説明

動画像復号装置を具備したシステム半導体集積回路およびその動作方法

【課題】記憶メディア中の動画ファイル自体の破損に際して、ユーザでの動画ファイルの通常再生の機会を増加する。
【解決手段】外部インターフェースは、映像と音声の多重化ストリームファイルと属性データのメタデータを含む動画ファイルを格納する記憶メディアをアクセスする。動画像復号装置のメタデータ分析器111はメタデータを解析してストリームファイルをデマルチプレクサ112に転送して、映像と音声の符号化信号が分離される。ビデオ復号器113とオーディオ復号器114は、映像復号処理と音声復号処理を実行する。メタデータ分析器111から1回に転送されるファイルは所定サイズ以下に設定され、メタデータの異常が検出されても、ストリームファイルは複数の転送回数で転送され、分離処理と映像復号処理と音声復号処理とは、少なくとも動画ファイルの通常再生を可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動画像復号装置を具備したシステム半導体集積回路およびその動作方法に関し、特に記憶メディア中に格納された動画ファイル自体の破損に際してユーザにおける動画ファイルの通常再生の機会を増加するのに有効な技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ビデオカメラにおけるデータ記録フォーマットとして、AVCHD方式が普及している。尚、AVCHDは、Advanced Video Codec High Definitionの略称で、2006年5月に松下電器産業(現:パナソニック)とソニーが基本仕様を策定したハイビジョン動画記録フォーマットである。8センチサイズのDVDの記録容量で十分な高画質の動画撮影を可能とするために、AVCHD方式では、映像には高効率符号化が可能なMPEG−4(AVC)/H.264(AVC)ビデオ圧縮コーディックが使用される一方、音声にはドルビーAC−3(ドルビーデジタル)またはリニアPCM音声圧縮コーディックが採用され、映像と音声の多重化にMPEG2−TS(トランスポートストリーム)が採用されたものである。
【0003】
AVCHD方式は、メディア表示とメニューナビゲーションとスライドショーやサブタイトル等の機能を改良する特徴を持っている。AVCHD方式のメニューナビゲーションは、DVDビデオと類似しており、共通の導入スクリーンから個々のビデオへのアクセスを可能としている。スライドショーはAVC静止フレームから生成され、バックグラウンドオーディオトラックを併用可能とされている。またサブタイトルは、ビデオカメラの記録のタイムスタンプに使用される。
【0004】
音声と映像とサブタイトルと付加的なストリームとは単一のMPEGトランスポートストリームに多重化され、記録メディアにバイナリーファイルとして格納される。一般的に、メモリカードとHDDは、FAT32ファイルシステムを使用する一方、光ディスクはUDFまたはISO9660を使用する。尚、FATはFile Allocation Tableの略称であり、UDFは規格ISO/IEC13346または規格ECMA−167のUniversal Disk Formatの略称でありコンピュータのデータ記憶のためのファイルシステムに使用され、規格ISO9660は書き込み可能な光ディスクに使用されるものである。
【0005】
ファイルシステムレベルでは、AVCHD方式のファイルシステムの構成は、Blu−ray Disc(登録商標)の規格から派生したものであるが、同一ではない。
【0006】
下記特許文献1には、青色レーザを適用したBlu−ray Disc(登録商標)等の記録メディア上のファイルシステムとしてのコンテンツ格納フォーマットが記載されている。このコンテンツは、動画コンテンツと静止画コンテンツとに区分され、動画コンテンツは、階層構成の上層のインデックス情報ファイルと中間層のプレイリストと下層のクリップを有する。中間層のプレイリストには複数のプレイリストが含まれ、下層のクリップには複数のクリップ情報とコンテンツ実データとしてのAVストリームからなる複数のクリップAVストリームファイルとが含まれる。再生アプリケーションによってインデックス情報が呼び出され、インデックス情報からユーザの指定によってプレイリストあるいは静止画コンテンツのメニューサムネイルインデックスまたはマークサムネイルインデックスのいずれかが選択される。
【0007】
動画コンテンツの再生に際して、複数のプレイリストのいずれかが選択される。プレイリストには、再生対象データ情報としてのプレイアイテムが含まれる。プレイリストに含まれるプレイアイテムによって規定される再生区間としてのクリップ情報によって、コンテンツ実データとしてのAVストリームが選択的に読み出され、AVストリームの再生が実行される。尚、プレイリスト、プレイアイテムは多数、存在して、それぞれは識別情報としてのプレイリストIDとプレイアイテムIDとを含んでいる。クリップAVストリームファイルのコンテンツは、時間軸上に展開され、プレイリストは、クリップの中のアクセスポイントを主にタイムスタンプで指定する。プレイリストがクリップの中へのアクセスポイントをタイムスタンプで指示する時に、クリップ情報ファイルはクリップAVストリームファイル中でストリームのデコードを開始すべきアドレス情報を発見するために適用される。静止画コンテンツには、サムネイルが含まれる。サムネイルは、例えば、各動画コンテンツに対応する静止画である。サムネイルには、2種類がある。1つは、各コンテンツ内容を表示する代表画としてのメニューサムネイルであり、これは主としてユーザがカーソルを操作して視聴する動画コンテンツを選択するためのメニュー画面で使用される。もう1つは、マークが表示しているシーンを表示する画像であり、例えばユーザの選択したシーンのサムネイル画像によって構成されるマークサムネイルである。
【0008】
一方、下記特許文献2には、AVCHD方式のファイルシステムとしてのデータ記録フォーマットが記載されている。AVCHD方式のフォーマット撮影データ等のコンテンツ実体部は、ストリームファイル(nnnnn.m2ts)に格納される。このストリームファイル自体は、MPEG4−AVCストリーム(例えば、H.264/AVCストリーム)符号化データである。AVCHDフォーマットには、コンテンツ実体データ以外の再生制御情報として、インデックス(index.bdmv)ファイルとムービーオブジェクト(MovieObject.bdmv)ファイルとプレイリスト(PlayList)ファイルとクリップ情報(ClipInformation)ファイルとが記録される。
【0009】
更に、下記特許文献2には、AVCHDフォーマットのルートディレクトリの構成も記載されている。
【0010】
ディレクトリ[BDMV]の直下には、インデックスファイル[Index.bdmv]およびムービーオブジェクトファイル[MovieObject.bdmv]の2つのみが配置可能とされる。また、BDMVディレクトリ[BDMV]の下には、プレイリストディレクトリ[PLAYLIST]、クリップ情報ディレクトリ[CLIPINF]、ストリームディレクトリ[STREAM]が配置される。
【0011】
インデックスファイル[Index.bdmv]は、ディレクトリBDMVの内容について記述される。また、ムービーオブジェクトファイル[MovieObject.bdmv]は、1つ以上のムービーオブジェクトの情報が格納される。
【0012】
プレイリストディレクトリ[PLAYLIST]は、ムービープレイリストに関するファイルであるプレイリストファイル[nnnnn.mpls]を含む。プレイリストファイル[nnnnn.mpls]は、ムービープレイリストのそれぞれに対して作成されるファイルである。ファイル名では、[.](ピリオド)の以前の[nnnnn]は5桁の数字とされて、ピリオドの以後の[mpls]はこのタイプのファイルに固定的とされた拡張子である。
【0013】
クリップ情報ディレクトリ[CLIPINF]は、AVストリームファイルにそれぞれに対応するクリップ情報ファイル[nnnnn.clpi]を含む。ファイル名では、[.](ピリオド)の以前の[nnnnn]は5桁の数字とされ、ピリオドの以後の[clpi]はこのタイプのファイルに固定的とされた拡張子である。
【0014】
ストリームディレクトリ[STREAM]は、実体としてのAVストリームファイルが配置されるディレクトリである。すなわち、ストリームディレクトリ[STREAM]は、クリップ情報ファイルにそれぞれ対応するクリップAVストリームファイルを含んでいる。AVストリームファイルは、MPEG4−AVC(例えばH.264/AVC)のトランスポートストリームから構成され、ファイル名が[nnnnn.m2ts]とされる。ファイル名では、[.](ピリオド)の以前の[nnnnn]は対応するクリップ情報ファイルと同一することで、クリップ情報ファイルとこのクリップAVストリームファイルとの対応関係を容易に把握することが可能となる。
【0015】
一方、下記特許文献3には、AVCHD方式に関しては言及されていないが、動画圧縮規格を採用した符号化動画像データに混入したエラーの修復のためのエラーコンシールメント処理を行うか修復を停止するかをエラー発生のIフレームから次の到来Iフレームまでの時間間隔に基づいて選択する動画像復号装置が記載されている。
【0016】
この動画像復号装置によれば、上述の時間間隔が所定のしきい値よりも大きい場合には、エラーコンシールメント処理が行なわれ、上述の時間間隔が所定のしきい値よりも小さい場合には、エラーコンシールメント処理は不動作とされて、次のIフレームまでスキップ処理が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】特開2006−319954号 公報
【特許文献2】特開2009−104752号 公報
【特許文献3】特開2008−427569号 公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明者等は本発明に先立って、AVCHD方式のデータ記録フォーマットのコンテンツを格納した不揮発性メモリカードのデータ処理を実行可能なメディアプロセッサ(動画像復号装置)を内蔵したシステム半導体集積回路の開発に従事した。
【0019】
特に、このメディアプロセッサには、携帯電話等の移動体通信端末での動画ファイルの再生機能だけではなく、移動体通信端末に装着されるリムーバブル型の外部不揮発性メモリデバイスやインターネット経由等でダウンロードされたAVCHD方式のデータ記録フォーマットの動画ファイルの再生機能が必要とされた。しかしながら、ダウンロードした動画ファイルには、偶発的または意図的なファイル破損が発生することが明らかとされた。偶発的なファイル破損は、外部不揮発性メモリデバイスの動画ファイルが何らかの要因によって破損した場合やダウンロード中に破損した場合等を示す。意図的なファイル破損は、ユーザが正常な動画ファイルに対し意識的な加工等の結果、破損した場合等を示す。
