説明

動画推薦システム及び動画推薦方法

【課題】ユーザが手軽かつ効率的に動画コンテンツを視聴することができる装置を提供する。
【解決手段】動画コンテンツを構成するシーンに関連するキーワードと、前記キーワードが出現する時刻を示す時間軸情報と、を含むメタデータを取得するシーンメタデータ取得部と、ユーザが再生する動画コンテンツの情報を取得する動画コンテンツ情報取得部と、前記取得した動画コンテンツの情報に基づいて、前記取得したメタデータに含まれるキーワードにユーザの嗜好度を付与することによって生成されるコンテンツ嗜好情報を取得するコンテンツ嗜好情報取得部と、前記取得したコンテンツ嗜好情報に基づいて、前記動画コンテンツに含まれるキーワードのうち、高い嗜好度のキーワードを、ユーザに推薦するシーンに対応させて出力するシーン推薦部と、を備える動画推薦装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、動画コンテンツ及び動画コンテンツ内のシーンを推薦する動画推薦装置に関する。
【背景技術】
【0002】
地上波デジタル放送、BS放送、CS放送等、テレビの多チャンネル化に伴って番組数が増大している。さらに多数のネット動画も配信されており、ユーザが視聴可能な動画コンテンツは膨大な数となっている。また、HDDの大容量化や動画圧縮技術の進歩により、HDDレコーダーなどの録画機器に保存できる動画コンテンツ数も増加している。
【0003】
このため、ユーザが多くの動画コンテンツから好みの動画コンテンツを選択することは、非常に困難となっている。また、ユーザが動画視聴に費やせる時間は限りがあるため、好みの動画コンテンツを効率良くユーザが視聴できる要にすることが望まれている。
【0004】
そこで、過去にユーザが視聴した動画のタイトル、ジャンル、出演者名等に基づいて生成したユーザの嗜好情報に基づいて、動画コンテンツの推薦及び自動録画を行う技術が提案されている(例えば、特許文献1、2参照。)。
【0005】
また、動画コンテンツの動画データに含まれるキーワードを表示して、ユーザがキーワードを選択することで、効率よく興味あるシーンだけを視聴することができる技術が提案されている(例えば、特許文献3、4参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−13708号公報
【特許文献2】特開2007−96560号公報
【特許文献3】特開2008−148077号公報
【特許文献4】特開2009−77322号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1及び特許文献2に記載の技術は、ユーザの嗜好と合致した動画コンテンツをコンテンツ単位で推薦、自動録画する技術であり、動画コンテンツ内のどの部分がユーザの嗜好に合致しているかという情報をユーザに提供できない。このため動画コンテンツ内のあるシーンだけがユーザの嗜好に合致する場合に、ユーザは、嗜好に合致しないシーンを含めて視聴しなければならず、無駄な視聴時間を費やすことになる。
【0008】
そこで特許文献3及び特許文献4には、動画コンテンツを視聴するときに、ユーザがキーワードを選択することによって、そのキーワードが関係するシーンを視聴することができる技術が開示されている。しかし、動画コンテンツに多数のキーワードが含まれる場合、多数のキーワードから一つのキーワードを選択する操作は、ユーザにとって煩雑である。
【0009】
本発明は、ユーザの嗜好と高精度に合致する動画コンテンツ及び動画コンテンツ中のシーンを推薦し、ユーザが手軽かつ効率良く動画コンテンツを視聴することができるシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の代表的な一例を示せば以下の通りである。すなわち、動画推薦装置は、動画コンテンツを構成するシーンに関連するキーワードと、前記キーワードが出現する時刻を示す時間軸情報と、を含むメタデータを取得するシーンメタデータ取得部と、ユーザが再生する動画コンテンツの情報を取得する動画コンテンツ情報取得部と、前記取得した動画コンテンツの情報に基づいて、前記取得したメタデータに含まれるキーワードにユーザの嗜好度を付与することによって生成されるコンテンツ嗜好情報を取得するコンテンツ嗜好情報取得部と、前記取得したコンテンツ嗜好情報に基づいて、前記動画コンテンツに含まれるキーワードのうち、高い嗜好度のキーワードを、ユーザに推薦するシーンに対応させて出力するシーン推薦部と、を備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明の実施の形態によれば、ユーザは、自分の嗜好に合致する動画コンテンツ及びシーンを容易に選択することができるので、効率の良い視聴が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1実施形態における動画推薦システムのハードウェアの構成図である。
【図2】本発明の第1実施形態における動画推薦システムの機能を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1実施形態におけるシーンメタデータの構成の一例を示す説明図である。
【図4】本発明の第1実施形態におけるコンテンツ嗜好情報、シーン嗜好情報及びシーン推薦情報を構成するキーワード嗜好情報の一例を示す説明図である。
【図5】本発明の第1実施形態における動画コンテンツ推薦情報の構成の一例を示す説明図である。
【図6】本発明の第1実施形態における動画コンテンツ推薦情報の画面表示の一例を示す説明図である。
【図7】本発明の第1実施形態におけるシーン推薦情報の画面表示の一例を示す説明図である。
【図8】本発明の第1実施形態における動画推薦システムの具体的な動作を説明するフローチャートである。
【図9】本発明の第1実施形態における再生制御処理の動作を説明するフローチャートである。
【図10】本発明の第2実施形態における動画推薦システムの機能を示すブロック図である。
【図11】本発明の第3実施形態における動画推薦システムの機能を示すブロック図である。
【図12】本発明の第4実施形態における動画推薦システムの機能を示すブロック図である。
【図13】本発明の第5実施形態における動画推薦システムの機能を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図1から図13を参照して説明する。
【0014】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態における動画推薦システムのハードウェアの構成図である。
【0015】
本実施形態の動画推薦システムは、録画機能付きテレビの例を示し、動画データ入力装置100、中央処理装置101、入力装置102、表示装置103、音声出力装置104、記憶装置105及び二次記憶装置106を備える。各装置は、バス107によって接続され、相互にデータの送受信が可能である。
