包装体
【課題】ラベルが貼付されていても、このラベル貼付面において、例えばサンドイッチの取出用開口部を広く形成できる技術を提供する。
【解決手段】フィルムは、略台形状部1aと略矩形状部1bとが繋がった形状の第1のフィルム1と、略台形状部と略矩形状部とが繋がった形状の第2のフィルムと、第1のフィルムの表面に設けられた第1の開封用テープ3a,3bと、第1のフィルムの表面に設けられた第2の開封用テープとを具備してなり、第1の開封用テープおよび第2の開封用テープの上端側4a,4bは、第1のフィルムの略矩形状部に存するように設けられ、第2の開封用テープの下端側5a,5bは、該包装体の右側面部に存するよう設けられ、第1のフィルムと第2のフィルムとは、台形状部の左右の斜辺に沿って互いに接合されると共に、台形状部の上辺部に沿って互いに接合されてなる。
【解決手段】フィルムは、略台形状部1aと略矩形状部1bとが繋がった形状の第1のフィルム1と、略台形状部と略矩形状部とが繋がった形状の第2のフィルムと、第1のフィルムの表面に設けられた第1の開封用テープ3a,3bと、第1のフィルムの表面に設けられた第2の開封用テープとを具備してなり、第1の開封用テープおよび第2の開封用テープの上端側4a,4bは、第1のフィルムの略矩形状部に存するように設けられ、第2の開封用テープの下端側5a,5bは、該包装体の右側面部に存するよう設けられ、第1のフィルムと第2のフィルムとは、台形状部の左右の斜辺に沿って互いに接合されると共に、台形状部の上辺部に沿って互いに接合されてなる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばサンドイッチ等の食品の包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コンビニエンスストア等におけるサンドイッチ等の食品の販売量は物凄いものである。このような物品の販売時における包装形態は、図7に示される形態が一般的である。図7中、21a,21b,21c,21dはサンドイッチである。22は包装用フィルムである。尚、サンドイッチ21a,21b,21c,21dは、その形状が、一般的には、略直角二等辺三角形状である。このような形状の二枚のパンの間に、具材(例えば、卵・ハム・野菜・チーズなど)が挟まれている。そして、このようなサンドイッチ21a,21b,21c,21dが、複数枚、組み合わされ、包装用フィルム22で包装される。
【0003】
さて、上記のような包装形態のサンドイッチを購入した消費者は、包装用フィルム22を破って、開口部を作る。そして、この開口部からサンドイッチを取り出して食する。
【0004】
このサンドイッチの取出(即ち、包装用フィルム22を破って開口部を形成)作業を容易にする為、包装体Bの背面側に、開封用テープ(ティアテープ)23が設けられている。すなわち、購入した消費者は、ティアテープ23に繋がる把持片23aを手にし、把持片23aを引き下げる。そうすると、図8に示される如く、ティアテープ23の端縁に沿って包装用フィルム22が破られ、開口部24が形成される。そして、この開口部24からサンドイッチ21a,21b,21c,21dを一枚ずつ取り出し、サンドイッチを食している。
【0005】
ところが、上記のような包装形態のものでは、サンドイッチの取り出しが厄介で、手間取ることに気付くに至った。
【0006】
すなわち、ティアテープ23に力を作用させれば、開口部24を形成できる。しかしながら、一つのティアテープ23で形成される開口部24は、その幅が狭い。
【0007】
つまり、ティアテープ23の幅は、せいぜい、パン1枚の厚み程度である。従って、開口部24の幅は、一枚のサンドイッチの厚さの半分程度である。と言うことは、開口部24から一枚のサンドイッチ21aを取り出すに際して、開口部24の両側のフィルムを横に引っ張って開口幅を拡げなければならない。或いは、開口部24の両側のフィルム端縁にサンドイッチ21aが引っ掛かりながらも無理矢理に取り出さなければならない。
【0008】
しかしながら、この作業は、簡単では無い。手間取る。更には、場合によっては、具材(例えば、マヨネーズや半熟状の卵と言った流動性の具材)が食み出す。そして、食み出た具材によって、手や衣服が汚れる。
【0009】
このような問題点を解決するものとして、図9に示されるものが提案(特開2007−153410)された。図9中、31a,31b,31c,31dはサンドイッチである。32は包装用フィルムである。33a,33bは、包装体Cの背面(背面を構成するフィルム)に設けられた一対の開封用テープ(ティアテープ)である。すなわち、図7のティアテープは一つであるのに対して、図9のティアテープは二つである。従って、一対のティアテープ33a,33bによって形成される開口部34が、それだけ、広いものになる。よって、図7の場合の問題点が改善されると謳われている。
【特許文献1】特開2007−153410
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
さて、特開2007−153410提案の技術は素晴らしい。
【0011】
ところが、この提案の技術を製品に応用した場合、問題点の有ることが判って来た。
【0012】
すなわち、包装体の背面には、通常、ラベル35が貼付される。すなわち、サンドイッチの加工日、サンドイッチの具材の説明と言った情報を開示したラベル35が貼付される。
【0013】
この為、ティアテープ33a,33bに力が作用させられても、ラベル35が貼付された領域では、フィルム32が破れ難い。特に、ティアテープ33a,33bの幅が狭いことから、フィルム32が、一層、破れ難い。すなわち、開口部34が下まで形成されない。これでは、サンドイッチの取り出しが、やはり、大変である。
【0014】
さて、ラベル35を貼付しなければ、問題は無い。ところが、現実には、ラベル35が必要である。
【0015】
従って、本発明が解決しようとする課題は、上記の問題点を解決することである。すなわち、ラベルが貼付されていても、広い開口部が形成できる技術を提案することである。つまり、ラベルが貼付されていても、このラベル貼付面において、例えばサンドイッチの取出用開口部を広く形成できる技術を提案することである。更には、ティアテープの幅が狭くても、包装フィルムを容易に破ることが出来る技術を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前記の課題は、
物を包装してなる包装体であって、
前記包装体の内部の物を取り出す為の開口部形成用の開封用テープが、複数個、設けられてなり、
前記開封用テープの中の第1の開封用テープと第2の開封用テープとは、両者間の寸法が、開封の開始端側より終端側において、大きなように設けられ、
