包装容器
【課題】容器本体の取り出し口の外面側に蓋用ラベルを貼設し、内面側に密閉用シールを貼設することにより、取り出し口を自在に開閉して内容物を取り出すことができ、製品保管中に蓋用ラベルが自然に剥れることがない包装容器を提供することにある。
【解決手段】取り出し口２０を有する容器本体２と、密閉用基材層３０の一方の面に熱接着性樹脂層３１が設けられた密閉用シール３と、蓋用基材層４０の一方の面に再剥離再接着可能な粘着剤層４１が設けられた蓋用ラベル４とからなり、取り出し口の内面側に密閉用シール３が貼設され、取り出し口の外面側に蓋用ラベル４が貼設された包装容器１であって、密閉用基材層３０には取り出し口２０と対向する領域に少なくとも開口用の切目線３２が施され、蓋用ラベルの一端部側より容器本体２及び密閉用シール３の熱接着性樹脂層３１との間で剥離可能で且つ、剥離部分が再接着可能なように開閉自在に構成されている。
【解決手段】取り出し口２０を有する容器本体２と、密閉用基材層３０の一方の面に熱接着性樹脂層３１が設けられた密閉用シール３と、蓋用基材層４０の一方の面に再剥離再接着可能な粘着剤層４１が設けられた蓋用ラベル４とからなり、取り出し口の内面側に密閉用シール３が貼設され、取り出し口の外面側に蓋用ラベル４が貼設された包装容器１であって、密閉用基材層３０には取り出し口２０と対向する領域に少なくとも開口用の切目線３２が施され、蓋用ラベルの一端部側より容器本体２及び密閉用シール３の熱接着性樹脂層３１との間で剥離可能で且つ、剥離部分が再接着可能なように開閉自在に構成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、容器本体の取り出し口の内面側に密閉用基材層の一方の面に熱接着性樹脂層が設けられた密閉用シールを貼設し、蓋用基材層の一方の面に再剥離再接着可能な粘着剤層が設けられた蓋用ラベルの粘着剤層面を取り出し口の外面側に貼設した包装容器に関し、詳しくは特には蓋用ラベルが開閉自在に構成されることにより容器本体の取り出し口を繰返し開閉して内容物を取り出すことができる包装容器に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来、例えばウェットティッシュ等を収容するための容器として、容器本体の取り出し口に感圧接着剤層を有する開閉蓋用ラベルを貼設し、取り出し口を自在に繰返し開閉して内容物を取り出すようにした包装容器が用いられている。
【０００３】
このような包装容器には、内容物と蓋用ラベルに設けた感圧接着剤層とが接触して接着することがないように内容物の上に処理を施した表出面を有するシートが表出面を感圧接着剤層側に位置するように設けられた包装容器が知られている（例えば、特許文献１参照）。また、湿潤剤を含浸したナプキン様製品を市販するまでの在庫・保管時に、開閉用フラップ（蓋用ラベル）の感圧接着剤層面に結露する水滴が付着し、蓋用ラベルの接着不良による気密性の低下を防止するために、容器の天面に設けた取出し口を感圧接着剤を塗布した蓋用ラベルを有する収納容器において、湿潤剤を含浸したナプキン様製品の上面に気密性のカバ−フイルムを載置した容器の取出し口が知られている（例えば、特許文献２参照）。
【０００４】
しかしながら、近年、商品の多様化に伴い、含浸させるアルコール等の薬液量を多くしたウェットティッシュ等も商品化され、これらの商品の場合には特許文献１、２に開示された技術では、蓋用ラベルを自在に繰返し開閉できるように蓋用ラベル裏面に再剥離再接着可能な弱粘着剤が使用されているために、容器本体の取り出し口の周縁表面に凹凸があると部分的に未接着部分が発生し、蓋用ラベルと取り出し口周縁との間に隙間ができることが時たま発生し、該隙間からアルコール成分が浸透し、製品保管中に蓋用ラベルが自然に剥れることが稀にあるという問題がある。
