説明

包装体及び包装方法

【課題】 比較的重量物であっても良好な取り扱い性を確保しつつ被包装物の保護性の向上及び包装作業の容易化を図り得る包装体を提供する。
【解決手段】 給湯器1を包装対象とし、その上下端部に発泡スチロール製緩衝材21と段ボール製外装材22を組み合わせた保護トレイ2を外嵌させる。保護トレイの周縁を給湯器の周囲よりも所定量突出したものとする。熱収縮性の袋状フィルム3で両保護トレイ及び給湯器の全体を覆い、熱収縮させて両保護トレイと給湯器を一体に保持させる。上側の保護トレイの下端縁に隣接するフィルムに対し押し型を押し付けた状態で熱収縮させて凹状の手掛け部34を形成し、保護トレイの両側を把持すれば持ち運べるようにする。給湯器の中間部位1cと、フィルムの中間部31との間に隙間を空けて緩衝性向上を図る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス燃焼機器類もしくは電気機器類等の一定形状を有する固体物を対象としてシュリンク包装技術を応用した包装体及び包装方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、この種の固体物を被包装物とする包装体としては、一般に発泡スチロール(ポリスチレンフォーム)製の緩衝材と、段ボール製の矩形状梱包箱とを併用したものが知られている。このものでは、上記被包装物の外面形状に対応する内面形状と、梱包箱の内面形状に対応する外面形状とを有するように成形された緩衝材を用意し、この緩衝材を上記被包装物に対し外嵌させた状態で上記梱包箱内に収納させている。
【0003】
一方、このような包装体では、梱包箱が被包装物の全外面を覆うものであるため、被包装物を開梱した後に大量の廃棄物が発生する上に過剰包装になりかねないことになる。このため、廃棄物の低減化及び省資源化の観点から例えば図14に示すような簡易梱包も包装体として用いられている。これは、被包装物101の上端部と下端部とに緩衝材102,102,…を介在させた状態の段ボール製梱包トレイ103,103を外嵌させる一方、被包装物101の上下端部間の中間部位を露出させたままの半包装状態にし、この状態で両梱包トレイ103,103の外周囲に例えばPPバンド(ポリプロピレンバンド)等の結束紐104,104を掛け渡して緊結することにより被包装物101及び両梱包トレイ103,103を互いに結束したものである。このものでは、被包装物101の中間部位が露出した状態になるため、防塵性、防滴性の確保の観点から被包装物101を極薄(例えば15μm厚)のポリエチレンフィルム製袋(以下、「ポリ袋」と略称する)105内に入れて全体を覆った状態にし、この状態の袋の外側から上記梱包トレイを外嵌するようにされている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記半包装状態のものをPPバンドにより結束した簡易包装の場合には、製品の包装ライン等の製造工場における横持ち(わずかな移動)、保管作業及び運搬車両による運搬時の積み込み・荷下ろし作業等において、作業者はPPバンドに手を掛けて包装体を持ち運ぶ傾向にある。この場合には、PPバンドを介して段ボール製の梱包トレイや緩衝材に対し被包装物の自重が局部的に作用する結果、その梱包トレイに打痕が生じたり緩衝材にへたりが生じたりして初めは緊結状態にあったPPバンドに遊びが生じ外見上は弛んだ状態になってしまうことになる。このため、製品としての被包装物の包装体として見映えの悪化を招く上にそのPPバンドが半包装状態の梱包トレイから外れるおそれも生じることになる。その一方で、被包装物が比較的重量物(例えば10〜25kgの物)であると、作業者による被包装物の運搬・移動のために何らかの手掛かりは必要になる。
【0005】
しかも、上下の両梱包トレイ間に位置する被包装物の中間部位は極薄のポリ袋に収納されているだけで緩衝材等により保護されていないため、他の物体とのわずかな接触・衝突により被包装物の外表面に傷・凹みが生じるおそれがある。
【0006】
さらに、被包装物の表面保護のためにその被包装物をポリ袋に収納しているが、被包装物の自重が作業者により容易に取り扱い得る程度の軽量のものであれば問題は生じないが、その被包装物が一人の作業者ではやや困難な程度(例えば10〜25kg程度)の重量物になると、上記のポリ袋への装入作業に多大な手間を要することになる。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、比較的重量物であっても良好な取り扱い性を確保しつつ被包装物の保護性の向上及び包装作業の容易化を図り得る包装体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、被包装物の両端部に対しそれぞれ保護部材を外嵌させ、その保護部材の周端を上記被包装物の外周囲から所定量張り出した突出状態にし、この状態で両保護部材を含めて両保護部材間に熱収縮性のフィルムを被せてシュリンク包装するようにしたものである。
【0009】
