動電型エキサイタ
【課題】動電型エキサイタを取り付ける被振動体の振動特性が異なるものであっても、発生する音の音質を所望のものに近づけることができる動電型エキサイタを提供する。
【解決手段】アウターヨークと磁石とインナーヨークとを有し、磁気ギャップが形成された磁気回路部と、この磁気ギャップ内に配設したボイスコイルと、このボイスコイルが固定された振動板と、磁気回路部と振動板とを弾性的に連結する弾性体とを備えた動電型エキサイタにおいて、性体の振動運動を可変とする手段を備えた。
【解決手段】アウターヨークと磁石とインナーヨークとを有し、磁気ギャップが形成された磁気回路部と、この磁気ギャップ内に配設したボイスコイルと、このボイスコイルが固定された振動板と、磁気回路部と振動板とを弾性的に連結する弾性体とを備えた動電型エキサイタにおいて、性体の振動運動を可変とする手段を備えた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、テレビやパーソナルコンピュータなどの各種電子機器の薄型化を図るために活用されている薄型パネルスピーカに適用したり、電動移動体などに取り付けて報知音発生に応用したりする動電型エキサイタの構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、薄型液晶テレビ、薄型プラズマテレビ、薄型パーソナルコンピュータ等の家電製品や産業用工作機械の各種モニタ機器などに搭載される薄型パネルスピーカには、動電型エキサイタが多く採用されている。すなわち、従来の動電型エキサイタは、椀形状のインナーヨーク、永久磁石、アウターヨーク、ボイスコイル、振動板、接着部材にて構成されており、インナーヨークとアウターヨーク側壁との空隙にボイスコイルが配設され、振動板はボイスコイルと一体的に固定されている。なお、永久磁石とインナーヨークとアウターヨークとで構成される磁気回路中のボイスコイルに所定信号からなる電流を流すことにより、ボイスコイルが軸方向に振動し、ボイスコイルが一体的に固定された振動板を励振することにより音波を発する。
【0003】
例えば、特許文献1による動電型エキサイタは、インナーヨーク、マグネット、アウターヨークからなる磁気回路の軸方向端面に、発泡ウレタンなどの適宣な弾性を有する弾性保持体によって、ボイスコイルと一体的に固定された振動板からなる振動部材を貼着した構造となっている。
【0004】
また、特許文献2による動電型エキサイタは、椀形状のアウターヨークと、このアウターヨークの内部に順次積み重ねられた板状のマグネット及びインナーヨークとから構成される磁気回路と、この磁気回路のアウターヨークの側壁の内周部とインナーヨークの外周部との間に形成される空隙内に配置されるボイスコイルと、磁気回路の前方においてボイスコイルを保持する振動板に相当するサブパネルとを備え、磁気回路の厚み方向重心近傍とサブパネルとを複数の円弧形状の帯状薄板弾性保持体により保持した構造となっている。
【0005】
特許文献3においては、一端はアウターヨークに、他端は、固定部材に固定した第1のサスペンションと、一端は、ボイスコイルに、他端は、固定部材に固定した第2のサスペンションを用意して、周波数特性の改善を試みている。また、このサスペンションは、金属、樹脂、弾性部材、スポンジ、ゴムといった例が出されており、周波数特性を決定するためのばね係数は、予め決まったものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−243491号公報
【特許文献2】特開2003−143690号公報
【特許文献3】特開2005−354297号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の動電型エキサイタは、アウターヨーク、インナーヨーク、磁石で構成された磁気回路部とボイスコイルを含む固定部とが、弾性支持体によって支持されており、弾性支持体の素材によりばね係数が決定され、この弾性により、振動運動が決定されるため、音の周波数範囲が弾性支持体の素材により固定されてしまうことになる。
【0008】
一方、最近、電気自動車やハイブリッド自動車など、電気モーターにより駆動される静粛性に優れた電動移動体において、その存在を報知するため、報知音を発することが提案されている。この報知音の発生に関し、動電型エキサイタを例えば電動移動体のボディーに取り付けて、電動移動体のボディーから報知音を発生させることが考えられる。このとき、電動移動体のボディーの振動特性は電動移動体毎、あるいはボディーの位置などにより様々な特性となっている。一方、動電型エキサイタの振動特性が固定されているため、発生する報知音の周波数特性が電動移動体のボディーの振動特性により左右されてしまうという問題があった。
【0009】