前記第1の開封用テープおよび前記第2の開封用テープの開封開始端側は、包装体内部の物を取り出すことになる取出用主面に存在するよう設けられ、
前記第1の開封用テープの開封終端側は、包装体内部の物を取り出すことになる取出用主面の左側の隣接面に存在するよう設けられ、
前記第2の開封用テープの開封終端側は、包装体内部の物を取り出すことになる取出用主面の右側の隣接面に存在するよう設けられてなる
ことを特徴とする包装体によって解決される。
【0017】
特に、上記の包装体であって、
第1の開封用テープおよび第2の開封用テープの開封開始端側を把持できるようにする為の把持片形成用の切込みが形成されてなり、
前記切込みの端部は、該切込みの一端側における延長仮想線が前記第1の開封用テープに交差するよう、かつ、該切込みの他端側における延長仮想線が前記第2の開封用テープに交差するよう形成されてなる
ことを特徴とする包装体によって解決される。
【0018】
又、上記の包装体であって、
複数個の物が一緒に包装されてなり、
開封用テープのテープ幅寸法は、前記包装されている複数個の物における1個分の厚さ寸法よりも小さなように構成されてなる
ことを特徴とする包装体によって解決される。
【0019】
又、物を包装する包装体であって、
前記包装体はフィルムで構成されてなり、
前記フィルムは、
前記包装体の少なくとも背面部および側面一部を構成する為、略台形状部と略矩形状部とが繋がった形状の第1のフィルムと、
前記包装体の少なくとも正面部および側面一部を構成する為、略台形状部と略矩形状部とが繋がった形状の第2のフィルムと、
前記第1のフィルムの表面に設けられた第1の開封用テープと、
前記第1のフィルムの表面に設けられた第2の開封用テープ
とを具備してなり、
前記第1の開封用テープおよび前記第2の開封用テープの上端側は、前記第1のフィルムの略矩形状部に存するように設けられたものであり、
前記第1の開封用テープの下端側は、前記フィルムで包装体を構成した時、該包装体の左側面部に存するよう設けられたものであり、
前記第2の開封用テープの下端側は、前記フィルムで包装体を構成した時、該包装体の右側面部に存するよう設けられたものであり、
前記第1のフィルムと第2のフィルムとは、前記台形状部の左右の斜辺に沿って互いに接合されると共に、前記台形状部の上辺部に沿って互いに接合されてなる
ことを特徴とする包装体によって解決される。
【0020】
特に、物を包装する包装体であって、
前記包装体はフィルムで構成されてなり、
前記フィルムは、
前記包装体の少なくとも背面部および側面一部を構成する為、略台形状部と略矩形状部とが繋がった形状の第1のフィルムと、
前記包装体の少なくとも正面部および側面一部を構成する為、略台形状部と略矩形状部とが繋がった形状の第2のフィルムと、
前記第1のフィルムの表面に設けられた第1の開封用テープと、
前記第1のフィルムの表面に設けられた第2の開封用テープ
とを具備してなり、
前記第1の開封用テープおよび前記第2の開封用テープの上端側は、前記第1のフィルムの略矩形状部に存するように設けられたものであり、
前記第1の開封用テープの下端側は、前記フィルムで包装体を構成した時、該包装体の左側面部に存するよう設けられたものであり、
前記第2の開封用テープの下端側は、前記フィルムで包装体を構成した時、該包装体の右側面部に存するよう設けられたものであり、
前記第1のフィルムと第2のフィルムとは、前記台形状部の左右の斜辺に沿って互いに接合されると共に、前記台形状部の上辺部に沿って互いに接合されてなり、
前記第1のフィルムの略矩形状部には略C形状の切込みが形成されてなる
ことを特徴とする包装体によって解決される。
【発明の効果】
【0021】
特開2007−153410にあっても、一対の開封用テープ(ティアテープ)33a,33bが設けられている。更に、前記公報の発明の詳細な説明の欄の[0029]には、ティアテープ33aとティアテープ33bとが、略ハ形状に設けられても良いことが記載されている。しかしながら、このティアテープ33aとティアテープ33bとが設けられた面は、一つの面(包装体の背面)に過ぎない。ところが、この面(背面)にはラベル35が貼付される。そして、ティアテープ33aとティアテープ33bとが略ハ形状に設けられていても、ティアテープ33a,33bがラベル貼付面に設けられる限り、開口部が形成され難い。すなわち、ティアテープ33aとティアテープ33bとが包装体の背面において略ハ形状に設けられても、意味が無い。尚、ラベル35が添付されると、開口部が形成され難いと言う問題点の認識が、特開2007−153410には無い。
【0022】
これに対して、本発明にあっては、第1の開封用テープおよび前記第2の開封用テープの開封開始端側は、包装体内部の物を取り出すことになる取出用主面(例えば、背面)に存在するよう設けられる。そして、第1の開封用テープの開封終端側は、包装体内部の物を取り出すことになる取出用主面(例えば、背面)の左側の隣接面(例えば、左側の側面)に存在するよう設けられる。かつ、第2の開封用テープの開封終端側は、包装体内部の物を取り出すことになる取出用主面(例えば、背面)の右側の隣接面(例えば、右側の側面)に存在するよう設けられる。
【0023】
この結果、開封用テープは、例えば背面に添付されたラベルに重ならないようになる。しかも、ラベルが大きな(例えば、包装体の背面の略下半分の全域に亘る大きな)ものであっても、ラベルが開封用テープに重ならないものに出来る。
【0024】
そして、開封用テープによってフィルムを破り、開口部を形成するに際して、ラベルが邪魔にならない。従って、大きな開口部を簡単に形成できる。特に、開封用テープの幅が狭くても、フィルムを簡単に破ることが出来る。よって、包装体の内部の物を取り出すことが容易になる。
【0025】
又、上記構成に加えて、下記の要件A,B,Cを更に具備させておくと、更に好ましいことになる。
要件A:第1の開封用テープおよび第2の開封用テープの開封開始端側を把持できるようにする為の把持片形成用の切込みを形成。
要件B:前記切込みの一端側における延長仮想線が前記第1の開封用テープに交差。
要件C:前記切込みの他端側における延長仮想線が前記第2の開封用テープに交差。
【0026】
