説明

動画再生制御装置および動画再生制御方法

【課題】カメラとテレビ等の再生装置を接続した場合であっても、良好な音声再生環境となる動画再生制御装置および動画再生制御方法を提供する。
【解決手段】外部装置と接続可能であると共に、画像および音声に関するデータを記憶する記憶媒体113を備えた動画再生装置における動画再生制御方法であって、外部装置の音に関する装置情報に関するデータを取得し(S3)、記憶媒体113に記憶されたデータから再生対象とするデータを選択し、選択されたデータの再生を指示すると共に、外部装置に音声に関するデータを送信し(S7)、データの再生中に、外部装置の音に関する制御の変更操作を検出し(S15)、変更操作の結果と、上記取得した装置情報に基づいて、外部装置に変更データを送信する(S17〜S27)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動画再生制御装置および動画再生制御方法に関し、詳しくは、動画撮影時に一緒に録音した音声と共に動画を再生可能な動画再生制御装置および動画再生制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
動画撮影時に画像と共に音声も併せて記録されており、この記録された画像と音声を、HDMI経由でテレビに接続し、画像を楽しむことができる。また、オーディオ装置においては、配置された複数のスピーカに出力する音声データの音源の音像定位を調節することも行われている。例えば、特許文献1に開示のオーディオ装置においては、表示面をユーザがタッチした位置が音像定位となるように、各スピーカに出力する音量を制御することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−27280号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
カメラで撮影した動画をテレビに接続して再生する場合、風切り音が強調されてしまうことがある。これは、カメラに内蔵されたスピーカは低域での再現性が悪く、風切り音が見立たないのに対して、テレビでの視聴環境では重低音強調スピーカが接続されていて、低域の再現性が向上するためである。
【0005】
また、カメラで撮影した風景などの動画では、サラウンド感を強調したなり、また雑踏の中で撮影した動画では、特定の被写体から発生られる音声を強調したくなる場合がある。このように、撮影状況に応じて、種々の調節を行いたくなるが、全体のボリュームを調節するか、または特許文献1に開示されているような音像の定位を調節するしかなく、ユーザの要望にこたえることができなかった。
【0006】
本発明は、このような事情を鑑みてなされたものであり、カメラとテレビ等の再生装置を接続した場合であっても、良好な音声再生環境となる動画再生制御装置および動画再生制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため第1の発明に係わる動画再生制御装置は、画像および音声に関するデータを記憶する記憶部と、外部装置との間で少なくとも音声に関するデータを通信すると共に、上記外部装置の音に関する装置情報および制御を変更する変更データを通信する通信部と、上記記憶部に記憶されたデータから再生対象とするデータを選択する再生選択部と、上記選択されたデータの再生を指示する再生指示部と、上記外部装置の音に関する装置情報および制御を表示する表示部と、上記データの再生中に、上記外部装置の音に関する制御の変更操作を検出する操作検出部と、を具備し、上記操作検出部によって検出された変更操作に応じて、上記通信部は上記変更データを送信する。
【0008】
第2の発明に係わる動画再生制御装置は、上記第1の発明において、上記再生中のデータの変化するタイミングを再生前の時間に把握する特性把握部と、上記特性把握部によって把握された上記タイミングに基づいて、上記再生中のデータの変化を調整する可能性のあるタイミングとなる前に、調整するデータに関する操作の告知表示を行う表示制御部と、を更に有する。
【0009】
第3の発明に係わる動画再生制御装置は、上記第1の発明において、上記通信部の通信動作を制御する通信制御部を更に有し、上記通信部で、少なくとも音声再生に関する上記外部装置の特性データを受信する場合は、その外部装置自身と、その外部装置に接続された他の装置の特性を1つの外部装置から受信し、または各外部装置の特性を各々の装置から受信する。
【0010】
第4の発明に係わる動画再生制御装置は、上記第1の発明において、上記再生中に操作指示された操作内容と再生データとのタイミングとを関連付けた操作指示データを記憶する。
第5の発明に係わる動画再生制御装置は、上記第4の発明において、上記記憶した操作指示データを読み出すことを読み出す。
【0011】
第6の発明に係わる動画再生制御装置は、上記第1の発明において、上記表示部に重畳して設けられたタッチパネルを更に有し、上記操作は、タッチパネル上の位置に応じた外部装置に対する音のパラメータを変化させるなぞり操作を検出する。
【0012】
第7の発明に係わる動画再生制御方法は、外部装置と接続可能であると共に、画像および音声に関するデータを記憶する記憶部を備えた動画再生装置における動画再生制御方法であって、上記外部装置の音に関する装置情報に関するデータを取得し、上記記憶部に記憶されたデータから再生対象とするデータを選択し、上記選択されたデータの再生を指示すると共に、上記外部装置に音声に関するデータを送信し、上記データの再生中に、上記外部装置の音に関する制御の変更操作を検出し、上記変更操作の結果と、上記取得した装置情報に基づいて、上記外部装置に変更データを送信する。
【0013】
第8の発明に係わる動画再生制御装置は、動画の画像および音声に関するデータを記憶する記憶部と、スピーカを備えた外部装置との間で少なくとも音声に関するデータおよび外部装置の制御に関するデータを通信する通信部と、上記記憶部に記憶された画像および音声に関するデータを再生する再生部と、上記データの再生中に、上記外部装置の音に関する制御の変更操作を検出する操作検出部と、上記操作検出部によって検出された変更操作に応じたデータを生成し、上記通信部を介して上記外部装置にデータを送信する制御部と、を有する。