【0020】
現在、市販されているDVDやBlu−ray Discの録画再生装置においては、破損等により異常と判断されたAVCHD方式のデータ記録フォーマットの動画ファイルの再生は不可能とされる。これは、その動画ファイルがこの録画再生装置以外の装置によって録画した場合も、異常と判断された動画ファイルの再生は不可能とされる。
【0021】
一方、リムーバブル型の外部不揮発性メモリデバイスが装着される録画再生装置においては、メモリデバイスに格納されたAVCHD方式のデータ記録フォーマットの動画ファイル自体のみの破損が異常の要因であるのに対して、録画再生装置が外部不揮発性メモリデバイス全体の異常と認識する等と言う問題も明らかとされた。更に外部不揮発性メモリデバイス全体の異常との認識によって、携帯電話等の移動体通信端末がシステムダウンまたはユーザ操作に無応答となる等、ユーザにとって深刻な動作障害を発生すると言う問題も明らかとされた。
【0022】
それに対して、上記特許文献3に記載の動画像復号装置は、エラー発生のIフレームから次の到来Iフレームまでの時間間隔に基づきエラー修復のエラーコンシールメント処理を行うか停止するかを選択するものであって、AVCHD方式のデータ記録フォーマットの動画ファイルを格納した記憶メディアの異常判断に対応することは不可能である。
【0023】
一方、本発明に先立った本発明者等による検討によれば、記憶メディア中に格納されるAVCHD方式のデータ記録フォーマットの動画ファイルでは、映像と音声が多重化されたコンテンツ実体データであるストリームファイル以外の再生制御情報としてのインデックスファイルとムービーオブジェクトファイルとプレイリストファイルとクリップ情報ファイルとはコンテンツ実体データであるストリームファイルのためのメタデータであり、早送りや巻き戻し等の特殊再生動作以外の通常再生には、必ずしも必要とされるものではないことが明らかとされた。
【0024】
すなわち、コンテンツ実体データのためのメタデータ(metadata)は、メタなデータ、すなわちデータについてのデータと言う意味であり、コンテンツ実体データに関係する付加的な属性情報である。例えば、情報検索の分野では、検索対象の実体データを要約したデータをメタデータと呼んでいる。
【0025】
一方、不揮発性メモリデバイス等の記憶メディアに格納されたAVCHD方式のデータ記録フォーマットの動画ファイル自体の破損においては、上述のメタデータが破損しているが、映像と音声が多重化されたコンテンツ実体データであるストリームファイルは破損されていない場合がある。従来は、このような場合にも、動画ファイルの再生は不可能とされ、また記憶メディア全体の異常と判断されるものであった。その結果、従来では、動画ファイル自体の破損に際して、ユーザにおける動画ファイルの通常再生の機会が必要以上に喪失していたものであった。
【0026】
本発明は、以上のような本発明に先立った本発明者等による検討の結果、なされたものである。
【0027】
従って、本発明の目的とするところは、記憶メディア中に格納された動画ファイル自体の破損に際して、ユーザにおける動画ファイルの通常再生の機会を増加することにある。
【0028】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0029】
本願において開示される発明のうちの代表的なものについて簡単に説明すれば下記のとおりである。
【0030】
すなわち、本発明の代表的な実施の形態は、動画像復号装置と外部インターフェースとを具備する半導体集積回路である。
【0031】
前記動画像復号装置は、メタデータ分析器(111)とデマルチプレクサ(112)とビデオ復号器(113)とオーディオ復号器(114)の機能とを有する。
【0032】
前記外部インターフェースは、前記動画像復号装置と接続され、コンテンツ実体データの映像と音声とが多重化されたストリームファイルと前記コンテンツ実体データに関係した属性データのメタデータとを含む動画ファイルを格納可能な記憶メディアをアクセスする。
【0033】
前記メタデータ分析器は、前記記憶メディアの前記メタデータを解析して、解析後の前記動画ファイルの前記ストリームファイルを前記デマルチプレクサに転送する。
【0034】
前記デマルチプレクサは、前記動画ファイルの前記ストリームファイルから映像符号化信号と音声符号化信号との分離処理を実行する。
【0035】
前記ビデオ復号器は前記映像符号化信号の映像復号処理を実行して、前記オーディオ復号器は前記音声符号化信号の音声復号処理を実行する。
【0036】
前記メタデータ分析器では、1回の転送動作によって前記デマルチプレクサに転送される前記ストリームファイルは所定のデータサイズ以下に設定されて、前記動画ファイルの前記ストリームファイルは前記メタデータ分析器から前記デマルチプレクサへ複数の回数の転送動作で転送される。
【0037】
前記メタデータ分析器によって前記メタデータの異常が検出された場合でも、前記メタデータ分析器は前記動画ファイルの前記ストリームファイルを前記複数の回数の前記転送動作で前記デマルチプレクサへ転送可能とされる。
【0038】
前記デマルチプレクサと前記ビデオ復号器と前記オーディオ復号器とは、前記メタデータ分析器によって前記複数の回数の前記転送動作にて転送される前記動画ファイルの前記ストリームファイルに関して前記分離処理と前記映像復号処理と前記音声復号処理とをそれぞれ実行可能とされる。
【0039】
前記異常が検出された前記場合での前記デマルチプレクサと前記ビデオ復号器と前記オーディオ復号器とによる前記分離処理と前記映像復号処理と前記音声復号処理とは、前記動画ファイルの通常再生を少なくとも可能としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0040】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば下記の通りである。
【0041】
すなわち、本発明によれば、記憶メディア中に格納された動画ファイル自体の破損に際して、ユーザにおける動画ファイルの通常再生の機会を増加することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】図1は、AVCHD方式のデータ記録フォーマットのコンテンツを格納した不揮発性メモリカードのデータ処理を実行可能な本発明の実施の形態1によるメディアプロセッサを内蔵したシステム半導体集積回路の構成を示す図である。
【図2】図2は、図1に示した本発明の実施の形態1によるシステム半導体集積回路100によって解析されるメタデータとAVストリームファイルの構成を示す図である。
【図3】図3は、図2に示したAVストリームファイルの詳細な構成を示す図である。
【図4】図4は、図1に示す本発明の実施の形態1によるシステム半導体集積回路100によって実行される動画ファイルの解析処理と異常チェックとを実行するための処理フローを示す図である。
【図5】図5は、図1に示すシステム半導体集積回路100によって実行される本発明の実施の形態2による動画ファイルの解析処理と異常チェックとを実行するための処理フローを示す図である。
【図6】図6は、図1に示すシステム半導体集積回路100によって実行される本発明の実施の形態3による動画ファイルの解析処理と異常チェックとを実行するための処理フローを示す図である。
【図7】図7は、本発明の実施の形態4によるシステム半導体集積回路としてのアプリケーション・プロセッサを搭載した携帯電話の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
1.実施の形態の概要
まず、本願において開示される発明の代表的な実施の形態について概要を説明する。代表的な実施の形態についての概要説明で括弧を付して参照する図面の参照符号は、それが付された構成要素の概念に含まれるものを例示するに過ぎない。
【0044】
〔1〕本発明の代表的な実施の形態は、動画像復号装置と外部インターフェースとを具備する半導体集積回路である。
【0045】
前記動画像復号装置は、メタデータ分析器(111)の機能とデマルチプレクサ(112)の機能とビデオ復号器(113)の機能とオーディオ復号器(114)の機能とを有する。
【0046】
前記外部インターフェースは、前記動画像復号装置と接続され、コンテンツ実体データとしての映像と音声とが多重化されたストリームファイルと前記コンテンツ実体データに関係した属性データとしてのメタデータとを含む動画ファイルを格納可能な記憶メディアをアクセス可能とされる。
【0047】
前記メタデータ分析器の前記機能は、前記外部インターフェースによってアクセスされる前記記憶メディアに格納可能な前記動画ファイルの前記メタデータの解析が可能とされ、前記解析後の前記動画ファイルの前記ストリームファイルを前記デマルチプレクサに転送可能とされる。
【0048】
前記デマルチプレクサの前記機能は、前記メタデータ分析器の前記機能によって転送される前記動画ファイルの前記ストリームファイルから映像符号化信号と音声符号化信号との分離処理を実行可能とされる。
【0049】
前記ビデオ復号器の前記機能は前記デマルチプレクサの前記分離処理によって分離された前記映像符号化信号の映像復号処理を可能とされて、前記オーディオ復号器の前記機能は前記デマルチプレクサの前記分離処理によって分離された前記音声符号化信号の音声復号処理を可能とされる。
【0050】
前記メタデータ分析器の前記機能において、前記解析後に1回の転送動作によって前記デマルチプレクサに転送される前記ストリームファイルは所定のデータサイズ以下に設定されて、前記解析後の前記動画ファイルの前記ストリームファイルは前記メタデータ分析器から前記デマルチプレクサへ複数の回数の転送動作で転送可能とされる。
【0051】
前記メタデータ分析器の前記機能によって前記メタデータの異常が検出された場合でも(ステップS3、S6)、前記メタデータ分析器は前記解析後の前記動画ファイルの前記ストリームファイルを前記複数の回数の前記転送動作で前記デマルチプレクサへ転送可能とされる。
【0052】
前記デマルチプレクサの前記機能と前記ビデオ復号器の前記機能と前記オーディオ復号器の前記機能とは、前記メタデータ分析器の前記機能によって前記複数の回数の前記転送動作にて転送される前記解析後の前記動画ファイルの前記ストリームファイルに関して前記分離処理と前記映像復号処理と前記音声復号処理とをそれぞれ実行可能とされる。