【0016】
動画データ入力装置100は、記憶装置105又は二次記憶装置106に記憶される動画データから指定された動画データが入力されるモジュールある。動画データ入力装置100は、例えば、後述する記憶装置105または二次記憶装置106に格納されている動画データを読み込むモジュールであったり、テレビ放送を受信する場合はテレビのチューナユニットであったり、ネットワーク経由で動画データが入力される場合はLANカード等のネットワークカードである。
【0017】
中央処理装置101は、マイクロプロセッサを主体に構成されており、記憶装置105や二次記憶装置106に格納されるプログラムを実行することによって、本動画推薦システムの動作を制御する。
【0018】
入力装置102は、ユーザの操作指示を入力として受け付ける装置であって、例えば、リモコン、キーボード、タッチパネルなどである。
【0019】
表示装置103は、例えば、ディスプレイアダプタ、及びディスプレイアダプタに接続される液晶パネル又はプロジェクタであり、動画データ入力装置100に入力された動画データ又は入力装置102をユーザが操作することによって指示を入力する画面を表示する。
【0020】
音声出力装置104は、例えば、サウンドカード及びスピーカなどであり、動画データ入力装置100入力される動画データに含まれる音声を出力する。
【0021】
記憶装置105は、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)等の揮発性のメモリであり、中央処理装置101によって実行されるプログラム、本動画推薦システムにおいて処理されるデータ、及び再生される動画データを格納する。
【0022】
二次記憶装置106は、ハードディスク装置、DVD又はCDを装着可能な光ディスクドライブ、又はフラッシュメモリ等の不揮発性メモリであり、中央処理装置101によって実行されるプログラム、本動画推薦システムにおいて処理されるデータ、及び再生可能な動画データを格納する。なお、動画データ入力装置100に入力された動画データを本動画推薦システムに蓄積しない場合、二次記憶装置106を備えなくてもよい。
【0023】
本発明の動画推薦システムは、テレビ以外にも動画データを再生可能なハードディスクレコーダ、ビデオテープレコーダ、パーソナルコンピュータ、又は携帯電話機に適用できる。動画推薦システムがハードディスクレコーダ又はビデオテープレコーダである場合は、前記した構成のうち表示装置103及び音声出力装置104を備えなくてもよい。
【0024】
図2は、本実施形態における動画推薦システムの機能を示すブロック図である。図2に示す機能は、前述した中央処理装置101が記憶装置に格納されたプログラムを実行することによって実現される。なお、その機能の一部又は全部をハードウェアによって実現してもよい。
【0025】
本実施形態の動画推薦システムは、再生動画コンテンツ指定部201、動画入力部202、再生制御部203、表示部204、シーンメタデータ生成部205、指定キーワード取得部206、コンテンツ嗜好情報生成部207、動画コンテンツ推薦情報生成部208、シーンメタデータ保持部209、シーン嗜好情報生成部210及びシーン推薦情報生成部211を備える。
【0026】
再生動画コンテンツ指定部201は、複数の再生可能な動画コンテンツの中からユーザによる再生すべき動画コンテンツの指定を受け付ける。
【0027】
動画入力部202には、再生制御部203が要求する動画コンテンツや、シーンメタデータ生成部205がメタデータを生成する動画コンテンツが、動画データ入力装置100から入力される。動画入力部202は、入力された動画コンテンツ(動画データ)を再生制御部203及びシーンメタデータ生成部205に出力する。
【0028】
再生制御部203は、再生コンテンツ指定部201によって指定された動画コンテンツの入力を動画入力部202に指示し、動画入力部202に入力された動画データから再生画像及び再生音声を生成し、表示装置102及び音声出力装置104に出力することによって、これらの画像及び音声を再生する。再生処理の詳細は図9を用いて後述する。
【0029】
表示部204は、表示装置103に画像データを出力するドライバであって、再生制御部203から出力された再生動画コンテンツの画像を表示し、シーンメタデータ保持部209に保持されたシーンメタデータを含む選択画面を表示する。例えば、シーンメタデータのキーワードを一覧表示して、ユーザによるキーワードの選択を促す。さらに、表示部204は、シーン推薦情報生成部211及び動画コンテンツ推薦情報生成部208で生成される推薦情報を含む選択画面を表示する。
【0030】
シーンメタデータ生成部205は、動画入力部202に入力された動画データから、シーンの位置とキーワードを対応させたメタデータを生成し、生成されたシーンメタデータをシーンメタデータ保持部209に出力する。このシーンメタデータの詳細については後述する。
【0031】
指定キーワード取得部206は、表示部204に表示されるシーンメタデータ(キーワード)の選択画面を用いてユーザによって指定されたキーワード情報を取得し、取得したキーワード情報を、再生制御部203及びシーン嗜好情報生成部210に出力する。
【0032】
コンテンツ嗜好情報生成部207は、動画入力部202に入力された動画コンテンツから、コンテンツ嗜好情報を生成する。嗜好度は、ユーザの嗜好の強さを表す数値である。コンテンツ嗜好情報は、キーワード、及び、そのキーワードに対するユーザの嗜好度を含むもので、その詳細は図4を用いて後述する。
【0033】
動画コンテンツ推薦情報生成部208は、コンテンツ嗜好情報生成部207で生成されるコンテンツ嗜好情報と、シーン嗜好情報生成部210で生成されるシーン嗜好情報との一方又は両方を用いることによって、動画コンテンツ推薦情報を生成する。動画コンテンツ推薦情報生成部208は、生成した動画コンテンツ推薦情報を表示部204に出力する。
【0034】
シーンメタデータ保持部209は、生成されたシーンメタデータを保持し、保持されるシーンメタデータを表示部204及び再生制御部203に出力する。
【0035】
シーン嗜好情報生成部210は、指定キーワード取得部206に入力された指定キーワードに嗜好度を付与することによって、シーン嗜好情報を生成する。嗜好度は、ユーザの嗜好の強さを表す数値である。シーン嗜好情報は、キーワード、及び、そのキーワードに対するユーザの嗜好度を含むもので、その詳細は図4を用いて後述する。なお、シーン嗜好情報はコンテンツ嗜好情報と同じ構成である。
【0036】
