説明

動電学的薬剤配送の電流集中緩和方法とシステム

哺乳動物ユーザーの治療サイトへ治療薬を適用する動電学的装置で、該装置はセグメント化活動電極と、該セグメント化活動電極に隣接する1つの側及び該治療サイト上で皮膚表面に接触するよう適合されたもう1つの側と、を有する治療薬マトリックスと、を備え、該マトリックスは該マトリックスを通り横切る電流流れを抑制する少なくとも1つの電流方向バリヤを有する。

【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本出願は2007年6月15日出願の米国特許仮出願第60/944,134号及び2008年3月4日出願の同第61/033,608号の特典を請求するものである。
【技術分野】
【0002】
本発明は一般的に生体組織への物質の動電学的多量輸送用のアップリケーターに関し、特に人間患者の皮膚の上、中又は下、の治療サイトへの、物質例えば治療薬の動電学的配送用の装置に関する。特に、本出願は、広範囲の治療サイト内へ治療薬を注入するための広範囲の皮膚用の動電学的配送アップリケーター、及び足指爪又は手指爪又は硬い皮膚の範囲の様な、高抵抗を有する治療サイト用のアップリケーター、に向けられている。
【背景技術】
【0003】
治療薬の動電学的配送は治療サイトに達するよう薬物治療を局所的に皮膚に適用する。動電学的配送機構の1つのタイプは電離療法であり、該電離療法は、皮膚の浸透性を高め、それによりイオン性薬剤、例えば塩及び他の薬剤のイオンを、皮膚面の下の治療サイトへ配送するために、皮膚へ電流を印加することである。動電学的配送方法は、電離療法的、経皮的及び皮膚粘膜透過的方法、電気浸透法、電気穿孔法及び電気泳動法を含み、それらの幾つか、又は全部は、電気的輸送法、電気分子的輸送法又は電離療法的方法として一般に公知である。これらの技術はここではまとめて動電学的配送方法と呼ばれる。
【0004】
動電学的配送方法は、例えば大面積の皮膚、高い変動インピーダンスを有する皮膚、又は足指爪の様な高い本質的インピーダンスを有する組織に適用時、問題がある。大きな皮膚治療面積は湿疹、乾癬及びにきびの様な皮膚条件に付随する。大きな皮膚治療サイトへ治療薬を動電学的に配送するために、比較的大きな治療薬マトリックスが該皮膚に付けられる。該大面積マトリックスから該皮膚内へ充分な治療薬を動電学的に駆動するには一般に大電流が必要である。該マトリックスは、中に均一な処方治療薬(uniform medicament formulation)が分散された均一固相から成る。この様なマトリックスは、該マトリックス全体と一般的に接触する電極からの印加電流により支配される1つの速度でその治療薬を配送することに限定される。該マトリックス下の1つのサイトからもう1つへと組織の特定のニーヅに応答しながら、種々の速度又は投薬量で1つ以上の治療薬を配送することが出来る治療薬マトリックスのニーヅがある。更に、該治療薬マトリックス及び治療サイトを通る電流を確立するために、該マトリックス上には、単一電極の代わりに、電極のアレーが置かれる。加えて、該マトリックスから可成りの距離のところで従来は反対電極が患者に付けられる。電流は該治療薬マトリックスに隣接した配送電極から、患者を通して、該反対電極まで該患者を通過せねばならない。該皮膚を通る最終の長い電流路は、過剰な電圧降下と、薬剤配送の空間的分布への乏しい制御性に帰着する。
【0005】
更に、大電流印加は、特に該電流が狭い皮膚面積に集中した場合、感電、刺激、皮膚の火傷の危険を呈する。大面積治療薬マトリックスは大面積の皮膚に接するよう意図されてもよい。大面積治療薬マトリックス内の電気的インピーダンスの均一性は、患者の動き、接触圧力、皮膚条件の変化、皮膚損傷の展開及び液体治療薬移動の様な要因により必ずしも常には保持可能でない。低インピーダンスの面積が展開し、そして電流は最小抵抗路に従う傾向があるので、該マトリックスに印加された大電流は局所面積に概して集中し、組織損傷を引き起こす可能性がある。もう1つの例では、足指爪のインピーダンスは高く、該爪への治療薬配送には比較的高い電圧が印加される。該足指爪に付けられる治療薬マトリックスは、該爪の隣の低インピーダンスの柔らかい皮膚組織に不注意に接するかも知れ
ない。高電流が流れ、該治療薬マトリックスに不注意に接する小面積の柔らかい皮膚に集中する危険がある。該高電流集中は該爪に隣接する皮膚接触範囲上に火傷を引き起こすかも知れない。
【0006】
他の例では、動電学的アップリケーターは唇上又は唇のエッジ上のヘルペスに適用される。該アップリケーターの治療薬マトリックスは、予防対策として該ヘルペスに苦しめられた皮膚の全面プラス周囲範囲に接触するよう意図される。唇及び唇のエッジの曲率のために、該アップリケーターマトリックスは該ヘルペスを囲む大きい皮膚面積より寧ろ、唇範囲上の小さな皮膚面積のみに接触する。該アップリケーターマトリックス上の面全体上に均一に分配されるよう意図された電流は、狭い皮膚接触面積に集中するかも知れない。
【0007】
治療薬を配送し、電流集中と付随する皮膚接触範囲の火傷の可能性を最小化する動電学的デバイスと方法の、長期に亘り実感されたニーズがある。特に、治療サイトの近くの軟組織又は比較的低インピーダンスを有する局部的皮膚欠陥部への高密度電流の印加無しに、大きな皮膚接触面積、足指爪又は手の指の爪、又はカーブした皮膚範囲に印加される高電流を使って、治療薬を配送出来る動電学的デバイスのニーヅがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許仮出願公開第60/944,134号明細書、2007年6月15日出願
【特許文献2】米国特許仮出願公開第61/033,608号明細書、2008年3月4日出願
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Journal of Material Science 41、2006年
【発明の概要】
【0010】
哺乳動物ユーザーの治療サイトに治療薬を適用する動電学的装置が開発されたが、該装置は、セグメント化活動電極と;該セグメント化活動電極に隣接する1つの側と、該治療サイト上の皮膚表面に接するよう適合されたもう1つの側と、を有する治療薬マトリックスと、を具備しており、該マトリックスは該マトリックスを通る横向きの及び横切る電流流れを抑制する少なくとも1つの電流方向バリヤを有する。
【0011】
哺乳動物ユーザーの治療サイトへ治療薬を動電学的に配送する方法が開発されたが、該方法は、治療薬マトリックスの第1面を該ユーザーの表面に付ける過程と、セグメント化第1電極を該治療薬マトリックスの第2面に付ける過程と、該第1電極セグメント、治療薬マトリックス、を通り、少なくとも部分的に該ユーザーを通り、そして第2電極まで延びる電流路へ電流を印加する過程と、該電流路に沿い該治療薬を動電学的に輸送することにより治療薬を該マトリックスから該治療サイト内へ配送する過程と、そして該第1電極の1つ電極セグメントから該1つの電極セグメントと整合されない該ユーザー上の面までの横切る電流を阻止する過程と、を具備する。
【0012】
哺乳動物ユーザーの治療サイトへ治療薬を適用する動電学的装置が開発されたが、該装置は、第1及び第2の活動電極セグメントを有する活動電極と、第1及び第2の反対電極セグメントを有する反対電極と、該活動電極の該セグメントに隣接する1つの側及び該治療サイト上の該ユーザーの表面に接触するよう適合されたもう1つの側を有する治療薬マトリックスであるが、該マトリックスが該マトリックスを通り横切る電流流れを抑制する少なくとも1つの電流方向バリヤを有する該治療薬マトリックスと、第1活動電極セグメ
ント及び第1反対電極セグメントを有する第1電気回路と、第2活動電極セグメント及び第2反対電極セグメントを有する第2電気回路と、であるが該第1電気回路は該第2電気回路から直流電流的に分離されている該第1電気回路及び第2電気回路を具備している。又この装置は該第1及び第2活動電極に加えて多数の活動電極を有するよう拡張されてもよい。
【0013】
動電学的配送システム用アップリケーターパネルが開発されたが、該パネルは柔軟な基盤上に配置された電極のアレーと、該電極の各々と電子制御及び電源回路への接続部を受けるコネクターと間の伝導路と、であるが、各電極は中央活動電極領域及び該活動電極領域の周りに延びる外側戻り電極領域とを有する該アレー及び伝導路と、治療薬セル及び該セル間のリブのネットワークのパターンを有する少なくとも1つの不織布層であるが、該不織布層は該電極のアレーへ積層された背面を有し、該セルは各々が該電極のそれぞれの1つに整合されている該不織布層と、を具備する。
【0014】
動電学的配送システム用アップリケーターが開発されたが、該アップリケーターは、基板上に配置された電極のアレーと、該電極の各々と電子制御及び電源回路への接続部を受けるコネクターとの間の伝導路と、であるが、該電極が少なくとも第1共通接続電極グループ及び第2共通接続電極グループ内に配置されている該電極のアレー及び伝導路と、第1治療薬セルのパターンを有する第1治療薬層であるが、該第1治療薬セルが該第1共通接続電極グループの電極に整合された該第1治療薬層と、第2治療薬セルのパターンを有する第2治療薬層であるが、該第2治療薬セルが該第2共通接続電極グループの電極に整合された該第2治療薬層と、そして患者の治療サイトへの動電学的配送を制御し、該第1及び第2治療薬層の下にある電子制御器と、を具備しており、該第1治療薬層の治療薬は該第1共通接続電極グループを電気的に駆動することにより配送され、該第2治療薬層の治療薬は該第2共通接続電極グループを電気的に駆動することにより配送される。該第1及び第2電極グループは同じ極性であってもよく或いは同じ極性でなくてもよい。例えば、陽極及び陰極の両電極を有するアップリケーターパッドは、同時に配送されるべき陽イオン及び陰イオンの両者の活性体を有する治療薬を配送するのに好適である。陽極及び陰極両電極を有するこの様なアップリケーターは該陽極及び陰極電極の各々用の中立極性反対電極を有してもよい。
