説明

動電型エキサイタ

【課題】動電型エキサイタの大型化およびコストアップを回避した上で、その最低共振周波数F0を低い値に設定するとともにその振動特性を高める。
【解決手段】略矩形状のケース40に対して磁気回路ユニット30を上下方向に変位可能に支持するサスペンション50として、磁気回路ユニット30とケース40とを連結する4つの可撓性アーム54A、54Bを備えた構成とする。その際、各可撓性アーム54A、54Bの先端部54A1、54B1を、ケース40の周面壁44における各コーナ部44Aの下端面44Aaに固定する。また、周面壁44における各側面部44B1、44B2の下端面を、段上がり面44B1a、44B2aとして形成する。そして、各可撓性アーム54A、54Bを、その先端部54A1、54B1から各段上がり面44B1a、44B2aの下方において各側面部44B1、44B2に沿って互いに同一周方向に延びるように形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、励振用パネル(例えば液晶ディスプレイのタッチパネル等)を振動させるために、この励振用パネルに取り付けられた状態で使用される動電型エキサイタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、液晶ディスプレイを備えた携帯機器等において、そのスピーカとして、液晶ディスプレイのタッチパネルを振動させるように構成されたものが知られている。そして、このスピーカを駆動するためのアクチュエータの1つとして動電型エキサイタが知られている。
【0003】
この動電型エキサイタは、コイルと、このコイルの下端部を収容する磁気間隙が形成された磁気回路ユニットと、これらコイルおよび磁気回路ユニットを上方側から覆うように配置され、上面壁においてコイルを固定支持するケースと、このケースに対して磁気回路ユニットを上下方向に変位可能に支持するサスペンションとを備えた構成となっている。そして、この動電型エキサイタは、そのケースの上面壁において励振用パネルに取り付けられるように構成されている。
【0004】
「特許文献1」には、このような動電型エキサイタとして、コイルの内周側にマグネットが配置された内磁型の磁気回路ユニットを有する構成が記載されている。
【0005】
その際、この「特許文献1」に記載された動電型エキサイタのサスペンションは、磁気回路ユニットとケースとを2箇所において連結する2つの可撓性アームが、磁気回路ユニットとケースの周面壁との間の環状空間において同一周方向に延びるように配置されている。そして、この「特許文献1」に記載された動電型エキサイタにおいては、その磁気回路ユニットの外周面に錘が取り付けられた構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−325198号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
動電型エキサイタの取付対象となる励振用パネルが、Haptics(触感フィードバック)対応型である場合には、動電型エキサイタの振動部分の質量を大きくして、その最低共振周波数F0を低い値に設定することが好ましい。
【0008】
その点、上記「特許文献1」に記載された動電型エキサイタは、その磁気回路ユニットに錘が取り付けられた構成となっているので、その分だけ振動部分の質量を大きくすることが可能である。
【0009】
しかしながら、この「特許文献1」に記載された構成を採用した場合には、錘の分だけ動電型エキサイタの部品点数が増えてコストアップとなってしまう、という問題がある。
【0010】
また、この「特許文献1」に記載された構成を採用した場合には、動電型エキサイタを大型化することなく、その振動特性を高めることができない、という問題がある。
【0011】
すなわち、この「特許文献1」に記載された動電型エキサイタにおいては、そのサスペンションの各可撓性アームが、磁気回路ユニットとケースの周面壁との間の環状空間に配置された構成となっているので、その分だけ磁気回路ユニットの設置スペースが狭められて、そのマグネットのサイズが小さくなってしまう。このため、十分なローレンツ力が得られず、動電型エキサイタの振動特性を高めることができない、という問題がある。
【0012】
本願発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、動電型エキサイタを大型化することなくかつそのコストアップを回避した上で、その最低共振周波数F0を低い値に設定することができるとともにその振動特性を高めることができる動電型エキサイタを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本願発明は、ケースおよびサスペンションの構成に工夫を施すことにより、上記目的達成を図るようにしたものである。
【0014】
すなわち、本願発明に係る動電型エキサイタは、
コイルと、このコイルの下端部を収容する磁気間隙が形成された磁気回路ユニットと、これらコイルおよび磁気回路ユニットを上方側から覆うように配置され、上面壁において上記コイルを固定支持するケースと、このケースに対して上記磁気回路ユニットを上下方向に変位可能に支持するサスペンションとを備え、上記ケースの上面壁において励振用パネルに取り付けられるように構成された動電型エキサイタにおいて、