【特許文献１】特開２００１−２７０５４７号公報
【特許文献２】実用新案登録第３０８０７０３号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
そこで本発明は、上記問題を解決すべくなされたものであり、その目的とするところは、容器本体の取り出し口の外面側に再剥離再接着可能な粘着剤層が設けられた蓋用ラベルを貼設することにより、取り出し口を自在に開閉してウエットティッシュ等の内容物を取り出すことができる包装容器であって、容器本体の取り出し口の内面側に密閉用シールを貼設することにより、製品保管中に蓋用ラベルが自然に剥れることがない包装容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明は、上記課題を達成するために、請求項１記載の本発明は、取り出し口を有する容器本体と、密閉用基材層の一方の面に熱接着性樹脂層が設けられた密閉用シールと、蓋用基材層の一方の面に再剥離再接着可能な粘着剤層が設けられた蓋用ラベルとからなり、前記密閉用シールの前記熱接着性樹脂層面を前記取り出し口の内面側に当接させて前記密閉用シールが該取り出し口を被覆するように貼設し、前記蓋用ラベルの前記粘着剤層面を前記取り出し口の外面側に当接させて前記蓋用ラベルが該取り出し口を被覆して貼設した包装容器であって、前記蓋用ラベルは前記粘着剤層により前記容器本体に固着され、前記密閉用基材層には前記取り出し口と対向する領域に少なくとも開口用の切目線が施され、前記蓋用ラベルの一端部側より前記容器本体との間で剥離可能で且つ、剥離部分が再接着可能なように開閉自在に構成されていることを特徴とする包装容器である。
【０００７】
また、請求項２記載の本発明は、請求項１記載の包装容器において、前記蓋用ラベルの一端部に外方に延設した摘み部が設けられていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【０００８】
本発明の包装容器は、取り出し口を有する容器本体と、密閉用基材層の一方の面に熱接着性樹脂層が設けられた密閉用シールと、蓋用基材層の一方の面に再剥離再接着可能な粘着剤層が設けられた蓋用ラベルとからなり、密閉用シールの熱接着性樹脂層面を取り出し口の内面側に当接させて密閉用シールが該取り出し口を被覆するように貼設し、蓋用ラベルの粘着剤層面を取り出し口の外面側に当接させて蓋用ラベルが該取り出し口を被覆して貼設した包装容器であって、蓋用ラベルは粘着剤層により容器本体に固着され、密閉用基材層には取り出し口と対向する領域に少なくとも開口用の切目線が施され、蓋用ラベルの一端部側より容器本体との間で剥離可能で且つ、剥離部分が再接着可能なように開閉自在な構成とすることにより、蓋用ラベルの一端部側より容器本体と密閉用シールとの間で剥離させて露出した密閉用シールを容器本体の内面側に押し込むことにより開口用の切目線に沿って密閉用シールが開封され、容器本体の取り出し口を介して、内容物を容易に取り出せるという効果を奏するものである。さらに、密閉用シールに設けた熱接着性樹脂層により密閉用シールは容器本体に接着されているとともに、切目線は密閉用基材層のみに設ける構成としているので、製品保管中に例えばウエットティッシュ等に含有される薬液が蓋用ラベル側に浸透することがなく、製品保管中に蓋用ラベルが自然剥離することを防止できるものである。
【０００９】
また、請求項２記載の本発明は、蓋用ラベルの一端部に外方に延設した摘み部を設けることにより蓋用ラベルの開閉が容易となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１０】
上記の本発明について、図面等を用いて以下に説明する。
