説明

動的通貨両替をサポートする取引システム

動的通貨両替による取引を行うためのオプションの提供および動的通貨両替を行うための装置を含む、資金取引を行う方法が開示されている。この方法には、取引が動的通貨両替の対象かどうかを識別し(ステップ71、73)、そうである場合には、オペレータが指定通貨を入力し(ステップ72)、次いで、指定通貨で取引を行うこと(ステップ74、75、76)が含まれる。そうでない場合には、取引を既定通貨で行うことができる(ステップ77)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取引が1つまたは複数の通貨で実行可能な、多通貨環境で使用するための取引システムに関する。また本発明は、全体または一部のいずれかで、動的通貨両替を行う方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
図1では、カード支払いシステムに関係する各要素、および通常のカード支払いシステムの各要素間の情報伝達を表すブロック図を示している。
【0003】
カード所持者1は、発行者4から取引カード6を取得する。通常、発行者4は小口金融業者や金融機関である。発行者4は、小売業者2にある販売時点管理(POS)端末7において使用する目的で、取引カード6を提供している。POS端末7で開始された取引は、カードスキーム管理者5を介し、加盟店契約業者3により取得および処理される。現在のカードスキームの例には、マスターカードインターナショナル、ビザインターナショナル、ダイナーズクラブ、およびアメリカンエキスプレスの各スキームがある。
【0004】
カード所持者1は、自分の取引カード6を使用して、小売業者2で金銭上の取引を行う。例えば、カード所持者1がクレジットカードの所持者の場合、小売業者2の構内に備えられている販売(POS)端末7を通して、カードを読み込ませることがある。POS端末7は、口座の詳細を取引カード6から抽出する。口座の詳細は、関連金融機関(すなわち、発行者4)とカード所持者1の金融口座を識別するカード番号を含む。
【0005】
POS端末7はネットワーク8に接続され、または接続可能である。例えば、小規模な小売業者2の場合、PSTNネットワークへのダイアルアップ接続によりネットワーク8に接続することができる。取引の集中処理には、業界標準あるいは独自の有線または無線技術に基づく代替の公衆または専用のローカルおよび/またはワイドエリアネットワークとネットワーク接続が使用される場合がある。次に、口座の詳細と取引の詳細が送信され、加盟店契約業者3により受信される。取引の詳細には、POS端末7のID、小売業者2のID、取引カード6の番号、要求された取引の金額、および要求された取引の通貨を含むことができる。
【0006】
取引の詳細を受信すると、加盟店契約業者3は、カードスキームに従って取引をグループに分類し、カードスキームに関係する取引を適切なカードスキーム管理者5(図1では1つのみ図示)に送信する。通常、取引カード6の番号の最初の方の数字で、カードスキームが識別される。
【0007】
次に、カードスキーム管理者5は、受け取った取引を、取引カード6の発行者4で分類する。このことは、BIN番号を調べることにより達成され、通常、BIN番号はクレジットカードの最初の6桁の数字である。各発行元の銀行には、1つまたは複数のBIN番号が割り当てられている。そのため、当該発行者4によって発行されるすべてのカードは、それらのBIN番号のいずれかで始まっている。
【0008】
取引の詳細を受信すると、発行者4はカードスキーム管理者5に応答を返信する。カードスキーム管理者5は、この応答を加盟店契約業者3に転送し、今度は、加盟店契約業者3がこの応答を承認コードとともにPOS端末7に返す。
【0009】
取引が正常に行われると、次に、発行者4はカード所持者1の口座とカードスキーム管理者5との間の資金の移動を管理する。カードスキーム管理者5は、資金を加盟店契約業者3に移動し、次に、加盟店契約業者3は小売業者2に対して資金を精算する。加盟店契約業者3は精算書を小売業者2に送り、発行者は精算書をカード所持者1に送る。通常、加盟店契約業者3は発行者4でもある。
【0010】
小売業者2の地元通貨とカード所持者1の地元通貨が異なる場合、例えば、カード所持者1が海外旅行に行く場合、カード所持者1にとって、取引の実態価値を評価することが難しいことがある。このことは、従来、取引が小売業者2の通貨で行われ、カードスキーム管理者5が必要な外貨の両替処理を行うからである。ここで明らかになる課題により、動的通貨両替(DCC)が開発されてきた。
【0011】
DCCを使うと、カード所持者1は、小売業者2のところで、小売業者2の地元通貨の代わりにカード所持者1の地元通貨で取引することができる。そのサービスには手数料が課金される場合がある。適切な環境で使用する場合のDCCの利点は、カード所持者1が、それぞれの発行者4からの精算書に明記されることになる、正確な金額を取引の時点で確認することができることである。DCC取引の場合、必要な外貨の両替処理を行うのが、カードスキーム管理者5ではなく、発行者3である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
DCC取引を完了する一方法は、POS端末7がカードのBIN番号と関連地元通貨を一覧表示した表を検索する方法である。この方法でDCCを導入する際の問題は、現在普及している多くのPOS端末7の機能を超える、処理機能および表示機能を装備したPOS端末7が必要とされる点である。また、POS端末7内部のBIN番号の表は、カード所持者1に正しい通貨を確実に提供するため、最新情報に更新しておく必要がある。DCCのサービス提供者側から見た場合の別の問題は、通常、小売業者には、カード所持者1の地元通貨で取引を行うオプションを提供する義務はないという点である。カード所持者1の地元通貨がカードスキーム管理者5から請求される通貨とは異なる場合、カード所持者1が予期しない追加の外貨への両替処理手数料が発生するという、さらなる問題が起こる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
