説明

動物の食物摂取を減少し、そして体重を制御するための方法

可溶性繊維の食物摂取を減少する量又は体重を制御する量を含んでなる組成物を、動物に給餌することによって、食物摂取を減少し、そして動物の体重を制御するための組成物及び方法。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[0001] 本出願は、その全てが、本明細書中に参考文献として全ての目的のために援用される、2006年1月23日に出願された米国特許仮出願60/761,301の利益を主張するものである。
【0002】
発明の背景
発明の分野
[0002] 本発明は、一般的に動物に給餌するための方法、そして特に動物による食物摂取を減少し、そして動物の体重を制御するための方法に関する。
【0003】
関連技術の説明
[0003] 過体重及び/又は肥満体と考えられる動物の数が増加し、いまや米国における伴侶動物の25%ないし40%間が過体重又は肥満体であると考えられることが推定される。動物は、その理想的な体重の10%より多く上の体重である場合、過体重であり、そしてその理想体重より15%より多く上の体重である場合、肥満体であると考えられる。動物の肋骨に触れることができるが、しかし見ることができない場合、動物は、理想的な体重を有する。動物の肥満は、糖尿病、関節炎、膵炎、肝リピドーシス、整形外科的疾病、心血管疾患、呼吸器疾患、股関節異形成、肝疾患、胃腸疾患、及び皮膚障害の危険度の増加に関係する。
【0004】
[0004] イヌ科動物及びネコ科動物のような動物は、最終的に体重の制御において効果のない多くのダイエット計画及び運動管理の対象であった。低カロリー動物食品、低脂肪動物食品、高不溶性繊維動物食品、低炭水化物/高タンパク動物食品の開発に進歩が行われ、そして他の食品が体重制御のために市販されている。統計は、なお全体として改良の機会が残っており、そして当技術における更なる進歩が必要であることを示している。従って、動物による食物摂取を減少し、そしてその体重を調節するための新しい方法に対する必要性が存在する。
【0005】
発明の概要
[0005] 本発明は、可溶性繊維の食物摂取を減少する又は体重を制御する量を含んでなる組成物を、動物に給餌することによって、動物による食物摂取を減少するための方法及び動物の体重を制御する方法を提供する。
【0006】
[0006] 本発明は、更に可溶性繊維の食物摂取を減少する量及び/又は体重を制御する量を含んでなる組成物を含有する包装を含んでなる製品、並びに食物摂取を減少する及び/又は体重を制御するために、動物に組成物を給餌するための情報又は指示を連絡するための手段を提供する。連絡手段は、好ましくは包装に付着されるか、又はそれに封入される。
【0007】
[0007] 本発明は、更に可溶性繊維の食物摂取を減少する量及び/又は体重を制御する量で含んでなる組成物を提供する。
[0008] 本発明は、更に食品組成物を含有する第1の包装、可溶性繊維の食物摂取を減少する量及び/又は体重を制御する量を含んでなる繊維を含有する組成物を含有する第2の包装、並びに所望により繊維を含有する組成物を食品組成物に添加し、そして得られた繊維富化食品組成物を、食物摂取を減少する及び/又は体重を制御するために、動物に給餌するための情報又は指示を連絡するための手段を含んでなるキットを提供する。
【0008】
[0009] 本発明は、更に可溶性繊維の食物摂取を減少する及び/又は体重を制御する量を含んでなる食品組成物を、食物摂取を減少する及び/又は体重を制御するために動物に給餌するための情報又は指示を連絡するための手段を提供し、この手段は、情報又は指示を含有する、ラベル、パンフレット、広告、包装挿入物、コンピューターで読取り可能なデジタル又は光媒体、音声提示、画像提示、或いはウェブサイトの1又はそれより多い頁を含んでなる。
【0009】
[0010] 本発明の方法の更なる又は別の優位性及び利益は、本明細書を読むことにより当業者にとって明白であるものである。
発明の詳細な説明
[0011] 一つの側面において、本発明は、動物による食物摂取を減少するための方法を提供する。この方法は、少なくとも一つの可溶性繊維の食物摂取を減少する量を含んでなる組成物を、前記の動物に投与することを含んでなる。もう一つの側面において、本発明は、動物の体重を制御するための方法を提供する。この方法は、少なくとも一つの可溶性繊維の体重を制御する量を含んでなる組成物を動物に投与することを含んでなる。
【0010】
[0012] 用語“可溶性繊維”は、大腸中で容易に発酵する一つ又はそれより多い繊維、例えば、ビートパルプ、グアーガム、チコリ根、サイリウム、ペクチン、ブルーベリー、クランベリー、カボチャ、リンゴ、カラスムギ、マメ、柑橘、オオムギ、又はエンドウマメを意味する。