図１は本発明にかかる包装容器の一実施形態を示す斜視図、図２は図１のＸ−Ｘ線断面図、図３は本発明にかかる包装容器の蓋部を示す分解図、図４は図３のＹ−Ｙ線断面図であり、図中の符号１は包装容器、２は容器本体、３は密閉用シール、４は蓋用ラベル、５は内容物、６は密封材、７は蓋部、２０は取り出し口、２１は上壁、２２は周壁、２３はフランジ部、３０は密閉用基材層、３１は熱接着性樹脂層、３２は切目線、４０は蓋用基材層、４１は粘着剤層、４２は摘み部、４３は切刃、Ａは取り出し口と対向する領域をそれぞれ示す。
【００１１】
図１は本発明にかかる包装容器の一実施形態を示す斜視図、図２は図１のＸ−Ｘ線断面図である。図１、図２に示すように包装容器１は射出成形された合成樹脂製の容器本体２の取り出し口２０の内面側に、密閉用基材層３０の一方の面に熱接着性樹脂層３１が設けられた密閉用シール３の熱接着性樹脂層３１面を当接させて密閉用シール３が該取り出し口２０を被覆するように貼設されている。蓋用基材層４０の一方の面に再剥離再接着可能な粘着剤層４１が設けられた蓋用ラベル４の粘着剤層４１面を取り出し口２０の外面側に当接させて蓋用ラベル４が該取り出し口２０を被覆すると共に該取り出し口２０を介して対向する密閉用シール３の熱接着性樹脂層３１に貼設されている。蓋用ラベル４は方形状で一端部側に外方に延設した摘み部４２が設けられている。蓋用ラベル４には摘み部４２を摘み剥離した際に、蓋用ラベル４が容器本体２から完全に分離されることを防ぐためのストッパーとして切刃４３、４３が剥離方向の蓋用ラベル４の両端辺から設けられている。また、蓋用ラベル４の表面には絵柄、文字や剥離方向を示す記号等が印刷されている。
【００１２】
図２に示すように、包装容器１は、取り出し口２０となる窓部を備えた平板状の突出部を有する上壁２１と、該上壁２１の周縁に連接して設けた周壁２２と、該周壁２２の自由な周縁に設けたフランジ部２３とからなる容器本体２の取り出し口２０（図１参照）の内面側に密閉用シール３を貼設し、外面側に蓋用ラベル４を貼設し、粘着剤層４１により容器本体２と密閉用シール３の熱接着性樹脂層３１に固着し、取り出し口２０を被覆し、容器本体２のフランジ部２３側から内容物５、たとえば、ウェットティッシュを所定枚数載置し、而して容器本体２のフランジ部２３に密封材６を熱接着して封入したものである。図１、２はこのようにして製造された包装容器１を使用時の状態、すなわち、蓋用ラベル４が上側に位置するように置いた状態を示す。
【００１３】
図３は本発明にかかる包装容器１の蓋部７を示す分解図、図４は図３のＹ−Ｙ線断面図であって、密閉用シールのみを抜き取り密閉用シール３の構成を説明するための断面図を示す。図３、図４に示すように密閉用シール３の密閉用基材層３０には取り出し口２０と対向する領域Ａに開口用の切目線３２が施されている。切目線３２は少なくとも取り出し口と対向する領域Ａに施されていればよいものであるが、該領域Ａ以外にはみだして施されていてもよい。切目線３２は密閉用基材層３０を貫通する切目線が好ましい。ハーフカットでは、後述するが、密閉用シールの開封性が劣る。また、切目線３２は、連続した切目が好ましく用いることができるが、間欠した切目のミシン目でもよい。ミシン目の場合には、２．０ｍｍ〜５．０ｍｍ長さの切目で、１．５ｍｍ以下の長さの非切目が好ましい。このような構成にすることにより、後述するが蓋用ラベル４の摘み部４２より容器本体２と密閉用シール３との間で剥離させて露出した密閉用シール３の切目線３２の部分を容器本体２の内面側に押し込むと切目線３２に沿って密閉用シール３が容易に開封でき、容器本体２の取り出し口２０を介して、内容物を容易に取り出すことができる。また、摘み部４２は、蓋用ラベル４の剥離を容易にするために設けるほうが好ましい。さらに摘み部４２は、容器本体２に対向する面には粘着剤層４１を設けないか、もしくは粘着剤層４１の接着性を無効にする遮蔽層を形成した構成とすることもできる。なお、蓋部７は、取り出し口２０、容器本体２の上壁２１を含む領域、密閉用シール３及び蓋用ラベル４を含む部分を指す。