すなわち、要件A,B,Cを具備させておくと、第1の開封用テープおよび第2の開封用テープに沿っての開口が容易になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本発明は包装体である。すなわち、例えばサンドイッチ等の包装体である。特に、幾つかの物が共に包装の包装体である。この包装体は、該包装体の内部の物を取り出す為の開口部形成用の開封用テープが設けられている。この開封用テープの数は、一つでは無く、二つ以上である。そして、開封用テープの中の第1の開封用テープと第2の開封用テープとは、両者間の寸法(距離)が、開封の開始端側より終端側において、大きなように設けられている。例えば、略「ハ」形状、或いは略「∧」形状となるよう設けられている。しかも、第1の開封用テープおよび第2の開封用テープの開封開始端側は、包装体内部の物を取り出すことになる取出用主面(例えば、背面)に存在するよう設けられる。かつ、第1の開封用テープの開封終端側は、包装体内部の物を取り出すことになる取出用主面(例えば、背面)の左側の隣接面(左側の側面)に存在するよう設けられる。又、第2の開封用テープの開封終端側は、包装体内部の物を取り出すことになる取出用主面(例えば、背面)の右側の隣接面(右側の側面)に存在するよう設けられる。
【0028】
又、好ましくは、次の要件A,B,Cをも満たす。勿論、要件A,B,Cを満たさなくても良い。但し、要件A,B,Cを満たした場合、より好ましいものとなる。要件A:第1の開封用テープおよび第2の開封用テープの開封開始端側を把持できるようにする為の把持片形成用の切込みを形成。要件B:前記切込みの一端側における延長仮想線が前記第1の開封用テープに交差するよう切込みを形成。要件C:前記切込みの他端側における延長仮想線が前記第2の開封用テープに交差するよう切込みを形成。
【0029】
又、好ましくは、次の要件Dをも満たす。勿論、要件Dを満たさなくても良い。但し、要件Dを満たした場合、より好ましいものとなる。要件D:開封用テープのテープ幅寸法は、包装されている物の一つ分の厚さ(幅)寸法よりも小さい。
【0030】
上記の説明は、例えばサンドイッチ等の物が包装された状態での表現になる包装体である。包装される前状態で表現すると、例えば次のように表現できる。但し、包装体が略三角柱状体の場合である。包装体はフィルムで構成される。そして、包装体の少なくとも背面部および側面一部を構成する為、略台形状部と略矩形状部とが繋がった形状の第1のフィルムを有する。又、包装体の少なくとも正面部および側面一部を構成する為、略台形状部と略矩形状部とが繋がった形状の第2のフィルムを有する。又、第1のフィルムの表面(例えば、内表面)に設けられた第1の開封用テープを有する。又、第1のフィルムの表面(例えば、内表面)に設けられた第2の開封用テープを有する。第1の開封用テープおよび第2の開封用テープの上端側(開封開始端側)は、第1のフィルムの略矩形状部に存するように設けられる。第1の開封用テープの下端側(開封終端側)は、フィルムで包装体を構成した時、該包装体の左側面部に存するよう設けられる。第2の開封用テープの下端側(開封終端側)は、フィルムで包装体を構成した時、該包装体の右側面部に存するよう設けられる。そして、第1のフィルムと第2のフィルムとは、フィルムの台形状部の左右の斜辺に沿って互いに接合(例えば、熱溶着)されると共に、第1のフィルムの台形状部の上辺部に沿って互いに接合(例えば、熱溶着)される。
【0031】
又、好ましくは、次の要件Eをも満たす。勿論、要件Eを満たさなくても良い。但し、要件Eを満たした場合、より好ましいものとなる。要件E:第1のフィルムの略矩形状部には略C形状の切込みが形成。尚、この要件Eが実施された場合、前記要件A,B,Cが満たされるようになる。
【0032】
以下、具体的に説明する。
図1〜図6は本発明を説明する為のものである。図1は、包装前状態での包装体の平面図(表面図)である。図2は、包装前状態での包装体の背面図(裏面図)である。図3は、裏面側フィルムと表面側フィルムとを溶着して包装体を構成した場合の溶着部を示す説明図である。図4は、包装後(収納後)における包装体の斜視図である。図5及び図6は、包装体の把持片を引っ張って開封する途中での斜視図である。尚、本例では、内部に包装されている物は、例えばサンドイッチである。但し、言うまでも無く、サンドイッチに限られ無い。
【0033】
各図中、1は第1のフィルム(裏面側フィルム)である。2は第2のフィルム(表面側フィルム)である。これらのフィルムは、図1,2からも判る通り、略台形状部1a,2aと略矩形状部1b,2bとが繋がった形状である。例えば、略台形状部1a,2aの下辺(下縁)の長さは、例えば約17.5cmである。略台形状部1a,2aの上辺(上縁)の長さは、例えば約7.3cmである。略台形状部1a,2aの斜辺の長さは、例えば約20cmである。略台形状部1a,2aの高さ寸法は、例えば約19cmである。尚、図1から判る通り、略台形状部1aの高さ寸法は略台形状部2aの高さ寸法より多少大きい。略矩形状部1b,2bの横方向の長さ(幅)は、例えば約7.3cmである。略矩形状部1b,2bの縦方向の長さ(高さ)は、例えば約3.3cmである。勿論、寸法が、これに限られ無いことは当然である。
【0034】
3aは、第1のフィルム(裏面側フィルム)1の内面に設けられた第1の開封用テープ(第1のティアテープ)である。3bは、第1のフィルム(裏面側フィルム)1の内面に設けられた第2の開封用テープ(第2のティアテープ)である。尚、ティアテープ3a,3bは第1のフィルム(裏面側フィルム)1の内面に設けられていることから、図面では、本来、点線で表示されるが、便宜上、実線で表示されている。ティアテープ3a,3bの幅は、例えば約2mmである。ティアテープ3a,3bの長さは、例えば約11.8cmである。ティアテープ3a,3bの上端部4a,4bは、図2からも判る通り、略矩形状部1bの領域に在る。例えば、フィルム上端から約1.7cmの位置に在る。第1のティアテープ3aの上端部4aは、略矩形状部1bの左端から約9mmの位置に在る。第2のティアテープ3bの上端部4bは、略矩形状部1bの右端から約9mmの位置に在る。第1のティアテープ3aの下端部5aは、略台形状部1aの左端から約3.5cmmの位置に在る。第2のティアテープ3bの下端部5bは、略台形状部1aの右端から約3.5cmmの位置に在る。尚、ティアテープ3a,3bは、一つの直線状であっても良い。或いは、折れ曲がった折線状であっても良い。又は、曲線状であっても良い。本実施形態では、折線状である。
【0035】
6は、第1のフィルム(裏面側フィルム)1の略矩形状部1bの領域に形成された略C形状の切断ライン(切込ライン)である。尚、略C形状の切断ライン6は、ティアテープ3a,3bの上部を外側(上側)から包むような位置に形成されている。そして、図2からも判る通り、切断ライン6の一端側6aは、その延長ラインが第1のティアテープ3aに対して交差するよう形成されている。又、切断ライン6の他端側6bは、その延長ラインが第2のティアテープ3bに対して交差するよう形成されている。
【0036】