本発明は、以上のような従来の動電型エキサイタの問題点を解消するためになされたもので、動電型エキサイタの振動の特性を可変にでき、動電型エキサイタを取り付ける被振動体の振動特性が異なるものであっても、発生する音の音質を所望のものに近づけることができる動電型エキサイタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明は、アウターヨークと磁石とインナーヨークとを有し、磁気ギャップが形成された磁気回路部と、この磁気ギャップ内に配設したボイスコイルと、このボイスコイルが固定された振動板と、磁気回路部と振動板とを弾性的に連結する弾性体とを備えた動電型エキサイタにおいて、性体の振動運動を可変とする手段を備えたものである。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、弾性体に蓄えられるエネルギーを変化させることで、動電型エキサイタの振動の周波数特性を可変にできるため、動電型エキサイタを取り付ける被振動体の振動特性が異なるものであっても、発生する音の周波数特性を所望のものに近づけることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】この発明の実施の形態1による動電型エキサイタの構成を示す、半分を断面とした半断面図である。
【図2】この発明の実施の形態1による動電型エキサイタの構成の主要部を示す拡大断面図である。
【図3】この発明の実施の形態1による動電型エキサイタの概略構成を示す平面図である。
【図4】この発明の実施の形態1による動電型エキサイタの動作を説明するために用いる一般的な動電型エキサイタ構成の主要部を示す拡大断面図である。
【図5】この発明の実施の形態1による動電型エキサイタの動作を説明するための静止状態の拡大断面図である。
【図6】この発明の実施の形態1による動電型エキサイタの動作を説明するための動的な状態の拡大断面図である。
【図7】この発明の実施の形態1による動電型エキサイタの動作を説明するための別の動的な状態の拡大断面図である。
【図8】この発明の実施の形態2による動電型エキサイタの構成の主要部を示す拡大断面図である。
【図9】この発明の実施の形態3による動電型エキサイタの構成の主要部を示す拡大断面図である。
【図10】この発明の実施の形態4による動電型エキサイタの構成の主要部を示す拡大断面図である。
【図11】この発明の実施の形態4による動電型エキサイタの別の構成の主要部を示す拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による動電型エキサイタの構成を示す、半分を断面とした半断面図であり、図2は要部の拡大断面図、図3は平面図である。図1の半断面図は、図3のA−A位置、すなわち左半分を断面とした図である。図1〜図3において、1は磁性体からなるインナーヨーク、2は希土類等からなるマグネット、3はお椀形状をした磁性体からなるアウターヨークである。アウターヨーク3のお椀形内底面軸方向にはマグネット2の軸方向片端面が接触し、また、マグネット2の軸方向他端面は磁性体からなるインナーヨーク1が接触している。アウターヨーク3とマグネット2、およびマグネット2とインナーヨーク1は夫々図示しない接着材にて接合されている。また、インナーヨーク1の径方向外周面とアウターヨーク3のお椀形状縁部内周壁面との間にギャップ(隙間)を持たせ、マグネット2、インナーヨーク1、およびアウターヨーク3で磁気回路部100を構成している。
【0014】
4はボビン40に巻回されたボイスコイル、5は薄い平板状の振動板であり、ボイスコイル4は磁気回路部100のギャップ部(隙間)に位置するよう配設され、ボイスコイル4が巻回されたボビン40は振動板5によって一体的に保持されている。なお、アウターヨーク3は軸方向中央部外壁面に径方向に突出する鍔部31を有し、振動板5は径方向端部に、アウターヨーク3の縁部31に対面する鍔部51を有している。振動板5が被振動体6に接触して取り付けられることにより、振動板5の振動が被振動体6に伝わって音が発生する。
【0015】
ここで、アウターヨーク3と振動板5を締結する締結部13は、アウターヨーク3の鍔部31と振動板5の鍔部51を貫通する支持ボルト9と、第一の弾性体構造部121と、第二の弾性体構造部122とにより構成される。第一の弾性体構造部121は、アウターヨーク3の鍔部31と、支持ボルト9の頭の間に位置する第一の弾性体7を挟んだ弾性体押さえ板111と112と、第一の弾性体7に対して縮み方向に力を加えるネジ91とで構成される。第二の弾性体構造部122は、アウターヨーク3の鍔部31と振動板5の鍔部51との間に位置する第二の弾性体8を挟んだ弾性体押さえ板113と114と、第二の弾性体8に対して縮み方向に力を加えるネジ92とで構成される。また、支持ボルト9の片端はナット102によって、第一の弾性体構造部121、第二の弾性体構造部122、アウターヨーク3、振動板5を脱落しないように結合している。なお、弾性体押さえ板111、112、113、114は、支持ボルト9が貫通している。このような構成の締結部13は、アウターヨーク3および振動版5の動きを一方向に固定する。第一の弾性体7および第二の弾性体8は、例えばゴムのような弾性材料により、中央に支持ボルト9が貫通できる貫通穴を有する円環部材で構成することができる。締結部13を、例えば図3に示すように3か所、またはそれ以上の複数個所に設けてアウターヨーク3と振動板5とを結合している。
【0016】
さらに、アウターヨーク3と振動板5の間をシールするOリング12が、アウターヨーク3の周囲に設けられ、アウターヨーク3と振動板5とで囲まれる内部に、外部からの水や埃の侵入を防止するようになっている。
【0017】