【0053】
前記メタデータの前記異常が検出された前記場合での前記デマルチプレクサの前記機能と前記ビデオ復号器の前記機能と前記オーディオ復号器の前記機能とによる前記分離処理と前記映像復号処理と前記音声復号処理とは、前記動画ファイルの早送り再生と巻き戻し再生との特殊再生と相違する前記動画ファイルの通常再生を少なくとも可能としたことを特徴とする(図1、図4参照)。
【0054】
前記実施の形態によれば、記憶メディア中に格納された動画ファイル自体の破損に際して、ユーザにおける動画ファイルの通常再生の機会を増加することが可能となる。
【0055】
好適な実施の形態では、前記メタデータ分析器の前記機能は、前記メタデータの各種情報ファイルのファイルサイズとファイル名とファイル拡張子とタイムスタンプと属性情報との少なくとも1つのデータをチェックすることによって(ステップS1、S4)、前記メタデータの前記異常を検出することを特徴とする(図4参照)。
【0056】
他の好適な実施の形態では、前記メタデータ分析器の前記機能によって前記複数の回数の前記転送動作の1回の転送動作で転送される前記ストリームファイルに関して、前記デマルチプレクサの前記機能による前記分離処理が不成功となっても、前記デマルチプレクサの前記機能は前記複数の回数の前記転送動作の次の1回の転送動作で転送される前記ストリームファイルに関して前記分離処理を実行することを特徴とする(図4参照)。
【0057】
更に他の好適な実施の形態では、前記メタデータ分析器の前記機能によって前記複数の回数の前記転送動作の1回の転送動作で転送される前記ストリームファイルに関して、前記ビデオ復号器の前記機能による前記映像復号処理が不成功となっても、前記ビデオ復号器の前記機能は前記複数の回数の前記転送動作の次の1回の転送動作で転送される前記ストリームファイルに関して前記映像復号処理を実行することを特徴とする(図4参照)。
【0058】
また更に他の好適な実施の形態では、前記メタデータ分析器の前記機能によって前記複数の回数の前記転送動作の1回の転送動作で転送される前記ストリームファイルに関して、前記オーディオ復号器の前記機能による前記音声復号処理が不成功となっても、前記オーディオ復号器の前記機能は前記複数の回数の前記転送動作の次の1回の転送動作で転送される前記ストリームファイルに関して前記音声復号処理を実行することを特徴とする(図4参照)。
【0059】
より好適な実施の形態では、前記メタデータ分析器の前記機能が前記メタデータの前記各種情報ファイルの前記少なくとも1つのデータの異常検出によって前記メタデータの前記異常を検出した場合には、前記異常検出に応答して前記特殊再生の前記早送り再生の動作と前記巻き戻し再生の動作が禁止されることを特徴とする(図5参照)。
【0060】
他のより好適な実施の形態では、前記メタデータ分析器の前記機能が前記メタデータの前記各種情報ファイルの前記少なくとも1つのデータの前記異常検出によって前記メタデータの前記異常を検出した場合には、前記デマルチプレクサの前記機能によって前記動画ファイルの前記ストリームファイルから分離処理された前記映像符号化信号と前記音声符号化信号とから早送りポイントと巻き戻しポイントとが作成され、当該早送りポイントと当該巻き戻しポイントとを利用して前記特殊再生の前記早送り再生の動作と前記巻き戻し再生の動作が可能とされることを特徴とする(図6参照)。
【0061】
具体的な実施の形態では、前記メタデータ分析器の前記機能と前記デマルチプレクサの前記機能と前記ビデオ復号器の前記機能と前記オーディオ復号器の前記機能との各機能は、ハードウェアとソフトウェアとのいずれかで実現されたことを特徴とする。
【0062】
他の具体的な実施の形態では、前記外部インターフェースは、前記記憶メディアに格納されたAVCHD方式の前記動画ファイルをアクセス可能とされたことを特徴とする。
【0063】
最も具体的な実施の形態では、前記外部インターフェースは、前記記憶メディアとしての不揮発性メモリデバイスに格納されたAVCHD方式の前記動画ファイルをアクセス可能とされたことを特徴とする。
【0064】
〔2〕本発明の別の観点の代表的な実施の形態実施の形態は、動画像復号装置と外部インターフェースとを具備する半導体集積回路の動作方法である。
【0065】
前記動画像復号装置は、メタデータ分析器(111)の機能とデマルチプレクサ(112)の機能とビデオ復号器(113)の機能とオーディオ復号器(114)の機能とを有する。
【0066】
前記外部インターフェースは、前記動画像復号装置と接続され、コンテンツ実体データとしての映像と音声とが多重化されたストリームファイルと前記コンテンツ実体データに関係した属性データとしてのメタデータとを含む動画ファイルを格納可能な記憶メディアをアクセス可能とされる。
【0067】
前記メタデータ分析器の前記機能は、前記外部インターフェースによってアクセスされる前記記憶メディアに格納可能な前記動画ファイルの前記メタデータの解析が可能とされ、前記解析後の前記動画ファイルの前記ストリームファイルを前記デマルチプレクサに転送可能とされる。
【0068】
前記デマルチプレクサの前記機能は、前記メタデータ分析器の前記機能によって転送される前記動画ファイルの前記ストリームファイルから映像符号化信号と音声符号化信号との分離処理を実行可能とされる。
【0069】
前記ビデオ復号器の前記機能は前記デマルチプレクサの前記分離処理によって分離された前記映像符号化信号の映像復号処理を可能とされて、前記オーディオ復号器の前記機能は前記デマルチプレクサの前記分離処理によって分離された前記音声符号化信号の音声復号処理を可能とされる。
【0070】
前記メタデータ分析器の前記機能において、前記解析後に1回の転送動作によって前記デマルチプレクサに転送される前記ストリームファイルは所定のデータサイズ以下に設定されて、前記解析後の前記動画ファイルの前記ストリームファイルは前記メタデータ分析器から前記デマルチプレクサへ複数の回数の転送動作で転送可能とされる。
【0071】
前記メタデータ分析器の前記機能によって前記メタデータの異常が検出された場合でも(ステップS3、S6)、前記メタデータ分析器は前記解析後の前記動画ファイルの前記ストリームファイルを前記複数の回数の前記転送動作で前記デマルチプレクサへ転送可能とされる。
【0072】
前記デマルチプレクサの前記機能と前記ビデオ復号器の前記機能と前記オーディオ復号器の前記機能とは、前記メタデータ分析器の前記機能によって前記複数の回数の前記転送動作にて転送される前記解析後の前記動画ファイルの前記ストリームファイルに関して前記分離処理と前記映像復号処理と前記音声復号処理とをそれぞれ実行可能とされる。
【0073】
前記メタデータの前記異常が検出された前記場合での前記デマルチプレクサの前記機能と前記ビデオ復号器の前記機能と前記オーディオ復号器の前記機能とによる前記分離処理と前記映像復号処理と前記音声復号処理とは、前記動画ファイルの早送り再生と巻き戻し再生との特殊再生と相違する前記動画ファイルの通常再生を少なくとも可能としたことを特徴とする(図1、図4参照)。
【0074】
前記実施の形態によれば、記憶メディア中に格納された動画ファイル自体の破損に際して、ユーザにおける動画ファイルの通常再生の機会を増加することが可能となる。
【0075】
2.実施の形態の詳細
次に、実施の形態について更に詳述する。尚、発明を実施するための最良の形態を説明するための全図において、前記の図と同一の機能を有する部品には同一の符号を付して、その繰り返しの説明は省略する。
【0076】
[実施の形態1]
《システム半導体集積回路の構成》
図1は、例えば、AVCHD方式のデータ記録フォーマットのコンテンツを格納した不揮発性メモリカードのデータ処理を実行可能な本発明の実施の形態1によるメディアプロセッサを内蔵したシステム半導体集積回路の構成を示す図である。
【0077】
図1に示すようにシステム半導体集積回路100に内蔵されたメディアプロセッサは、中央処理ユニット(CPU)110とメタデータ分析器111とMPEGトランスポートストリームデマルチプレクサ112とビデオ復号器113とオーディオ復号器114とを含んでいる。また、メタデータ分析器111とMPEGトランスポートストリームデマルチプレクサ112とビデオ復号器113とオーディオ復号器114との各機能は、システム半導体集積回路100の半導体チップに集積化されたハードウェア・コアとしてそれぞれ実現されたものである。
【0078】
CPU110は、メディアプロセッサの全体制御を実行するものである。すなわち、不揮発性メモリ(図示せず)に格納されたAVCHD方式等の記録メディア・コンテンツの再生制御プログラムに従って、CPU110はメタデータ分析器111とMPEGトランスポートストリームデマルチプレクサ112とビデオ復号器113とオーディオ復号器114の各動作を制御する。尚、信号経路115はデマルチプレクサ112からメタデータ分析器111へエラーメッセージを転送するものであり、信号経路116はビデオ復号器113からメタデータ分析器111へエラーメッセージを転送するものであり、信号経路117はオーディオ復号器114からメタデータ分析器111へエラーメッセージを転送するものである。
【0079】
携帯電話等の移動体通信端末に装着されるリムーバブル型外部不揮発性メモリデバイスに格納されたAVCHD方式等のデータ記録フォーマットの動画ファイルは、メタデータ分析器111の入力端子に供給される。実際には、リムーバブル型外部不揮発性メモリデバイスと接続可能とされた外部インターフェースを介して、動画ファイルがメタデータ分析器111の入力端子に供給される。メタデータ分析器111は、下記に詳述するように、動画ファイルの上述したメタデータであるインデックスファイルとムービーオブジェクトファイルとプレイリストファイルとクリップ情報ファイルとの各データの解析処理と異常チェックとを実行する。
【0080】
メタデータ分析器111は、メタデータの階層構造の上層から中間層へ更に中間層から下層へと動画ファイルの異常チェック処理を段階的に実施する。すなわち、メタデータ分析器111による異常チェック処理は、インデックスファイル、ムービーオブジェクトファイル、プレイリストファイル、クリップ情報ファイルの順序で実行される。メタデータのこれらの各種情報ファイルに異常が存在しても、それが重大な異常でない場合にはメタデータ分析器111はAVストリームファイルのデマルチプレクス(逆多重化)処理と映像復号処理と音声復号処理とをそれぞれMPEGトランスポートストリームデマルチプレクサ112とビデオ復号器113とオーディオ復号器114とに実行を指示するものである。また更にMPEGトランスポートストリームに軽微な部分的な異常が存在したとしても、その部分の次に正常なデータが存在することを期待されるので、引き続きMPEGトランスポートストリームデマルチプレクサ112とビデオ復号器113とオーディオ復号器114とにより逆多重化処理と映像復号処理と音声復号処理とが続行され再生動作が継続される。