具体的には、第1の発明は、包装体として、被包装物の一方向両側の各端部に対し外嵌され周縁が上記各端部を構成する周縁よりも全周にわたり上記一方向に直交する方向に突出した一対の保護部材と、この一対の保護部材及び上記被包装物の全体を密閉状態で覆う熱収縮性の袋状フィルムとを備えるものとし、上記袋状フィルムを熱収縮させて上記両保護部材の外表面にそれぞれ密着させることにより上記一対の保護部材と被包装物とを一体に保持させることを基本特定事項とするものである。
【0010】
また、第2の発明は、包装体として、被包装物の外表面が熱収縮性のフィルムにより覆われてなる包装体を前提として、上記被包装物の一方向両側の各端部に対し外嵌され周縁が上記各端部を構成する周縁よりも全周にわたり上記一方向に直交する方向に突出した一対の保護部材と、この一対の保護部材及び上記被包装物の外周囲を覆う熱収縮性の筒状フィルムとを備えるものとし、上記筒状フィルムを熱収縮させて上記両保護部材の外表面にそれぞれ密着させることにより上記一対の保護部材と被包装物とを一体に保持させることを特定事項とするものである。
【0011】
さらに、第3の発明は、上記の包装体に対し持ち運び用の手掛け部をフィルム自体に形成するための包装方法に係るものであり、まず、被包装物の一方向両側の各端部に対し、周縁が上記各端部を構成する周縁よりも全周にわたり上記一方向に直交する方向に突出した保護部材を外嵌し、次に、少なくとも上記両側の保護部材間の外周囲を熱収縮性の袋状フィルムにより連続して覆い、上記フィルムを上記両保護部材の外表面にそれぞれ密着させるように熱収縮させる際に、上記両側の保護部材間の位置であって一側の保護部材に隣接する位置のフィルムを部分的に被包装物側に押圧した状態にして熱収縮を行うようにすることを特定事項とするものである。
【0012】
ここで、「被包装物」としては、本発明を適用する上で形状が一定の固体物であればいずれのものにも適用可能であるが、比較的重量物(例えば10〜25kg程度)でかつ表面を保護する必要のある製品・商品に適用するのが好適なものとなる。具体的には、例えば給湯器等のガス燃焼機器や、電気機器等の金属製の筐体内に収納されたものが挙げられる。なお、形状の如何は問わない。
【0013】
「熱収縮性のフィルム」としては、加熱もしくは加熱後の冷却により収縮性を発揮するものであればよく、また、熱収縮後も柔軟性を有するものが好ましい。例えば、ポリオレフィン系を主体にしたものが挙げられ、より具体的には、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体等の内のいずれか一種の単層もしくは複数種を積層した積層フィルム、または、これらの樹脂組成物からなるフィルムが挙げられる。また、上記フィルムとしては、不透明のものでもよいが、中身の被包装物が視覚により確認し得るように半透明もしくは透明のものが好ましい。そして、このフィルムの熱収縮前の形状として「袋状」のものを採用する場合には、シート状のフィルム材料で被包装物の周囲を覆った後に開いた三方の端縁同士をヒートシールにより熱溶着して密閉すればよい。「筒状」のものを採用する場合には、同様にシート状のフィルム材料で被包装物の周囲を覆った後に一方の端縁同士のみを上記と同様に熱溶着して両端が開口した筒状のものにすればよい。
【0014】
「保護部材」とは、それ自体で形状を保持して外力を受けて弾性変形、塑性変形もしくは弾塑性変形することにより被包装物を保護するという緩衝機能を有しているものであり、発泡スチロール成形品により構成するのが一般的である。その他、古紙もしくはパルプを所定の圧縮強度を有するように圧縮成形した紙系緩衝材を用いてもよく、これを用いることにより用済み後に焼却処理等をしても発泡スチロールを用いる場合と比べ大気環境への悪影響を防止し得る。また、上記の発泡スチロールもしくは紙系緩衝材等の緩衝材に加え、それらを覆うように形成された紙製もしくはプラスチック製の段ボール材料等からなる外装材を組み合わせて「保護部材」を構成するのが好ましい。この場合には、上記緩衝材を被包装物の角部等の必要な部位のみを保護する小片状のものにすることにより、緩衝材自体の使用量の低減化が図られる。
【0015】
上記の第1または第2の発明の場合には、被包装物の全体を覆うことなく被包装物の両端部の保護部材で足りることになり、保護部材の低減化・省資源化が図られる。これを前提として、袋状もしくは筒状の熱収縮性フィルムによりシュリンク包装しているため、従来のポリ袋への装入作業を省略することが可能になり、包装作業の省力化が図られる。また、被包装物はその全体が保護部材及びフィルムにより覆われるため、防塵性及び防滴性の確保が図られる。しかも、従来は外部に露出していた保護部材もフィルムにより覆われるため、保護部材が雨に濡れることによるへたりもしくは劣化等の発生も防止し得る。これにより、包装品質に対する信頼性の向上が図られる。その上、熱収縮後のフィルム自体が柔軟性を有している一方、保護部材の周端縁が被包装物の両端部の周縁よりも外方に突出して張り出した状態になっているため、両保護部材を上下位置に配置した状態では上側の保護部材の側面下端部にフィルムの外側から手を掛ければ被包装物を容易に運搬・移動させ得ることになる。つまり、熱収縮後のフィルムにより両保護部材と被包装物とが一体に保持されて、被包装物自体の自重が両保護部材間を結ぶフィルムによって支えられることになる。加えて、上記両保護部材間であって保護部材により覆われていない被包装物の中間部位の外面もフィルムにより覆われ、しかも、そのフィルムが熱収縮により張りを持った状態となっているため、たとえ外部からの物体のわずかな衝突等が生じても、上記中間部位の被包装物に傷・凹み等の発生も防止し得ることになる。