次に、動作について説明する。まず、単純な構成として図4のような構成を考える。磁気回路部100を構成するアウターヨーク3と、ボイスコイル4への通電により励振される振動板5とが、第一の弾性体70及び第二の弾性体80にて弾性支持されている。第一の弾性体70及び第二の弾性体80はネジ95により同時に締め付けられている。この状態で、動電型エキサイタを駆動すると、アウターヨーク3に対して振動板5は相対的に変位するため、隙間35は、アウターヨーク3と振動板5の動的な振幅変化分だけ増減する
。このとき、振動板5とアウターヨーク3とは第一の弾性体70及び第二の弾性体80の二つの弾性体を介して結合されているため、動電型エキサイタは、弾性体のばね係数に対応した共振周波数を有する。
【0018】
質量Mを持つ物体が、ばね係数kを持つ弾性部(ばねやゴムなどで構成される弾性支持部)に繋がっている場合の、運動方程式は、
【数1】
と表される。よって、距離の変位量xは、最大振幅A、初期位相φを用いて
【数2】
と表され、振動変位として表現される。この振動は、ボイスコイル4と磁気回路100による振動変位に対し影響するため、音の特性、すなわち音質に影響を及ぼす。
【0019】
図4に示すような動電型エキサイタの場合、質量を持つ物体が磁気回路部であり、第一の弾性体70及び第二の弾性体80の二つの弾性体が弾性部となり、共振周波数が、動電型エキサイタを用いた場合の音の周波数範囲を決定する。つまり、共振周波数の辺りが底となるフィルターを構成することになる。磁気回路部が、ばね係数k1である第一の弾性体70とばね係数k2である第二の弾性体80とに繋がっている場合の運動方程式は
【数3】
と表される。よって、距離の変位量xは
【数4】
と表され、振動変位として表現される。この振動は、ボイスコイル4と磁気回路100による振動変位に対し影響するため、音質に影響を及ぼす。
【0020】
次に、本発明の実施の形態1による動電型エキサイタの動作について図5〜図7を用いて説明する。図5〜図7は図2と同じ図であるが、第一の弾性体7、第二の弾性体8を等価的にバネで示している。また、実際に、弾性体7、弾性体8をゴムのような弾性体ではなく、バネとしても良い。図5は、ばね係数k1の弾性体7に対してネジ91によって、力F1を加え、また、ばね係数k2の弾性体8に対して、ネジ92によって、力F2を加えている状態を示している。また、ネジ91により、弾性体7の最大距離x1が制限され、ネジ92により、弾性体8の最大距離x2が制限されている。この状態で、図6に示すようにアウターヨーク3が変位し、弾性体8を縮める方向に距離x動いた場合には、弾性体7は、ネジ91によって距離制限されるためアウターヨークへの関与は無くなり、運動方程式は、
【数5】
と表される。このように、弾性体7の影響は排除され、ネジ92による力F2の影響が加わるので、力F2が加わらなかった場合に比べて、最大振幅と位相へ影響を与え、次のような式となる。
【数6】
と表される。
【0021】
また、図7に示すようにアウターヨーク3が変位し、弾性体7を縮める方向に距離x動いた場合には、ネジ92によって距離制限されるためアウターヨークへの関与は無くなり、運動方程式は、
【数7】
と表される。このように、弾性体8の影響は排除され、ネジ91による力F1の影響が加わるので、力F1が加わらなかった場合に比べて、最大振幅と位相へ影響を与え、次のような式となる。
【数8】
と表される。
【0022】
以上のように、構造による運動の振動変位として表現される。この構造による振動変位は、ボイスコイル4と磁気回路100による振動変位に対し影響するため、音の特性に影響を及ぼすこととなるため、ネジ91、ネジ92により、音質の調整が可能である。
【0023】
例えば、電動移動体の報知音を発生するための発音器として、電動移動体のボンネット裏側に本実施の形態1による動電型エキサイタを取付け、ボンネットの板を被振動板6としたとき、動電型エキサイタのネジ91や92を調整して、報知音の音質を調整する。別の種類の電動移動体において、同一設計の動電型エキサイタを電動移動体のボンネット裏側に取り付けて、当該ボンネットの板を被振動板6としたときは、ボンネットの振動特性が異なるため、発生する音が異なる音質の報知音となるが、動電型エキサイタのネジ91や92により、所望の音質に近い音質となるよう調整することができる。このように、同一設計の動電型エキサイタを、様々な被振動板に取付けても、ネジ91や92の調整のみで、所望の音質に近い音質の音を報知音として発生させることができる。
【0024】
実施の形態2.
図8は、この発明の実施の形態2による動電型エキサイタの構成を示す、主要部の拡大断面図である。図8において、図1〜図3と同一符号は同一または相当する部分を示す。
本実施の形態2では、図8に示すように、第一の弾性体構造部121が弾性体7とダンパー141、第二の弾性体構造部122が弾性体8とダンパー142から構成されている。
【0025】
図8に示すようなダンパーを構成された場合の運動方程式は、ダンパー141の粘性係数D1、ダンパー142の粘性係数D2を用いて、
【数9】
と表される。D=D1−D2、k=k1−k2として、変位xを表現すると、
【数10】
と表される。ただし、λ1、λ2はそれぞれ、
【数11】
【数12】
【0026】
このように、構造による運動の振動変位として表現される。図8の構造の動電型エキサイタによる振動変位は、ボイスコイル4と磁気回路100による振動変位に対し影響するため、音の周波数に影響を及ぼすこととなるため、ダンパー141、142の例えば容積を調整することにより、音質の調整が可能である。
【0027】
実施の形態3.
