
【0120】
多数のワイヤーおよび分離された電源が必要でない点において、開示された装置(100,1100,2100)は従来装置の欠点を回避する。これにより、装置の外観は美しくなり、ユーザーが装置を使う気になる可能性もある。
【0121】
開示された装置(100,1100,2100)はヒトの手および腕に接触できるように開示されたが、装置の大きさが適切であることを鑑みると、他の装置がユーザーの身体における他の部分に係合するように使用されうることがわかるだろう。
【0122】
さらに、開示された装置(100,1100,2100)は、喫煙者の喫煙衝動を抑制するのを助長する周波数範囲において作動されるよう開示されているが、他の症状に作用するように他の周波数が使用されうる。例えば、開示された装置(100,1100,2100)は、喫煙依存症、卒中リハビリテーション、頭痛、生理痛、テニス肘、繊維筋痛、筋筋膜疼痛、変形性関節症、腰痛、手根管症候群、ぜんそく、オピオイド、大食症、ストレス、身体の痛み、およびアルコール依存症からなる群から選択される症状を治療するために用いられうる。
【0123】
開示された装置(100,1100,2100)は、非侵襲的鍼治療に適用するように上述されたが、開示された装置(100,1100,2100)は、鍼治療を含まない非侵襲的刺激を与えるために使用される可能性がある。例えば、開示された装置はe刺激(e-stimulation)および経皮電気神経刺激(TENS)のために使用されてもよい。
【0124】
したがって、上述の開示を読めば、本発明の本質および範囲を逸脱することなく、本発明の他の様々な変更や応用は当業者にとって明白なものである。そのような変更および応用のすべては、請求される請求項の範囲内であることを目的とする。
【図面の簡単な説明】
【0125】
【図1】上述の実施形態に係る非侵襲的刺激を与えるための装置の第1斜視側面図を示し、装置がヒトの腕に係合するために配置されていることを示す。
【図2】図1の装置の第2斜視側面図を示す。
【図3】図1の装置の第2斜視側面図を示し、装置が平らな面に置かれていることを示す。
【図4】図1の装置に用いられる主構成の概略的な電気回路図を示す。
【図5】図1の装置によって生成されうる、異なる電流の波形を示す。
【図6】2人のヒトの手および腕の上にある4つのツボの位置を示す。
【図7】図1に記載の1対の装置のバッテリーを充電するために用いられる、接続架台の斜視正面図を示す。
【図8】図7の接続架台の斜視背面図を示す。
【図9】図7の接続架台のためのカバーの斜視正面図を示す。
【図10】図7の接続架台に取り付けられた図1に記載の1対の装置を示す。
【図11】上述の第2の実施形態に係る非侵襲的刺激を与えるための他の装置の第1斜視図を示し、装置がヒトの腕に係合するために配置されていることを示す。
【図12】図11の装置の第2斜視側面図を示す。
【図13】図11の装置の第2斜視側面図を示し、装置が平らな面に置かれていることを示す。
【図14】図11に記載の1対の装置のバッテリーを充電するために用いられる、接続架台の斜視正面図を示す。
【図15】図14の接続架台の斜視背面図を示す。
【図16】図14の接続架台のためのカバーの斜視正面図を示す。
【図17】図14の接続架台に取り付けられた図11に記載の1対の装置を示す。
【図18】上述の第3の実施形態に係る非侵襲的刺激を与えるための他の装置の斜視正面図を示し、装置がヒトの腕に係合するために配置されていることを示す。
【図19】図18に記載の装置の斜視背面図を示す。
【図20】図18に記載の装置の斜視上面図を示す。
【図21】図18に記載の装置の他の斜視側面図を示す。
【図22】図18の装置に使用される板バネの側面図を示す。
【図23】図22の板バネの前部側面図を示す。
【図24】図22の板バネの後部側面図を示す。
【図25】図18に記載の1対の装置のバッテリーを充電するために用いられる、接続架台の斜視側面図を示す。
【図26】図25の接続架台に取り付けられた図18に記載の1対の装置の前部斜視側面図を示す。
【図27】図25の接続架台に取り付けられた図18に記載の1対の装置の後部斜視側面図を示す。
【図28】特定の速度、列、および持続時間において定電流パルスを配信するための、電気回路についての実施形態の概略的な回路図を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動物の身体に非侵襲的刺激を与えるための装置であって、
電気導体と、当該電気導体に電気接続されている1対の刺激装置とを有するコネクタ本体を備えており、
上記1対の刺激装置は、上記コネクタ本体上に設置されていて、上記1対の刺激装置の間に動物の身体における皮膚表面を係合することができる構成となっており、
使用時には、電源が上記導体に電気接続されて、上記1対の刺激装置に電流を通し、電流が上記1対の刺激装置の間を通過するときに、動物の身体に非侵襲的刺激を与えることができるようになっていることを特徴とする装置。
【請求項2】
上記コネクタ本体は、概して細長い形状であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
上記コネクタ本体は、上記非侵襲的刺激の間に上記動物の身体を把持するために、上記1対の刺激装置が互いに向かってバイアスをかけるためのバイアスを備えていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