【0081】
《メタデータとAVストリームファイルの構成》
図2は、図1に示した本発明の実施の形態1によるシステム半導体集積回路100によって解析されるメタデータとAVストリームファイルの構成を示す図である。尚、図2の右の矢印Anlyzは、メタデータ分析器111によってメタデータの階層構造の上層から中間層へ更に中間層から下層へ、更に下層からAVストリームファイルへと動画ファイルの異常チェック処理を段階的に実施する方向を示すものである。
【0082】
図2に示すように、ディレクトリ[BDMV]の直下には、インデックスファイル[Index.bdmv]およびムービーオブジェクトファイル[MovieObject.bdmv]の2つのみが配置可能とされる。また、BDMVディレクトリ[BDMV]の下には、プレイリストディレクトリ[PLAYLIST]、クリップ情報ディレクトリ[CLIPINF]、ストリームディレクトリ[STREAM]が配置される。すなわち、メタデータMatadataは、ディレクトリ[BDMV]と、インデックスファイル[Index.bdmv]と、ムービーオブジェクトファイル[MovieObject.bdmv]と、プレイリストディレクトリ[PLAYLIST]のプレイリストファイル[nnnnn.mpls]と、クリップ情報ディレクトリ[CLIPINF]のクリップ情報ファイル[nnnnn.clpi]を含む一方、AVストリームファイルMPEG_TSはストリームディレクトリ[STREAM]のクリップAVストリームファイルを含んでいる。
【0083】
インデックスファイル[Index.bdmv]は、ディレクトリBDMVの内容について記述される。また、ムービーオブジェクトファイル[MovieObject.bdmv]は、1つ以上のムービーオブジェクトの情報が格納される。すなわち、インデックス(Index)ファイルは、メディア全体を管理する管理ファイルであり、コンテンツの再生時にユーザが指定可能なタイトルを管理して再生プログラムに相当するムービーオブジェクトファイル(MovieObject)の対応関係を管理するものである。ムービーオブジェクト(MovieObject)ファイルは再生プログラムに相当するファイルであって、ユーザによって選択されたタイトルに従って利用され、再生に利用するプレイリストを指定するためのものである。
【0084】
プレイリストディレクトリ[PLAYLIST]は、ムービープレイリストに関するファイルであるプレイリストファイル[nnnnn.mpls]を含む。プレイリストファイル[nnnnn.mpls]は、ムービープレイリストのそれぞれに対して作成されるファイルである。ファイル名では、[.](ピリオド)の以前の[nnnnn]は5桁の数字とされて、ピリオドの以後の[mpls]はこのタイプのファイルに固定的とされた拡張子である。プレイリスト(PlayList)ファイルは少なくとも1以上のプレイアイテムで構成され、各プレイアイテムはクリップに対する再生開始点(IN点)と再生終了点(OUT点)とを持つことによって、その再生区間を指定する。プレイリスト内部で複数のプレイアイテムを時間軸上に配置することによって、それぞれの再生区間の再生順序が指定されることができる。なおプレイリストファイルには、再生コンテンツの存在する時間的位置を示すマーク(Mark)が設定される。一般的にマークとマークの間をチャプタという。
【0085】
クリップ情報ディレクトリ[CLIPINF]は、AVストリームファイルにそれぞれに対応するクリップ情報ファイル[nnnnn.clpi]を含む。ファイル名では、[.](ピリオド)の以前の[nnnnn]は5桁の数字とされ、ピリオドの以後の[clpi]はこのタイプのファイルに固定的とされた拡張子である。クリップ情報(ClipInformation)ファイルには、実際のストリームを再生する上で必要なストリームに関する情報が記載されている。AVストリームと1対1で対応して、対応するAVストリームの属性を定義するファイルであって、例えば、coding,size,時間→アドレス変換、再生管理情報、タイムマップ等が含まれる。更に、1つのクリップ情報(ClipInformation)ファイルと、そのクリップ情報(ClipInformation)ファイルによって指定されるストリームファイルとの組をクリップ[Clip]と呼ぶ。
【0086】
ストリームディレクトリ[STREAM]は、実体としてのAVストリームファイルが配置されるディレクトリである。すなわち、ストリームディレクトリ[STREAM]は、クリップ情報ファイルにそれぞれ対応するクリップAVストリームファイルを含んでいる。AVストリームファイルは、MPEG4−AVC(例えばH.264/AVC)のトランスポートストリームから構成され、ファイル名が[nnnnn.m2ts]とされる。ファイル名では、[.](ピリオド)の以前の[nnnnn]は対応するクリップ情報ファイルと同一することで、クリップ情報ファイルとこのクリップAVストリームファイルとの対応関係を容易に把握することが可能となる。このクリップAVストリームファイルには、例えば、ビデオカメラにおいて撮影された動画像データから生成されるMPEG4−AVCストリーム(例えば、H.264/AVCストリーム)が格納される。
【0087】
《AVストリームファイルの詳細な構成》
図3は、図2に示したAVストリームファイルの詳細な構成を示す図である。
【0088】
図3に示すように、AVストリームファイルは複数のパック30A、30B、30C…を含むものであり、1個のパック30Aはパックヘッダ30AAとシステムヘッダ30ABと複数のPESパケット30ACとを含んでいる。尚、PESは、Packetized Elementary Streamの略称である。
【0089】
複数のパック30A、30B、30C…の各パックにはパックヘッダ30AAが付加されており、パックの開始コードに続いてSCR(System Clock Reference)と呼ばれる基準時間情報と多重化のビットレート(mux_rate)が記述されている。パックヘッダ30AAの後にシステムヘッダ30ABを付加することができ、ここにはストリーム全体のシステムパラメータ(個別ストリームのビットレートやバッファサイズ等)が記述される。このようにAVストリームファイルがパックを単位に構成されることで、ストリームの途中からの再生が可能となる。
【0090】
複数のパック30A、30B、30C…の各パックを構成する複数のPESパケット30ACは、映像や音声等の個別のストリームを分割したものである。パケットヘッダ30AAには、個別のストリームを識別するコード(stream_id)やパケットのサイズが記述されている。
【0091】
MPEGでは、映像と音声を同期再生するためにSTC(System Time Clock)と呼ばれる基準時間が定義されている。映像や音声にはそれぞれアクセスユニットと呼ばれる復号・再生の単位があり、その単位毎に基準時間のどこで復号して、いつ再生するかを示すタイムスタンプがPESパケットヘッダ30AAAに含まれた時間情報(PTS:Presentation Time Stamp、DTS:Decoding Time Stamp)に記述されている。PTS時間情報はアクセスユニットを再生する時刻でSTC基準時間とPTS時間情報とが一致したときにアクセスユニットが復号器から出力される。また、MPEGビデオ符号化ストリームは復号順序と再生順序とが相違する場合があるので、PTS時間情報に復号時刻を表示するDTS時間情報が追加される。これらのタイムスタンプによって、映像と音声の同期再生を可能とすることができる。またPESパケットヘッダ30AAAには、映像・音声・付加データ等の個別のエレメンタリストリーム30AABが付加されている。
【0092】
《動画ファイルの解析処理と異常チェック》
図4は、図1に示す本発明の実施の形態1によるシステム半導体集積回路100によって実行される動画ファイルの解析処理と異常チェックとを実行するための処理フローを示す図である。
【0093】
《メタデータレベルの解析処理と異常チェック》
また、図4の上部に示したステップS2、S3、S4、S5の処理は、動画ファイルのメタデータレベルMDLの解析処理と異常チェックの処理である。
【0094】
ステップS0で処理フローが開始されると、次のステップS1でメタデータ分析器111は上述したメタデータの各種情報ファイルとしてのインデックスファイルとムービーオブジェクトファイルとプレイリストファイルとクリップ情報ファイルとから必要な情報を解析する処理を実行する。これらの各種情報ファイルは情報毎にサイズが規定されており、規定サイズに従って解析処理が実行される。
【0095】
各情報ファイルの解析処理の最初に、実際のサイズが規定サイズと一致しているか否かがステップS2でチェックされる。チェックの結果、実際のサイズが規定サイズと不一致の場合には、それ以降の解析処理の続行が不可能となるため、ステップS3でエラーメッセージを生成する。このエラーメッセージは、ステップS1、S2での各種情報のファイルサイズの解析処理で重大なエラーが発生したことをユーザに通知するものである。ステップS2のチェックの結果、各種情報の実際のサイズが各規定サイズと全て一致したことが確認された場合には、次のステップS4に処理が移行される。一方、冒頭にて説明したように、早送りや巻き戻し等の特殊再生動作以外の通常再生には、メタデータは必ずしも必要とされるものではない。従って、本発明の実施の形態1では、ステップS3で重大なエラーメッセージが生成されたとしても、動画像の通常再生を可能とするために、次のステップS4に処理が移行される。
【0096】
次のステップS4では、メタデータ分析器111は各種情報ファイルに結合されたファイル名と拡張子、タイムスタンプ、ビデオ/オーディオ属性情報を解析する処理を実行する。
【0097】
すなわち、これらの各種情報ファイルには規定のファイル名が付与され、ファイル名に従って解析処理を実行する。各情報ファイルの解析処理の最初に、実際のファイル名が規定のファイル名と一致しているか否かがステップS5でチェックされる。その結果、実際のファイル名が規定のファイル名と不一致の場合には、希望ファイルのアクセスとそれ以降の解析処理の続行とが不可能となるため、ステップS6で重大なエラーメッセージを生成する。例えば、上述したメタデータの各種情報ファイルのいずれか1個のファイルの実際のファイル名に、AVストリームファイルのファイル名が付与されている場合には、希望ファイルへのアクセスが不可能となる。このような場合には、ステップS6でエラーメッセージを生成する。