【0014】
第9の発明に係わる動画再生制御装置は、上記第8の発明において、上記通信部を介して、上記外部装置における音声再生に関する再生環境情報を取得し、上記制御部は、上記再生環境情報および上記変更操作に応じて上記データを生成する。
第10の発明に係わる動画再生制御装置は、上記第8の発明において、上記制御部は、上記記憶部に記憶された音声に関する情報に基づいて、低周波域の音声が増加する場合には、低周波域の音声の増加に先だって、上記表示部に告知を行う。
第11の発明に係わる動画再生制御装置は、上記第8の発明において、上記操作検出部は、上記変更操作のパターンを検出し、上記制御部は、上記変更操作のパターンに応じて上記送信するデータを変える。
第12の発明に係わる動画再生制御装置は、上記第8の発明において、上記制御部は、上記操作検出部における変更操作に応じた変更結果を記憶し、この記憶に基づいて、次回の制御を行う。
【発明の効果】
【0015】
第1、第7および第8の発明によれば、カメラとテレビ等の再生装置を接続した場合であっても、良好な音声再生環境となる動画再生制御装置および動画再生制御方法を提供することができる。
【0016】
また、第2の発明によれば、予告表示を行うので、操作いつ操作がなされるかを把握しやすい。第3の発明によれば、一つの装置で複数装置の使用を把握することができ、かつ、それらの装置の制御を簡単に行うことができる。第4の発明によれば、次回の再生の際に、前回の操作内容に沿った再生を行うことができる。第5の発明によれば、複数の再生状態を再現することができる。第6の発明によれば、画面に余計な操作表示を行うことなく、直感的な操作を行うことができる。
【0017】
さらに、第9の発明によれば、外部装置の再生環境に応じて適切な再生を行うことができる。第10の発明によれば、事前に低周波域の音声の増加を告知するので、ユーザは意図に応じて調節することができる。第11の発明によれば、パターンによって直感的に外部装置の音声を変更することができる。第12の発明によれば、次回の再生の際に、前回の操作内容に基づいて再生を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態に係わるカメラの電気回路を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係わるカメラと、テレビ、サラウンドシステムの接続関係を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態に係わるカメラと、テレビ、サラウンドシステムの接続関係の他の例を示すブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態に係わるカメラにおいて、表示部のタッチパネルにおける操作例を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態に係わるカメラの動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の一実施形態に係わるカメラの動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明の一実施形態に係わるカメラにおいて、ユーザのタッチ操作毎の制御内容の関係を示す図である。
【図8】本発明の一実施形態に係わるカメラの低周波ノイズ量の測定動作を示すフローチャートである。
【図9】本発明の一実施形態に係わるカメラにおいて、LFE補正を示すタイムチャートである。
【図10】本発明の一実施形態に係わるカメラにおいて、操作を記憶し、次回の再生再におけるLFE補正を示すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面に従って本発明を適用したカメラ100を用いて好ましい実施形態について説明する。本発明の好ましい一実施形態に係わるカメラ100は、デジタルカメラであり、撮像部を有し、この撮像部によって被写体像を画像データに変換し、この変換された画像データに基づいて、被写体像を本体の背面に配置した表示部にライブビュー表示する。撮影者はライブビュー表示を観察することにより、構図やシャッタチャンスを決定する。
【0020】
レリーズ釦または動画釦の操作時には、静止画または動画の画像データ、および音声データが記録媒体に記録される。記録媒体に記録された画像データは、再生モードを選択すると、表示部に再生表示することができる。また、カメラをテレビやサラウンドシステム等の外部の再生装置に接続可能であり、静止画や動画および音声をテレビで再生可能である。
【0021】
図1は、本実施形態に係わるカメラの電気回路を示すブロック図である。カメラ本体100内のバス111には、撮像部101、画像処理部103、表示部105、操作部107、CPU(Central Processing Unit)109、記憶媒体113、通信部115、オーディオ制御部119、ROM(Read Only Memory)125、RAM(Random Access Memory)127が接続されている。
【0022】
撮像部101は、撮影レンズを通過した被写体像を受光し、この被写体像を静止画や動画の画像データに変換する。変換された画像データはバス111に出力される。画像処理部103は、撮像部101によって変換された画像データを取り込み、各種画像処理を施す。画像処理としては、画像データのデジタル的増幅(デジタルゲイン調整処理)、色補正、ガンマ(γ)補正、コントラスト補正、ライブビュー表示用画像生成等の各種の画像処理を行なう。画像処理を施した画像データは、バス111に出力される。画像処理部103は、後述するオーディオ制御部119と共に、記憶媒体113から読み出された画像データおよび音声データを再生する再生部としての機能を果たす。
【0023】
