説明

包材装着容器

【課題】 容器に装着された包材を、任意の時点で容器の外周面上にて摺動可能とすることのできる包材装着容器を提供する。
【解決手段】 熱収縮性フィルム1により、缶容器3の胴部31の外周面の全面を被覆するとともに、蓋部33の外周部および脚部35の上部を被覆する。熱収縮性フィルム1は、缶容器3の胴部31の外周面の上部以外の部分および脚部35の上部を被覆する主部11と、缶容器3の胴部31の外周面の上部および蓋部33を被覆する副部12とからなり、その境界にはミシン目13aが形成されている。そして、缶容器3の胴部31には、図柄部4が設けられており、熱収縮性フィルム1の主部11には、スクリーン部2が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料缶等の容器に包材が装着されてなる包材装着容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、上部フィルムを摺動させることにより、上部フィルムの線状透明部から線状パターン図柄を構成する何れかの線状描写部を順次表出させて、容器表面で視認される図柄を変化させることができるようにした包装容器が開示されている。
【0003】
包装容器の形状の一例として、有底円筒状の容器本体を備えたものが示されており、その場合、線状描写部および上部フィルムは容器本体の外周面に設けられる。そして、上部フィルムは、その両側端(上端および下端)において、容器本体の外周面に設けられたガイド縁によってガイドされる。
【特許文献1】実用新案登録第3095265号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような包装容器をパッケージングすることなくそのまま販売した場合、需要者は容器本体の外周面にて上部フィルムを摺動させて図柄の変化を見ることができ、購入前に娯楽を享受することができてしまうため、包装容器またはその内容物に対する需要者の購買意欲を低減させる可能性がある。
【0005】
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであり、容器に装着された包材を、任意の時点で容器の外周面上にて摺動可能とすることのできる包材装着容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、容器に、その一部または全部の表面を覆う包材が装着されてなる包材装着容器であって、前記包材は、前記容器の外周面上にて少なくとも周方向に摺動することで所定の目的を達成しうる主部と、前記主部以外の残部となる副部とからなり、前記主部と前記副部とが一体となっているときには前記容器の外周面上にて少なくとも周方向に摺動することができないように構成されており、前記主部と前記副部とを分離することができる分離手段を備えていることを特徴とする包材装着容器を提供する(請求項1)。
【0007】
「主部と副部とが一体となっているときには容器の外周面上にて少なくとも周方向に摺動することができないような構成」としては、例えば、ユーザが容器の外周面を直接把持できない程度まで包材が容器の外周面を被覆する構成や、副部を有することにより包材と容器との間の摺動摩擦抵抗を大きくする構成や、容器の円筒部および縮径部を被覆して容器の軸(回転体としての容器の軸をいう。本明細書にて同じ。)に対する包材の締め付け方向を多方向にする構成等が挙げられる。
【0008】
上記発明(請求項1)に係る包材装着容器において、包材は、主部と副部とが一体となっているときには容器の外周面上にて少なくとも周方向に摺動することができないが、包材の副部を主部から分離し除去することにより、包材の主部を容器の周方向に摺動させることができるようになり、所定の目的を達成することができる。このように、上記発明(請求項1)によれば、容器に装着された包材を、任意の時点で容器の外周面上にて摺動可能とすることができる。
【0009】
上記発明(請求項1)においては、前記包材がシート状のものであることが好ましい(請求項2)。かかる発明によれば、簡単な構成で包材を容器に装着することができる。
【0010】
上記発明(請求項1,2)において、前記包材は、ユーザが前記容器の外周面を直接把持できない程度まで前記容器の外周面を被覆し、前記副部を除去した後はユーザが前記容器の外周面を直接把持できるような構成になっているのが好ましい(請求項3)。
【0011】