シーン推薦情報生成部211は、コンテンツ嗜好情報生成部207で生成されるコンテンツ嗜好情報と、シーン嗜好情報生成部210で生成されるシーン嗜好情報との一方又は両方を用いることによって、シーン推薦情報を生成する。シーン推薦情報生成部211は、生成したシーン推薦情報を表示部204に出力する。
【0037】
シーン推薦情報は、コンテンツ嗜好情報及びシーン嗜好情報と同様に、キーワード、及び、そのキーワードに対するユーザの嗜好度を含む。シーン推薦情報が表示部204によって表示装置103に表示されるので、ユーザは嗜好度の重み付けがされたキーワードから、キーワードを指定することができる。このため、ユーザは、従来のように単なるキーワードの羅列から自分が興味をもつキーワードを探して指定する煩わしさがなく、手軽にキーワードを指定することができる。シーン推薦情報の詳細は図4を用いて後述する。
【0038】
ここで動画コンテンツ推薦情報は、動画コンテンツと、その動画コンテンツに対するユーザの嗜好度とを含む。動画コンテンツの嗜好度は、その動画コンテンツの中に含まれるキーワードに付与された嗜好度を合計したものを用いることができる。動画コンテンツ推薦情報が表示部204によって、表示装置103に表示されるので、ユーザは嗜好度の重み付けがなされた動画コンテンツから自分が興味をもつ動画コンテンツを指定することができる。動画コンテンツ推薦情報の詳細は図5を用いて後述する。
【0039】
次に、図3から図5を参照して、シーン推薦情報及び動画コンテンツ推薦情報の生成について説明する。
【0040】
まず、図3を参照してシーンメタデータ生成部205によって生成され、シーンメタデータ保持部209に保持されるシーンメタデータについて説明する。図3は、シーンメタデータの構成の一例を説明する図である。
【0041】
シーンメタデータは、キーワード301及びそのキーワードに対応するシーンの出現位置302を含む。
【0042】
キーワード301は、動画コンテンツを構成するシーンに含まれる情報であり、動画コンテンツの音声、テロップ、字幕などから抽出される。出現位置302は、動画コンテンツの開始からキーワードに対応するシーンが始まるまでの経過時間である。図3では、一つのキーワードに一つの出現位置情報を対応させているが、一つのキーワードに対して複数の出現位置情報を対応させてもよい。
【0043】
ここで、シーンメタデータについて具体的に例を挙げて説明する。動画コンテンツが音楽番組である場合、主に歌唱シーンによって番組が構成される。そして歌唱シーンは歌手によって分けられる。このとき、出演する歌手名をキーワード301とし、その歌手が歌い始める時間を出現位置302に対応させてシーンメタデータを構成することができる。また、動画コンテンツが複数の話題を扱う情報番組である場合、「ダイエット」「京都」など話題を表す言葉をキーワード301とし、言葉が発せられる又は字幕に出てくる時間を出現位置302に対応させてシーンメタデータを構成することができる。
【0044】
次に、コンテンツ嗜好情報生成部207で生成されるコンテンツ嗜好情報、シーン嗜好情報生成部210で生成されるシーン嗜好情報及びシーン推薦情報生成部211で生成されるシーン推薦情報について説明する。
【0045】
図4は、コンテンツ嗜好情報、シーン嗜好情報及びシーン推薦情報の構成の一例を説明する図である。
【0046】
コンテンツ嗜好情報、シーン嗜好情報及びシーン推薦情報は、キーワード601及びそのキーワードに対するユーザの嗜好度602を含む。
【0047】
キーワード601は、前述したシーンメタデータを構成するキーワード301と同じものを用いる。嗜好度602は、ユーザが各キーワードに対してどの程度興味を持っているか、すなわち嗜好の強さを表す数値である。嗜好度602は、ユーザによって指定される再生動画コンテンツ及びキーワードの履歴を用いて、繰り返し選ばれるキーワードの嗜好度が高くなるように設定される。
【0048】
本実施の形態ではコンテンツ嗜好情報及びシーン嗜好情報を考慮してシーン推薦情報が生成される場合について説明する。
【0049】
まず、再生する動画コンテンツがユーザによって選択される。そしてコンテンツ嗜好情報が生成される。
【0050】
コンテンツ嗜好情報は、動画入力部202に入力された動画データの履歴と、動画コンテンツに対するユーザの操作履歴と、電子番組表(Electronic Program Guide)などの動画コンテンツに関する付加情報とを取得して、キーワードの嗜好度を計算することができる。このコンテンツ嗜好情報の計算には、例えば、特許文献1や特許文献2に記載されている方法を使用することができる。
【0051】
すなわち、よく視聴・録画・再生する動画コンテンツの情報に含まれるキーワードに対するユーザの嗜好が高いと判定し、その動画の再生等の操作の頻度、動画コンテンツに付与された全キーワードをデータに含む番組が再生等された頻度などに基づいて、嗜好度を計算する。
【0052】
さらに、指定されたキーワードから得られるシーン嗜好情報と、操作履歴及び番組情報から得られるコンテンツ嗜好情報を統合して、嗜好度を求めてもよい。
【0053】
具体的には、ユーザによって指定された再生動画コンテンツに含まれるキーワードに対して一律に1ポイントの嗜好度が付与される。また、同一再生動画コンテンツ内で同じキーワードが出現する回数を乗じたポイントを付与してもよい。このとき、キーワードAの出現回数が多ければ、キーワードAの嗜好度s1は他のキーワードの嗜好度より大きくなる。また、再生動画コンテンツのジャンル及びキーワードの種別に応じてキーワードに付与する嗜好度を変更してもよい。例えば、ドラマの場合は、出演者のキーワードに他のキーワードよりも高い重み付けをしてポイントを付与してもよい。また、旅番組の場合は、地名のキーワードに他のキーワードより高い重み付けをしてポイント付与してもよい。このように、コンテンツ内でキーワードの重み付けを変えることによって、ユーザの嗜好に近付けることができる。
【0054】
また、ユーザによって指定されたキーワードには、コンテンツから抽出されたキーワードより高い(例えば、10ポイントの)嗜好度を付与してもよい。さらに、キーワードが複数回出現する場合、1回の出現に対して付与されるポイントに出現回数を乗じた値を付与してもよい。
【0055】
具体的には、キーワードA、Bの各々の出現回数が2回、その他のキーワードC〜Eの各々の出現回数が1回、ユーザが指定したキーワードがAである場合、キーワードAの嗜好度s1は22ポイント、キーワードBの嗜好度s2は2ポイント、キーワードC〜Eの嗜好度s3〜s5は各々1ポイントとなる。このようにユーザに視聴される機会が多いシーンに係るキーワードは、ポイントが積算されて、高い嗜好度が設定される。
【0056】