【００１４】
次に、本発明の包装容器１を構成する各材料について説明する。まず、密閉用シール３の密閉用基材層３０に用いる基材としては、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、スチレン等の延伸もしくは未延伸のプラスチックフィルムや合成紙、あるいは、これらの積層体ないしはこれらとアルミニウム箔や蒸着を施したプラスチックフィルムを適宜組合わせた積層体等が使用できる。
【００１５】
密閉用基材層３０の一方の面に設けられる熱接着性樹脂層３１としては、ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、ポリプロピレンないしは酸変性ポリオレフィン等の樹脂をフィルムとして使用するか乃至はエクストルージョンラミネーションして使用される。熱接着性樹脂層３１に用いる樹脂は、容器本体２に使用される樹脂により適宜、選べばよい。密閉用基材層３０と熱接着性樹脂層３１はドライラミネーション法やエクストルージョンラミネーション法等の公知の技法により積層されて密閉用シール３の積層材とされる。密閉用シール３の密閉用基材層３０に施す切目線３２は、熱接着性樹脂層３１と積層する前に、例えば所定の形状の切刃を有するダイロールとアンビルロールを備えた打抜き機で所定の位置に施せばよい。あるいは、積層後に施すこともできる。
【００１６】
次に、蓋用ラベル４の蓋用基材層４０としては、印刷適性があって機械的強度を有する材料が用いられ、密閉用基材層３０に用いられるものや、あるいは、これらに紙等を適宜組み合わせた積層体等を用いることができる。また、蓋用基材層４０上に設けた印刷面の保護と表面光沢付与のためにポリプロピレンフィルム等の表面保護層を設けてもよい。
【００１７】
蓋用基材層４０の一方の面に設けられる粘着剤層４１としては、再剥離再接着可能な粘着剤が用いられ、天然ゴムラテックス、合成ゴムラテックスあるいはアクリル系樹脂、ゴム系樹脂等にテルペン樹脂やロジン等の粘着付与剤を配合した合成樹脂等の従来から使用されている粘着剤の中から適宜選んで、グラビアコート法、ロールコート法、あるいは加熱溶融押出法等の周知の塗布方法で塗布することにより形成される。
【００１８】
容器本体２としては、射出成形可能な合成樹脂であれば、特に限定するものではないが、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ＡＢＳ、ポリカーボネート等が適宜使用される。また、密閉用シール３は、容器本体２を射出成形する工程で所定の大きさに切取られた密閉用シール３を成形金型内に載置してインモールド成形して取り出し口２０に貼着される。また、密閉用シール３は別法として、射出成形後、容器本体２の取り出し口２０の内面側に密閉用シール３の熱接着性樹脂層３１面を当接させてヒートシールして貼着することもできる。
【００１９】
密封材６としては、少なくとも一方の表出面に容器本体２と熱接着可能な熱接着性樹脂層を有すると共に、印刷適性があって機械的強度を有する構成であれば、特に限定するものではなく、たとえば、容器本体２がポリプロピレンからなるものであれば、２軸延伸ポリエステルフィルム／印刷層／接着剤層／アルミニウム箔／接着剤層／無延伸ポリプロピレンフィルムのような構成のものを例示することができる。
【００２０】