図9は、この発明の実施の形態3による動電型エキサイタの構成を示す、主要部の拡大断面図である。図9において、図1〜図3と同一符号は同一または相当する部分を示す。本実施の形態3では、図9に示すように、アウターヨーク3と振動板5の間をシールするOリング128が、アウターヨーク3の鍔31とこのアウターヨークの鍔31に対向する振動板の鍔51との間に設けられている。ここで、Oリング128はゴムなどの弾性材料で形成されている。
【0028】
以上のように構成された、本発明の実施の形態3による動電型エキサイタは、磁気回路を構成するアウターヨーク3と、ボイスコイル4への通電により励振される振動板5とが、弾性材料で形成されたOリング128及び第一の弾性体7にて弾性支持されている。
【0029】
ネジ91を締め付けることにより、第一の弾性体7が縮められる。Oリング128は、アウターヨーク3と振動板5をシールして、磁気回路100への水の侵入を防ぐ必要があるため可変構造をとらない。このため、Oリング128を縮める方向には、Oリング128のばね係数k2のみが関与する運動方程式で、第一の弾性体7を縮める方向には、Oリング128のばね係数k2と第一の弾性体7のばね係数k1とネジ91による力F1による運動方程式となる。この様にして、本実施の形態3による動電型エキサイタも、実施の形態1と同様、ネジ91の調整により、音の特性を調整することができる。例えば、電動移動体の報知音の発生器に本実施の形態3による動電型エキサイタを用いれば、異なる電動移動体や異なる位置に動電型エキサイタを取り付けた場合でも、ネジ91の調整により、所望の音質に近い音質の報知音を発生することができる。また、Oリング128が、弾性支持体を兼ねているため、実施の形態1の動電型エキサイタに比較して部品点数が少なくできるという効果もある。
【0030】
実施の形態4.
図10は、この発明の実施の形態4による動電型エキサイタの構成を示す、主要部の拡大断面図である。図10において、図1〜図3と同一符号は同一または相当する部分を示す。図10に示すように、実施の形態1における第一の弾性体構造部121の可変機構を省略し、第二の弾性体構造部122による可変機構のみを有するものである。
【0031】
また、図11は、この発明の実施の形態4による別の動電型エキサイタの構成を示す、主要部の拡大断面図である。図11において、図1〜図3と同一符号は同一または相当する部分を示す。図11に示すように、実施の形態1における第二の弾性体構造部122の可変機構を省略し、第一の弾性体構造部121による可変機構のみを有するものである。
【0032】
以上のように構成された、本発明の実施の形態3による動電型エキサイタは、磁気回路100を構成するアウターヨーク3と、ボイスコイル4への通電により励振される振動板5とが、ばねで形成された第一の弾性体71及び第二の弾性体81にて弾性支持されている。
【0033】
このため、可変機構を持たない方向に縮めたときには、可変機構のない弾性体のばね係数kx(図10では、k1、図11ではk2)のみが関与する運動方程式で、可変機構を持つ方向に縮めたときには、可変機構のない弾性体のばね係数kxと可変機構を持つばね係数ky(図10ではk2、図11ではk1)とネジ(図10ではネジ92、図11ではネジ91)による力Fによる運動方程式となる。この様にして、本実施の形態4による動電型エキサイタも、実施の形態1と同様、ネジ91もしくは92の調整により、音の特性を調整することができる。例えば、電動移動体の報知音の発生器に本実施の形態4による動電型エキサイタによれば、異なる電動移動体や異なる位置に動電型エキサイタを取り付けた場合でも、ネジ91もしくは92の調整により、所望の音質に近い音質の報知音を発
生することができる。
【符号の説明】
【0034】
1:インナーヨーク 2:マグネット
3:アウターヨーク 4:ボイスコイル
5:振動板 6:被振動体
7、71:第一の弾性体 8、81:第二の弾性体
9、91、92:ネジ 12、128:Oリング
13:締結部 31:インナーヨークの鍔
51:振動板の鍔 100:磁気回路部
121:第一の弾性体構造部 122:第二の弾性体構造部
141、142:ダンパー
【技術分野】
【0001】
この発明は、テレビやパーソナルコンピュータなどの各種電子機器の薄型化を図るために活用されている薄型パネルスピーカに適用したり、電動移動体などに取り付けて報知音発生に応用したりする動電型エキサイタの構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、薄型液晶テレビ、薄型プラズマテレビ、薄型パーソナルコンピュータ等の家電製品や産業用工作機械の各種モニタ機器などに搭載される薄型パネルスピーカには、動電型エキサイタが多く採用されている。すなわち、従来の動電型エキサイタは、椀形状のインナーヨーク、永久磁石、アウターヨーク、ボイスコイル、振動板、接着部材にて構成されており、インナーヨークとアウターヨーク側壁との空隙にボイスコイルが配設され、振動板はボイスコイルと一体的に固定されている。なお、永久磁石とインナーヨークとアウターヨークとで構成される磁気回路中のボイスコイルに所定信号からなる電流を流すことにより、ボイスコイルが軸方向に振動し、ボイスコイルが一体的に固定された振動板を励振することにより音波を発する。
【0003】
例えば、特許文献1による動電型エキサイタは、インナーヨーク、マグネット、アウターヨークからなる磁気回路の軸方向端面に、発泡ウレタンなどの適宣な弾性を有する弾性保持体によって、ボイスコイルと一体的に固定された振動板からなる振動部材を貼着した構造となっている。
【0004】
また、特許文献2による動電型エキサイタは、椀形状のアウターヨークと、このアウターヨークの内部に順次積み重ねられた板状のマグネット及びインナーヨークとから構成される磁気回路と、この磁気回路のアウターヨークの側壁の内周部とインナーヨークの外周部との間に形成される空隙内に配置されるボイスコイルと、磁気回路の前方においてボイスコイルを保持する振動板に相当するサブパネルとを備え、磁気回路の厚み方向重心近傍とサブパネルとを複数の円弧形状の帯状薄板弾性保持体により保持した構造となっている。
