説明

動画変換システムおよびルータ

【課題】ユーザに負担が掛かるのを抑制しながら、個々の携帯機器に応じて動画変換処理された動画データを携帯機器に転送可能な動画変換システムを提供する。
【解決手段】この動画変換システム100は、ネットワーク接続が可能な携帯電話1と、ネットワークを介して携帯電話1と通信可能なルータ2とを備え、携帯電話1は、テレビジョン放送の所定の番組の録画を要求する録画要求信号と、携帯電話1が再生可能な動画フォーマットおよび動画サイズの情報を含む携帯機器情報とをネットワークを介してルータ2に送信するように構成され、ルータ2により受信された録画要求信号および携帯機器情報に基づいて、所定の番組を録画するとともに、録画された所定の番組を携帯電話1が再生可能な動画データに動画変換処理し、かつ、動画変換処理された再生可能な動画データを携帯電話1に転送するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、動画変換システムおよびルータに関し、特に、動画データが携帯機器に転送される動画変換システムおよびルータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、動画データが携帯機器に転送されるシステムが知られている(たとえば、特許文献1および2参照)。
【0003】
上記特許文献1には、携帯電話(携帯機器)と、携帯電話とネットワークを介して通信可能な宅内のサーバと、サーバと通信可能に接続された宅内の情報家電機器とを備えたシステムが開示されている。このシステムでは、ユーザが宅外にいる際に、携帯電話により情報家電機器に収容されているコンテンツデータ(動画や音声データ)を取得するようにサーバに対して要求すると、サーバにより、情報家電機器からコンテンツデータが取得される。そして、取得されたコンテンツデータがサーバ内で携帯電話用にフォーマット変換される。これにより、ユーザが宅外にいる間にコンテンツデータがフォーマット変換されてサーバ内に保存されるので、ユーザは帰宅後、既にフォーマット変換されたサーバ内のコンテンツデータを携帯電話に転送する。なお、上記特許文献1では、コンテンツデータを携帯電話用にフォーマット変換する際の具体的な方法については記載されていない。
【0004】
また、上記特許文献2には、携帯電話と、ネットワークを介して携帯電話と通信可能な録画再生装置とを備えた予約録画システムが開示されている。この予約録画システムでは、携帯電話から所望の番組の録画予約を録画再生装置に行うと、録画再生装置により、所望の番組が録画されるとともに、録画データが録画予約を行った携帯電話に応じた動画フォーマットおよび動画サイズに変換される。なお、この予約録画システムでは、所望の番組の録画予約を行う前に、ユーザにより、個々の携帯電話に応じた動画フォーマットおよび動画サイズの情報を録画再生装置に予め登録しておく必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−186204号公報
【特許文献2】特開2006−339765号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1では、コンテンツデータを携帯電話用にフォーマット変換する際の具体的な方法について記載されていないが、個々の携帯電話に応じたフォーマット変換を行うために、ユーザにより、個々の携帯電話が再生可能なフォーマットの情報をサーバに予め登録しておく必要があると考えられる。このため、ユーザに負担が掛かるという問題点がある。
【0007】
また、上記特許文献2の予約録画システムでは、個々の携帯電話に応じて動画変換処理された録画データ(動画データ)を携帯電話に転送可能である一方、所望の番組の録画予約を行う前に、ユーザにより、個々の携帯電話に応じた動画フォーマットおよび動画サイズの情報を録画再生装置に予め登録しておく必要があるので、ユーザに負担が掛かるという問題点がある。
【0008】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、ユーザに負担が掛かるのを抑制しながら、個々の携帯機器に応じて動画変換処理された動画データを携帯機器に転送可能な動画変換システムおよびルータを提供することである。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0009】
この発明の第1の局面による動画変換システムは、テレビジョン放送の視聴および動画データの再生が可能であるとともに、ネットワーク接続が可能な携帯機器と、所定の場所に固定的に設置され、ネットワークを介して携帯機器と通信可能なルータとを備え、携帯機器は、テレビジョン放送の所定の番組の録画を要求する録画要求信号と、携帯機器が再生可能な動画フォーマットおよび動画サイズの少なくとも一方の情報を含む携帯機器情報とをネットワークを介してルータに送信するように構成され、ルータにより受信された録画要求信号に基づいて所定の番組を録画するとともに、ルータにより受信された携帯機器情報に基づいて録画された所定の番組を携帯機器が再生可能な動画データに動画変換処理し、かつ、動画変換処理された再生可能な動画データを携帯機器に転送するように構成されている。
【0010】
この発明の第1の局面による動画変換システムでは、上記のように、携帯機器が再生可能な動画フォーマットおよび動画サイズの少なくとも一方の情報を含む携帯機器情報をルータに送信するように携帯機器を構成するとともに、携帯機器情報に基づいて録画された所定の番組を携帯機器が再生可能な動画データに動画変換処理することによって、ユーザが個々の携帯機器情報を予め登録することなく、携帯機器情報に基づいて個々の携帯機器に応じた動画変換処理を行うことができる。これにより、ユーザに負担が掛かるのを抑制しながら、個々の携帯機器に応じて動画変換処理された動画データを携帯機器に転送することができる。
【0011】
上記第1の局面による動画変換システムにおいて、好ましくは、携帯機器情報は、携帯機器が再生可能な動画フォーマットおよび動画サイズの両方の情報を含む。このように構成すれば、動画フォーマットおよび動画サイズの両方の情報について、個々の携帯機器に応じた動画変換処理を行うことができるので、個々の携帯機器により適した動画変換処理を行うことができる。
【0012】
上記第1の局面による動画変換システムにおいて、好ましくは、所定の場所に固定的に設置されたルータに接続され、ルータを介してネットワークに接続されるとともに、テレビジョン放送を受信可能な電子機器をさらに備え、ルータは、録画要求信号に基づいて所定の番組の録画を指示する録画指示信号を電子機器に送信するように制御する制御部を含み、電子機器は、録画指示信号を受信した場合に、所定の番組を録画するように構成されている。このように構成すれば、電子機器により所定の番組の録画が行われるので、ルータに録画機能を設ける必要がない。
【0013】
この場合、好ましくは、電子機器が複数設けられており、ルータの制御部は、ルータにより録画要求信号が受信された場合に、所定の番組を録画可能であるか否かについて、複数の電子機器の状況を判断するとともに、判断結果に基づいて複数の電子機器のうちの録画可能である電子機器に録画指示信号を送信するように制御するように構成されている。このように構成すれば、状況によって録画可能でない電子機器が存在する場合にも、他の録画可能な電子機器によって確実に所定の番組を録画することができる。
【0014】