次に包装容器１の蓋部７の開閉方法について説明する。図１、図２に示すように、蓋用ラベル４の摘み部４２を摘み該摘み部４２と対向する他方の端部に向かって引張り上げて容器本体２及び密閉用シール３の熱接着性樹脂層３１との間で剥離させると切刃４３の部分で剥離が停止され、取り出し口２０の内面側に貼着された密閉用シール３が露出される。露出された密閉用シール３の切目線３２に手指を当接させて容器本体２の内面側に押し込むと切目線３２に沿って密閉用シール３が引裂かれ容易に開封でき、容器本体２の取り出し口２０を介して、内容物であるウェットティッシュを容易に取り出すことができる。必要枚数を取り出した後に、開けた蓋用ラベル４を元に戻すと粘着剤層４１により容器本体２に再接着されて閉口できるものである。
【００２１】
次に、本発明について、以下に実施例を挙げてさらに詳しく説明する。
【実施例１】
【００２２】
＜密閉用シールの作製＞
密閉用基材層として厚さ２５μｍの透明なポリエステルフィルム（ＰＥＴ）を用いて、その片面にウレタン系インキで光電管マークをグラビア印刷し、所定の切刃を備えた打抜き型で光電管マークに位置合せして所定位置に切目線を施した。その後、印刷面にポリエステルポリオール／イソシアネート系の２液型ドライラミ接着剤をコートして、熱接着性樹脂層に厚さ２０μｍの透明なポリプロピレンフィルムを用いてドライラミネーション法で積層して密閉用シール用積層材とした。次に、該積層材を断裁し、所定の大きさに打抜き図２に示すような密閉用シール３を作製した。なお、切目線は取り出し口の長辺に平行に密閉用シールの中央に位置するように切目３．０ｍｍ、非切目１．０ｍｍのミシン目を施した。
【００２３】
＜蓋用ラベルの作製＞
次いで、蓋用ラベル基材に厚さ５０μｍの乳白ポリエステルフィルム（ＷＰＥＴ）の片面に弱接着性のアクリル系粘着剤をコートして感圧接着剤層を形成し、グラシン紙の片面にポリエチレンをラミネートして、ポリエチレン面に剥離処理をした剥離材の剥離処理面と貼り合せた基材（リンテック株式会社製、商品名：ＰＥＴ５０（Ａ）ＭＷ３）を用い、公知のラベル印刷機でＷＰＥＴ面に光電管マークと所定の印刷をすると共に、該印刷面に厚さ２０μｍの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを積層し、所定の切刃の形状を備えた抜き型で光電管マークに見当を合せて所定位置にＷＰＥＴを貫通する切刃４３を形成し、その後、所定の形状を備えた抜き型でＷＰＥＴ面に印刷された光電管マークに見当合せして密閉用シールの剥離材以外に切刃を施し、余白部分を剥離して、密閉用シールの粘着剤層面に剥離材が積層された状態の図２に示すような剥離材付きの蓋用ラベル４を作製した。
【００２４】
＜包装容器の作製＞
上記作製済の密閉用シールを金型内に載置し、射出成形樹脂にポリプロピレン樹脂を用いてインモールド成形し、幅１００ｍｍ、長さ１２０ｍｍ、高さ５０ｍｍの外寸で周壁がやや下方に向かって拡開し、上面の取り出し口の内面側に密閉用シールが貼着され、下面にフランジ部を有する図１に示す角錐状の容器本体を作製した。その後、容器本体の取り出し口の外面側に剥離材を剥離して露出した粘着剤層を当接させて容器本体と密閉用シールの熱接着性樹脂層３１に固着して図１に示すような包装容器を作製した。なお、密閉用シール、蓋用ラベル及び容器本体の取り出し口の寸法は以下の通りである。
取り出し口外寸法 ：６０ｍｍ×４５ｍｍ
密閉用シール外寸法 ：９０ｍｍ×６７ｍｍ（摘み部含まず）
切目線の長さ ：７０ｍｍ
蓋用ラベル外寸法 ：５９ｍｍ×４４ｍｍ
なお、蓋用ラベルの摘み部は長さ９０ｍｍの方向の一端部に１０ｍｍ外方に延設させて設け、境界に摘み部を区画する切目線を形成した。
【００２５】
上記実施例１の包装容器に市販のウエットティッシュを封入し、２軸延伸ポリエステルフィルム２０μｍ／接着剤層／アルミニウム箔９μｍ／接着剤層／無延伸ポリプロピレンフィルム２０μｍからなる構成の密封材を用いてフランジ部を密封シールした。蓋用ラベル側を上にして蓋用ラベルの摘み部を指で摘み、該摘み部と対向する他方の端部に向かって引張り上げて、密閉用シールの中央付近を指で内面側に押し込むと切目線に沿って、密閉用シールを開封することができ、取り出し口よりウエットティッシュを容易に取り出すことができた。