電子商取引の適用例では、図1で示すものと似た構造を持つ取引システムを使用することができる。そのような適用例では、POS端末7が代替の取引端末、例えば、パーソナルコンピュータ、携帯電話、携帯情報端末または他の似た装置に置き換えられ、そのような装置は、通信チャネルを通して小売業者2のシステムと通信することができる。
【0014】
本発明の第1の態様によると、動的通貨両替による取引を行うためのオプションの提供を含む、資金取引を行う方法が提供されており、その方法には、次の各ステップが含まれる。
取引端末で、口座および/または口座関連情報を識別する情報を受信するステップ、
前記情報を使用して、取引が動的通貨両替の対象となるかどうかを判定するステップ、
取引が動的通貨両替の対象となる場合には、取引端末の入力装置を使用し、取引端末のオペレータによって入力される指定通貨で、取引が行わるステップ、
取引が対象とならない場合には、既定通貨で取引が行われるステップが含まれる。
【0015】
一実施形態では、本方法に、取引を進める前に、取引端末のオペレータへ、動的通貨両替を行うべきかどうかを指定するよう求めることがさらに含まれる。
【0016】
一実施形態では、既定通貨は取引端末の小売業者のオペレータの指定通貨である。
【0017】
一実施形態では、口座および/または口座関連情報を識別する情報の少なくとも一部が、取引端末の読み取り装置によって読み取られるか、または取引端末のオペレータによって入力されるかのいずれかによる情報で、取引が動的通貨両替の対象になるかどうかを判定するプロセスには、カードが国内の発行者により発行されたものかどうかを判定すること、およびカードが国内の発行者により発行されている場合には、取引を対象外として判定することが含まれる。
【0018】
一実施形態では、本方法に、カード所持者に指定通貨の指定を求めることがさらに含まれる。
【0019】
一実施形態では、取引が動的通貨両替の対象かどうかを判定するプロセスに、
i)指定通貨がカードの請求処理通貨と同じかどうか、および
ii)カードの請求処理通貨がサポートされているかどうかの判定が含まれる。
ここで、i)またはii)を満たさない場合には、取引が対象外として判定される。
【0020】
本発明の第2の態様によると、動的通貨両替の取引を行うための装置が提供されている。その装置は、ユーザーインターフェイスを含む取引端末、カード所持者の口座に関連する識別子を受信する手段、およびネットワークと通信するための通信インターフェイスを備えており、ここで、その取引端末は、口座識別子を受信する手段から識別子を受信し、それから、
a)
i)通信インターフェイスを使用して、取引の詳細を送信し、取引が動的通貨両替の対象となるかどうかを通知する通信を受信し、および/または
ii)口座識別子とメモリに保持された口座識別子の一覧表を比較し、取引が動的通貨両替の対象となるかどうかを一覧表から判定することを行い、
b)取引が動的通貨両替の対象で、ユーザーインターフェイスへの入力で動的通貨両替が必要であることが示される場合、指定通貨での取引処理が開始され、ここで、指定通貨は端末のユーザーインターフェイスに入力することで受け付けられ、
c)取引が動的通貨両替の対象でないか、またはユーザーインターフェイスへの入力で動的通貨両替が必要とされないことが示される場合、既定通貨での取引処理が開始される。
【0021】
一実施形態では、プロセスb)およびc)で、取引を処理する前に、動的通貨両替が必要かどうかを示すユーザーインターフェイスからの入力の受け付けが必要とされる。
【0022】
一実施形態では、取引端末が口座識別子とメモリに保持されている口座識別子の一覧表を比較し、取引が動的通貨両替の対象かどうかを一覧表から判定し、ここで、判定のステップには、口座識別子とメモリに格納された国内発行者の一覧を比較し、一覧のいずれかの項目に一致する場合には、取引が動的通貨両替の対象ではないことを判定することが含まれる。
【0023】
一実施形態では、取引端末が口座識別子とメモリに保持されている口座識別子の一覧表を比較し、取引が動的通貨両替の対象かどうかを一覧表から判定し、ここで、取引端末は、メモリ内に、請求処理通貨がサポートされる動的通貨両替の通貨である国際発行者を識別する情報を格納し、判定のステップには、口座識別子が前記国際発行者と関連付けられているかどうかを判定し、そのような場合には、取引が動的通貨両替の対象であることを判定することが含まれる。この実施形態では、口座識別子が前記国際発行者に関連付けられていない場合、取引端末は、ユーザーインターフェイスで追加のユーザ入力を求めることがある。また、ユーザーによる追加の入力は、別の指定通貨の識別表示である場合がある。
【0024】
本発明の第3の態様によると、動的通貨両替の取引を行うための装置が提供されており、その装置はネットワークと通信するコンピュータを備え、そのコンピュータは前記ネットワークを介して取引端末からの取引の詳細を受信するために動作可能で、取引が動的通貨両替の対象かどうかを判定し、そのような場合には、取引端末宛のネットワークデータにより、取引が動的通貨の対象であるかどうかを通知する通信を送信するが、その通信には、特定のいずれかの国や通貨を識別する情報は含まれない。
【0025】
一実施形態では、コンピュータは、取引に関係する口座の識別子とコンピュータメモリに格納されている項目を比較して、取引が動的通貨両替の対象であるかどうかを判定する。この実施形態では、コンピュータメモリに格納された前記項目には、前記口座所持者の地元通貨が前記取引で使用する前記口座所持者の請求処理通貨と一致するため動的通貨両替の対象となっている口座の識別子が一覧表示されている。また、取引の詳細には、指定国また指定通貨を識別する情報が含まれ、コンピュータは、指定国または指定通貨と口座所持者に関連付けられた地元通貨を比較することで、取引が動的通貨両替の対象であるかどうかを判定できる。
【0026】
本発明の第4の態様によると、取引の動的通貨両替を促進するための取引端末の動作方法が提供されており、その方法には、
取引端末で、動的通貨両替に承認された通貨を識別するデータを受信すること、
取引端末で、最初の通貨での取引の金額および取引で使用する別の通貨の識別表示を含む、要求された取引の詳細を受信し、ここで、もう一方の通貨の識別表示は取引端末のオペレータインターフェイスで受信され、