【0005】
特許文献3においては、一端はアウターヨークに、他端は、固定部材に固定した第1のサスペンションと、一端は、ボイスコイルに、他端は、固定部材に固定した第2のサスペンションを用意して、周波数特性の改善を試みている。また、このサスペンションは、金属、樹脂、弾性部材、スポンジ、ゴムといった例が出されており、周波数特性を決定するためのばね係数は、予め決まったものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−243491号公報
【特許文献2】特開2003−143690号公報
【特許文献3】特開2005−354297号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の動電型エキサイタは、アウターヨーク、インナーヨーク、磁石で構成された磁気回路部とボイスコイルを含む固定部とが、弾性支持体によって支持されており、弾性支持体の素材によりばね係数が決定され、この弾性により、振動運動が決定されるため、音の周波数範囲が弾性支持体の素材により固定されてしまうことになる。
【0008】
一方、最近、電気自動車やハイブリッド自動車など、電気モーターにより駆動される静粛性に優れた電動移動体において、その存在を報知するため、報知音を発することが提案されている。この報知音の発生に関し、動電型エキサイタを例えば電動移動体のボディーに取り付けて、電動移動体のボディーから報知音を発生させることが考えられる。このとき、電動移動体のボディーの振動特性は電動移動体毎、あるいはボディーの位置などにより様々な特性となっている。一方、動電型エキサイタの振動特性が固定されているため、発生する報知音の周波数特性が電動移動体のボディーの振動特性により左右されてしまうという問題があった。
【0009】
本発明は、以上のような従来の動電型エキサイタの問題点を解消するためになされたもので、動電型エキサイタの振動の特性を可変にでき、動電型エキサイタを取り付ける被振動体の振動特性が異なるものであっても、発生する音の音質を所望のものに近づけることができる動電型エキサイタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明は、アウターヨークと磁石とインナーヨークとを有し、磁気ギャップが形成された磁気回路部と、この磁気ギャップ内に配設したボイスコイルと、このボイスコイルが固定された振動板と、磁気回路部と振動板とを弾性的に連結する弾性体とを備えた動電型エキサイタにおいて、性体の振動運動を可変とする手段を備えたものである。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、弾性体に蓄えられるエネルギーを変化させることで、動電型エキサイタの振動の周波数特性を可変にできるため、動電型エキサイタを取り付ける被振動体の振動特性が異なるものであっても、発生する音の周波数特性を所望のものに近づけることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】この発明の実施の形態1による動電型エキサイタの構成を示す、半分を断面とした半断面図である。
【図2】この発明の実施の形態1による動電型エキサイタの構成の主要部を示す拡大断面図である。
【図3】この発明の実施の形態1による動電型エキサイタの概略構成を示す平面図である。
【図4】この発明の実施の形態1による動電型エキサイタの動作を説明するために用いる一般的な動電型エキサイタ構成の主要部を示す拡大断面図である。
【図5】この発明の実施の形態1による動電型エキサイタの動作を説明するための静止状態の拡大断面図である。
【図6】この発明の実施の形態1による動電型エキサイタの動作を説明するための動的な状態の拡大断面図である。
【図7】この発明の実施の形態1による動電型エキサイタの動作を説明するための別の動的な状態の拡大断面図である。
【図8】この発明の実施の形態2による動電型エキサイタの構成の主要部を示す拡大断面図である。
【図9】この発明の実施の形態3による動電型エキサイタの構成の主要部を示す拡大断面図である。
【図10】この発明の実施の形態4による動電型エキサイタの構成の主要部を示す拡大断面図である。
【図11】この発明の実施の形態4による動電型エキサイタの別の構成の主要部を示す拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による動電型エキサイタの構成を示す、半分を断面とした半断面図であり、図2は要部の拡大断面図、図3は平面図である。図1の半断面図は、図3のA−A位置、すなわち左半分を断面とした図である。図1〜図3において、1は磁性体からなるインナーヨーク、2は希土類等からなるマグネット、3はお椀形状をした磁性体からなるアウターヨークである。アウターヨーク3のお椀形内底面軸方向にはマグネット2の軸方向片端面が接触し、また、マグネット2の軸方向他端面は磁性体からなるインナーヨーク1が接触している。アウターヨーク3とマグネット2、およびマグネット2とインナーヨーク1は夫々図示しない接着材にて接合されている。また、インナーヨーク1の径方向外周面とアウターヨーク3のお椀形状縁部内周壁面との間にギャップ(隙間)を持たせ、マグネット2、インナーヨーク1、およびアウターヨーク3で磁気回路部100を構成している。
【0014】
4はボビン40に巻回されたボイスコイル、5は薄い平板状の振動板であり、ボイスコイル4は磁気回路部100のギャップ部(隙間)に位置するよう配設され、ボイスコイル4が巻回されたボビン40は振動板5によって一体的に保持されている。なお、アウターヨーク3は軸方向中央部外壁面に径方向に突出する鍔部31を有し、振動板5は径方向端部に、アウターヨーク3の縁部31に対面する鍔部51を有している。振動板5が被振動体6に接触して取り付けられることにより、振動板5の振動が被振動体6に伝わって音が発生する。
【0015】