【0011】
[0013] 可溶性繊維を含んでなる組成物を給餌することによる食物摂取の減少又は動物の体重の制御は、可溶性繊維を含有しないが他の点では同様な組成物との比較による。
[0014] 要素に関する語句“食物摂取を減少する”は、その要素の非存在において消費される食品の量に対する消費される食品の量の減少を意味する。可溶性繊維の“食物摂取を減少する量”は、動物によって消費される場合、消費される食品の量の減少を伴う可溶性繊維の量である。
【0012】
[0015] 可溶性繊維の体重を制御する量を含んでなる組成物を動物に給餌することによって動物の体重を制御する能力は、可溶性繊維の体重を制御する量のみを欠く、他の点では同様な組成物を給餌することに対するものである。可溶性繊維の“体重を制御する量”は、動物によって消費された場合、改良された体重制御を伴う可溶性繊維の量である。一つの態様において、改良された体重制御は、動物の理想的体重を、時間をかけて達成することを可能にする。
【0013】
[0016] ある態様において、本発明は、組成物に可溶性繊維の食物摂取を減少する量を加えること含んでなる、動物による食物摂取を減少するための方法を提供する。一つの態様において、この方法は、乾燥物基準で、少なくとも0.3%、好ましくは少なくとも約1重量%の量で可溶性繊維を、組成物に加えることを含んでなる。他の態様において、本発明は、可溶性繊維の体重を制御する量を、組成物に加えることによって、動物の体重を調節するための方法を提供する。一つの態様において、この方法は、可溶性繊維を、乾燥物基準で、少なくとも0.3%、好ましくは少なくとも約1重量%の量で組成物に加えることを含んでなる。
【0014】
[0017] 可溶性繊維は、組成物の通常の量を消費する動物の健康に対して毒性でなく、さもなければ又は有害でない量で存在するべきである。特に、可溶性繊維は、消化に対して好ましくない影響、特に数日又はそれより長く続く長期の影響を起こさない濃度で存在しなければならない。消化に対する好ましくない影響は、便秘、不良な便の品質、又は下痢を含むことができる。
【0015】
[0018] 動物による食物摂取を減少する、又は動物の体重を制御するために有用な可溶性繊維の適した量は、全て乾燥物基準で測定された組成物の重量により、約0.3%ないし約7%、好ましくは約0.5%ないし約6%、更に好ましくは約0.5%ないし約3%の範囲である。
【0016】
[0019] この方法は、ヒト又は非ヒト動物に対して有用である。各種の態様において、動物は、脊椎動物、例えば、魚、鳥、爬虫類、又は哺乳類である。動物は、ヒト、非ヒト霊長類(例えば、サル、チンパンジー、等)、伴侶動物(例えば、イヌ科動物、ネコ科動物、ウマ科動物、等)、家畜(例えば、ブタ、ヒツジ、ウシ、ヤギ、等)、実験室動物(例えば、マウス、ラット、等)、トリ(例えば、カナリヤ、オウム、等のような家禽、ニワトリ、アヒル、ガチョウ、シチメンチョウ、等のような商業用トリ、及び野鳥)、齧歯類(例えば、マウス、ハムスター、モルモット、スナネズミ、ウサギ、ハリネズミ、フェレット、チンチラ、等)、並びに野生、外来性及び動物園動物(例えば、オオカミ、クマ、シカ(cervine)、魚類(piscine)、等)のような非ヒト動物を含むことができる。特に哺乳動物の中で、動物は制約されるものではないが、イヌ科動物及びネコ科動物種を含む食肉目のメンバーであることができる。
【0017】
[0020] この方法は、成体の動物、高齢又は老齢の動物、過体重の動物、肥満体の動物、及び肥満の傾向がある動物を含む、いずれかの年齢、品種、及び占有状態の動物に対しても有用である。
【0018】
[0021] 特別な態様において、動物は、伴侶動物である。“伴侶動物”は、ペットとして介護者によって飼われているいずれかの種の動物、又は個々の動物が伴侶としてもっぱら又は部分的に飼われているか否かに関わらず、イヌ(Canis familiaris)及びネコ(Felis domesticus)を含むペットとして広く飼い慣らされている各種の種のいずれかの動物である。従って、伴侶動物は、使役イヌ、齧歯類駆除のために飼われる農場ネコ、ペットのネコ、ペットのイヌ、フェレット、トリ、爬虫類、ウサギ、及び魚を含む。
【0019】
[0022] ここにおいて有用な組成物は、食品、補助食品(supplement)、おやつ(traet)、並びに咀嚼及び消費可能な玩具のような玩具を含む。全てではないが、いくつかの補助食品、おやつ、及び玩具は、それ自体食品である。ある態様において、組成物は、食肉目の動物による消費のために、栄養的に及び/又は感覚刺激的に適合する。動物が伴侶動物である他の態様において、組成物は、このような動物に給餌するために、栄養的に適合する。このように適合した組成物は、本明細書中で“ペットフード”と呼ばれる。