シーン嗜好情報とコンテンツ嗜好情報の相互利用は、コンテンツ嗜好情報とシーン嗜好情報とを1対1で加算して嗜好度を求めたが、どちらかの嗜好情報を重み付けをして嗜好度の求めてもよい。例えば、あるキーワードについて、シーン嗜好情報から得られる嗜好度がT1であり、コンテンツ嗜好情報から得られる嗜好度がT2である場合、そのキーワードの嗜好度を、α・T1+β・T2によって求める。この場合、キーワードの特性により、α及びβの値を変えることによって、どちらかの嗜好情報を重視した嗜好度を得ることができる。キーワードの特性は番組ジャンルなどを基準に分類できる。α又はβを0とした場合、シーン嗜好情報かコンテンツ嗜好情報のいずれかを使用することができる。以上の方法で求めた嗜好度は、後述するシーンメタデータのキーワード優先表示と、動画コンテンツ推薦情報の生成に対して利用される。
【0057】
また、歌番組、お笑い番組などの出演者や、野球などのスポーツの出場選手など、登場シーンが明確で、出演者名や選手名がキーワードとして指定されて視聴される場合が多い動画コンテンツでは、それらのキーワードに対するシーン嗜好情報を精度よく取得することができる。
【0058】
一方、コンテンツ嗜好情報では、動画コンテンツ情報の中に含まれる複数の出演者のうち、ユーザの嗜好がどの出演者に対して強いのかを早期に判別することは難しく、また、選手名などのキーワードは、動画コンテンツ情報からは取得しにくい。このため、キーワードに対するコンテンツの嗜好情報を取得しにくい。そのため、シーン嗜好情報を用いると、これらの欠点を補うことが可能となり、動画コンテンツ推薦情報生成部208で生成される動画コンテンツ推薦情報データの精度を向上させることができる。
【0059】
一方、ドラマや、番組全体を通して統一したテーマを扱っている番組などでは、シーンを選択して視聴するより、全体を視聴する場合が多い。このため、シーンに対するキーワードが指定されにくい。従って、ドラマ出演者などのキーワードに対するシーン嗜好情報生成部210では嗜好が生成されにくい場合がある。このようなキーワードについては、コンテンツ嗜好情報を利用して、後述するシーン選択のためのキーワードを効果的に提示できる。
【0060】
コンテンツ嗜好情報とシーン嗜好情報との間でキーワードに付与する嗜好度のポイントが異なるのは、再生動画コンテンツに含まれるキーワードより、動画コンテンツ中でユーザが指定したキーワードのほうが、ユーザの嗜好度が強いからである。このように、ユーザの指定に高い重み付けをして嗜好度を設定することによって、ユーザの嗜好度をより正確に表すことができる。
【0061】
キーワードの嗜好度は、ユーザが再生動画コンテンツを選択するとき及びユーザがキーワードを指定するときに更新される。このためユーザの操作回数が多くなるほど、ユーザの嗜好度をより正確に表すことができる。
【0062】
また、コンテンツ嗜好情報及びシーン嗜好情報を考慮してキーワードに嗜好度が付与されるので、ユーザの嗜好情報の精度が向上する。例えば、動画コンテンツが歌番組やお笑い番組など出演者毎の登場シーンが明確な番組である場合、ユーザは特定の出演者を指定して視聴する可能性が高い。このとき、ユーザのお気に入りの出演者を強調する嗜好度をコンテンツ嗜好情報に付与することができないが、シーン嗜好情報にはユーザのお気に入りの出演者に確実に嗜好度を付与することができる。逆に、動画コンテンツがドラマなど全体を通して視聴する可能性が高い番組である場合、シーン嗜好情報を得にくい。しかし、コンテンツ嗜好情報は得られるので、ある程度のユーザの嗜好情報は得ることができる。このようにコンテンツ嗜好情報及びシーン嗜好情報を利用することによって、ユーザの嗜好を確実に数値化して嗜好度に表すことができる。
【0063】
次に、動画コンテンツ推薦情報生成部208で生成される動画コンテンツ推薦情報について説明する。
【0064】
図5は、動画コンテンツ推薦情報の構成の一例を説明する図である。
【0065】
動画コンテンツ推薦情報は、コンテンツ701及びそのコンテンツに対するユーザの嗜好度702を含む。動画コンテンツ推薦情報は、嗜好度702の高い順にコンテンツが並べられている。
【0066】
コンテンツ701は、タイトル、放送日時、コンテンツ種別のような、動画コンテンツを特定する情報である。コンテンツ701に情報が登録される動画コンテンツは、ユーザが選択可能かつ再生可能な動画コンテンツであり、これから放映される番組、録画済番組、ネット動画などが含まれる。
【0067】
嗜好度702は、ユーザにとって各コンテンツにどの程度興味がありそうか、すなわち、ユーザの嗜好の強さ表す数値である。例えば、嗜好度702は、コンテンツに含まれるキーワードに対するユーザの嗜好度の合計値を用いることができる。より具体的には、コンテンツAが嗜好度TAのキーワードAと嗜好度TBのキーワードBを含んでいる場合、コンテンツAの嗜好度はTA+TBによって定義することができる。また、キーワードA、Bの出現回数NA、NBを考慮する場合、コンテンツAの嗜好度はTA×NA+TB×NBによって定義することができる。
【0068】
動画コンテンツ推薦情報は、出演者、ジャンル、コンテンツ内容などの付加情報を含んでもよい。また、動画コンテンツ推薦情報は、コンテンツ種別ごとに生成されてもよい。
【0069】
次に、図6、図7を参照して、生成された動画コンテンツ推薦情報及びシーン推薦情報がユーザに提供される方法について具体的に説明する。
【0070】
図6は、動画コンテンツ推薦情報の画面表示の一例を説明する図である。
【0071】
ユーザに推薦する動画コンテンツは、嗜好度に応じて画面上の表示領域、位置が異なり、例えば、嗜好度702が高い順に表示される。図6に示す画面には、コンテンツAの嗜好度が最も高いことが示されている。具体的には、嗜好度の高いコンテンツAは画面上の上部に、他のコンテンツよりも表示領域が大きく表示する。また、各コンテンツの表示領域の色を変えてもよい。このように嗜好度に応じてコンテンツの表示に差を設けることで、ユーザが嗜好度の高いコンテンツを判別しやすくなる。
【0072】
ユーザは、動画コンテンツ推薦情報表示画面を見ながら、入力装置102を操作することによって再生するコンテンツを選択する。
【0073】
図7は、シーン推薦情報の画面表示の一例を説明する図である。
【0074】
シーン推薦情報画面は、図6に示す画面において、再生する動画コンテンツが選ばれた後に表示される。ユーザに推薦されるシーンは、嗜好度が高いキーワード501が選択しやすい位置に表示される。例えば、嗜好度が最も高いキーワードAは、ユーザが選択しやすい画面の下部に位置するように表示される。また、画面上には時間軸バー502が表示される。そして時間軸バー502には、図7に示すシーン推薦情報表示画面において仮選択されているキーワードEの出現位置情報503、504がマーカによって表示される。
【0075】
このように、ユーザは、キーワードとシーンの位置を表示することによって、キーワードと、そのキーワードの出現位置を簡単に把握することができる。
【0076】