上記ケースが、平面視において略矩形状の外形形状を有しており、
上記サスペンションが、上記磁気回路ユニットと上記ケースとを4箇所において連結する4つの可撓性アームを備えており、
上記各可撓性アームにおける上記ケース側の先端部が、上記ケースの周面壁における各コーナ部の下端面に固定されており、
上記ケースの周面壁における各コーナ部以外の各側面部の下端面が、上記各コーナ部の下端面よりも段上がりの段上がり面として形成されており、
上記各可撓性アームが、該可撓性アームの先端部から上記各段上がり面の下方において上記各側面部に沿って互いに同一周方向に延びるように形成されている、ことを特徴とするものである。
【0015】
上記構成において、「下端部」や「上方側」等の方向性を示す用語は、動電型エキサイタを構成する各部材相互間の位置関係を明確にするために便宜上用いたものであって、これにより動電型エキサイタを実際に使用する際の方向性が限定されるものではない。
【0016】
上記各「可撓性アーム」は、そのケース側の先端部から各段上がり面の下方において各側面部に沿って延びるように形成されていれば、その磁気回路ユニット側の基端部の具体的な位置については、特に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0017】
上記構成に示すように、本願発明に係る動電型エキサイタは、コイルおよび磁気回路ユニットを上方側から覆うケースが、平面視において略矩形状の外形形状を有しており、このケースに対して磁気回路ユニットを上下方向に変位可能に支持するサスペンションが、磁気回路ユニットとケースとを4箇所において連結する4つの可撓性アームを備えた構成となっているが、これら各可撓性アームにおけるケース側の先端部が、ケースの周面壁における各コーナ部の下端面に固定されており、また、ケースの周面壁における各コーナ部以外の各側面部の下端面が、各コーナ部の下端面よりも段上がりの段上がり面として形成されており、そして、各可撓性アームが、その先端部から各段上がり面の下方において各側面部に沿って互いに同一周方向に延びるように形成されているので、次のような作用効果を得ることができる。
【0018】
すなわち、本願発明に係る動電型エキサイタにおいては、そのサスペンションの各可撓性アームがケースの周面壁における各側面部に沿って互いに同一周方向に延びているので、各可撓性アームの長さを十分に確保した上で、磁気回路ユニットの設置スペースをケースの周面壁に近い位置まで最大限に確保することができる。
【0019】
このため、磁気回路ユニットを大きくして動電型エキサイタの振動部分の質量を大きくすることができ、これにより動電型エキサイタの最低共振周波数F0を低い値に設定することができる。しかも、このような作用効果を従来のように錘等を追加することなく得ることができ、これにより部品点数の増加によるコストアップを回避することができる。
【0020】
また、磁気回路ユニットを大きくすることができることから、そのマグネットについてもそのサイズを大きくすることができ、これにより動電型エキサイタの振動特性を高めることができる。
【0021】
このように本願発明によれば、動電型エキサイタを大型化することなくかつそのコストアップを回避した上で、その最低共振周波数F0を低い値に設定することができるとともにその振動特性を高めることができる。
【0022】
しかも、本願発明に係る動電型エキサイタは、そのコイルおよび磁気回路ユニットを上方側から覆うケースが、平面視において略矩形状の外形形状を有しているので、この動電型エキサイタを励振用パネルに取り付ける際、そのケースの周面壁における各コーナ部の下端面を押圧するようにすれば、励振用パネルへの取付けを確実に行うことができる。またこれにより、励振用パネルへの取付けの際、磁気回路ユニットが不用意に押圧されてサスペンションの各可撓性アームが変形してしまうといった事態が発生してしまうのを未然に防止することができる。
【0023】
上記構成において、ケースの周面壁における各コーナ部が、各側面部よりも厚肉の柱状部として形成された構成とすれば、その下端面に先端部が固定される各可撓性アームに対する支持剛性を高めることができ、これにより磁気回路ユニットからの振動反力を効率良く励振用パネルに伝達させるようにすることができる。また、このような構成を採用することにより、動電型エキサイタを励振用パネルに取り付ける際、そのケースの周面壁における各コーナ部の下端面の押圧操作が安定的に行われるようにすることができる。
【0024】
上記構成において、各可撓性アームの先端部に、該可撓性アームの長手方向と略直交する鉛直面に沿って上方へ折れ曲がる突起片が形成された構成とするとともに、ケースの周面壁における各コーナ部の下端面に、各突起片が挿入された状態で固定される鉛直溝が形成された構成とすれば、各可撓性アームの長さを最大限に確保することが可能となり、その振動特性を高めることができる。その際、これら各突起片の固定が圧入固定によって行われる構成とした場合には、励振用パネルへの取付けの際に各コーナ部の下端面が押圧されることにより、各突起片の各鉛直溝に対する圧入固定が一層堅固に行われるようにすることができる。
【0025】
上記構成において、ケースに、磁気回路ユニットが下方側へ所定量変位したとき該磁気回路ユニットに当接するストッパが設けられた構成とすれば、次のような作用効果を得ることができる。
【0026】