上記発明(請求項3)に係る包材装着容器においては、包材はユーザが容器の外周面を直接把持できない程度まで容器の外周面を被覆しているため、その状態ではユーザは容器の外周面を直接把持して固定することができず、包材を容器の周方向に摺動させることができない。しかし、包材の副部を主部から分離し除去することにより、ユーザは容器の外周面を直接把持して固定することができ、包材の主部を容器の周方向に摺動させることができるようになり、所定の目的を達成することができる。
【0012】
上記発明(請求項2,3)において、前記容器は、略円筒状の胴部と、前記胴部の上下のいずれか一端側にて縮径している縮径部を備え、前記シート状の包材は、前記容器の胴部および縮径部を被覆するように前記容器に装着されており、前記シート状の包材の主部は、前記容器の胴部上に位置していてもよい(請求項4)。
【0013】
上記発明(請求項4)において、包材は容器の略円筒状の胴部および縮径部を被覆しているため、容器の軸に対する包材の締め付け方向は多方向(垂直方向以外の方向を含む)となり、したがって、主部と副部とが一体となっている包材が容器の外周面上にて周方向に摺動することを防止することができる。一方、副部を分離除去した包材の主部は、容器の軸に対する包材の締め付け方向が一方向(垂直方向)となり、容器の胴部外周面上にて周方向に摺動することが可能となる。
【0014】
上記発明(請求項2〜4)において、前記容器は、略円筒状の胴部と、前記胴部の上下に配された蓋部および底部とを備えた容器であり、前記シート状の包材は、前記容器の蓋部および底部の少なくとも一方と、前記胴部とにおいて前記容器に装着されており、前記シート状の包材の主部は、前記容器の胴部上に位置していてもよい(請求項5)。
【0015】
上記発明(請求項5)において、包材が容器の略円筒状の胴部と蓋部または底部とを被覆している場合には、容器の軸に対する包材の締め付け方向は多方向(垂直方向以外の方向を含む)となり、したがって、主部と副部とが一体となっている包材が容器の外周面上にて周方向に摺動することを防止することができる。一方、副部を分離除去した包材の主部は、容器の軸に対する包材の締め付け方向が一方向(垂直方向)となり、容器の胴部外周面上にて周方向に摺動することが可能となる。
【0016】
また、包材が容器の略円筒状の胴部、蓋部および底部を被覆している場合には、ユーザは容器の外周面を直接把持して固定することができず、包材を容器の周方向に摺動させることができない。さらに、包材の主部が容器の外周面上にて軸方向に摺動することでも所定の目的を達成し得る場合には、容器の蓋部および底部に装着された包材の上端部および下端部がストッパになり、ユーザは包材を軸方向に摺動させることができない。しかし、包材の副部を主部から分離し除去することにより、包材の少なくとも一方のストッパがなくなり、ユーザは包材を容器の軸方向に摺動させることができるようになり、所定の目的を達成することができる。
【0017】
上記発明(請求項2〜5)において、前記容器に装着された前記シート状の包材は、熱収縮性フィルムからなり、筒状に形成され、上端が前記容器の胴部の上端を越えるようにして前記容器の胴部に被せられた後、熱収縮されたものであることが好ましい(請求項6)。かかる発明によれば、フィルムを上記構成になるように容器に容易に装着することができる。
【0018】
上記発明(請求項1〜6)において、前記分離手段は、前記包材の主部と副部との境界に形成されたミシン目であることが好ましい(請求項7)。ミシン目は、極めて簡単にかつ低コストで包材に形成することができるため、本発明における分離手段として好ましいが、本発明はこれに限定されることなく、例えば、開封テープ等であってもよい。
【0019】
上記発明(請求項1〜7)において、前記容器の外周面には、所定の幅を有する描画線が所定の間隔をもって複数平行に形成されてなる図柄が、前記描画線の幅に対応する間隔で相互にずらして複数設けられており、前記包材の主部には、所定の幅を有する線上の不透明部と所定の幅を有する透明部とが交互に平行にそれぞれ複数設けられてなるスクリーン部が形成されていてもよい(請求項8)。
【0020】
上記発明(請求項8)によれば、フィルムの主部を容器の外周面で移動させると、フィルムのスクリーン部の透明部から複数の図柄が順次表示される。このような包材装着容器は、容器自体に付加価値を与え、需要者の容器内容物に対する購買意欲を向上させることができる。