また、マーカ503、504の数からキーワードの登場頻度が分かるので、ユーザは、キーワードの嗜好度だけでなく、その頻度からもシーンを選ぶことができる。
【0077】
次に、第1実施形態における動画推薦システムによる処理についてフローチャートを用いて説明する。図8は、第1実施形態における動画推薦システムの具体的な動作を説明するフローチャートである。本動作は、中央処理装置101が記憶装置105に格納されたプログラムを実行することによって実現される。
【0078】
まず、テレビの電源パワーがONになったことが検出された後、動画コンテンツ推薦ボタンの操作が検出される(ステップ1302)。動画コンテンツ推薦ボタンは、録画された動画コンテンツの中からお勧めのコンテンツを紹介して欲しいときにユーザによって操作されるボタンであり、ユーザが操作するリモコン等に設けられる。
【0079】
その後、動画コンテンツ推薦情報生成部208が、動画コンテンツ推薦情報を生成し(ステップ1303)、生成した動画コンテンツ推薦情報を表示部204に出力する(ステップ1304)。出力された動画コンテンツ推薦情報は、図6に示すようにテレビ等の表示画面に表示される。
【0080】
その後、再生動画コンテンツ取得部201が、再生する動画コンテンツを受け付ける(ステップ1305)。再生する動画コンテンツは、テレビ画面に表示された動画コンテンツ推薦情報の中からユーザによって選択される。動画コンテンツ取得ステップでは、記憶装置105や二次記憶装置106に記録されている再生可能な動画コンテンツを、表示部204が表示装置103に一覧表示する(例えば、図6に示す動画コンテンツ推薦情報画面)。その後、ユーザが、入力装置102を用いてコンテンツを選択することによって、再生するコンテンツを指定することができる。
【0081】
次に、動画入力部202が、再生する動画コンテンツを取得する(ステップ1306)。
【0082】
次に、コンテンツ嗜好情報生成部207が、コンテンツ嗜好情報を生成する(ステップ1307)。なお、入力された動画コンテンツの情報を保存しておき、コンテンツの再生とは別のタイミングでコンテンツ嗜好情報を生成してもよい。
【0083】
次に、シーン推薦情報生成部211が、キーワードを出力する(ステップ1308)。ここで出力されるキーワードは、シーン推薦情報に基づいて、嗜好度の高い順にシーン推薦情報表示画面に表示される(図7)。
【0084】
次に、シーン推薦情報生成部211が、キーワード出現情報を出力する(ステップ1309)。キーワード出現情報とは、キーワードが含まれるシーンの位置の情報であり、動画コンテンツ開始からの経過時間で表される。本実施形態では、図7のように、ユーザが選択するキーワードを決定する前に、画面上に表示されたキーワードを仮選択すると、そのキーワードの出現情報がシーン推薦情報表示画面上の時間軸バー502に表示される。
【0085】
ユーザが入力装置102を用いてキーワードを指定した後、指定キーワード取得部207は、ユーザによって指定されたキーワードを検出する(ステップ1310)。
【0086】
シーン嗜好情報生成部210は、指定されたキーワードに基づいてシーン嗜好情報を生成し、メモリに保存する(ステップ1311)。なお、指定されたキーワードの情報を保存しておき、コンテンツの再生と別のタイミングでシーン嗜好情報を生成してもよい。
【0087】
その後、再生制御部203は、再生する動画コンテンツの再生制御処理を実行する(ステップ1312)。再生された動画コンテンツは、表示部204に出力され、表示装置103に表示される。
【0088】
次に、前述したステップ1312の再生制御処理について説明する。
【0089】
図9は、再生制御処理を説明するフローチャートである。図9に示す再生制御処理は中央処理装置101が記憶装置105に格納された動画再生プログラムを実行することによって実現され、より具体的には再生制御部203によって実行される。
【0090】
まず、現在の再生位置を取得し(ステップ1201)、次の再生開始位置を取得する(ステップ1202)。動画コンテンツにおける位置は、動画コンテンツの開始からの経過時間で表される。次の再生開始位置を取得する(ステップ1202)。次の再生開始位置は、シーンメタデータ209のキーワード301の出現位置302を参照し、現在の再生位置よりも後で、かつ現在の再生位置に最も近い位置を取得することによって実現できる。
【0091】
その後、次の再生開始位置へジャンプし(ステップ1203)、当該再生開始位置から動画データを再生する(ステップ1204)。具体的には、動画データの当該再生位置からの再生画像を、表示部204から出力することによって表示装置103に表示する。また、動画データの当該再生位置からの再生音声を音声出力装置104へ出力する。
【0092】
次に、再生が終了したか否かを判定する(ステップ1205)。この再生終了判定は、ループの中で繰り返し実行される。再生が終了した場合、本再生制御処理を終了する。具体的には、その動画データを全て再生した場合、又は、ユーザによって再生終了ボタンが操作されるなど、視聴終了指示を受けた場合に、終了する。
【0093】
次に、再生位置の指定があるか否かを判定する(ステップ1206)。この再生位置の指定の有無の判定は、ループの中で繰り返し実行される。再生位置の指定がある場合、ステップ1201に戻り、指定された再生位置から動画コンテンツを再生する。再生位置を変更する指示がされていない場合、ステップS1204に戻り、この動画コンテンツの再生を続ける。なお、本再生制御処理では、新しい再生位置が指定されるまで、動画像のフレームが連続的にが再生される。
【0094】
以上説明したように、第1実施形態の動画推薦システムは、コンテンツ嗜好情報生成部207において、ユーザが再生を指定した動画コンテンツに含まれるキーワードに嗜好度を付与してコンテンツ嗜好情報を生成する。またシーン嗜好情報生成部210において、ユーザが再生動画コンテンツの中で視聴したいシーンを選ぶために指定したキーワードに嗜好度を付与してシーン嗜好情報を生成する。このようにキーワードにユーザの嗜好度を付与することによって、動画コンテンツの嗜好及びシーンの嗜好の両方を測ることができる。このため、コンテンツ嗜好情報とシーン嗜好情報とを組み合わせて、シーン推薦情報生成部211がシーン推薦情報を生成したり、動画コンテンツ推薦情報生成部208が動画コンテンツ推薦情報を生成することができる。
【0095】
また、第1実施形態の動画推薦システムは、再生可能な多数の動画コンテンツの中から、ユーザの嗜好度が高い動画コンテンツをユーザに推薦する。そして推薦される動画コンテンツはユーザの嗜好の程度が分かるように画面上に表示される。このためユーザは画面を見ながら自分の嗜好に合致する確率が高い動画コンテンツを容易に選ぶことができる。
【0096】