すなわち、動電型エキサイタが組み込まれた携帯機器等が落下等により外部衝撃を受けると、その振動部分である磁気回路ユニットおよびサスペンションには過大振幅が生じてしまうこととなるが、磁気回路ユニットが下方側へ所定量変位したときにはストッパがこれに当接するので、サスペンションの各可撓性アームが下方側へ過大に撓み変形してしまうのを未然に防止することができる。そしてこれにより、携帯機器等におけるプリント基板やカバー部材等の構成部材に磁気回路ユニットが当接して、これらを破損させてしまうのを未然に防止することができる。また、このような破損が生じるほどには強く当接しないまでも、振動力の増大に伴って磁気回路ユニットがプリント基板やカバー部材等に当接し、これにより異音を発生させてしまうのを未然に防止することができる。
【0027】
この場合において、上記ストッパとして、ケースの周面壁における4箇所の段上がり面のうち少なくとも1つの段上がり面に取り付けられた板状部材で構成されたものとし、また、上記磁気回路ユニットとして、コイルの内周側にマグネットが配置された内磁型の磁気回路ユニットであって、マグネットの下面に固定された断面略U字形のベースとマグネットの上面に固定された平板状のヨークとで磁気間隙を形成するように構成されたものとし、そして、この磁気回路ユニットのベースに、ストッパとの干渉を回避した上で、磁気回路ユニットが下方側へ所定量変位したときストッパと当接する切欠き部が形成された構成とすれば、動電型エキサイタを大型化することなく簡易な構成でストッパとしての機能を確保することができる。
【0028】
上記構成において、ケースの周面壁における各コーナ部の下端面における同一周方向側の端部に、切欠き部がそれぞれ形成された構成とし、そして、これら各切欠き部と各可撓性アームとの間に、応力集中緩和部材がそれぞれ配置された構成とすれば、各可撓性アームの基端部に応力集中が生じることによってその劣化が促進されてしまうのを未然に防止することができ、またQ値を適正な値にコントロールすることができる。その際、応力集中緩和部材の硬度等を適宜選定することにより、最低共振周波数F0の値を調整することができる。
【0029】
上記「応力集中緩和部材」は、応力集中を緩和することができる部材であれば、その具体的な構成は特に限定されるものではなく、例えば弾性接着剤やウレタンフォーム等が採用可能である。
【0030】
上記構成において、ケースの周面壁における4箇所の側面部のうち互いに対向する少なくとも1対の側面部の各々の段上がり面とこれら各段上がり面の下方に位置する各可撓性アームとの間に、クッション部材がそれぞれ配置された構成とすれば、これら各クッション部材を磁気回路ユニットが上下方向に振動する際のダンパとして機能させることができる。そしてこれにより、各可撓性アームの基端部への応力集中による劣化の促進を未然に防止することができ、またQ値を適正な値にコントロールすることができる。さらに、このような構成を採用することにより、磁気回路ユニットが左右に交互に傾斜しながら上下動するタンブリング現象が発生してしまうのを未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】(a)は、本願発明の一実施形態に係る動電型エキサイタを斜め上方から見て示す斜視図、(b)は、上記動電型エキサイタを斜め下方から見て示す斜視図
【図2】上記動電型エキサイタを主要構成要素に分解して斜め上方から見て示す斜視図
【図3】上記動電型エキサイタを主要構成要素に分解して斜め下方から見て示す斜視図
【図4】(a)は、上記動電型エキサイタを示す平面図、(b)は、(a)のb方向矢視図、(c)は、(b)のc方向矢視図
【図5】上記動電型エキサイタを励振用パネルに取り付けた状態で示す、図4(a)のV−V線断面図
【図6】図5のVI方向矢視図
【図7】図6のVII−VII線断面図
【図8】上記動電型エキサイタのサスペンションを斜め上方から見て示す斜視図
【図9】(a)は、上記実施形態の変形例を示す、図4(b)と同様の図、(b)は、本変形例を示す、図4(c)と同様の図
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面を用いて、本願発明の実施の形態について説明する。
【0033】
図1(a)は、本願発明の一実施形態に係る動電型エキサイタ10を斜め上方から見て示す斜視図であり、同図(b)は、これを斜め下方から見て示す斜視図である。また、図2は、この動電型エキサイタ10を主要構成要素に分解して斜め上方から見て示す斜視図であり、図3は、これを斜め下方から見て示す斜視図である。
【0034】
図4(a)は、この動電型エキサイタ10を示す平面図であり、同図(b)は、同図(a)のb方向矢視図、同図(c)は、同図(b)のc方向矢視図である。また、図5は、図4(a)のV−V線断面図であり、図6は、図5のVI方向矢視図であり、図7は、図6のVII−VII線断面図である。
【0035】
これらの図に示すように、本実施形態に係る動電型エキサイタ10は、コイル20と、このコイル20の下端部を収容する磁気間隙が形成された磁気回路ユニット30と、これらコイル20および磁気回路ユニット30を上方側から覆うように配置され、上面壁42においてコイル20を固定支持するケース40と、このケース40に対して磁気回路ユニット30を上下方向に変位可能に支持するサスペンション50とを備えた構成となっている。
【0036】