表示部105は、カメラ本体100の背面等に配置され、液晶モニタ、有機EL等のモニタ画面を有する。表示部105には、ライブビュー表示、メニュー画面表示、記録済み画像の再生表示等、各種画像の表示がなされる。メニュー画面では十字釦やOK釦を操作することにより種々の設定を行うことができる。また、表示部105は、テレビ200やサラウンドシステム300(図2、図3参照)等の外部装置の音に関する装置情報および制御を表示する。
【0024】
この表示部105には表示画面に重畳してタッチパネルが配置されている。ユーザの指等によってタッチされ、またなぞり操作がなされた場合には、タッチ検出部からタッチ位置となぞり操作の軌跡に関する検知信号が出力される。このタッチ検出部は、画像および音声に関するデータの再生中に、スピーカを備えた外部装置の音に関する制御の変更操作を検出する操作検出部としての機能を果たす。この操作検出部によって、タッチパネル上の位置に応じた外部装置に対する音のパラメータを変化させるなぞり操作を検出する。
【0025】
操作部107は、撮影者がカメラに指示を与えるためのスイッチ、ダイヤル等の部材であり、パワースイッチ、レリーズ釦、動画釦、十字釦、OK釦、メニュー釦、再生釦、再生停止釦等の各種操作部材が配置されている
【0026】
CPU109は、ROM125に記憶されているプログラムに従ってカメラ全体の制御を行う。CPU109は、記憶媒体113に記憶されたデータから再生対象とするデータを選択する再生選択部と、選択されたデータの再生を指示する再生指示部としての機能を果たす。また、CPU109は、再生中のデータの変化するタイミングを再生前の時間に把握する特性部把握部としての機能を果たし、また、把握されたタイミングに基づいて、再生中のデータの変化を調整する可能性のあるタイミングとなる前に、調整するデータに関する操作の告知表示を行う表示制御部としての機能も果たす。
【0027】
また、CPU109は、通信部115で音声再生に関する外部装置の特性データを受信する場合には、外部装置自身と、外部装置に接続された他の装置の特性を1つの外部装置から受信し(後述する図2参照)、または各外部装置の特性を各々の装置から受信する(後述する図3参照)通信制御部としての機能を果たす。また、CPU109は、操作検出部としての機能を果たす表示部105によって検出された変更操作に応じたデータを生成し、上記通信部を介して上記外部装置にデータを送信する制御部としての機能を果たす。
【0028】
記憶媒体113は、カメラ本体100に着脱自在または内蔵された不揮発性の記録用の媒体であり、画像や音声に関するデータの記憶を行う。また、後述する操作履歴の記録も行う。
【0029】
通信部115は、テレビ200やサラウンドシステム300等の外部装置との間で画像および音声に関するデータを通信する共に、外部装置の音に関する装置情報および制御を変更する変更データを通信する。
【0030】
オーディオ制御部119は、信号処理部119a、A/D変換部119b、D/A変換部119cを有する。A/D変換部119bはアナログ音声信号をデジタル音声データに変換し、信号処理部119aに出力する。
【0031】
信号処理部119aは、DSP(デジタルシグナルプロセッサ:Digital Signal Processor)等を含み、デジタル音声データを調整し、D/A変換部119cに出力する。信号処理部119aは、音声の指向性を変更し、またハイパスフィルタやローパスフィルタ等によって周波数特性を変更し、またゲイン変更することにより音量の制御も行う。サラウンドシステムのように多チャンネルで構成された音声データの場合には、チャンネルごとに制御が可能である。D/A変換部119cは、信号処理部119aによって処理されたデジタル音声データをアナログ音声信号に変換し、この音声信号を内蔵スピーカ123出力する。
【0032】
内蔵マイク121は、ステレオマイクであり、周囲の音声をアナログ音声信号に変換し、また内蔵スピーカ123は、モノラルスピーカであり、信号処理部119aにおいて処理された音声データに基づいて、音声を発生する。
【0033】
ROM125は、フラッシュメモリ等、電気的に書き換え可能な不揮発性メモリである。ROM125には、カメラ全体を制御するためのプログラムや、カメラの調整値等が記憶されている。RAM127は、SDRAM等の揮発性のメモリであり、画像データや音声データ等の一時記憶用として用いられる。
【0034】
次に、カメラ100、テレビ200、サラウンドシステム300からなる再生装置システムについて、図2を用いて説明する。テレビ200は、音声を発生するためのステレオ式の内蔵スピーカ201を有する。カメラ100とテレビ200との間は、通信ライン401によって結ばれており、カメラ100内の通信部115によって、カメラ100とテレビ200との間で双方向通信を行う。通信ライン401としては、HDMI、無線LAN(DLNA)等がある。
【0035】
サラウンドシステム300は、サラウンドスピーカ301を有し、多チャンネル録音された音声データを用いて臨場感ある音声再生を行うことができる。テレビ200とサラウンドシステム300との間は、通信ライン403によって結ばれており、両者の間で双方通信を行う。通信ライン403としては、HDMI、光デジタルオーディオI/F等がある。
【0036】
このように、カメラ100とテレビ200の間で双方向通信を行い、テレビ200とサラウンドシステム300の間で双方通信を行うことができる。図2に示すように、テレビ200はサラウンドシステム300に対して、再生環情報取得の信号を出力し、サラウンドシステム300は再生環境情報応答を出力する。また、カメラ100は、テレビ200に対して、再生環境情報取得の信号を出力し、テレビ200から再生環境情報応答を出力する。テレビ200がサラウンドシステム300の再生環境情報を取得している場合には、カメラ100はサラウンドシステム300の再生環境情報も併せて取得する。再生環境情報としては、スピーカの有無、スピーカ制御の可否、現在の音量設定値等である。また、スピーカが存在する場合には、右、左、中央、サラウンド、LFEの各スピーカ等、スピーカの種別についての情報もある。なお、ここで、LFE(Low Frequency Effect)は、重低音強調を意味する。