また、第1実施形態の動画推薦システムは、ユーザが選んだ再生動画コンテンツにおいてユーザの嗜好度が高いシーンをユーザに推薦する。シーンに対するユーザの嗜好度は、シーンに係るキーワードに付与されるユーザの嗜好度である。そしてキーワードは、嗜好度の高いキーワードがユーザに選択されやすいように画面上に表示される。さらに、ユーザがキーワードを仮選択すると、そのキーワードの出現位置が画面上の時間軸バーに表示される。このためユーザは再生動画コンテンツの中で自分の嗜好に合致するシーンを容易に選ぶことができる。さらにユーザは時間軸バーの出現位置マーカを選択して、その出現位置のシーンから動画コンテンツを再生することができる。ユーザは自分の嗜好に合う視聴したいシーンのみを再生することができるので、効率良い視聴ができる。
【0097】
さらに、シーンや動画コンテンツに対するユーザの嗜好度は、ユーザが選択した再生動画コンテンツに含まれるキーワードやユーザが指定したキーワードに付与される。そして、ユーザの嗜好度はユーザの選択回数が増えるほど積算される。すなわち、ユーザが選択したコンテンツやシーンに嗜好度が付与されるので、ユーザの嗜好に合うキーワードは確実に嗜好度が高くなる。よって、ユーザに推薦されるシーンや動画コンテンツはユーザの嗜好に合致する確率が高くなる。
【0098】
以上により、第1実施形態の動画推薦システムによって、ユーザは自分の嗜好に合致した動画コンテンツを選択して、動画コンテンツ内において嗜好に合致したシーンだけを手軽に効率良く視聴することができる。
【0099】
(第2実施形態)
図10は、本発明の第2実施形態における動画推薦システムの機能ブロック図である。
【0100】
前述した第1実施形態では、シーンメタデータを動画推薦装置(端末)で生成したが、シーンメタデータを端末以外のサーバで生成してもよい。第2実施形態は、シーンメタデータをサーバで生成する例である。なお、以下では、前述した第1実施形態と同じ機能を果たす構成には、同じ符号を付し、それらの説明を省略する。
【0101】
第2実施形態の動画推薦システムは、サーバ801及び端末804を備える。
【0102】
サーバ801は、マイクロプロセッサ、記憶装置(メモリ)、補助記憶装置(磁気ディスクドライブ)、通信インターフェースを備える計算機であって、シーンメタデータ生成部802、シーンメタデータ提供手段803及びシーンメタデータ保持部806を備える。
【0103】
シーンメタデータ生成部802は、シーンメタデータを生成し、シーンメタデータ保持部806に格納する。シーンメタデータ提供部803は、端末804から要求されたコンテンツのシーンメタデータを、シーンメタデータ保持部806から読み出し、端末804のシーンメタデータ取得部805に送信する。
【0104】
シーンメタデータ生成部802及びシーンメタデータ提供部803は、マイクロプロセッサがメモリに格納されたプログラムを実行することによって実現される。シーンメタデータ保持部806は、補助記憶装置に設けられる記憶領域である。
【0105】
シーンメタデータ生成部802によるシーンメタデータの生成は、動画コンテンツに含まれるシーンを象徴するキーワードと、そのキーワードの出現位置に基づいて、人手によって作成してもよいし、特許文献4に記載された方法によって生成してもよい。
【0106】
端末804は、シーンメタデータ取得部805、再生動画コンテンツ指定部201、動画入力部202、再生制御部203、表示部204、指定キーワード取得部206、コンテンツ嗜好情報生成部207、動画コンテンツ推薦情報生成部208、シーンメタデータ保持部209、シーン嗜好情報生成部210及びシーン推薦情報生成部211を備える。
【0107】
端末804は、シーンメタデータ取得部805がサーバ801から取得したシーンメタデータをシーンメタデータ保持部209に格納し、この格納されたシーンメタデータを用いて、前述した第1実施形態と同じ処理を実行する。
【0108】
(第3実施形態)
図11は、本発明の第3実施形態における動画推薦システムの機能ブロック図である。
【0109】
前述した第1実施形態では、動画コンテンツ推薦情報を動画推薦装置(端末)で生成したが、動画コンテンツ推薦情報を端末以外のサーバで生成してもよい。第3実施形態は、動画コンテンツ推薦情報をサーバで生成する例である。なお、以下では、前述した第1及び第2実施形態と同じ機能を果たす構成には、同じ符号を付し、それらの説明を省略する。
【0110】
第3実施形態の動画推薦システムは、サーバ903及び端末901を備える。
【0111】
サーバ903は、シーンメタデータ生成部802、シーンメタデータ提供部803、シーンメタデータ保持部806、動画コンテンツ推薦情報提供部906、嗜好情報取得部904、動画コンテンツ推薦情報生成部905及び動画コンテンツ推薦情報保持部909を備える。
【0112】
嗜好情報取得部904は、端末901の嗜好情報送信部902から送信された嗜好情報データを受信する。動画コンテンツ推薦情報生成部905は、受信した嗜好情報データに基づいて、動画コンテンツ推薦情報データを生成する。動画コンテンツ推薦情報提供部906は、動画コンテンツ推薦情報データを端末901の動画コンテンツ推薦情報取得部908に送信する。サーバ903の他の構成は前述した第2実施形態同じである。
【0113】
端末901は、シーンメタデータ取得部805、再生動画コンテンツ指定部201、動画入力部202、再生制御部203、表示部204、指定キーワード取得部206、コンテンツ嗜好情報生成部207、動画コンテンツ推薦情報生成部208、シーンメタデータ保持部209、シーン嗜好情報生成部210及びシーン推薦情報生成部211を備える。
【0114】
動画コンテンツ推薦情報生成部905が動画コンテンツ推薦情報データを生成する方法は、第1実施形態の動画コンテンツ推薦情報生成部208が動画コンテンツ推薦情報データを生成する方法と同様である。
【0115】
また、複数の端末から得た嗜好情報を用い、人気ランキング付けや協調フィルタリングをした後、複数ユーザの情報に基づいて動画コンテンツ推薦情報を生成してもよい。
【0116】
なお、第3実施形態では、シーンメタデータをサーバ903で生成したが、シーンメタデータ生成部を端末901に設け、シーンメタデータを端末901で生成してもよい。
【0117】
(第4実施形態)
図12は、本発明の第4実施形態における動画推薦システムの機能ブロック図である。
【0118】
前述した第1実施形態では、コンテンツ嗜好情報を動画推薦装置(端末)で生成したが、コンテンツ嗜好情報を端末以外のサーバで生成してもよい。第4実施形態は、コンテンツ嗜好情報をサーバで生成する例である。なお、以下では、前述した第1から第3実施形態と同じ機能を果たす構成には、同じ符号を付し、それらの説明を省略する。
【0119】
第4実施形態の動画推薦システムは、サーバ1003及び端末1001を備える。
【0120】