そして、この動電型エキサイタ10は、図5に示すように、そのケース40の上面壁42において、液晶ディスプレイのタッチパネル等の励振用パネル2に貼着等により取り付けられた状態で用いられるようになっている。その際、この動電型エキサイタ10は、そのコイル20に給電されて磁気回路ユニット30が上下方向に振動し、その振動反力によって励振用パネル2を振動させるように構成されている。
【0037】
ケース40は、液晶ポリマー等からなる樹脂成形品であって、平面視において横長矩形状の外形形状を有しており、その上面壁42の外周縁部から下方へ延びる周面壁44を有している。その際、このケース40における上面壁42の長辺側の長さは、15〜19mm程度(例えば17mm程度)の値に設定されており、その短辺側の長さは、10〜14mm程度(例えば12mm程度)の値に設定されている。また、このケース40における周面壁44の高さは、3〜7mm程度(例えば5mm程度)の値に設定されている。
【0038】
この周面壁44は、その4箇所の各コーナ部44Aが、それ以外の長辺側の各側面部44B1および短辺側の各側面部44B2よりも内周側に張り出しており、これにより厚肉の柱状部として形成されている。また、この周面壁44は、その各側面部44B1、44B2の下端面が、各コーナ部44Aの下端面44Aaよりも段上がりの段上がり面44B1a、44B2aとして形成されている。
【0039】
コイル20は、ケース40の外形形状よりもひと回り小さい横長略矩形状に巻回されており、その短辺部分中央部の上端縁から内周側へ向けて1対のコイル端末20aが延びている。このコイル20のケース40の上面壁42への固定支持は、上面壁42の下面に形成された環状リブ42aの下面にコイル20の上端縁を接着することにより行われている。
【0040】
磁気回路ユニット30は、コイル20の内周側にマグネット32が配置された内磁型の磁気回路ユニットであって、マグネット32の下面に固定された断面略U字形のベース34とマグネット32の上面に固定された平板状のヨーク36とで磁気間隙を形成するように構成されている。
【0041】
サスペンション50は、0.1〜0.3mm程度(例えば0.2mm程度)の板厚を有するステンレス鋼等の金属板を打ち抜くことにより板バネ状に形成されている。このサスペンション50は、略矩形リング状に形成された中心部52と、この中心部52から延びる4つの可撓性アーム54A、54Bとで構成されている。そして、このサスペンション50は、その中心部52において磁気回路ユニット30のベース34の下面に接着等により固定されており、また、その4つの可撓性アーム54A、54Bによって磁気回路ユニット30とケース40とを4箇所において連結するようになっている。
【0042】
これら各可撓性アーム54A、54Bは、そのケース40側の先端部54A1、54B1が、ケース40の周面壁44における各コーナ部44Aの下端面44Aaに固定されている。そして、これら各可撓性アーム54A、54Bは、その先端部54A1、54B1から同一周方向に延びるように形成されている。
【0043】
これら4つの可撓性アーム54A、54Bのうち2つの可撓性アーム54Aは、残り2つの可撓性アーム54Bよりも長尺で形成されている。そして、長尺の各可撓性アーム54Aは、その先端部54A1から各段上がり面44B1aの下方において、各側面部44B1に沿って延びるように形成されており、また、短尺の各可撓性アーム54Bは、その先端部54B1から各段上がり面44B2aの下方において各側面部44B2に沿って延びるように形成されている。
【0044】
その際、これら各可撓性アーム54A、54Bは、その先端部54A1、54B1が固定されているコーナ部44Aに対して上記同一周方向に隣接するコーナ部44Aの近傍まで延びている。そして、これら各可撓性アーム54A、54Bにおける磁気回路ユニット30側の基端部54A2、54B2は、内周側に折れ曲がった略L字状に形成されており、この基端部54A2、54B2において中心部52の各コーナ部に連結されている。
【0045】
図8は、サスペンション50を斜め上方から見て示す斜視図である。
【0046】
同図にも示すように、このサスペンション50における各可撓性アーム54A、54Bの先端部54A1、54B1には、その長手方向と略直交する鉛直面に沿って上方へ折れ曲がる突起片54A1a、54B1aが形成されている。これら各突起片54A1a、54B1aの中心部には、各可撓性アーム54A、54Bの基端部54A2、54B2側へ向けて切り起こされた下向きの切起し片54A1b、54B1bが形成されている。
【0047】
一方、図6に示すように、ケース40の周面壁44における各コーナ部44Aの下端面44Aaには、各突起片54A1a、54B1aが圧入固定される鉛直溝44Aa1が形成されている。その際、各突起片54A1a、54B1aが鉛直溝44Aa1に挿入されたとき、その切起し片54A1b、54B1bが鉛直溝44Aa1の側面壁に係合して圧入固定が行われるようになっている。
【0048】
図2および3に示すように、磁気回路ユニット30のベース34は、その下面壁34Aの外周縁部からケース40の各側面部44B1、44B2に沿って上方へ延びる側面壁34B1、34B2を有しており、これら各側面壁34B1、34B2相互間のコーナ部には上下方向に延びる隙間が形成されている。そして、このベース34の各側面壁34B1、34B2における上記同一周方向の端縁部の下端部には、切欠き部34B1a、34B2aが上記隙間を拡げるようにして形成されている。