【0037】
なお、テレビ200とサラウンドシステム300の間が、光デジタルオーディオケーブルで接続されている場合には、テレビ200はサウンドシステム300から情報取得を行うことができない。この場合には、テレビ200は、カメラ100からの再生情報環境の問い合わせに対して、テレビ自身の内蔵スピーカ201の状態を応答するか、または光デジタルオーディオケーブルが接続状態になっている場合には、「サラウンド再生可能、個別の制御は不可能」等と応答する。
【0038】
カメラ100は、テレビ200とサラウンドシステム300の再生環境情報を取得すると、再生制御方法の決定を行う。すなわち、テレビ200およびサラウンドシステム300の内のいずれの装置で、どのような制御可能か、例えば、音量の調節がスピーカごとに可能か否かを決定する。この決定は、CPU109によってなされる。
【0039】
図2に示した例では、カメラ100から直接、サラウンドシステム300と通信ラインが接続されていなかった。しかし、図3に示すように、通信ライン405を介して、カメラ100が、テレビ200およびサラウンドシステム300と、直接、接続するようにしてもよい。この場合には、カメラ100とテレビ200の間の通信、およびテレビ200とサラウンドシステム300の間の通信は、HDMI、無線LAN(DLNA)等で双方向で行われる。
【0040】
図3に示した通信方式を採用すると、カメラ100から、テレビ200およびサラウンドシステム300との間で直接、通信を行うことができ、カメラ100はそれぞれの再生環境情報を直接、取得することができる。
【0041】
次に、ユーザが表示部105の画面をタッチすることにより行うタッチ操作について、図4を用いて説明する。本実施形態においては、表示部105の表示画面上で、右回りになぞり操作を行うと音量を増加させ、逆に左回りになぞり操作を行うと、音量を減少させる。また、特定の部位のタッチは、画像拡大や画像移動の指示に使用されることが多いことから、本実施形態においては、回すという操作をボリューム操作に割り当てている。なお、特定部位をタッチし、画像を拡大後、画像拡大した位置に基づいて再度操作された場合に、ズーム音量操作とみなす等、回す操作以外であってもよい。
【0042】
図4(a)〜(c)は、表示部105に、再生画像が表示されている様子を示しており、図4(a)は被写体51が中央に表示され、図4(b)は被写体51に加えて被写体53が表示され、図4(c)は風切り音と共に雨55が降っている様子を示している。特定の被写体を認識していない第1の操作10がなされた場合には、背景音量操作とみなす。例えば、図4(a)(b)に示す例では、被写体51や被写体53とは関係ない背景部分で第1の操作10がなされており、また図4(c)では、天空の背景部分で第1の操作10がなされている。
【0043】
また、中央付近を小さく回す、または特定の被写体(顔、ペット等)を認識した部分での第2の操作20は、ズーム音量操作とみなす。例えば、図4(a)に示す例では、中央付近で第2の操作20がなされており、図4(b)では、中央付近および被写体53上で第2の操作20がなされ、図4(c)では中央付近で第2の操作20がなされている。また、中央付近を大きく回す第3の操作30は、全体音量操作とみなす。例えば、図4(a)〜(c)に示す例では、中央付近で大きく回す第3の操作30がなされている。
【0044】
また、風切り音などの低周波成分が多い動画を再生する場合には、LEFアイコン41が表示部105に表示される。このLEFアイコン41付近を回す第4の操作40を行うと、LEF音量操作とみなす。LEF音量操作を行うことにより、重低音強調スピーカの音量を調節することができる。LEFアイコン41の表示タイミングは、好適には、低周波成分が大きくなる再生数秒前から検知して事前警告的に表示する。ただし、重低音が大げさと感じるか否かは個人差があることから、常時表示させてもよく、また表示画面上の付近をタッチしたときに表示するようにしてもよい。
【0045】
次に、本実施形態における、再生制御の動作について、図5および図6を用いて説明する。図5および図6に示すフローチャートは、ROM125に記憶されているプログラムに従ってCPU109によって実行される。また、ここに示すフローチャートは、主としてテレビ200またはサラウンドシステム300が接続されている場合における動画再生時の音量調節に関する処理について示している。
【0046】
再生動作を開始すると、まず、通信接続を行う(S1)。ここでは、テレビ200と通信接続を行う。なお、図3に示すように、サラウンドシステム300と直接通信接続を行うことができる場合には、テレビ200およびサラウンドシステム300と通信接続を行う。
【0047】
通信接続を行うと、次に、初期通信を行う(S3)。ここでは、図3および図4を用いて説明したように、テレビ200およびサラウンドシステム300からの再生環境情報を取得する。
【0048】
初期通信を行うと、次に、現在の音量設定値を取得する(S5)。スピーカ別の音量設定は、動画コンテンツに依存する。そこで、動画再生終了後には、後述するステップS31において、動画コンテンツに依存する再生環境を初期状態に戻すようにしている。このためステップS5において、初期状態における音量設定値を取得し、ROM125またはRAM127に一時記憶している。
【0049】
現在の音量設定値を取得すると、次に、再生コンテンツ選択および再生指示を行う(S7)。動画等の再生コンテンツは、操作部107の内の再生釦を操作することにより、表示部105にサムネイル表示等がなされる。ユーザが希望するサムネイルをタッチする等により、再生選択部として機能するCPU109によって再生コンテンツが選択され、再生指示部として機能するCPU109によって再生指示がなされる。テレビ200やサラウンドシステム300が接続されている場合には、通信部115を介して、画像データおよび音声データが出力される。
【0050】
なお、テレビ200やサラウンドシステム300に画像データや音声データを出力すると、カメラ100の表示部105に再生画像が表示されない場合がある。この場合には、ユーザは、後述する画像操作や音量操作等を、表示部105の表示画面上において、被写体像に対応する位置でタッチ操作等を行うものとする。