7a,7bは、フィルムにおける略台形状部1a,2aの斜辺位置において、第1のフィルム1と第2のフィルム2とを熱溶着によって溶着した溶着部(接着部)である。7cは、フィルムにおける略矩形状部1b,2bの上端位置において、第1のフィルム1と第2のフィルム2とを熱溶着によって溶着した溶着部である。7dは、フィルムにおける略台形状部1a,2aと略矩形状部1b,2bとの境界領域において、第1のフィルム1と第2のフィルム2とを熱溶着によって溶着した溶着部である。これ以外の箇所においては、第1のフィルム1と第2のフィルム2とは溶着されていない。従って、第1のフィルム1と第2のフィルム2との下端側は溶着されていない。そして、この未溶着部において、第1のフィルム1と第2のフィルム2とを互いに遠ざけると、内部に収納できる開口が形成される。
【0037】
さて、上記のように構成させた包装体において、第1のフィルム1と第2のフィルム2とを互いに遠ざけることで形成された開口から、例えばサンドイッチを収納する。そして、余っているフィルムを適宜折り畳み、粘着テープで封をする。これによって、図4に示される包装体が得られる。
【0038】
この包装体にあっては、図4からも判る通り、包装体の背面部(ティアテープ3a,3bでフィルム1を破った場合、例えばサンドイッチ取り出し用の開口(図6参照)が形成される面)から左右の側面部に掛けて、ティアテープ3a,3bが設けられていることが判る。すなわち、ティアテープ3a,3bの上端部(開封開始端側)4a,4bは、包装体の背面部に位置して設けられていることが判る。これに対して、ティアテープ3aの下端部(開封終端側)5aは、包装体の左側面に位置して設けられていることが判る。かつ、ティアテープ3bの下端部(開封終端側)5bは、包装体の右側面に位置して設けられていることが判る。又、ティアテープ3aとティアテープ3bとの間の距離(幅)xは、包装体の上部(開封開始端側)から下部(開封終端側)に移るにつれて、長くなっていることも判る。従って、包装体の背面の下半分の箇所にラベル8を貼っても、このラベル8がティアテープ3a,3bに重なることが無い。よって、ティアテープ3a,3bに沿ってフィルム1を破るに際して、ラベル8の存在がフィルム1の破断の邪魔にならない。すなわち、開口作業がスムーズになされる。かつ、大きな開口が形成される。従って、内部の物の取り出しがスムーズなものになる。
【0039】
さて、フィルム1には略C形状の切断ライン(切込ライン)6が形成されている。これによって、把持片9が構成される。すなわち、フィルム1をティアテープ3a,3bに沿って破るに際して、把持片9を摘んで行なうことが出来る。従って、開口作業がスムーズになされる。かつ、切断ライン(切込ライン)6の端部6a,6bがティアテープ3a,3bに対して交差するよう形成されている。この為、開口作業がスムーズになされた。尚、切断ライン(切込ライン)6の端部6a,6bがティアテープ3a,3bに平行な方向に在ると、把持片9を摘んでフィルム1を破ろうとした場合、フィルム1側(背面側)が破れず、フィルム2側(正面側)が破れることが起きた。この為、内部のサンドイッチの取り出しが上手く行なえないことが有った。従って、略C形状の切断ライン(切込ライン)6の端部を上記のように構成させておくことが好ましいものであった。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】包装前状態での本発明になる包装体の平面図(表面図)
【図2】包装前状態での本発明になる包装体の背面図(裏面図)
【図3】本発明になる包装体の溶着部を示す説明図
【図4】包装後での本発明になる包装体の斜視図
【図5】本発明になる包装体の開封途中での斜視図
【図6】本発明になる包装体の開封途中での斜視図
【図7】従来のサンドイッチ包装体の斜視図
【図8】従来のサンドイッチ包装体の開口途中での斜視図
【図9】従来のサンドイッチ包装体の開口途中での斜視図
【符号の説明】
【0041】
1 第1のフィルム(裏面側フィルム)
2 第2のフィルム(表面側フィルム)
1a,2a 略台形状部
1b,2b 略矩形状部
3a,3b 開封用テープ(ティアテープ)
4a,4b ティアテープ上端部
5a,5b ティアテープ下端部
6 略C形状の切断ライン(切込ライン)
7a,7b,7c,7d 溶着部
8 ラベル
9 把持片
代 理 人 宇 高 克 己
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばサンドイッチ等の食品の包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コンビニエンスストア等におけるサンドイッチ等の食品の販売量は物凄いものである。このような物品の販売時における包装形態は、図7に示される形態が一般的である。図7中、21a,21b,21c,21dはサンドイッチである。22は包装用フィルムである。尚、サンドイッチ21a,21b,21c,21dは、その形状が、一般的には、略直角二等辺三角形状である。このような形状の二枚のパンの間に、具材(例えば、卵・ハム・野菜・チーズなど)が挟まれている。そして、このようなサンドイッチ21a,21b,21c,21dが、複数枚、組み合わされ、包装用フィルム22で包装される。
【0003】
さて、上記のような包装形態のサンドイッチを購入した消費者は、包装用フィルム22を破って、開口部を作る。そして、この開口部からサンドイッチを取り出して食する。
【0004】
このサンドイッチの取出(即ち、包装用フィルム22を破って開口部を形成)作業を容易にする為、包装体Bの背面側に、開封用テープ(ティアテープ)23が設けられている。すなわち、購入した消費者は、ティアテープ23に繋がる把持片23aを手にし、把持片23aを引き下げる。そうすると、図8に示される如く、ティアテープ23の端縁に沿って包装用フィルム22が破られ、開口部24が形成される。そして、この開口部24からサンドイッチ21a,21b,21c,21dを一枚ずつ取り出し、サンドイッチを食している。
【0005】
ところが、上記のような包装形態のものでは、サンドイッチの取り出しが厄介で、手間取ることに気付くに至った。
【0006】
すなわち、ティアテープ23に力を作用させれば、開口部24を形成できる。しかしながら、一つのティアテープ23で形成される開口部24は、その幅が狭い。
【0007】
つまり、ティアテープ23の幅は、せいぜい、パン1枚の厚み程度である。従って、開口部24の幅は、一枚のサンドイッチの厚さの半分程度である。と言うことは、開口部24から一枚のサンドイッチ21aを取り出すに際して、開口部24の両側のフィルムを横に引っ張って開口幅を拡げなければならない。或いは、開口部24の両側のフィルム端縁にサンドイッチ21aが引っ掛かりながらも無理矢理に取り出さなければならない。