上記バイアスは、上記コネクタ本体に接続された板バネを備えていることを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項5】
上記1対の刺激装置はそれぞれ、上記細長い形状のコネクタ本体における両端部に配置されていることを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項6】
上記電流を制御することができるコントローラを備えていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項7】
以下の(a)〜(c)のうちの少なくとも1つを備えている請求項6に記載の装置。
(a)使用時に上記電流の電源を入れたり切ったりするための、上記制御装置に接続されているスイッチ
(b)使用時に流れる上記電流の強さを変調させるための、上記制御装置に接続されている電流変調器
(c)使用時に上記電流が流れる周波数を変調させるための、上記制御装置に接続されている周波数変調器
【請求項8】
上記コネクタ本体が、閉鎖型のリング、またはU型の部材であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項9】
上記制御装置に1つ以上の表示器が電気接続されており、
上記1つ以上の表示器には、以下の(i)〜(v)からなる群から少なくとも1つ選択された情報が表示されるように構成されていることを特徴とする請求項6に記載の装置。
(i)上記刺激装置に電流が流れていること
(ii)上記刺激装置に電流が流れていないこと
(iii)電流の強さ
(iv)電流の周波数
(v)非侵襲的刺激の持続時間の残り時間
【請求項10】
上記装置は、上記電流に関するデータ情報を、別の装置の結合器に送信および/または受信するための、上記制御装置に電気接続されたデータ結合器を備えていることを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項11】
上記データ結合器は、光データ結合器またはワイヤレスデータ結合器であることを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項12】
動物の身体の中に電流を通すことのできる、少なくとも2つの非侵襲的刺激装置を備えており、
上記非侵襲的刺激装置のそれぞれには、電流を生成するための制御装置と、上記電流に関するデータ情報を送信および/または受信することができるデータ結合器とが設けられており、
使用時に、上記2つの非侵襲的刺激装置の上記電流が同期しているか、同期していないかを示す、上記電流に関する情報が、上記データ結合器とデータ結合器との間に送信されるように構成されていることを特徴とする非侵襲的刺激システム。
【請求項13】
上記データ結合器は、光データ結合器またはワイヤレスデータ結合器であることを特徴とする請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
上記少なくとも2つの非侵襲的刺激装置における上記電流の周波数、位相、および強さのうちの少なくとも1つは、同期していることを特徴とする請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
上記少なくとも2つの非侵襲的刺激装置における上記電流の上記同期が、刺激の上記初期段階において起こることを特徴とする請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
上記非侵襲的刺激装置には、コネクタ本体がさらに設けられており、
上記コネクタ本体は、電気導体と、当該電気導体に電気接続されている1対の刺激装置とを有しており、
上記1対の刺激装置は、上記コネクタ本体上に設置されていて、上記刺激装置の間に動物の身体における皮膚表面を係合することができる構成となっていることを特徴とする請求項12に記載のシステム。
【請求項17】
上記コネクタ本体は、上記非侵襲的刺激の間に上記動物の身体を把持するために、上記1対の刺激装置が互いに向かってバイアスをかけるためのバイアスを有していることを特徴とする請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
上記バイアスは、上記コネクタ本体に接続された板バネを備えていることを特徴とする請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
上記1対の刺激装置はそれぞれ、上記コネクタ本体における両端部に配設されていることを特徴とする請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
上記コネクタ本体は、閉鎖型のリング、またはU型の部材であることを特徴とする、請求項16に記載のシステム。
【請求項21】
動物の身体に非侵襲的刺激を与えるための方法であって、
請求項1に記載の第1の装置を提供するステップと、
当該第1の装置における上記1対の刺激装置を動物の身体上に係合するように配置するステップと、
上記1対の2つの刺激装置に電流を通すステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項22】