取引端末で、取引が動的通貨両替の対象かどうかを判定し、それには、もう一方の通貨と承認された通貨を比較し、取引が対象の場合には、最初の通貨の取引金額をもう一方の通貨の取引金額に両替し、要求された取引を完了するためのデータをネットワークで送信し、その送信データにはもう一方の通貨での取引金額をが含まれることが含まれる。
【0027】
本発明の第5の態様によると、動的通貨両替による取引を行うためのオプションの提供を含む、資金取引を行う方法が提供されており、その方法には、取引端末内で次の各プロセスが含まれる。
口座および/または口座関連情報を識別する口座情報を受信し、
口座情報を使用して、その情報により国内口座であることが識別されるかどうかを判定し、口座情報で国内口座であることが識別される場合には、既定通貨での取引を行い、
口座情報で国際口座であることが識別される場合には、取引が動的通貨両替の対象となるかどうかを判定し、
取引が動的通貨両替の対象である場合には、取引端末のディスプレイに、動的通貨両替の提供が表示され、その提供が了承されるかどうかの表示のために取引端末のオペレータインターフェイスをモニターし、了承される場合には、動的通貨両替を使用して前記取引の完了を促進し、
指定通貨がサポートされていない場合、または動的通貨両替の提供が了承されない場合には、既定通貨での取引を行うプロセスが含まれる。
【0028】
本発明の第6の態様によると、動的通貨両替の取引を行うための装置が提供されている。その装置は、ユーザーインターフェイスを含む取引端末、カード所持者の口座に関連する識別子を受信する手段、およびネットワークと通信するための通信インターフェイスを備えており、ここで、その取引端末は、口座識別子を受信する手段から識別子を受信し、それから、
a)識別子と国内口座の一覧表を比較し、識別子が国内口座と関連付けられていると判定される場合には、既定通貨で取引を行い、
b)プロセスa)で、識別子が国内口座と関連付けられていないことが示される場合には、
i)通信インターフェイスを使用して、取引の詳細を送信し、取引が動的通貨両替の対象となるかどうかを通知する通信を受信し、および/または
ii)口座識別子とメモリに保持された口座識別子の一覧表を比較し、取引が動的通貨両替の対象となるかどうかを一覧表から判定することを行い、
さらに、取引が動的通貨両替の対象で、ユーザーインターフェイスへの入力で動的通貨両替が必要であることが示される場合、動的通貨両替による取引処理が開始され、
そして、取引が動的通貨両替の対象でないか、またはユーザーインターフェイスへの入力で動的通貨両替が必要とされないことが示される場合、既定通貨での取引処理が開始される。
【0029】
本発明の第7の態様によると、動的通貨両替による取引を行うためのオプションの提供を含む、取引を行う方法が提供されており、その方法には、
取引端末で、口座および/または口座関連情報を識別する情報を受信するステップ、および
取引端末の入力装置を使用して、取引端末のオペレータが入力する指定通貨での取引を行うステップが含まれる。
【0030】
本発明の第8の態様によると、動的通貨両替の取引を行うための装置が提供されている。その装置は、ユーザーインターフェイスを含む取引端末、カード所持者の口座に関連する識別子を受信する手段、およびネットワークと通信するための通信インターフェイスを備えており、ここで、その取引端末は、口座識別子を受信する手段から識別子を受信し、それから、指定通貨での取引処理が開始され、ここで、指定通貨は端末のユーザーインターフェイスに入力することで受け付けられる。
【0031】
本発明のさらに他の態様は、例示する目的のみの次の説明と添付図面を参照することによって、明らかになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
本発明は、図1に関連して本明細書で説明しているタイプの取引ネットワークに実装することができる。以下の説明は、本発明がそのような取引ネットワークに実装され、取引システムがカード支払いシステムであることを前提としている。しかし、本発明は、他の取引ネットワークや他の支払いシステムにも適用することができる。
【0033】
例えば、本発明は、インターネットなどの、ワイドエリヤネットワークを介する電子商取引にも適用することができ、そのような場合には、取引端末は、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末、携帯電話、他の装置などの個人向けのコンピュータ関連装置になるであろう。また、本発明は、現金自動預け払い機(ATM)にも適用することができ、そのような場合、取引端末はカード所持者が使用するATMとなる。さらに、本発明はカードベースではない取引ネットワーク、例えば、取引の何らかの詳細を識別する生体または他の情報の抽出を含む、取引ネットワークにも適用することができる。
【0034】
以下で提供される例では、小売業者での取引の状況を前提としており、ここで、取引端末の主なオペレータは小売業者の従業員またはオーナーである。しかし、取引を行う人物(すなわち、カード所持者1)が取引端末の主なまたは単独のオペレータであることも可能で、これは、上述の本発明の代替適用例の多くで、最も可能性のある状況である。
【0035】
(実施の形態1)
図2では、本発明の例示的方法に従って行われるステップの流れ図を示している。該当分野の当業者であるなら、本方法の変更形態および本明細書で説明されているその他の例示方法を、取引の管理方法、取引処理に関係する要素、および取引データの通信に使用される特定の通信チャネルに応じて構築することができることを理解されるであろう。
【0036】
ステップ10では、加盟店契約業者3のシステムにより小売業者2のPOS端末7から取引の詳細が受信される。本明細書で上述しているように、取引の詳細には、支払人の口座、例えば、カード所持者1の取引口座、を識別する情報、取引金額、および小売業者2のIDを含めることができる。カード支払いシステムの場合、この情報は、普通、適切な読み取り装置に磁気ストライプカードを読み込ませること、スマートカードをスマートカード読み取り装置に挿入すること、またはエンコードされたカードをカード近接読み取り装置に近づけることにより、そして取引金額を入力または受け付けることにより、販売(POS)端末で取得される。現在、カード支払いシステムは、多通貨の取引を行う最も広く普及した形態である。
【0037】