【0016】
被包装物の保護性という観点からは、上記の第1または第2の発明において、両保護部材間に掛け渡された熱収縮後のフィルムの内面と、上記被包装物の中間部位の外面とを互いに離して隙間を形成された状態にすることが好ましい。これにより、上記の衝突等が生じてもフィルムに上記隙間の分だけの変形しろが確保されることになり、上記中間部位の傷・凹み等の防止という保護性のより確実な向上が図り得ることになる。
【0017】
被包装物の取り扱い上の観点からは、上記の第1または第2の発明において、フィルムとして、少なくとも被包装物の両端部を結ぶ方向の引張強度が被包装物の自重相当以上の値を有するように設定することが好ましい。これにより、上述の如く上側保護部材の下端部に手を掛けて運搬等する場合において、被包装物がたとえ重量物であっても、その被包装物の自重をフィルムにより確実に支持してその運搬等の作業を確実に行い得ることになる。例えば、フィルムとして低密度ポリエチレンフィルム材料を用いる場合には、自重20kgの瞬間式給湯器を被包装物とすれば熱収縮前の膜厚が80μm程度以上のものを用いれば安全率を見込んでも十分に上記被包装物を支持することができる。
【0018】
同様に、被包装物の取り扱い上の観点から、上記第1または第2の発明において、フィルムを被せる前に、両保護部材を被包装物に対しそれぞれ押し付けるように結束紐、例えばPPバンド等により互いに結束し、この状態でフィルムを被せて熱収縮させるようにすることが好ましい。これにより、フィルムを被せる作業において、両保護部材と被包装物とが互いにばらけずに両者の相対移動も確実に阻止された状態になっているため、フィルムを被せる作業を容易にかつ確実に行い得ることになる。しかも、上述の如く上側保護部材の下端部を持って被包装物を運搬等する場合にも、被包装物の自重がフィルムに加え結束紐によっても支持されるため運搬等の作業を作業者の心理上も安心感を持ってより一層確実に行い得ることになる。この際、上記の結束紐が受け持つ耐荷重の分だけフィルムの膜厚の低減化が可能になり、フィルム材料自体の低減化及びコスト低減化が図られることになる。また、上記の結束紐は両保護部材間に対し緊張した状態、つまり一直線状に掛け渡されることになるため、その外側に位置するフィルムがたとえ熱収縮して被包装物の中間部位側に弓なりに凹もうとしても上記結束紐により制限されることになる。このため、被包装物の中間部位と、フィルムとの間の隙間が結束紐のない場合と比べより幅広くなり、外部からの他物体との衝突等に対する保護機能・緩衝機能をより一層向上させることが可能になる。さらに、完成した包装体のフィルムをたとえ剥がした後であっても、被包装物と両保護部材とは結束紐により一体に保持されているため、その返品のための搬送作業及び熱収縮性フィルムを用いた再シュリンク包装作業を容易かつ迅速に行い得ることになる。
【0019】
この際、第2の発明において、筒状フィルムを熱収縮させて形成される窓部が両端の保護部材に位置するようにし、かつ、上記の結束紐がこの窓部に臨んで外部に露出するようにすることにより、被包装物の横持ち等のわずかな距離の持ち運びの際に、上記の窓部から露出する結束紐を掴めばその作業を容易に行い得る。もちろん、結束紐を掴む際には作業者の安全作業上の観点から軍手等の作業手袋を着用することが必要となる。
【0020】
また、第1の発明または第2発明において、上記の上側保護部材の各側面近傍位置、好ましくは、下端部位置に運搬用の手掛け部を形成することにより、上記の被包装物の運搬等の取り扱い性を格段に向上させることが可能になる。手掛け部としては、上記保護部材に手掛け孔を形成する、または、その保護部材の下端縁に下方に開口するような切欠部を形成するようにすればよい。この場合には、その手掛け孔もしくは切欠部に対面するフィルムを手で突き破るかそのフィルムの柔軟性を利用して手を差し込むようにすればよい。また、他の手掛け部としては、上記位置にあるフィルム自体を熱変形により凹ませて外側方に開口する袋状の凹部を形成するようにしてもよい。この場合には、上記第3の発明の如く特定位置のフィルムを被包装物の側に部分的に押圧した状態で熱収縮させるようにすれば、上記の袋状の凹部を手掛け部として容易に形成することが可能になる。この押圧した状態にするには、押し型を用いてフィルム部分を押し込むようにすればよく、また、押し型の代わりに吹き出しノズル等を用いて局部的に熱風を上記フィルム部分に吹き付けるようにしてもよい。このような凹部をフィルムに形成することにより、上記の如くフィルムを突き破ることなく、容易に手を内方に差し込んで上記保護部材の下端縁を持って被包装物の運搬等を行うことが可能になる。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように、第1及び第2の発明における包装体によれば、比較的重量物であっても良好な取り扱い性を確保しつつ被包装物の保護性の向上及び包装作業の容易化を図ることができる。