上記第1の局面による動画変換システムにおいて、好ましくは、ルータは、テレビジョン放送を受信可能なテレビ放送受信部と、ルータにより受信された録画要求信号に基づいて所定の番組を録画する録画部と、ルータにより受信された携帯機器情報に基づいて、録画された所定の番組を携帯機器が再生可能な動画データに動画変換処理する動画変換処理部と、動画変換処理部により動画変換処理された再生可能な動画データを記憶する記憶部とを含む。このように構成すれば、ルータ単独で、録画要求信号に基づいて録画を行うとともに、携帯機器情報に基づいて個々の携帯機器に応じて動画変換処理を行うことができるので、ルータ以外に録画機能や動画変換処理機能を有する装置を別途設ける必要がない。
【0015】
上記第1の局面による動画変換システムにおいて、好ましくは、ルータは、ネットワークを介さないで携帯機器と通信可能な第1通信部を含み、第1通信部により通信可能な範囲内に携帯機器が位置する場合に、動画変換処理された再生可能な動画データを第1通信部により携帯機器に転送するように構成されている。このように構成すれば、比較的データサイズの大きい動画データを、IrDA(登録商標)による通信などを用いて第1通信部によりネットワークを介さないでルータから携帯機器に転送することができるので、ネットワークが混雑している場合でも動画データを携帯機器に良好に転送することができる。また、データサイズの大きい動画データの転送にネットワークを用いない分、パケット代などのネットワークの使用料を低減することができる。
【0016】
上記第1の局面による動画変換システムにおいて、好ましくは、ルータは、携帯機器の充電クレードルと通信可能な第2通信部を含み、携帯機器が充電クレードルに接続された場合に、動画変換処理された再生可能な動画データを第2通信部により充電クレードルを介して携帯機器に転送するように構成されている。このように構成すれば、比較的データサイズの大きい動画データを、第2通信部によりネットワークを介さずに充電クレードル経由で携帯機器に転送することができるので、ネットワークが混雑している場合でも動画データを携帯機器に良好に転送することができる。また、携帯機器が充電クレードルに接続された場合に動画データの転送を行うことによって、携帯機器を充電しながら動画データを転送することができる。また、データサイズの大きい動画データの転送にネットワークを用いない分、パケット代などのネットワークの使用料を低減することができる。なお、本明細書において、「携帯機器が充電クレードルに接続された場合」とは、有線通信の場合には、携帯機器および充電クレードルが互いに物理的に接続(ケーブル等で接続)された場合を意味し、無線通信の場合には、携帯機器および充電クレードルが互いに通信可能となった場合を意味する。
【0017】
上記第1の局面による動画変換システムにおいて、好ましくは、ルータは、動画変換処理された再生可能な動画データをネットワークを介して携帯機器に転送するように構成されている。このように構成すれば、携帯機器がネットワークに接続可能な状態であれば、携帯機器の位置に関係なく(宅内、宅外に関係なく)動画データを携帯機器に転送することができる。
【0018】
この発明の第2の局面によるルータは、携帯機器によりネットワークを介して送信される、テレビジョン放送の所定の番組の録画を要求する録画要求信号と携帯機器が再生可能な動画フォーマットおよび動画サイズの少なくとも一方の情報を含む携帯機器情報とを受信する受信部を備え、受信部により受信される録画要求信号に基づいて所定の番組が録画され、受信部により受信される携帯機器情報に基づいて録画された所定の番組が携帯機器により再生可能な動画データに動画変換処理され、かつ、動画変換処理された再生可能な動画データが携帯機器に転送されるように構成されるとともに、所定の場所に固定的に設置されている。
【0019】
この発明の第2の局面によるルータでは、上記のように、携帯機器によりネットワークを介して送信される携帯機器が再生可能な動画フォーマットおよび動画サイズの少なくとも一方の情報を含む携帯機器情報を受信する受信部を設け、受信部により受信された携帯機器情報に基づいて録画された所定の番組が携帯機器により再生可能な動画データに動画変換処理されるように構成することによって、ユーザが個々の携帯機器情報を予め登録することなく、携帯機器情報に基づいて個々の携帯機器に応じた動画変換処理が行われる。これにより、ユーザに負担が掛かるのを抑制しながら、個々の携帯機器に応じて動画変換処理された動画データを携帯機器に転送することができる。
【0020】
上記第2の局面によるルータにおいて、好ましくは、テレビジョン放送を受信可能なテレビ放送受信部と、受信部により受信される録画要求信号に基づいて所定の番組を録画する録画部と、受信部により受信される携帯機器情報に基づいて録画された所定の番組を携帯機器が再生可能な動画データに動画変換処理する動画変換処理部と、動画変換処理部により動画変換処理された再生可能な動画データを記憶する記憶部とを含む。このように構成すれば、ルータ単独で、録画要求信号に基づいて録画を行うとともに、携帯機器情報に基づいて個々の携帯機器に応じて動画変換処理を行うことができるので、ルータ以外に録画機能や動画変換処理機能を有する装置を別途設ける必要がない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1実施形態および第2実施形態による動画変換システムの全体構成を示した概略図である。
【図2】本発明の第1および第2実施形態による動画変換システムの携帯電話の構成を示したブロック図である。
【図3】本発明の第1実施形態による動画変換システムのルータの構成を示したブロック図である。
【図4】本発明の第1〜第4実施形態による動画変換システムのDVDレコーダの構成を示したブロック図である。
【図5】本発明の第1〜第4実施形態による動画変換システムのPCの構成を示したブロック図である。
【図6】本発明の第1実施形態による動画変換システムの録画・動画変換処理動作を説明するためのフローチャートである。
【図7】本発明の第2実施形態による動画変換システムのルータの構成を示したブロック図である。
【図8】本発明の第2実施形態による動画変換システムの録画・動画変換処理動作を説明するためのフローチャートである。
【図9】本発明の第3実施形態による動画変換システムの構成を示した概略図である。
【図10】本発明の第3実施形態による動画変換システムの携帯電話の構成を示したブロック図である。
【図11】本発明の第3および第4実施形態による動画変換システムのルータの構成を示したブロック図である。
【図12】本発明の第3実施形態による動画変換システムの録画・動画変換処理動作を説明するためのフローチャートである。
【図13】本発明の第4実施形態による動画変換システムの構成を示した概略図である。
【図14】本発明の第4実施形態による動画変換システムの携帯電話および充電クレードルの構成を示したブロック図である。
【図15】本発明の第4実施形態による動画変換システムの録画・動画変換処理動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0023】
(第1実施形態)
まず、図1〜図5を参照して、本発明の第1実施形態による動画変換システム100の構成について説明する。
【0024】
本発明の第1実施形態による動画変換システム100は、図1に示すように、携帯電話1と、ルータ2と、DVDレコーダ3と、PC(パーソナルコンピュータ)4とを備えている。なお、携帯電話1は、本発明の「携帯機器」の一例であり、DVDレコーダ3およびPC4は、それぞれ、本発明の「電子機器」の一例である。