【0051】
再生指示がなされると、次に画像操作が検出されたか否かが判定される(S9)。ここでは、例えば、表示部105の表示画面上をタッチすると画像拡大または画像回転の指示がなされる等、画像操作がなされたか否かを判定する。この判定の結果、画像操作が検出された場合には、操作に応じた画像操作を行う(S11)。なお、画像の拡大操作がなされた場合には、ズーム音量操作を併せて行うようにしてもよい。
【0052】
ステップS11において画像操作を行うと、またはステップS9における判定の結果、画像操作の検出がなされなかった場合には、次に、低周波音測定を行う(S13)。ここでは、音声データから低周波音のノイズ量を測定する。低周波音のノイズが所定値を超えると、ハイパスフィルタ処理を行い、またLFEアイコン41の表示を行う。この低周波音測定の詳しい動作については、図8を用いて後述する。
【0053】
低周波音の測定を行うと、次に、音量操作が検出された可能か否かを判定する(S15)。図4を用いて説明したように、ユーザはテレビ200やサラウンドシステム300の音量を調節したい場合には、表示部105の表示画面上で第1の操作ないし第4の操作を行う。このステップでは、これらの操作がなされたか否かを、表示部105のタッチ検出部からの検知信号に基づいて判定する。なお、後述するステップS33において操作履歴を記録しており、この操作履歴をこのステップにおいて、記憶媒体113等から読み出し、参照するようにしてもよい。
【0054】
ステップS15における判定の結果、音量操作が検出された場合には、次に、スピーカ別の音量制御が可能か否の判定を行う(S17)。ステップS3における初期通信において、テレビ200やサラウンドシステム300の再生環境に関する情報を取得しているので、この情報に従って判定する。一般に、サラウンドシステム300が接続されている場合には、スピーカ別に音量制御可能と判定され、一方、テレビ200のみしか接続されていない場合には、スピーカ別に音量制御が可能でないと判定される。あるいは、左右のレベル調整が可能と判定してもよい。
【0055】
ステップS17における判定の結果、スピーカ別に音量制御可能であった場合にスピーカ別に音量設定を行う(S19)。このステップで設定を変更すると、この変更情報は通信部115を介して、テレビ200やサラウンドシステム300等の外部装置に送信される。一方、スピーカ別に音量制御が可能でなかった場合には、コンテンツに対するフィルタ設定や指向性を調節する信号処理1を行う(S21)。信号処理1は信号処理部119aにおいて行われ、この処理された音声信号は、通信部115を介して、外部装置に送信される。ステップS19およびS21における処理の詳細については、図7を用いて後述する。
【0056】
ステップS19またはS21における処理を実行すると、次に、全体の音量制御が可能か否かの判定を行う(S23)。ここでは、テレビ200またはサラウンドシステム300のスピーカの全体の音量制御について、ステップS3における初期通信で取得した情報に従って判定する。
【0057】
ステップS23における判定の結果、全体の音量制御が可能であった場合には、全体の音量設定を行う(S25)。ステップS25において設定を変更すると、この変更情報は通信部115を介して、テレビ200やサラウンドシステム300等の外部装置に送信される。一方、全体の音量制御が可能でなかった場合には、コンテンツに対するゲインを調節する信号処理2を行う(S27)。信号処理2は信号処理部119aにおいて行われ、この処理された音声信号は、通信部115を介して、外部装置に送信される。ステップS25およびS27における処理の詳細については、図7を用いて後述する。
【0058】
ステップS25またはS27における処理を行うと、またはステップS15における判定の結果、音量操作が検出されなかった場合には、次に、コンテンツ再生終了か否かの判定を行う(S29)。動画コンテンツの再生中に終了する場合には、カメラの操作部107の再生停止釦等を操作するので、このステップでは再生停止釦等が操作されたか否かを判定する。また、動画コンテンツの最後まで再生を行った場合にも再生終了と判定される。この判定の結果、コンテンツ再生終了でなかった場合には、ステップS9に戻り、動画再生を続行する。
【0059】
ステップS29における判定の結果、コンテンツ再生終了であった場合には、次に、スピーカ別音量を再生前の状態に戻す(S31)。前述したステップS5において、再生開始前の音量設定値を一時記憶している。このステップS31では、一時記憶した音量設定値に基づいてスピーカ別音量を再生前の音量設定値を設定する。
【0060】
続いて、操作履歴の記録を行う(S33)。音量操作がなされるたびに操作履歴を一時的に記憶しており、このステップでは、再生中に操作指示された操作内容と再生データとのタイミングとを関連付けた操作指示データを記録する。具体的には、テレビ200やサラウンドシステム300等の再生デバイスの再生環境、各スピーカの相対音量、操作タイミング等を記録する。記録場所としては、同一コンテンツ内にメタデータとして記録してもよく、またデータベース内に登録するようにしてもよい。この操作履歴は、後述する図10のように、操作履歴を考慮した処理を行う場合に使用する。なお、本実施形態においては、コンテンツ再生終了後にまとめて記録しているが、音量操作がなされるたびに記憶媒体113に記録するようにしてもよい。この場合には、ステップS29を処理する前に記録する。
【0061】
操作履歴の記録を行うと、次に、再生終了か否かの判定を行う(S35)。ステップS29においてコンテンツの再生が終了すると、表示部105にはサムネイル表示等がなされる。再生モードを終了する場合には、ユーザは再生釦を再度、操作する等再生終了操作を実行する。
【0062】
ステップS35における判定の結果、再生終了でなかった場合には、ステップ7に戻り、再生モードを続行する。一方、再生終了であった場合には、次に、切断を行う(S37)。ここでは、通信ライン401、405等を介しての通信を終了し、動画再生時の音声再生の終了処理を行う。