【0022】
すなわち、保護部材をも含めて防塵性及び防滴性の確保による保護を図ることができ、包装品質に対する信頼性の向上を図ることができる。しかも、被包装物の自重相当分の耐荷重をフィルムに担わせることにより、保護部材にフィルムの外側から手を掛ければ被包装物を容易に運搬・移動させることができる。この取り扱い性についての効果は手掛け部を形成することにより、格段に増大させることができる。その上に、熱収縮後のフィルムと、被包装物の中間部位との間に隙間が形成されるようにすることにより、被包装物に対する緩衝機能・保護機能の増大を図ることができる。
【0023】
また、両保護部材と被包装物とを結束紐により互いに結束した状態でフィルムを被せて熱収縮させることにより、フィルムを被せる作業の容易化、持ち運びの際の作業の容易化、被包装物の支持の確実化、及び、上記隙間の存在に基づく緩衝機能・保護機能のより一層の向上等を図ることができる。
【0024】
また、第3の発明における包装方法によれば、上記包装体における手掛け部としてフィルム自体に袋状の凹部を容易に形成することができ、フィルムによる密閉性を維持しつつ持ち運び等の作業における取り扱い性の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態を図面に基いて説明する。
【0026】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る包装体を示し、1は被包装物としての製品、2,2はそれぞれ保護部材としての保護トレイ、3は熱収縮性を有するフィルムである。以下、各図面の上下を包装体及び被包装物の上下として説明を行う。また、各図に示すフィルム3は図示の関係上、その肉厚を誇張して図示している。
【0027】
上記製品1は瞬間式給湯器であり、図2に示すように所定の厚みを有して上下方向に縦長とされた金属製筐体1aにより収容されたものである。なお、同図中1bは筐体1aのフロントカバーであり、このフロントカバー1bはビス止め等により筐体1aと一体化されている。
【0028】
各保護トレイ2は、図2に加え図3にも示すように、緩衝材21,21と、外装材22とが互いに組み合わされて構成されている。各緩衝材21は底壁部と周囲の側壁部とからなり、発泡スチロール成形により上記製品1の上端部もしくは下端部の外面形状に合致した内面形状と、外装材の内面形状に合致した外面形状とを有するように形成されている。特に、上記製品1の隅角外表面に密着する部位が厚肉(例えば50mm程度)とされて製品1の保護と、その製品1の側面から上記各保護トレイ2の周端が所定量突出するようにされている。また、上記外装材22は所定肉厚の段ボールにより一方のみが開口した箱形に形成されたものである。そして、この外装材22の内部に上記緩衝材21,21を内嵌させて保護トレイ2とし、この保護トレイ2を製品1の上端部及び下端部のそれぞれに外嵌させて半包装状態にされる。この半包装状態では両保護トレイ2,2間に位置する製品1の上下中間部位1c(図1,図3参照)は露出した状態とされている。なお、上記の緩衝材21は、本実施形態では2分割のものを示すが、これに限らず、保護の重要度、組み付けの容易性等に応じて1もしくは複数個に分割すればよい。
【0029】
上記フィルム3は熱収縮前の状態では袋状にされて、上記の半包装状態のものの全体、すなわち、六面の全てを覆って内部に密閉状態にした状態にされている。そして、このフィルム3が熱収縮されて上記半包装状態の両保護トレイ2,2の外面に密着し(図1,図3参照)、かつ、両保護トレイ2,2間の上下中間部31が製品1側に吸引されて弓なりに緊張した状態にされる。その際、上記上下中間部31の内面は、製品1の中間部1cの外面とは接触せずに両者間に隙間S(図3にのみ示す)が残るようにされている。また、上記フィルム3の材質及び膜厚の選定は、特に、製品1の自重を考慮し、その自重よりも上記フィルム3の上下中間部31の許容引張荷重が大になるように行う。その際、所定値の安全率を見込むようにする。自重値に対する材質及び膜厚の具体例は上述の通りである。
【0030】
次に、上記フィルム3を用いた包装方法について図4を参照しながら説明すると、前工程として、上下各側に設置された2つのロールからシート状フィルム材料4,4を上下から相対向させて延ばして重ね合わされた両先端縁を横向きヒートシール装置5により熱溶着させる。なお、この横向きヒートシール装置5は上下方向に移動可能な上側の可動型と、下側の固定型とからなり、包装ラインに沿って前後両側の2箇所で熱溶着すると同時に2箇所の熱溶着部の中央位置で上記の重ね合わされたフィルム材料を切断し、その後、上記可動型が上方に待避するようになっている。
【0031】