【0025】
携帯電話1は、基地局5(図1参照)を介して電話に加えてインターネット接続が可能に構成されている。また、携帯電話1は、図2に示すように、表示部11と、10キーなどからなる操作部12と、音声入出力部13と、メモリ部14と、電源・充電部15とを含んでいる。さらに、携帯電話1は、HSDPA(High Speed Downlink Packet Access)通信可能なデータ送受信部16と、ワンセグ放送の受信が可能なテレビ放送受信部(チューナ)17と、携帯電話1の各部を制御するCPU18とを含んでいる。
【0026】
表示部11は、テレビ放送受信部17により受信されたワンセグ放送を視聴することが可能に構成されている。また、表示部11は、メモリ部14に記憶された後述する動画データの映像も表示するように構成されている。また、表示部11には、ユーザがワンセグ放送を視聴している際に、視聴中の番組の録画を要求するための録画ボタンが表示される。
【0027】
操作部12は、ユーザが携帯電話1に各種動作の指示を行うために設けられている。また、ユーザは、操作部12を用いて上記録画ボタンを押下することが可能である。
【0028】
メモリ部14は、ROM、FLASH ROMなどからなる不揮発性メモリ14aと、RAM、DRAMなどからなる揮発性メモリ14bとを有している。不揮発性メモリ14aには、後述する録画・動画変換処理において実行される処理プログラム14cが記憶されている。また、不揮発性メモリ14aは、動画データを記憶可能に構成されている。
【0029】
電源・充電部15は、携帯電話1の各部に電力を供給するとともに、電力を蓄電するために設けられている。
【0030】
データ送受信部16は、基地局5およびインターネットを介して各種の信号およびデータを送受信するために設けられている。
【0031】
CPU18は、不揮発性メモリ14aに記憶されているプログラムおよび揮発性メモリ14bにロードされたプログラムを実行するために設けられている。また、CPU18は、上記の処理プログラム14cも実行するように構成されている。また、CPU18は、映像処理部18aを備えており、表示部11が表示可能なように各映像データをデコードする機能を有している。また、CPU18は、ユーザにより録画ボタンが押下されると、後述するように、録画要求信号および携帯機器情報をインターネットを介してルータ2に送信するように各部を制御するように構成されている。なお、第1実施形態では、録画要求信号とは、視聴中の番組の録画を要求するための信号であり、携帯機器情報とは、携帯電話1が再生可能な動画フォーマットおよび動画サイズの情報を含む機器情報である。
【0032】
ルータ2は、図1に示すように、宅内(家庭内や企業内など)の所定の場所に固定的に設置されるように構成されている。また、ルータ2は、宅内に固定的に設置されたDVDレコーダ3およびPC4のそれぞれをインターネットに接続する機能を有している。また、ルータ2は、図3に示すように、メモリ部21と、電源部22とを含んでいる。さらに、ルータ2は、データ送受信部(有線WAN用)23と、データ送受信部(有線LAN用)24と、データ送受信部(無線用)25と、ルータ2の各部を制御するCPU26とを含んでいる。なお、メモリ部21は、本発明の「記憶部」および「録画部」の一例であり、データ送受信部(有線WAN用)23は、本発明の「受信部」の一例である。また、CPU26は、本発明の「制御部」の一例である。
【0033】
メモリ部21は、ROM、FLASH ROM、HDDなどからなる不揮発性メモリ21aと、RAM、DRAMなどからなる揮発性メモリ21bとを有している。不揮発性メモリ21aには、後述する録画・動画変換処理において実行される処理プログラム21cが記憶されている。また、不揮発性メモリ21aは、動画データを記憶可能に構成されている。
【0034】
電源部22は、ルータ2の各部に電力を供給するために設けられている。
【0035】
データ送受信部(有線WAN用)23は、WAN(Wide Area Network)回線によりISP(Internet Service Provider)に接続されている。これにより、ルータ2は、インターネットを介して携帯電話1と通信可能に構成されている。また、データ送受信部23は、イーサネット(Ethernet)(登録商標)に対応するように構成されている。
【0036】
データ送受信部(有線LAN用)24は、有線LAN(Local Area Network)回線によりDVDレコーダ3およびPC4に接続されている。これにより、ルータ2、DVDレコーダ3およびPC4によって、宅内でLANが構築されている。また、データ送受信部24は、イーサネット(Ethernet)(登録商標)に対応するように構成されている。
【0037】
データ送受信部(無線用)25は、Wi−Fi(登録商標)に対応するように構成されており、Wi−Fi(登録商標)対応の機器との間でデータの送受信を行うために設けられている。
【0038】
CPU26は、不揮発性メモリ21aに記憶されているプログラムおよび揮発性メモリ21bにロードされたプログラムを実行するために設けられている。また、CPU26は、上記の処理プログラム21cも実行するように構成されている。また、CPU26は、動画変換処理部26aを備えており、動画データを所定の動画フォーマットおよび所定の動画サイズに変更する機能を有している。
【0039】
DVDレコーダ3は、図1に示すように、宅内(家庭内や企業内など)の所定の場所に固定的に設置されたルータ2に接続され、ルータ2を介してインターネットに接続されるように構成されている。また、DVDレコーダ3は、図4に示すように、表示出力部31と、メモリ部32と、電源部33とを含んでいる。さらに、DVDレコーダ3は、データ送受信部(有線LAN用)34と、テレビジョン放送の受信が可能なテレビ放送受信部(チューナ)35と、DVDレコーダ3の各部を制御するCPU36とを含んでいる。
【0040】
表示出力部31は、図示しないテレビなどの表示装置に映像信号を出力するために設けられている。
【0041】
メモリ部32は、ROM、FLASH ROM、HDDなどからなる不揮発性メモリ32aと、RAM、DRAMなどからなる揮発性メモリ32bと、DVDドライブ、USBドライブなどからなる外部メモリ用ドライブ32cとを有している。不揮発性メモリ32aには、後述する録画・動画変換処理において実行される処理プログラム32dが記憶されている。また、不揮発性メモリ32aは、テレビ放送受信部35により受信された所定の番組の動画データを記憶可能に構成されている。すなわち、DVDレコーダ3は、テレビジョン放送の所定の番組を録画可能に構成されている。
【0042】
電源部33は、DVDレコーダ3の各部に電力を供給するために設けられている。
【0043】
データ送受信部(有線LAN用)34は、有線LAN(Local Area Network)回線によりルータ2のデータ送受信部24に接続されている。これにより、DVDレコーダ3は、ルータ2を介してインターネットに接続される。また、データ送受信部34は、イーサネット(Ethernet)(登録商標)に対応するように構成されている。
【0044】