【0063】
このように、本フローにおいては、動画再生の際に、テレビ200やサラウンドシステム300等の外部装置と接続されている場合には、通信によって、外部装置の再生環境情報を取得している(S3)。表示部105において音量操作がなされた場合には(S20)、取得した再生環境情報に応じて、音声データの調節を行うようにしている(S15〜S27)。このため、再生環境に応じて適切な音量の調節を行うことができる。
【0064】
なお、本フローにおいて、いずれか1つの方法で音量を制御するようにしていた。しかし、両者を混合して行うハイブリット方式で制御するようにしてもよい。例えば、図4(b)において左側の被写体53の音量を大きくする操作がなされた場合に、左スピーカの音量を増加させる制御に加えて、信号処理で左側の音量を強調するように、他の音をフィルタリングするようにしてもよい。これは、中央の被写体から発生られる音は、左右両方のスピーカから均等に聴こえている可能性があり、左スピーカの音量を大きくするだけでは、ユーザの操作の意図を反映することができない場合もあるからである。また、信号処理をおこなうと、その分、時間的な遅延が生じ、処理量によっては映像再生との同期がずれてくる。よって、信号処理量に応じて映像再生のタイミングも適宜調整する。
【0065】
次に、ステップS19、S21、S26、S27における処理について、図7を用いて説明する。それぞれのステップにおける処理は、ステップS15において検出したユーザの音量操作によって異なる。
【0066】
まず、背景音量操作、すなわち第1の操作がなされた場合について説明する。図4を用いて説明したように、背景音量操作は、特定の被写体と関係のない背景部分で行われた操作である。この場合、スピーカ別に音量設定を行うことができる場合には(S19)、サラウンドシステム300のサラウンドスピーカ301の音量を増減する。一方、スピーカ別に音量設定できない場合には(S21)、信号処理部119aが、信号処理1として、指向性を調節することによりワイド強調処理を行う。
【0067】
また、ズーム音量操作、すなわち第2の操作は、特定の被写体の部分で行われた操作である。この場合、スピーカ別に音量設定を行うことができる場合には(S19)、操作された場所に応じて、左・右・中央のいずれかのスピーカの音量を増減する。一方、スピーカ別に音量設定できない場合には(S21)、信号処理部119aが、信号処理1として、指向性を調節することにより指向性を持たせる処理を行う。
【0068】
また、LFE音量操作、すなわち第4の操作は、LFEアイコン41で行われた操作である。この場合、スピーカ別に音量設定を行うことができる場合には(S19)、LFEスピーカの音量を増減する。一方、スピーカ別に音量設定できない場合には(S21)、信号処理部119aがイコライザの設定を変えることにより低音強調度合いを変更する。
【0069】
また、全体音量操作、すなわち、第2の操作は、画面の中央付近を大きく回す操作である。この場合、全体の音量調節が可能であれば(S25)、全体音量を増減する。一方、全体の音量調節が可能でない場合には(S27)、信号処理部119aが、信号処理2として、音声データにゲインをかけて、全体音量調節を行う。
【0070】
次に、ステップS13における低周波音測定の動作について、図8に示すフローチャートを用いて説明する。低周波音のフローに入ると、まず、L−PCM音源か否かを判定する(S41)。ここでは、オーディオ制御部119によって制御され、通信部115を通じて外部のテレビ200やサラウンドシステム300に出力される音声データが、リニアPCMの規格に沿っているか否かを判定する。
【0071】
ステップS41における判定の結果、L−PCM音源でなかった場合には、L−PCMへ変換する(S43)。ここでは、信号処理部119aによって、音声データをL−PCMに変換する。
【0072】
L−PCMへの変換を行うと、またはステップS41における判定の結果、L−PCM音源であった場合には、次に、LFEチャンネル有りか否かの判定を行う(S45)。例えば、5.1chのサラウンド信号は、通常のスピーカ用に5チャンネル、超低音域用スピーカとして1チャンネル(0.1としてカウント)(LFEチャンネル)から構成される。ここでは、CPU109が、サラウンド信号等の音声データのチャンネル構成に基づいて、L−PCM音源中に重低音強調を行うためのLFEチャンネルがあるか否かを判定する。
【0073】
ステップS45における判定の結果、LFEチャンネルが有る場合には、LFEチャンネルを選択する(S47)。一方、LFEチャンネルが無かった場合には、次に、センタチャンネルまたはモノラルか否かを判定する(S49)。ここでは、信号処理部119aが、音声データのチャンネル構成に基づいて、中央用のセンタチャンネルが有るか、またはモノラル信号かを判定する。
【0074】
ステップS49における判定の結果、センタチャンネル有りまたはモノラルであった場合には、センタチャンネルまたはモノラルデータの選択を行う(S53)。センタチャンネルが無く、モノラルでもなかった場合には、左チャンネルと右チャンネルの音声データの加算値の絶対値を2で除算した値、すなわち|(Left + Right)/2|を算出する(S51)。ここでは、右チャンネルと左チャンネルの平均値を求める。
【0075】
ステップS51またはS53における処理を行うと、次に、低周波成分(LPF)の抽出を行う(S55)。ここでは、信号処理部119aがローパスフィルタ処理により、低周波成分を抽出する。
【0076】
ステップS47においてLFEチャンネルを選択すると、またはステップS55において低周波成分を抽出すると、次に、低周波域の音の大きさを算出する(S59)。ここでは、信号処理部119aが、所定フレーム単位で低周波域のノイズ量を算出していく。例えば、サンプリング周波数が48KHzで1024サンプルを1フレームとすると、
1フレーム=1024÷48K=約21.3msec
となる。
【0077】