【0008】
しかしながら、この作業は、簡単では無い。手間取る。更には、場合によっては、具材(例えば、マヨネーズや半熟状の卵と言った流動性の具材)が食み出す。そして、食み出た具材によって、手や衣服が汚れる。
【0009】
このような問題点を解決するものとして、図9に示されるものが提案(特開2007−153410)された。図9中、31a,31b,31c,31dはサンドイッチである。32は包装用フィルムである。33a,33bは、包装体Cの背面(背面を構成するフィルム)に設けられた一対の開封用テープ(ティアテープ)である。すなわち、図7のティアテープは一つであるのに対して、図9のティアテープは二つである。従って、一対のティアテープ33a,33bによって形成される開口部34が、それだけ、広いものになる。よって、図7の場合の問題点が改善されると謳われている。
【特許文献1】特開2007−153410
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
さて、特開2007−153410提案の技術は素晴らしい。
【0011】
ところが、この提案の技術を製品に応用した場合、問題点の有ることが判って来た。
【0012】
すなわち、包装体の背面には、通常、ラベル35が貼付される。すなわち、サンドイッチの加工日、サンドイッチの具材の説明と言った情報を開示したラベル35が貼付される。
【0013】
この為、ティアテープ33a,33bに力が作用させられても、ラベル35が貼付された領域では、フィルム32が破れ難い。特に、ティアテープ33a,33bの幅が狭いことから、フィルム32が、一層、破れ難い。すなわち、開口部34が下まで形成されない。これでは、サンドイッチの取り出しが、やはり、大変である。
【0014】
さて、ラベル35を貼付しなければ、問題は無い。ところが、現実には、ラベル35が必要である。
【0015】
従って、本発明が解決しようとする課題は、上記の問題点を解決することである。すなわち、ラベルが貼付されていても、広い開口部が形成できる技術を提案することである。つまり、ラベルが貼付されていても、このラベル貼付面において、例えばサンドイッチの取出用開口部を広く形成できる技術を提案することである。更には、ティアテープの幅が狭くても、包装フィルムを容易に破ることが出来る技術を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前記の課題は、
物を包装してなる包装体であって、
前記包装体の内部の物を取り出す為の開口部形成用の開封用テープが、複数個、設けられてなり、
前記開封用テープの中の第1の開封用テープと第2の開封用テープとは、両者間の寸法が、開封の開始端側より終端側において、大きなように設けられ、
前記第1の開封用テープおよび前記第2の開封用テープの開封開始端側は、包装体内部の物を取り出すことになる取出用主面に存在するよう設けられ、
前記第1の開封用テープの開封終端側は、包装体内部の物を取り出すことになる取出用主面の左側の隣接面に存在するよう設けられ、
前記第2の開封用テープの開封終端側は、包装体内部の物を取り出すことになる取出用主面の右側の隣接面に存在するよう設けられてなる
ことを特徴とする包装体によって解決される。
【0017】
特に、上記の包装体であって、
第1の開封用テープおよび第2の開封用テープの開封開始端側を把持できるようにする為の把持片形成用の切込みが形成されてなり、
前記切込みの端部は、該切込みの一端側における延長仮想線が前記第1の開封用テープに交差するよう、かつ、該切込みの他端側における延長仮想線が前記第2の開封用テープに交差するよう形成されてなる
ことを特徴とする包装体によって解決される。
【0018】
又、上記の包装体であって、
複数個の物が一緒に包装されてなり、
開封用テープのテープ幅寸法は、前記包装されている複数個の物における1個分の厚さ寸法よりも小さなように構成されてなる
ことを特徴とする包装体によって解決される。
【0019】
又、物を包装する包装体であって、
前記包装体はフィルムで構成されてなり、
前記フィルムは、
前記包装体の少なくとも背面部および側面一部を構成する為、略台形状部と略矩形状部とが繋がった形状の第1のフィルムと、
前記包装体の少なくとも正面部および側面一部を構成する為、略台形状部と略矩形状部とが繋がった形状の第2のフィルムと、
前記第1のフィルムの表面に設けられた第1の開封用テープと、
前記第1のフィルムの表面に設けられた第2の開封用テープ
とを具備してなり、
前記第1の開封用テープおよび前記第2の開封用テープの上端側は、前記第1のフィルムの略矩形状部に存するように設けられたものであり、
前記第1の開封用テープの下端側は、前記フィルムで包装体を構成した時、該包装体の左側面部に存するよう設けられたものであり、
前記第2の開封用テープの下端側は、前記フィルムで包装体を構成した時、該包装体の右側面部に存するよう設けられたものであり、
前記第1のフィルムと第2のフィルムとは、前記台形状部の左右の斜辺に沿って互いに接合されると共に、前記台形状部の上辺部に沿って互いに接合されてなる
ことを特徴とする包装体によって解決される。
【0020】
特に、物を包装する包装体であって、
前記包装体はフィルムで構成されてなり、
前記フィルムは、
前記包装体の少なくとも背面部および側面一部を構成する為、略台形状部と略矩形状部とが繋がった形状の第1のフィルムと、
前記包装体の少なくとも正面部および側面一部を構成する為、略台形状部と略矩形状部とが繋がった形状の第2のフィルムと、
前記第1のフィルムの表面に設けられた第1の開封用テープと、
前記第1のフィルムの表面に設けられた第2の開封用テープ
とを具備してなり、
前記第1の開封用テープおよび前記第2の開封用テープの上端側は、前記第1のフィルムの略矩形状部に存するように設けられたものであり、
前記第1の開封用テープの下端側は、前記フィルムで包装体を構成した時、該包装体の左側面部に存するよう設けられたものであり、
前記第2の開封用テープの下端側は、前記フィルムで包装体を構成した時、該包装体の右側面部に存するよう設けられたものであり、
前記第1のフィルムと第2のフィルムとは、前記台形状部の左右の斜辺に沿って互いに接合されると共に、前記台形状部の上辺部に沿って互いに接合されてなり、
前記第1のフィルムの略矩形状部には略C形状の切込みが形成されてなる
ことを特徴とする包装体によって解決される。
【発明の効果】
【0021】