【0021】
上記発明(請求項1〜7)において、前記容器の外周面には、所定の幅を有する描画線が所定の間隔をもって複数平行に、かつ前記容器の軸方向に対して傾斜するように形成されてなる図柄が、前記描画線の幅に対応する間隔で相互に位置をずらして複数設けられており、前記フィルムの主部には、所定の幅を有する線状の不透明部と所定の幅を有する線状の透明部とが交互に平行に、かつ前記容器における描画線の傾斜に対応して傾斜するようにそれぞれ複数設けられてなるスクリーン部が形成されていてもよい(請求項9)。
【0022】
上記発明(請求項9)によれば、フィルムの主部を容器の外周面において周方向および軸方向のいずれに移動させても、フィルムのスクリーン部の透明部から複数の図柄が順次表示される。このような包材装着容器は、上記発明(請求項8)に係る包材装着容器と比して、容器自体により高い付加価値を与え、需要者の容器内容物に対する購買意欲をさらに向上させることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明の包材装着容器によれば、容器に装着された包材を、任意の時点で容器の外周面上にて摺動可能とすることができる。したがって、購入前における包材主部の目的達成による包材装着容器またはその内容物に対する需要者の購買意欲の低減を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る包材装着容器の斜視図であり、図2は、同実施形態に係る包材装着容器において熱収縮性フィルムの副部を除去した状態を示す側面図であり、図3は、同実施形態における熱収縮性フィルムの主部の展開図であり、図4は、同実施形態における缶容器の外周面に設けられた図柄部を示す図であり、図5(a)〜(e)は、同実施形態の包材装着容器における図柄の変遷を示す図である。
【0025】
図1に示すように、本実施形態に係る包材装着容器Cは、飲料用の缶容器3と、缶容器3に装着された熱収縮性フィルム1とから構成される。缶容器3は、略円筒状の胴部31と、胴部31の上端部に巻き締められ、飲み口331が設けられた蓋部33と、胴部31の下端に連続し、下方に向かって漸次縮径している脚部35とを備えており、胴部31の外周面には、後述する図柄部4が設けられている。
【0026】
熱収縮性フィルム1は、缶容器3の胴部31、蓋部33および脚部35において缶容器3に装着されており、缶容器3の胴部31の外周面の全面を被覆するとともに、蓋部33の外周部および脚部35の上部を被覆している。
【0027】
熱収縮性フィルム1の上端部(缶容器3の蓋部33の中心側に位置する端部)の位置は、特に限定されるものではないが、缶容器3の飲み口331の保護の観点からは、缶容器3の蓋部33の中心に近い方が好ましい。また、熱収縮性フィルム1の下端部は、缶容器3の脚部35に位置しているのが好ましいが、缶容器3の底部または缶容器3の胴部31の下部に位置していてもよい。
【0028】
この熱収縮性フィルム1は、缶容器3の胴部31の外周面の上部以外の部分および脚部35の上部を被覆する主部11と、缶容器3の胴部31の外周面の上部および蓋部33を被覆する副部12(主部11以外の残部)とからなり、主部11には、後述するスクリーン部2が設けられている。
【0029】
熱収縮性フィルム1において、主部11と副部12との境界にはミシン目13aが形成されている。また、副部12には、副部12の上端部から主部11との境界まで縦方向に延在する2本のミシン目13bが形成されており、その2本のミシン目13bに挟まれた部分は開封部121となっている。開封部121の幅は、指の幅程度となっている。
【0030】
缶容器3の胴部31における熱収縮性フィルム1の主部11と副部12との境界の位置は、副部12を除去したときに露出する缶容器3の胴部31の外周面をユーザが直接把持できるような位置であれば特に限定されるものではない。
【0031】
熱収縮性フィルム1を上記構成のように缶容器3に装着するには、熱収縮性フィルム1を筒状に形成するとともに、所定の高さを有するように形成した後、缶容器3の図柄部4と熱収縮性フィルム1のスクリーン部2との位置合わせをしつつ、熱収縮性フィルム1の上端および下端が缶容器3の胴部31の上端および下端を越えるようにして熱収縮性フィルム1を缶容器3の胴部31に被せ、スチームトンネルや熱風トンネル等の加熱エリアで加熱することにより、熱収縮性フィルム1を熱収縮させればよい。
【0032】