【0015】
動電学的配送システム用のアップリケーターパネルが開発されたが、該パネルは柔軟な基盤上に配置された電極のアレーと、該電極の各々と電子制御及び電源の回路への接続部を受けるコネクターと間の伝導路と、治療薬セルと該セル間のリブとのパターンを有する少なくとも1枚の不織布層であるが、該セルが該アレーの電極と整合さている該不織布層と、接着剤マトリックスであるが該接着剤が該リブと整合されている該マトリックスと、を具備しており、該不織布層は該電極のアレーと該接着剤マトリックスとの間にサンドウイッチにされる。
【0016】
動電学的配送システム用アップリケーターパネルを形成する方法が開発されたが、該方法は不織布層上に治療薬セル及び嶺のパターンを隆起させる過程と、該治療薬セル内に治療薬を注入する過程と、電極層基盤の前側上に電極アレーを付けることにより電極層を形成する過程と該電極層基盤の後ろ側上に電気的分配回路を形成する過程と、そして該不織布層の後ろ側に該電極層基盤の該前側を固定する過程と、を具備しており、該電極は該治療薬セルと整合される。該方法は該不織布層の第1下位層と第2下位層を形成する過程を更に具備しており、該下位層の各々は治療薬セルの別々のグループを有し、該第1下位層内の治療薬セルのグループは第2下位層内の治療薬セルのグループと重なり合わない。
【0017】
治療薬セルのアレーを有する治療薬層を備える動電学的配送システム用のアップリケーターパネル内の電極のアレーが開発されたが、該電極の各々は該治療薬セルの1つと整合
された中央電極領域と、該中央電極を囲む非伝導領域と、そして環状の接着剤シールを囲む中立性戻り電極領域と、を具備する。第1の複数の電極の各々内の該中央領域は正の電圧源と接続された陰極中央領域であり、第2の複数の電極の各々内の該中央領域は負の電圧源に接続された陽極中央領域である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】多数電極型活動電極と、治療薬マトリックスとを有する動電学的アップリケーターの略図と、該マトリックスと該活動電極を収容するカートリッジの断面図である。
【図2】該活動電極の多数電極を図解するためカートリッジを平面図で示す。
【図3】多数電極型活動電極、反対電極、及び治療薬マトリックスを有する動電学的アップリケーターの略図と、カートリッジの断面図であり、該カートリッジ及びマトリックスは小面積の皮膚に付けられる。
【図4】多数電極型活動電極、反対電極、及び治療薬マトリックスを有する動電学的アップリケーターの略図と、カートリッジ断面図であり、該マトリックスは単方向フォーム、例えばハネカム構造フォームを有する。
【図5】多数電極型活動電極、反対電極、及び治療薬マトリックスを有する動電学的アップリケーターの略図と、カートリッジの断面図であり、該カートリッジ及びマトリックスは小面積の皮膚に付けられる。
【図6】多数電極型活動電極、反対電極、及び治療薬マトリックスを有する動電学的アップリケーターの略図と、カートリッジの断面図であり、該カートリッジ及びマトリックスは小面積の皮膚に付けられる。
【図7】足の指又は手の指に付けられたセグメント化活動電極及び反対電極を側面図で示す略図である。
【図8】各セグメント化活動電極及び反対電極の對用の直流電流分離された電流ドライバーの略図である。
【図9】各セグメント化活動電極及び反対電極の對用の直流電流分離された電流ドライバーの略図である。
【図10】直流電流分離された電流ドライバーの例示的回路図である。
【図11】電子式電源及び制御器に接続された、多数電極及び治療薬層を有する広い面積のアップリケーターを備える動電学的デバイスの略図である。
【図12】広い面積のアップリケーターパッドを有する顔面マスク動電学的デバイスの略図である。
【図13】図11又は12に示すアップリケーターパッドを側面図で示す略図である。
【図14】図12に示すアップリケーターパッドの組立分解図である。
【図15】該アップリケーターパッドの治療薬層の背面図である。
【図16】該アップリケーターパッドの電極層用の電極アレーの第1実施例である。
【図17】該アップリケーターパッドの電極層用の電極アレーの第2実施例である。
【図18−19】それぞれ、陽極及び陰極電極の略図である。
【図20】多数電極型パネルを有する治療薬層の正面図の略図であり、各パネルは別々に制御可能な電極の下位グループを有する。
【図21】4つの下位グループの電極を有する電極パネルの略図であり、各下位グループは電流制限回路と電源及び制御器とに別々に接続されている。
【図22】多数の治療薬下位層を有する治療薬層の多数の下位層の組立分解図である。
【実施例1】
【0019】
図1は携帯型動電学的経皮システム(portable Electrokinetic Transdermal System){イーテーエス(ETS)}制御ユニット12,活動電極電力コネクター14,該イーテーエス制御ユニット用ハウジングにリリース可能に取り付けられるカートリッジ16、セグメント化活動電極18及び治療薬付きマトリックス20、を有する動電学的治療薬アップリケーター10の略図である。
【0020】
該イーテーエス制御ユニット12は動電学的配送による治療薬適用の手動トリガーを提供するアクチュエータースイッチを有する手持ち式デバイス内に収容されてもよい。該イーテーエス制御ユニットは、バッテリーの様な電源システム、有効なカートリッジが該デバイス内に挿入されているかの様な或る条件をモニターし、該活動電極への電流印加を制御するマイクロ制御器、そして該電源、マイクロ制御器、アクチュエータースイッチ、活動電極及び反対電極を接続する伝導回路、を有する。該イーテーエス制御ユニットは、駆動された時、該活動電極の複数の電極セグメントの各々へ電流を印加する。該電極セグメントに印加される電流は、例えば660マイクロアンペア(μA)の桁である。電流路は電力コネクター14,活動電極18,患者、例えば哺乳動物ユーザー、の皮膚に付けられる治療薬マトリックス20,患者、該患者に付けられる反対電極21、そして該イーテーエス制御ユニットを含む。
【0021】
該活動電極電力コネクター14は複数の接触ピン22,例えば各々が電流制限ダイオード{シーエルデー(CLD)}24の様な電流制限デバイスを有する5本のピン、を備える。該5つのダイオードは該接触ピンと電気的に直列に配置される。伝導バス26は各ピン22及びダイオード24の配備と該イーテーエス制御ユニットとの間の共通の接続部を提供する。該ダイオードの各々は、該接触ピン22のそれぞれの1つへの電流を、例えば132マイクロアンペアに、又は該全体の電極セグメントにより適用される合計電流の約5分の1に制限する。該ダイオードは、該接触ピンの各々への電流を、全電極へ印加された合計電流を、接触ピン22の数で割ったもので決定される電流レベルの様な、予め決められたレベルへ制限するよう選択される。
【0022】
該電流制限デバイス24は好ましくは、該活動電極の部分及び/又は部分分割されたセグメントの各々用の簡単で、小型の電流制限デバイスであるのがよい。該ダイオード24については、セントラルセミコンダクター社(Central Semiconductor Corporation)により製造された一般的電流制限ダイオード1N5283から1N5314及びシーシーエルエム(CCLM)0130の様な電流制限デバイスが1例である。各接触ピンへの電流を制限する他の電子回路部品も適合可能である。電流
調整器ダイオード、定電流ダイオード、及び電流リミットダイオードの様な幾つかの種類の電流制限ダイオード{シーエルデー(CLD)}がある。電流調整ダイオードはそれらを通って流れる電流を最大レベルに調整し、もし電流がその電流調整点を越えるなら、それはそのターミナル電圧を低下させる。定電流ダイオードはそのゲート端子がソースへ短絡された接合型電界効果トランジスター{ジェーエフイーテー(JFET)}である。定電流ダイオードは広範囲の電源電圧に亘りレーザードライバー電流制限ダイオードを通る電流を自動的に制限出来る。レーザードライバー電流制限ダイオードは、高レベルから低レベルエネルギー状態への電子の移行により光が放射される量子過程の原理で働く種類の電流制限ダイオード(シーエルデー)である。電流制限ダイオードは該活動電極のどの1つへも過剰な電流が流れないことを保証するため使われる。該シーエルデーが再使用され、該カートリッジと共に捨てられないように、該シーエルデーは(該カートリッジ内より寧ろ)該デバイスのハウジング内に配置されるのが好ましい。
【0023】
電流は、電極の数及び/又は対応する電極セグメントに対応するマトリックスの寸法に比例して該活動電極18の各セグメントに等しく配分される。該電流は例えば、該バス26と、各ポーゴーピン22を有する電流制限デバイス24と、により配分される。該電流制限デバイス22のために、該活動電極18の各セグメント36を通る電流流れは制限され、小さな皮膚面積のために、又は電流集中に導く他の条件のために、過剰にならないのが好ましい。各活動電極セグメントにより該マトリックスに印加される最大電流密度は、該電極セグメントに付けられる該ポーゴーピン22により印加される電流を、電極セグメントの面積で割ったものに略等しい。
【0024】
該ピン22はばね偏倚され、該ピンが図1で双頭矢印により示す様に下方に偏倚されそして上方へそらされ得るように、例えばポーゴー(pogo)ピンであってもよい。該活動電極電力コネクター14は、イーテーエス制御ユニット12を含むハンドル付きデバイス用ハウジングの遠位の端部に設置されてもよい。該ピン22は該ハウジングの該遠位の端部内の凹部から突出してもよい。該ハウジングの凹部は該カートリッジのコネクターを受ける。該カートリッジが該凹部内に設置されると、ピン22は該カートリッジ16の活動電極18の電極セグメントとの電気接続を確立するために偏倚される。伝導バス26は各ピン22及びダイオード24の配備と該イーテーエス制御ユニットとの間の共通接続部を提供する。