【0020】
[0023] 一つの態様において、組成物は、以下のもの:
(a)少なくとも約0.3%の可溶性繊維;及び
(b)少なくとも一つの以下のもの:
(i)約5%ないし約70%(又は約10%ないし約70%、又は約10%ないし約60%)のタンパク質、及び
(ii)約2%ないし約50%(又は約5%ないし約50%、又は約5%ないし約40%)の脂肪;
を含んでなる食品である。
【0021】
[0024] このような態様において、組成物は、少なくとも一つの以下のもの:
(a)約50%より多くない(又は約5%ないし約45%)炭水化物、
(b)約40%より多くない(又は約1%ないし約20%、又は約1%ないし約5.5%)不溶性食物繊維、及び
(c)約15%より多くない(又は約10%より多くない、又は約2%ないし約8%)当業者によって知られた一つ又はそれより多い栄養バランス剤(例えば、魚油、穀物、ビタミン、ミネラル、等);
を所望により更に含んでなる。
【0022】
[0025] 組成物中のそれぞれの成分の具体的な適した量は、例えば、組成物を消費する動物の種;組成物中に含まれる特別な成分;動物の年齢、体重、一般的健康状態、性別、及び食餌;動物の消費量;等を含む各種の因子に依存するものである。従って、成分の量は、広く変化することができ、そして本開示に記載した比率から逸脱することさえできる。
【0023】
[0026] タンパク質は、本発明の組成物中に存在する場合、植物原料、動物原料、又は両方を含む各種の原料のいずれかによって供給することができる。動物原料は、例えば、肉、肉副産物、海産物、乳製品、タマゴ、等を含む。肉は、例えば家禽の肉;魚;及び哺乳動物(例えば、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、等)を含む。肉副産物は、例えば、肺、腎臓、脳、肝臓、並びに胃及び腸(全て又は基本的に全てのその内容物を含まない)を含む。タンパク質は、そのままであるか、殆んど完全に加水分解されているか、又は部分的に加水分解されている。
【0024】
[0027] 脂肪は、本発明の組成物中に存在する場合、肉、肉副産物、魚油、及び植物を含む各種の原料のいずれかによって供給することができる。植物の脂肪原料は、コムギ、亜麻仁、ライムギ、オオムギ、コメ、モロコシ、トウモロコシ、カラスムギ、アワ、コムギ胚芽、トウモロコシ胚芽、ダイズ、落花生、及び綿実、並びにこれらの及び他の植物脂肪原料から得られる油を含む。
【0025】
[0028] 炭水化物は、本発明の組成物中に存在する場合、カラスムギ繊維、セルロース、落花生殻、ビートパルプ、パーボイルド米、コーンスターチ、コーングルテンミール、及びこれらの原料の組合せを含む各種の原料のいずれかによって供給することができる。炭水化物を供給する穀物は、制約されるものではないが、コムギ、トウモロコシ、オオムギ、及びコメを含む。
【0026】
[0029] 不溶性繊維は、本発明の組成物中に存在する場合、セルロース、全粒小麦産物、カラスムギ、トウモロコシ糠、亜麻仁、ブドウ、セロリ、未焙煎マメ、カリフラワー、ジャガイモ表皮、果実表皮、野菜表皮、落花生殻、及びダイズ繊維を含む各種の原料のいずれかによって供給することができる。
【0027】
[0030] 組成物が動物の食品である場合、ビタミン及びミネラルは、欠乏を回避し、そして健康を維持するために必要な量で含むことができる。これらの量は、当技術において容易に入手可能である。アメリカ飼料検査官協会(AAFCO)は、イヌ及びネコのためのこのような成分の推奨量を提供している。アメリカ飼料検査官協会の公式刊行物(2003)の126−140頁を参照されたい。食品添加物として有用なビタミンは、例えば、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンH(ビオチン)、ビタミンK、葉酸、イノシトール、ナイアシン、及びパントテン酸を含む。食品添加物として有用なミネラル及び微量元素は、カルシウム、リン、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、銅、亜鉛、コリン、及び鉄塩を含む。
【0028】
[0031] 本発明の組成物は、更に当技術分野において既知の添加剤を含有することができる。このような添加剤は、本発明によって提供される目的および効果を損なわない量で存在しなければならない。添加剤の例は、安定化効果を持つ物質、感覚受容性物質、加工助剤、及び栄養的利益を提供する物質を含む。
【0029】