熱収縮性フィルム1の材料としては、上記のように缶容器3に装着することができ、後述するスクリーン部2の機能を発揮することができるものであれば特に限定されず、例えば、ニ軸延伸ポリスチレン(OPS)フィルム等のポリスチレン系樹脂を使用したフィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等のポリエステル系樹脂を使用したフィルムなどを使用することができる。
【0033】
なお、本実施形態では、包材として熱収縮性フィルムを使用したが、本発明はこれに限定されるものではなく、非熱収縮性のフィルムを使用してもよいし、紙、金属シート、あるいはそれらを組み合わせた材料を使用してもよい。
【0034】
ここで、熱収縮性フィルム1の主部11のスクリーン部2には、図3に示すように、幅W1の線状の不透明部21と幅W2の線状の透明部22とが交互に平行に、かつ筒状の熱収縮性フィルム1の軸方向(=缶容器3の軸方向)に対して傾斜するようにそれぞれ複数設けられている。このようなスクリーン部2は、透明な熱収縮性フィルム1に対して不透明部21を印刷することによって設けることができる。
【0035】
一方、缶容器3の胴部31の外周面における熱収縮性フィルム1のスクリーン部2に対応する位置には、図4に示すように、図柄部4が形成されている。図柄部4は、複数(本実施形態では5つ)の図柄40a〜40eを備えており、各図柄40a〜40eは、幅W4のスペース42を介して複数平行に、かつ缶容器3の軸方向に対して傾斜するように配された幅W3の描画線41a〜41eから構成されている。そして、図柄40aと図柄40b、図柄40bと図柄40c、図柄40cと図柄40d、図柄40dと図柄40eとは、それぞれ幅W3の描画線41a〜41eに対応する間隔で相互に位置をずらして設けられている。
【0036】
スクリーン部2の不透明部21の幅W1と、図柄部4のスペース42の幅W4とは、実質的に同一であるのが好ましく、スクリーン部2の透明部22の幅W2は、図柄部4の描画線41a〜41eの幅W3と同一かそれよりわずかに小さいのが好ましく、また、スクリーン部2の不透明部21の幅W1および図柄部4のスペース42の幅W4は、図柄部4の描画線41a〜41eの幅W3と、図柄の数から1を引いた値(本実施形態では5−1=4)とを掛け合わせた値であることが好ましい。
【0037】
図柄部4の描画線41a〜41eの幅W3は、具体的には、0.1〜1.0mmであることが好ましく、特に0.3〜0.7mmであることが好ましい。図柄部4の描画線41a〜41eの幅W3がこの範囲にあることにより、各図柄40a〜40eを明確に、しかも躍動感をもって表示することができる。
【0038】
さらに、スクリーン部2における不透明部21および透明部22の傾斜角度(缶容器3の軸に対する角度。以下同じ。)と、図柄部4における描画線41a〜41eの傾斜角度とは実質的に同一であり、その傾斜角度の大きさは、10〜80°であることが好ましく、特に20〜70°であることが好ましい。
【0039】
スクリーン部2および図柄部4が上記のような構成を有することにより、スクリーン部2の透明部22は、図柄部4のいずれか一つの図柄40a〜40eの描画線41a〜41eを表示し、スクリーン部2の不透明部21は、図柄部4の残りの4つの図柄40a〜40eの描画線41a〜41eを隠すことができる。そして、熱収縮性フィルム1の主部11を図柄部4の描画線41a〜41eの幅W3に対応する間隔で缶容器3の周方向に摺動させると、スクリーン部2の透明部22から、図柄部4の複数の図柄40a〜40eが順次表出する。同様に、熱収縮性フィルム1の主部11を図柄部4の描画線41a〜41eの幅W3に対応する間隔で缶容器3の軸方向に摺動させると、スクリーン部2の透明部22から、図柄部4の複数の図柄40a〜40eが順次表出する。
【0040】
具体的には、缶容器3に対して熱収縮性フィルム1の主部11を図柄部4の描画線41a〜41eの幅W3に対応する間隔で缶容器3の周方向、時計回りに摺動させると、または、缶容器3に対して熱収縮性フィルム1の主部11を図柄部4の描画線41a〜41eの幅W3に対応する間隔で缶容器3の軸方向、下から上に摺動させると、図5(a)〜(e)に示すように、スクリーン部2の透明部22から5つの図柄40a〜40eが順次表出し、それによってバッターがスウィングする様子が動的に表される。
【0041】