ノイズ量の算出方法としては、低周波成分を抽出し、RMS(Root Mean Square)値を算出するやり方がある。RMS値は下記式より求める。
【0078】
【数1】

【0079】
低周波域の大きさ(ノイズ量)を算出すると、元のフローに戻る。算出した低周波域の大きさが所定値より大きくなることが予測されると、CPU109は、表示部105にLFEアイコン41を表示する。すなわち、特性把握部として機能するCPU109は、再生に先だって記憶媒体113から音声データを読み出し、ノイズ量がLFE閾値を超える期間が長期間になると予測される場合には、LFEアイコン41を告知表示する。
【0080】
次に、ステップS59において算出された低周波域の音の大きさ(ノイズ量)に基づいて行うLFEアイコン41の表示とユーザによるLFE音量操作(第4の操作)について、図9および図10を用いて説明する。
【0081】
図9は、横軸に時間の経過を示し、縦軸に低周波域の音の大きさ(ノイズ量)を示すグラフである。図9に示す例では、動画の撮影時に、風雨が次第に強くなり、その後、天気が回復している。時刻t1において、突発的に、ノイズ量が増加し、HPF閾値およびLFE閾値を超えた値となる。このときには、ステップS19において、信号処理部119aのハイパスフィルタによってノイズ音が低減される信号処理1が実行される。
【0082】
時刻t3になると、再び、突発的にHPF閾値を超えるノイズ量となり、このときはステップS19において、信号処理部119aのハイパスフィルタによってノイズ音が低減される信号処理1が行われる。このように、時刻t1、t3において、瞬間的なノイズが発生するが、このような極短期間、発生するノイズについては、HPFによってノイズ音を低減する。
【0083】
次に、時刻t7になると、ノイズ量がLFE閾値を超える。このノイズは時刻t7から時刻t11まで、長期にわたって続く、このような長期間のノイズについて、フィルタ処理を行うと、フィルタ切換えのタイミングで違和感を生ずる。そこで、本実施形態においては、長期間のノイズについては、LFEアイコン41を表示し、ユーザに処理の判断を委ねることにしている。
【0084】
動画再生時であることから、数フレーム先の情報を読み取ることによって、LFEアイコン41を前倒しで表示することが可能である。図9に示す例においては、LFE閾値を超える時刻t7に先だって、時刻t5においてLFEアイコン41の表示を行い、LFE閾値より低下する時刻t11にLFEアイコン41を消去する。また、図9に示す例においては、ユーザは時刻t9において、LFE音量操作(第4の操作)を行い、3dB、音量を低下させている。なお、前述したように、動画の再生中に、ユーザが行った操作履歴は、ステップS33(図6参照)において、記録される。
【0085】
動画再生中のユーザによる操作履歴は記録されるので、次回の動画再生にあたっては、記録された操作履歴を活用して行う。図10は、図9と同じ動画を、再度、再生する場合を示している。操作履歴はステップS15において操作される際に読み出されるが、それ以外にも、ステップ13で低周波音測定を行った際にも操作履歴を読み出す。時刻t1、t3において、図9の場合と同様、HPF閾値を超えるノイズ量が生ずるので、この場合には、HPFによってノイズ量を低減させる。
【0086】
先の動画再生の際に、ノイズ量がHPF閾値を超えた時刻t6になると、テレビ200やサラウンドシステム300等の再生デバイスに対して、重低音強調(LFE)として、−3dBを指示し、またLFE閾値は、+3dBとする。前回の動画再生の際にユーザが風切り音を不快と感じ、LFE操作で−3dBと音量を低減したことから、今回の動画再生では、ユーザの意思を尊重して、自動的に同じような音量の調節を行っている。また、LFE閾値を高くすることにより、アイコン41の表示を行わなくなり、画面がアイコンで見難くなることを防止する。
【0087】
以上説明したように、本発明の一実施形態においては、外部装置の音に関する制御の変更操作を検出し、この検出された変更操作に応じた変更データを外部装置に送信するようにしている。カメラとテレビ等の再生装置を接続した場合に、良好な音声再生環境とすることができる。また、直感的な操作を様々な組合せで簡単に行うことができる。
【0088】
また、本発明の一実施形態においては、再生中のデータの変化するタイミングを再生前の時間で把握し、調整が必要な場合には事前に告知するようにしている(図10参照)。このため、ユーザが操作すべき時期を事前に認識でき、操作がし易い。
【0089】
さらに、本発明の一実施形態においては、外部装置の再生環境情報を取得し、この再生環境情報に応じて、音声に関するデータを外部装置に出力している。このため、外部装置にあった再生を行うことができる。
【0090】
さらに、本発明の一実施形態においては、表示部における第1の操作ないし第4の操作によって、外部装置の音声の再生を制御するようにしている。このため、直感的な操作を行うことができる。
【0091】
なお、本発明の一実施形態においては、表示部において第1の操作ないし第4の操作によるパターンによって音の制御を行っていた。しかし、このパターンはこれらに限らずの他のパターンを加えてもよく、また一部のパターンを省略してもよい。また、タッチによって入力していたが、これに限らず、十字釦とカーソルの組合せ等、他の入力方法でもかまわない。
【0092】
また、本発明の一実施形態においては、風切り音等の低周波域の音声を事前に検知していたが(S13)、高周波域等、他の周波数域を検知し、事前に告知するようにしてもよい。この場合、この周波数域に応じた音量調節を行えるようにしておく。
【0093】
また、本発明の一実施形態においては、撮影のための機器として、デジタルカメラを用いて説明したが、カメラとしては、デジタル一眼レフカメラでもコンパクトデジタルカメラでもよく、ビデオカメラ、ムービーカメラのような動画用のカメラでもよく、さらに、携帯電話や携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assist)、ゲーム機器等に内蔵されるカメラでも構わない。いずれにしても、再生可能な外部装置と接続可能な機器であれば、本発明を適用することができる。