加盟店契約業者3では、通常の認証プロセスに加えて、取引が動的通貨両替(DCC)の対象かどうかに関する確認が行われる。対象の取引は、カード所持者1の請求処理通貨がカード所持者1の地元通貨と同じ場合、および地元通貨が取引の精算のためにカードスキーム管理者5により承認された通貨の場合である。これらの要件を満たさないのに通貨両替が許可される場合、カード所持者には倍の外貨両替手数料が課せられることになる。この倍の外貨両替取引によって、カード所持者1には、小売業者2のPOS端末7に表示される取引金額から予期される以上の増加した金額が請求される結果になる場合がある。
【0038】
取引がDCCの対象ではないことが判定された場合には、取引は小売業者の地元通貨で行われ、取引はステップ18において通常のやり方で完了し、ステップ19では、カード所持者1に取引の詳細を示すレシートが提供される。ステップ18で、カード所持者1がDCCの提供を了承することが必要な場合がある。そこでは、小売業者の地元通貨での元の金額、両替された取引金額、さらに必要に応じて、外貨両替のために請求される追加手数料も一緒または含む金額が表示される。
【0039】
取引がDCCの対象であると見なされる場合、POS端末7はオペレータにDCCが必要かどうかを照会する(ステップ14)。このことは、はい、または、いいえの回答を要求する簡単なメッセージをPOS端末7のディスプレイに表示するか、またはオペレータがカード所持者に好適な通貨を指定するよう尋ねることを求めることで達成できる。現在考察しているような好適な実施形態の場合、オペレータは、DCCの対象である全ての取引に対してステップ14および15を通って進める必要がある。DCCが必要かどうかを判断するために、普通、小売業者2の従業員である、POS端末7のオペレータは、カード所持者1に、取引をカード所持者の地元通貨で進めることを希望するかどうかを尋ねるか、または取引を行う好適な他の通貨を選択するオプションについて説明する表示を指し示す。その表示は、小売業者2とカード所持者1の間の何らかの言語の問題を克服するために、異なるいくつかの言語で表示することができる。
【0040】
ステップ15でオペレータがDCCが必要であることを示す場合、プロセスはステップ16に進む。ステップ16で、POS端末はオペレータに、必要とされる通貨の指示を照会する。オペレータはカード所持者1に、カード所持者の地元または好適な通貨を尋ねてから、カード所持者1により指定された通貨を入力する。次に、オペレータまたはカード所持者は、該当通貨の通貨コードまたは他の識別子を端末に入力することができる。オペレータには、DCCの対象通貨および対応するコードまたは識別子を一覧表示する表を提供することができる。
【0041】
次に、POS端末7は、DCCの提供のために適用される何らかのマージンを含む、為替レートの表(または別のフォーマットでフォーマットされたデータ)を検索し、取引金額を入力された通貨で計算または検索する。POS端末7が表の検索や計算を要求した場合、為替レートの表は、POS端末7に送信されてもよいし、あるいは加盟店契約業者3のシステムまたはカードスキーム管理者5のシステムにも格納されていてもよい。POS端末7に表を格納することの利点は、取引ネットワーク8を介する通信が減るので、取引処理の高速化が実現することである。加盟店契約業者3のシステムに表を格納することの利点は、各POS端末7に分散しているよりも、表の更新を集中して行うことができる点である。
【0042】
取引の通貨は識別された通貨に設定され(ステップ17)、この通貨の取引金額はPOS端末7のディスプレイ上に表示される。次に、取引はステップ17で設定された通貨を使い、ステップ18で完了し、レシートがステップ19で印刷される。好ましくは、レシートに、取引金額を、既定通貨(小売業者2の地元通貨)とステップ17で設定された通貨(カード所持者1の地元通貨)の両方で表示する。
【0043】
図2に準じて本明細書で説明されている方法の利点は、小売業者2がPOS端末7で取引が処理される通貨を明確に指定する必要があることである。それは次とは対照的である。
(1)BIN番号を使用して識別される取引カード6の請求処理通貨を提供する。あるいは、
(2)識別された請求処理通貨または小売業者2の地元通貨を選択すること。
【0044】
DCCを行う代替方法では、通常、上記(1)と(2)の変形形態が使用され、これによって、白紙での指定が要求されるのではなく、カード所持者にオプションが提示される。記述している方法では、カード所持者は常に、提案または指針がない状態で白紙の指定を確実に行う。またこの方法は、カード所持者に好適な通貨の指定を要求するよりもむしろ、DCC取引を処理するオプションを提供せずに(または反対に、カード所持者がDCCを要求することを示す場合であっても、小売業者2の地元通貨で処理して)、小売業者2の可能性を最小限にしている。
【0045】
別の利点は、特に高性能なPOS端末7が方法で必要とはされない点である。これらおよび他の利点は、次の例で説明されている方法およびシステムを使用することによっても実現できる。
【0046】
(実施の形態2)
図3では、本発明の別の例示的方法に従って行われるステップの流れ図を示している。
【0047】
ステップ30では、図2のステップ10に関連して説明されているものと同じ方法で、加盟店契約業者3のシステムにより小売業者2のPOS端末7から取引の詳細が受信される。
【0048】
ステップ31では、取引の詳細がPOS端末7内でチェックされ、国内(DOM)発行者である発行者4が取引カード6を発行しているかどうかが判定される。このことは、DOM発行者のBIN番号の全一覧の表を検索することで行うことができる。表は、POS端末7に格納することができる。DOM発行者が取引カードを発行している場合、その取引はDCCの対象ではなく、小売業者2の地元通貨で処理される(ステップ37および36)。そうではない場合には、国際(INTL)発行者である発行者4が取引カード6を発行しており、関連取引はDCCの対象である。この場合、POS端末7はオペレータ(通常、小売業者2の従業員)に、取引処理に希望する通貨をカード所持者1に尋ねるよう要求する。オペレータは、オプションを説明する表示を指すことができる。その表示は、小売業者2とカード所持者1の間の何らかの言語の問題を克服するために、いくつかの異なる言語で表示することができる。その表示は、例えばオペレータに手渡されるか、オペレータが参照として使用するカードなどの物理的な表示、または例えばPOS端末7(または、他の取引端末)のディスプレイ上に表示されるものの電子的なものとすることができる。オペレータは、選択した通貨をPOS端末7に入力する(ステップ32)。端末のディスプレイに表示が示されると、その時点の端末のオペレータがカード所持者1または小売業者2のどちらであっても、通貨の一覧表から1つのオプションを選択することができる。