第1工程において、製品1に両保護トレイ2,2が外嵌された半包装物Mを図示省略のローラコンベア等の搬送手段により上記熱溶着されたフィルム材料4,4まで搬送させ、そのフィルム材料4,4を巻き込みながら横向きヒートシール装置5を通過させる。そして、通過後に上記半包装物Mの背後まで巻き込まれた上下の両フィルム材料4,4を下動させた可動型と固定型とで挟み付けて熱溶着すると同時に切断する。これにより、半包装物Mは左右両側方に開口する筒状のフィルム3aにより覆われた状態になる。なお、図4中30,30,…はそれぞれ線状の溶着部である。
【0032】
第2工程においては、上記筒状のフィルム3aの両側開口を左右両側にそれぞれ配設された縦向きヒートシール装置6,6により熱溶着すると同時に切断する。なお、この各縦向きヒートシール装置6は一部構成の図示を省略しているが上記横向きヒートシール装置5と向きが異なるだけで同じ構成を有している。これにより、半包装物Mはその全体が袋状のフィルム3bにより覆われて密閉された状態になる。
【0033】
第3工程においては、上記の袋状のフィルム3bに覆われた半包装物Mをシュリンクトンネル7に入れて通過過程において所定時間加熱した後、外部空間に取り出す。上記シュリンクトンネル7は、図示省略のファンヒーターからの熱風が内部に吹き込まれて内部雰囲気が所定温度(例えば150℃)の加熱環境とされたものである。ここにおいて、例えば、80μmの低密度ポリエチレンフィルム材料を用いる場合であると、150℃の温度条件で20sec程度の間で加熱すればよい。なお、上記シュリンクトンネル7の入り口及び出口には、図示を省略しているが、加熱環境を一定に保持するために垂れ幕もしくは開閉シャッター等が付設されている。
【0034】
最後に第4工程として、シュリンクトンネル7から出されたものを自然空冷もしくはファン8よる送風等の促進冷却等によりフィルム3bを冷却する。これにより、そのフィルム3bが収縮して図1もしくは図3に示すように熱収縮後のフィルム3となる。
【0035】
そして、以上の各工程が順次搬送されてくる半包装物Mについて三方(三箇所)ずつの熱溶着が繰り返され、包装体が順次完成する。
【0036】
<第2実施形態>
図5は第2実施形態の包装体を示し、この第2実施形態は熱収縮性フィルム3として筒状のものを用いたものである。なお、この第2実施形態のその他の構成は第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と同じ構成要素については第1実施形態と同じ符号を付してその詳細の説明を省略する。
【0037】
以下、図6に基づいて包装方法を説明しながら、図5の包装体について説明する。
【0038】
この第2実施形態では、前工程として、包装ラインの左右両側にそれぞれ設置されたロールからシート状フィルム材料4,4を左右から相対向させて延ばして重ね合わされた両先端縁を縦向きヒートシール装置9により熱溶着させる。なお、この縦向きヒートシール装置9は左右方向に移動して開閉する一対の可動型からなり、包装ラインに沿って前後両側の2箇所で熱溶着すると同時に2箇所の熱溶着部の中央位置で上記の重ね合わされたフィルム材料を切断し、その後、上記両可動型が左右に開いて待避するようになっている。
【0039】
第1工程において、半包装物Mを図示省略のローラコンベア等の搬送手段により上記熱溶着されたフィルム材料4,4まで搬送させ、そのフィルム材料4,4を巻き込みながら縦向きヒートシール装置9を通過させる。そして、通過後に上記半包装物Mの背後まで巻き込まれた左右の両フィルム材料4,4を一対の可動型で挟み付けて熱溶着すると同時に切断する。これにより、半包装物Mは上下両側方に開口する筒状のフィルム3cにより覆われた状態になり、各保護トレイ2の端面22aが上記フィルム3cの開口に臨んだ状態となる。
【0040】
そして、第2工程において上記の袋状のフィルム3cに覆われた半包装物Mをシュリンクトンネル7に入れ、第1実施形態の第3工程と同様に通過過程において所定時間加熱した後、外部空間に取り出す。ここにおいて、例えば、80μmの低密度ポリエチレンフィルム材料を用いる場合であると、第1実施形態と同様に150℃の温度条件で20sec程度の間で加熱すればよい。
【0041】
最後に第3工程として、シュリンクトンネル7から出されたものを自然空冷もしくはファン8よる送風等の促進冷却等によりフィルム3cを冷却する。これにより、そのフィルム3cが収縮して図5に示すように熱収縮後のフィルム3となる。以上の各工程が順次搬送されてくる半包装物Mについて一方(一箇所)ずつの熱溶着が繰り返され、包装体が順次完成する。
【0042】
そして、筒状フィルム3cの各開口部が熱収縮すると、その開口部周辺のフィルム部分が図5に示すように各保護トレイ2の端面22aに密着して窓部32が形成されることになる。
【0043】
この第2実施形態の場合、保護トレイ2の上面が窓部32の部分だけ露出することになるものの、保護トレイ2の他の部分及び製品1は全てフィルム3により覆われ、しかも、第1実施形態と同様の作用・効果が得られる。その上、本第2実施形態では、筒状のフィルム3c(図6参照)のままで熱収縮させるため、第1実施形態の場合と比べ、使用するフィルム材料の低減化及び熱溶着作業の低減化を図ることができる。