上記1対の刺激装置が、上記動物の身体におけるツボ、またはツボ付近に係合し、当該ツボおよびツボ付近に非侵襲的刺激を与えることを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項23】
請求項1に記載の第2の装置を提供するステップと、
上記動物の身体上に当該第2の装置を配置し、上記第1および第2の装置の両方を用いて上記動物に同時に刺激を与えるステップとをさらに含むことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項24】
上記第1および第2の装置における上記電流の上記周波数、位相、および強さのうちの少なくとも1つを同期させるステップを含むことを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項25】
上記少なくとも2つの装置における上記電流の上記同期を、刺激の上記初期段階において起こすことを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項26】
請求項1に記載の装置を用いて、動物の身体に非侵襲的刺激を与えるための方法であって、
喫煙依存症、卒中リハビリテーション、頭痛、生理痛、テニス肘、繊維筋痛、筋筋膜疼痛、変形性関節症、腰痛、手根管症候群、ぜんそく、オピオイド、大食症、ストレス、身体の痛み、アルコール依存症、およびそれらの組合せ、からなる群から選択される症状を治療するために用いられることを特徴とする方法。
【請求項27】
動物の身体に非侵襲的刺激を与えるための装置であって、
導体と、当該導体に電気接続されている少なくとも2つの刺激装置とを有するコネクタ本体を備えており、
当該コネクタ本体の少なくとも一部分は、少なくとも2つの刺激装置が上記動物の身体上に係合することができるのに十分な可撓性を有するとともに、使用中に上記刺激装置を定位置に保持できるのに十分な弾性を有しており、
使用時に、電源が上記導体に電気接続されて、上記少なくとも2つの刺激装置に電流が通ることによって上記動物に非侵襲的刺激を与えることができるように構成されていることを特徴とする装置。
【請求項28】
動物の身体に非侵襲的刺激を与えるための装置であって、
電気導体と、当該電気導体に電気接続されている1対の刺激装置とを有するコネクタ本体、および、
動物の身体における接触抵抗を解消するのに十分な電流を供給するための上記電気導体に接続されている電気回路、を備えており、
当該1対の刺激装置は、当該コネクタ本体上に設置されていて、上記刺激装置の間に上記動物の身体における上記皮膚表面を係合することができる構成となっており、
使用時に、電源は上記選択された電気回路に電気接続されていて、上記1対の刺激装置に上記電流が供給され、上記動物の身体に非侵襲的刺激を与えることができるようになっていることを特徴とする装置。
【請求項29】
上記電気回路は、実質的な定電流を上記動物の身体に供給するように構成されていることを特徴とする請求項28に記載の装置。
【請求項30】
上記電気回路は、上記動物の身体における接触抵抗を解消するための上記電流を生成するために十分なエネルギーを貯蔵することができるコンデンサを備えていることを特徴とする請求項28または29に記載の装置。
【請求項31】
上記コンデンサは、25V〜50Vの電圧を生成するために、上記電気エネルギーを貯蔵することを特徴とする請求項30に記載の装置。
【請求項32】
上記コンデンサは、定格静電容量が約2.0〜約2.2uFであることを特徴とする請求項30または31に記載の装置。
【請求項33】
上記コンデンサは、定格電圧が約90〜110Vであることを特徴とする請求項32に記載の装置。
【請求項34】
上記電気回路は、初期サージ電流を供給して、動物の身体における接触抵抗を解消するのに十分な上記電流を生成するためのエネルギー貯蔵装置を有していることを特徴とする、請求項28〜33のいずれか1項に記載の装置。
【請求項35】
上記エネルギー貯蔵装置は、電流制御回路に初期サージ電流を供給するための波形回路を備えており、当該電流制御回路は、動物の身体における接触電流を解消するのに十分な上記電流を生成するために用いられていることを特徴とする請求項34に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公表番号】特表2009−536530(P2009−536530A)
【公表日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−553210(P2008−553210)
【出願日】平成19年1月31日(2007.1.31)
【国際出願番号】PCT/SG2007/000029
【国際公開番号】WO2007/089210
【国際公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【出願人】(508210653)モレアク プライベート リミテッド (3)
【氏名又は名称原語表記】MOLEAC PTE.LTD.
【住所又は居所原語表記】11 Biopolis Way,#09−08 Helios,Singapore 138667,Singapore
【Fターム(参考)】