[0032] 安定化物質は、組成物の有効期間を増加することができる。適した例は、保存剤、抗酸化剤、共力剤及び金属イオン捕捉剤、包装用置換ガス、安定剤、乳化剤、増粘剤、ゲル化剤、及び湿潤剤を含むことができる。乳化剤及び/又は増粘剤の例は、ゼラチン、セルロースエーテル、デンプン、デンプンエステル、デンプンエーテル、及び加工デンプンを含む。
【0030】
[0033] 着色、嗜好性、及び栄養的目的のための添加剤は、着色剤、塩(制約されるものではないが、塩化ナトリウム、クエン酸カリウム、塩化カリウム、及び他の食用塩を含む)、ビタミン、ミネラル、及び芳香剤を含むことができる。組成物中のこのような添加剤の量は、典型的には約5重量%までである(組成物の乾燥物基準で)。他の添加剤は、抗酸化剤、オメガ−3脂肪酸、オメガ−6脂肪酸、グルコサミン、硫酸コンドロイチン、野菜抽出物、ハーブ抽出物、等を含むことができる。
【0031】
[0034] 一つの態様において、組成物は、本明細書中で定義したとおりの可溶性繊維を含んでなる栄養補助食品であることができる。補助食品は、全体の栄養バランス又は性能を改良するために他の食品と共に使用される食品であることができる。補助食品は、別個に利用可能な動物の糧食の他の部分と共に自由な選択を提供する、他の食品への添加として未希釈で給餌されるか、或いは完全な食品を製造するために動物の通常の食餌で希釈されおよびそれと混合される組成物を含む。補助食品は、例えば、おやつ、キブル(kibble)、粉末、液体、シロップ、丸薬、カプセル化組成物、等を含む各種の形態であることができる。
【0032】
[0035] もう一つの態様において、組成物は、可溶性繊維を含んでなるおやつである。おやつは、例えば、非食餌時間中に食するために動物に与えられる組成物を含む。おやつは、制約されるものではないが、イヌ用骨、イヌ用ビスケット、ネコ用おやつ、等を含む。おやつは、組成物が一つ又はそれより多い栄養分を含んでなる栄養的なものであることができ、そして例えば、食品のために先に記載したような組成を有することができる。非栄養的おやつは、非毒性であるいずれかの他のおやつも包含する。
【0033】
[0036] 更なる態様において、組成物は、可溶性繊維を含んでなる玩具である。玩具は、遊戯用玩具及び咀嚼用玩具を含む。イヌのための玩具は、ボール及び人工の骨を含む。可溶性繊維は、玩具の表面上の被覆、或いは玩具の部品の表面上の被覆を形成するか、あるいはその両方であることができ、その部品は玩具に部分的にまたは完全にその中に組み込まれることができる。一つの態様において、可溶性繊維は、意図した使用者によって経口的に利用可能である。広い範囲の適した玩具が現在市販されている。本発明によって有用な玩具は、部分的に消費可能な玩具(例えば、プラスチック部分を含んでなる玩具)及び完全に消費可能な玩具(例えば生皮及び各種の人工骨)の両方、ヒト及び非ヒトの両方が使用する玩具、伴侶、牧場、及び動物園動物が使用する玩具、並びに特にイヌ、ネコ、又はトリが使用する玩具を含む。
【0034】
[0037] 本発明の組成物の調製において、組成物の成分は、可溶性繊維が、所望する量で、例えば乾燥物基準で約0.3%ないし約7%で組成物中に存在するように調節される。可溶性繊維は、組成物中におおよそ均質に分配することができる。可溶性繊維は、組成物の他の成分の混合中及び/又は後のような、製剤の加工中に組成物中に組込むことができる。これらの成分の組成物中への分配は、標準的な混合法を含む慣用的な方法によって達成することができる。別の方法として、可溶性繊維は、肉の塊、乾燥キブル、又はイヌ用ビスケットのような個々のおやつのような食品断片の表面に全体的に又は部分的に存在することができる。
【0035】
[0038] 本発明の組成物(特に食品)は、例えば慣用的な方法を使用して乾燥形態で調製することができる。一つの態様において、動物タンパク質原料、植物タンパク質原料、穀物、等を含む乾燥成分は、粉砕され、そして共に混合される。脂肪、油、動物タンパク質原料、水、等を含む湿潤又は液体成分は、乾燥成分中にブレンドされる。可溶性繊維は、可溶性繊維の原料によって、乾燥成分として含まれるか、或いは湿潤又は液体成分として含むことができる。次いで得られた混合物は、キブル又は同様な乾燥断片に加工される。キブルは、押出し法を使用して形成することができ、ここにおいて、乾燥及び湿潤成分の混合物は、高圧及び高温の機械的作業にかけられ、そして小さい開口部を通して押出され、そして回転ナイフによってキブルに切断される。次いで湿潤なキブルを乾燥し、そして所望により、例えば芳香剤、脂肪、油、粉末、等を含むことができる一つ又はそれより多い局所的被覆で被覆される。キブルは、更に押出しではなく、ドウ(dough)から焼く工程を使用して製造することもでき、ここでドウは乾燥加熱加工前に金型に入れられる。
【0036】