【0044】
なお、以上の第2実施形態の場合には、窓部32が各保護トレイ2の端面22aに位置することになるが、このほかに図7に示すように窓部32が被包装物1の側面に位置することになるようにしてもよい。この場合であっても、防塵性の点で多少劣ることになるものの、その他の作用・効果は他の形態のものと同様に得ることができる。
【0045】
<第3実施形態>
図8及び図9は第3実施形態を示し、この第3実施形態は第2実施形態のものに対し両保護トレイ2,2と製品1とを互いに結束する結束紐としてのPPバンド9,9を追加し、かつ、そのPPバンド9,9を特定位置に配置するようにしたものである。なお、本実施形態においても、第1実施形態と同じ構成要素については、第1実施形態のものと同じ符号を付してその詳細な説明を省略する(以下の各実施形態について同じ)。
【0046】
本実施形態における包装手順は、まず、両保護トレイ2,2を製品1に対しそれぞれ外嵌させた状態で、その上下方向の外周囲に1本または2本以上(図例では2本)のPPバンド9,9を掛け渡しそれぞれ緊結した上で両端を溶着する。この際、上記各PPバンド9の結束位置を各保護トレイ2のやや中央寄りの位置に設定する。つまり、後述の窓部32から各PPバンド9が露出することになるように位置設定する。次に、この状態にしたものを半包装物Mとして第2実施形態と同様工程(図6参照)により筒状フィルム3cを被せ、シュリンクトンネル7内で加熱した後、冷却させる。
【0047】
これにより、上記筒状フィルム3cが熱収縮して窓部32が各保護トレイ2の端面22a上に形成された状態で各保護トレイ2に密着することになる。この熱収縮後の状態では、製品1の中間部位1cの外側に位置するフィルム3の中間部31が熱収縮により製品1の側に弓なりに吸引される傾向となっても、緊張状態で一直線状に掛け渡された両PPバンド9,9により阻止されることになる。このため、上記中間部位1cと、中間部31との間の間隔、つまり隙間Sの幅が第1もしくは第2実施形態の場合よりも大きくなり、外部の他の物体との衝突等の際の製品1に対する保護機能・緩衝機能をより増大させることができる。この際、PPバンド9の引張強度の方がフィルム3のそれよりも格段に強いため、フィルム3の熱収縮力を受けてPPバンド9がたとえ撓んだとしても、その撓み量はわずかなものに抑えられる。
【0048】
また、両PPバンド9,9が各窓部32から外部に露出することになるため、工場内、運搬時、現場等でのわずかな移動作業の際に窓部32位置のPPバンド9,9に手を掛ければ、製品1を含め包装体全体を容易に持ち運ぶことができることになる。なお、上記の如くPPバンド9,9に手を掛ける際には軍手等の作業手袋の着用が前提となる。
【0049】
<第4実施形態>
図10は第4実施形態を示し、この第4実施形態は必要最小限の包装機能を保持しつつ使用するフィルム材料の低減化を図るものである。
【0050】
本実施形態においては、保護トレイ2aとして、四隅の各隅角部の外表面に面取り部23が形成されたものを用いる。この各面取り部23は、第1〜第3実施形態で用いる保護トレイ2の各端面22aの四隅における2つの稜角と、上下方向に延びる1つの稜角との交点位置の各隅角部を所定の範囲にわたり斜めにカットすることにより形成したものである。
【0051】
そして、上記の保護トレイ2aを製品1の両端部にそれぞれ外嵌させたものを半包装物Mとして第2実施形態と同様工程(図6参照)により筒状フィルム3cを被せ、シュリンクトンネル7内で加熱した後、冷却させる。この際、シート状フィルム材料4,4の上下幅寸法を、上記半包装物Mの両保護トレイ2a,2a間の上下方向に対する高さと同一寸法、もしくは、その高さに上下各側にそれぞれわずかな寸法(例えば10〜50mm程度)ずつ加えた寸法に設定する。つまり、熱収縮させるに際し、各保護トレイ2aの端面22aに密着させる巻き込み代をゼロもしくはわずかな寸法(上記の例では10〜50mm)に設定する。
【0052】
この場合、上記筒状フィルム3cが上下方向に熱収縮しても、熱収縮後のフィルム3の上下方向の各端縁33は4つの面取り部23,23,…のそれぞれに密着して各保護トレイ2aの端面22aからの抜け落ちが阻止された状態となる。上記の各面取り部23がない第1〜第3実施形態の保護トレイ2の場合には、平面方向の周長が上下方向に対し端面22aの周長と同一になり、フィルムの上下方向への熱収縮力に対する抵抗があまり作用せず、収縮の態様はフィルム本来の収縮率に委ねられることになる。これに対し、本実施形態の場合には、上記の各面取り部23の存在により、上記周長が端面22a位置(面取り部の始端位置)から各面取り部23の終端位置まで上下方向に対し徐々に大きくなるように変化することになる。このため、フィルム3の上下方向に対する熱収縮力に対する抑止力(抵抗力)が作用して、たとえ巻き込み代がゼロもしくはわずかな寸法であっても、熱収縮後のフィルム3の各端縁33が各面取り部23の位置に密着して止まることになると考えられる。