【００２６】
また、実施例１の容器について、包装容器の蓋用ラベル側を下にして、上になった容器本体のフランジ部側から染料で着色した薬液を注入し、密閉用シールをディッピング状態にして３０日間、静置して薬液の浸透状況を経時観察したが全く薬液の浸透もなく良好であった。なお、エタノール４０重量％、水５０重量％、保湿剤（エチレングリコール）９重量％、添加剤（界面活性剤、殺菌剤、防腐剤、ＰＨ調整剤、香料清涼剤）１重量％を混合した混合液にメチレンブルーで着色して薬液とした。
【図面の簡単な説明】
【００２７】
【図１】本発明にかかる包装容器の一実施形態を示す斜視図である。
【図２】図１のＸ−Ｘ線の断面図である。
【図３】本発明にかかる包装容器の蓋部を示す分解図である。
【図４】図３のＹ−Ｙ線断面図である。
【符号の説明】
【００２８】
１ 包装容器
２ 容器本体
３ 密閉用シール
４ 蓋用ラベル
５ 内容物
６ 密封材
７ 蓋部
２０ 取り出し口
２１ 上壁
２２ 周壁
２３ フランジ部
３０ 密閉用基材層
３１ 熱接着性樹脂層
３２ 切目線
４０ 蓋用基材層
４１ 粘着剤層
４２ 摘み部
４３ 切刃
Ａ 取り出し口と対向する領域
【技術分野】
【０００１】
本発明は、容器本体の取り出し口の内面側に密閉用基材層の一方の面に熱接着性樹脂層が設けられた密閉用シールを貼設し、蓋用基材層の一方の面に再剥離再接着可能な粘着剤層が設けられた蓋用ラベルの粘着剤層面を取り出し口の外面側に貼設した包装容器に関し、詳しくは特には蓋用ラベルが開閉自在に構成されることにより容器本体の取り出し口を繰返し開閉して内容物を取り出すことができる包装容器に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来、例えばウェットティッシュ等を収容するための容器として、容器本体の取り出し口に感圧接着剤層を有する開閉蓋用ラベルを貼設し、取り出し口を自在に繰返し開閉して内容物を取り出すようにした包装容器が用いられている。
【０００３】
このような包装容器には、内容物と蓋用ラベルに設けた感圧接着剤層とが接触して接着することがないように内容物の上に処理を施した表出面を有するシートが表出面を感圧接着剤層側に位置するように設けられた包装容器が知られている（例えば、特許文献１参照）。また、湿潤剤を含浸したナプキン様製品を市販するまでの在庫・保管時に、開閉用フラップ（蓋用ラベル）の感圧接着剤層面に結露する水滴が付着し、蓋用ラベルの接着不良による気密性の低下を防止するために、容器の天面に設けた取出し口を感圧接着剤を塗布した蓋用ラベルを有する収納容器において、湿潤剤を含浸したナプキン様製品の上面に気密性のカバ−フイルムを載置した容器の取出し口が知られている（例えば、特許文献２参照）。
【０００４】
しかしながら、近年、商品の多様化に伴い、含浸させるアルコール等の薬液量を多くしたウェットティッシュ等も商品化され、これらの商品の場合には特許文献１、２に開示された技術では、蓋用ラベルを自在に繰返し開閉できるように蓋用ラベル裏面に再剥離再接着可能な弱粘着剤が使用されているために、容器本体の取り出し口の周縁表面に凹凸があると部分的に未接着部分が発生し、蓋用ラベルと取り出し口周縁との間に隙間ができることが時たま発生し、該隙間からアルコール成分が浸透し、製品保管中に蓋用ラベルが自然に剥れることが稀にあるという問題がある。
【特許文献１】特開２００１−２７０５４７号公報
【特許文献２】実用新案登録第３０８０７０３号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