【0049】
ステップ33では、POS端末7が取引の詳細を加盟店契約業者3に送信し、カードスキーム管理者5が取引の精算にその通貨を承認するかどうかを判定する。このことは、承認される通貨の一覧、あるいは逆に、承認されない通貨の一覧を含む表を検索することで判定することができる。通貨がカードスキーム管理者5により承認される場合、次にステップ34で、小売業者2の地元通貨の取引金額がカード所持者1が申し出た通貨に両替され、為替レートと両替金額がPOS端末7に返され、カード所持者1に提示するため、POS端末7によりレシート上に印刷される。
【0050】
為替レートによる両替はDCCの提供のために適用される何らかのマージンを含む、為替レートの表(または別のフォーマットでフォーマットされたデータ)を使用して行い、それから、申し出の通貨で取引金額を計算または検索する。為替レートの表はPOS端末7に送信するか、あるいは加盟店契約業者3のシステムまたはカードスキーム管理者5のシステムにも格納することができる。POS端末7に表を格納することの利点は、取引ネットワーク8を介する通信が減るので、取引処理の高速化が実現できることである。第1の例と同様に、加盟店契約業者3のシステムに表を格納することの利点は、表の更新を集中して行うことができることである。
【0051】
ステップ33で、カードスキーム管理者5が取引の精算にその通貨を承認しないという結果になった場合、プロセスは次にステップ37に移行する。
【0052】
ステップ35では、カード所持者1がDCCの提供を了承するかどうかを決定する。カード所持者1が了承する場合、ステップ36では、取引の詳細がステップ32でカード所持者1が申し出た通貨で加盟店契約業者3に送信される。カード所持者1がDCCの提供を断る場合、取引の詳細は小売業者2の地元通貨を反映するように設定され(ステップ37)、通常の方法で加盟店契約業者3に送信される(ステップ36)。どちらの場合でも、取引の詳細の詳しい内容を示すレシートがカード所持者1に提供される。
【0053】
(実施の形態3)
再度、図3を参照すると、本発明の別の例示的方法の場合もステップ30からステップ37まで同じであるが、ステップ33では変更された方法を行う。
【0054】
この代替方法では、ステップ33に、取引の詳細を加盟店契約業者3に送信するPOS端末7が含まれ、i)取引カード6の請求処理通貨がカード所持者1が申し出た通貨と同じかどうか、およびii)カードスキーム管理者5が申し出のあった通貨を取引の精算で承認するかどうかが判定される。承認される場合、次にステップ34で、小売業者2の地元通貨の取引金額がカード所持者1が申し出た通貨に両替され、為替レートと両替金額がPOS端末7に返され、カード所持者1に提示するため、POS端末7によりレシート上に印刷される。
【0055】
しかし、ステップ33で、取引カード6の請求処理通貨がカード所持者1が申し出た通貨と同じではない、またはカードスキーム管理者5が取引の精算にその通貨を承認しないという結果になった場合、次にステップ37が行われる。
【0056】
この代替方法の利点は、対象かどうかのテストが、単に、カードスキーム管理者5が申し出のあった通貨を承認するかどうかの確認以上に拡大されることである。また、取引カード6の請求処理通貨がカード所持者1が申し出た通貨と同じかどうかの確認も含まれる。これによって、両替が2回行われることを防止できる。両替が2回行われるなら、カード所持者1の出費が増大する結果になる。
【0057】
(実施の形態4)
図4では、本発明の他の代替の例示的方法の流れ図を示している。以下の本明細書で説明している相違点を除けば、ステップ70からステップ77は、図3のステップ30からステップ37と同じである。
【0058】
本明細書で説明されている実施の形態2と比較した、図4に示している方法で図示されている相違点も、ステップ73に関するものである。この代替方法では、ステップ73に、取引の詳細を加盟店契約業者3に送信するPOS端末7が含まれ、i)取引カード6の請求処理通貨がカード所持者1が申し出た通貨と同じかどうか、およびii)カードスキーム管理者5が申し出のあった通貨を取引の精算で承認するかどうかが判定される。承認される場合、次にステップ74で、小売業者2の地元通貨の取引金額がカード所持者1が申し出た通貨に両替され、為替レートと両替金額がPOS端末7に返され、カード所持者1に提示するため、POS端末7によりレシート上に印刷される。
【0059】
しかし、ステップ73で、取引カード6の請求処理通貨がカード所持者1が申し出た通貨と同じではない、またはカードスキーム管理者5が取引の精算にその通貨を承認しないという結果になった場合、次にステップ72が再度行われる。
【0060】
必要に応じて、カウンターによりステップ72とステップ73のサイクルの回数を制限し、しきい値に達した場合には、通貨の最新の選択を使って、ステップ77に戻るか、ステップ74に進むかのいずれかを行うことができる。プロセスがステップ74に進む一実施形態では、カウンターのしきい値が1である場合があり、そのため、2番目に選択された通貨が、複数の外貨両替を防止するために満たす必要のある、本明細書で説明されている対象基準を満たさない場合であっても、プロセスは取引を行う。さらに、あるいは代わりに、ステップ73から「いいえ」サイクルが発生するときは必ず、オペレータには地元通貨で取引を行うか、別の通貨の選択を入力するかのいずれかのオプションが与えられる。オペレータが地元通貨を選択する場合、方法は次にステップ77に進み、オペレータが別の通貨の選択の入力を選択する場合には、次にステップ72が繰り返される。
【0061】