【0053】
本実施形態の場合には、使用するフィルム材料4の量を可及的に低減させることができる上に、そのフィルム材料4の膜厚等を第1実施形態で例示した如く製品1の自重相当以上の耐荷重強度を有するように設定することにより上側保護トレイ2aの下端部に手を掛ければ包装体全体の持ち運びも容易に行うことができることになる。
【0054】
<第5実施形態>
図11は第5実施形態を示し、本第5実施形態は第1実施形態のものに手掛け部34を形成したものである。
【0055】
この手掛け部34は、図12に示すように保護トレイ2の左右両側面(図11及び図12には一側のみ示す)の下端部下方位置にそれぞれフィルム3自体を製品1側に凹ませて外方に開口する有底袋状の凹部となしたものである。
【0056】
このような手掛け部34を形成するには、シュリンクトンネル(図4参照)を通過させて外部に出た直後の加熱されたフィルム3に対し押し型装置10の押し型10aを押し付け、熱収縮が上記押し型10aの形状に沿って生じるようにすればよい。そして、冷却後に上記押し型10aを後退させれば、上記の手掛け部34が形成されることになる。
【0057】
上記の押し型装置10は、上記の凹部の内面形状に略対応した外面形状を有する押し型10aと、この押し型10aをフィルム3に対し進退させるシリンダ等のアクチュエータ10bとを備えたものである。
【0058】
本第5実施形態の場合には、製品1を完全密封した状態で持ち運びのための手掛け部34を形成することができ、これにより、第1実施形態による作用・効果に加え、運搬等における良好な取り扱い性を確保しつつフィルム3による製品1の保護を完全なものにすることができる。
【0059】
なお、上記の手掛け部34の形成方法としては、上記の他に、押し型10aによる押圧をシュリンクトンネル7(図4参照)の入り口から通過させる前に袋状フィルム3bに対し行い、押圧させた状態でシュリンクトンネル7による加熱と、その後の冷却とを行うようにしてもよい。また、シュリンクトンネル7による加熱直後に押圧を行う場合、上記の押し型装置10を用いずに押し型10aのみを用いて作業者が手作業により押圧を行うようにしてもよい。
【0060】
<他の実施形態>
なお、本発明は上記第1〜第5実施形態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態を包含するものである。すなわち、上記第3実施形態では、PPバンド9による結束を第2実施形態の筒状フィルム3を用いたものに適用しているが、これに限らず、第1実施形態の袋状フィルム3を用いたものに適用してもよい。この場合でも、PPバンド9による結束を施す作用・効果として、第3実施形態と同様のものを得ることができる。
【0061】
また、上記第4実施形態では、フィルム材料の低減化を目的として第2実施形態の筒状フィルム3を用いる場合を前提としているが、これに限らず、フィルム3による耐荷重強度の増大を目的として第1実施形態の袋状フィルム3を用いる場合に適用してもよい。この場合には、面取り部23により発揮されるフィルム3と各保護トレイ2aとの上下方向に対する相対的なずれ抵抗を利用してフィルム3の耐荷重強度の増大を図り得る。
【0062】
さらに、上記第5実施形態では、手掛け部34としてフィルム3自体に形成した袋状の凹部により構成しているが、これに限らず、例えば図13に示すように保護トレイ2の外装材22の下端縁位置に上方に凹となる切欠部24を形成することにより、この切欠部24を手掛け部としてもよい。この場合には、フィルム3の柔軟性を利用してフィルム3を手で切欠部24の側に押し込み、その延びたフィルム部分の外側から切欠部24に手を掛けて包装体の持ち運びを行うことができる。また、上記の切欠部24以外にも、保護トレイ2の両側面位置に手が掛け得る程度の大きさの手掛け孔を形成するようにしてもよい。この場合には、手掛け孔として、外装材22のみ、もしくは、外装材22及び緩衝材21の双方に対し外方に開口する凹孔もしくは貫通孔を形成すればよい。さらに、手掛け孔を予め形成しておかずに、その手掛け孔に沿って上記の外装材22等にミシン目を予め形成しておき、持ち運びの際に作業者が手で上記ミシン目位置を突き破らせることにより手掛け孔が形成されるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の第1実施形態を示す斜視図である。
【図2】フィルムを省略した分解斜視図である。
【図3】図1の包装体の縦断面図である。
【図4】第1実施形態の包装方法の原理を示す斜視図である。
【図5】第2実施形態を示す斜視図である。
【図6】第2実施形態の包装方法の原理を示す斜視図である。
【図7】第2実施形態の他の態様を示す図5対応図である。
【図8】第3実施形態を示す斜視図である。
【図9】図8の包装体の縦断面図である。
【図10】第4実施形態を示す斜視図である。
【図11】第5実施形態を示す斜視図である。
【図12】図11の手掛け部の部分を主体にした部分断面図である。
【図13】他の実施形態を示す部分斜視図である。