サーバ1003は、シーンメタデータ生成部802、シーンメタデータ提供部803、シーンメタデータ保持部806、コンテンツ嗜好情報生成部1004、嗜好情報保持部1005及び嗜好情報提供部1006を備える。端末1001は、シーンメタデータ取得部805、再生動画コンテンツ指定部201、動画入力部202、再生制御部1002、表示部204、指定キーワード取得部206、動画コンテンツ推薦情報生成部208、シーンメタデータ保持部209及びシーン嗜好情報生成部1008を備える。
【0121】
端末1001の再生制御部1002は、再生などの操作の履歴、及び指定キーワードから得られたシーン嗜好情報を、サーバ1003のコンテンツ嗜好情報生成部1004に送信する。
【0122】
コンテンツ嗜好情報生成部1004は、受信した情報(操作履歴、シーン嗜好情報)に基づいて、嗜好情報を生成し、嗜好情報保持部1005に格納する。コンテンツ嗜好情報生成部1004が嗜好情報を生成する方法は、第1実施形態のコンテンツ嗜好情報生成部207が嗜好情報を生成する方法と同様である。さらに、複数の端末から得た嗜好情報を用い、一般に人気の高い(嗜好度の高い)キーワードを求める等、複数ユーザを対象とする嗜好情報を生成してもよい。
【0123】
嗜好情報提供部1006は、嗜好情報保持部1005に格納された嗜好情報を、端末1001の嗜好情報取得部1007及びシーン嗜好情報生成部1008に送信する。端末1001の他の構成は、第3実施形態の動画推薦システム(端末901)と同じである。
【0124】
なお、第4実施形態では、シーンメタデータをサーバ1003で生成したが、シーンメタデータ生成部を端末1001に設け、シーンメタデータを端末1001で生成してもよい。
【0125】
(第5実施形態)
図13は、本発明の第5実施形態における動画推薦システムの機能ブロック図である。
【0126】
前述した第1実施形態では、コンテンツ嗜好情報及び動画コンテンツ推薦情報を動画推薦装置(端末)で生成したが、コンテンツ嗜好情報及び動画コンテンツ推薦情報を端末以外のサーバで生成してもよい。第5実施形態は、コンテンツ嗜好情報及び動画コンテンツ推薦情報をサーバで生成する例である。なお、以下では、前述した第1から第4実施形態と同じ機能を果たす構成には、同じ符号を付し、それらの説明を省略する。
【0127】
第5実施形態の動画推薦システムは、サーバ1101及び端末1106を備える。
【0128】
サーバ1101は、シーンメタデータ生成部802、シーンメタデータ提供部803、シーンメタデータ保持部806、コンテンツ嗜好情報生成部1102、動画コンテンツ推薦情報生成部1103、嗜好情報提供部1104、動画コンテンツ推薦情報提供部1105及び嗜好情報・動画コンテンツ推薦情報保持部1110を備える。端末1106は、シーンメタデータ取得部805、再生動画コンテンツ指定部201、動画入力部202、再生制御部1002、表示部204、指定キーワード取得部206、シーンメタデータ保持部209、動画コンテンツ推薦情報取得部1107、嗜好情報取得部1108及びシーン嗜好情報生成部1109を備える。
【0129】
前述した第4実施形態と同様に、サーバ1101のコンテンツ嗜好情報生成部1102が、端末1106の再生制御部1002及びシーン嗜好情報生成部1109から情報(操作履歴、シーン嗜好情報)を受信し、嗜好情報を生成する。嗜好情報の生成は第4実施形態と同じである。
【0130】
動画コンテンツ推薦情報生成部1103は、コンテンツ嗜好生成部1102が生成した嗜好情報に基づいて、動画コンテンツ推薦情報を生成し、嗜好情報・動画コンテンツ推薦情報保持部1110に格納する。動画コンテンツ推薦情報の生成は第3実施形態と同じである。
【0131】
嗜好情報提供部1104は、嗜好情報・動画コンテンツ推薦情報保持部1110に格納された嗜好情報を、端末1106の嗜好情報取得部1108及びシーン嗜好情報生成部1109に送信する。
【0132】
動画コンテンツ推薦情報提供部1105は、嗜好情報・動画コンテンツ推薦情報保持部1110に格納された動画コンテンツ推薦情報を、端末1106の動画コンテンツ推薦情報取得部1107に送信する。
【0133】
嗜好情報取得部1108及び動画コンテンツ推薦情報取得部1107が取得したデータ(シーン嗜好情報、動画コンテンツ推薦情報)に基づいて、第1実施形態と同様に表示処理を行う。
【0134】
なお、第5実施形態では、シーンメタデータをサーバ1101で生成したが、シーンメタデータ生成部を端末1106に設け、シーンメタデータを端末1106で生成してもよい。
【0135】
なお、以上説明した第2から第5実施形態では、シーン嗜好情報を端末で生成したが、シーン嗜好情報生成部をサーバに設け、シーン嗜好情報をサーバで生成してもよい。このように、シーンメタデータ生成、嗜好情報生成及び動画コンテンツ推薦情報生成のすべてを端末側で実行するように構成できるし、部分的にサーバ側で実行する構成もできる。
【0136】
本発明の実施形態によると、ユーザは嗜好に合致した動画コンテンツや、動画コンテンツ内のシーンだけを容易かつ効率よく視聴することができる。
【符号の説明】
【0137】
100 動画データ入力装置
101 中央処理装置
102 入力装置
103 表示装置
104 音声出力装置
105 記憶装置
106 二次記憶装置
201 再生コンテンツ指定部
202 動画入力部
203、1002 再生制御部
204 表示部
205、802 シーンメタデータ生成部
206 指定キーワード取得部
207、1004、1102 コンテンツ嗜好情報生成部
208、905、1103、 動画コンテンツ推薦情報生成部
209 シーンメタデータ保持部
210、1008、1109 シーン嗜好情報生成部
211 シーン推薦情報生成部
801、903、1003、1101 サーバ
803 シーンメタデータ提供部
804、901、1001、1106 端末
805 シーンメタデータ取得部
902、1006、1104 嗜好情報提供部
904、1007、1108 嗜好情報取得部
906、1105 動画コンテンツ推薦情報提供部
908、1107 動画コンテンツ推薦情報取得部
909 動画コンテンツ推薦情報保持部
1005 嗜好情報保持部
1110 嗜好情報・動画コンテンツ推薦情報保持部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動画コンテンツを構成するシーンに関連するキーワードと、前記キーワードが出現する時刻を示す時間軸情報と、を含むメタデータを取得するシーンメタデータ取得部と、
ユーザが再生する動画コンテンツの情報を取得する動画コンテンツ情報取得部と、
前記取得した動画コンテンツの情報に基づいて、前記取得したメタデータに含まれるキーワードにユーザの嗜好度を付与することによって生成されるコンテンツ嗜好情報を取得するコンテンツ嗜好情報取得部と、