この代替の例示的方法の利点は、対象かどうかのテストに通らなかった場合、カード所持者1には、別の通貨を選択する機会が提供される点である。これによって、小売業者2の地元通貨以外の申し出た通貨で取引を処理するために、カード所持者1には少なくともさらに1回の機会が(すなわち、DCC取引を行う目的で)提供される。
【0062】
(他の代替の実施形態)
これらの実施形態では、POS端末7または取引端末のオペレータも同様に、小売業者2のオペレータまたはセルフサービス環境におけるカード所持者1のいずれかである。
【0063】
代替の実施形態では、図2で説明されているプロセスからステップ12、図3に関連して説明されているプロセスからステップ33、および図4に関連して説明されているプロセスからステップ73を省略できる。
【0064】
したがって、そのような代替の一実施形態の場合、図2のプロセスはステップ11から直接ステップ14に進む。さらに他の変形形態では、図2のプロセスはステップ11から直接ステップ16に進むことができ、そのような場合、すべての取引で、取引端末のオペレータによる通貨の選択が必要とされる。この変形形態は、例えば、国際的な販売をカバーするオンラインの小売店などの、国際的な顧客数を持つ小売業者2に対して特に適用することができる。
【0065】
同様に、図3に関連して説明されているプロセスはステップ32から直接ステップ34に進み、図4に関連して説明されているプロセスは72から直接ステップ74に進む。
【0066】
これらの実施形態では、取引はカード所持者1が選択するどの通貨でも行われる。したがって、これらの実施形態および小売業者2の地元通貨以外の通貨または対象通貨で取引を進めることのできる他の任意の実施形態では、POS端末7のディスプレイまたは端末の別の表示によって、これまで本明細書で説明した対象基準を満たさない通貨が選択される場合には、次に、複数の外貨両替取引が必要とされ、両替手数料が含まれるときには、取引全体の費用が増大する可能性があることを説明することができる。
【0067】
さらに他の代替の実施形態では、図3に関連して説明されているプロセスからステップ31を省略でき、図4に関連して説明されているプロセスからステップ71を省略できる。この実施形態の場合、すべての取引で、通貨はPOS端末7のオペレータが選択する必要がある。これらの実施形態も、例えば、国際的な販売をカバーするオンラインの小売店などの、国際的な顧客基盤を持つ小売業者2に対して特に適用することができる。したがって、一実施形態では、図3に関連して説明されているプロセスからステップ31とステップ33を省略でき、図4に関連して説明されているプロセスからステップ71とステップ73を省略できる。
【0068】
(設定可能な取引端末)
一実施形態では、図2−4に関連して本明細書で説明している、2つまたはそれ以上の実施形態で動作するように設定された取引端末用のソフトウェアを提供することができる。そして、端末のオペレータまたはソフトウェアの供給者は、例えば、POS端末7または電子商取引用のWebサーバーを設定する際に、実装する方法を選択することができる。あるいは、このオプションが提供される場合、実装する方法の選択は、ソフトウェアを端末にダウンロードする際に供給者が行うようにすることもできる。
【0069】
(POS端末)
図5では、例示的なPOS端末7のブロック図を示している。POS端末7には、例えば、32ビットのマイクロプロセッサであるコントローラが含まれ、POS端末7の動作を制御する。そのコントローラは、スマートカード読み取り装置、カード読み取り装置および/またはキーパッドから取引の詳細を受信する。POS端末には、情報を端末のオペレータに提示するディスプレイ、レシートを印刷できるプリンター、および小売業者2の構内に位置する他の装置との有線または無線通信を可能にする入力/出力ポートが含まれる。本明細書で記述しているように、POS端末7は、モデムあるいは他のネットワーク通信システムまたは装置を介して情報の送受信を行う。
【0070】
POS端末7には、RAMおよびROMコンポーネントを含むメモリが含まれ、ROMには、POS端末7のコントローラの動作を制御する命令が格納されている。POS端末7に、取引の承認コードは別として取引を行うために必要な全情報が提供される実施の形態3と実施の形態4を特に参照すると、RAMには現在のカードの国内(DOM)発行者の一覧を格納することができる。これまで説明したように、DOM発行者は取引カードのBIN番号で識別することができる。また、RAMにはBIN番号によるカードの国際(INTL)発行者の一覧および該当するINTL発行者の請求処理通貨の一覧も格納することができる。INTL発行者132459の場合、発行者4はカードスキーム管理者5がサポートしない通貨でカード所持者1に請求書を送り、カード所持者1にはDCCは提供されない。当然、RAMには、同じようにBIN番号132459については項目が格納されていない。
【0071】
当該分野の当業者であるなら、表9で示されている一部の情報はPOS端末7の外部に格納可能で、取引を行うために、必要に応じて情報を受信できることを理解されるであろう。例えば、DOM発行者の一覧はPOS端末7に格納することができ、一方、INTL発行者および各INTL発行者に関連付けられた請求処理通貨の一覧は、例えば、加盟店契約業者3のデータベースなど、POS端末7から離れた場所に格納することができる。また、POS端末7のRAMには、さらに他の情報も含めることができる。
【0072】
本発明には、本明細書で説明した例示的方法のいずれかの全部または一部が含まれる。さらに本発明は、該当オプションがその他の方法と矛盾するわけではない場合に、もう一つの方法に適用される一方法に関して、本明細書で説明したオプションを含む各方法にも拡大することができる。
【0073】
前述の説明で、既知の同等物を有する特定の整数またはコンポーネントに対して参照が行われている場合には、それらの同等物は、これにより、本明細書に引用し、個別に説明したものとする。
【0074】
当該分野の当業者であるなら、本発明の範囲を逸脱することなく、本発明に対する変更形態や追加形態が構築可能であることを理解する。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】既知の取引ネットワークに含まれる要素のブロック図を示す。
【図2】本発明の一実施形態による取引方法の流れ図を示す。