[0039] 本発明の組成物(特に食品)は、缶詰の又は湿潤形態に、例えば、慣用的なペットフードの製法を使用して調製することができる。一つの態様において、粉砕された動物(例えば哺乳動物、家禽、海産物、及び/又は魚)のタンパク質組織は、魚油、穀物、他の栄養バランス成分、及び特別な目的の添加剤(例えば、ビタミン及びミネラル混合物、無機塩、セルロース及びビートパルプ、増量剤、等)を含む他の成分と混合される。加工のために十分な水も更に加えることができる。濡れた形態の成分は、成分をブレンドする間加熱するために適した容器中で混合することができる。混合物の加熱は、直接水蒸気注入又は熱交換器を備えた容器を使用することによるような、いずれかの適した方法を使用して行うことができる。最後の成分の添加後、混合物を、約10℃(約50°F)ないし約100℃(約212°F)の温度に加熱する。この範囲外の温度は受容可能であるが、しかし他の加工補助の使用なしでは商業的に実際的でないことがありえる。適当な温度に加熱された場合、物質は、典型的には濃厚な液体の形態であるものである。濃厚な液体を缶に充填する。蓋をして、そして容器を密封する。次いで密封した缶を内容物を滅菌するために設計された慣用的な機器に入れる。これは、約110℃(約230°F)より高い温度で、そして使用される温度及び組成物のために適当な時間で加熱することによって通常達成される。
【0037】
[0040] 可溶性繊維は、濡れた食品組成物中に組込むか、又は濡れた食品組成物を形成する前に乾燥物質中に混合することができる。
[0041] おやつは、乾燥食品のために先に記載したものと同様な、押出し又は焼く工程によって調製することができる。既存のおやつの形態の外部に可溶性繊維を被覆するか、又は既存のおやつの形態にそれを注入するかいずれかのために、他の方法も更に使用することができる。
【0038】
[0042] 可溶性繊維は、上記に示したように、混合又は被覆の工程によって組成物の製造中に加えることができる。もう一つの態様において、可溶性繊維は、動物に給餌することに責任があるヒトによって動物の食品に加えられる。
【0039】
[0043] この目的のために、植物油又は食用粉末のような適した担体に希釈又は分散した形態で可溶性繊維を与えることが更に好都合であり、そして可溶性繊維の過度の添加という不測危険を減少する。可溶性繊維を含有する粉末を、動物の食餌が給餌される直前に撒き散らすことができる。別の方法として、可溶性繊維を含んでなる液体を、食品上に振掛け又は噴霧することができる。このような粉末又は液体組成物は、本明細書中で“繊維を含有する組成物”と記載される。これらは、給仕された食品の上部に適用することができるか、及び/又は食品に混合することができる。食物摂取を減少する及び/又は体重を制御するためのこのような繊維を含有する組成物の使用は、本発明の一つの態様である。
【0040】
[0044] 先に記載したような繊維を含有する組成物は、それが加えられる食品とは独立に購入することができ;別の方法として、このような組成物又は調味料は、キット、例えば同封キットの形態で食品と共に購入することができる。このようなキットは、線維含有組成物の適量を食品に加えることに関する指導又は指示を提供するラベル或いは包装封入物を更に含むことができる。
【0041】
[0045] 可溶性繊維の食物摂取を減少する量及び/又は体重を制御する量は、一般的に本明細書中に提供されている、例えば可溶性繊維が加えられる組成物の乾燥物基準で、約0.3%ないし約7%、約0.5%ないし約6%、約0.5%ないし約3重量%の範囲中に見出されるものである。
【0042】
[0046] 本発明のもう一つの態様において、製品は、本明細書中に記載したように、可溶性繊維の摂取を減少する量及び/又は体重を制御する量を含んでなる組成物を含有する包装を含んでなる。制約されるものではないが、缶、広口ビン、ポーチ、袋、管、箱の中の袋、等を含む、組成物の特質に適当な包装のいずれの形態も使用することができる。この態様の物品は、更に組成物を動物に給餌するための情報又は指示を連絡するための手段を含んでなる。連絡手段は、包装に付着するか又は包装中に封入することができる。いずれかの適した連絡手段の形態、例えば、ラベル、パンフレット、広告又は包装挿入物のような文書、ディスケット又はCDのようなコンピューターで読取り可能なデジタル又は光媒体、音声提示、例えば録音テープ又はCD、或いは画像提示、例えばビデオテープ又はDVDを使用することができる。連絡手段は、ウェブサイトのような他の場所にある更なる情報を指す。
【0043】
[0047] 例えばラベル、パンフレット、広告又は包装挿入物のような文書、ディスケット又はCDのようなコンピューターで読取り可能なデジタル又は光媒体、音声提示、例えば録音テープ又はCD、画像提示、例えばビデオテープ又はDVD、及び/又はウェブサイトの1又はそれより多い頁を含んでなるこのような連絡種段は、それ自体本発明のなお更なる態様である。