上記のような娯楽性を有する包材装着容器Cは、需要者の内容物(本実施形態では飲料)に対する購買意欲を向上させることができる。ただし、包材装着容器Cにおいて、熱収縮性フィルム1は、缶容器3の胴部31の外周面の全面を被覆しているため、ユーザが缶容器3に対して熱収縮性フィルム1を周方向に摺動させようとしても、ユーザは缶容器3を直接把持して固定することができないため、熱収縮性フィルム1を周方向に摺動させることができない。
【0042】
また、熱収縮性フィルム1の上端部および下端部は、缶容器3の蓋部33および脚部35において縮径しているため、ユーザが缶容器3に対して熱収縮性フィルム1を軸方向に摺動させようとしても、熱収縮性フィルム1の上端部および下端部がストッパになり、熱収縮性フィルム1を軸方向に摺動させることができない。
【0043】
したがって、包材装着容器Cをパッケージングすることなくそのまま販売した場合であっても、需要者は缶容器3上で熱収縮性フィルム1を摺動させてスクリーン部2からの図柄40a〜40eの変化を見ることができないため、購入前に娯楽を享受することによる包材装着容器Cまたはその内容物に対する需要者の購買意欲の低減を防止することができる。
【0044】
包材装着容器Cを購入したユーザは、熱収縮性フィルム1の副部12における2本のミシン目13bに沿って開封部121を除去した後、主部11と副部12との境界に形成されているミシン目13aに沿って副部12の残部を除去し、図2に示すように、缶容器3の胴部31の外周面上部を露出させる。ユーザは、この缶容器3の胴部31の外周面上部を直接把持することにより、缶容器3の胴部31に対して熱収縮性フィルム1の主部11を周方向に摺動させることが可能となり、また、熱収縮性フィルム1の上端部のストッパがなくなることにより、熱収縮性フィルム1の主部11を軸方向に摺動させることも可能となり、前述した熱収縮性フィルム1のスクリーン部2からの図柄40a〜40eの変化を見ることができるようになる。
【0045】
なお、本実施形態に係る包材装着容器Cでは、熱収縮性フィルム1は、缶容器3の胴部31から、飲み口331が設けられた蓋部33にかけて缶容器3に装着されており、飲み口331の近傍が熱収縮性フィルム1によって保護されている。したがって、本実施形態に係る包材装着容器Cは、飲み口331の近傍が汚染されることが防止されており、安全性・衛生の面から好ましいものとなっている。
【0046】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0047】
例えば、上記熱収縮性フィルム1において、スクリーン部2の下側には周方向に沿ってミシン目が形成され、そのミシン目の下側は第2の副部となっていてもよい。
【0048】
また、上記図柄部4の描画線41a〜41eならびにスクリーン部2の不透明部21および透明部22は、缶容器3の軸方向と平行に形成されてもよい。
【0049】
さらに、上記包材装着容器Cにおいては、図柄部4およびスクリーン部2の替わりに、例えば、熱収縮性フィルム1の主部11を摺動させることにより、クイズの答えやくじの結果が表示されるもの、あるいは漫画のコマが順次表示されるもの等が設けられてもよい。
【0050】
さらに、缶容器3の替わりに、円筒状の部分を有する瓶容器やPETボトル等が適用されてもよい。
【0051】
さらに、スクリーン部2に表わされる図柄は、熱収縮性フィルム1の摺動により、形状が変化するものに限定されることなく、色のみ、または形状および色が変化するものであってもよい。その場合、各図柄40a〜40eの色が異なることにより、表れる色が変化してもよいし、図柄部4の色とスクリーン部2の有色透明な透明部22とが合わさることにより、表れる色が変化してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、装着した包材を容器の外周面上で摺動させることにより娯楽性を発揮する容器に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の一実施形態に係る包材装着容器の斜視図である。
【図2】同実施形態に係る包材装着容器において熱収縮性フィルムの副部を除去した状態を示す側面図である。
【図3】同実施形態における熱収縮性フィルムの主部の展開図である。
【図4】同実施形態における缶容器の外周面に設けられた図柄部を示す図である。
【図5】同実施形態の包材装着容器における図柄の変遷を示す図である。
【符号の説明】