そこで本発明は、上記問題を解決すべくなされたものであり、その目的とするところは、容器本体の取り出し口の外面側に再剥離再接着可能な粘着剤層が設けられた蓋用ラベルを貼設することにより、取り出し口を自在に開閉してウエットティッシュ等の内容物を取り出すことができる包装容器であって、容器本体の取り出し口の内面側に密閉用シールを貼設することにより、製品保管中に蓋用ラベルが自然に剥れることがない包装容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明は、上記課題を達成するために、請求項１記載の本発明は、取り出し口を有する容器本体と、密閉用基材層の一方の面に熱接着性樹脂層が設けられた密閉用シールと、蓋用基材層の一方の面に再剥離再接着可能な粘着剤層が設けられた蓋用ラベルとからなり、前記密閉用シールの前記熱接着性樹脂層面を前記取り出し口の内面側に当接させて前記密閉用シールが該取り出し口を被覆するように貼設し、前記蓋用ラベルの前記粘着剤層面を前記取り出し口の外面側に当接させて前記蓋用ラベルが該取り出し口を被覆して貼設した包装容器であって、前記蓋用ラベルは前記粘着剤層により前記容器本体に固着され、前記密閉用基材層には前記取り出し口と対向する領域に少なくとも開口用の切目線が施され、前記蓋用ラベルの一端部側より前記容器本体との間で剥離可能で且つ、剥離部分が再接着可能なように開閉自在に構成されていることを特徴とする包装容器である。
【０００７】
また、請求項２記載の本発明は、請求項１記載の包装容器において、前記蓋用ラベルの一端部に外方に延設した摘み部が設けられていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【０００８】
本発明の包装容器は、取り出し口を有する容器本体と、密閉用基材層の一方の面に熱接着性樹脂層が設けられた密閉用シールと、蓋用基材層の一方の面に再剥離再接着可能な粘着剤層が設けられた蓋用ラベルとからなり、密閉用シールの熱接着性樹脂層面を取り出し口の内面側に当接させて密閉用シールが該取り出し口を被覆するように貼設し、蓋用ラベルの粘着剤層面を取り出し口の外面側に当接させて蓋用ラベルが該取り出し口を被覆して貼設した包装容器であって、蓋用ラベルは粘着剤層により容器本体に固着され、密閉用基材層には取り出し口と対向する領域に少なくとも開口用の切目線が施され、蓋用ラベルの一端部側より容器本体との間で剥離可能で且つ、剥離部分が再接着可能なように開閉自在な構成とすることにより、蓋用ラベルの一端部側より容器本体と密閉用シールとの間で剥離させて露出した密閉用シールを容器本体の内面側に押し込むことにより開口用の切目線に沿って密閉用シールが開封され、容器本体の取り出し口を介して、内容物を容易に取り出せるという効果を奏するものである。さらに、密閉用シールに設けた熱接着性樹脂層により密閉用シールは容器本体に接着されているとともに、切目線は密閉用基材層のみに設ける構成としているので、製品保管中に例えばウエットティッシュ等に含有される薬液が蓋用ラベル側に浸透することがなく、製品保管中に蓋用ラベルが自然剥離することを防止できるものである。
【０００９】
また、請求項２記載の本発明は、蓋用ラベルの一端部に外方に延設した摘み部を設けることにより蓋用ラベルの開閉が容易となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１０】
上記の本発明について、図面等を用いて以下に説明する。