【図3】本発明の一実施形態による取引方法の流れ図を示す。
【図4】本発明の一実施形態による取引方法の流れ図を示す。
【図5】POS端末のブロック図、およびPOS端末のメモリに格納することができる情報を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動的通貨両替による取引を行うためのオプションの提供を含む、資金取引を行う方法であって、前記方法は、
取引端末で、口座および/または口座関連情報を識別する情報を受信するステップと、
前記情報を使用して、前記取引が動的通貨両替の対象となるかどうかを判定するステップと、
前記取引が動的通貨両替の対象となる場合には、前記取引端末の入力装置を使用し、前記取引端末のオペレータによって入力される指定通貨で、取引が行われるステップと、
取引が対象とならない場合には、前記取引が既定通貨で行われるステップとを含む方法。
【請求項2】
前記取引を進める前に、前記取引端末の前記オペレータへ、動的通貨両替を行うべきかどうかを指定するよう求めることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記既定通貨が前記取引端末の小売業者のオペレータの前記指定通貨である、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
口座および/または前記口座関連情報を識別する前記情報の少なくとも一部が、前記取引端末の読み取り装置によって読み取られるか、または前記取引端末の前記オペレータによって入力されるかのいずれかによる情報で、前記取引が動的通貨両替の対象になるかどうかを判定する前記プロセスには、前記カードが国内の発行者により発行されたものかどうかを判定すること、および前記カードが国内の発行者により発行されている場合には、前記取引を対象外として判定することを含む、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記カード所持者に前記指定通貨の指定を求めることをさらに含む、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記取引が動的通貨両替の対象かどうかを判定する前記プロセスが、
i)前記指定通貨が前記カードの請求処理通貨と同じかどうか、および
ii)前記カードの前記請求処理通貨がサポートされているかどうかの判定を含み、
i)またはii)を満たさない場合には、前記取引が対象外として判定される、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
動的通貨両替の取引を行うための装置であって、前記装置は、ユーザーインターフェイスを含む取引端末、カード所持者の口座に関連する識別子を受信する手段、およびネットワークと通信するための通信インターフェイスを備え、前記取引端末は、口座識別子を受信する前記手段から識別子を受信し、それから、
a)
i)前記通信インターフェイスを使用して、取引の詳細を送信し、前記取引が動的通貨両替の対象となるかどうかを通知する通信を受信し、および/または
ii)前記口座識別子とメモリに保持された口座識別子の一覧表を比較し、前記取引が動的通貨両替の対象となるかどうかを前記一覧表から判定することを行い、
b)前記取引が動的通貨両替の対象で、前記ユーザーインターフェイスへの入力で前記動的通貨両替が必要であることが示される場合、指定通貨での前記取引の処理が開始され、前記指定通貨は前記端末の前記ユーザーインターフェイスに入力することで受け付けられ、
c)前記取引が動的通貨両替の対象でないか、または前記ユーザーインターフェイスへの入力で動的通貨両替が必要とされないことが示される場合、既定通貨での前記取引の処理が開始される装置。
【請求項8】
プロセスb)およびc)で、前記取引を処理する前に、動的通貨両替が必要かどうかを示す前記ユーザーインターフェイスからの入力の受け付けが必要とされる、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記取引端末が前記口座識別子とメモリに保持されている口座識別子の一覧表を比較し、前記取引が動的通貨両替の対象かどうかを前記一覧表から判定し、判定の前記ステップには、前記口座識別子と前記メモリに格納された国内発行者の一覧を比較し、前記一覧のいずれかの項目に一致する場合には、前記取引が動的通貨両替の対象ではないことを判定することを含む、請求項7または請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記取引端末が前記口座識別子とメモリに保持されている口座識別子の一覧表を比較し、前記取引が動的通貨両替の対象かどうかを前記一覧表から判定し、前記取引端末は、メモリ内に、前記請求処理通貨がサポートされる動的通貨両替の通貨である国際発行者を識別する情報を格納し、判定のステップには、前記口座識別子が前記国際発行者と関連付けられているかどうかを判定し、そのような場合には、前記取引が動的通貨両替の対象であることを判定することを含む、請求項7ないし9のうちのいずれか1項に記載の装置。
【請求項11】
前記口座識別子が前記国際発行者に関連付けられていない場合、前記取引端末は、前記ユーザーインターフェイスで追加のユーザ入力を求める、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記追加のユーザ入力は、別の指定通貨を識別することである、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
動的通貨両替の取引を行うための装置であって、前記装置は、ネットワークと通信するコンピュータを備え、前記コンピュータは前記ネットワークを介して取引端末からの取引の詳細を受信するために動作可能で、前記取引が動的通貨両替の対象かどうかを判定し、そのような場合には、前記取引端末宛の前記ネットワークデータにより、前記取引が動的通貨の対象であるかどうかを通知する通信を送信するが、前記通信には、特定のいずれかの国や通貨を識別する情報を含まない装置。
【請求項14】
前記コンピュータが、前記取引に関係する口座の識別子とコンピュータメモリに格納されている項目を比較して、前記取引が動的通貨両替の対象であるかどうかを判定する、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