【0049】
このような切欠き部34B1a、34B2aが形成された構成することにより、図6に示すように、各可撓性アーム54A、54Bの基端部54A2、54B2が、ベース34の下面壁34Aと接触する位置をその先端部54A1、54B1からできるだけ離して、各可撓性アーム54A、54Bの長さを最大限に確保するようにしている。
【0050】
図7に示すように、ケース40には、磁気回路ユニット30が下方側へ所定量変位したとき該磁気回路ユニット30に当接する1対のストッパ60が設けられている。
【0051】
これら各ストッパ60は、ケース40の周面壁44における短辺側の各側面部44B2の段上がり面44B2aに取り付けられた板状部材で構成されている。その際、これら各ストッパ60は、段上がり面44B2aに沿ってその略全長にわたって延びており、上記同一周方向側の端部にはケース40の内側に折れ曲がる鉤部60aが形成されている。そして、これら各ストッパ60には、その2箇所に係合用の孔60bが形成されている。
【0052】
一方、ケース40の周面壁44における短辺側の各側面部44B2の段上がり面44B2aには、その2箇所に高さの異なる2つのボス44B2b、44B2cが形成されている。そして、これら各ボス44B2b、44B2cが、ストッパ60の各孔60bに挿入されるようにした状態で、各ストッパ60が各段上がり面44B2aに接着されることにより、ストッパ60の位置決め固定が行われるようになっている。
【0053】
磁気回路ユニット30のベース34における各側面壁34B1、34B2に形成された切欠き部34B1a、34B2aのうち、短辺側の各側面壁34B2に形成された切欠き部34B2aは、長辺側の各側面壁34B1に形成された切欠き部34B1aよりも上方まで拡大して形成されている。そして、これら短辺側の各側面壁34B2に形成された切欠き部34B2aは、ストッパ60との干渉を回避した上で、磁気回路ユニット30が下方側へ所定量変位したときストッパ60の鉤部60aと当接するようになっている。
【0054】
図4に示すように、ケース40の周面壁44における各コーナ部44Aの下端面44Aaにおける上記同一周方向側の端部には、切欠き部44Aa2がそれぞれ形成されている。
【0055】
図2に示すように、ケース40の上面壁42には、その中央部(すなわち環状リブ42aの内周側に位置する部分)に、該上面壁42を上下方向に貫通する開口部42bが形成されている。また、この上面壁42の上面には、開口部42bを囲むようにして段下がり部42cが形成されている。その際、これら開口部42bおよび段下がり部42cは、ケース40の外形形状と略相似形の横長矩形状に形成されている。
【0056】
1対の短辺側の側面部44B2のうち一方の側面部44B2の上端部には、段下がり部42cよりも深い段下がり部44B2dが、該側面部44B2と上面壁42との稜線に沿って延びるように形成されている。その際、この段下がり部44B2dは、段下がり部42cの短辺部分と略同じ範囲内において形成されている。また、段下がり部42cには、上記一方の短辺側の側面部44B2へ向けて段下がり部44B2dまで帯状に延びる帯状延長部42c1が形成されている。さらに、ケース40の上面壁42には、開口部42bから帯状延長部42c1の幅方向中央部において、段下がり部44B2dの近くまで、上面壁42を上下方向に貫通するようにして延びる溝部42dが形成されている。
【0057】
ケース40の上面壁42には、配線部材としてのプリント基板70が取り付けられている。
【0058】
このプリント基板70は、平面視において段下がり部42c、帯状延長部42c1および段下がり部44B2d全体の外形形状よりも僅かに小さい、これらと略相似形の外形形状を有しており、段下がり部42cの深さよりも薄い板厚で形成されている。そして、このプリント基板70は、段下がり部42cおよび帯状延長部42c1に載置された状態で、接着剤により上面壁42に固定されている。
【0059】
図3に示すように、このプリント基板70の下面には、左右1対の導電膜70aが形成されており、これら各導電膜70aは、その途中部分が絶縁膜70bで被覆されている。その際、これら各導電膜70aは、プリント基板70が上面壁42に取り付けられたとき、その一端部が開口部42bに位置する一方、その他端部が段下がり部44B2dに位置するように形成されている。
【0060】
そして、図5に示すように、コイル20から延出する1対のコイル端末20aの各々が、該コイル20の内周側において溝部42dを挿通するようにして引き回された状態で、各導電膜70aの一端部にそれぞれ導通固定されている、この導通固定は、熱圧着により行われており、その熱圧着部分にはオーバコート72が施されている。
【0061】
プリント基板70には、上面壁42に取り付けられる前の段階で、その1対の導電膜70aの各々の他端部に1対の配線コード74がハンダ付けによって固定されるようになっている。なお、プリント基板70が上面壁42に取り付けられたとき、その1対の導電膜70aの他端部が段下がり部44B2dに位置するようになっているので、ハンダ付けされた1対の配線コード74が不用意にケース40と干渉してしまうことはない。
【0062】
次に本実施形態の作用効果について説明する。
【0063】