特開2007−153410にあっても、一対の開封用テープ(ティアテープ)33a,33bが設けられている。更に、前記公報の発明の詳細な説明の欄の[0029]には、ティアテープ33aとティアテープ33bとが、略ハ形状に設けられても良いことが記載されている。しかしながら、このティアテープ33aとティアテープ33bとが設けられた面は、一つの面(包装体の背面)に過ぎない。ところが、この面(背面)にはラベル35が貼付される。そして、ティアテープ33aとティアテープ33bとが略ハ形状に設けられていても、ティアテープ33a,33bがラベル貼付面に設けられる限り、開口部が形成され難い。すなわち、ティアテープ33aとティアテープ33bとが包装体の背面において略ハ形状に設けられても、意味が無い。尚、ラベル35が添付されると、開口部が形成され難いと言う問題点の認識が、特開2007−153410には無い。
【0022】
これに対して、本発明にあっては、第1の開封用テープおよび前記第2の開封用テープの開封開始端側は、包装体内部の物を取り出すことになる取出用主面(例えば、背面)に存在するよう設けられる。そして、第1の開封用テープの開封終端側は、包装体内部の物を取り出すことになる取出用主面(例えば、背面)の左側の隣接面(例えば、左側の側面)に存在するよう設けられる。かつ、第2の開封用テープの開封終端側は、包装体内部の物を取り出すことになる取出用主面(例えば、背面)の右側の隣接面(例えば、右側の側面)に存在するよう設けられる。
【0023】
この結果、開封用テープは、例えば背面に添付されたラベルに重ならないようになる。しかも、ラベルが大きな(例えば、包装体の背面の略下半分の全域に亘る大きな)ものであっても、ラベルが開封用テープに重ならないものに出来る。
【0024】
そして、開封用テープによってフィルムを破り、開口部を形成するに際して、ラベルが邪魔にならない。従って、大きな開口部を簡単に形成できる。特に、開封用テープの幅が狭くても、フィルムを簡単に破ることが出来る。よって、包装体の内部の物を取り出すことが容易になる。
【0025】
又、上記構成に加えて、下記の要件A,B,Cを更に具備させておくと、更に好ましいことになる。
要件A:第1の開封用テープおよび第2の開封用テープの開封開始端側を把持できるようにする為の把持片形成用の切込みを形成。
要件B:前記切込みの一端側における延長仮想線が前記第1の開封用テープに交差。
要件C:前記切込みの他端側における延長仮想線が前記第2の開封用テープに交差。
【0026】
すなわち、要件A,B,Cを具備させておくと、第1の開封用テープおよび第2の開封用テープに沿っての開口が容易になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本発明は包装体である。すなわち、例えばサンドイッチ等の包装体である。特に、幾つかの物が共に包装の包装体である。この包装体は、該包装体の内部の物を取り出す為の開口部形成用の開封用テープが設けられている。この開封用テープの数は、一つでは無く、二つ以上である。そして、開封用テープの中の第1の開封用テープと第2の開封用テープとは、両者間の寸法(距離)が、開封の開始端側より終端側において、大きなように設けられている。例えば、略「ハ」形状、或いは略「∧」形状となるよう設けられている。しかも、第1の開封用テープおよび第2の開封用テープの開封開始端側は、包装体内部の物を取り出すことになる取出用主面(例えば、背面)に存在するよう設けられる。かつ、第1の開封用テープの開封終端側は、包装体内部の物を取り出すことになる取出用主面(例えば、背面)の左側の隣接面(左側の側面)に存在するよう設けられる。又、第2の開封用テープの開封終端側は、包装体内部の物を取り出すことになる取出用主面(例えば、背面)の右側の隣接面(右側の側面)に存在するよう設けられる。
【0028】
又、好ましくは、次の要件A,B,Cをも満たす。勿論、要件A,B,Cを満たさなくても良い。但し、要件A,B,Cを満たした場合、より好ましいものとなる。要件A:第1の開封用テープおよび第2の開封用テープの開封開始端側を把持できるようにする為の把持片形成用の切込みを形成。要件B:前記切込みの一端側における延長仮想線が前記第1の開封用テープに交差するよう切込みを形成。要件C:前記切込みの他端側における延長仮想線が前記第2の開封用テープに交差するよう切込みを形成。
【0029】
又、好ましくは、次の要件Dをも満たす。勿論、要件Dを満たさなくても良い。但し、要件Dを満たした場合、より好ましいものとなる。要件D:開封用テープのテープ幅寸法は、包装されている物の一つ分の厚さ(幅)寸法よりも小さい。
【0030】
上記の説明は、例えばサンドイッチ等の物が包装された状態での表現になる包装体である。包装される前状態で表現すると、例えば次のように表現できる。但し、包装体が略三角柱状体の場合である。包装体はフィルムで構成される。そして、包装体の少なくとも背面部および側面一部を構成する為、略台形状部と略矩形状部とが繋がった形状の第1のフィルムを有する。又、包装体の少なくとも正面部および側面一部を構成する為、略台形状部と略矩形状部とが繋がった形状の第2のフィルムを有する。又、第1のフィルムの表面(例えば、内表面)に設けられた第1の開封用テープを有する。又、第1のフィルムの表面(例えば、内表面)に設けられた第2の開封用テープを有する。第1の開封用テープおよび第2の開封用テープの上端側(開封開始端側)は、第1のフィルムの略矩形状部に存するように設けられる。第1の開封用テープの下端側(開封終端側)は、フィルムで包装体を構成した時、該包装体の左側面部に存するよう設けられる。第2の開封用テープの下端側(開封終端側)は、フィルムで包装体を構成した時、該包装体の右側面部に存するよう設けられる。そして、第1のフィルムと第2のフィルムとは、フィルムの台形状部の左右の斜辺に沿って互いに接合(例えば、熱溶着)されると共に、第1のフィルムの台形状部の上辺部に沿って互いに接合(例えば、熱溶着)される。
【0031】
又、好ましくは、次の要件Eをも満たす。勿論、要件Eを満たさなくても良い。但し、要件Eを満たした場合、より好ましいものとなる。要件E:第1のフィルムの略矩形状部には略C形状の切込みが形成。尚、この要件Eが実施された場合、前記要件A,B,Cが満たされるようになる。
【0032】
以下、具体的に説明する。
図1〜図6は本発明を説明する為のものである。図1は、包装前状態での包装体の平面図(表面図)である。図2は、包装前状態での包装体の背面図(裏面図)である。図3は、裏面側フィルムと表面側フィルムとを溶着して包装体を構成した場合の溶着部を示す説明図である。図4は、包装後(収納後)における包装体の斜視図である。図5及び図6は、包装体の把持片を引っ張って開封する途中での斜視図である。尚、本例では、内部に包装されている物は、例えばサンドイッチである。但し、言うまでも無く、サンドイッチに限られ無い。
【0033】