CPU36は、不揮発性メモリ32aに記憶されているプログラムおよび揮発性メモリ32bにロードされたプログラムを実行するために設けられている。また、CPU26は、上記の処理プログラム32dも実行するように構成されている。また、CPU36は、後述のように、ルータ2から送信される録画指示信号に基づいて、所定の番組を録画し、録画により作製された動画データをルータ2に送信するように各部を制御する。
【0045】
PC4は、図1に示すように、宅内(家庭内や企業内など)の所定の場所に固定的に設置されるように構成されている。PC4は、図5に示すように、液晶モニタなどからなる表示部41と、メモリ部42と、キーボードおよびマウスからなる操作部43と、電源部44とを含んでいる。さらに、PC4は、データ送受信部(有線LAN用)45と、テレビジョン放送の受信が可能なテレビ放送受信部(チューナ)46と、PC4の各部を制御するCPU47とを含んでいる。
【0046】
メモリ部42は、ROM、FLASH ROM、HDDなどからなる不揮発性メモリ42aと、RAM、DRAMなどからなる揮発性メモリ42bと、DVDドライブ、USBドライブなどからなる外部メモリ用ドライブ42cとを有している。不揮発性メモリ42aには、後述する録画・動画変換処理において実行される処理プログラム42dが記憶されている。また、不揮発性メモリ42aは、テレビ放送受信部46により受信された所定の番組の動画データを記憶可能に構成されている。すなわち、PC4は、テレビジョン放送の所定の番組を録画可能に構成されている。
【0047】
電源部44は、PC4の各部に電力を供給するために設けられている。
【0048】
データ送受信部(有線LAN用)45は、有線LAN(Local Area Network)回線によりルータ2のデータ送受信部24に接続されている。これにより、PC4は、ルータ2を介してインターネットに接続される。また、データ送受信部45は、イーサネット(Ethernet)(登録商標)に対応するように構成されている。
【0049】
CPU47は、不揮発性メモリ42aに記憶されているプログラムおよび揮発性メモリ42bにロードされたプログラムを実行するために設けられている。また、CPU47は、上記の処理プログラム42dも実行するように構成されている。また、CPU47は、後述のように、ルータ2から送信される録画指示信号に基づいて、所定の番組を録画するように各部を制御する。また、CPU47は、動画変換処理部47aを備えており、動画データを所定の動画フォーマットおよび所定の動画サイズに変更する機能を有している。また、CPU47は、動画変換処理された動画データをルータ2に送信するように各部を制御する。
【0050】
次に、図6を参照して、本発明の第1実施形態による動画変換システム100の録画・動画変換処理動作について説明する。なお、動画変換システム100により録画・動画変換処理が実行される際には、携帯電話1のCPU18は処理プログラム14cを実行し、ルータ2のCPU26は処理プログラム21cを実行する。また、この際、DVDレコーダ3のCPU36は処理プログラム32dを実行し、PC4のCPU47は処理プログラム42dを実行する。
【0051】
ユーザは、携帯電話1で視聴中の番組を録画したいと希望する場合には、表示部11に表示される録画ボタンを押下する。これにより、動画変換システム100による録画・動画変換処理が実行される。まず、携帯電話1のCPU18は、ステップS1において、ユーザから録画要求があったか否かを判断し、録画要求があるまでこの判断を繰り返す。この際、CPU18は、ユーザにより録画ボタンが押下されたか否かで録画要求の有無を判断する。そして、録画要求があると、CPU18は、ステップS2において、インターネットを介してルータ2に録画要求信号および携帯機器情報を送信する。視聴中の番組の録画を要求する録画要求信号には、録画する番組を特定するためのチャンネル情報や時間情報も含まれている。また、CPU18は、携帯機器情報として、携帯電話1により再生可能な動画フォーマットおよび動画サイズの情報を送信する。ここで、携帯電話は、複数の異なるメーカによって製造され、機能や対応する規格が多岐にわたっているので、動画フォーマットや動画サイズによっては動画データを再生することができない場合がある。このため、第1実施形態では、CPU18は、録画要求を行う携帯電話1に特有の携帯機器情報(再生可能な動画フォーマットおよび動画サイズの情報)を録画要求信号とともに送信する。
【0052】
ルータ2のCPU26は、ステップS11において、インターネットを介して送信される録画要求信号および携帯機器情報を受信する。そして、ステップS12において、CPU26は、LANを介して録画機器状況確認信号をDVDレコーダ3およびPC4に送信する。ここで、録画機器状況確認信号とは、録画要求信号に基づいて録画が可能であるか否かを確認するために、ルータ2が録画機能を有するLAN上の装置に送信する信号である。
【0053】
DVDレコーダ3のCPU36は、ステップS21において、LANを介して送信される録画機器状況確認信号を受信し、ステップS22において、LANを介して録画機器状況信号をルータ2に送信する。録画機器状況信号とは、録画機器状況確認信号に応答して、録画機器状況確認信号を受信した装置がルータ2に返信する信号である。具体的には、録画機器状況信号は、録画中であるか否かの情報や録画予約の有無の情報を含んでいる。PC4のCPU47は、DVDレコーダ3のCPU36と同様に、ステップS31において、LANを介して送信される録画機器状況確認信号を受信し、ステップS32において、LANを介して録画機器状況信号をルータ2に送信する。
【0054】
ルータ2のCPU26は、ステップS13において、DVDレコーダ3およびPC4から送信される録画機器状況信号を受信し、ステップS14において、録画機器状況信号に基づいて、録画するのに最適な録画機器を選択する。たとえば、DVDレコーダ3およびPC4のうち、一方が既に他の番組の録画中である場合には、録画要求信号に基づく録画が可能な他方を最適な録画機器として選択する。なお、DVDレコーダ3およびPC4のいずれの機器でも録画可能である場合には、予めDVDレコーダ3およびPC4の優先順位を設定しておき、その優先順位に基づいていずれか一方を最適な録画機器として選択してもよい。この場合、たとえば、動画変換処理部47aを有するPC4をDVDレコーダ3よりも高い優先順位に設定してもよい。
【0055】
そして、ルータ2のCPU26は、ステップS15において、DVDレコーダ3およびPC4のうち、選択された最適な録画機器だけに録画指示信号を送信する。具体的には、CPU26は、DVDレコーダ3に送信する場合には、ルータ2により受信された録画要求信号に基づいて所定の番組の録画を行うことを指示する信号を送信する。一方、PC4に送信する場合には、CPU26は、ルータ2により受信された録画要求信号に基づいて所定の番組の録画を行うこと、および、ルータ2により受信された携帯機器情報に基づいて録画した番組を携帯電話1が再生可能な動画データに動画変換処理することを指示する信号を送信する。
【0056】
DVDレコーダ3のCPU36は、ステップS23において、DVDレコーダ3に対して録画指示信号が送信されたか否かを判断し、送信されていなければそのまま動作を終了する。一方、DVDレコーダ3に送信されている場合には、CPU36は、ステップS24において、録画指示信号を受信し、ステップS25において、録画指示信号に基づいて所定の番組の録画を開始する。この際、録画により作製される動画データは、不揮発性メモリ32aに保存される。そして、ステップS26において、CPU36は、録画を終了し、ステップS27において、動画変換要求信号とともに動画データをルータ2に送信する。