【0044】
[0048] 本発明の方法は、動物が過体重又は肥満体である、又はそうなってしまった、或いは急速に体重を増加している場合に、特別に利益を見出すものである。
[0049] 本発明は、更に動物の体重を制御するための、そして動物の食物摂取を減少するための本発明の組成物の使用も含む。本発明の組成物は、更に動物の肥満症を治療又は予防するために有用であることもできる。本発明の組成物は、更にペットフード、特にドッグ又はキャットフードの製造のためにも有用であることができる。
【0045】
[0050] 本明細書中で表示される全てのパーセントは、他に具体的に記述されない限り、乾燥物の重量基準である。
[0051] 本発明は、本明細書中に記載された特定の方法論、プロトコル、及び試薬に、これらを変更することができるために、制約されるものではない。更に本明細書中に使用される用語は、特定の態様を記載する目的のためのみのものであり、そして本発明の範囲を制約する意図はない。本明細書中で、そして特許請求の範囲において使用される場合、単数の形態は、文脈が明確に他に指示していない限り、複数の言及を含む。同様に、用語“含んでなる”は、排他的ではなく、包括的に翻訳されるべきである。
【0046】
[0052] 他に規定しない限り、本明細書中で使用される全ての技術的及び科学的用語並びにいずれかの頭字語は、本発明の分野における当業者によって普通に理解されるものと同一の意味を有する。本明細書中に記載されたものと同様な又は等価ないずれかの方法及び物質も、本発明の実施において使用することができるが、好ましい方法、装置、及び物質は、本明細書中に記載されている。
【0047】
[0053] 本明細書中に記述された全ての特許、特許出願、及び他の参考文献は、化合物、方法、技法、手順、技術、物品、並びに本発明において使用することができるその中に開示されている他の組成物及び方法を記載し、そして開示する目的のために、法律的に許される範囲で、本明細書中に参考文献として援用される。然しながら、本明細書中の記載が、本発明が、従来の発明によってこのような開示に先行する権利を与えられないことへの承認として解釈されるべきではない。
【0048】
実施例
[0054] 本発明は、以下の実施例によって更に例示することができが、しかしこれらの実施例が、例示の目的のためのみに含まれ、そして他に具体的に示されない限り、本発明の範囲を制約する意図はないことは理解されるものである。
【0049】
実施例1
[0055] この実施例は、成体のネコにおける食物摂取に対する可溶性繊維の効果を証明する。60匹のネコ(処置当り10匹)を、表1に示すような2×3の要因配列:14%の全繊維と組合せた0.5%、1.0%、又は2.0%の添加された可溶性繊維、或いは24%の全繊維と組合わせた1.0%、2.0%、又は4.0%の添加された可溶性繊維の6種の食品処置の一つに割当てた。ネコに、7日間実験食品を給餌して、毎日の食物摂取量を測定する。結果を表2に示す。
【0050】
[0056] 表2において、14%の全繊維を含有する食品に可溶性繊維を加えることにより、成体のネコの平均の一日の食物摂取量(ADFI)は減少する。24%の全繊維を含有する食品への1%又はそれより多い可溶性繊維の添加によって、ADFIは減少しない。
【0051】
【表1A】

【0052】
【表1B】

【0053】
【表2】

【0054】
実施例2
[0057] この実施例は、成体のネコにおける随意食物摂取に対する可溶性繊維の効果を証明する。21匹のネコ(処置当り7匹)を、三つの食品処置:14%全食物繊維と組合せた0.5%、1.0%、又は2.0%の添加された可溶性繊維(表1に示すとおり)の一つに割当てる。ネコに実験食品を30日間給餌して、食品組成物が、一日の食物摂取を減少するか否かを測定する。平均の一日の食物摂取量を、研究の0−7、7−14、14−21、及び21−30日目で平均する。結果を表3に示す。
【0055】
[0058] 表3において、結果は、自発的食物摂取が、食餌に可溶性繊維を添加することによって成体ネコにおいて減少することを示す。数字は、平均の一日の食物摂取量として与える(一日当りグラム)。
【0056】
【表3】

【0057】
実施例3
[0059] この実施例は、成体のイヌにおける食物摂取に対する可溶性繊維の効果を証明する。30匹のイヌ(処置当り10匹)を、表4に示すとおりの三つの食品処置:12%全食物繊維と組合せた0.5%、1.0%、又は2.0%の添加された可溶性繊維の一つに割当てる。イヌに実験食品を7日間給餌して、毎日の食物摂取を測定する。結果を表5に示す。