【0098】
更に、上述の各種情報ファイルには規定の拡張子が付与されており、拡張子に従って解析処理を実行する。各情報ファイルの解析処理の際に、実際のファイル拡張子が規定のファイル拡張子と一致しているか否かがステップS5でチェックされる。チェックの結果、実際のファイル拡張子が規定のファイル拡張子と不一致の場合には、希望ファイルの検出とそれ以降の解析処理の続行が不可能となるため、ステップS6で重大なエラーメッセージを生成する。
【0099】
また、上述したプレイリストファイル中に含まれたプレイアイテムはクリップに対する再生開始点と再生終了点とを含んでいる。従って、メタデータ分析器111は、プレイリストファイル中に含まれたこれらのタイムスタンプを解析する。しかし、再生開始点と再生終了点の関係で再生終了時刻よりも再生開始時刻の方が遅延している場合には、正常な再生動作が不可能となるため、ステップS6で重大なエラーメッセージを生成する。
【0100】
また更に上述したようにクリップ情報ファイルには、AVストリームの属性情報が含まれている。従って、メタデータ分析器111は、クリップ情報ファイルに含まれた映像と音声の属性情報を解析する。従って、メタデータ分析器111は、クリップ情報ファイルに含まれたこれらの映像と音声の属性情報を解析する。しかし、この属性情報に含まれる映像再生制御情報や音声再生制御情報が、AVCHD方式等の仕様よりも高い高性能である場合や、メディアプロセッサを内蔵したシステム半導体集積回路の性能よりも高い高性能である場合や、システム半導体集積回路を搭載した携帯電話等の電子機器の性能よりも高い高性能である場合には、正常な再生動作が不可能となるため、ステップS6で重大なエラーメッセージを生成する。このステップS6のエラーメッセージは、ステップS4、S5での各種情報ファイルのファイル名と拡張子、タイムスタンプ、ビデオ/オーディオ属性情報の解析処理で重大なエラーが発生したことをユーザに通知するものである。ステップS5のチェックの結果、各種情報ファイルのファイル名と拡張子、タイムスタンプ、ビデオ/オーディオ属性情報の解析処理で重大なエラーが発生しなかったことが確認された場合には、図4の下部に示した動画ファイルのAVストリームファイルレベルAVLでの解析処理とデマルチプレクス(逆多重化)処理と映像復号処理および音声復号処理と異常チェックの処理に移行される。
【0101】
一方、冒頭にて説明したように、早送りや巻き戻し等の特殊再生動作以外の通常再生には、メタデータは必ずしも必要とされるものではない。従って、本発明の実施の形態1では、ステップS6にて重大なエラーメッセージが生成されたとしても、動画像の通常再生を可能とするために、図4の下部に示す動画ファイルのAVストリームファイルレベルAVLの解析処理とデマルチプレクス(逆多重化)処理と映像復号処理および音声復号処理と異常チェックの処理に移行される。
【0102】
《Vストリームファイルレベルの解析処理と異常チェック》
図4の上部に示したメタデータレベルMDLの解析処理と異常チェックの処理で全く重大なエラーが検出されなかった場合には、図4の下部に示したステップS7、S8、S11、S13、S14、S16の処理の動画ファイルのAVストリームファイルレベルAVLでの解析処理とデマルチプレクス(逆多重化)処理と映像復号処理および音声復号処理と異常チェックの処理に移行される。この場合の図4の下部に示した動画ファイルのAVストリームファイルレベルAVLの解析処理とデマルチプレクス(逆多重化)処理と映像復号処理および音声復号処理と異常チェックの処理とは、通常再生の機能と早送りや巻き戻し等の特殊再生動作とを実現するものである。
【0103】
一方、図4の上部に示したメタデータレベルMDLの解析処理と異常チェックの処理との結果、ステップS3またはステップS6にて重大なエラーメッセージが生成された場合にも、図4の下部に示したステップS7、S8、S11、S13、S14、S16の処理の動画ファイルのAVストリームファイルレベルAVLの解析処理とデマルチプレクス(逆多重化)処理と映像復号処理および音声復号処理と異常チェックの処理に移行される。しかし、この場合の図4の下部に示した動画ファイルのAVストリームファイルレベルAVLの解析処理とデマルチプレクス(逆多重化)処理と映像復号処理および音声復号処理と異常チェックの処理とは、通常再生の機能を実現するものである。特に、AVストリームファイルレベルAVLでの1回の処理データサイズは、本発明の実施の形態1によって独自に規定された最大データサイズ以下に設定される。
【0104】
これは、例えば図1に示したシステム半導体集積回路100において、メタデータ分析器111からMPEGトランスポートストリームデマルチプレクサ112へのAVストリームファイルの転送供給を、例えば1秒間の一定時間毎に分割することによって実現可能とされるものである。
【0105】
一方、従来では、AVストリームファイルのデマルチプレックス(逆多重化)処理は上述したメタデータの各種情報ファイルを参照することによって逆多重化ポイントを特定して処理を行う方式であったので、メタデータの各種情報ファイルが破損していた場合には、AVストリームファイルのMPEG2−TS(トランスポートストリーム)自体に異常がなくても通常再生でも不可能な方式であった。それに対して、図1に示した本発明の実施の形態1のシステム半導体集積回路100によれば、MPEGトランスポートストリームデマルチプレクサ112は図4のステップS7にてメタデータ分析器111から一定時間毎に分割して転送供給されるAVストリームファイルのMPEG2−TS(トランスポートストリーム)のみでデマルチプレックス(逆多重化)処理を実行することができるため上述の問題を解消することが可能となる。
【0106】
一定時間の間に転送供給される1回分のAVストリームファイルのデマルチプレクサ112によるデマルチプレックス(逆多重化)処理が図4のステップS7にて成功すると、図3に関連して説明したように映像と音声の復号と再生の単位である複数のアクセスユニットがデマルチプレクサ112によって生成されビデオ復号器113とオーディオ復号器114とに供給される。すなわち、図4のステップS8のチェック処理でデマルチプレックス(逆多重化)処理の成功がデマルチプレクサ112によって検出されると、デマルチプレクサ112によって生成された複数のアクセスユニットがビデオ復号器113とオーディオ復号器114とに供給される。
【0107】
一方、1回分のAVストリームファイルの破損等の理由によって1回分のAVストリームファイルのデマルチプレクサ112によるデマルチプレックス(逆多重化)処理が図4のステップS7で不成功となっても、デマルチプレクサ112は重大な異常でないと判断して、メタデータ分析器111から転送供給される次の1回分のAVストリームファイルのデマルチプレックス(逆多重化)処理が図4のステップS7で実行される。この場合のAVストリームファイルが正常な場合には、このAVストリームファイルのデマルチプレクサ112によるデマルチプレックス(逆多重化)処理は成功するものとなる。しかし、この場合のAVストリームファイルが破損している場合には、このAVストリームファイルのデマルチプレクサ112によるデマルチプレックス(逆多重化)処理は図4のステップS7で再度不成功となる。例えば、図4のステップS8のチェック処理でステップS7のデマルチプレックス(逆多重化)処理の連続した不成功回数が所定の値を超過したことが、デマルチプレクサ112によって検出されるとステップS9でエラーメッセージを生成する。このエラーメッセージは、ステップS7でのデマルチプレックス(逆多重化)処理の連続不成功回数が所定の値を超過したことをユーザに通知するものである。
【0108】
図4の次のステップS10では、デマルチプレクサ112によって生成されたアクセスユニットのビデオ復号器113およびオーディオ復号器114での映像復号処理および音声復号処理が実行される。この復号処理では、好ましくは、映像アクセスユニットのビデオ復号器113での映像復号処理と音声アクセスユニットのオーディオ復号器114での音声復号処理とが並列処理されるものである。メタデータ分析器111から一定時間の間にデマルチプレクサ112に転送供給された1回分のAVストリームファイルに関して、ステップS10で映像復号処理および音声復号処理が成功した場合には、映像復号信号および音声復号信号がビデオ復号器113およびオーディオ復号器114から生成され、ビデオ出力装置(図示せず)およびオーディオ復号器(図示せず)に供給される。
【0109】
一方、1回分の映像アクセスユニットおよび音声アクセスユニットの破損等の理由によって1回分の映像アクセスユニットおよび音声アクセスユニットのビデオ復号器113およびオーディオ復号器114による映像復号処理および音声復号処理が図4のステップS10で不成功となっても、ビデオ復号器113およびオーディオ復号器114は重大な異常でないと判断して、デマルチプレクサ112から転送供給される次の1回分の映像アクセスユニットおよび音声アクセスユニットの映像復号処理および音声復号処理が、図4のステップS10で実行される。この場合の映像アクセスユニットおよび音声アクセスユニットが正常な場合には、この映像アクセスユニットおよび音声アクセスユニットの映像復号処理および音声復号処理は成功するものとなる。しかし、この場合のアクセスユニットが破損している場合には、この映像アクセスユニットおよび音声アクセスユニットの映像復号処理および音声復号処理は、図4のステップS10で再度不成功となる。例えば、図4のステップS11のチェック処理でステップS10の映像復号処理および音声復号処理の連続した不成功回数が所定の値を超過したことが、ビデオ復号器113およびオーディオ復号器114によって検出されると、ステップS12にて重大なエラーメッセージを生成する。このエラーメッセージは、ステップS10での映像復号処理および音声復号処理の連続不成功回数が所定値を超過したことをユーザに通知するものである。
【0110】
図4の次のステップS13では、ビデオ出力装置(図示せず)およびオーディオ出力装置(図示せず)での映像出力信号および音声出力信号の映像出力処理および音声出力処理が実行される。一定時間の間にメタデータ分析器111からデマルチプレクサ112に転送供給された1回分のAVストリームファイルに関して、ステップS13で映像出力処理および音声出力処理が成功した場合には、ビデオ出力装置およびオーディオ出力装置から映像出力信号および音声出力信号が生成される。
【0111】