【0057】
PC4のCPU47は、DVDレコーダ3のCPU36と同様に、ステップS33において、PC4に対して録画指示信号が送信されたか否かを判断し、送信されていなければそのまま動作を終了する。一方、PC4に送信されている場合には、CPU47は、ステップS34において、録画指示信号を受信し、ステップS35において、録画指示信号に基づいて所定の番組の録画を開始する。そして、ステップS36において、CPU47は、録画を終了し、ステップS37において、動画変換処理部47aにより、携帯機器情報に基づいて録画した番組を動画変換処理する。具体的には、動画変換処理部47aにより、携帯機器情報に基づいて録画した番組が携帯電話1で再生可能な動画フォーマットおよび動画サイズの動画データに変換される。この際、動画変換処理された動画データは不揮発性メモリ42aに保存される。その後、ステップS38において、CPU47は、動画変換処理された動画データをルータ2に送信する。
【0058】
ルータ2のCPU26は、ステップS16において、動画データ(および動画変換要求信号)を受信して動画データを不揮発性メモリ21aに記憶する。そして、ステップS17において、動画変換要求信号を受信したか否かを判断する。これにより、受信した動画データについて、携帯電話1が再生可能な動画フォーマットおよび動画サイズに既に変換処理済みであるか否かが確認される。動画変換要求信号を受信していない場合(既に変換処理済である場合)には、ステップS19に移行し、動画変換要求信号を受信した場合(まだ変換処理されていない場合)には、ステップS18において、動画変換処理を行う。具体的には、動画変換処理部26aにより、DVDレコーダ3により録画された番組が、携帯機器情報に基づいて携帯電話1で再生可能な動画フォーマットおよび動画サイズの動画データに変換される。その後、ステップS19において、CPU26は、動画変換処理された動画データをインターネットを介して携帯電話1に転送する。
【0059】
携帯電話1のCPU18は、ステップS3において、動画変換処理済みの動画データを受信し、ステップS4において、受信した動画データを不揮発性メモリ14aに保存する。これにより、ユーザは、ワンセグ放送の受信が不安定な場合に録画ボタンを押下することによって、宅内に設置されたDVDレコーダ3またはPC4により安定した受信状態で録画された再生可能な動画データを取得することができる。
【0060】
第1実施形態では、上記のように、携帯電話1が再生可能な動画フォーマットおよび動画サイズの両方の情報を含む携帯機器情報をルータ2に送信するように携帯電話1を構成するとともに、携帯機器情報に基づいて録画された所定の番組を携帯電話1が再生可能な動画データに動画変換処理することによって、ユーザが個々の携帯機器情報を予め登録することなく、携帯機器情報に基づいて個々の携帯電話1に応じた動画変換処理を行うことができる。これにより、ユーザに負担が掛かるのを抑制しながら、個々の携帯電話1に応じて動画変換処理された動画データを携帯電話1に転送することができる。また、テレビジョン放送の受信精度が低い携帯電話1とは異なる固定式のDVDレコーダ3やPC4などで所定の番組の録画を行うことによって、容易に、安定した受信状態で録画を行うことができるので、容易に、良好な動画データを取得することができる。
【0061】
また、第1実施形態では、所定の場所に固定的に設置されたルータ2に接続され、ルータ2を介してインターネットに接続されるとともに、テレビジョン放送を受信可能なDVDレコーダ3(PC4)を設け、録画要求信号に基づいて所定の番組の録画を指示する録画指示信号をDVDレコーダ3(PC4)に送信するように制御するCPU26をルータ2に設け、かつ、DVDレコーダ3(PC4)を、録画指示信号を受信した場合に、所定の番組を録画するように構成することによって、DVDレコーダ3(PC4)により所定の番組の録画が行われるので、ルータ2に録画機能を設ける必要がない。
【0062】
また、第1実施形態では、ルータ2のCPU26を、ルータ2により録画要求信号が受信された場合に、所定の番組を録画可能であるか否かについて、DVDレコーダ3およびPC4の状況を判断するとともに、判断結果に基づいてDVDレコーダ3およびPC4のうちの録画可能である一方に録画指示信号を送信するように制御するように構成することによって、状況によって録画可能でない電子機器(DVDレコーダ3またはPC4)が存在する場合にも、録画可能な一方によって確実に所定の番組を録画することができる。
【0063】
また、第1実施形態では、ルータ2を、インターネットを介して動画変換処理された再生可能な動画データを携帯電話1に転送するように構成することによって、携帯電話1がインターネットに接続可能な状態であれば、携帯電話1の位置に関係なく(宅内、宅外に関係なく)動画データを携帯電話1に転送することができる。
【0064】
(第2実施形態)
次に、図1、図7および図8を参照して、第2実施形態について説明する。この第2実施形態では、上記第1実施形態と異なり、ルータ202がテレビジョン放送を受信可能なテレビ放送受信部(チューナ)27を含み、ルータ202によりテレビジョン放送の所定の番組を録画可能である動画変換システム200について説明する。
【0065】
本発明の第2実施形態による動画変換システム200は、図1に示すように、上記第1実施形態と同様のシステム構成になっている。具体的には、宅内(家庭内や企業内など)にルータ202、DVDレコーダ3およびPC4が設置されており、これらのルータ202、DVDレコーダ3およびPC4によりLANが構築されている。また、ルータ202と携帯電話1とがインターネットを介して通信可能に構成されている。
【0066】
ここで、第2実施形態では、ルータ202は、図1に示すように、宅内(家庭内や企業内など)の所定の場所に固定的に設置されるように構成されている。また、ルータ202は、図7に示すように、メモリ部21、電源部22、データ送受信部23〜25およびCPU26に加えて、テレビジョン放送を受信可能なテレビ放送受信部(チューナ)27をさらに備えている。そして、ルータ202は、テレビジョン放送の所定の番組を録画する機能を有している。また、ルータ202のメモリ部21の不揮発性メモリ21aには、後述する第2実施形態による動画変換システム200の録画・動画変換処理の際にCPU26により実行される処理プログラム221cが格納されている。
【0067】
次に、図8を参照して、本発明の第2実施形態による動画変換システム200の録画・動画変換処理動作について説明する。なお、動画変換システム200により録画・動画変換処理が実行される際には、携帯電話1のCPU18は処理プログラム14cを実行し、ルータ202のCPU26は処理プログラム221cを実行する。また、第2実施形態では、上記第1実施形態と同様の動作については図8のフローチャートに図6と同じステップ番号を付してその説明を省略する。
【0068】