【0025】
該カートリッジ16は治療薬マトリックス20を受けるため円柱状凹型品30を規定する環状プラスチック壁28を有する略円柱状の形を備える。該凹型品30は開いた面32を有するが、該開いた面は、皮膚又は爪に対し該治療薬マトリックスを加圧するために、皮膚又は足指爪の面に付けられる。該カートリッジは代わりに、該皮膚又は爪上の種々の位置に附けられるカートリッジのアレーとして具体化されてもよい。
【0026】
図2は該カートリッジ16を断面図として示す。該断面図はセグメント化された活動電極18の背面を表す。1実施例では、電極18は基盤上に配置された金属セグメント36を有する薄い積層ディスクである。該活動電極は治療薬マトリックス20と電気的に接触する。該基盤は該セグメントの後ろ側に附けられる。各電極セグメント36は、該電極セグメント間のギャップ37に依る様に、他の活動電極セグメントから電気的に分離される。該ギャップは空気、プラスチック又はペーパーの様な誘電体材料であってもよい。各電極セグメント36の背面は接触パッド38、例えばポーゴーピンの遠位の端部を受ける、該基盤を通して露出された、該セグメントの部分、を有する。該接触パッド38は該ピンを受けるために該カートリッジ内のアパーチャーを通って露出される。
【0027】
該活動電極18は該開いた面の反対の該カートリッジ凹型品30の面34(図1)上に設置されてもよい。該活動電極18は該治療薬マトリックス20と接触する第1面と、カ
ートリッジ面34に隣接し、該カートリッジが該デバイスハウジング内に設置された時ポーゴーピン22を受けるよう位置付けられた反対面と、を有する。該治療薬マトリックス20は該カートリッジの凹型品30内に設置される円柱状ディスクであってもよい。該マトリックスの背後側は該活動電極14の電極セグメント36と電気的に接触する。該マトリックスの前側42は該カートリッジの面32から僅かに延びている。該マトリックスの前側は露出され、皮膚又は足指又は手指の爪に対するよう置かれる。示されてない、除去可能な箔蓋が該マトリックスの前側をカバーし、該カートリッジ内の該マトリックスをシールしてもよい。該蓋は皮膚又は爪へ該マトリックスを付ける前に除去される。
【0028】
図3は多数電極型活動電極18、治療薬マトリックス20及びカートリッジ16を有する動電学的アップリケーター10の略図であり、該カートリッジ及びマトリックスが皮膚の小面積40に付けられる。該小さな皮膚接触面積40は例えばカーブした唇上にあるヘルペスであってもよい。該カートリッジ及びマトリックスが該小さなヘルペス40に付けられると、該治療薬マトリックス20の開いた面の1部分だけが該皮膚面に接触する。該アップリケーター10は、該マトリックス20の開いた面42全体が、少なくとも該マトリックスの面42程の大きさである皮膚の面積と接触する仮定に基づき設計されている。特に、該活動マトリックス18に印加される電流は、該皮膚接触面積が該マトリックスの面42の面積全体をカバーすると仮定するレベルに設定される。
【0029】
もし該皮膚接触面積40が該マトリックス面42より小さいなら、該電流は、図3の矢印で図解される様に、該小さな皮膚接触面積40上に集中される。該制限された皮膚接触面積は、中央活動電極セグメントからのみならず、該皮膚接触範囲と軸方向に整合しない周囲活動電極セグメントからの電流も受ける。もし該マトリックス20が、該カートリッジ軸線41に対し或る角度で電流が流れることを可能にする等方性フォーム又は他の材料であるなら、該皮膚接触面積と軸方向に整合しない活動電極セグメントからの電流は、マトリックスを通る軸線に対し或る角度で該小さな皮膚接触範囲40までトンネル状に貫通するであろう。該活動電極セグメントの各々の表面電位は該皮膚接触範囲と該活動電極セグメントの各々の間の電圧差を自己調整するよう企てるであろう。該電流制限デバイス22が無ければ、該自己調整は1つ以上の該活動電極セグメントへの過剰な電圧及び/又は電流に帰着するであろう。該電流制限デバイス22は該活動電極セグメント18の何れかに於ける過剰電流を防止するのを助ける。しかしながら、該マトリックスを通ってトンネル状に貫通し横切る電流は該小さな皮膚接触範囲40への特別の電流を通し、セグメント化された電極と電流制限デバイスを用いても電流集中に帰着するかも知れない。
【0030】
図4は多数電極型活動電極18,治療薬マトリックス44及びカートリッジ16を有する動電学的アップリケーター10の略図であり、該カートリッジとマトリックスは小面積の皮膚40に付けられる。該マトリックス44は該カートリッジの軸線41に対し横切る横電流流れを防止する内部構造を有するフォームを備える。該フォーム構造体は該カートリッジの軸線41に略整合された誘電体フアイバー又はマトリックスの特徴を有する。
【0031】
該マトリックスのフォーム構造体44はハネカム構造体を真似し、イオンが1方向のみに、すなわち軸線41に並行に流れることを可能にする特殊フォームにより提供される。該マトリックスの構造体44は横切るイオン流れを有効に阻止し、該活動電極の隣接するセグメントからのトンネル状に貫通する電流を防止する。電流集中は電流制限デバイスを有するセグメント化された電極と組み合わされた電流方向性フォーム(又は該カートリッジ軸線を横切る横電流流れを防止する他の治療薬マトリックス)の使用により有効に避けられる。横切る電流流れを最小化する該フォーム構造体は、多数電極型マトリックスに接続された電流制限ダイオードの効果を増大し、該治療薬及び/又は皮膚の横電流流れへの固有の抵抗を高める。
【0032】
治療薬マトリックス44としての使用に好適な単方向整合連続気泡のフォーム及びフィルムは公知であり、ニュージャージー州、ニューアークのヘキスト−セラニーズプラスチック社(Hoechst−Celanese Plastic Company of Newark, New Jersey)により販売されセルガードテーエム(CelgardTM)微小孔ポリプロピレンフイルムが含まれ、そして単方向性構造を有する柔軟な微小孔フィルムがその1つである。単方向整合ポリプロピレン連続気泡フォームは又ビーエイエスエフ(BASF)により報告されている(非特許文献1参照)。これらのフォームマトリックス材料は治療薬マトリックスとしての使用のための、処方薬級単方向電流フォームとして応用される。
【0033】
図5は多電極型活動電極18,治療薬マトリックス46及びカートリッジ16を有し、該カートリッジ及びマトリックスが皮膚の小面積40に付けられる動電学的アップリケーター10の略図である。該治療薬マトリックスは、活動電極セグメントと、該セグメントと軸線方向に整合されてない皮膚接触範囲との間の横切りイオン電流流れを誘電性バリヤ壁48により防止する。該バリヤ壁48は該治療薬マトリックス46の深さだけ伸び、特に該活動電極18から該マトリックスの開いた前面42まで延びる。該バリヤ壁は例えば医学級のシラスチック(Silastic)シリコーンゴムセパレーターで形成されてもよい。該バリヤ壁は該活動電極のセグメント間の分離ギャップに沿い配置される。
【0034】
該治療薬マトリックス内のバリヤ壁48はカートリッジの軸線と整合される。該バリヤ壁は誘電性でシリコーンゴム、空気又は他の誘電体材料を有してもよい。該バリヤ壁は該活動電極18のセグメント36(図2)間のギャップ37と整合されるのが好ましい。軸線41を横切る電流は該バリヤ壁により阻止される。従って、1つの電極セグメントからの電流は該マトリックスを通ってもう1つの電極セグメントの下の皮膚接触範囲40へトンネル状に貫通はしない。
【0035】
図6は多電極型活動電極18,治療薬マトリックス52及びカートリッジ16を有し、該カートリッジ及びマトリックスが皮膚の小面積40に付けられる動電学的アップリケーター10の略図である。該治療薬マトリックス52は精細なシリコーンゴムで形成され、ハネカム構造を有する。該ハネカム構造は電気的に分離されたカラム内の該治療薬を分割し、そこでは該カラムの各々は活動電極から該マトリックスの前面42まで延びる。該マトリックス内の電気的に分離されたカラムは該カートリッジの軸線41に対し実質的な角度の電流流れを妨げる。特に、該カラムは活動電極セグメントからの電流が、その電極セグメントと軸線方向に整合されない皮膚接触範囲へ流れるのを防止する。ハネカムマトリックス52の該カラム内には治療薬が含まれている。電流が該活動電極に印加されると、該治療薬は皮膚接触範囲40の面の下の治療サイトへ動電学的に配送される。伝導性の医薬溶液の薄いフィルムが皮膚面40上にあるので、ダウコーニング(Dow Corning)2013圧力感応性接着剤の様な、接着剤が該前面42に近い該シリコーンゴムハネカム構造体の遠位の端部に付けられてもよい。この接着剤は該皮膚に接着するべとついた端面を形成し、該皮膚面に沿う何等かの横電流漏れへの有効なバリヤとして役立つ。
【0036】
戦略的に位置付けられセグメント化された電極、電流制限ダイオード、及び単方向性フォーム材料(ハネカムの様な構造を有し、図3から6に示される、様な)の使用は皮膚又は爪の治療サイト内の電流集中を緩和又は除去するため利用されてもよい。セグメント化電極、電流制限ダイオード及び単方向性フォームの使用は小さい皮膚接触範囲上への有害な電流集中の危険性を減じる。図3から6に示した例示実施例は、セグメント化電極実施での電流のトンネル状貫通及び電流集中を妨げる有利な手段を提供する。これらの実施例は治療薬マトリックスを有するカートリッジを備えるアップリケーター用に特に有効である。
【0037】
爪真菌症は皮膚糸状菌、イースト又は非皮膚系糸状菌(nondermatophyte mould)による足指爪板の侵襲である。治療薬は、例えば、爪の真菌侵襲である爪真菌症を治療するため使われる。真菌感染は皮膚糸状菌、イースト、又は非皮膚系糸状菌に依る。該治療薬は、真菌を破壊するか、又は少なくとも真菌侵襲を静まらせるよう意図される。有効な爪真菌症治療用に、医薬品、例えばテルビナフィン塩酸塩(Terbinafine hydrochloride)、又はフルコナゾール(Fluconazole)を該爪に貫入させ、周囲組織にしみ込ませることが望ましい。爪板の高い電気インピーダンスを考慮して、100ボルト以上の様な高電圧が、爪真菌症治療中の周囲組織へ治療薬を動電学的に配送するため必要とされる。爪真菌症治療に関与する足指爪は小さいことが多く、該爪に付けられるマトリックスは該爪に隣接する軟組織に触れる。特に該マトリックスの1部分が該爪に隣接する軟組織と接触する場合、活動電極により印加される高電流のために電流集中が起こる。電流は最小抵抗の通路を探すので、電流は該軟組織へ流れるよう該治療薬マトリックスをトラバースする。この仕方で、該マトリックスに接触する軟組織で厳しい電流集中が起こり得る。
【0038】
図7は足指又は手指62、特に該足指又は手の指の爪64に付けられたセグメント化活動電極60及び反対電極66を側面図で示す略図である。該反対電極66は電解質材料の層と、各々が別々の導線に接続されたセグメント化金属反対電極69と、を有する。該活動電極60と反対電極66は各々セグメント化されてもよい。該セグメントは活動及び反対電極對の對で配置されてもよい。
【0039】
該反対電極66の電界質層は該足指又は手指のパッドに接着する接着面を有するストリップであってもよい。該活動電極セグメント60は治療薬マトリックス68,例えば、爪と、足指又は手指の上部皮膚組織に接着する接着面を有する多孔性シート、上に設置される。各電極セグメント60は電流制限デバイス、例えば電流制限ダイオード24と直列になる。爪真菌症治療用治療薬マトリックスシート68は爪に附けられるウエブである薄いハイドロジェル層を有する。該治療薬マトリックス68は該爪を越えて延び、活動電極セグメント60aの下のマトリックスが行う様に、足指又は手指の軟組織の部分をカバーする。
【0040】
反対電極セグメント69は各々が活動電極60の対応するセグメントに電気的に接続される。活動及び反対電極セグメントの各対用に電気回路71が形成され、該回路は該對を電源に接続し、該對を、他の対の活動及び反対電極セグメント用の回路71の電流から分離する。電流集中に対し保護するために、活動及び反対電極セグメントの各対は電極セグメントの他の對から電気的に分離される。
【0041】
図8は各セグメント化活動及び反対電極對60、69用の直流電流分離電流ドライバー72の略図である。該電流ドライバーは電源(示されてない)に接続された1次捲き線(複数を含む)を有する変圧器を備える。2次捲き線74が、該活動及び反対電極對の各々用に提供される。活動及び反対電極セグメントの各對と、該對に電気的に接続された2次捲き線とにより回路が形成される。直流電流分離のため、各活動電極セグメント60,60aに配送された治療電流は指を通り、対応する活動電極セグメント及び2次捲き線に電気的に接続された反対電極セグメント69に戻る。活動及び反対電極の1つの對からの電流は活動及び反対電極のもう1つの對へは流れるべきでない。小型変圧器72は回路71の各々用の電流を供給するため配置される。
【0042】
該電流ドライバー72は従来の変圧器であり、該変圧器内では2次電圧は1次対2次変圧器巻き数の比で決定され、1次側発振器ドライバー電源回路(示されてない)により制御される。活動電極セグメントの各々上の電流制限ダイオード24は各活動電極セグメントにより該マトリックス68に印加される電流レベルを制御する。2次捲き線74,電流
ダイオード24,活動及び反対電極セグメント60及び69から成る電気回路は明確化のため意図的に簡略されている。もし望ましいなら、より高い精巧さと特徴を付加するため他の活動回路要素が含まれてもよい。電極セグメントの分離對の提供は、爪小皮(cuticle)、爪郭(nail folds)、及び爪板の間のインピーダンスの特殊な不同さの存在下で、電流集中を最小にする。セグメント化電極對の使用は該活動及び反対電極側での電流集中課題に向けられている。
【0043】
電流集中軽減用のセグメント化活動/反対電極の使用は他の利点を有する。各電極セグメント對60及び69間の電圧降下を測定し、それを電流の大きさで割ることにより、電流通路の抵抗が決定され、アナログ又はデジタル回路によるか、又は同じ直流電流分離された電力ループ内で動作する簡単なマイクロプロセサーによるか、何れかでモニターされる。
【0044】
動電学的経皮薬剤配送及び爪真菌症治療の実施で、局部的外傷、ただれ、ピンホールの様な皮膚又は爪の異常破れが形成されるか、又は治療中皮膚又は爪内にクラックが展開する。この様な皮膚又は爪バリヤ特性の異常な離反は局部的組織インピーダンスの実質的減少へ導く。各セグメント化電極對の電流は電流制限ダイオード24により制限されるが、局部的外傷に於ける電流密度はなお、不快さ、火傷及び組織損傷を引き起こすのに充分な程高い。この突然のインピーダンス減少は該マイクロプロセサーにより容易に検出され、該電流は減じられるか、又は完全にスイッチオフされるか、何れかとする。
【0045】
各個別セグメント化電極對用の電流通路の抵抗が測定され得て、又各電極對用の電流が別々に制御され得るので、大きな皮膚面積の治療用に範囲マップ化及び電流制御の方法が考案される。例示的場合として、セグメント化電極と単方向性医薬フォームマトリックスを使う大面積顔面湿疹治療を考える。湿疹被害範囲及びトポロジーは患者毎に変わるが、多数のセグメント化された活動電極を有する汎用大面積電極が使われ得る。治療では、治療薬マトリックスが被害範囲をカバーするよう調整される。設計によりオーバーサイズの、柔軟でセグメント化された電極シートが被害範囲全体上に置かれる。各セグメント化対の抵抗が測定され得るので、被害範囲は普通の医薬マトリックス抵抗を有するとして識別されるが、無被害範囲は高い抵抗を示す。かくして被害範囲は精密にマップ化され、治療電流は、スイッチオンされ、該活動範囲に付随する電極對のみに配送される。未使用電極對に対し偏倚される電圧はなく、非治療範囲へ電流は流れない。インピーダンスマップ化は活動セグメントの賦活とアイドルセグメントの賦活解除を許容する。それは又全ての患者に好適な汎用活動電極設計の使用を可能にする。
【0046】
図9は各セグメント化活動及び反対電極對60,69用の直流電流分離電流ドライバー78の略図である。該ドライバー78は多数2次捲き線74を有する変圧器であり、各2次捲き線は活動及び反対電極セグメント60,69のそれぞれの対に接続される。該種々のセグメント化電極対は図8に示される様に並列に配置され、並行電流矢印により指示される。代わって、該電極対は、交叉する電流矢印により図9に示される様に、対応する活動電極セグメントに対し横切る反対電極セグメントを有してもよい。図8及び9に示す直流電流分離電流ループは爪真菌治療での電流集中に対する保護である。オプションの追加的保護は、図3から6と連携して開示された医薬マトリックス用の単方向性のフォーム又はフィルムを使用することである。
【0047】
図10は直流電流分離電流ドライバー1130の例示的回路図である。この電流ドライバーは直流電流分離回路を備えるが、該直流電流分離回路はフライバックスイッチング調整器1136,例えば、フライバック変圧器、を有しており、該フライバック変圧器はその2次電圧が該フライバック変圧器の1次側にあるマイクロ制御器1132により制御される電流モードトポロジーで動作する。該フライバック変圧器は、高い2次対1次巻き数
比を特に用いることにより非常に高い電圧を生ずる昇圧ブースター変圧器として動作する。該マイクロ制御器1132は該フライバック変圧器の1次側に印加される電流を調整する。例えば、抵抗器(R2)の値又は抵抗器の比(R1/R2)が該1次捲き線に印加される最大電圧、ひいては該変圧器の2次捲き線及び電極1138に印加される最高治療電圧、を設定する。該マイクロ制御器は、エネルギーを、該2次側へ、そして該セグメント化電極1138の各々用の回路内のキャパシター1143内へ、ポンプ作用するため1次コイルの充電及び短絡を制御する。該エネルギーポンプは該フライバック変圧器1136が昇圧させる電流スパイクを作り、直流高電圧に整流1142されるべき高電圧を発生する。抵抗器R1及びR2は該1次捲き線に印加される電圧をはね上げ及び落下させるよう動的に制御される。
【0048】
セグメント化電極1138の各対のループ内で、電流は該活動電極(正の)から反対電極(負の)へ治療薬マトリックス、治療サイト及び哺乳動物のユーザーの体を通って流れる。各電流ループ内の電流の大きさは爪及び組織のインピーダンスに関係なく該電流制限ダイオード1140により制御された値に制限される。高い直流電圧が各ループ内に発生されるが、この電圧は自己調整作用があり、該電圧は電流制限ダイオード1140,爪板及び足指の間で完全に降下する。各電極対用の各電流ループは予めセットされた電流を維持し、該セットされた電流は各コイルが分離されている限り直流電流分離されている。充分高い直流電圧を得るよう充分な量のエネルギーが該フライバック変圧器1136の2次側に伝達されるので、各電流ダイオードにより許容される充分な電流が保持される。該爪及び足指は“制限”モードで動作する電流ダイオードの下流の短絡回路に結果として成っている。
【0049】
図11は、1枚以上の不織布シートで形成された治療薬層112を有する多チャンネル電離療法的な広い面積のアップリケーターパネル100の略図である。該アップリケーターパネルは、例えば、柔軟なパネル又はパッドとして構成されてもよく、そして接着剤コートされたパッド、顔面マスク、手袋及び他の治療薬アップリケーター内に組み入れられてもよい。該アップリケーターパネルは治療サイトの上の又は治療サイトを覆う患者の皮膚114上に置かれる。該皮膚上に該アップリケーターパネルを置く前に、リリース可能なライナー116が該アップリケーターパネルの前面から除去されるか又は該アップリケーターパネルがシールされたコンテナーから取り外されてもよい。
【0050】
該アップリケーターパネルは、該アップリケーターパネル上に設置されるか、或いは該治療薬層の皮膚と反対側上の電極層122へ電線120により取り付けられる、電源及びコンピュータ制御器118に接続される。電線120を通り、該電源及び制御器から、個別電極126へ及び該個別電極から電流を導く配電回路124へ、と進む電流。電力は、各電極に印加される電流量が該制御器118又は該分配回路124に付随する他の回路により別々に制御されるよう、別々の電流チャンネルを通って各電極126へ配送される。
【0051】
各電極126は活動及び中立の電気ターミナルを有する。各活動電極に対してユニークで局所的な中立電極が存在する。各電極の活動及び中立の電気ターミナル間の電流路は該治療薬層及び治療サイトを通過する。従って、各電極を通過する電力は、該電力の電流が該電極の活動及び中立ターミナル間を通過時、該治療薬層内の治療薬を該治療サイトへ配送する。
【0052】
電源は該制御器を有するハウジング内に含まれたバッテリーを有してもよく、或いは壁面電気ソケットの様な、従来の電流源に差し込まれるアダプターを有してもよい。該電源及び制御器部分用ハウジング119は該アップリケーターパネル100にリリース可能に結合され、接続部が該ハウジング及びアップリケーターパネル間で電力及び制御信号を提供する線120を有する。該ハウジングは又、制御スイッチ(複数を含む)121及び液
晶{エルシーデー(LCD)}デイスプレーの様なユーザーインターフエースデバイスをも有してもよい。該制御スイッチ(複数を含む)121は、患者に配送されるべき治療薬の量、配送速度及び組成を該制御器に指示する薬剤処方注文からの治療薬配送信号又はコードの様な、データ及び制御信号をユーザーが該制御器に入力することを可能にする。該デイスプレー117は、デイスペンスされるべき該治療薬、該アップリケーターパネルが付けられるべき身体上の位置の様な付着指示そして該アップリケーターパネルが身体上に留まるべき時間、を識別する、制御器により発生されるデータをユーザーに示す。
【0053】
図12は図11に示したアップリケーターパネル100の部品と実質的に同じ部品を有する顔面マスクアップリケーターパネル111の例示的実施例の斜視図である。該顔面マスクアップリケーターパネル111は患者の頭へひも付けされる。該アップリケーターパネルは患者の顔114に適合する広い面積の内面を有する。該顔面マスクアップリケーターの皮膚と接する合計範囲は略12cm*10cmであり、該顔に適合するよう形作られる。該顔面マスクは下位セクション当たり約3cmの下位セクションに分けられる。各下位セクション内では、該治療薬セルは、各々が対応する電極グループを有する4つの別々のグループにグループ分けされる。各グループの電極及びセルへの電流を別々に制御することにより、配送されるべき治療薬の量又は種類が該治療薬を受ける特定の患者向けに選択又は調整される。該治療薬セルの各グループは約0.78cmの皮膚面積をカバーする。120cmの合計顔面マスク面積は、各々が電極の4つのゾーンに分けられた電極の約40の下位パネルによりカバーされる。該制御器は160ゾーンの電極の各々を別々に制御する。
【0054】
該顔面マスクアップリケーターパネル111の治療薬層112内のセル128内に蓄えられた治療薬(図11)は、該顔面マスク内の線及び電極(図12で点線により表される)を通して電流を印加することにより顔面皮膚に配送される。ユーザーは該電源及び制御器118用のハウジング上のスタートボタンを押すことにより、電流印加を賦活する。該顔面マスクアップリケーターパネルは、コラーゲン沈積調節因子、有機硝酸塩、例えば硝酸ガリウムの動電学的配送による様な顔面しわの治療に使われてもよい。同様に、該顔面マスクアップリケーターパネル111は、顔面皮膚の条件であるローズシー(rosecea)用にメトロニダゾール(metronidazole)を付けるため使われてもよい。
【0055】
図13は治療薬セル128のアレー、各セル用電極126,該電極用電氣分配回路124、及びリリースライナー116を有する治療薬層112を備えるアップリケーターパネル100の拡大側面図である。該アップリケーターパネル100は治療薬層112、電気分配回路及び電極層130及びリリースライナー層116を有する積層された層で形成されてもよい。該アップリケーターパネルは接着剤を附けられた、或いは顔面マスクとして構成された、或いはグラブ又は他の着用可能なデバイス内に埋め込まれた、例えば、約50.8mm*約50.8mm(2インチ*2インチ)の平方形パネルであってもよい。更に、該アップリケーターパネルは、足指爪上に装着するようカットされる、肘上に装着するようカーブし、折り畳まれる、或いは治療面で皮膚に適合するよう他の仕方で微調整され、形作られるように、患者により造形されてもよい。
【0056】
該アップリケーターパネル100はユーザーに快適な仕方で身体に適合するよう柔軟である。ユーザーは該アップリケーターパネルを彼又は彼女の皮膚に、そして治療薬を受けるべき皮膚又は身体の部分である治療サイトを覆うように、付けることにより該治療薬を自己投与しもよい。該アップリケーターパネルを付ける前に、該治療薬層112の前面132を露出するためにリリースライナーが除去される。該リリースライナーは、該アップリケーターパネルが貯蔵されている間該治療薬の浸出を防止する不浸透性プラスチック層と、該治療薬層の前面に接着する接着剤と、を有するシートである。該治療薬層の露出し
た前面132は、該アップリケーターパネルが身体に付けられる時皮膚の上層に孔を開ける微小針(micro−needles)のアレーの様な、微小穿孔層(microporation layer)134を有してもよい。該微小針は該治療サイトへの治療薬の配送に役立つ。交流(AC)又は直流(DC)の電気穿孔法(electroporation)を適用する層、超音波層、小さい無線周波数電極からの無線周波数剥離を適用する層、角質層の穿孔をもたらすレーザー及び他の機械的及び電磁的手段を適用する層を含む、該微小穿孔層で皮膚の角質層を穿孔(porates)する。
【0057】
該アップリケーターパネル100は皮膚内に治療薬を動電学的に輸送するため使われてもよく、個人の顔及び身体の大きく広い範囲上に治療薬を適用するために特に有用である。該アップリケーターパネル100は、湿疹、乾癬、にきび、腫脹、及び斑点の様な種々の皮膚科条件を治療し、感覚消失を提供し、又は皮膚の剥脱(dermal exfoliation)を提供する、ため使われてもよい。一般に、電離療法は治療薬、例えば、調剤薬のターゲット化された経皮配送に好適である。該アップリケーターパネルの下にある皮膚への電場の適用は治療薬内の種々のイオン性試薬又はその輸送材料の皮膚バリヤに貫入する能力を高める。該治療薬セルからの治療薬は、該治療薬セルから該治療サイトへそして電源に接続された電極へと、電気通路を形成することにより該治療薬サイトへ配送される。電流は、該電源から、電極へ、治療薬セル内へ、該皮膚及び治療薬サイトへ、該皮膚に接するもう1つの電極へそして該電源へ戻るよう流れる。電流が該治療薬セルから、皮膚を通って該治療サイト内へ流れる時、治療薬は該セルから該治療サイトへ配送される。
【0058】
該治療薬層112はセルのハネカム配置の様な治療薬セル128のアレーを有してもよい。これらのセルは制御器により、各独立に制御されるか、又は部分集合セルグループで制御される。治療薬、そして該治療薬の動電学的配送に役立つよう該治療薬と組み合わせて使われるオプションの水和及びイオン輸送材料、はセル及び治療薬層を形成するフアイバーの様に、セル内に該治療薬を注ぎ込むことにより該セル内に蓄積される。該セルは該治療薬層内の2次元配列で配置される。この例示的セル配列では、各セルは各エッジ用に約2mmの寸法を有してもよい。該セルは正方形(2mm*2mm)、円形ディスク(直径2mm)又は他の形で形作られてもよい。該セルは、層112内の行及び列で形成されたアレーに、セルが隣接行内のセルに対し互い違いとなる行に、同心円に、又は他の配置に、配置されてもよい。
【0059】
該セルは約2mmだけ相互に隔てられてもよい。該治療薬層112内のリブ、例えば嶺、136のネットワークは該セルを分離し、リリースライナーにそして後に皮膚に取り付ける接着剤用の基盤を提供してもよい。該接着剤はリブのネットワークに適合するパターンで付けられたゾーンコート接着剤であってもよい。該接着剤は各セル及び皮膚の間のシールを形成し、それにより該アップリケーターが皮膚に付けられた時、該セルを相互から分離する役に立つ。該リブのネットワークはセル間に延び、治療薬層を形成する材料の行及び列のネットワークであってもよい。更に、該リブは、該治療薬層の電極層に面する後ろ側から突出する嶺として具体化されてもよい。該治療薬層の前側は比較的スムーズである。1例では、リブ136のネットワークで分離されるセル128のアレーは治療薬層112の前面132の面積の約30%の面積のオープン範囲(リブ間の)を提供し、該セルのオープン範囲は薬剤配送用である。該治療薬層(複数を含む)はポリオレフィン、ポリエステル、ナイロン、綿又は他の合成又は天然フアイバーとそれらのブレンドの様なファイバー材料の従来の柔軟な不織布ウエブで形成されてもよい。該層112は約100g/m(平方メートル当たりグラム数)の基盤重さと約1.5mmの厚さの材料特性を有する。例に依れば、アップリケーターパネル用の1センチメートル平方(1.0cm)のパッドは治療薬配送用にセルの約0.3cmのオープン範囲のセルと約45μl(マイクロリットル)の容積とを提供する。該セルにより配送される治療薬の現実の液体容積は
約25μlである。
【0060】
図14はアップリケーターパネル100の種々の層と組立体の側面図を示す図である。該アップリケーターパネルは柔軟で、皮膚接着性で、多チャンネルの電離療法薬剤配送デバイスを創るよう組み合わされる幾つかの層を有する。該アップリケーターパネルは、電極アレー層122,治療薬セル128を有する1枚以上のパターン化された不織布層112、接着剤層122,微小穿孔層134及びリリースライナー116を有する積層柔軟層により形成される。該治療薬層112内の複数層は、治療薬下位層の1つ以上のグループの各々用の別々の層を含む。
【0061】
該電極層122(層01)は柔軟な基盤138で形成されてもよい。該電極層は該層内の個別の分離された電極に電流を提供する適合性電極層である。該電極層はデュポン社(DuPont)により提供されるカプトンアール(Kapton(R))の様な、ポリイミドフィルム又は等価な耐高温性フィルム、を有する。該ポリイミドフィルムは、該フィルムの1つの側上の電極の各々間の該基盤を通る接続と、該フィルムの反対側での分配回路へ接続と、の多数の軸方向の電気的接続を提供するため穿孔されてもよい。代わりに、伝導性分配回路が織物、不織布及びフィルムの様な柔軟な基盤上に望まれるパターンでスクリーン印刷されてもよい。例に依れば、該電極層の各電極の周りのフィルム面は、層が該電極層に熱的に接合されるエチレンビニルアセテート、エチレンアクリル酸、又は等価物から成る熱シール層により接されてもよい。該フィルム又は基盤の該電極と反対の側に、電気分配アレー130を形成するために伝導ラインのアレーがエッチング、プリント又は他の仕方で作られる。該基盤のその反対側には、個別電極126のアレーが形成され、該電極と該分配アレーの間の伝導接触点を提供するために電気的接触部は該基盤を通るように延びる。
【0062】
該柔軟な基盤138は該基盤の1つの側に電気分配アレー130を、該基盤の他の側に電極126を有する。該分配アレー130は該アレーを電源及びコンピュータ制御器へ導く線130に接続する電気接続接触部140を有する。
【0063】
該治療薬層112(層02)は、例えば、接着剤により該電極層122に取り付けられる。該治療薬層は、電極126が該治療薬層112のセル128と整合されるように該電極層に取り付けられてもよい。該治療薬層は治療薬セル128のアレーとリブ136のネットワークとを創るために従来の点接合過程により熱的にパターン化されたポリオレフィン不織布材料で形成されてもよい。該セルは皮膚の治療サイトへの配送用に薬剤の医学的表現を有する個別リザーバーを形成する。該治療薬層は又セル128と該セル間リブ136を形成するために隆起加工されてもよい。
【0064】
図15は網状線パターンの嶺136と該嶺間のセル128を形成するよう隆起加工された治療薬層112の背面図である。該背面図は治療薬層の背面142を示し、該層内では該嶺が高められている。該治療薬層112の前面132は、該皮膚及び治療サイトへ直接該セル128を付けることを容易化するために比較的平坦になっている。該嶺は該前面へ延びるが、該前面から必ずしも突出しなくてよい。
【0065】
該治療薬層にリリースライナー(層04)116又はオプションの微小穿孔層134(層03a)、例えば微小針を固定するために、接着剤144(層03)が該治療薬層の該前面に付けられる。該接着剤は、該セルを避け、そして該セルから皮膚への該治療薬の流れを阻止する可能性を持って、該前面132の該リブ136に対応する部分に付けられる。該接着剤は、該治療薬層の該前面に、特に該治療薬層の該前面のセル間のリブ136に、ホットメルト過程で附けられたパターン化し、アレルギー物質を除去した接着剤であってもよい。該接着剤144は高インピーダンス材料であり、かくして該セルを相互から電
気的に分離するよう使われる。更に、該接着剤144は皮膚と該セルの間のガスケットシールとして役立つ。該接着剤は種々のべたつきの皮膚接着剤でもよく、接着は皮膚基盤の特定のニーヅに依り選ばれてもよい。
【0066】
該微小穿孔層134は多孔質で該治療薬層の該前面に直接付けられてもよい。該治療薬はセルから、該微小穿孔層、例えば微小針のネットワークを通り、皮膚内へ流れる。該微小穿孔層134は該治療薬層の該前面に積層されてもよい。該微小穿孔層134は、皮膚の角質層バリヤを破り、電離療法的に配送される活性体(actives)のより高いスループットを可能にするよう作用する微小針又は他の微小構造体のアレーを有する。該微小穿孔層はセル間の密封シールを創るために、上にある治療薬層、例えばポリオレフィン不織布層へ熱的に溶融されてもよい。
【0067】
該アップリケーターパネル100の層は図14に示すシーケンスで一緒に積層されるのが好ましい。該積層過程と該治療薬層の形成は、製造過程を利用し、望ましい様に治療薬層の種々の実施例を造るために、変更されてもよい。該アップリケーターパネルの層は、電極と治療薬セルが整合されるようパターンローラーに一緒に供給される。該ローラーは該層を一緒に密封式に接合する。該電極層及び治療薬層の最終多層フィルムは電極126の賦活により個別に制御される分離電離療法セル128のアレーを提供する。
【0068】
図16は電極層用の電極の例示的アレー150の正面図の略図である。該アレー内の電極は陽極(+)電極152と陰極(−)電極154を有する。陽極電極は該セルに正味正電荷を印加することにより薬物治療をドライブする。対照的に、陰極電極は該セルに正味負電荷を印加することにより薬物治療をドライブする。或る薬物治療は陰極電極により最良に配送され、他の薬物治療は陽極電極により最良に配送される。
【0069】
陽、陰電極と付随治療薬セルの組み合わせは、薬剤の組み合わせがその適用に含まれ、患者の治療サイトへ同時に配送されることを可能にするために、アップリケーターパネルに組み入れられる。陽極電極152は該パネル150の外側境界領域156に配置され、陰極電極154は該パネルの中央領域158に配置されてもよい。
【0070】
図17は代わりの電極パネル160を示すが、該パネルでは陰極電極154が陽極電極152と混ぜられている。図16及び17は、電極層の柔軟な基盤の同じ側の、配送電極(活動電極)及び戻り又は反対電極、例えば中立電極、のパターンを示す。該中立電極は図18及び19に示す様に陽極又は陰極電極を囲むか、又は治療薬層のリブ又は嶺の交点の次にある位置付けに依る様に、1つ以上の陽極又は陰極電極の近くに配置されてもよい。
【0071】
各電極152,154は絶縁、接着境界部により電極層内の他電極から分離されてもよい。該陽極及び陰極配送電極は、陰極電極により囲まれた陽極電極と、又は同じアップリケーターパネルから2つ以上の薬剤の局部的配送を提供するよう(或いは、周りの他の仕方で)、混ぜられてもよい。
【0072】
該電極及び治療薬層から、薬剤配送路は、配送電極から戻り電極までの電磁束線に従う。該戻り電極が該配送電極から離れて遠くに置かれる程、該薬剤は深く皮膚内へ貫入する。更に、個別の電気的に分離されたセルは、電源が、陽極及び陰極配送を同時に行わせる両電流極性をセルに提供することを可能にする。これは翻って、同じアップリケーターパネルからの同時の陰イオン及び陽イオンの活性体の配送を許容する。
【0073】
図18及び19はそれぞれ陽極電極152及び陰極電極154の略図である。電気的接地状態への接続を確立する様な中立電極162は、電極層に隣接する治療薬層内の対応す
る治療薬セルの周辺と整合されるべきリングとして形作られる。該中立電極162は、該治療薬層に隣接時、セルを囲む嶺セクション上に乗る。該中立電極は電極層上の分配回路に、そしてそれにより電源及び制御器に接続される。該中立電極162は、陰極又は陽極であってもよい活動電極164を囲み、該活動電極向けとなる。該活動電極は又分配回路に、そして電源及び制御器に接続される。陽極電極は正電圧源に接続され、陰極電極は負電圧源に接続される。電極層は陽極電極層、陰極電極層及び中立電極層を有する下位層の積層であってもよい。これらの電極下位層は電源及び制御器へ接続するアップリケーターパネル上のコネクターへの伝導通路を有する。
【0074】
異なる薬剤は異なる極性、例えば陰極性又は陽極性、を有する電極による配送に最も好適である。電離療法的配送用に異なる極性を要する治療薬の配送は、配送されるべき治療薬用に好適な電極層内の陰極及び陽極電極を提供することにより取り組まれる。反対電極は、正の活動電極を要する陰イオン薬剤用に陰極電極154に接続された正電源、そして負電極を要する陽イオン薬剤用に陽極電極152に接続された負電源、を有しながら’中立的’であってもよい。
【0075】
電流は陰極又は陽極電極154,152から皮膚内に流れ、周囲中立電極162へ戻る。環状絶縁リング166は外側中立電極162と内部活動電極164を分離する。電流が流れ、対応して治療薬が皮膚内へ配送される皮膚の深さは主として絶縁リング166の幅に左右される。該電極層の設計で、絶縁リング166の幅は、治療サイトへ治療薬を配送するために治療薬配送に望ましい深さを達成するよう選択される。
【0076】
図20は治療薬セル174のアレーを有する治療薬層172を備える例示アップリケーターパネル170の平面図を示す略図である。多数電極パネル176,178を有する電極層が該治療薬層の上に乗り、該治療薬層に接合されている。該電極パネル176,178は長方形であり、図17に示すパターンで並んで、図16に示す同心配置で配置されるか、又は該電極パネルは該電極が治療薬セルに対し一緒に混ぜられるよう上に置かれてもよい。各パネルは3センチメーター平方(cm)の面アレーを有してもよい。電源及び制御器は治療薬セルの1つ又は多数の下位グループから、又は該治療薬層の治療薬下位層の全てから、患者へ治療薬をデイスペンスするようプログラムされてもよい。
【0077】
電極のパネル176,178は電極のゾーンにセグメント化されてもよく、各ゾーンは他のゾーンの電極に対応するセルとは異なる種類の治療薬を有する治療薬セルを賦活する。例えば、各電極パネルは異なるグループ分けの電極の3角形ゾーン180,182,184及び186にセグメント化されてもよい。各ゾーンの電極は一緒にグループ分けされ、グループとして賦活される。各グループ/ゾーンの電極は他のゾーン/グループの電極から電気的に分離される。各々の電極ゾーンは治療薬層の対応する治療薬下位層の上に置かれる。各下位層は、他の下位層内の薬剤又は医薬と異なる薬剤又は他の医薬を有するセルを備える。該電極パネルが多数の下位層を有する治療薬層172と積層される時、1つのグループの電極180は第1治療薬下位層上の活動治療薬セル174と整合され、第2電極グループ182は第2治療薬下位層上の活動治療薬セルと整合され、第3電極グループ184は第3治療薬下位層上の活動治療薬セルと整合され、そして第4電極グループ186は第4治療薬下位層上の活動治療薬セルと整合される。
【0078】
図21は、各々が電極ゾーン180,182,184及び186を有する電極パネル176,178の1つ用の分配回路188の略図である。該分配回路188は、電極パネル176,178の電極190が上に設置される側と反対の側上に配置される。該分配回路188は電極と電源及び制御器191との間の電気接続部を提供する。各ゾーン用電極は該分配回路により相互接続される。例えば、ゾーン184内の電極190の各々は分配回路からの伝導ラインにより相互接続される。1つのゾーン、例えばゾーン184からの電
極は、もう1つのゾーン、例えば、ゾーン180,182及び186内の電極には電気的に接続されない。別々の接続伝導ライン又は線192は、1つのゾーン、例えば184内の電極を接続する分配回路の部分から、電極ゾーン180,182,184及び186の各々用の別々の接続部196を有するコネクター194へ延びる。伝導ライン、例えば線198のグループは電気パネルの各ゾーン用接続部196を電源及び制御器191へ接続する。
【0079】
電極の各ゾーン180,182,184及び186は皮膚上の比較的狭い表面積、例えば約1cmをカバーする。各ゾーンへ流れる電流は、該ゾーンと皮膚の間の接触面積と、接触される皮膚のインピーダンスと、に影響され、例えば乾癬皮膚組織は正常の皮膚組織が持つより低いインピーダンスを有する。皮膚の低いインピーダンス範囲は皮膚を火傷させ得る過剰な電流流れに帰着する。電流制限ダイオード又は定電流源の様な電流制限回路1000は電極パネルのゾーンの何れか1つに流れる過剰なレベルの電流を防止する。各個別ダイオード又は定電流源1000はソース抵抗器の電圧測定により制御器から問い合わせを受ける。該制御器は低インピーダンスの範囲を指示する被測定電圧に基づき種々の電極ゾーンに印加される電流を調整してもよい。
【0080】
図22は多数の治療薬下位層1112,1114及び1116を有する治療薬層1118の多数下位層の組立分解図1110である。これらの層は治療薬層1118を形成するために積層過程で相互の上に置かれる。各治療薬下位層は治療薬セル配置1120のアレーを有する。各下位層内では、治療薬セル配置の部分集合が治療薬で充たされる。例えば、該治療薬下位層1112は第1種の薬剤又は治療薬を有するセル1122を備え、下位層1114は第2種の薬剤又は治療薬を有するセル1126を備え、そして下位層1116は第3種の薬剤又は治療薬を有するセル1128を備える。各下位層は該下位層が治療薬を中に有しないセル位置1120に開口部を有する。好ましくは、下位層に治療薬を有するセル1122,1126及び1128は他の下位層の開口部1130と重畳するのがよい。セル1122,1126及び1128が治療薬を搭載された後、該下位層は薬剤又は治療薬を有する治療薬セルが重なり合わないセル1120のアレーを形成するよう重ね合わされる。1つの層に薬剤を有するセルは他の層の開いた孔と整合されるので、薬剤を有するセルは、アップリケーターパッドが皮膚上に置かれた時、皮膚と突き当たり、そして該薬剤は、電流が該セルに印加された時、これらのセルから直接該皮膚へ流れる。
【0081】
各下位層1112,1114及び1116は電極層内の種々の電極グループにより各々“アドレス可能”である。該下位層にアドレスすることにより、治療薬は、1つの下位層だけ、多数の下位層又は全部の下位層から治療サイトへ選択的に配送されてもよい。更に、該アドレス計画は治療薬の配送が、或る期間に亘りシーケンシャルに該下位層にアドレスすることにより治療薬配送が該期間に亘り行われることを可能にする。制御器は、配送されるべき薬剤のユーザーにより行われる選択により、又は医者により準備される電子的に読み込み可能な処方箋により、該デバイスが該治療薬下位層内の1つ以上種々の薬剤を配送するよう、プログラムされてもよい。該電源及び制御器用ハウジングは配送されるべき薬剤を選択するユーザー入力部(図11のアップリケータースイッチ121参照)、又はバーコードリーダーに送られた処方箋に基づき配送されるべき薬剤を読むバーコードリーダー(又は他の電子的な読み込みデバイス)、を有してもよい。代わりに、治療薬層内の多数の下位層が同じ薬剤の種々の投薬量を各々有してもよい。
【0082】
治療薬層1118上に積層された電極アレーの電極は、第1グループの電極が第1グループのセル1122と整合され、第2グループの電極が第2グループのセル1126と整合され、そして第3グループの電極が第3グループのセル1128と整合されるよう、接続されてもよい。各グループの電極は制御器により別々に制御される。該制御器は下位層1112,1114及び1116の唯1つに、複数であるが該下位層の全部より少ない下
位層に、或いは該下位層の全部に、対応する電極に電流を印加するようプログラムされてもよい。ユーザーはユーザー入力デバイスを通して、姓、体重の様な個人情報を入れる。その情報を用いて、制御器は薬剤の適当な投薬量、該治療薬下位層のどれが該適当な投薬量を配送するよう賦活されるべきか、を自動的に決める。
【0083】
各アップリケーターパッド内の、治療薬層内の治療薬下位層の数そして電極パネル及び電極ゾーンの数は設計選択の問題である。アップリケーターパッドは、各電極及びその対応する治療薬セルが、適当な分配回路を配置することにより個別に制御されるよう設計されてもよい。しかしながら、部分的顔面マスクアップリケーターに於ける様に、120cmの面積を有するアップリケーターパッド内のセル及び電極の数量は可成り大きい必要があり、治療薬の配送について必ずしも必要でないレベルの精細な制御を提供する。下位層、アップリケーターパッドより小さい電極パッドそして各電極パッド内の電極ゾーンの使用は、局部高電流密度の面積を管理する合理的解決策を保持しながら、適度な量の制御回路を許容する。
【0084】
本発明が最も実用的で好ましい実施例と現在考えられるものと連携して説明されたが、本発明が開示実施例に限定されず、反対に、付随する請求項の精神と範囲の中に含まれる種々の変型と等価な配備をカバーするよう意図されることは理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
哺乳動物ユーザーの治療サイトに治療薬を適用する動電学的装置であって、
セグメント化活動電極と、
該セグメント化活動電極に隣接する1つの側と該治療サイト上で皮膚面に接触するようになったもう1つの側とを備える治療薬マトリックスと、該マトリックスを流れる電流を抑制する少なくとも1つの電流方向制御要素と、を具備する装置。
【請求項2】
該電流方向制御要素が略整合された誘電性構造を有するフォームである請求項1記載の動電学的装置。
【請求項3】
該電流方向制御要素が該マトリックスのハネカム構造体である請求項1又は2記載の動電学的装置。
【請求項4】
該電流方向制御要素がバリヤ壁を備える請求項1から3の何れか1記載の動電学的装置。
【請求項5】
該バリヤ壁がシリコーンゴムを有する請求項4記載の動電学的装置。
【請求項6】
該セグメント化活動電極の各セグメントに直列に電気的に接続された電流制限デバイスを更に具備する請求項1から5の何れか1記載の動電学的装置。
【請求項7】
該電流制限デバイスがダイオードである請求項6記載の動電学的装置。
【請求項8】
該セグメント化活動電極の各セグメントが他のセグメントから誘電性ギャップで分離される請求項1から7の何れか1記載の動電学的装置。
【請求項9】
該マトリックス及びセグメント化活動電極を収容するカートリッジを更に具備しており、該カートリッジが該活動電極用の電源及び電子制御ユニットを有するハウジングにリリース可能に取り付けられる請求項1から8の何れか1記載の動電学的装置。
【請求項10】
哺乳動物ユーザーの治療サイトに治療薬を動電学的に配送する方法であって、
該ユーザー上の表面に治療薬マトリックスの第1面を付ける過程と、
該治療薬マトリックスの第2面にセグメント化第1電極を付ける過程と、
該第1電極セグメントと、治療薬マトリックスと、を通り、該ユーザーを少なくとも部分的に通り、第2電極まで延びる電流通路に電流を印加する過程と、
該電流通路に沿い該治療薬を動電学的に輸送することにより該マトリックスから該ユーザーの爪内に治療薬を配送する過程と、そして
該第1電極の1つの電極セグメントから、該1つの電極セグメントと整合されない該ユーザー上の該表面への横切る電流を阻止する過程と、を具備する方法。
【請求項11】
該第1電極が活動電極であり、第2電極が反対電極であり、電流が該活動電極から該反対電極へ流れる請求項10記載の方法。
【請求項12】
該横切る電流を阻止する過程が該マトリックス内で起こる請求項10及び11の何れか記載の方法。
【請求項13】
該マトリックスが、横切る電流を阻止する略整合された誘電性構造体を有する請求項10から12の何れか1記載の方法。
【請求項14】
該マトリックスが横切る電流を阻止するハネカム構造体を有する請求項10から13の何れか1記載の方法。
【請求項15】
該横切る電流の阻止過程が、活動及び反対電極セグメントの対を電気的にカップルさせる過程と、各対を活動及び反対電極セグメントのもう1つの対から電気的に分離する過程と、により行われる請求項10から14の何れか1記載の方法。
【請求項16】
該活動及び反対電極セグメントの対が変圧器の1つの2次捲き線に接続され、もう1つの2次捲き線が活動及び反対電極セグメントの該もう1つの対に接続される請求項15記載の方法。
【請求項17】
哺乳動物ユーザーの治療サイトに治療薬を適用する動電学的装置であって、
第1及び第2活動電極セグメントを備える活動電極と、
第1及び第2反対電極セグメントを備える反対電極と、
該活動電極の該セグメントに隣接する1つの側と該治療サイト上で該ユーザーの表面に接触するよう適合されたもう1つの側とを有する治療薬マトリックスであって、該マトリックスが該マトリックスを通り横切る電流流れを抑制する少なくとも1つの電流方向バリヤを備える治療薬マトリックスと、
該第1活動電極セグメントと該第1反対電極セグメントとを備える第1電気回路と、そして
該第2活動電極セグメントと該第2反対電極セグメントとを備える第2電気回路と、を具備しており、該第1電気回路が該第2電気回路から電気的に分離される動電学的装置。
【請求項18】
該ユーザーの表面が足指又は手指の爪であり、該治療薬マトリックスが該爪に付けられた多孔性シートである請求項17記載の動電学的装置。
【請求項19】
該第1電気回路が変圧器の第1の2次捲き線を有し、該第2電気回路が第2の2次捲き線を有する請求項17及び18の何れか記載の動電学的装置。
【請求項20】
該第1及び第2の2次捲き線が該変圧器の共通の1次捲き線に電磁的に結合される請求項17から19の何れか1記載の動電学的装置。
【請求項21】
柔軟な基盤上に配置された電極のアレーと、該電極の各々と電子制御及び電源用回路への接続部を受けるコネクターとの間の伝導路と、であって、各電極が中央活動電極領域と該活動電極領域に近接する外側戻り電極領域とを有するアレー及び伝導路と、
治療薬セル及び該セル間のリブのネットワークのパターンを有する少なくとも1つの層であって、不織布層が該電極のアレーへ積層された背面を有し、該セルは各々が該電極のそれぞれ1つと整合されている層と、を具備する動電学的配送システム用アップリケーターパネル。
【請求項22】
該不織布層の前面上に接着剤マトリックスを更に具備しており、該接着剤は該リブのネットワークと整合されており、該不織布層が該電極アレーと該接着剤マトリックスとの間にサンドウイッチにされる請求項21記載のアップリケーターパネル。
【請求項23】
該少なくとも1つの不織布層は複数の下位層を有しており、該下位層の各々は治療薬セルのパターンを有し、該セルのパタ−ンは、該下位層が一緒に積層された時、他の下位層の治療薬セルからオフセットされている請求項21及び22の何れか記載のアップリケーターパネル。
【請求項24】
各下位層はアパーチャーを有しており、該アパーチャーは、該下位層が一緒に積層され
た時、他の下位層内の治療薬セルと整合している請求項21から23の何れか1記載の該アップリケーターパネル。
【請求項25】
該下位層の1つが該下位層のもう1つの中の治療薬と異なる治療薬を有する請求項21から24の何れか1記載のアップリケーターパネル。
【請求項26】
該電極アレーが複数の電極ゾーンを有しており、各電極ゾーンが制御器及び電源により別々に制御されており、そして各ゾーンが異なるグループの該セルと整合する請求項21から25の何れか1記載のアップリケーターパネル。
【請求項27】
該電極アレーが複数の別々の電極パネルを有しており、各パネルが該少なくとも1つの不織布層内の異なるグループのセルに整合する請求項21から26の何れか1記載のアップリケーターパネル。
【請求項28】
該電極パネルの各々が少なくとも第1電極ゾーン及び第2電極ゾーンを有しており、該パネルの各々内の第1電極ゾーンは電源により同時に賦活され、該パネルの各々内の第2電極ゾーンは該電源により同時に、かつ、第1電極ゾーンから別個に活動する請求項27記載のアップリケーターパネル。
【請求項29】
該電極が各々中央活動電極、該活動電極を囲む反対電極そして該活動電極及び反対電極の間の絶縁リングを有する請求項21から28の何れか1記載のアップリケーターパネル。
【請求項30】
基盤上に配置された電極アレーと、該電極の各々と電子制御及び電源回路への接続部を受けるコネクターとの間の伝導通路と、であって、該電極が少なくとも第1共通接続電極グループ及び第2共通接続電極グループの中に配置されている電極アレー及び伝導通路と、
第1治療薬セルのパターンを有する第1治療薬層であって、該第1治療薬セルが該第1共通接続電極グループの電極と整合されている第1治療薬層と、
第2治療薬セルのパターンを有する第2治療薬層であって、該第2治療薬セルが該第2共通接続電極グループの電極と整合されている第2治療薬層と、そして
患者の治療サイトへの動電学的配送を制御し、該第1及び第2治療薬層の下にある電子制御器と、を具備しており、該第1治療薬層の治療薬が該第1共通接続電極グループを電気的に駆動することにより配送され、該第2治療薬層の治療薬が該第2共通接続電極グループを電気的に駆動することにより配送される、動電学的配送システム用アップリケーター。
【請求項31】
第1治療薬セルのパターン及び第2治療薬セルのパターンが隆起加工させられ、該第1治療薬層及び第2治療薬層の各々が該治療薬セル間のリブのネットワークを有する請求項30記載のアップリケーター。
【請求項32】
該第1治療薬セルが第1治療薬を有し、第2治療薬セルが該第1治療薬と異なる第2治療薬を有する請求項30又は31記載のアップリケーター。
【請求項33】
柔軟な基盤上に配置された電極のアレーと、該電極の各々と電子制御及び電源回路への接続部を受けるコネクターとの間の伝導路と、
治療薬セル及び該セル間のリブのパターンを有する少なくとも1つの不織布層であって、該セルが該アレーの電極と整合されている不織布層と、
接着剤マトリックスであって、該接着剤が該リブと整合されているマトリックスと、を具備しており、該不織布層が該電極のアレー及び該接着剤マトリックスの間にサンドウイ
ッチにされている動電学的配送システム用アップリケーターパネル。
【請求項34】
該治療薬セルのパターンが該不織布層上に隆起加工される請求項33記載のアップリケーターパネル。
【請求項35】
該リブが該不織布層の該電極アレーに面する側上に高められた嶺である請求項33又は34記載のアップリケーターパネル。
【請求項36】
該嶺が、該不織布層の該電極アレーと反対の側上で該セルの各々の前面の上には昇らない請求項35記載のアップリケーターパネル。
【請求項37】
該リブが該セル間の行及び列のネットワークを形成する請求項33から36の何れか1記載のアップリケーターパネル。
【請求項38】
不織布層上に治療薬セル及び嶺のパターンを隆起加工する過程と、
治療薬を該治療薬セル内に注入する過程と、
電極層基盤の前側上に電極のアレーを付けることにより電極層を形成し、該電極層基盤の後ろ側上に電気的分配回路を形成する過程と、そして
該電極層基盤の該前側を不織布層の後ろ側に固定する過程と、を具備しており、該電極は該治療薬セルと整合されている動電学的配送システム用アップリケーターパネルを形成する方法。
【請求項39】
該不織布層の第1下位層及び第2下位層を形成する過程を更に具備しており、該下位層の各々は該治療薬セルの別々のグループを有しており、該第1下位層内の該治療薬セルのグループは該第2下位層内の該治療薬セルのグループと重なり合わない請求項38記載の方法。
【請求項40】
治療薬セルのアレーを有する治療薬層を備える動電学的配送システム用のアップリケーターパネルの電極アレーであって、該電極の各々が
該治療薬セルの1つと整合された中央電極領域と、
該中央電極を囲む非伝導領域と、そして
環状接着剤シールを囲む中立的戻り電極領域と、を具備する電極アレー。
【請求項41】
各電極の該非伝導領域がリングである請求項40記載の電極アレー。
【請求項42】
第1の複数の電極の各々内の該中央領域が正の電圧源に接続された陰極中央領域であり、第2の複数の電極の各々内の該中央領域が負の電圧源に接続された陽極中央領域である請求項40又は41記載の電極アレー。
【請求項43】
該陰極中央領域を有する該第1の複数の電極が該陽極の中央領域を有する該第2の複数の電極と混ぜられる請求項42記載の電極アレー。
【請求項44】
該陰極中央領域を有する該第1の複数の電極が陽極中央領域を有する該第2の複数の電極から分離されたグループ内に配置される請求項42又は43記載の電極アレー。
【請求項45】
各電極の該非伝導領域が該電極を該治療薬層に結ぶ接着剤を有する請求項42から44の何れか1記載の電極アレー。
【請求項46】
該非伝導リングの幅が皮膚内への治療薬配送の深さを決め、該幅が治療薬配送の望ましい深さを達成するよう選択される請求項42から45の何れか1記載の電極アレー。
【請求項47】
各電極に電気的に接続された電流調整回路を更に具備する請求項42から46の何れか1記載の電極アレー。
【請求項48】
各電極用に該電流調整回路の1つがある請求項47記載の電極アレー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公表番号】特表2010−529897(P2010−529897A)
【公表日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−512424(P2010−512424)
【出願日】平成20年6月16日(2008.6.16)
【国際出願番号】PCT/US2008/067102
【国際公開番号】WO2008/157481
【国際公開日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(510079433)ニトリツク・バイオ・セラピユーテイクス・インコーポレーテツド (2)
【Fターム(参考)】