ここで、アウターヨーク3と振動板5を締結する締結部13は、アウターヨーク3の鍔部31と振動板5の鍔部51を貫通する支持ボルト9と、第一の弾性体構造部121と、第二の弾性体構造部122とにより構成される。第一の弾性体構造部121は、アウターヨーク3の鍔部31と、支持ボルト9の頭の間に位置する第一の弾性体7を挟んだ弾性体押さえ板111と112と、第一の弾性体7に対して縮み方向に力を加えるネジ91とで構成される。第二の弾性体構造部122は、アウターヨーク3の鍔部31と振動板5の鍔部51との間に位置する第二の弾性体8を挟んだ弾性体押さえ板113と114と、第二の弾性体8に対して縮み方向に力を加えるネジ92とで構成される。また、支持ボルト9の片端はナット102によって、第一の弾性体構造部121、第二の弾性体構造部122、アウターヨーク3、振動板5を脱落しないように結合している。なお、弾性体押さえ板111、112、113、114は、支持ボルト9が貫通している。このような構成の締結部13は、アウターヨーク3および振動版5の動きを一方向に固定する。第一の弾性体7および第二の弾性体8は、例えばゴムのような弾性材料により、中央に支持ボルト9が貫通できる貫通穴を有する円環部材で構成することができる。締結部13を、例えば図3に示すように3か所、またはそれ以上の複数個所に設けてアウターヨーク3と振動板5とを結合している。
【0016】
さらに、アウターヨーク3と振動板5の間をシールするOリング12が、アウターヨーク3の周囲に設けられ、アウターヨーク3と振動板5とで囲まれる内部に、外部からの水や埃の侵入を防止するようになっている。
【0017】
次に、動作について説明する。まず、単純な構成として図4のような構成を考える。磁気回路部100を構成するアウターヨーク3と、ボイスコイル4への通電により励振される振動板5とが、第一の弾性体70及び第二の弾性体80にて弾性支持されている。第一の弾性体70及び第二の弾性体80はネジ95により同時に締め付けられている。この状態で、動電型エキサイタを駆動すると、アウターヨーク3に対して振動板5は相対的に変位するため、隙間35は、アウターヨーク3と振動板5の動的な振幅変化分だけ増減する
。このとき、振動板5とアウターヨーク3とは第一の弾性体70及び第二の弾性体80の二つの弾性体を介して結合されているため、動電型エキサイタは、弾性体のばね係数に対応した共振周波数を有する。
【0018】
質量Mを持つ物体が、ばね係数kを持つ弾性部(ばねやゴムなどで構成される弾性支持部)に繋がっている場合の、運動方程式は、
【数1】
と表される。よって、距離の変位量xは、最大振幅A、初期位相φを用いて
【数2】
と表され、振動変位として表現される。この振動は、ボイスコイル4と磁気回路100による振動変位に対し影響するため、音の特性、すなわち音質に影響を及ぼす。
【0019】
図4に示すような動電型エキサイタの場合、質量を持つ物体が磁気回路部であり、第一の弾性体70及び第二の弾性体80の二つの弾性体が弾性部となり、共振周波数が、動電型エキサイタを用いた場合の音の周波数範囲を決定する。つまり、共振周波数の辺りが底となるフィルターを構成することになる。磁気回路部が、ばね係数k1である第一の弾性体70とばね係数k2である第二の弾性体80とに繋がっている場合の運動方程式は
【数3】
と表される。よって、距離の変位量xは
【数4】
と表され、振動変位として表現される。この振動は、ボイスコイル4と磁気回路100による振動変位に対し影響するため、音質に影響を及ぼす。
【0020】
次に、本発明の実施の形態1による動電型エキサイタの動作について図5〜図7を用いて説明する。図5〜図7は図2と同じ図であるが、第一の弾性体7、第二の弾性体8を等価的にバネで示している。また、実際に、弾性体7、弾性体8をゴムのような弾性体ではなく、バネとしても良い。図5は、ばね係数k1の弾性体7に対してネジ91によって、力F1を加え、また、ばね係数k2の弾性体8に対して、ネジ92によって、力F2を加えている状態を示している。また、ネジ91により、弾性体7の最大距離x1が制限され、ネジ92により、弾性体8の最大距離x2が制限されている。この状態で、図6に示すようにアウターヨーク3が変位し、弾性体8を縮める方向に距離x動いた場合には、弾性体7は、ネジ91によって距離制限されるためアウターヨークへの関与は無くなり、運動方程式は、
【数5】
と表される。このように、弾性体7の影響は排除され、ネジ92による力F2の影響が加わるので、力F2が加わらなかった場合に比べて、最大振幅と位相へ影響を与え、次のような式となる。
【数6】
と表される。
【0021】
また、図7に示すようにアウターヨーク3が変位し、弾性体7を縮める方向に距離x動いた場合には、ネジ92によって距離制限されるためアウターヨークへの関与は無くなり、運動方程式は、
【数7】
と表される。このように、弾性体8の影響は排除され、ネジ91による力F1の影響が加わるので、力F1が加わらなかった場合に比べて、最大振幅と位相へ影響を与え、次のような式となる。
【数8】
と表される。
【0022】
以上のように、構造による運動の振動変位として表現される。この構造による振動変位は、ボイスコイル4と磁気回路100による振動変位に対し影響するため、音の特性に影響を及ぼすこととなるため、ネジ91、ネジ92により、音質の調整が可能である。
【0023】
例えば、電動移動体の報知音を発生するための発音器として、電動移動体のボンネット裏側に本実施の形態1による動電型エキサイタを取付け、ボンネットの板を被振動板6としたとき、動電型エキサイタのネジ91や92を調整して、報知音の音質を調整する。別の種類の電動移動体において、同一設計の動電型エキサイタを電動移動体のボンネット裏側に取り付けて、当該ボンネットの板を被振動板6としたときは、ボンネットの振動特性が異なるため、発生する音が異なる音質の報知音となるが、動電型エキサイタのネジ91や92により、所望の音質に近い音質となるよう調整することができる。このように、同一設計の動電型エキサイタを、様々な被振動板に取付けても、ネジ91や92の調整のみで、所望の音質に近い音質の音を報知音として発生させることができる。
【0024】
実施の形態2.