第2実施形態による動画変換システム200の録画・動画変換処理動作は、図8に示すように、ルータ202の動作のステップS11の後ステップS19までの間の動作が上記第1実施形態と異なる。ルータ202のCPU26は、ステップS11において携帯電話1から録画要求信号および携帯機器情報を受信した後、ステップS201において、録画要求信号に基づいて所定の番組の録画を開始する。具体的には、CPU26は、テレビ放送受信部27により所定の番組を受信して録画を行い、録画により作製される動画データを不揮発性メモリ21aに保存する。そして、CPU26は、ステップS202において、録画を終了し、ステップS203において、携帯機器情報に基づいて動画変換処理を行う。具体的には、動画変換処理部26aにより、録画された番組が携帯機器情報に基づいて携帯電話1で再生可能な動画フォーマットおよび動画サイズの動画データに変換される。その後、ステップS19において、CPU26は、動画変換処理された動画データをインターネットを介して携帯電話1に転送する。
【0069】
なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0070】
第2実施形態では、上記のように、テレビジョン放送を受信可能なテレビ放送受信部27と、録画要求信号に基づいて所定の番組を録画するように制御するCPU26と、携帯機器情報に基づいて録画された所定の番組を携帯電話1が再生可能な動画データに動画変換処理する動画変換処理部26aと、動画変換処理部26aにより動画変換処理された再生可能な動画データを記憶するメモリ部21とをルータ202に設けることによって、ルータ202単独で、録画要求信号に基づいて録画を行うとともに、携帯機器情報に基づいて個々の携帯電話1に応じて動画変換処理を行うことができるので、ルータ202以外に録画機能や動画変換処理機能を有するDVDレコーダやPCなどの装置を別途設ける必要がない。
【0071】
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0072】
(第3実施形態)
次に、図9〜図12を参照して、第3実施形態について説明する。この第3実施形態では、上記第1実施形態と異なり、インターネットを介さないでルータ302から携帯電話301に動画データを転送する動画変換システム300について説明する。なお、携帯電話301は、本発明の「携帯機器」の一例である。
【0073】
本発明の第3実施形態による動画変換システム300は、図9に示すように、宅内(家庭内や企業内など)において、インターネットを介さないでルータ302から携帯電話301に動画データを転送するように構成されている。
【0074】
携帯電話301は、図10に示すように、表示部11、操作部12、音声入出力部13、メモリ部14、電源・充電部15、データ送受信部16、テレビ放送受信部17およびCPU18に加えて、データ送受信部(ルータ間用)19をさらに備えている。
【0075】
データ送受信部19は、インターネットを介さないでルータ202との間で各種の信号およびデータを送受信するために設けられている。データ送受信部19は、たとえば、Wi−Fi(登録商標)やBluetooth(登録商標)、IrDA(登録商標)などに対応するように構成されており、インターネットを介さないでルータ202と通信可能なように構成されている。
【0076】
ルータ302は、図9に示すように、宅内(家庭内や企業内など)の所定の場所に固定的に設置されるように構成されている。また、ルータ302は、図11に示すように、メモリ部21、電源部22、データ送受信部23〜25およびCPU26に加えて、データ送受信部28をさらに備えている。なお、データ送受信部28は、本発明の「第1通信部」の一例である。
【0077】
データ送受信部28は、インターネットを介さないで他の機器との間で各種の信号およびデータを送受信するために設けられている。データ送受信部28は、たとえば、Wi−Fi(登録商標)やBluetooth(登録商標)、IrDA(登録商標)、USBなどに対応するように構成されており、インターネットを介さないで他の機器と通信可能なように構成されている。
【0078】
また、ルータ302のメモリ部21の不揮発性メモリ21aには、後述する第3実施形態による動画変換システム300の録画・動画変換処理の際にCPU26により実行される処理プログラム321cが格納されている。
【0079】
次に、図12を参照して、本発明の第3実施形態による動画変換システム300の録画・動画変換処理動作について説明する。なお、動画変換システム300により録画・動画変換処理が実行される際には、ルータ302のCPU26は処理プログラム321cを実行する。また、第3実施形態では、上記第1実施形態と同様の動作については図12のフローチャートに図6と同じステップ番号を付してその説明を省略する。
【0080】
第3実施形態による動画変換システム300の録画・動画変換処理動作は、図12に示すように、ルータ302の動作のステップS18とステップS19との間に、携帯電話301とデータ通信可能か否かを判断する動作を追加しているところが上記第1実施形態と異なる。具体的には、ルータ302のCPU26は、ステップS18において携帯機器情報に基づいて動画変換処理を行った後、ステップS301において、携帯電話301とデータ通信可能か否かを判断する。詳細には、CPU26は、携帯電話301がインターネットを介さないで通信可能な範囲(Wi−Fi(登録商標)やBluetooth(登録商標)、IrDA(登録商標)などにより通信可能な範囲)に位置しているか否かを判断し、携帯電話301が通信可能な範囲内に位置する場合にデータ通信可能であると判断する。CPU26は、携帯電話301が通信可能な範囲に位置するまでこの判断を繰り返し、携帯電話301が通信可能な範囲内に位置すると、ステップS19において、インターネットを介さないで、Wi−Fi(登録商標)やBluetooth(登録商標)、IrDA(登録商標)などにより、動画データをデータ送受信部28を介して携帯電話301に転送する。すなわち、携帯電話301がルータ302との通信が可能な範囲内に入ると、ルータ302から携帯電話301にインターネットを介さないで自動的に動画データが転送される。
【0081】
なお、第3実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0082】
第3実施形態では、上記のように、インターネットを介さないで携帯電話301と通信可能なデータ送受信部28をルータ302に設けるとともに、データ送受信部28により通信可能な範囲内に携帯電話301が位置する場合に、動画変換処理された再生可能な動画データをデータ送受信部28により携帯電話301に転送するようにルータ302を構成することによって、比較的データサイズの大きい動画データを、IrDA(登録商標)による通信などを用いてデータ送受信部28によりインターネットを介さないで携帯電話301に転送することができるので、インターネットが混雑している場合でも動画データを携帯電話301に良好に転送することができる。また、データサイズの大きい動画データの転送にインターネットを用いない分、パケット代などのインターネットの使用料を低減することができる。
【0083】
なお、第3実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0084】
(第4実施形態)
次に、図11および図13〜図15を参照して、第4実施形態について説明する。この第4実施形態では、上記第3実施形態と異なり、携帯電話401が充電クレードル410に接続された際に、インターネットを介さないでルータ302から携帯電話401に動画データを転送する動画変換システム400について説明する。なお、携帯電話401は、本発明の「携帯機器」の一例である。
【0085】