本実施形態に係る動電型エキサイタ10は、コイル20および磁気回路ユニット30を上方側から覆うケース40が、平面視において略矩形状の外形形状を有するとともに、このケース40に対して磁気回路ユニット30がサスペンション50により上下方向に変位可能に支持されており、そして、このサスペンション50が、磁気回路ユニット30とケース40とを4箇所において連結する4つの可撓性アーム54A、54Bを備えた構成となっているが、これら各可撓性アーム54A、54Bにおけるケース側の先端部54A1、54B1が、ケース40の周面壁44における各コーナ部44Aの下端面44Aaに固定されており、また、ケース40の周面壁44における各コーナ部44A以外の各側面部44B1、44B2の下端面が、各コーナ部44Aの下端面44Aaよりも段上がりの段上がり面44B1a、44B2aとして形成されており、そして、各可撓性アーム54A、54Bが、その先端部54A1、54B1から各段上がり面44B1a、44B2aの下方において各側面部44B1、44B2に沿って互いに同一周方向に延びるように形成されているので、次のような作用効果を得ることができる。
【0064】
すなわち、本実施形態に係る動電型エキサイタ10においては、そのサスペンション50の各可撓性アーム54A、54Bがケース40の周面壁44における各側面部44B1、44B2に沿って互いに同一周方向に延びているので、各可撓性アーム54A、54Bの長さを十分に確保した上で、磁気回路ユニット30の設置スペースをケース40の周面壁44に近い位置まで最大限に確保することができる。
【0065】
このため、磁気回路ユニット30を大きくして動電型エキサイタ10の振動部分の質量を大きくすることができ、これにより動電型エキサイタ10の最低共振周波数F0を低い値に設定することができる。しかも、このような作用効果を従来のように錘等を追加することなく得ることができ、これにより部品点数の増加によるコストアップを回避することができる。
【0066】
また、磁気回路ユニット30を大きくすることができることから、そのマグネット32についてもそのサイズを大きくすることができ、これにより動電型エキサイタ10の振動特性を高めることができる。
【0067】
このように本実施形態によれば、動電型エキサイタ10を大型化することなくかつそのコストアップを回避した上で、その最低共振周波数F0を低い値に設定することができるとともにその振動特性を高めることができる。
【0068】
特に、本実施形態に係る動電型エキサイタ10においては、磁気回路ユニット30のベース34の各側面壁34B1、34B2における上記同一周方向の端縁部の下端部に、切欠き部34B1a、34B2aが形成されているので、各可撓性アーム54A、54Bの基端部54A2、54B2がベース34の下面壁34Aと接触する位置をその先端部54A1、54B1から十分に離して、各可撓性アーム54A、54Bの長さを最大限に確保することができる。そしてこれにより、動電型エキサイタ10の最低共振周波数F0をより一層低い値に設定することができる。
【0069】
しかも、本実施形態に係る動電型エキサイタ10は、そのコイル20および磁気回路ユニット30を上方側から覆うケース40が、平面視において略矩形状の外形形状を有しているので、この動電型エキサイタ10を励振用パネル2に取り付ける際、そのケース40の周面壁44における各コーナ部44Aの下端面44Aaを押圧するようにすれば、励振用パネル2への取付けを確実に行うことができる。またこれにより、励振用パネル2への取付けの際、磁気回路ユニット30が不用意に押圧されてサスペンション50の各可撓性アーム54A、54Bが変形してしまうといった事態が発生してしまうのを未然に防止することができる。
【0070】
また、本実施形態に係る動電型エキサイタ10は、そのケース40の周面壁44における各コーナ部44Aが、各側面部44B1、44B2よりも厚肉の柱状部として形成されているので、その下端面44Aaに先端部54A1、54B1が固定される各可撓性アーム54A、54Bに対する支持剛性を高めることができ、これにより磁気回路ユニット30からの振動反力を効率良く励振用パネル2に伝達させるようにすることができる。また、このような構成を採用することにより、動電型エキサイタ10を励振用パネル2に取り付ける際、そのケース40の周面壁44における各コーナ部44Aの下端面44Aaの押圧操作が安定的に行われるようにすることができる。
【0071】
さらに、本実施形態に係る動電型エキサイタ10においては、各可撓性アーム54A、54Bの先端部54A1、54B1に、該可撓性アーム54A、54Bの長手方向と略直交する鉛直面に沿って上方へ折れ曲がる突起片54A1a、54B1aが形成されており、また、ケース40の周面壁44における各コーナ部44Aの下端面44Aaに、各突起片54A1a、54B1aが圧入固定される鉛直溝44Aa1が形成されているので、各可撓性アーム54A、54Bの長さを最大限に確保することが可能となり、その振動特性を高めることができる。また、励振用パネル2への取付けの際に各コーナ部44Aの下端面44Aaが押圧されることにより、各突起片54A1a、54B1aの各鉛直溝44Aa1に対する圧入固定が一層堅固に行われるようにすることができる。
【0072】
また、本実施形態に係る動電型エキサイタ10は、そのケース40に、磁気回路ユニット30が下方側へ所定量変位したとき該磁気回路ユニット30に当接するストッパ60が設けられているので、次のような作用効果を得ることができる。