図8は、この発明の実施の形態2による動電型エキサイタの構成を示す、主要部の拡大断面図である。図8において、図1〜図3と同一符号は同一または相当する部分を示す。
本実施の形態2では、図8に示すように、第一の弾性体構造部121が弾性体7とダンパー141、第二の弾性体構造部122が弾性体8とダンパー142から構成されている。
【0025】
図8に示すようなダンパーを構成された場合の運動方程式は、ダンパー141の粘性係数D1、ダンパー142の粘性係数D2を用いて、
【数9】
と表される。D=D1−D2、k=k1−k2として、変位xを表現すると、
【数10】
と表される。ただし、λ1、λ2はそれぞれ、
【数11】
【数12】
【0026】
このように、構造による運動の振動変位として表現される。図8の構造の動電型エキサイタによる振動変位は、ボイスコイル4と磁気回路100による振動変位に対し影響するため、音の周波数に影響を及ぼすこととなるため、ダンパー141、142の例えば容積を調整することにより、音質の調整が可能である。
【0027】
実施の形態3.
図9は、この発明の実施の形態3による動電型エキサイタの構成を示す、主要部の拡大断面図である。図9において、図1〜図3と同一符号は同一または相当する部分を示す。本実施の形態3では、図9に示すように、アウターヨーク3と振動板5の間をシールするOリング128が、アウターヨーク3の鍔31とこのアウターヨークの鍔31に対向する振動板の鍔51との間に設けられている。ここで、Oリング128はゴムなどの弾性材料で形成されている。
【0028】
以上のように構成された、本発明の実施の形態3による動電型エキサイタは、磁気回路を構成するアウターヨーク3と、ボイスコイル4への通電により励振される振動板5とが、弾性材料で形成されたOリング128及び第一の弾性体7にて弾性支持されている。
【0029】
ネジ91を締め付けることにより、第一の弾性体7が縮められる。Oリング128は、アウターヨーク3と振動板5をシールして、磁気回路100への水の侵入を防ぐ必要があるため可変構造をとらない。このため、Oリング128を縮める方向には、Oリング128のばね係数k2のみが関与する運動方程式で、第一の弾性体7を縮める方向には、Oリング128のばね係数k2と第一の弾性体7のばね係数k1とネジ91による力F1による運動方程式となる。この様にして、本実施の形態3による動電型エキサイタも、実施の形態1と同様、ネジ91の調整により、音の特性を調整することができる。例えば、電動移動体の報知音の発生器に本実施の形態3による動電型エキサイタを用いれば、異なる電動移動体や異なる位置に動電型エキサイタを取り付けた場合でも、ネジ91の調整により、所望の音質に近い音質の報知音を発生することができる。また、Oリング128が、弾性支持体を兼ねているため、実施の形態1の動電型エキサイタに比較して部品点数が少なくできるという効果もある。
【0030】
実施の形態4.