前記取得したコンテンツ嗜好情報に基づいて、前記動画コンテンツに含まれるキーワードのうち、高い嗜好度のキーワードを、ユーザに推薦するシーンに対応させて出力するシーン推薦部と、を備えることを特徴とする動画推薦システム。
【請求項2】
前記動画コンテンツを再生する際に、ユーザによって指定されたキーワードを取得するキーワード取得部と、
前記取得したキーワードに基づいて、前記メタデータのキーワードにユーザの嗜好度を付与することによってシーン嗜好情報を生成するシーン嗜好情報生成部と、をさらに備え、
前記シーン推薦部は、前記生成されたシーン嗜好情報に基づいて、前記動画コンテンツに含まれるキーワードのうち、高い嗜好度のキーワードを、ユーザに推薦するシーンに対応させて出力することを特徴とする請求項1に記載の動画推薦システム。
【請求項3】
前記生成されたコンテンツ嗜好情報及び前記生成されたシーン嗜好情報に基づいて、前記動画コンテンツに含まれるキーワードにユーザの嗜好度を付与することによって生成されるコンテンツ推薦情報を取得するコンテンツ推薦情報取得部と、
前記取得したコンテンツ推薦情報に基づいて、高い嗜好度の動画コンテンツを、ユーザに推薦する動画コンテンツとして出力する動画コンテンツ推薦部と、を備えることを特徴とする請求項2に記載の動画推薦システム。
【請求項4】
前記シーン嗜好情報は、ユーザがキーワードを指定する場合に更新されることを特徴とする請求項2に記載の動画推薦システム。
【請求項5】
前記動画コンテンツの再生時にユーザによって指定されたキーワードを取得するキーワード取得部と、
前記指定されたキーワードに関連するシーンを再生する再生制御部と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の動画推薦システム。
【請求項6】
前記コンテンツ嗜好情報は、ユーザが動画コンテンツを指定する場合に更新されることを特徴とする請求項1に記載の動画推薦システム。
【請求項7】
動画コンテンツを構成するシーンに関連するキーワードと、前記キーワードが出現する時刻の時間軸情報と、を含むメタデータを取得するシーンメタデータ取得部と、
ユーザが再生する動画コンテンツの情報を取得する動画コンテンツ情報取得部と、
前記動画コンテンツを再生する際に、ユーザによって指定されたキーワードを取得するキーワード取得部と、
前記取得したキーワードに基づいて、前記メタデータのキーワードにユーザの嗜好度を付与することによってシーン嗜好情報を生成するシーン嗜好情報生成部と、
前記生成されたシーン嗜好情報に基づいて、前記動画コンテンツに含まれるキーワードにユーザの嗜好度を付与することによって生成されるコンテンツ推薦情報を取得するコンテンツ推薦情報取得部と、
前記取得したコンテンツ推薦情報に基づいて、高い嗜好度の動画コンテンツを、ユーザに推薦する動画コンテンツとして出力する動画コンテンツ推薦部と、を備えることを特徴とする動画推薦システム。
【請求項8】
前記取得した動画コンテンツの情報に基づいて、前記取得したメタデータに含まれるキーワードにユーザの嗜好度を付与することによって生成されるコンテンツ嗜好情報を取得するコンテンツ嗜好情報取得部と、
前記コンテンツ推薦情報取得部は、前記生成されたシーン嗜好情報及び前記取得したコンテンツ嗜好情報に基づいて、前記動画コンテンツに含まれるキーワードにユーザの嗜好度を付与することによって生成されるコンテンツ推薦情報を取得することを特徴とする請求項7に記載の動画推薦システム。
【請求項9】
ユーザに動画コンテンツを推薦する動画推薦システムにおける動画推薦方法であって、
前記動画推薦システムは、プログラムを実行するプロセッサと、前記プロセッサによって実行されるプログラムを格納するメモリと、ユーザに提示する動画を出力する出力部と、ユーザからの入力を受け付ける入力部と、を備え、
前記動画推薦方法は、
前記動画コンテンツを構成するシーンに関連するキーワードと、前記キーワードが出現する時刻を示す時間軸情報と、を含むメタデータを取得するシーンメタデータ取得ステップと、
ユーザが再生する動画コンテンツの情報を取得する動画コンテンツ情報取得ステップと、
前記取得した動画コンテンツの情報に基づいて、前記取得したメタデータに含まれるキーワードにユーザの嗜好度を付与することによって生成されるコンテンツ嗜好情報を取得するコンテンツ嗜好情報取得ステップと、
前記取得したコンテンツ嗜好情報に基づいて、前記動画コンテンツに含まれるキーワードのうち、高い嗜好度のキーワードを、ユーザに推薦するシーンに対応させて出力するシーン推薦ステップと、を含む動画推薦方法。
【請求項10】
前記動画コンテンツを再生する際に、ユーザによって指定されたキーワードを取得するキーワード取得ステップと、
前記取得したキーワードに基づいて、前記メタデータのキーワードにユーザの嗜好度を付与することによってシーン嗜好情報を生成するシーン嗜好情報生成ステップと、をさらに含み、
前記シーン推薦工程は、前記生成されたシーン嗜好情報に基づいて、前記動画コンテンツに含まれるキーワードのうち、高い嗜好度のキーワードを、ユーザに推薦するシーンに対応させて出力することを特徴とする請求項9に記載の動画推薦方法。
【請求項11】
前記生成されたコンテンツ嗜好情報及び前記生成されたシーン嗜好情報に基づいて、前記動画コンテンツに含まれるキーワードにユーザの嗜好度を付与することによって生成されるコンテンツ推薦情報を取得するコンテンツ推薦情報取得ステップと、
前記取得したコンテンツ推薦情報に基づいて、高い嗜好度の動画コンテンツを、ユーザに推薦する動画コンテンツとして出力する動画コンテンツ推薦ステップと、を含むことを特徴とする請求項10に記載の動画推薦方法。
【請求項12】
前記シーン嗜好情報は、ユーザがキーワードを指定する場合に更新されることを特徴とする請求項10に記載の動画推薦方法。
【請求項13】
前記動画コンテンツの再生時にユーザによって指定されたキーワードを取得するキーワード取得ステップと、
前記指定されたキーワードに関連するシーンを再生する再生制御ステップと、を含むことを特徴とする請求項9に記載の動画推薦方法。
【請求項14】
前記コンテンツ嗜好情報は、ユーザが動画コンテンツを指定する場合に更新されることを特徴とする請求項9に記載の動画推薦方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−8789(P2012−8789A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−143927(P2010−143927)
【出願日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【出願人】(509189444)日立コンシューマエレクトロニクス株式会社 (998)
【Fターム(参考)】