各図中、1は第1のフィルム(裏面側フィルム)である。2は第2のフィルム(表面側フィルム)である。これらのフィルムは、図1,2からも判る通り、略台形状部1a,2aと略矩形状部1b,2bとが繋がった形状である。例えば、略台形状部1a,2aの下辺(下縁)の長さは、例えば約17.5cmである。略台形状部1a,2aの上辺(上縁)の長さは、例えば約7.3cmである。略台形状部1a,2aの斜辺の長さは、例えば約20cmである。略台形状部1a,2aの高さ寸法は、例えば約19cmである。尚、図1から判る通り、略台形状部1aの高さ寸法は略台形状部2aの高さ寸法より多少大きい。略矩形状部1b,2bの横方向の長さ(幅)は、例えば約7.3cmである。略矩形状部1b,2bの縦方向の長さ(高さ)は、例えば約3.3cmである。勿論、寸法が、これに限られ無いことは当然である。
【0034】
3aは、第1のフィルム(裏面側フィルム)1の内面に設けられた第1の開封用テープ(第1のティアテープ)である。3bは、第1のフィルム(裏面側フィルム)1の内面に設けられた第2の開封用テープ(第2のティアテープ)である。尚、ティアテープ3a,3bは第1のフィルム(裏面側フィルム)1の内面に設けられていることから、図面では、本来、点線で表示されるが、便宜上、実線で表示されている。ティアテープ3a,3bの幅は、例えば約2mmである。ティアテープ3a,3bの長さは、例えば約11.8cmである。ティアテープ3a,3bの上端部4a,4bは、図2からも判る通り、略矩形状部1bの領域に在る。例えば、フィルム上端から約1.7cmの位置に在る。第1のティアテープ3aの上端部4aは、略矩形状部1bの左端から約9mmの位置に在る。第2のティアテープ3bの上端部4bは、略矩形状部1bの右端から約9mmの位置に在る。第1のティアテープ3aの下端部5aは、略台形状部1aの左端から約3.5cmmの位置に在る。第2のティアテープ3bの下端部5bは、略台形状部1aの右端から約3.5cmmの位置に在る。尚、ティアテープ3a,3bは、一つの直線状であっても良い。或いは、折れ曲がった折線状であっても良い。又は、曲線状であっても良い。本実施形態では、折線状である。
【0035】
6は、第1のフィルム(裏面側フィルム)1の略矩形状部1bの領域に形成された略C形状の切断ライン(切込ライン)である。尚、略C形状の切断ライン6は、ティアテープ3a,3bの上部を外側(上側)から包むような位置に形成されている。そして、図2からも判る通り、切断ライン6の一端側6aは、その延長ラインが第1のティアテープ3aに対して交差するよう形成されている。又、切断ライン6の他端側6bは、その延長ラインが第2のティアテープ3bに対して交差するよう形成されている。
【0036】
7a,7bは、フィルムにおける略台形状部1a,2aの斜辺位置において、第1のフィルム1と第2のフィルム2とを熱溶着によって溶着した溶着部(接着部)である。7cは、フィルムにおける略矩形状部1b,2bの上端位置において、第1のフィルム1と第2のフィルム2とを熱溶着によって溶着した溶着部である。7dは、フィルムにおける略台形状部1a,2aと略矩形状部1b,2bとの境界領域において、第1のフィルム1と第2のフィルム2とを熱溶着によって溶着した溶着部である。これ以外の箇所においては、第1のフィルム1と第2のフィルム2とは溶着されていない。従って、第1のフィルム1と第2のフィルム2との下端側は溶着されていない。そして、この未溶着部において、第1のフィルム1と第2のフィルム2とを互いに遠ざけると、内部に収納できる開口が形成される。
【0037】
さて、上記のように構成させた包装体において、第1のフィルム1と第2のフィルム2とを互いに遠ざけることで形成された開口から、例えばサンドイッチを収納する。そして、余っているフィルムを適宜折り畳み、粘着テープで封をする。これによって、図4に示される包装体が得られる。
【0038】
この包装体にあっては、図4からも判る通り、包装体の背面部(ティアテープ3a,3bでフィルム1を破った場合、例えばサンドイッチ取り出し用の開口(図6参照)が形成される面)から左右の側面部に掛けて、ティアテープ3a,3bが設けられていることが判る。すなわち、ティアテープ3a,3bの上端部(開封開始端側)4a,4bは、包装体の背面部に位置して設けられていることが判る。これに対して、ティアテープ3aの下端部(開封終端側)5aは、包装体の左側面に位置して設けられていることが判る。かつ、ティアテープ3bの下端部(開封終端側)5bは、包装体の右側面に位置して設けられていることが判る。又、ティアテープ3aとティアテープ3bとの間の距離(幅)xは、包装体の上部(開封開始端側)から下部(開封終端側)に移るにつれて、長くなっていることも判る。従って、包装体の背面の下半分の箇所にラベル8を貼っても、このラベル8がティアテープ3a,3bに重なることが無い。よって、ティアテープ3a,3bに沿ってフィルム1を破るに際して、ラベル8の存在がフィルム1の破断の邪魔にならない。すなわち、開口作業がスムーズになされる。かつ、大きな開口が形成される。従って、内部の物の取り出しがスムーズなものになる。
【0039】
さて、フィルム1には略C形状の切断ライン(切込ライン)6が形成されている。これによって、把持片9が構成される。すなわち、フィルム1をティアテープ3a,3bに沿って破るに際して、把持片9を摘んで行なうことが出来る。従って、開口作業がスムーズになされる。かつ、切断ライン(切込ライン)6の端部6a,6bがティアテープ3a,3bに対して交差するよう形成されている。この為、開口作業がスムーズになされた。尚、切断ライン(切込ライン)6の端部6a,6bがティアテープ3a,3bに平行な方向に在ると、把持片9を摘んでフィルム1を破ろうとした場合、フィルム1側(背面側)が破れず、フィルム2側(正面側)が破れることが起きた。この為、内部のサンドイッチの取り出しが上手く行なえないことが有った。従って、略C形状の切断ライン(切込ライン)6の端部を上記のように構成させておくことが好ましいものであった。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】包装前状態での本発明になる包装体の平面図(表面図)
【図2】包装前状態での本発明になる包装体の背面図(裏面図)
【図3】本発明になる包装体の溶着部を示す説明図
【図4】包装後での本発明になる包装体の斜視図
【図5】本発明になる包装体の開封途中での斜視図
【図6】本発明になる包装体の開封途中での斜視図
【図7】従来のサンドイッチ包装体の斜視図
【図8】従来のサンドイッチ包装体の開口途中での斜視図
【図9】従来のサンドイッチ包装体の開口途中での斜視図
【符号の説明】
【0041】
1 第1のフィルム(裏面側フィルム)
2 第2のフィルム(表面側フィルム)