【図14】従来の包装体を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0064】
1 製品(被包装物)
1c 中間部位(被包装物の中間部位)
2,2a 保護トレイ(保護部材)
3 フィルム
9 PPバンド(結束紐)
23 面取り部
24 切欠部(手掛け部)
32 窓部
34 手掛け部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被包装物の一方向両側の各端部に対し外嵌され周縁が上記各端部を構成する周縁よりも全周にわたり上記一方向に直交する方向に突出した一対の保護部材と、
この一対の保護部材及び上記被包装物の全体を密閉状態で覆う熱収縮性の袋状フィルムとを備え、
上記袋状フィルムが熱収縮されて上記両保護部材の外表面にそれぞれ密着することにより上記一対の保護部材と被包装物とが一体に保持されていることを特徴とする包装体。
【請求項2】
被包装物の一方向両側の各端部に対し外嵌され周縁が上記各端部を構成する周縁よりも全周にわたり上記一方向に直交する方向に突出した一対の保護部材と、
この一対の保護部材及び上記被包装物の外周囲を両端が開口した状態で覆う熱収縮性の筒状フィルムとを備え、
上記筒状フィルムが熱収縮されて上記両保護部材の外表面にそれぞれ密着することにより上記一対の保護部材と被包装物とが一体に保持されていることを特徴とする包装体。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、
両保護部材間に位置する被包装物の中間部位と、この中間部位に相対向する熱収縮後のフィルムとが互いに離れて間に隙間が形成されていることを特徴とする包装体。
【請求項4】
請求項1または請求項2において、
被包装物の両端部を結ぶ方向のフィルムの引張強度として、その被包装物の自重相当以上の耐荷重強度を有するように設定されていることを特徴とする包装体。
【請求項5】
請求項1または請求項2において、
両保護部材は被包装物に対しそれぞれ押し付けられるように掛け渡された結束紐により互いに結束され、フィルムは上記結束紐を内包するよう被せられていることを特徴とする包装体。
【請求項6】
請求項1または請求項2において、
各保護部材の最外側の隅角部外表面には、その隅角部の互いに直交する3つの稜角にそれぞれ頂点が位置する略三角形の面取り部が形成され、この面取り部に対しフィルムが熱収縮により密着されていることを特徴とする包装体。
【請求項7】
請求項1または請求項2において、
少なくとも一方の保護部材の側面であって、一対の保護部材を結ぶ方向に直交する方向の両側の各側面近傍位置には、運搬用の手掛け部が形成されていることを特徴とする包装体。
【請求項8】
請求項7において、
手掛け部は保護部材に予め形成された手掛け孔であることを特徴とする包装体。
【請求項9】
請求項7において、
手掛け部は保護部材の端縁位置に予め形成された切欠部であることを特徴とする包装体。
【請求項10】
請求項7において、
手掛け部は保護部材の端縁に隣接する位置のフィルムが部分的に熱変形により凹まされて形成された袋状の凹部であることを特徴とする包装体。
【請求項11】
請求項1または請求項2において、
保護部材は、一方のみに開口した有底の箱形状の外装材と、内面形状が被包装物の各端部の外面形状に対応しかつ外面形状が上記外装材の内面形状に対応する緩衝材との組み合わせにより構成されていることを特徴とする包装体。
【請求項12】
請求項2において、
両保護部材は筒状フィルム内においてその筒状フィルムの両端開口に臨むように配置されていることを特徴とする包装体。
【請求項13】
請求項12において、
両保護部材は被包装物に対しそれぞれ押し付けられるように掛け渡された結束紐により互いに結束され、上記結束紐は筒状フィルムの両端開口が熱収縮して形成される両窓部に臨んで外部に露出するように配置されていることを特徴とする包装体。
【請求項14】
被包装物の一方向両側の各端部に対し、周縁が上記各端部を構成する周縁よりも全周にわたり上記一方向に直交する方向に突出した保護部材を外嵌し、
少なくとも上記両側の保護部材間の外周囲を熱収縮性の袋状フィルムにより連続して覆い、
上記フィルムを上記両保護部材の外表面にそれぞれ密着させるように熱収縮させる際に、
上記両側の保護部材間の位置であって一側の保護部材に隣接する位置のフィルムを部分的に被包装物側に押圧した状態にして熱収縮を行うようにすることを特徴とする包装方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−162702(P2008−162702A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−28222(P2008−28222)
【出願日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【分割の表示】特願平10−363997の分割
【原出願日】平成10年12月22日(1998.12.22)
【出願人】(000004709)株式会社ノーリツ (1,293)
【Fターム(参考)】