図10は、この発明の実施の形態4による動電型エキサイタの構成を示す、主要部の拡大断面図である。図10において、図1〜図3と同一符号は同一または相当する部分を示す。図10に示すように、実施の形態1における第一の弾性体構造部121の可変機構を省略し、第二の弾性体構造部122による可変機構のみを有するものである。
【0031】
また、図11は、この発明の実施の形態4による別の動電型エキサイタの構成を示す、主要部の拡大断面図である。図11において、図1〜図3と同一符号は同一または相当する部分を示す。図11に示すように、実施の形態1における第二の弾性体構造部122の可変機構を省略し、第一の弾性体構造部121による可変機構のみを有するものである。
【0032】
以上のように構成された、本発明の実施の形態3による動電型エキサイタは、磁気回路100を構成するアウターヨーク3と、ボイスコイル4への通電により励振される振動板5とが、ばねで形成された第一の弾性体71及び第二の弾性体81にて弾性支持されている。
【0033】
このため、可変機構を持たない方向に縮めたときには、可変機構のない弾性体のばね係数kx(図10では、k1、図11ではk2)のみが関与する運動方程式で、可変機構を持つ方向に縮めたときには、可変機構のない弾性体のばね係数kxと可変機構を持つばね係数ky(図10ではk2、図11ではk1)とネジ(図10ではネジ92、図11ではネジ91)による力Fによる運動方程式となる。この様にして、本実施の形態4による動電型エキサイタも、実施の形態1と同様、ネジ91もしくは92の調整により、音の特性を調整することができる。例えば、電動移動体の報知音の発生器に本実施の形態4による動電型エキサイタによれば、異なる電動移動体や異なる位置に動電型エキサイタを取り付けた場合でも、ネジ91もしくは92の調整により、所望の音質に近い音質の報知音を発
生することができる。
【符号の説明】
【0034】
1:インナーヨーク 2:マグネット
3:アウターヨーク 4:ボイスコイル
5:振動板 6:被振動体
7、71:第一の弾性体 8、81:第二の弾性体
9、91、92:ネジ 12、128:Oリング
13:締結部 31:インナーヨークの鍔
51:振動板の鍔 100:磁気回路部
121:第一の弾性体構造部 122:第二の弾性体構造部
141、142:ダンパー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アウターヨークと磁石とインナーヨークとを有し、磁気ギャップが形成された磁気回路部と、この磁気ギャップ内に配設したボイスコイルと、このボイスコイルが固定された振動板と、前記磁気回路部と前記振動板とを弾性的に連結する弾性体とを備えた動電型エキサイタにおいて、前記弾性体の振動運動を可変とする手段を備えたことを特徴とする動電型エキサイタ。
【請求項2】
前記磁気回路部と前記振動板との間に設けられた第一の弾性体と、前記磁気回路部の前記第一の弾性体が設けられた側と反対側に設けられた第二の弾性体と、前記第一の弾性体と前記第二の弾性体とをそれぞれ独立に圧縮または伸長する手段とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の動電型エキサイタ。
【請求項3】
前記磁気回路部と前記振動板との間に設けられた第一の弾性体と、前記磁気回路部の前記第一の弾性体が設けられた側と反対側に設けられた第二の弾性体と、前記第一の弾性体または前記第二の弾性体のいずれか一方を独立に伸張または収縮する手段と、を備えたことを特徴とする請求項1に記載の動電型エキサイタ。
【請求項4】
前記磁気回路部と前記振動板との間に設けられた第一の弾性体と、前記磁気回路部の前記第一の弾性体が設けられた側と反対側に設けられた第二の弾性体と、前記第一の弾性体と前記第二の弾性体のそれぞれにダンパーを備えたことを特徴とする請求項1に記載の動電型エキサイタ。
【請求項5】
前記磁気回路部と前記振動板との間に設けられた第一の弾性体と、前記磁気回路部の前記第一の弾性体が設けられた側と反対側に設けられた第二の弾性体と、前記第一の弾性体と前記第二の弾性体とのいずれか一方を伸張収縮するように設置し、他方の弾性体にダンパーを備えたことを特徴とする請求項1に記載の動電型エキサイタ。
【請求項6】
独立に伸長または収縮する手段を設けない側の弾性体を、磁気回路部と振動板の間の隙間をシールするOリングとしたことを特徴とする請求項3に記載の動電型エキサイタ。
【請求項1】
アウターヨークと磁石とインナーヨークとを有し、磁気ギャップが形成された磁気回路部と、この磁気ギャップ内に配設したボイスコイルと、このボイスコイルが固定された振動板と、前記磁気回路部と前記振動板とを弾性的に連結する弾性体とを備えた動電型エキサイタにおいて、前記弾性体の振動運動を可変とする手段を備えたことを特徴とする動電型エキサイタ。
【請求項2】
前記磁気回路部と前記振動板との間に設けられた第一の弾性体と、前記磁気回路部の前記第一の弾性体が設けられた側と反対側に設けられた第二の弾性体と、前記第一の弾性体と前記第二の弾性体とをそれぞれ独立に圧縮または伸長する手段とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の動電型エキサイタ。
【請求項3】
前記磁気回路部と前記振動板との間に設けられた第一の弾性体と、前記磁気回路部の前記第一の弾性体が設けられた側と反対側に設けられた第二の弾性体と、前記第一の弾性体または前記第二の弾性体のいずれか一方を独立に伸張または収縮する手段と、を備えたことを特徴とする請求項1に記載の動電型エキサイタ。
【請求項4】
前記磁気回路部と前記振動板との間に設けられた第一の弾性体と、前記磁気回路部の前記第一の弾性体が設けられた側と反対側に設けられた第二の弾性体と、前記第一の弾性体と前記第二の弾性体のそれぞれにダンパーを備えたことを特徴とする請求項1に記載の動電型エキサイタ。
【請求項5】
前記磁気回路部と前記振動板との間に設けられた第一の弾性体と、前記磁気回路部の前記第一の弾性体が設けられた側と反対側に設けられた第二の弾性体と、前記第一の弾性体と前記第二の弾性体とのいずれか一方を伸張収縮するように設置し、他方の弾性体にダンパーを備えたことを特徴とする請求項1に記載の動電型エキサイタ。
【請求項6】
独立に伸長または収縮する手段を設けない側の弾性体を、磁気回路部と振動板の間の隙間をシールするOリングとしたことを特徴とする請求項3に記載の動電型エキサイタ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−175240(P2012−175240A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−33123(P2011−33123)
【出願日】平成23年2月18日(2011.2.18)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月18日(2011.2.18)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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