コンピュータメモリに格納された前記項目には、前記口座所持者の地元通貨が前記取引で使用する前記口座所持者の請求処理通貨と一致するため動的通貨両替の対象となっている口座の識別子が一覧表示されている、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記取引の詳細には、指定国また指定通貨を識別する情報が含まれ、前記コンピュータは、前記指定国または前記指定通貨と前記口座所持者に関連付けられた前記地元通貨を比較することで、前記取引が動的通貨両替の対象であるかどうかを判定する、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
取引の動的通貨両替を促進するための取引端末の動作方法であって、前記方法が、
前記取引端末で、動的通貨両替に承認された通貨を識別するデータを受信すること、
取引端末で、最初の通貨での取引の金額および前記取引で使用する別の通貨の識別表示を含む、要求された取引の詳細を受信し、前記もう一方の通貨の前記識別表示は前記取引端末のオペレータインターフェイスで受信されること、
前記取引端末で、前記もう一方の通貨と前記承認された通貨を比較することを含め、前記取引が動的通貨両替の対象かどうかを判定し、前記取引が対象の場合には、前記最初の通貨の取引の前記金額を前記もう一方の通貨の取引金額に両替し、前記要求された取引を完了するためのデータをネットワークで送信し、前記送信データには前記もう一方の通貨での取引金額が含まれることを含む方法。
【請求項18】
動的通貨両替による取引を行うためのオプションの提供を含む、資金取引を行う方法であって、前記方法は取引端末内で、
口座および/または口座関連情報を識別する口座情報を受信するプロセスと、
前記口座情報を使用して、前記情報により国内口座であることが識別されるかどうかを判定し、前記口座情報で国内口座であることが識別される場合には、既定通貨での前記取引を行うプロセスと、
前記口座情報で国際口座であることが識別される場合には、前記取引が動的通貨両替の対象となるかどうかを判定するプロセスと、
前記取引が動的通貨両替の対象である場合には、前記取引端末のディスプレイに、動的通貨両替の提供が表示され、前記提供が了承されるかどうかの表示のために前記取引端末のオペレータインターフェイスをモニターし、了承される場合には、動的通貨両替を使用して前記取引の完了を促進するプロセスと、
前記指定通貨がサポートされていない場合、または前記動的通貨両替の提供が了承されない場合には、既定通貨で前記取引を行うプロセスとを含む方法。
【請求項19】
動的通貨両替の取引を行うための装置であって、前記装置は、ユーザーインターフェイスを含む取引端末、カード所持者の口座に関連する識別子を受信する手段、およびネットワークと通信するための通信インターフェイスを備え、前記取引端末は、口座識別子を受信する前記手段から識別子を受信し、それから、
a)前記識別子と国内口座の一覧表を比較し、前記識別子が国内口座と関連付けられていると判定される場合には、既定通貨で前記取引を行い、
b)プロセスa)で、前記識別子が国内口座と関連付けられていないことが示される場合には、
i)前記通信インターフェイスを使用して、取引の詳細を送信し、前記取引が動的通貨両替の対象となるかどうかを通知する通信を受信し、および/または
ii)前記口座識別子とメモリに保持された口座識別子の一覧表を比較し、前記取引が動的通貨両替の対象となるかどうかを前記一覧表から判定することを行い、
前記取引が動的通貨両替の対象で、前記ユーザーインターフェイスへの入力で動的通貨両替が必要であることが示される場合、動的通貨両替による前記取引の処理が開始され、
前記取引が動的通貨両替の対象でないか、前記ユーザーインターフェイスへの入力で動的通貨両替が必要とされないことが示される場合、前記既定通貨での前記取引の処理が開始される装置。
【請求項20】
動的通貨両替による取引を行うためのオプションの提供を含む、取引を行う方法であって、前記方法が、
取引端末で、口座および/または口座関連情報を識別する情報を受信するステップと、
前記取引端末の入力装置を使用して、前記取引端末のオペレータが入力する指定通貨で前記取引を行うステップとを含む方法。
【請求項21】
動的通貨両替の取引を行うための装置であって、前記装置は、ユーザーインターフェイスを含む取引端末、カード所持者の口座に関連する識別子を受信する手段、およびネットワークと通信するための通信インターフェイスを備え、前記取引端末は、口座識別子を受信する前記手段から識別子を受信し、それから、指定通貨で前記取引処理を開始し、前記指定通貨は前記端末の前記ユーザーインターフェイスに入力することで受け付けられる装置。
【請求項22】
請求項1、17、18、および20に記載された、ならびに実質上、図2a、図2b、および図2cを参照して本明細書で説明された本発明の実施形態のうちのいずれか1項による動的通貨両替を行う方法。
【請求項23】
実質上、図2a、図2b、および図2cを参照して本明細書で説明された本発明の実施形態のうちのいずれかによる、動的通貨両替を行うために使用される取引端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2009−537878(P2009−537878A)
【公表日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−510232(P2009−510232)
【出願日】平成19年5月15日(2007.5.15)
【国際出願番号】PCT/AU2007/000654
【国際公開番号】WO2007/131285
【国際公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【出願人】(508323713)トラベレックス アウトソーシング ピーティーワイ リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】TRAVELEX OUTSOURCING PTY LIMITED
【住所又は居所原語表記】Level 8, 565 Bourke Street, Melbourne VIC 3000 (AU)
【Fターム(参考)】