一方、1回分のAVストリームファイルのビデオ出力装置およびオーディオ出力装置による映像出力処理および音声出力処理が図4のステップS13で不成功となっても、ビデオ出力装置およびオーディオ出力装置は重大な異常でないと判断して、ビデオ復号器113およびオーディオ復号器114から転送供給される次の1回分の映像復号信号および音声復号信号のビデオ出力装置およびオーディオ出力装置による映像出力処理および音声出力処理が、図4のステップS13で実行される。この場合の映像復号信号および音声復号信号が正常な場合には、ビデオ出力装置およびオーディオ出力装置による映像出力処理および音声出力処理は成功するものである。しかしながら、この場合の映像復号信号および音声復号信号が破損している場合には、ビデオ出力装置およびオーディオ出力装置による映像出力処理および音声出力処理は、図4のステップS13で再度不成功となる。例えば、図4のステップS14のチェック処理でステップS13での映像出力処理および音声出力処理の連続した不成功回数が所定の値を超過したことがビデオ出力装置およびオーディオ出力装置によって検出されると、ステップS15で重大なエラーメッセージを生成する。このエラーメッセージは、ステップS14での映像出力処理および音声出力処理の連続不成功回数が所定値を超過したことをユーザに通知するものである。
【0112】
図4の次のステップS16では、再生すべき1つの動画コンテンツ中に含まれた全ての映像アクセスユニットおよび音声アクセスユニットの再生が完了したか否かが判定されるものである。ステップS16でNOと判定された場合には、ステップS7でのデマルチプレックス(逆多重化)処理に戻る一方、ステップS16でYESと判定された場合には、ステップS17で処理フローが終了する。
【0113】
[実施の形態2]
《実施の形態2の動画ファイルの解析処理と異常チェック》
図5は、図1に示すシステム半導体集積回路100によって実行される本発明の実施の形態2による動画ファイルの解析処理と異常チェックとを実行するための処理フローを示す図である。
【0114】
図5に示す本発明の実施の形態2による動画ファイルの解析処理と異常チェックとを実行するための処理フローが図4に示した本発明の実施の形態1による処理フローと相違するのは、下記の点である。
【0115】
すなわち、図5に示す本発明の実施の形態2による処理フローでは、メタデータレベルMDLの解析処理のファイル名等のチェックのステップS5とAVストリームファイルレベルAVLの解析処理のデマルチプレックス(逆多重化)処理のステップS7の間に動作モード選択のステップS18が追加され、更に早送りのステップS19と巻き戻しのステップS20とが追加されたことである。尚、図5の下部に示したステップS7、S8、S11、S13、S14、S16の処理の動画ファイルのAVストリームファイルレベルAVLでの解析処理とデマルチプレクス(逆多重化)処理と映像復号処理および音声復号処理と異常チェックの処理は、通常再生の機能を実現するものである。従って、図5に示す処理フローでは、ユーザは動作モード選択のステップS18を使用して通常再生の機能と早送りの機能と巻き戻しの機能とを任意に選択することが可能となる。
【0116】
更に、図5に示す本発明の実施の形態2による処理フローでは、AVストリームファイルレベルAVLの解析処理のステップS3で生成される重大なエラーメッセージとステップS5で生成される重大なエラーメッセージとに応答して禁止信号INHBが生成される。すなわち、図5に示す処理フローでは、ステップS3で生成される重大なエラーメッセージとステップS6で生成される重大なエラーメッセージとのいずれかに応答して生成される禁止信号INHBは、早送りのステップS19の早送りの機能と巻き戻しのステップS20の巻き戻しの機能とを動作停止状態に設定するものである。従って、図5に示した処理フローでは、ステップS3とステップS6とのいずれからも重大なエラーメッセーが生成されない場合にのみ、早送りのステップS19の早送りの機能と巻き戻しのステップS20の巻き戻しの機能とを動作可能状態に設定することができる。
【0117】
[実施の形態3]
《実施の形態3の動画ファイルの解析処理と異常チェック》
図6は、図1に示すシステム半導体集積回路100によって実行される本発明の実施の形態3による動画ファイルの解析処理と異常チェックとを実行するための処理フローを示す図である。
【0118】
図6に示す本発明の実施の形態3による動画ファイルの解析処理と異常チェックとを実行するための処理フローが図4に示した本発明の実施の形態1による処理フローと相違するのは、下記の点である。
【0119】
すなわち、図6に示す本発明の実施の形態3による処理フローでは、メタデータレベルMDLの解析処理のファイル名等のチェックのステップS5とAVストリームファイルレベルAVLの解析処理のデマルチプレックス(逆多重化)処理のステップS7の間に動作モード選択のステップS18が追加され、更に早送りのステップS19と、巻き戻しのステップS20と、早送りのポイントと巻き戻しのポイントとの生成のステップS21とが追加されたことである。尚、図5の下部に示したステップS7、S8、S21、S11、S13、S14、S16の処理の動画ファイルのAVストリームファイルレベルAVLでの解析処理とデマルチプレクス(逆多重化)処理と映像復号処理および音声復号処理と異常チェックの処理は、通常再生の機能を実現するものである。従って、図6に示す処理フローでは、ユーザは動作モード選択のステップS18を使用して通常再生の機能と早送りの機能と巻き戻しの機能とを任意に選択することが可能となる。
【0120】
更に、図6に示す本発明の実施の形態3による処理フローでは、一定時間の間に転送供給される1回分のAVストリームファイルのデマルチプレクサ112によるデマルチプレックス(逆多重化)処理がステップS7にて成功すると、映像と音声の復号と再生の単位である複数のアクセスユニットがデマルチプレクサ112によって生成される。図6に示すステップS21で、デマルチプレックス(逆多重化)処理の成功によって生成された映像と音声のアクセスユニットを使用して、図1に示すシステム半導体集積回路100に内蔵されたメディアプロセッサは、独自に早送り・巻き戻しポイントを作成して記憶するものである。
【0121】
すなわち、ポイントを記憶する処理では、オリジナルのメタデータの各種情報ファイルを参照して、独自に作成したポイントと差異があった場合にはオリジナルのメタデータを破損として処理して独自の早送り・巻き戻しポイントをステップS21で作成するものである。従来では、オリジナルのメタデータの各種情報ファイルが破損していた時点で早送り・巻き戻し機能が実行できないものであった。それに対して、図6に示す本発明の実施の形態3による処理フローは、オリジナルのメタデータの各種情報ファイルが破損している場合でも、デマルチプレックス(逆多重化)処理の成功によって生成された映像と音声とのアクセスユニットを利用して、早送りの機能と巻き戻しの機能とを実現するものである。すなわち、ステップS21で作成された早送り・巻き戻しポイントが、ステップ19の早送りの機能とステップS20の巻き戻しの機能とに利用されるものである。
【0122】
[実施の形態4]
《アプリケーション・プロセッサを搭載した携帯電話》
図7は、本発明の実施の形態4によるシステム半導体集積回路としてのアプリケーション・プロセッサを搭載した携帯電話の構成を示す図である。
【0123】
図7の携帯電話は、携帯電話の機能を実現するために、アンテナ4、デュプレクサ5、RFアナログ信号処理集積回路6、RF電力増幅器7、ベースバンド・プロセッサ8、アプリケーション・プロセッサ3を含んでいる。
【0124】
また、図7の携帯電話は、ワンセグメント(以下、ワンセグと言う)地上波デジタル放送の視聴と外部不揮発性半導体記憶装置への録画を可能とするために、ロッドアンテナ1、ワンセグ地上波デジタル放送/チューナーモジュール2、アプリケーション・プロセッサ3を含んでいる。ワンセグ地上波デジタル放送/チューナーモジュール2は、地上波デジタルのワンセグ放送を受信するISDB−T受信チューナーモジュールである。尚、ISDB−Tは、Integrated Services Digital Broadcasting-Terrestrialの略である。
【0125】
更に、アプリケーション・プロセッサ3に接続されたLCD表示装置16とベースバンド・プロセッサ8に接続されたオーディオ集積回路9とは、携帯電話の機能とワンセグ地上波デジタル放送の視聴とを可能とするため使用される。
【0126】
図示されてはいないが、アプリケーション・プロセッサ3には操作キーや操作ボタンを有する操作デバイスが接続され、エンドユーザーが操作デバイスを操作することによって携帯電話による通話やワンセグ地上波デジタル放送の視聴および予約録画が可能となる。
【0127】
《携帯電話の機能》
エンドユーザーが操作デバイスを操作することによって、携帯電話による通話が開始される。アンテナ4により受信された基地局からのRF受信信号はデュプレクサ5を介して、RFIC6内部の受信信号処理部に供給される。RF受信信号はRFIC6の受信信号処理部でアナログ受信ベースバンド信号にダウンコンバートされ、アナログ受信ベースバンド信号はRFIC6内部のA/D変換器(図示せず)によってデジタル受信ベースバンド信号に変換される。
【0128】
RFIC6のA/D変換器(図示せず)から供給されるデジタル受信ベースバンド信号は、ベースバンド・プロセッサ8で復調信号処理を受け、D/A変換器82によるD/A変換によって受信音声出力信号が生成される。受信音声出力信号は、オーディオIC9で増幅された後、スピーカー10に供給される。
【0129】
マイクロフォン11の送信音声入力信号はオーディオIC9で増幅された後、ベースバンド・プロセッサ8のA/D変換器83によるA/D変換によってデジタル信号に変換され更にベースバンド・プロセッサ8の変調信号処理を受けて、デジタル送信ベースバンド信号に変換される。このデジタル送信ベースバンド信号は、RFIC6のD/A変換器(図示せず)によるD/A変換によってアナログ送信ベースバンド信号に変換され、アナログ送信ベースバンド信号はRFIC6の受信信号処理部でRF送信信号にアップコンバートされる。RF送信信号はRF電力増幅器7で増幅された後、デュプレクサ5とアンテナ4とを介して基地局に送信される。
【0130】
ワンセグ地上波デジタル放送/チューナーモジュール2と、ベースバンド・プロセッサ8と、オーディオIC9には、本発明の実施の形態4による半導体集積回路としてのアプリケーション・プロセッサ3が接続されている。
【0131】
《アプリケーション・プロセッサの構成》