【0058】
[0060] 表5において、結果は、自発的食物摂取が、食餌に可溶性繊維を添加することによってイヌにおいて減少することを示す。
【0059】
【表4】

【0060】
【表5】

【0061】
[0061] 本明細書において、本発明の典型的な好ましい態様が開示され、そして具体的な用語が使用されているが、これらは、一般的な、そして説明的な意味においてのみ使用され、そして制約の目的のためではなく、本発明の範囲は、特許請求の範囲中に記載されている。明らかに、本発明の多くの改変及び変更が、上記の教示に照らして可能である。従って、特許請求の範囲の範囲内で、具体的に記載された以外に本発明を実施することができることは理解されることである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動物による食物摂取を減少するための方法であって、少なくとも一つの可溶性繊維を食物摂取を減少する量で含んでなる組成物を、前記動物に投与することを含んでなる、前記方法。
【請求項2】
前記組成物が、ビートパルプ、グアーガム、チコリの根、サイリウム、ペクチン、ブルーベリー、クランベリー、カボチャ、リンゴ、カラスムギ、マメ、柑橘、オオムギ、エンドウマメ、及びこれらの組合せからなる群から選択される可溶性繊維の原料を含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記組成物が、ビートパルプ、グアーガム、チコリ根、サイリウム、ペクチン、ブルーベリー、クランベリー、カボチャ、リンゴ、カラスムギ、マメ、柑橘、オオムギ、及びエンドウマメからなる群から選択される可溶性繊維の少なくとも二つの原料を含んでなる、請求項1又は2のいずれか1項に記載の方法。
【請求項4】
前記可溶性繊維が、乾燥物質基準で組成物の約0.3%ないし約7重量%を構成する、請求項1−3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記可溶性繊維が、乾燥物質基準で組成物の約0.5%ないし約6重量%を構成する、請求項1−4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記可溶性繊維が、乾燥物質基準で組成物の少なくとも約1重量%を構成する、請求項1−5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記組成物が、食肉目の動物による消費のために、栄養的に及び/又は感覚受容的に適合する、請求項1−6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記動物が、ネコ科動物又はイヌ科動物である、請求項1−7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記組成物が、ドッグ又はキャットフードである、請求項1−7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記組成物が、補助食品、おやつ、又は玩具である、請求項1−9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記可溶性繊維が、粉末又は液体担体中に希釈或いは分散されて、食物摂取減少組成物を形成し、そして前記可溶性繊維が、繊維摂取減少組成物の形態で動物の食品に加えられる、請求項1−10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
動物の体重を制御するための方法であって、可溶性繊維を体重を制御する量で含んでなる組成物を、前記動物に給餌することを含んでなる、前記方法。
【請求項13】
前記組成物が、食肉目の動物による消費のために栄養的に及び/又は感覚受容的に適合される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記動物が、イヌ科動物又はネコ科動物である、請求項12又は13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記組成物が、ビートパルプ、グアーガム、チコリ根、サイリウム、ペクチン、ブルーベリー、クランベリー、カボチャ、リンゴ、カラスムギ、マメ、柑橘、オオムギ、エンドウマメ、及びこれらの組合せからなる群から選択される可溶性繊維の原料を含んでなる、請求項12−14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記組成物が、ビートパルプ、グアーガム、チコリ根、サイリウム、ペクチン、ブルーベリー、クランベリー、カボチャ、リンゴ、カラスムギ、マメ、柑橘、オオムギ、及びエンドウマメからなる群から選択される可溶性繊維の少なくとも二つの原料を含んでなる、請求項12−15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記可溶性繊維が、乾燥物質基準で組成物の約0.3%ないし約7重量%を構成する、請求項12−16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記可溶性繊維が、乾燥物質基準で組成物の少なくとも約1重量%を構成する、請求項12−17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