【0073】
すなわち、動電型エキサイタ10が組み込まれた携帯機器等が落下等により外部衝撃を受けると、その振動部分である磁気回路ユニット30およびサスペンション50には過大振幅が生じてしまうこととなるが、磁気回路ユニット30が下方側へ所定量変位したときにはストッパ60がこれに当接するので、サスペンション50の各可撓性アーム54A、54Bが下方側へ過大に撓み変形してしまうのを未然に防止することができる。そしてこれにより、携帯機器等におけるプリント基板やカバー部材等の構成部材に磁気回路ユニット30が当接して、これらを破損させてしてしまうのを未然に防止することができる。また、このような破損が生じるほどには強く当接しないまでも、振動力の増大に伴って磁気回路ユニット30がプリント基板やカバー部材等に当接し、これにより異音を発生させてしまうのを未然に防止することができる。
【0074】
その際、本実施形態においては、ストッパ60が、ケース40の周面壁44において互いに対向する短辺側の1対の側面部44B2の段上がり面44B2aの各々に取り付けられた板状部材で構成されており、また、内磁型の磁気回路ユニット30におけるベース34に、これら各ストッパ60との干渉を回避した上で、磁気回路ユニット30が下方側へ所定量変位したとき各ストッパ60と当接する切欠き部34B2aが2箇所に形成されているので、動電型エキサイタ10を大型化することなく簡易な構成でストッパとしての機能を確保することができる。
【0075】
上記実施形態においては、各可撓性アーム54A、54Bの先端部54A1、54B1に形成された突起片54A1a、54B1aがケース40の各鉛直溝44Aa1に挿入されたとき、これら各突起片54A1a、54B1aに形成された切起し片54A1b、54B1bが各鉛直溝44Aa1の側面壁に係合して圧入固定が行われる構成となっているものとして説明したが、この圧入固定に加えて各鉛直溝44Aa1に接着剤が充填された構成とすることも可能である。このような構成を採用することにより、各可撓性アーム54A、54Bの先端部54A1、54B1のケース40に対する固定が一層堅固に行われるようにすることができる。あるいは、各突起片54A1a、54B1aの構成として切起し片54A1b、54B1bが形成されていない構成とした上で、各突起片54A1a、54B1aが鉛直溝44Aa1に挿入された状態で接着や溶着等によってケース40に固定された構成とすることも可能である。
【0076】
上記実施形態においては、ケース40が平面視において横長矩形状の外形形状を有しているものとして説明したが、正方形の外形形状を有する場合においても、上記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0077】
次に、上記実施形態の変形例について説明する。
【0078】
図9は、本変形例に係る動電型エキサイタ110を示す図であって、同図(a)は、図4(b)と同様の図、同図(b)は、図4(c)と同様の図である。
【0079】
同図に示すように、本変形例に係る動電型エキサイタ110は、上記実施形態に係る動電型エキサイタ10に対して次のような構成が追加されたものとなっている。
【0080】
すなわち、本変形例に係る動電型エキサイタ110においては、ケース40の周面壁44における各コーナ部44Aの下端面44Aaにおける同一周方向側の端部に形成された切欠き部44Aa2と各可撓性アーム54A、54Bとの間に、応力集中緩和部材182がそれぞれ配置されている。この応力集中緩和部材182は、各切欠き部44Aa2に弾性接着剤を充填することにより構成されている。
【0081】
また、本変形例に係る動電型エキサイタ110においては、ケース40の周面壁44において互いに対向する短辺側の1対の側面部44B2の段上がり面44B2aの各々とその下方に位置する各可撓性アーム54Bとの間に、ポロン(商品名)等からなるクッション部材184がそれぞれ配置されている。このクッション部材184は、側面部44B2の肉厚と略同じ幅で形成されており、段上がり面44B2aに取り付けられたストッパ60と可撓性アーム54Bとの双方に貼着等により固定されている。
【0082】
本変形例の構成を採用することにより、上記実施形態の作用効果に加えて次のような作用効果を得ることができる。
【0083】
すなわち、本変形例のように、応力集中緩和部材182が配置された構成とすれば、各可撓性アーム54A、54Bの基端部に応力集中が生じることによってその劣化が促進されてしまうのを未然に防止することができ、またQ値を適正な値にコントロールすることができる。その際、応力集中緩和部材182の硬度等を適宜選定することにより、最低共振周波数F0の値を調整することができる。
【0084】
また、本変形例のように、各段上がり面44B2aとその下方に位置する各可撓性アーム54Bとの間にクッション部材184が配置された構成とすれば、これら各クッション部材184を磁気回路ユニット30が上下方向に振動する際のダンパとして機能させることができる。そしてこれにより、各可撓性アーム54A、54Bの基端部への応力集中による劣化の促進を未然に防止することができ、またQ値を適正な値にコントロールすることができる。さらに、互いに対向する1対の側面部44B1にクッション部材184が配置された構成とすることにより、磁気回路ユニット30が左右に交互に傾斜しながら上下動するタンブリング現象が発生してしまうのを未然に防止することができる。