【0054】
1…熱収縮性フィルム(包材)
11…主部
12…副部
13a,13b…ミシン目
2…スクリーン部
21…不透明部
22…透明部
3…缶容器(容器)
31…胴部
33…蓋部
35…脚部
4…図柄部
40a,40b,40c,40d,40e…図柄
41a,41b,41c,41d,41e…描画線
42…スペース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器に、その一部または全部の表面を覆う包材が装着されてなる包材装着容器であって、
前記包材は、前記容器の外周面上にて少なくとも周方向に摺動することで所定の目的を達成しうる主部と、前記主部以外の残部となる副部とからなり、前記主部と前記副部とが一体となっているときには前記容器の外周面上にて少なくとも周方向に摺動することができないように構成されており、前記主部と前記副部とを分離することができる分離手段を備えている
ことを特徴とする包材装着容器。
【請求項2】
前記包材がシート状のものであることを特徴とする請求項1に記載の包材装着容器。
【請求項3】
前記包材は、ユーザが前記容器の外周面を直接把持できない程度まで前記容器の外周面を被覆し、前記副部を除去した後はユーザが前記容器の外周面を直接把持できるような構成になっていることを特徴とする請求項1または2に記載の包材装着容器。
【請求項4】
前記容器は、略円筒状の胴部と、前記胴部の上下のいずれか一端側にて縮径している縮径部を備え、
前記シート状の包材は、前記容器の胴部および縮径部を被覆するように前記容器に装着されており、
前記シート状の包材の主部は、前記容器の胴部上に位置している
ことを特徴とする請求項2または3に記載の包材装着容器。
【請求項5】
前記容器は、略円筒状の胴部と、前記胴部の上下に配された蓋部および底部とを備えた容器であり、
前記シート状の包材は、前記容器の蓋部および底部の少なくとも一方と、前記胴部とにおいて前記容器に装着されており、
前記シート状の包材の主部は、前記容器の胴部上に位置している
ことを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の包材装着容器。
【請求項6】
前記容器に装着された前記シート状の包材は、熱収縮性フィルムからなり、筒状に形成され、上端が前記容器の胴部の上端を越えるようにして前記容器の胴部に被せられた後、熱収縮されたものであることを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の包材装着容器。
【請求項7】
前記分離手段は、前記包材の主部と副部との境界に形成されたミシン目であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の包材装着容器。
【請求項8】
前記容器の外周面には、所定の幅を有する描画線が所定の間隔をもって複数平行に形成されてなる図柄が、前記描画線の幅に対応する間隔で相互にずらして複数設けられており、
前記包材の主部には、所定の幅を有する線上の不透明部と所定の幅を有する透明部とが交互に平行にそれぞれ複数設けられてなるスクリーン部が形成されている
ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の包材装着容器。
【請求項9】
前記容器の外周面には、所定の幅を有する描画線が所定の間隔をもって複数平行に、かつ前記容器の軸方向に対して傾斜するように形成されてなる図柄が、前記描画線の幅に対応する間隔で相互に位置をずらして複数設けられており、
前記フィルムの主部には、所定の幅を有する線状の不透明部と所定の幅を有する線状の透明部とが交互に平行に、かつ前記容器における描画線の傾斜に対応して傾斜するようにそれぞれ複数設けられてなるスクリーン部が形成されている
ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の包材装着容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−151480(P2006−151480A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−347270(P2004−347270)
【出願日】平成16年11月30日(2004.11.30)
【出願人】(000001904)サントリー株式会社 (319)
【Fターム(参考)】