食品組成物を含有する第1の包装;及び
可溶性繊維の、食物摂取を減少する及び/又は体重を制御する量を含んでなる、繊維を含有する組成物を含有する第2の包装;
を含んでなるキット。
【請求項20】
更に、繊維を含有する組成物を食品組成物に添加し、そして得られた繊維富化食品組成物を動物に給餌して、食物摂取を減少し及び/又は体重を制御するための情報又は指示を連絡するための手段を含んでなる、請求項19に記載のキット。
【請求項21】
可溶性繊維の、食物摂取を減少する量及び/又は体重を制御する量を含んでなる食品組成物を動物に給餌するための情報又は指示を伝達するための手段であって、情報又は指示を含有する、ラベル、パンフレット、広告、包装挿入物、コンピューターで読取り可能なデジタル又は光媒体、音声提示、画像提示、或いはウェブサイトの1又はそれより多いページを含んでなる、前記手段。
【請求項22】
可溶性繊維の食物摂取を減少する量及び/又は体重を制御する量を含んでなる組成物を含有する包装;及び
食物摂取を減少する及び/又は体重を制御するための組成物を動物に給餌するための情報又は指示を伝達するための手段であって、その手段が前記包装に付着又は封入されている前記手段;
を含んでなる製品。
【請求項23】
(a)少なくとも約0.3%の可溶性繊維;及び
(b)少なくとも一つの以下のもの:
(i)約5%ないし約70%のタンパク質;及び
(ii)約2%ないし約50%の脂肪;
を含んでなる食品。
【請求項24】
更に、約50%より多くない炭水化物を含んでなる、請求項23に記載の食品。
【請求項25】
約5%ないし約45%の炭水化物を含んでなる、請求項23又は24に記載の食品。
【請求項26】
約40%より多くない不溶性食物繊維を含んでなる、請求項23ないし25のいずれか1項に記載の食品。
【請求項27】
約1%ないし約20%の不溶性食物繊維を含んでなる、請求項23ないし26のいずれか1項に記載の食品。
【請求項28】
約1%ないし約5.5%の不溶性食物繊維を含んでなる、請求項23ないし27のいずれか1項に記載の食品。
【請求項29】
約15%より多くない一つ又はそれより多い栄養バランス剤を含んでなる、請求項23ないし28のいずれか1項に記載の食品。
【請求項30】
ドッグフードである、請求項23ないし29のいずれか1項に記載の食品。
【請求項31】
キャットフードである、請求項23ないし29のいずれか1項に記載の食品。
【請求項32】
前記食品が、補助食品、おやつ、又は玩具である、請求項23ないし31のいずれか1項に記載の食品。
【請求項33】
前記可溶性繊維が、粉末又は液体担体中に希釈或いは分散されて、食物摂取減少組成物を形成し、そして前記可溶性繊維が、繊維摂取減少組成物の形態で動物の食品に加えられる、請求項23ないし32のいずれか1項に記載の食品。
【請求項34】
動物の体重を制御する方法であって、請求項23ないし33のいずれか1項に記載の食品の有効な量を、前記動物に給餌することを含んでなる、前記方法。
【請求項35】
動物の食物摂取を減少する方法であって、請求項23ないし33のいずれか1項に記載の食品の有効な量を、前記動物に給餌することを含んでなる、前記方法。
【請求項36】
動物の体重を制御するための、請求項23−33のいずれか1項に記載の食品の使用。
【請求項37】
動物の食物摂取を減少するための、請求項23−33のいずれか1項に記載の食品の使用。

【公表番号】特表2009−523462(P2009−523462A)
【公表日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−552541(P2008−552541)
【出願日】平成19年1月23日(2007.1.23)
【国際出願番号】PCT/US2007/060882
【国際公開番号】WO2007/087517
【国際公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【出願人】(502329223)ヒルズ・ペット・ニュートリシャン・インコーポレーテッド (138)
【Fターム(参考)】