アプリケーション・プロセッサ3は、中央処理ユニット(CPU)31、外部メモリインターフェースユニット32、メディアプロセッサ33、LCDコントローラ34により構成されている。
【0132】
CPU31は、CPUコア311、命令キャッシュメモリ312、データキャッシュメモリ313、内蔵SRAM314を含んでいる。
【0133】
外部メモリインターフェースユニット32は、第1外部不揮発性半導体記憶装置12としてのフラッシュメモリに接続される第1外部メモリインターフェース322、第1外部揮発性記憶装置13としての同期型ダイナミックランダムアクセスメモリに接続される第2外部メモリインターフェース323を含んでいる。
【0134】
フラッシュメモリ12にはモバイル端末としての携帯電話の基本的な動作のためのオペレーティングシステム(OS)のソフトウェアが格納可能であり、SDRAM13には携帯電話の動作中およびワンセグ地上波デジタル放送の視聴動作もしくは録画を可能とする受信機の種々のデータが格納可能である。
【0135】
外部メモリインターフェースユニット32は、更に第2外部不揮発性半導体記憶装置14としてのフラッシュメモリに接続される第3外部メモリインターフェース324、拡張外部不揮発性半導体記憶装置15としてのモバイル端末としての携帯電話に挿入接続されるフラッシュメモリカードに接続される拡張外部メモリインターフェース325を含んでいる。
【0136】
フラッシュメモリ14には、フラッシュメモリ12に格納されたOS上に構築可能な携帯電話およびワンセグ地上波デジタル放送受信機の種々のアプリケーションプログラムのソフトウェアが、格納可能である。フラッシュメモリカード15には、携帯電話およびワンセグ地上波デジタル放送受信機の動作に関連して、エンドユーザーが不揮発記憶を指定して不揮発記憶する種々のデータおよびコンテンツが、格納可能である。
【0137】
メディアプロセッサ33は、トランスポートストリーム入力インターフェース331、AVCHDデコーダ332、音声インターフェース333によって構成されている。特に、メディアプロセッサ33中に内蔵されたAVCHDデコーダ332は、上述した本発明の実施の形態1から本発明の実施の形態3までのいずれかの構成と動作とを採用もしくは実行するものである。
【0138】
ワンセグ地上波デジタル放送/チューナーモジュール2からのトランスポートストリームTSは、モジュール2で受信されたデジタル放送番組のデジタル化され多重化されMPEG4の圧縮形式の映像情報、音声情報および付随伝送情報を含んでいる。付随情報には、番組特定情報または番組配列情報として、番組毎に開始時間、番組長、番組名、出演者、番組のジャンル等を記述したイベント情報テーブルが含まれている。
【0139】
《ワンセグ地上波デジタル放送の番組の視聴》
視聴の前に、LCD表示装置16でのイベント情報テーブルの表示を見ながらエンドユーザーが操作デバイスを操作することによってワンセグ地上波デジタル放送の番組を選択することができる。
【0140】
ワンセグ地上波デジタル放送の番組の視聴は、フラッシュメモリ12の格納OS上に構築可能なアプリケーションプログラムの1つである放送番組視聴プログラムのアプリケーション・プロセッサ3による実行によって可能となる。放送番組視聴の設定に応答してアプリケーション・プロセッサ3のCPU31は、ワンセグ地上波デジタル放送/チューナーモジュール2に視聴を選択したワンセグ地上波デジタル放送の番組のトランスポートストリームの受信を指示する。
【0141】
番組の選択によって受信が開始されたワンセグ地上波デジタル放送のトランスポートストリームTSは、ワンセグ地上波デジタル放送/チューナーモジュール2からトランスポートストリーム入力インターフェース331を介してAVCHDデコーダ332に供給される。AVCHDデコーダ332でトランスポートストリームTSの動画復号処理が行われ、復号動画データはLCDコントローラ34を介してLCD表示装置16に供給され、復号音声データは音声インターフェース333とオーディオIC9とを介してスピーカー10に供給される。このようにして、エンドユーザーは、ワンセグ地上波デジタル放送の番組を視聴することができる。
【0142】
《外部不揮発性半導体記憶装置へのワンセグ地上波デジタル放送の予約録画》
外部不揮発性半導体記憶装置へのワンセグ地上波デジタル放送の録画の予約は、LCD表示装置16でのイベント情報テーブルの表示を見ながらのエンドユーザーによる操作デバイスの操作による予約録画するワンセグ地上波デジタル放送の番組の決定で可能となる。このワンセグ地上波デジタル放送の予約録画も、フラッシュメモリ12の格納OS上に構築可能なアプリケーションプログラムの1つである予約録画プログラムのアプリケーション・プロセッサ3による実行により可能となる。
【0143】
録画予約が設定されると、プログラム実行中のアプリケーション・プロセッサ3のCPU31のCPUコア311の図示しないウオッチドックタイマを利用することにより、録画予約が設定された番組の開始時間の到達を知ることができる。
【0144】
録画予約が設定された番組の開始時間に到達すると、CPU31はワンセグ地上波デジタル放送/チューナーモジュール2に録画予約が設定された番組のワンセグ地上波デジタル放送の受信開始トランスポートストリーム入力インターフェース331にTSデータの受信開始とを指示する。それと同時に、CPU31は、トランスポートストリーム入力インターフェース331に録画予約が設定された番組のトランスポートストリームの拡張外部メモリインターフェース325を介してフラッシュメモリカード15への不揮発記憶の開始を指示する。フラッシュメモリカード15への不揮発記憶の開始により、予約録画の動作が開始される。
【0145】
予約録画の動作が開始された後、プログラム実行によりアプリケーション・プロセッサ3のCPU31のCPUコア311の図示しないウオッチドックタイマには録画予約が設定された番組の終了時間が設定される。番組の終了時間は、CPU31によるイベント情報テーブルの開始時間と番組長との加算により算出される。録画予約が設定された番組の終了時間に到達した後、CPU31はワンセグ地上波デジタル放送/チューナーモジュール2に録画予約が設定された番組のワンセグ地上波デジタル放送の受信終了とトランスポートストリーム入力インターフェース331にTSデータの受信終了とを指示する。それと同時に、CPU31は、トランスポートストリーム入力インターフェース331に拡張外部メモリインターフェース325を介してのフラッシュメモリカード15への書き込みデータの不揮発記憶の終了を指示する。
【0146】
また、予約録画が完了した後に、フラッシュメモリカード15は拡張外部メモリインターフェース325から引き抜かれ、携帯電話外部のパーソナルコンピュータ等のメモリスロットに挿入されることによって、パーソナルコンピュータ等の大型表示画面を利用して動画像を視聴することができる。
【0147】
以上、本発明者によってなされた発明を種々の実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
【0148】
例えば、図1に示したようにシステム半導体集積回路100に内蔵されたメディアプロセッサにおいて、メタデータ分析器111とMPEGトランスポートストリームデマルチプレクサ112とビデオ復号器113とオーディオ復号器114との各機能は、半導体チップに集積化されたハードウェア・コアとして実現される以外にCPU110によって実行されるソフトウェア・コアによって実現されることも可能である。
【0149】
更に、例えば、本発明の動画像復号装置を具備したシステム半導体集積回路およびその動作方法によって処理が可能なデータ記録フォーマットとしては、AVCHD方式のみに限定されるものではなく、トラックと呼ばれるレイヤー構造によって動画・音声だけではなくて、テキストトラック、チャプタトラック等を含む米国アップル社から提供されているQuickTimeのファイルを使用することも可能であり、MP4のようなファイルに応用することも可能である。
【0150】
更に図7に示した携帯電話では、ベースバンド・プロセッサ8とアプリケーション・プロセッサ3とは、単一の統合型シングルチップの超大規模半導体集積回路に集積化されることが可能である。
【符号の説明】
【0151】
100…システム半導体集積回路
110…CPU
111…メタデータ分析器
112…デマルチプレクサ
113…ビデオ復号器
114…オーディオ復号器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動画像復号装置と外部インターフェースとを具備する半導体集積回路であって、
前記動画像復号装置は、メタデータ分析器の機能とデマルチプレクサの機能とビデオ復号器の機能とオーディオ復号器の機能とを有して、
前記外部インターフェースは、前記動画像復号装置と接続され、コンテンツ実体データとしての映像と音声とが多重化されたストリームファイルと前記コンテンツ実体データに関係した属性データとしてのメタデータとを含む動画ファイルを格納可能な記憶メディアをアクセス可能とされ、
前記メタデータ分析器の前記機能は、前記外部インターフェースによってアクセスされる前記記憶メディアに格納可能な前記動画ファイルの前記メタデータの解析が可能とされ、前記解析後の前記動画ファイルの前記ストリームファイルを前記デマルチプレクサに転送可能とされ、
前記デマルチプレクサの前記機能は、前記メタデータ分析器の前記機能によって転送される前記動画ファイルの前記ストリームファイルから映像符号化信号と音声符号化信号との分離処理を実行可能とされ、
前記ビデオ復号器の前記機能は前記デマルチプレクサの前記分離処理によって分離された前記映像符号化信号の映像復号処理を可能とされて、前記オーディオ復号器の前記機能は前記デマルチプレクサの前記分離処理によって分離された前記音声符号化信号の音声復号処理を可能とされ、
前記メタデータ分析器の前記機能において、前記解析後に1回の転送動作によって前記デマルチプレクサに転送される前記ストリームファイルは所定のデータサイズ以下に設定されて、前記解析後の前記動画ファイルの前記ストリームファイルは前記メタデータ分析器から前記デマルチプレクサへ複数の回数の転送動作で転送可能とされ、
前記メタデータ分析器の前記機能によって前記メタデータの異常が検出された場合でも、前記メタデータ分析器は前記解析後の前記動画ファイルの前記ストリームファイルを前記複数の回数の前記転送動作で前記デマルチプレクサへ転送可能とされ、
前記デマルチプレクサの前記機能と前記ビデオ復号器の前記機能と前記オーディオ復号器の前記機能とは、前記メタデータ分析器の前記機能によって前記複数の回数の前記転送動作にて転送される前記解析後の前記動画ファイルの前記ストリームファイルに関して前記分離処理と前記映像復号処理と前記音声復号処理とをそれぞれ実行可能とされ、