本発明の第4実施形態による動画変換システム400は、図13に示すように、宅内(家庭内や企業内など)において、携帯電話401が充電クレードル410に接続されると、インターネットを介さずに充電クレードル410を介してルータ302から携帯電話401に動画データを転送するように構成されている。
【0086】
携帯電話401は、図14に示すように、表示部11、操作部12、音声入出力部13、メモリ部14、電源・充電部15、データ送受信部16、テレビ放送受信部17およびCPU18に加えて、データ送受信部(クレードル間用)20をさらに備えている。
【0087】
データ送受信部20は、インターネットを介さないで充電クレードル410との間で各種の信号およびデータを送受信するために設けられている。データ送受信部20は、たとえば、Wi−Fi(登録商標)やUSBなどに対応するように構成されており、インターネットを介さないで充電クレードル410と通信可能なように構成されている。
【0088】
また、ルータ302のメモリ部21の不揮発性メモリ21aには、後述する第4実施形態による動画変換システム400の録画・動画変換処理の際にCPU26により実行される処理プログラム421c(図11参照)が格納されている。
【0089】
充電クレードル410は、携帯電話401が接続された際に携帯電話401を充電するように構成されている。また、充電クレードル410は、ルータ302から送信されるデータを充電クレードル410に接続された携帯電話401に転送する機能を有している。また、充電クレードル410は、図14に示すように、データ送受信部(携帯電話間用)411と、データ送受信部(ルータ間用)412と、CPU413とを備えている。
【0090】
データ送受信部(携帯電話間用)411は、インターネットを介さないで携帯電話401との間で各種の信号およびデータを送受信するために設けられている。データ送受信部411は、たとえば、Wi−Fi(登録商標)やUSBなどに対応するように構成されており、インターネットを介さないで携帯電話401と通信可能なように構成されている。
【0091】
データ送受信部(ルータ間用)412は、インターネットを介さないでルータ302との間で各種の信号およびデータを送受信するために設けられている。データ送受信部412は、たとえば、Wi−Fi(登録商標)やBluetooth(登録商標)、IrDA(登録商標)、USBなどに対応するように構成されており、インターネットを介さないでルータ302と通信可能なように構成されている。
【0092】
上記のような構成により、充電クレードル410は、ルータ302から送信されるデータをデータ送受信部(ルータ間用)412により受信して、受信したデータをそのまま接続された携帯電話401にデータ送受信部(携帯電話間用)411により転送することが可能である。
【0093】
次に、図15を参照して、本発明の第4実施形態による動画変換システム400の録画・動画変換処理動作について説明する。なお、動画変換システム400により録画・動画変換処理が実行される際には、ルータ302のCPU26は処理プログラム421c(図11参照)を実行する。また、第4実施形態では、上記第3実施形態と同様の動作については図15のフローチャートに図12と同じステップ番号を付してその説明を省略する。
【0094】
第4実施形態による動画変換システム400の録画・動画変換処理動作は、図15に示すように、ルータ302の動作のステップS18とステップS19との間において、携帯電話401が充電クレードル410に接続されたか否かを判断する点で上記第3実施形態と異なる。具体的には、ルータ302のCPU26は、ステップS18において携帯機器情報に基づいて動画変換処理を行った後、ステップS401において、携帯電話401が充電クレードル410に接続されたか否かを判断する。ここで、携帯電話401が充電クレードル410に接続されたとは、有線通信の場合には、携帯電話401および充電クレードル410が互いに物理的に接続(ケーブル等で接続)されたことを意味し、無線通信の場合には、携帯電話401および充電クレードル410が互いに通信可能となったことを意味する。
【0095】
CPU26は、携帯電話401が充電クレードル410に接続されるまでこの判断を繰り返し、携帯電話401が充電クレードル410に接続されると、ステップS19において、インターネットを介さずに充電クレードル410を介して動画データを携帯電話401に転送する。具体的には、CPU26は、Wi−Fi(登録商標)やBluetooth(登録商標)、IrDA(登録商標)、USBなどにより、動画データをデータ送受信部28を介して充電クレードル410に転送する。これにより、充電クレードル410により、ルータ302から転送された動画データがそのまま携帯電話401に転送される。すなわち、携帯電話1が充電クレードル410に接続されると、ルータ302から携帯電話401にインターネットを介さないで自動的に動画データが転送される。なお、データ送受信部28は、本発明の「第2通信部」の一例である。
【0096】
なお、第4実施形態のその他の構成は、上記第3実施形態と同様である。
【0097】
第4実施形態では、上記のように、携帯電話401の充電クレードル410と通信可能なデータ送受信部28をルータ302に設けるとともに、携帯電話401が充電クレードル410に接続された場合に、動画変換処理された再生可能な動画データをデータ送受信部28により充電クレードル410を介して携帯電話401に転送するようにルータ302を構成することによって、比較的データサイズの大きい動画データを、データ送受信部28によりインターネットを介さずに充電クレードル410経由で携帯電話401に転送することができるので、インターネットが混雑している場合でも動画データを携帯電話401に良好に転送することができる。また、携帯電話401が充電クレードル410に接続された場合に動画データの転送を行うことによって、携帯電話401を充電しながら動画データを転送することができる。また、データサイズの大きい動画データの転送にインターネットを用いない分、パケット代などのインターネットの使用料を低減することができる。
【0098】
なお、第4実施形態のその他の効果は、上記第3実施形態と同様である。
【0099】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0100】
たとえば、上記第1実施形態〜第4実施形態では、携帯機器情報の一例として、携帯電話が再生可能な動画フォーマットおよび動画サイズの両方の情報を含む携帯機器情報を示したが、本発明はこれに限らず、動画フォーマットまたは動画サイズの一方だけの情報を含む携帯機器情報であってもよい。たとえば、動画サイズの情報のみを携帯機器情報に含ませて携帯電話からルータに送信し、ルータまたは電子機器の動画変換処理部により、送信された動画サイズと携帯電話に一般的に用いられる動画フォーマットとに基づいて、個々の携帯機器に応じた動画変換処理を行うようにしてもよい。
【0101】
また、上記第1実施形態〜第4実施形態では、携帯機器の一例として、携帯電話を示したが、本発明はこれに限らず、PDA(Personal Digital Assistant)などの携帯情報端末や小型のノートパソコンなど携帯電話以外の携帯機器であってもよい。
【0102】
また、上記第1実施形態、第3実施形態および第4実施形態では、本発明の電子機器の一例として、DVDレコーダおよびPCを示したが、本発明はこれに限らず、テレビ放送受信部を備え、テレビ放送番組を録画可能な装置であれば、たとえば、HDDレコーダなどのDVDレコーダおよびPCとは異なる装置であってもよい。