1a,2a 略台形状部
1b,2b 略矩形状部
3a,3b 開封用テープ(ティアテープ)
4a,4b ティアテープ上端部
5a,5b ティアテープ下端部
6 略C形状の切断ライン(切込ライン)
7a,7b,7c,7d 溶着部
8 ラベル
9 把持片
代 理 人 宇 高 克 己
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物を包装してなる包装体であって、
前記包装体の内部の物を取り出す為の開口部形成用の開封用テープが、複数個、設けられてなり、
前記開封用テープの中の第1の開封用テープと第2の開封用テープとは、両者間の寸法が、開封の開始端側より終端側において、大きなように設けられ、
前記第1の開封用テープおよび前記第2の開封用テープの開封開始端側は、包装体内部の物を取り出すことになる取出用主面に存在するよう設けられ、
前記第1の開封用テープの開封終端側は、包装体内部の物を取り出すことになる取出用主面の左側の隣接面に存在するよう設けられ、
前記第2の開封用テープの開封終端側は、包装体内部の物を取り出すことになる取出用主面の右側の隣接面に存在するよう設けられてなる
ことを特徴とする包装体。
【請求項2】
第1の開封用テープおよび第2の開封用テープの開封開始端側を把持できるようにする為の把持片形成用の切込みが形成されてなり、
前記切込みの端部は、該切込みの一端側における延長仮想線が前記第1の開封用テープに交差するよう、かつ、該切込みの他端側における延長仮想線が前記第2の開封用テープに交差するよう形成されてなる
ことを特徴とする請求項1の包装体。
【請求項3】
複数個の物が一緒に包装されてなり、
開封用テープのテープ幅寸法は、前記包装されている複数個の物における1個分の厚さ寸法よりも小さなように構成されてなる
ことを特徴とする請求項1又は請求項2の包装体。
【請求項4】
物を包装する包装体であって、
前記包装体はフィルムで構成されてなり、
前記フィルムは、
前記包装体の少なくとも背面部および側面一部を構成する為、略台形状部と略矩形状部とが繋がった形状の第1のフィルムと、
前記包装体の少なくとも正面部および側面一部を構成する為、略台形状部と略矩形状部とが繋がった形状の第2のフィルムと、
前記第1のフィルムの表面に設けられた第1の開封用テープと、
前記第1のフィルムの表面に設けられた第2の開封用テープ
とを具備してなり、
前記第1の開封用テープおよび前記第2の開封用テープの上端側は、前記第1のフィルムの略矩形状部に存するように設けられたものであり、
前記第1の開封用テープの下端側は、前記フィルムで包装体を構成した時、該包装体の左側面部に存するよう設けられたものであり、
前記第2の開封用テープの下端側は、前記フィルムで包装体を構成した時、該包装体の右側面部に存するよう設けられたものであり、
前記第1のフィルムと第2のフィルムとは、前記台形状部の左右の斜辺に沿って互いに接合されると共に、前記台形状部の上辺部に沿って互いに接合されてなる
ことを特徴とする包装体。
【請求項5】
前記第1のフィルムの略矩形状部には略C形状の切込みが形成されてなる
ことを特徴とする請求項4の包装体。
【請求項1】
物を包装してなる包装体であって、
前記包装体の内部の物を取り出す為の開口部形成用の開封用テープが、複数個、設けられてなり、
前記開封用テープの中の第1の開封用テープと第2の開封用テープとは、両者間の寸法が、開封の開始端側より終端側において、大きなように設けられ、
前記第1の開封用テープおよび前記第2の開封用テープの開封開始端側は、包装体内部の物を取り出すことになる取出用主面に存在するよう設けられ、
前記第1の開封用テープの開封終端側は、包装体内部の物を取り出すことになる取出用主面の左側の隣接面に存在するよう設けられ、
前記第2の開封用テープの開封終端側は、包装体内部の物を取り出すことになる取出用主面の右側の隣接面に存在するよう設けられてなる
ことを特徴とする包装体。
【請求項2】
第1の開封用テープおよび第2の開封用テープの開封開始端側を把持できるようにする為の把持片形成用の切込みが形成されてなり、
前記切込みの端部は、該切込みの一端側における延長仮想線が前記第1の開封用テープに交差するよう、かつ、該切込みの他端側における延長仮想線が前記第2の開封用テープに交差するよう形成されてなる
ことを特徴とする請求項1の包装体。
【請求項3】
複数個の物が一緒に包装されてなり、
開封用テープのテープ幅寸法は、前記包装されている複数個の物における1個分の厚さ寸法よりも小さなように構成されてなる
ことを特徴とする請求項1又は請求項2の包装体。
【請求項4】
物を包装する包装体であって、
前記包装体はフィルムで構成されてなり、
前記フィルムは、
前記包装体の少なくとも背面部および側面一部を構成する為、略台形状部と略矩形状部とが繋がった形状の第1のフィルムと、
前記包装体の少なくとも正面部および側面一部を構成する為、略台形状部と略矩形状部とが繋がった形状の第2のフィルムと、
前記第1のフィルムの表面に設けられた第1の開封用テープと、
前記第1のフィルムの表面に設けられた第2の開封用テープ
とを具備してなり、
前記第1の開封用テープおよび前記第2の開封用テープの上端側は、前記第1のフィルムの略矩形状部に存するように設けられたものであり、
前記第1の開封用テープの下端側は、前記フィルムで包装体を構成した時、該包装体の左側面部に存するよう設けられたものであり、
前記第2の開封用テープの下端側は、前記フィルムで包装体を構成した時、該包装体の右側面部に存するよう設けられたものであり、
前記第1のフィルムと第2のフィルムとは、前記台形状部の左右の斜辺に沿って互いに接合されると共に、前記台形状部の上辺部に沿って互いに接合されてなる
ことを特徴とする包装体。
【請求項5】
前記第1のフィルムの略矩形状部には略C形状の切込みが形成されてなる
ことを特徴とする請求項4の包装体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2009−255930(P2009−255930A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−104324(P2008−104324)
【出願日】平成20年4月14日(2008.4.14)
【出願人】(508111327)ウィンテック株式会社 (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年4月14日(2008.4.14)
【出願人】(508111327)ウィンテック株式会社 (2)
【Fターム(参考)】
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