【0085】
なお、本変形例においては、応力集中緩和部材182として弾性接着剤が用いられているが、このようにする代わりに、各切欠き部44Aa2と各可撓性アーム54A、54Bとの間に、ウレタンフォーム等を配置して両者に接着することにより構成することも可能である。
【0086】
また、本変形例においては、クッション部材184が短辺側の1対の側面部44B2に配置されているが、このようにする代わりに長辺側の1対の側面部44B1に配置された構成あるいは両者に配置された構成とすることも可能である。
【0087】
なお、上記実施形態および変形例において諸元として示した数値は一例にすぎず、これらを適宜異なる値に設定してもよいことはもちろんである。
【符号の説明】
【0088】
2 励振用パネル
10、110 動電型エキサイタ
20 コイル
20a コイル端末
30 磁気回路ユニット
32 マグネット
34 ベース
34A 下面壁
34B1、34B2 側面壁
34B1a、34B2a 切欠き部
36 ヨーク
40 ケース
42 上面壁
42a 環状リブ
42b 開口部
42c 段下がり部
42c1 帯状延長部
42d 溝部
44 周面壁
44A コーナ部
44Aa 下端面
44Aa1 鉛直溝
44Aa2 切欠き部
44B1、44B2 側面部
44B1a、44B2a 段上がり面
44B2b、44B2c ボス
44B2d 段下がり部
50 サスペンション
52 中心部
54A、54B 可撓性アーム
54A1、54B1 先端部
54A1a、54B1a 突起片
54A1b、54B1b 切起し片
54A2、54B2 基端部
60 ストッパ
60a 鉤部
60b 孔
70 プリント基板
70a 導電膜
70b 絶縁膜
72 オーバコート
74 配線コード
182 応力集中緩和部材
184 クッション部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コイルと、このコイルの下端部を収容する磁気間隙が形成された磁気回路ユニットと、これらコイルおよび磁気回路ユニットを上方側から覆うように配置され、上面壁において上記コイルを固定支持するケースと、このケースに対して上記磁気回路ユニットを上下方向に変位可能に支持するサスペンションとを備え、上記ケースの上面壁において励振用パネルに取り付けられるように構成された動電型エキサイタにおいて、
上記ケースが、平面視において略矩形状の外形形状を有しており、
上記サスペンションが、上記磁気回路ユニットと上記ケースとを4箇所において連結する4つの可撓性アームを備えており、
上記各可撓性アームにおける上記ケース側の先端部が、上記ケースの周面壁における各コーナ部の下端面に固定されており、
上記ケースの周面壁における各コーナ部以外の各側面部の下端面が、上記各コーナ部の下端面よりも段上がりの段上がり面として形成されており、
上記各可撓性アームが、該可撓性アームの先端部から上記各段上がり面の下方において上記各側面部に沿って互いに同一周方向に延びるように形成されている、ことを特徴とする動電型エキサイタ。
【請求項2】
上記ケースの周面壁における各コーナ部が、該周面壁における各側面部よりも厚肉の柱状部として形成されている、ことを特徴とする請求項1記載の動電型エキサイタ。
【請求項3】
上記各可撓性アームの先端部に、該可撓性アームの長手方向と略直交する鉛直面に沿って上方へ折れ曲がる突起片が形成されており、
上記ケースの周面壁における各コーナ部の下端面に、上記各突起片が挿入された状態で固定される鉛直溝が形成されている、ことを特徴とする請求項1または2記載の動電型エキサイタ。
【請求項4】
上記ケースに、上記磁気回路ユニットが下方側へ所定量変位したとき該磁気回路ユニットに当接するストッパが設けられている、ことを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の動電型エキサイタ。
【請求項5】
上記ストッパが、上記ケースの周面壁における4箇所の段上がり面のうち少なくとも1つの段上がり面に取り付けられた板状部材で構成されており、
上記磁気回路ユニットが、上記コイルの内周側にマグネットが配置された内磁型の磁気回路ユニットであって、上記マグネットの下面に固定された断面略U字形のベースと上記マグネットの上面に固定された平板状のヨークとで上記磁気間隙を形成するように構成されており、
上記ベースに、上記ストッパとの干渉を回避した上で、上記磁気回路ユニットが下方側へ所定量変位したとき上記ストッパと当接する切欠き部が形成されている、ことを特徴とする請求項4記載の動電型エキサイタ。
【請求項6】
上記ケースの周面壁における各コーナ部の下端面における上記同一周方向側の端部に、切欠き部がそれぞれ形成されており、
これら各切欠き部と上記各可撓性アームとの間に、応力集中緩和部材がそれぞれ配置されている、ことを特徴とする請求項1〜5いずれか記載の動電型エキサイタ。
【請求項7】
上記ケースの周面壁における4箇所の側面部のうち互いに対向する少なくとも1対の側面部の各々の段上がり面とこれら各段上がり面の下方に位置する上記各可撓性アームとの間に、クッション部材がそれぞれ配置されている、ことを特徴とする請求項1〜6いずれか記載の動電型エキサイタ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate