包丁収納器具
【課題】複数の握柄保持部の間隔を包丁の大きさや長さなどに応じて調整可能で、様々な大きさ・形状の複数の包丁を互いに干渉しないように適切な間隔を介して収納できる包丁収納器具を提供すること。
【解決手段】横長の器体5に包丁1の刃板2を差込み収納し得る差込口4を設け、この差込口4に刃板2を差込みした際に包丁1の握柄3を支承してこの握柄3を器体5上部より斜め方向に突出状態にして支承保持する握柄保持部6を、器体5の長さ方向に間隔を置いて複数設け、この複数の前記握柄保持部6は、夫々を器体5の長さ方向にスライド移動可能に設けて各握柄保持部6間の間隔を調整し得るように構成し、この各握柄保持部6にこの各握柄保持部6を器体5に対して位置決め保持する位置決め手段8を設ける。
【解決手段】横長の器体5に包丁1の刃板2を差込み収納し得る差込口4を設け、この差込口4に刃板2を差込みした際に包丁1の握柄3を支承してこの握柄3を器体5上部より斜め方向に突出状態にして支承保持する握柄保持部6を、器体5の長さ方向に間隔を置いて複数設け、この複数の前記握柄保持部6は、夫々を器体5の長さ方向にスライド移動可能に設けて各握柄保持部6間の間隔を調整し得るように構成し、この各握柄保持部6にこの各握柄保持部6を器体5に対して位置決め保持する位置決め手段8を設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、流し台に備え付けられる包丁収納器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、流し台には、前面に観音開き仕様の扉が設けられていて、この扉の裏側に包丁収納器具が備え付けられているものが多い。
【0003】
この包丁収納器具について簡単に説明すると、薄型のボックス体が扉の裏面に付設され、このボックス体の上面には包丁の刃板を差込みするための細長い差込口が複数形成されていて、この各差込口に包丁の刃板を差込みすると、包丁の握柄の基部が差込口周囲のボックス体上面に掛止られて、握柄がボックス体外に露出し刃板がボックス体内に収納された状態で立て掛けられる構成である(例えば、下記特許文献1の図8参照。)。
【0004】
また、従来、特許文献1(実用新案登録第3070747号)のように、流し台の前側上部に存する幕板の前方の前面板を開閉自在に設け、この幕板と前面板との間の横長の空間部に薄型で高さのない横長の包丁収納ボックスを設け、この収納ボックスに複数の包丁を横置き収納できるようにした包丁収納器具も提案されている。
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3070747号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、この種の包丁収納器具の実用性を更に追求したもので、複数の握柄保持部を備えて複数の包丁を収納できる構成であって、且つ複数の握柄保持部の間隔を包丁の大きさや長さなどに応じて調整可能で、様々な大きさ・形状の複数の包丁を互いに干渉しないように適切な間隔を置いて並設状態に収納できる実用性に秀れた画期的な包丁収納器具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0008】
横長形状に形成した器体5に包丁1の刃板2を差込み収納し得る差込口4を設け、この差込口4に刃板2を差込みした際に包丁1の握柄3を支承してこの握柄3を前記器体5上部より斜め方向に突出状態にして支承保持する握柄保持部6を、前記器体5の長さ方向に間隔を置いて複数設けて、この複数の握柄保持部6夫々に握柄3を支承保持することで複数の包丁1を間隔を置いて夫々斜設状態で収納し得るように構成した包丁収納器具において、複数の前記握柄保持部6は、夫々を前記器体5の長さ方向にスライド移動可能に設けて各握柄保持部6間の間隔を調整し得るように構成し、この器体5と各握柄保持部6とのいずれか一方若しくは双方に、この各握柄保持部6を器体5に対して位置決め保持する位置決め手段8を設けたことを特徴とする包丁収納器具に係るものである。
【0009】
また、前記器体5に、この器体5の長さ方向に沿った長さを有するガイド部9を設け、このガイド部9に前記握柄保持部6を係合することで器体5に握柄保持部6を付設すると共に、このガイド部9に沿って握柄保持部6を器体5の長さ方向にスライド移動可能に設けたことを特徴とする請求項1記載の包丁収納器具に係るものである。
【0010】
また、前記握柄保持部6は、前記器体5の端部までスライド移動させると器体5から係脱して取り外しし得、且つ器体5の端部から係合して器体5に取り付けし得る着脱構造を備えた構成としたことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の包丁収納器具に係るものである。
【0011】
また、前記器体5若しくは前記握柄保持部6に、前記差込口4に差込みした刃板2を抜け止め状態にロックするロック解除可能なロック手段7を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の包丁収納器具に係るものである。
【0012】
また、前記ロック手段7は、前記差込口4に刃板2を差込みした前記包丁1の一部を上方から覆うことで包丁1の刃板2を差込口4より抜け止め状態にロックするロック解除可能なロック体17を前記器体5若しくは前記握柄保持部6に設けた構成としたことを特徴とする請求項4記載の包丁収納器具に係るものである。
【0013】
また、前記ロック体17は、前記器体5若しくは前記握柄保持部6に対して回動自在に設け、このロック体17を回動させて器体5若しくは握柄保持部6に係止することで前記差込口4に刃板2を差込みした包丁1の一部をロック体17が上方から覆ってこの包丁1の刃板2を抜け止め状態にロックし、このロック状態のロック体17を器体5若しくは握柄保持部6より係脱して逆回動させることでロック解除する前記ロック手段7を構成したことを特徴とする請求項5記載の包丁収納器具に係るものである。
【0014】
また、前記器体5は、薄厚で且つ高さのない横長形状に形成し、この器体5を、流し台Aの上部前側に存する幕板10の前方に開閉自在に設けた前扉11の裏面に若しくはこの前扉11と前記幕板10との間の隙間に装着し得るように構成したことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の包丁収納器具に係るものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明は上述のように構成したから、複数の握柄保持部夫々に握柄を支承保持することで、複数の包丁を間隔を置いた並設状態にして夫々を斜設状態で収納することができると共に、包丁を斜設状態で収納する構成としたために、器体の高さを低く設定可能で高さのない少スペースへの設置に適した包丁収納器具を簡易に設計実現可能な構成となり、しかも、各握柄保持部を器体の長さ方向にスライド移動させて各握柄保持部間の間隔を調整し得るように構成したため、様々な大きさ・形状の複数の包丁を互いに干渉しないように適切な間隔を置いた並設状態で収納することができる上、この間隔調整した各握柄保持部を位置決め手段により確実に位置決め可能であるなど、極めて実用性に秀れた画期的な包丁収納器具となる。
【0016】
また、請求項2記載の発明においては、器体に対する握柄保持部のスライド移動構造を簡易に設計実現可能となる一層実用性に秀れた構成の包丁収納器具となる。
【0017】
また、請求項3記載の発明においては、例えば、収納したい包丁の数などに応じて、器体に設ける握柄保持部の数を自由に変更することが可能となる一層実用性に秀れた構成の包丁収納器具となる。
【0018】
また、請求項4記載の発明においては、ロック手段により包丁を抜け止め状態にロックすることができて、このロック手段を解除しない限りは収納した包丁を器体より引き出す(取り出す)ことができないため、例えば幼い子供が、保護者が目を離している時に包丁を器体から取り出してしまって痛ましい事故を起こしてしまうような危険性を回避できることになる極めて安全性に秀れ、実用性に秀れた構成の包丁収納器具となる。
【0019】
また、請求項5記載の発明においては、前記作用・効果を確実に発揮するロック手段を簡易に設計実現可能となる一層実用性に秀れた構成の包丁収納器具となる。
【0020】
また、請求項6記載の発明においては、前記作用・効果を確実に発揮するロック手段を簡易に設計実現可能となる上、ロック体を回動するだけの操作で包丁のロック操作もロック解除操作も容易に行われる一層実用性に秀れた構成の包丁収納器具となる。
【0021】
また、請求項7記載の発明においては、流し台のデットスペースである幕板前方の前扉内に本包丁収納器具を据え付けした実用的な流し台を構成可能となる一層実用性に秀れた構成の包丁収納器具となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
好適と考える本発明の実施形態(発明をどのように実施するか)を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0023】
器体5の差込口4に包丁1の刃板2を差込みして、握柄3を握柄保持部6に支承保持すると、刃板2が器体5内に存すると共に握柄3が器体5上部より斜め方向に突出した状態で包丁1が収納される。
【0024】
このようにして複数の握柄保持部6夫々に握柄3を支承保持することで、器体5に複数の包丁1を間隔を置いて夫々斜設状態で収納することができる。
【0025】
この収納状態の包丁1を使用する際には、器体5上部より斜め方向に突出する握柄3を握持するので握持し易く、且つ斜設状態の握柄3を握持して包丁1を持ち上げることは、立設状態の握柄3を握持して持ち上げる場合と異なり、手を滑らせて包丁1を下方へ落としてしまうような誤操作をしにくく、安全に包丁1を持ち上げて取り出すことができる。
【0026】
また、この本発明で採用した、包丁1を斜設状態で収納する器具構成は、器体5の高さを低く設定することが可能で、高さのない少スペースへの設置が可能な器具構成とすることが容易に可能である。
【0027】
一方、このように包丁1を斜設状態で収納する構造にあっては、収納する包丁1の刃板2の長さや縦幅(刃縁から刃板2上縁までの幅)や形、あるいは握柄3の長さや形などによって並設(隣接)する包丁1同士が互いに干渉しあって、握柄保持部6で的確に支承保持できなくなってしまう場合がある。
【0028】
しかしながら、本発明においては、このような場合に各握柄保持部6を器体5の長さ方向にスライド移動させて各握柄保持部6間の間隔を調整することができるので、様々な大きさ・形状の複数の包丁1を互いに干渉しないように適切な間隔を介した並設状態にして収納することができる。
【0029】
また、スライド移動させた各握柄保持部6は、位置決め手段8により器体5に対して位置決め保持することができるので、位置調整(間隔調整)した各握柄保持部6が勝手に動いてしまうようなことはない。
【0030】
また、例えば、前記器体5に、この器体5の長さ方向に沿った長さを有するガイド部9を設け、このガイド部9に前記握柄保持部6を係合することで器体5に握柄保持部6を付設すると共に、このガイド部9に沿って握柄保持部6を器体5の長さ方向にスライド移動可能に設ければ、器体5に対する握柄保持部6のスライド移動構造を簡易に設計実現可能となる。
【0031】
また、例えば、前記握柄保持部6は、前記器体5の端部までスライド移動させると器体5から係脱して取り外しし得、且つ器体5の端部から係合して器体5に取り付けし得る着脱構造を備えた構成とすれば、例えば、収納したい包丁1の数などに応じて、器体5に設ける握柄保持部6の数を自由に変更(握柄保持部6の使用数を変更)することが可能となる。
【0032】
また、例えば、前記器体5若しくは前記握柄保持部6に、前記差込口4に差込みした刃板2を抜け止め状態にロックするロック解除可能なロック手段7を設ければ、ロック手段7により差込口4に差込みした刃板2を抜け止め状態にロックすると、このロック手段7を解除しない限り、収納した包丁1を器体5より引き抜く(取り出す)ことができないので、このロック手段7による包丁1の抜け止め状態保持により、例えば、幼い子供が、保護者が目を離している時に包丁1を器体5から取り出してしまって痛ましい事故を起こしてしまうような危険性を回避でき、安全性が高い。
【0033】
また、例えば、前記ロック手段7は、前記差込口4に刃板2を差込みした前記包丁1の一部を上方から覆うことで包丁1の刃板2を差込口4より抜け止め状態にロックするロック解除可能なロック体17を前記器体5若しくは前記握柄保持部6に設けた構成とすれば、前記作用・効果を確実に発揮するロック手段7を簡易に設計実現可能となる。
【0034】
また、例えば、前記ロック体17は、前記器体5若しくは前記握柄保持部6に対して回動自在に設け、このロック体17を回動させて器体5若しくは握柄保持部6に係止することで前記差込口4に刃板2を差込みした包丁1の一部をロック体17が上方から覆ってこの包丁1の刃板2を抜け止め状態にロックし、このロック状態のロック体17を器体5若しくは握柄保持部6より係脱して逆回動させることでロック解除する前記ロック手段7を構成すれば、ロック体17で確実に包丁1を抜け止め状態にロック及びロック解除操作できる上、このロック体17を回動するだけの操作で包丁1のロック操作もロック解除操作も容易に行われるので、一層実用的となる。
【0035】
また、例えば、前記器体5は、薄厚で且つ高さのない横長形状に形成し、この器体5を、流し台Aの上部前側に存する幕板10の前方に開閉自在に設けた前扉11の裏面に若しくはこの前扉11と前記幕板10との間の隙間に装着し得るように構成すれば、流し台Aのデットスペースである幕板10前方の前扉11を利用して少スペースに本包丁収納器具を据え付け設置した実用的な流し台Aを簡易に設計実現可能となる。
【実施例1】
【0036】
本発明の具体的な実施例1について図1〜図11に基づいて説明する。
【0037】
本実施例は、流し台Aに据え付けして使用する包丁収納器具に適用した場合である。
【0038】
本実施例の包丁収納具は、図1に示すように、正面視で高さがなく横長の方形状であって、薄型(前後の厚みが薄厚)な器体5の上面に、包丁1の刃板2を差込みし得る差込口4を備えている。
【0039】
また、器体5は、樹脂製とすると共に、断面形状を略U字形状に形成して、この器体5上面に器体5長さ方向に沿った長さを有する一文字状の前記差込口4が形成される構成とし、この差込口4から器体5内に包丁1の刃板2を差込んで格納し得るようにしている(図3〜図5参照。)。
【0040】
更に詳しくは、押し出し成形により図2に示すような左右対称の断面形状で長さのある構造体5Aを製作し、また、この構造体5Aは、下部中央に肉薄部5Bを有する形状に成形してこの肉薄部5Bを支点に折曲させて左右部を広狭し得るように設け、この構造体5Aの左右部を対向内側に折り合わせると上面に前記差込口4が形成され、この折り合わせ状態で構造体5Aの両端部に例えば樹脂製の保形部材12を被嵌して保形することにより、前記形状の器体5が完成する構成としている(図1,図3参照。)。
【0041】
また、両端の保形部材12を取り外して器体5を展開することで、内部を清掃することもできる構成としている。このように展開して内部を清掃可能で且つ前後側面に後述のガイド部9を有する器体5を、押し出し成形によれば容易に製作可能である。
【0042】
また、本実施例では、この差込口4に刃板2を差込みした際に包丁1の握柄3の基部を支承してこの握柄3を器体5外部に露出状態に保持する握柄保持部6を備えている。
【0043】
具体的には、握柄保持部6はやや横長な形状とし、更に上面の一側半面程を水平面に対して緩やかに傾斜する傾斜面に形成してこの傾斜面を包丁1の握柄3の基部側面を支承する第一支承面6Aとすると共に、この第一支承面6Aの傾斜下端部に隣接する上面部分を第一支承面6Aに対して略直角な傾斜面に形成してこの傾斜面を握柄3の基端面を支承する第二支承面6Bとしている。即ち、本実施例の握柄保持部6は、正面から見ると第一支承面6Aと第二支承面6Bとで一側にやや傾いたL字状の支承上面部分を有する形状に形成している。
【0044】
また、この第一支承面6Aの傾斜下端部近傍から第二支承面6Bを経て握柄保持部6の他側の側面に至るまでに、前記器体5の差込口4と連通して包丁1の刃板2を差込み可能な細長い形状の差込部6Cを切欠形成している。
【0045】
この握柄保持部6の包丁1の握柄3の支承保持構造は、例えば、包丁1を横にして持って器体5の上方から刃板2の先端部を差込部6Cから差込口4へと斜め方向に差込み挿入していき、握柄3の基部の下側面を前記第一支承面6Aに当接支承すると共に握柄3の基端面を前記第二支承面6Bに当接支承すると、第一支承面6Aと第二支承面6Bとが前記したように傾斜面であることにより、握柄3が器体5上部より斜め方向(斜め上方)に突出した状態となって包丁1が横置きに近い斜設状態で収納保持される構造としている(図1参照。)。
【0046】
また、この収納状態の包丁1は、握柄3の延長方向である斜め上方へ動かして引き抜こうとしても、刃板2の基端縁が握柄保持部6の差込部6C下方に形成したストッパ面6Fに当接することで引き抜き阻止される構成としている(図6(b)参照。)。
【0047】
この握柄保持部6の前記器体5への取付構造は、前記器体5にガイド部9を設け、このガイド部9に前記各握柄保持部6を係合することで器体5に握柄保持部6を付設すると共に、このガイド部9に沿って握柄保持部6を器体5の長さ方向にスライド移動可能に設けている。
【0048】
具体的には、図3に示すように、器体5の前後側面の上縁寄り位置に夫々器体5の長さ方向に沿って凹溝状のガイド部9を凹設(押し出し成形により構造体5A成形時に同時に成形)する一方、握柄保持部6の下面を開放する形状に形成して器体5の上部に被嵌合し得るように構成すると共に、この握柄保持部6を器体5の上部に嵌合した際に前記ガイド部9に係合する係合突起6Dをこの握柄保持部6の前後の下縁に突設して、この係合突起6Dがガイド部9に係合することで握柄保持部6が器体5に対して抜け止め状態に付設され、且つガイド部9に沿って器体5の長さ方向(左右方向)にスライド移動可能に設けている。
【0049】
このように構成した本実施例の握柄保持部6は、樹脂成形による一体成形物で成る構成としている。
【0050】
また、この握柄保持部6は、前記保形部材12を取り外した器体5の端部から前記ガイド部9に前記係合突起6Dを係合することで器体5上部に被嵌状態に取り付けする構成とし、逆に取り付けした握柄保持部6を、保形部材12を取り外した器体5の端部までスライド移動させることで、係合突起6Dをガイド部9から係脱させて器体5から取り外しすることもできる構成としている。
【0051】
本実施例では、この握柄保持部6を器体5に複数個(図面では四個)取り付けした場合を示しており、この各握柄保持部6に夫々包丁1を支承保持できると共に、各握柄保持部6の間隔を包丁1の握柄3の長さなどに応じて調整可能な構成としている(図1参照。)。また、上記のようにして器体5に取り付けする握柄保持部6の数を変更(握柄保持部6の使用数を変更)することも可能である。
【0052】
また、本実施例の各握柄保持部6は、この各握柄保持部6を器体5に対して位置決め保持する位置決め手段8を設けている。
【0053】
位置決め手段8は、握柄保持部6の一側の側面に、所定形状に屈曲形成された板バネで成る摩擦体8Aを突設すると共に、この摩擦体8Aの突出先端部が常に器体5の上面に当接して摩擦抵抗を付与して握柄保持部6を位置決め状態に維持する構成とし、図4の想像線のようにこの摩擦体8Aを自身の弾性に抗して上動させて突出先端部を器体5上面より浮上状態とすることで握柄保持部6を器体5に対してスライド移動可能となるように構成している。
【0054】
また、本実施例では、前記器体5に、前記差込口4に差込みした刃板2を抜け止め状態にロックするロック解除可能なロック手段7を設けている。
【0055】
具体的には、ロック手段7は、差込口4に刃板2を差込み収納した前記包丁1の一部を上方から覆うことで包丁1の刃板2を差込口4より抜け止め状態にロックするロック解除可能なロック体17を前記器体5に設けている。
【0056】
また、ロック体17は、器体5に対して回動自在に設け、このロック体17を回動させて握柄保持部6に係止することで前記差込口4に刃板2を差込みした包丁1の一部をロック体17が上方から覆ってこの包丁1の刃板2を抜け止め状態にロックし、このロック状態のロック体17を器体5若しくは握柄保持部6より係脱して逆回動させることでロック解除する構成としている。
【0057】
更に詳しくは、ロック体17は、先端側がフック形であって、基部の前後に軸ピン17Aが対向方向に向かって突設する形状に構成し、この軸ピン17Aを前記器体5の前記ガイド部9に係合することで、この軸ピン17Aを支点にロック体17は器体5に対し起伏回動自在であって、且つガイド部9に沿って器体5の左右方向にスライド移動可能に設けている。
【0058】
また、このロック体17は、前記握柄保持部6の他側部の外側に配置させて回動先端側のフック部17Bを握柄保持部6に向かって回動させた際に、このフック部17Bが前記差込部6Cを有する握柄保持部6の他側部分を上方から被覆して差込部6Cに刃板2を差込みして握柄支承部6に握柄3を支承保持した包丁1の刃板2の基部を抜け止め状態とする構成としている(図6参照。)。
【0059】
本実施例では、このロック体17を各握柄保持部6と対をなすように同数設けている。
【0060】
また、このロック体17のフック部17Bの下面には、このフック部17Bが握柄保持部6の他側部分を上方から被覆した際に、前記差込部6Cに差込みされた刃板2の上縁を逃げるための刃板逃げ部17Cを切欠形成している。
【0061】
また、このフック部17Bの下面には、係止爪17Dを一体に垂設し、一方、この係止爪17Dが係止する係止孔6Eを前記握柄保持部6の他側の上面から第二支承面6Bの中程にかけてに貫通形成して、このフック部17Bが握柄保持部6の他側部分を上方から被覆した際に、係止爪17Dを係止孔6Eに係止することでロック体17を回動不能状態にロックする構成とし、これによりロック体17による包丁1の抜け止め状態が簡単に解除されることなく保持される構成としている。
【0062】
また、係止爪17Dと係止孔6Eとの係止構造は、フック部17Bで握柄保持部6の他側部分を上方から被覆した際に、ロック体17を握柄保持部6から離すように移動させると係止爪17Dが係止孔6Eの孔縁に係止してロック体17が回動不能状態(ロック状態)に維持され、この回動不能状態からロック体17を握柄保持部6に接近するように移動させると、係止爪17Dが係止孔6Eの孔縁から係脱してロック体17を回動可能(ロック解除可能)となる構造としている。
【0063】
即ち、包丁1を差込口4から抜き外そうとしてロック体17ごと上方へ引き上げても、ロック体17は解除することがなく、このロック体17を、刃板2の差込口4に対する引き抜き方向と異なる方向に移動(ロック体17を握柄保持部6に接近する方向に移動)させた時にだけロック体17を握柄保持部6より係脱し得る係止構造としている。また、包丁1を、その長さ方向の延長方向である斜め上方に向かって引き抜こうとした場合には、前記ストッパ面6Fに刃板2の基端縁が当接することで引き抜き阻止されて、ロック体17がロック解除方向に動いてしまうことが防止される構造としている。
【0064】
また、フック部17Bは、握柄保持部6側の突出部を平坦面状の押圧面17Eに形成し、更にこの押圧面17Eは、ロック体17を回動させてこのフック部17Bで握柄保持部6の他側部分を上方から被覆した際に前記第二支承面6Bと略平行となって且つ第二支承面6Bより握柄保持部6の一側寄りに位置するように構成し、この第二支承面6Bより握柄保持部6の一側寄りに存している押圧面17Eを握柄保持部6に保持した包丁1の握柄3の基端面で握柄保持部6の他側方向へ押圧すると、この押圧面17Eが第二支承面6Bと略面一状態となったところで、前記係止爪17Dが前記係止孔6Eの孔縁に係止することになる(ロック体17がロック状態となる)構成としている(図7参照。)。
【0065】
即ち、包丁1の刃板2を前記差込部6C,差込口4に差込みした上でロック体17を回動させて刃板2基部の上方をロック体17で被覆し、引き続いて刃板2が更に深く差し込まれるように握柄3を移動させて握柄3の基端面で前記押圧面17Eを押圧するという簡単な一連の動作(操作)で包丁1を抜け止め状態にロックできる構成としている。
【0066】
また、ロック体17の回動先端部には、ロック体17をロック解除操作のために移動させる際に指を引っ掛けする指掛突起17Fを突設している。
【0067】
このように構成した本実施例のロック体17は、樹脂成形による一体成形物で成る構成としている。
【0068】
また、このロック体17は、前記握柄保持部6と同様に、前記保形部材12を取り外した器体5の端部から前記ガイド部9に前記軸ピン17Aを係合することで器体5にスライド自在に且つ回動自在に取り付けする構成とし、逆に取り付けしたロック体17を、保形部材12を取り外した器体5の端部までスライド移動させることで、軸ピン17Aをガイド部9から係脱させて器体5から取り外しすることもできる構成としている。従って、例えば、子供が成長して包丁1を抜け止め状態にロックしておく必要性がなくなった際には、ロック体17(ロック手段7)を取り外して既存の包丁収納器具と同等の使い方ができる構成としている。
【0069】
また、本実施例では、上述のように構成した器体5を、流し台Aの上部前側に存する幕板10の前方に開閉自在に設けた前扉11の裏面に装着し得るように構成している。
【0070】
具体的には、前扉11は、図8,図9に示すように、下端を流し台Aに枢着して起伏開閉回動自在な構成とすると共に、この前扉11と幕板10近傍との間に取付腕部13を架設して、この取付腕部13により前扉11は流し台A前面に対して45度程起動した位置で開放回動が規制される構成としている。
【0071】
また、図10に示すように、前扉11の裏面左右部には、器体5を着脱自在に取付するための取付部材14を付設し、この左右の取付部材14に器体5の左右両端部に被嵌した前記保形部材12を装着することで器体5を前扉11の裏面に着脱自在に付設し得るように構成している。
【0072】
器体5と前扉11との着脱構造(保形部材12と取付部材14との着脱構造)は、各保形部材12の外面に係止片部15を切り出し形成する一方、この係止片部15が係止する係止窓16を取付部材14に貫通形成して、この係止片部15が係止窓16に係止することで保形部材12(器体5)が取付部材14(前扉11)に抜け止め状態で付設する構造としている。
【0073】
また、この係止片部15は、常時わずかに外方へ突出する形状に形成されて自動的に係止窓16に係止するように構成し、この係止窓16に係止している係止片部15を、その弾性に抗して係止窓16の外側から内方へ押圧没入させることで係止窓16より係脱させることが可能で、これにより器体5(保形部材12)を前扉11(取付部材14)より取り外して器体5内の清掃などを行えるようにしている。
【実施例2】
【0074】
本発明の具体的な実施例2について図12〜図16に基づいて説明する。
【0075】
本実施例は、前記実施例1において、位置決め手段8の構成と、器体5の前扉11への付設構造(着脱構造)を異ならせた場合である。
【0076】
本実施例の位置決め手段8は、握柄保持部6とは別体のストッパ体18を備え、このストッパ体18を握柄保持部6に接続することでこの握柄保持部6が位置決めされる構成としている。
【0077】
ストッパ体18は、握柄保持部6と同様に、前記器体5のガイド部9に係合することで器体5に付設すると共に、このガイド部9に沿って器体5の長さ方向にスライド移動可能に設けている。また、このストッパ体18は、図12に示すように、前記握柄保持部6の第一支承面6A側(図面右側)に配されてこの握柄保持部6の第一支承面6A側の端部に接続する構成とすると共に、この握柄保持部6の第一支承面6A側の形状に略同調する角形形状に形成して、このストッパ体18上面の傾斜面も、包丁1の握柄3の基部側面を支承する支承面18Aとして機能するように構成している。
【0078】
また、このストッパ体18は、図13に示すように、下面を開放する形状に形成して器体5の上部に被嵌合し得るように構成すると共に、このストッパ体18を器体5の上部に被嵌合した際に前記ガイド部9に係合する係合突起18Bをこのストッパ体18の左右の下縁に夫々対向内側に向けて突設して、この各係合突起18Bがガイド部9に係合することでストッパ体18が器体5に対して抜け止め状態に付設され、且つガイド部9に沿って器体5の長さ方向(左右方向)にスライド移動可能となるように設けている。
【0079】
また、このストッパ体18は、図14に示すように、下面の開放幅(図面における開放部の左右内側面の対向幅)を握柄保持部6の下面の開放部の開放幅よりもやや幅狭となるように形成して、このストッパ体18を器体5の上部に被嵌合した際にこのストッパ体18の下面の開放部が器体5の上部を図面左右方向から圧迫(圧接)し、これによりこのストッパ体18が位置する部位の差込口4の幅が狭められるように構成している。
【0080】
また、このストッパ体18の、前記握柄保持部6の第一支承面6A側に接触する側の端部には、握柄保持部6に接続するための薄板状の接続突片18Cを突設し、一方、握柄保持部6の第一支承面6A側の端部にはこの接続突片18Cを嵌入する嵌入部6Gを凹設し、更に、接続突片18Cは斜設状態に突設して、この斜設する接続突片18Cが嵌入部6Gに摩擦当接するように構成し(図12参照。)、この接続突片18Cの嵌入部6Gへの摩擦力により簡単にはストッパ体18と握柄保持部6とが分離しない構成としている。更に詳しくは、ストッパ体18を握柄保持部6から離反する方向に人為的に強い力を加えれば、ストッパ体18を握柄保持部6から分離させることができるが、この人為的な操作なくして勝手にストッパ体18が握柄保持部6から分離することのない構成としている。
【0081】
また、図13,図14に示すように、握柄保持部6の下面の開放部の上側面に、前記差込口4に挿入する挟み込み突部6Hを垂設し、この握柄保持部6に前記ストッパ体18を接近スライド移動して接続すると(接続突片18Cを嵌入部6Gに嵌入すると)、ストッパ体18によって握柄保持部6が位置する部位の差込口4もその幅が狭められて前記挟み込み突部6Hが挟持状態となり、この挟持作用により挟み込み突部6Hが差込口4に摩擦抵抗を生じて簡単にはスライド移動しない位置決め状態となる前記位置決め手段8を構成している。
【0082】
また、この位置決め手段8は、ストッパ体18を握柄保持部6から離反する方向にスライド移動させると、挟み込み突部6Hの挟持状態が解除されて握柄保持部6を自由にスライド移動させることが可能となる構成である。
【0083】
また、このストッパ体18は、前記握柄保持部6と同様に、前記保形部材12を取り外した器体5の端部から前記ガイド部9に前記係合突起18Bを係合することで器体5上部に被嵌状態に取り付けする構成とし、逆に取り付けしたストッパ体18を、保形部材12を取り外した器体5の端部までスライド移動させることで、係合突起18Bをガイド部9から係脱させて器体5から取り外しすることもできる構成としている。即ち、ストッパ体18は、器体5に取り付けする握柄保持部6の数に合せて使用数を変更することが可能である。
【0084】
また、本実施例の位置決め手段8を構成するストッパ体18は、樹脂成形による一体成形物で成る構成とすると共に、前記嵌入部6Gと前記挟み込み突部6Hも樹脂製の握柄保持部6に一体成形した構成としている。このように、位置決め手段8を樹脂パーツ(ストッパ体18)を用いて構成すると、板バネ(金属パーツ)を採用する前記実施例1に比して部品コスト安に構成可能となる。
【0085】
また、本実施例の器体5と前扉11との着脱構造は、前記実施例1において、器体5の左右両端部に被嵌する保形部材12が、前扉11の裏面左右部に付設される取付部材14を兼用する構造としている。
【0086】
具体的には、本実施例の保形部材12は、図15に示すように、ネジ20などの止着具20によって前扉11の裏面左右部に付設固定し得るように構成し、また、各保形部材12の外側面の上側部を、この保形部材12が持つ弾性に抗して外方へ開くように変形し得るように切り出し形成し、この切り出し片部12Aの上端部に器体5端部の上部に係止する爪部19を内方へ向けて突設して、この切り出し片部12Aを外側に開くことで、保形部材12に器体5の端部を上方から差込嵌合でき、差込後切り出し片部12Aを元の状態に復帰させると、図16に示すように爪部19が器体5端部の上部に位置して、器体5を抜け止め状態に保持する構成としている。
【0087】
また、爪部19の下方には、器体5の前記差込口4に差し込まれる差込突起19Aを連設状態突設し、この差込突起19Aが差込口4に差し込まれることで、保形部材12に対して器体5がガタつきにくい安定状態で取り付けられる構成としている。また、この爪部19も差込突起19Aも、樹脂製の保形部材12に一体成形した構成とし、量産性に秀れコスト安に構成可能としている。
【0088】
また、保形部材12から器体5を取り外して器体5内の清掃などを行うときには、前記と逆に各保形部材12の切り出し片部12Aを外側に開くことで、器体5を上方へ簡単に嵌脱させて取り外すことができる構成である。
【0089】
この本実施例のように、各保形部材12が前扉11への取付部材14を兼用する構造とすると、実施例1の構成に比して部品点数を少なくできるので、その分コスト安に構成可能となる。
【0090】
尚、本発明は、実施例1,2に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】実施例1の使用状態を示す正面図である。
【図2】実施例1の器体を構成する構造体を示す拡大側面図である。
【図3】実施例1の拡大説明分解斜視図である。
【図4】実施例1の握柄保持部とロック手段とを示す部分拡大説明斜視図である。
【図5】実施例1の使用状態における握柄保持部とロック手段とを示す部分拡大説明斜視図である。
【図6】実施例1の差込口に包丁の刃板を差込みして握柄保持部に握柄を支承保持する様子を示した説明正断面図である。
【図7】実施例1の握柄保持部に握柄を支承保持した包丁をロック体により抜け止め状態にロックする様子を示した一部を切り欠いた説明正面図である。
【図8】実施例1の流し台を示す説明斜視図である。
【図9】前扉の開閉構造を示す部分拡大説明側断面図である。
【図10】実施例1の器体の前扉への付設構造を示す説明斜視図である。
【図11】実施例1の器体の前扉への付設構造を示す部分拡大説明正断面図である。
【図12】実施例2の握柄保持部にストッパ体を接続して位置決めした状態を示す一部を切り欠いた説明正面図である。
【図13】実施例2の握柄保持部とストッパ体を示す分解斜視図である。
【図14】実施例2の位置決め手段を示す部分拡大説明図である。
【図15】実施例2の器体と前扉との着脱構造を示す説明分解斜視図である。
【図16】実施例2の器体を保形部材に装着した状態を示す説明正面図である。
【符号の説明】
【0092】
1 包丁
2 刃板
3 握柄
4 差込口
5 器体
6 握柄保持部
7 ロック手段
8 位置決め手段
9 ガイド部
10 幕板
11 前扉
17 ロック体
A 流し台
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、流し台に備え付けられる包丁収納器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、流し台には、前面に観音開き仕様の扉が設けられていて、この扉の裏側に包丁収納器具が備え付けられているものが多い。
【0003】
この包丁収納器具について簡単に説明すると、薄型のボックス体が扉の裏面に付設され、このボックス体の上面には包丁の刃板を差込みするための細長い差込口が複数形成されていて、この各差込口に包丁の刃板を差込みすると、包丁の握柄の基部が差込口周囲のボックス体上面に掛止られて、握柄がボックス体外に露出し刃板がボックス体内に収納された状態で立て掛けられる構成である(例えば、下記特許文献1の図8参照。)。
【0004】
また、従来、特許文献1(実用新案登録第3070747号)のように、流し台の前側上部に存する幕板の前方の前面板を開閉自在に設け、この幕板と前面板との間の横長の空間部に薄型で高さのない横長の包丁収納ボックスを設け、この収納ボックスに複数の包丁を横置き収納できるようにした包丁収納器具も提案されている。
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3070747号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、この種の包丁収納器具の実用性を更に追求したもので、複数の握柄保持部を備えて複数の包丁を収納できる構成であって、且つ複数の握柄保持部の間隔を包丁の大きさや長さなどに応じて調整可能で、様々な大きさ・形状の複数の包丁を互いに干渉しないように適切な間隔を置いて並設状態に収納できる実用性に秀れた画期的な包丁収納器具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0008】
横長形状に形成した器体5に包丁1の刃板2を差込み収納し得る差込口4を設け、この差込口4に刃板2を差込みした際に包丁1の握柄3を支承してこの握柄3を前記器体5上部より斜め方向に突出状態にして支承保持する握柄保持部6を、前記器体5の長さ方向に間隔を置いて複数設けて、この複数の握柄保持部6夫々に握柄3を支承保持することで複数の包丁1を間隔を置いて夫々斜設状態で収納し得るように構成した包丁収納器具において、複数の前記握柄保持部6は、夫々を前記器体5の長さ方向にスライド移動可能に設けて各握柄保持部6間の間隔を調整し得るように構成し、この器体5と各握柄保持部6とのいずれか一方若しくは双方に、この各握柄保持部6を器体5に対して位置決め保持する位置決め手段8を設けたことを特徴とする包丁収納器具に係るものである。
【0009】
また、前記器体5に、この器体5の長さ方向に沿った長さを有するガイド部9を設け、このガイド部9に前記握柄保持部6を係合することで器体5に握柄保持部6を付設すると共に、このガイド部9に沿って握柄保持部6を器体5の長さ方向にスライド移動可能に設けたことを特徴とする請求項1記載の包丁収納器具に係るものである。
【0010】
また、前記握柄保持部6は、前記器体5の端部までスライド移動させると器体5から係脱して取り外しし得、且つ器体5の端部から係合して器体5に取り付けし得る着脱構造を備えた構成としたことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の包丁収納器具に係るものである。
【0011】
また、前記器体5若しくは前記握柄保持部6に、前記差込口4に差込みした刃板2を抜け止め状態にロックするロック解除可能なロック手段7を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の包丁収納器具に係るものである。
【0012】
また、前記ロック手段7は、前記差込口4に刃板2を差込みした前記包丁1の一部を上方から覆うことで包丁1の刃板2を差込口4より抜け止め状態にロックするロック解除可能なロック体17を前記器体5若しくは前記握柄保持部6に設けた構成としたことを特徴とする請求項4記載の包丁収納器具に係るものである。
【0013】
また、前記ロック体17は、前記器体5若しくは前記握柄保持部6に対して回動自在に設け、このロック体17を回動させて器体5若しくは握柄保持部6に係止することで前記差込口4に刃板2を差込みした包丁1の一部をロック体17が上方から覆ってこの包丁1の刃板2を抜け止め状態にロックし、このロック状態のロック体17を器体5若しくは握柄保持部6より係脱して逆回動させることでロック解除する前記ロック手段7を構成したことを特徴とする請求項5記載の包丁収納器具に係るものである。
【0014】
また、前記器体5は、薄厚で且つ高さのない横長形状に形成し、この器体5を、流し台Aの上部前側に存する幕板10の前方に開閉自在に設けた前扉11の裏面に若しくはこの前扉11と前記幕板10との間の隙間に装着し得るように構成したことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の包丁収納器具に係るものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明は上述のように構成したから、複数の握柄保持部夫々に握柄を支承保持することで、複数の包丁を間隔を置いた並設状態にして夫々を斜設状態で収納することができると共に、包丁を斜設状態で収納する構成としたために、器体の高さを低く設定可能で高さのない少スペースへの設置に適した包丁収納器具を簡易に設計実現可能な構成となり、しかも、各握柄保持部を器体の長さ方向にスライド移動させて各握柄保持部間の間隔を調整し得るように構成したため、様々な大きさ・形状の複数の包丁を互いに干渉しないように適切な間隔を置いた並設状態で収納することができる上、この間隔調整した各握柄保持部を位置決め手段により確実に位置決め可能であるなど、極めて実用性に秀れた画期的な包丁収納器具となる。
【0016】
また、請求項2記載の発明においては、器体に対する握柄保持部のスライド移動構造を簡易に設計実現可能となる一層実用性に秀れた構成の包丁収納器具となる。
【0017】
また、請求項3記載の発明においては、例えば、収納したい包丁の数などに応じて、器体に設ける握柄保持部の数を自由に変更することが可能となる一層実用性に秀れた構成の包丁収納器具となる。
【0018】
また、請求項4記載の発明においては、ロック手段により包丁を抜け止め状態にロックすることができて、このロック手段を解除しない限りは収納した包丁を器体より引き出す(取り出す)ことができないため、例えば幼い子供が、保護者が目を離している時に包丁を器体から取り出してしまって痛ましい事故を起こしてしまうような危険性を回避できることになる極めて安全性に秀れ、実用性に秀れた構成の包丁収納器具となる。
【0019】
また、請求項5記載の発明においては、前記作用・効果を確実に発揮するロック手段を簡易に設計実現可能となる一層実用性に秀れた構成の包丁収納器具となる。
【0020】
また、請求項6記載の発明においては、前記作用・効果を確実に発揮するロック手段を簡易に設計実現可能となる上、ロック体を回動するだけの操作で包丁のロック操作もロック解除操作も容易に行われる一層実用性に秀れた構成の包丁収納器具となる。
【0021】
また、請求項7記載の発明においては、流し台のデットスペースである幕板前方の前扉内に本包丁収納器具を据え付けした実用的な流し台を構成可能となる一層実用性に秀れた構成の包丁収納器具となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
好適と考える本発明の実施形態(発明をどのように実施するか)を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0023】
器体5の差込口4に包丁1の刃板2を差込みして、握柄3を握柄保持部6に支承保持すると、刃板2が器体5内に存すると共に握柄3が器体5上部より斜め方向に突出した状態で包丁1が収納される。
【0024】
このようにして複数の握柄保持部6夫々に握柄3を支承保持することで、器体5に複数の包丁1を間隔を置いて夫々斜設状態で収納することができる。
【0025】
この収納状態の包丁1を使用する際には、器体5上部より斜め方向に突出する握柄3を握持するので握持し易く、且つ斜設状態の握柄3を握持して包丁1を持ち上げることは、立設状態の握柄3を握持して持ち上げる場合と異なり、手を滑らせて包丁1を下方へ落としてしまうような誤操作をしにくく、安全に包丁1を持ち上げて取り出すことができる。
【0026】
また、この本発明で採用した、包丁1を斜設状態で収納する器具構成は、器体5の高さを低く設定することが可能で、高さのない少スペースへの設置が可能な器具構成とすることが容易に可能である。
【0027】
一方、このように包丁1を斜設状態で収納する構造にあっては、収納する包丁1の刃板2の長さや縦幅(刃縁から刃板2上縁までの幅)や形、あるいは握柄3の長さや形などによって並設(隣接)する包丁1同士が互いに干渉しあって、握柄保持部6で的確に支承保持できなくなってしまう場合がある。
【0028】
しかしながら、本発明においては、このような場合に各握柄保持部6を器体5の長さ方向にスライド移動させて各握柄保持部6間の間隔を調整することができるので、様々な大きさ・形状の複数の包丁1を互いに干渉しないように適切な間隔を介した並設状態にして収納することができる。
【0029】
また、スライド移動させた各握柄保持部6は、位置決め手段8により器体5に対して位置決め保持することができるので、位置調整(間隔調整)した各握柄保持部6が勝手に動いてしまうようなことはない。
【0030】
また、例えば、前記器体5に、この器体5の長さ方向に沿った長さを有するガイド部9を設け、このガイド部9に前記握柄保持部6を係合することで器体5に握柄保持部6を付設すると共に、このガイド部9に沿って握柄保持部6を器体5の長さ方向にスライド移動可能に設ければ、器体5に対する握柄保持部6のスライド移動構造を簡易に設計実現可能となる。
【0031】
また、例えば、前記握柄保持部6は、前記器体5の端部までスライド移動させると器体5から係脱して取り外しし得、且つ器体5の端部から係合して器体5に取り付けし得る着脱構造を備えた構成とすれば、例えば、収納したい包丁1の数などに応じて、器体5に設ける握柄保持部6の数を自由に変更(握柄保持部6の使用数を変更)することが可能となる。
【0032】
また、例えば、前記器体5若しくは前記握柄保持部6に、前記差込口4に差込みした刃板2を抜け止め状態にロックするロック解除可能なロック手段7を設ければ、ロック手段7により差込口4に差込みした刃板2を抜け止め状態にロックすると、このロック手段7を解除しない限り、収納した包丁1を器体5より引き抜く(取り出す)ことができないので、このロック手段7による包丁1の抜け止め状態保持により、例えば、幼い子供が、保護者が目を離している時に包丁1を器体5から取り出してしまって痛ましい事故を起こしてしまうような危険性を回避でき、安全性が高い。
【0033】
また、例えば、前記ロック手段7は、前記差込口4に刃板2を差込みした前記包丁1の一部を上方から覆うことで包丁1の刃板2を差込口4より抜け止め状態にロックするロック解除可能なロック体17を前記器体5若しくは前記握柄保持部6に設けた構成とすれば、前記作用・効果を確実に発揮するロック手段7を簡易に設計実現可能となる。
【0034】
また、例えば、前記ロック体17は、前記器体5若しくは前記握柄保持部6に対して回動自在に設け、このロック体17を回動させて器体5若しくは握柄保持部6に係止することで前記差込口4に刃板2を差込みした包丁1の一部をロック体17が上方から覆ってこの包丁1の刃板2を抜け止め状態にロックし、このロック状態のロック体17を器体5若しくは握柄保持部6より係脱して逆回動させることでロック解除する前記ロック手段7を構成すれば、ロック体17で確実に包丁1を抜け止め状態にロック及びロック解除操作できる上、このロック体17を回動するだけの操作で包丁1のロック操作もロック解除操作も容易に行われるので、一層実用的となる。
【0035】
また、例えば、前記器体5は、薄厚で且つ高さのない横長形状に形成し、この器体5を、流し台Aの上部前側に存する幕板10の前方に開閉自在に設けた前扉11の裏面に若しくはこの前扉11と前記幕板10との間の隙間に装着し得るように構成すれば、流し台Aのデットスペースである幕板10前方の前扉11を利用して少スペースに本包丁収納器具を据え付け設置した実用的な流し台Aを簡易に設計実現可能となる。
【実施例1】
【0036】
本発明の具体的な実施例1について図1〜図11に基づいて説明する。
【0037】
本実施例は、流し台Aに据え付けして使用する包丁収納器具に適用した場合である。
【0038】
本実施例の包丁収納具は、図1に示すように、正面視で高さがなく横長の方形状であって、薄型(前後の厚みが薄厚)な器体5の上面に、包丁1の刃板2を差込みし得る差込口4を備えている。
【0039】
また、器体5は、樹脂製とすると共に、断面形状を略U字形状に形成して、この器体5上面に器体5長さ方向に沿った長さを有する一文字状の前記差込口4が形成される構成とし、この差込口4から器体5内に包丁1の刃板2を差込んで格納し得るようにしている(図3〜図5参照。)。
【0040】
更に詳しくは、押し出し成形により図2に示すような左右対称の断面形状で長さのある構造体5Aを製作し、また、この構造体5Aは、下部中央に肉薄部5Bを有する形状に成形してこの肉薄部5Bを支点に折曲させて左右部を広狭し得るように設け、この構造体5Aの左右部を対向内側に折り合わせると上面に前記差込口4が形成され、この折り合わせ状態で構造体5Aの両端部に例えば樹脂製の保形部材12を被嵌して保形することにより、前記形状の器体5が完成する構成としている(図1,図3参照。)。
【0041】
また、両端の保形部材12を取り外して器体5を展開することで、内部を清掃することもできる構成としている。このように展開して内部を清掃可能で且つ前後側面に後述のガイド部9を有する器体5を、押し出し成形によれば容易に製作可能である。
【0042】
また、本実施例では、この差込口4に刃板2を差込みした際に包丁1の握柄3の基部を支承してこの握柄3を器体5外部に露出状態に保持する握柄保持部6を備えている。
【0043】
具体的には、握柄保持部6はやや横長な形状とし、更に上面の一側半面程を水平面に対して緩やかに傾斜する傾斜面に形成してこの傾斜面を包丁1の握柄3の基部側面を支承する第一支承面6Aとすると共に、この第一支承面6Aの傾斜下端部に隣接する上面部分を第一支承面6Aに対して略直角な傾斜面に形成してこの傾斜面を握柄3の基端面を支承する第二支承面6Bとしている。即ち、本実施例の握柄保持部6は、正面から見ると第一支承面6Aと第二支承面6Bとで一側にやや傾いたL字状の支承上面部分を有する形状に形成している。
【0044】
また、この第一支承面6Aの傾斜下端部近傍から第二支承面6Bを経て握柄保持部6の他側の側面に至るまでに、前記器体5の差込口4と連通して包丁1の刃板2を差込み可能な細長い形状の差込部6Cを切欠形成している。
【0045】
この握柄保持部6の包丁1の握柄3の支承保持構造は、例えば、包丁1を横にして持って器体5の上方から刃板2の先端部を差込部6Cから差込口4へと斜め方向に差込み挿入していき、握柄3の基部の下側面を前記第一支承面6Aに当接支承すると共に握柄3の基端面を前記第二支承面6Bに当接支承すると、第一支承面6Aと第二支承面6Bとが前記したように傾斜面であることにより、握柄3が器体5上部より斜め方向(斜め上方)に突出した状態となって包丁1が横置きに近い斜設状態で収納保持される構造としている(図1参照。)。
【0046】
また、この収納状態の包丁1は、握柄3の延長方向である斜め上方へ動かして引き抜こうとしても、刃板2の基端縁が握柄保持部6の差込部6C下方に形成したストッパ面6Fに当接することで引き抜き阻止される構成としている(図6(b)参照。)。
【0047】
この握柄保持部6の前記器体5への取付構造は、前記器体5にガイド部9を設け、このガイド部9に前記各握柄保持部6を係合することで器体5に握柄保持部6を付設すると共に、このガイド部9に沿って握柄保持部6を器体5の長さ方向にスライド移動可能に設けている。
【0048】
具体的には、図3に示すように、器体5の前後側面の上縁寄り位置に夫々器体5の長さ方向に沿って凹溝状のガイド部9を凹設(押し出し成形により構造体5A成形時に同時に成形)する一方、握柄保持部6の下面を開放する形状に形成して器体5の上部に被嵌合し得るように構成すると共に、この握柄保持部6を器体5の上部に嵌合した際に前記ガイド部9に係合する係合突起6Dをこの握柄保持部6の前後の下縁に突設して、この係合突起6Dがガイド部9に係合することで握柄保持部6が器体5に対して抜け止め状態に付設され、且つガイド部9に沿って器体5の長さ方向(左右方向)にスライド移動可能に設けている。
【0049】
このように構成した本実施例の握柄保持部6は、樹脂成形による一体成形物で成る構成としている。
【0050】
また、この握柄保持部6は、前記保形部材12を取り外した器体5の端部から前記ガイド部9に前記係合突起6Dを係合することで器体5上部に被嵌状態に取り付けする構成とし、逆に取り付けした握柄保持部6を、保形部材12を取り外した器体5の端部までスライド移動させることで、係合突起6Dをガイド部9から係脱させて器体5から取り外しすることもできる構成としている。
【0051】
本実施例では、この握柄保持部6を器体5に複数個(図面では四個)取り付けした場合を示しており、この各握柄保持部6に夫々包丁1を支承保持できると共に、各握柄保持部6の間隔を包丁1の握柄3の長さなどに応じて調整可能な構成としている(図1参照。)。また、上記のようにして器体5に取り付けする握柄保持部6の数を変更(握柄保持部6の使用数を変更)することも可能である。
【0052】
また、本実施例の各握柄保持部6は、この各握柄保持部6を器体5に対して位置決め保持する位置決め手段8を設けている。
【0053】
位置決め手段8は、握柄保持部6の一側の側面に、所定形状に屈曲形成された板バネで成る摩擦体8Aを突設すると共に、この摩擦体8Aの突出先端部が常に器体5の上面に当接して摩擦抵抗を付与して握柄保持部6を位置決め状態に維持する構成とし、図4の想像線のようにこの摩擦体8Aを自身の弾性に抗して上動させて突出先端部を器体5上面より浮上状態とすることで握柄保持部6を器体5に対してスライド移動可能となるように構成している。
【0054】
また、本実施例では、前記器体5に、前記差込口4に差込みした刃板2を抜け止め状態にロックするロック解除可能なロック手段7を設けている。
【0055】
具体的には、ロック手段7は、差込口4に刃板2を差込み収納した前記包丁1の一部を上方から覆うことで包丁1の刃板2を差込口4より抜け止め状態にロックするロック解除可能なロック体17を前記器体5に設けている。
【0056】
また、ロック体17は、器体5に対して回動自在に設け、このロック体17を回動させて握柄保持部6に係止することで前記差込口4に刃板2を差込みした包丁1の一部をロック体17が上方から覆ってこの包丁1の刃板2を抜け止め状態にロックし、このロック状態のロック体17を器体5若しくは握柄保持部6より係脱して逆回動させることでロック解除する構成としている。
【0057】
更に詳しくは、ロック体17は、先端側がフック形であって、基部の前後に軸ピン17Aが対向方向に向かって突設する形状に構成し、この軸ピン17Aを前記器体5の前記ガイド部9に係合することで、この軸ピン17Aを支点にロック体17は器体5に対し起伏回動自在であって、且つガイド部9に沿って器体5の左右方向にスライド移動可能に設けている。
【0058】
また、このロック体17は、前記握柄保持部6の他側部の外側に配置させて回動先端側のフック部17Bを握柄保持部6に向かって回動させた際に、このフック部17Bが前記差込部6Cを有する握柄保持部6の他側部分を上方から被覆して差込部6Cに刃板2を差込みして握柄支承部6に握柄3を支承保持した包丁1の刃板2の基部を抜け止め状態とする構成としている(図6参照。)。
【0059】
本実施例では、このロック体17を各握柄保持部6と対をなすように同数設けている。
【0060】
また、このロック体17のフック部17Bの下面には、このフック部17Bが握柄保持部6の他側部分を上方から被覆した際に、前記差込部6Cに差込みされた刃板2の上縁を逃げるための刃板逃げ部17Cを切欠形成している。
【0061】
また、このフック部17Bの下面には、係止爪17Dを一体に垂設し、一方、この係止爪17Dが係止する係止孔6Eを前記握柄保持部6の他側の上面から第二支承面6Bの中程にかけてに貫通形成して、このフック部17Bが握柄保持部6の他側部分を上方から被覆した際に、係止爪17Dを係止孔6Eに係止することでロック体17を回動不能状態にロックする構成とし、これによりロック体17による包丁1の抜け止め状態が簡単に解除されることなく保持される構成としている。
【0062】
また、係止爪17Dと係止孔6Eとの係止構造は、フック部17Bで握柄保持部6の他側部分を上方から被覆した際に、ロック体17を握柄保持部6から離すように移動させると係止爪17Dが係止孔6Eの孔縁に係止してロック体17が回動不能状態(ロック状態)に維持され、この回動不能状態からロック体17を握柄保持部6に接近するように移動させると、係止爪17Dが係止孔6Eの孔縁から係脱してロック体17を回動可能(ロック解除可能)となる構造としている。
【0063】
即ち、包丁1を差込口4から抜き外そうとしてロック体17ごと上方へ引き上げても、ロック体17は解除することがなく、このロック体17を、刃板2の差込口4に対する引き抜き方向と異なる方向に移動(ロック体17を握柄保持部6に接近する方向に移動)させた時にだけロック体17を握柄保持部6より係脱し得る係止構造としている。また、包丁1を、その長さ方向の延長方向である斜め上方に向かって引き抜こうとした場合には、前記ストッパ面6Fに刃板2の基端縁が当接することで引き抜き阻止されて、ロック体17がロック解除方向に動いてしまうことが防止される構造としている。
【0064】
また、フック部17Bは、握柄保持部6側の突出部を平坦面状の押圧面17Eに形成し、更にこの押圧面17Eは、ロック体17を回動させてこのフック部17Bで握柄保持部6の他側部分を上方から被覆した際に前記第二支承面6Bと略平行となって且つ第二支承面6Bより握柄保持部6の一側寄りに位置するように構成し、この第二支承面6Bより握柄保持部6の一側寄りに存している押圧面17Eを握柄保持部6に保持した包丁1の握柄3の基端面で握柄保持部6の他側方向へ押圧すると、この押圧面17Eが第二支承面6Bと略面一状態となったところで、前記係止爪17Dが前記係止孔6Eの孔縁に係止することになる(ロック体17がロック状態となる)構成としている(図7参照。)。
【0065】
即ち、包丁1の刃板2を前記差込部6C,差込口4に差込みした上でロック体17を回動させて刃板2基部の上方をロック体17で被覆し、引き続いて刃板2が更に深く差し込まれるように握柄3を移動させて握柄3の基端面で前記押圧面17Eを押圧するという簡単な一連の動作(操作)で包丁1を抜け止め状態にロックできる構成としている。
【0066】
また、ロック体17の回動先端部には、ロック体17をロック解除操作のために移動させる際に指を引っ掛けする指掛突起17Fを突設している。
【0067】
このように構成した本実施例のロック体17は、樹脂成形による一体成形物で成る構成としている。
【0068】
また、このロック体17は、前記握柄保持部6と同様に、前記保形部材12を取り外した器体5の端部から前記ガイド部9に前記軸ピン17Aを係合することで器体5にスライド自在に且つ回動自在に取り付けする構成とし、逆に取り付けしたロック体17を、保形部材12を取り外した器体5の端部までスライド移動させることで、軸ピン17Aをガイド部9から係脱させて器体5から取り外しすることもできる構成としている。従って、例えば、子供が成長して包丁1を抜け止め状態にロックしておく必要性がなくなった際には、ロック体17(ロック手段7)を取り外して既存の包丁収納器具と同等の使い方ができる構成としている。
【0069】
また、本実施例では、上述のように構成した器体5を、流し台Aの上部前側に存する幕板10の前方に開閉自在に設けた前扉11の裏面に装着し得るように構成している。
【0070】
具体的には、前扉11は、図8,図9に示すように、下端を流し台Aに枢着して起伏開閉回動自在な構成とすると共に、この前扉11と幕板10近傍との間に取付腕部13を架設して、この取付腕部13により前扉11は流し台A前面に対して45度程起動した位置で開放回動が規制される構成としている。
【0071】
また、図10に示すように、前扉11の裏面左右部には、器体5を着脱自在に取付するための取付部材14を付設し、この左右の取付部材14に器体5の左右両端部に被嵌した前記保形部材12を装着することで器体5を前扉11の裏面に着脱自在に付設し得るように構成している。
【0072】
器体5と前扉11との着脱構造(保形部材12と取付部材14との着脱構造)は、各保形部材12の外面に係止片部15を切り出し形成する一方、この係止片部15が係止する係止窓16を取付部材14に貫通形成して、この係止片部15が係止窓16に係止することで保形部材12(器体5)が取付部材14(前扉11)に抜け止め状態で付設する構造としている。
【0073】
また、この係止片部15は、常時わずかに外方へ突出する形状に形成されて自動的に係止窓16に係止するように構成し、この係止窓16に係止している係止片部15を、その弾性に抗して係止窓16の外側から内方へ押圧没入させることで係止窓16より係脱させることが可能で、これにより器体5(保形部材12)を前扉11(取付部材14)より取り外して器体5内の清掃などを行えるようにしている。
【実施例2】
【0074】
本発明の具体的な実施例2について図12〜図16に基づいて説明する。
【0075】
本実施例は、前記実施例1において、位置決め手段8の構成と、器体5の前扉11への付設構造(着脱構造)を異ならせた場合である。
【0076】
本実施例の位置決め手段8は、握柄保持部6とは別体のストッパ体18を備え、このストッパ体18を握柄保持部6に接続することでこの握柄保持部6が位置決めされる構成としている。
【0077】
ストッパ体18は、握柄保持部6と同様に、前記器体5のガイド部9に係合することで器体5に付設すると共に、このガイド部9に沿って器体5の長さ方向にスライド移動可能に設けている。また、このストッパ体18は、図12に示すように、前記握柄保持部6の第一支承面6A側(図面右側)に配されてこの握柄保持部6の第一支承面6A側の端部に接続する構成とすると共に、この握柄保持部6の第一支承面6A側の形状に略同調する角形形状に形成して、このストッパ体18上面の傾斜面も、包丁1の握柄3の基部側面を支承する支承面18Aとして機能するように構成している。
【0078】
また、このストッパ体18は、図13に示すように、下面を開放する形状に形成して器体5の上部に被嵌合し得るように構成すると共に、このストッパ体18を器体5の上部に被嵌合した際に前記ガイド部9に係合する係合突起18Bをこのストッパ体18の左右の下縁に夫々対向内側に向けて突設して、この各係合突起18Bがガイド部9に係合することでストッパ体18が器体5に対して抜け止め状態に付設され、且つガイド部9に沿って器体5の長さ方向(左右方向)にスライド移動可能となるように設けている。
【0079】
また、このストッパ体18は、図14に示すように、下面の開放幅(図面における開放部の左右内側面の対向幅)を握柄保持部6の下面の開放部の開放幅よりもやや幅狭となるように形成して、このストッパ体18を器体5の上部に被嵌合した際にこのストッパ体18の下面の開放部が器体5の上部を図面左右方向から圧迫(圧接)し、これによりこのストッパ体18が位置する部位の差込口4の幅が狭められるように構成している。
【0080】
また、このストッパ体18の、前記握柄保持部6の第一支承面6A側に接触する側の端部には、握柄保持部6に接続するための薄板状の接続突片18Cを突設し、一方、握柄保持部6の第一支承面6A側の端部にはこの接続突片18Cを嵌入する嵌入部6Gを凹設し、更に、接続突片18Cは斜設状態に突設して、この斜設する接続突片18Cが嵌入部6Gに摩擦当接するように構成し(図12参照。)、この接続突片18Cの嵌入部6Gへの摩擦力により簡単にはストッパ体18と握柄保持部6とが分離しない構成としている。更に詳しくは、ストッパ体18を握柄保持部6から離反する方向に人為的に強い力を加えれば、ストッパ体18を握柄保持部6から分離させることができるが、この人為的な操作なくして勝手にストッパ体18が握柄保持部6から分離することのない構成としている。
【0081】
また、図13,図14に示すように、握柄保持部6の下面の開放部の上側面に、前記差込口4に挿入する挟み込み突部6Hを垂設し、この握柄保持部6に前記ストッパ体18を接近スライド移動して接続すると(接続突片18Cを嵌入部6Gに嵌入すると)、ストッパ体18によって握柄保持部6が位置する部位の差込口4もその幅が狭められて前記挟み込み突部6Hが挟持状態となり、この挟持作用により挟み込み突部6Hが差込口4に摩擦抵抗を生じて簡単にはスライド移動しない位置決め状態となる前記位置決め手段8を構成している。
【0082】
また、この位置決め手段8は、ストッパ体18を握柄保持部6から離反する方向にスライド移動させると、挟み込み突部6Hの挟持状態が解除されて握柄保持部6を自由にスライド移動させることが可能となる構成である。
【0083】
また、このストッパ体18は、前記握柄保持部6と同様に、前記保形部材12を取り外した器体5の端部から前記ガイド部9に前記係合突起18Bを係合することで器体5上部に被嵌状態に取り付けする構成とし、逆に取り付けしたストッパ体18を、保形部材12を取り外した器体5の端部までスライド移動させることで、係合突起18Bをガイド部9から係脱させて器体5から取り外しすることもできる構成としている。即ち、ストッパ体18は、器体5に取り付けする握柄保持部6の数に合せて使用数を変更することが可能である。
【0084】
また、本実施例の位置決め手段8を構成するストッパ体18は、樹脂成形による一体成形物で成る構成とすると共に、前記嵌入部6Gと前記挟み込み突部6Hも樹脂製の握柄保持部6に一体成形した構成としている。このように、位置決め手段8を樹脂パーツ(ストッパ体18)を用いて構成すると、板バネ(金属パーツ)を採用する前記実施例1に比して部品コスト安に構成可能となる。
【0085】
また、本実施例の器体5と前扉11との着脱構造は、前記実施例1において、器体5の左右両端部に被嵌する保形部材12が、前扉11の裏面左右部に付設される取付部材14を兼用する構造としている。
【0086】
具体的には、本実施例の保形部材12は、図15に示すように、ネジ20などの止着具20によって前扉11の裏面左右部に付設固定し得るように構成し、また、各保形部材12の外側面の上側部を、この保形部材12が持つ弾性に抗して外方へ開くように変形し得るように切り出し形成し、この切り出し片部12Aの上端部に器体5端部の上部に係止する爪部19を内方へ向けて突設して、この切り出し片部12Aを外側に開くことで、保形部材12に器体5の端部を上方から差込嵌合でき、差込後切り出し片部12Aを元の状態に復帰させると、図16に示すように爪部19が器体5端部の上部に位置して、器体5を抜け止め状態に保持する構成としている。
【0087】
また、爪部19の下方には、器体5の前記差込口4に差し込まれる差込突起19Aを連設状態突設し、この差込突起19Aが差込口4に差し込まれることで、保形部材12に対して器体5がガタつきにくい安定状態で取り付けられる構成としている。また、この爪部19も差込突起19Aも、樹脂製の保形部材12に一体成形した構成とし、量産性に秀れコスト安に構成可能としている。
【0088】
また、保形部材12から器体5を取り外して器体5内の清掃などを行うときには、前記と逆に各保形部材12の切り出し片部12Aを外側に開くことで、器体5を上方へ簡単に嵌脱させて取り外すことができる構成である。
【0089】
この本実施例のように、各保形部材12が前扉11への取付部材14を兼用する構造とすると、実施例1の構成に比して部品点数を少なくできるので、その分コスト安に構成可能となる。
【0090】
尚、本発明は、実施例1,2に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】実施例1の使用状態を示す正面図である。
【図2】実施例1の器体を構成する構造体を示す拡大側面図である。
【図3】実施例1の拡大説明分解斜視図である。
【図4】実施例1の握柄保持部とロック手段とを示す部分拡大説明斜視図である。
【図5】実施例1の使用状態における握柄保持部とロック手段とを示す部分拡大説明斜視図である。
【図6】実施例1の差込口に包丁の刃板を差込みして握柄保持部に握柄を支承保持する様子を示した説明正断面図である。
【図7】実施例1の握柄保持部に握柄を支承保持した包丁をロック体により抜け止め状態にロックする様子を示した一部を切り欠いた説明正面図である。
【図8】実施例1の流し台を示す説明斜視図である。
【図9】前扉の開閉構造を示す部分拡大説明側断面図である。
【図10】実施例1の器体の前扉への付設構造を示す説明斜視図である。
【図11】実施例1の器体の前扉への付設構造を示す部分拡大説明正断面図である。
【図12】実施例2の握柄保持部にストッパ体を接続して位置決めした状態を示す一部を切り欠いた説明正面図である。
【図13】実施例2の握柄保持部とストッパ体を示す分解斜視図である。
【図14】実施例2の位置決め手段を示す部分拡大説明図である。
【図15】実施例2の器体と前扉との着脱構造を示す説明分解斜視図である。
【図16】実施例2の器体を保形部材に装着した状態を示す説明正面図である。
【符号の説明】
【0092】
1 包丁
2 刃板
3 握柄
4 差込口
5 器体
6 握柄保持部
7 ロック手段
8 位置決め手段
9 ガイド部
10 幕板
11 前扉
17 ロック体
A 流し台
【特許請求の範囲】
【請求項1】
横長形状に形成した器体に包丁の刃板を差込み収納し得る差込口を設け、この差込口に刃板を差込みした際に包丁の握柄を支承してこの握柄を前記器体上部より斜め方向に突出状態にして支承保持する握柄保持部を、前記器体の長さ方向に間隔を置いて複数設けて、この複数の握柄保持部夫々に握柄を支承保持することで複数の包丁を間隔を置いて夫々斜設状態で収納し得るように構成した包丁収納器具において、複数の前記握柄保持部は、夫々を前記器体の長さ方向にスライド移動可能に設けて各握柄保持部間の間隔を調整し得るように構成し、この器体と各握柄保持部とのいずれか一方若しくは双方に、この各握柄保持部を器体に対して位置決め保持する位置決め手段を設けたことを特徴とする包丁収納器具。
【請求項2】
前記器体に、この器体の長さ方向に沿った長さを有するガイド部を設け、このガイド部に前記握柄保持部を係合することで器体に握柄保持部を付設すると共に、このガイド部に沿って握柄保持部を器体の長さ方向にスライド移動可能に設けたことを特徴とする請求項1記載の包丁収納器具。
【請求項3】
前記握柄保持部は、前記器体の端部までスライド移動させると器体から係脱して取り外しし得、且つ器体の端部から係合して器体に取り付けし得る着脱構造を備えた構成としたことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の包丁収納器具。
【請求項4】
前記器体若しくは前記握柄保持部に、前記差込口に差込みした刃板を抜け止め状態にロックするロック解除可能なロック手段を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の包丁収納器具。
【請求項5】
前記ロック手段は、前記差込口に刃板を差込みした前記包丁の一部を上方から覆うことで包丁の刃板を差込口より抜け止め状態にロックするロック解除可能なロック体を前記器体若しくは前記握柄保持部に設けた構成としたことを特徴とする請求項4記載の包丁収納器具。
【請求項6】
前記ロック体は、前記器体若しくは前記握柄保持部に対して回動自在に設け、このロック体を回動させて器体若しくは握柄保持部に係止することで前記差込口に刃板を差込みした包丁の一部をロック体が上方から覆ってこの包丁の刃板を抜け止め状態にロックし、このロック状態のロック体を器体若しくは握柄保持部より係脱して逆回動させることでロック解除する前記ロック手段を構成したことを特徴とする請求項5記載の包丁収納器具。
【請求項7】
前記器体は、薄厚で且つ高さのない横長形状に形成し、この器体を、流し台の上部前側に存する幕板の前方に開閉自在に設けた前扉の裏面に若しくはこの前扉と前記幕板との間の隙間に装着し得るように構成したことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の包丁収納器具。
【請求項1】
横長形状に形成した器体に包丁の刃板を差込み収納し得る差込口を設け、この差込口に刃板を差込みした際に包丁の握柄を支承してこの握柄を前記器体上部より斜め方向に突出状態にして支承保持する握柄保持部を、前記器体の長さ方向に間隔を置いて複数設けて、この複数の握柄保持部夫々に握柄を支承保持することで複数の包丁を間隔を置いて夫々斜設状態で収納し得るように構成した包丁収納器具において、複数の前記握柄保持部は、夫々を前記器体の長さ方向にスライド移動可能に設けて各握柄保持部間の間隔を調整し得るように構成し、この器体と各握柄保持部とのいずれか一方若しくは双方に、この各握柄保持部を器体に対して位置決め保持する位置決め手段を設けたことを特徴とする包丁収納器具。
【請求項2】
前記器体に、この器体の長さ方向に沿った長さを有するガイド部を設け、このガイド部に前記握柄保持部を係合することで器体に握柄保持部を付設すると共に、このガイド部に沿って握柄保持部を器体の長さ方向にスライド移動可能に設けたことを特徴とする請求項1記載の包丁収納器具。
【請求項3】
前記握柄保持部は、前記器体の端部までスライド移動させると器体から係脱して取り外しし得、且つ器体の端部から係合して器体に取り付けし得る着脱構造を備えた構成としたことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の包丁収納器具。
【請求項4】
前記器体若しくは前記握柄保持部に、前記差込口に差込みした刃板を抜け止め状態にロックするロック解除可能なロック手段を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の包丁収納器具。
【請求項5】
前記ロック手段は、前記差込口に刃板を差込みした前記包丁の一部を上方から覆うことで包丁の刃板を差込口より抜け止め状態にロックするロック解除可能なロック体を前記器体若しくは前記握柄保持部に設けた構成としたことを特徴とする請求項4記載の包丁収納器具。
【請求項6】
前記ロック体は、前記器体若しくは前記握柄保持部に対して回動自在に設け、このロック体を回動させて器体若しくは握柄保持部に係止することで前記差込口に刃板を差込みした包丁の一部をロック体が上方から覆ってこの包丁の刃板を抜け止め状態にロックし、このロック状態のロック体を器体若しくは握柄保持部より係脱して逆回動させることでロック解除する前記ロック手段を構成したことを特徴とする請求項5記載の包丁収納器具。
【請求項7】
前記器体は、薄厚で且つ高さのない横長形状に形成し、この器体を、流し台の上部前側に存する幕板の前方に開閉自在に設けた前扉の裏面に若しくはこの前扉と前記幕板との間の隙間に装着し得るように構成したことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の包丁収納器具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2008−264484(P2008−264484A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−210071(P2007−210071)
【出願日】平成19年8月10日(2007.8.10)
【出願人】(000172787)オークス株式会社 (14)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年8月10日(2007.8.10)
【出願人】(000172787)オークス株式会社 (14)
【Fターム(参考)】
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