前記メタデータの前記異常が検出された前記場合での前記デマルチプレクサの前記機能と前記ビデオ復号器の前記機能と前記オーディオ復号器の前記機能とによる前記分離処理と前記映像復号処理と前記音声復号処理とは、前記動画ファイルの早送り再生と巻き戻し再生との特殊再生と相違する前記動画ファイルの通常再生を少なくとも可能としたことを特徴とする半導体集積回路。
【請求項2】
請求項1において、
前記メタデータ分析器の前記機能は、前記メタデータの各種情報ファイルのファイルサイズとファイル名とファイル拡張子とタイムスタンプと属性情報との少なくとも1つのデータをチェックすることによって、前記メタデータの前記異常を検出することを特徴とする半導体集積回路。
【請求項3】
請求項2において、
前記メタデータ分析器の前記機能によって前記複数の回数の前記転送動作の1回の転送動作で転送される前記ストリームファイルに関して、前記デマルチプレクサの前記機能による前記分離処理が不成功となっても、前記デマルチプレクサの前記機能は前記複数の回数の前記転送動作の次の1回の転送動作で転送される前記ストリームファイルに関して前記分離処理を実行することを特徴とする半導体集積回路。
【請求項4】
請求項3において、
前記メタデータ分析器の前記機能によって前記複数の回数の前記転送動作の1回の転送動作で転送される前記ストリームファイルに関して、前記ビデオ復号器の前記機能による前記映像復号処理が不成功となっても、前記ビデオ復号器の前記機能は前記複数の回数の前記転送動作の次の1回の転送動作で転送される前記ストリームファイルに関して前記映像復号処理を実行することを特徴とする半導体集積回路。
【請求項5】
請求項4において、
前記メタデータ分析器の前記機能によって前記複数の回数の前記転送動作の1回の転送動作で転送される前記ストリームファイルに関して、前記オーディオ復号器の前記機能による前記音声復号処理が不成功となっても、前記オーディオ復号器の前記機能は前記複数の回数の前記転送動作の次の1回の転送動作で転送される前記ストリームファイルに関して前記音声復号処理を実行することを特徴とする半導体集積回路。
【請求項6】
請求項5において、
前記メタデータ分析器の前記機能が前記メタデータの前記各種情報ファイルの前記少なくとも1つのデータの異常検出によって前記メタデータの前記異常を検出した場合には、前記異常検出に応答して前記特殊再生の前記早送り再生の動作と前記巻き戻し再生の動作が禁止されることを特徴とする半導体集積回路。
【請求項7】
請求項5において、
前記メタデータ分析器の前記機能が前記メタデータの前記各種情報ファイルの前記少なくとも1つのデータの前記異常検出によって前記メタデータの前記異常を検出した場合には、前記デマルチプレクサの前記機能によって前記動画ファイルの前記ストリームファイルから分離処理された前記映像符号化信号と前記音声符号化信号とから早送りポイントと巻き戻しポイントとが作成され、当該早送りポイントと当該巻き戻しポイントとを利用して前記特殊再生の前記早送り再生の動作と前記巻き戻し再生の動作が可能とされることを特徴とする半導体集積回路。
【請求項8】
請求項5において、
前記メタデータ分析器の前記機能と前記デマルチプレクサの前記機能と前記ビデオ復号器の前記機能と前記オーディオ復号器の前記機能との各機能は、ハードウェアとソフトウェアとのいずれかで実現されたことを特徴とする半導体集積回路。
【請求項9】
請求項8において、
前記外部インターフェースは、前記記憶メディアに格納されたAVCHD方式の前記動画ファイルをアクセス可能とされたことを特徴とする半導体集積回路。
【請求項10】
請求項8において、
前記外部インターフェースは、前記記憶メディアとしての不揮発性メモリデバイスに格納されたAVCHD方式の前記動画ファイルをアクセス可能とされたことを特徴とする半導体集積回路。
【請求項11】
動画像復号装置と外部インターフェースとを具備する半導体集積回路の動作方法であって、
前記動画像復号装置は、メタデータ分析器の機能とデマルチプレクサの機能とビデオ復号器の機能とオーディオ復号器の機能とを有して、
前記外部インターフェースは、前記動画像復号装置と接続され、コンテンツ実体データとしての映像と音声とが多重化されたストリームファイルと前記コンテンツ実体データに関係した属性データとしてのメタデータとを含む動画ファイルを格納可能な記憶メディアをアクセス可能とされ、
前記メタデータ分析器の前記機能は、前記外部インターフェースによってアクセスされる前記記憶メディアに格納可能な前記動画ファイルの前記メタデータの解析が可能とされ、前記解析後の前記動画ファイルの前記ストリームファイルを前記デマルチプレクサに転送可能とされ、
前記デマルチプレクサの前記機能は、前記メタデータ分析器の前記機能によって転送される前記動画ファイルの前記ストリームファイルから映像符号化信号と音声符号化信号との分離処理を実行可能とされ、
前記ビデオ復号器の前記機能は前記デマルチプレクサの前記分離処理によって分離された前記映像符号化信号の映像復号処理を可能とされて、前記オーディオ復号器の前記機能は前記デマルチプレクサの前記分離処理によって分離された前記音声符号化信号の音声復号処理を可能とされ、
前記メタデータ分析器の前記機能において、前記解析後に1回の転送動作によって前記デマルチプレクサに転送される前記ストリームファイルは所定のデータサイズ以下に設定されて、前記解析後の前記動画ファイルの前記ストリームファイルは前記メタデータ分析器から前記デマルチプレクサへ複数の回数の転送動作で転送可能とされ、
前記メタデータ分析器の前記機能によって前記メタデータの異常が検出された場合でも、前記メタデータ分析器は前記解析後の前記動画ファイルの前記ストリームファイルを前記複数の回数の前記転送動作で前記デマルチプレクサへ転送可能とされ、
前記デマルチプレクサの前記機能と前記ビデオ復号器の前記機能と前記オーディオ復号器の前記機能とは、前記メタデータ分析器の前記機能によって前記複数の回数の前記転送動作にて転送される前記解析後の前記動画ファイルの前記ストリームファイルに関して前記分離処理と前記映像復号処理と前記音声復号処理とをそれぞれ実行可能とされ、
前記メタデータの前記異常が検出された前記場合での前記デマルチプレクサの前記機能と前記ビデオ復号器の前記機能と前記オーディオ復号器の前記機能とによる前記分離処理と前記映像復号処理と前記音声復号処理とは、前記動画ファイルの早送り再生と巻き戻し再生との特殊再生と相違する前記動画ファイルの通常再生を少なくとも可能としたことを特徴とする半導体集積回路の動作方法。
【請求項12】
請求項11において、
前記メタデータ分析器の前記機能は、前記メタデータの各種情報ファイルのファイルサイズとファイル名とファイル拡張子とタイムスタンプと属性情報との少なくとも1つのデータをチェックすることによって、前記メタデータの前記異常を検出することを特徴とする半導体集積回路の動作方法。
【請求項13】
請求項12において、
前記メタデータ分析器の前記機能によって前記複数の回数の前記転送動作の1回の転送動作で転送される前記ストリームファイルに関して、前記デマルチプレクサの前記機能による前記分離処理が不成功となっても、前記デマルチプレクサの前記機能は前記複数の回数の前記転送動作の次の1回の転送動作で転送される前記ストリームファイルに関して前記分離処理を実行することを特徴とする半導体集積回路の動作方法。
【請求項14】
請求項13において、
前記メタデータ分析器の前記機能によって前記複数の回数の前記転送動作の1回の転送動作で転送される前記ストリームファイルに関して、前記ビデオ復号器の前記機能による前記映像復号処理が不成功となっても、前記ビデオ復号器の前記機能は前記複数の回数の前記転送動作の次の1回の転送動作で転送される前記ストリームファイルに関して前記映像復号処理を実行することを特徴とする半導体集積回路の動作方法。
【請求項15】
請求項14において、
前記メタデータ分析器の前記機能によって前記複数の回数の前記転送動作の1回の転送動作で転送される前記ストリームファイルに関して、前記オーディオ復号器の前記機能による前記音声復号処理が不成功となっても、前記オーディオ復号器の前記機能は前記複数の回数の前記転送動作の次の1回の転送動作で転送される前記ストリームファイルに関して前記音声復号処理を実行することを特徴とする半導体集積回路の動作方法。
【請求項16】
請求項15において、
前記メタデータ分析器の前記機能が前記メタデータの前記各種情報ファイルの前記少なくとも1つのデータの異常検出によって前記メタデータの前記異常を検出した場合には、前記異常検出に応答して前記特殊再生の前記早送り再生の動作と前記巻き戻し再生の動作が禁止されることを特徴とする半導体集積回路の動作方法。
【請求項17】
請求項15において、
前記メタデータ分析器の前記機能が前記メタデータの前記各種情報ファイルの前記少なくとも1つのデータの前記異常検出によって前記メタデータの前記異常を検出した場合には、前記デマルチプレクサの前記機能によって前記動画ファイルの前記ストリームファイルから分離処理された前記映像符号化信号と前記音声符号化信号とから早送りポイントと巻き戻しポイントとが作成され、当該早送りポイントと当該巻き戻しポイントとを利用して前記特殊再生の前記早送り再生の動作と前記巻き戻し再生の動作が可能とされることを特徴とする半導体集積回路の動作方法。
【請求項18】
請求項15において、
前記メタデータ分析器の前記機能と前記デマルチプレクサの前記機能と前記ビデオ復号器の前記機能と前記オーディオ復号器の前記機能との各機能は、ハードウェアとソフトウェアとのいずれかで実現されたことを特徴とする半導体集積回路の動作方法。
【請求項19】
請求項18において、
前記外部インターフェースは、前記記憶メディアに格納されたAVCHD方式の前記動画ファイルをアクセス可能とされたことを特徴とする半導体集積回路の動作方法。
【請求項20】
請求項18において、
前記外部インターフェースは、前記記憶メディアとしての不揮発性メモリデバイスに格納されたAVCHD方式の前記動画ファイルをアクセス可能とされたことを特徴とする半導体集積回路の動作方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−244117(P2011−244117A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−112861(P2010−112861)
【出願日】平成22年5月17日(2010.5.17)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】