【0094】
本発明は、上記実施形態にそのまま限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素の幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0095】
10・・・第1の操作、20・・・第2の操作、30・・・第3の操作、40・・・第4の操作、41・・・LFEアイコン、51・・・被写体、53・・・被写体、55・・・雨、100・・・デジタルカメラ、101・・・撮像部、103・・・画像処理部、105・・・表示部、107・・・操作部、109・・・CPU、111・・・バス、113・・・記憶媒体、115・・・通信部、119・・・オーディオ制御部、119a・・・信号処理部、119b・・・A/D変換部、119c・・・D/A変換部、121・・・内蔵マイク、123・・・内蔵スピーカ、125・・・ROM、127・・・RAM、200・・・テレビ(TV)、201・・・内蔵スピーカ、300・・・サラウンドシステム、301・・・サラウンドスピーカ、401・・・通信ライン、403・・・通信ライン、405・・・通信ライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像および音声に関するデータを記憶する記憶部と、
外部装置との間で少なくとも音声に関するデータを通信すると共に、上記外部装置の音に関する装置情報および制御を変更する変更データを通信する通信部と、
上記記憶部に記憶されたデータから再生対象とするデータを選択する再生選択部と、
上記選択されたデータの再生を指示する再生指示部と、
上記外部装置の音に関する装置情報および制御を表示する表示部と、
上記データの再生中に、上記外部装置の音に関する制御の変更操作を検出する操作検出部と、
を具備し、上記操作検出部によって検出された変更操作に応じて、上記通信部は上記変更データを送信することを特徴とする動画再生制御装置。
【請求項2】
上記再生中のデータの変化するタイミングを再生前の時間に把握する特性把握部と、
上記特性把握部によって把握された上記タイミングに基づいて、上記再生中のデータの変化を調整する可能性のあるタイミングとなる前に、調整するデータに関する操作の告知表示を行う表示制御部と、
を更に有することを特徴とする請求項1に記載の動画再生制御装置。
【請求項3】
上記通信部の通信動作を制御する通信制御部を更に有し、
上記通信部で、少なくとも音声再生に関する上記外部装置の特性データを受信する場合は、その外部装置自身と、その外部装置に接続された他の装置の特性を1つの外部装置から受信し、または各外部装置の特性を各々の装置から受信することを特徴とする請求項1に記載の動画再生制御装置。
【請求項4】
上記再生中に操作指示された操作内容と再生データとのタイミングとを関連付けた操作指示データを記憶することを特徴とする請求項1に記載の動画再生制御装置。
【請求項5】
上記記憶した操作指示データを読み出すことを読み出すことを特徴とする請求項4に記載の動画再生制御装置。
【請求項6】
上記表示部に重畳して設けられたタッチパネルを更に有し、
上記操作は、タッチパネル上の位置に応じた外部装置に対する音のパラメータを変化させるなぞり操作を検出することを特徴とする請求項1に記載の動画再生制御装置。
【請求項7】
外部装置と接続可能であると共に、画像および音声に関するデータを記憶する記憶部を備えた動画再生装置における動画再生制御方法であって、
上記外部装置の音に関する装置情報に関するデータを取得し、
上記記憶部に記憶されたデータから再生対象とするデータを選択し、
上記選択されたデータの再生を指示すると共に、上記外部装置に音声に関するデータを送信し、
上記データの再生中に、上記外部装置の音に関する制御の変更操作を検出し、
上記変更操作の結果と、上記取得した装置情報に基づいて、上記外部装置に変更データを送信する、
ことを特徴とする動画再生制御方法。
【請求項8】
動画の画像および音声に関するデータを記憶する記憶部と、
スピーカを備えた外部装置との間で少なくとも音声に関するデータおよび外部装置の制御に関するデータを通信する通信部と、
上記記憶部に記憶された画像および音声に関するデータを再生する再生部と、
上記データの再生中に、上記外部装置の音に関する制御の変更操作を検出する操作検出部と、
上記操作検出部によって検出された変更操作に応じたデータを生成し、上記通信部を介して上記外部装置にデータを送信する制御部と、
を有することを特徴とする動画再生制御装置。
【請求項9】
上記通信部を介して、上記外部装置における音声再生に関する再生環境情報を取得し、上記制御部は、上記再生環境情報および上記変更操作に応じて上記データを生成することを特徴とする請求項8に記載の動画再生制御装置。
【請求項10】
上記制御部は、上記記憶部に記憶された音声に関する情報に基づいて、低周波域の音声が増加する場合には、低周波域の音声の増加に先だって、上記表示部に告知を行うことを特徴とする請求項8に記載の動画再生装置。
【請求項11】
上記操作検出部は、上記変更操作のパターンを検出し、
上記制御部は、上記変更操作のパターンに応じて上記送信するデータを変える、
ことを特徴とする請求項8に記載の動画再生制御装置。
【請求項12】
上記制御部は、上記操作検出部における変更操作に応じた変更結果を記憶し、この記憶に基づいて、次回の制御を行うことを特徴とする請求項8に記載の動画再生制御装置。

【図4】
image rotate

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2012−227684(P2012−227684A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−92764(P2011−92764)
【出願日】平成23年4月19日(2011.4.19)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】