【0103】
また、上記第1実施形態〜第4実施形態では、ルータに、2つの電子機器(DVDレコーダおよびPC)を接続する構成の例を示したが、本発明はこれに限らず、1つまたは3つ以上の電子機器をルータに接続する構成であってもよい。
【0104】
また、上記第2実施形態では、ルータに、録画機能を有するDVDレコーダおよびPCを接続する構成の例を示したが、本発明はこれに限らず、ルータに、録画機能を有さない電子機器だけを接続する構成であってもよいし、全く電子機器を接続しない構成であってもよい。
【0105】
また、上記第1実施形態、第3実施形態および第4実施形態では、PCにより動画変換処理が全て終了した後に変換処理後の動画データをルータに転送する構成の例を示したが、本発明はこれに限らず、PCにより動画変換処理しながら、変換処理済みの部分を順次ルータに転送する構成であってもよい。
【0106】
また、上記第3実施形態および第4実施形態では、動画変換処理が全て終了した変換処理後の動画データをルータから携帯機器に転送する構成の例を示したが、本発明はこれに限らず、ルータで動画変換処理しながら、変換処理済みの部分を順次携帯機器に転送する構成であってもよい。この場合、動画変換処理を全て終了させた後に動画データを転送する場合に比べて、動画データの転送を迅速に終了させることができる。
【符号の説明】
【0107】
1、301、401 携帯電話(携帯機器)
2、202、302 ルータ
3 DVDレコーダ(電子機器)
4 PC(電子機器)
21 メモリ部(記憶部、録画部)
23 データ送受信部(受信部)
26 CPU(制御部)
26a 動画変換処理部
27 テレビ放送受信部
28 データ送受信部(第1通信部、第2通信部)
100、200、300、400 動画変換システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テレビジョン放送の視聴および動画データの再生が可能であるとともに、ネットワーク接続が可能な携帯機器と、
所定の場所に固定的に設置され、前記ネットワークを介して前記携帯機器と通信可能なルータとを備え、
前記携帯機器は、前記テレビジョン放送の所定の番組の録画を要求する録画要求信号と、前記携帯機器が再生可能な動画フォーマットおよび動画サイズの少なくとも一方の情報を含む携帯機器情報とを前記ネットワークを介して前記ルータに送信するように構成され、
前記ルータにより受信された前記録画要求信号に基づいて前記所定の番組を録画するとともに、前記ルータにより受信された前記携帯機器情報に基づいて録画された前記所定の番組を前記携帯機器が再生可能な動画データに動画変換処理し、かつ、動画変換処理された前記再生可能な動画データを前記携帯機器に転送するように構成されている、動画変換システム。
【請求項2】
前記携帯機器情報は、前記携帯機器が再生可能な動画フォーマットおよび動画サイズの両方の情報を含む、請求項1に記載の動画変換システム。
【請求項3】
前記所定の場所に固定的に設置されたルータに接続され、前記ルータを介して前記ネットワークに接続されるとともに、前記テレビジョン放送を受信可能な電子機器をさらに備え、
前記ルータは、前記録画要求信号に基づいて前記所定の番組の録画を指示する録画指示信号を前記電子機器に送信するように制御する制御部を含み、
前記電子機器は、前記録画指示信号を受信した場合に、前記所定の番組を録画するように構成されている、請求項1または2に記載の動画変換システム。
【請求項4】
前記電子機器が複数設けられており、
前記ルータの前記制御部は、前記ルータにより前記録画要求信号が受信された場合に、前記所定の番組を録画可能であるか否かについて、複数の前記電子機器の状況を判断するとともに、判断結果に基づいて前記複数の電子機器のうちの録画可能である電子機器に前記録画指示信号を送信するように制御するように構成されている、請求項3に記載の動画変換システム。
【請求項5】
前記ルータは、前記テレビジョン放送を受信可能なテレビ放送受信部と、前記ルータにより受信された前記録画要求信号に基づいて前記所定の番組を録画する録画部と、前記ルータにより受信された前記携帯機器情報に基づいて、前記録画された所定の番組を前記携帯機器が再生可能な動画データに動画変換処理する動画変換処理部と、前記動画変換処理部により動画変換処理された前記再生可能な動画データを記憶する記憶部とを含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の動画変換システム。
【請求項6】
前記ルータは、前記ネットワークを介さないで前記携帯機器と通信可能な第1通信部を含み、前記第1通信部により通信可能な範囲内に前記携帯機器が位置する場合に、前記動画変換処理された再生可能な動画データを前記第1通信部により前記携帯機器に転送するように構成されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の動画変換システム。
【請求項7】
前記ルータは、前記携帯機器の充電クレードルと通信可能な第2通信部を含み、前記携帯機器が前記充電クレードルに接続された場合に、前記動画変換処理された再生可能な動画データを前記第2通信部により前記充電クレードルを介して前記携帯機器に転送するように構成されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の動画変換システム。
【請求項8】
前記ルータは、前記動画変換処理された再生可能な動画データを前記ネットワークを介して前記携帯機器に転送するように構成されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の動画変換システム。
【請求項9】
携帯機器によりネットワークを介して送信される、テレビジョン放送の所定の番組の録画を要求する録画要求信号と、前記携帯機器が再生可能な動画フォーマットおよび動画サイズの少なくとも一方の情報を含む携帯機器情報とを受信する受信部を備え、
前記受信部により受信される前記録画要求信号に基づいて前記所定の番組が録画され、前記受信部により受信される前記携帯機器情報に基づいて録画された前記所定の番組が前記携帯機器により再生可能な動画データに動画変換処理され、かつ、動画変換処理された前記再生可能な動画データが前記携帯機器に転送されるように構成されるとともに、所定の場所に固定的に設置された、ルータ。
【請求項10】
前記テレビジョン放送を受信可能なテレビ放送受信部と、
前記受信部により受信される前記録画要求信号に基づいて前記所定の番組を録画する録画部と、
前記受信部により受信される前記携帯機器情報に基づいて前記録画された所定の番組を前記携帯機器が再生可能な動画データに動画変換処理する動画変換処理部と、
前記動画変換処理部により動画変換処理された前記再生可能な動画データを記憶する記憶部とを含む、請求項9に記載のルータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−4016(P2011−4016A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−143805(P2009−143805)
【出願日】平成21年6月17日(2009.6.17)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】