図１は本発明にかかる包装容器の一実施形態を示す斜視図、図２は図１のＸ−Ｘ線断面図、図３は本発明にかかる包装容器の蓋部を示す分解図、図４は図３のＹ−Ｙ線断面図であり、図中の符号１は包装容器、２は容器本体、３は密閉用シール、４は蓋用ラベル、５は内容物、６は密封材、７は蓋部、２０は取り出し口、２１は上壁、２２は周壁、２３はフランジ部、３０は密閉用基材層、３１は熱接着性樹脂層、３２は切目線、４０は蓋用基材層、４１は粘着剤層、４２は摘み部、４３は切刃、Ａは取り出し口と対向する領域をそれぞれ示す。
【００１１】
図１は本発明にかかる包装容器の一実施形態を示す斜視図、図２は図１のＸ−Ｘ線断面図である。図１、図２に示すように包装容器１は射出成形された合成樹脂製の容器本体２の取り出し口２０の内面側に、密閉用基材層３０の一方の面に熱接着性樹脂層３１が設けられた密閉用シール３の熱接着性樹脂層３１面を当接させて密閉用シール３が該取り出し口２０を被覆するように貼設されている。蓋用基材層４０の一方の面に再剥離再接着可能な粘着剤層４１が設けられた蓋用ラベル４の粘着剤層４１面を取り出し口２０の外面側に当接させて蓋用ラベル４が該取り出し口２０を被覆すると共に該取り出し口２０を介して対向する密閉用シール３の熱接着性樹脂層３１に貼設されている。蓋用ラベル４は方形状で一端部側に外方に延設した摘み部４２が設けられている。蓋用ラベル４には摘み部４２を摘み剥離した際に、蓋用ラベル４が容器本体２から完全に分離されることを防ぐためのストッパーとして切刃４３、４３が剥離方向の蓋用ラベル４の両端辺から設けられている。また、蓋用ラベル４の表面には絵柄、文字や剥離方向を示す記号等が印刷されている。
【００１２】
図２に示すように、包装容器１は、取り出し口２０となる窓部を備えた平板状の突出部を有する上壁２１と、該上壁２１の周縁に連接して設けた周壁２２と、該周壁２２の自由な周縁に設けたフランジ部２３とからなる容器本体２の取り出し口２０（図１参照）の内面側に密閉用シール３を貼設し、外面側に蓋用ラベル４を貼設し、粘着剤層４１により容器本体２と密閉用シール３の熱接着性樹脂層３１に固着し、取り出し口２０を被覆し、容器本体２のフランジ部２３側から内容物５、たとえば、ウェットティッシュを所定枚数載置し、而して容器本体２のフランジ部２３に密封材６を熱接着して封入したものである。図１、２はこのようにして製造された包装容器１を使用時の状態、すなわち、蓋用ラベル４が上側に位置するように置いた状態を示す。
【００１３】
図３は本発明にかかる包装容器１の蓋部７を示す分解図、図４は図３のＹ−Ｙ線断面図であって、密閉用シールのみを抜き取り密閉用シール３の構成を説明するための断面図を示す。図３、図４に示すように密閉用シール３の密閉用基材層３０には取り出し口２０と対向する領域Ａに開口用の切目線３２が施されている。切目線３２は少なくとも取り出し口と対向する領域Ａに施されていればよいものであるが、該領域Ａ以外にはみだして施されていてもよい。切目線３２は密閉用基材層３０を貫通する切目線が好ましい。ハーフカットでは、後述するが、密閉用シールの開封性が劣る。また、切目線３２は、連続した切目が好ましく用いることができるが、間欠した切目のミシン目でもよい。ミシン目の場合には、２．０ｍｍ〜５．０ｍｍ長さの切目で、１．５ｍｍ以下の長さの非切目が好ましい。このような構成にすることにより、後述するが蓋用ラベル４の摘み部４２より容器本体２と密閉用シール３との間で剥離させて露出した密閉用シール３の切目線３２の部分を容器本体２の内面側に押し込むと切目線３２に沿って密閉用シール３が容易に開封でき、容器本体２の取り出し口２０を介して、内容物を容易に取り出すことができる。また、摘み部４２は、蓋用ラベル４の剥離を容易にするために設けるほうが好ましい。さらに摘み部４２は、容器本体２に対向する面には粘着剤層４１を設けないか、もしくは粘着剤層４１の接着性を無効にする遮蔽層を形成した構成とすることもできる。なお、蓋部７は、取り出し口２０、容器本体２の上壁２１を含む領域、密閉用シール３及び蓋用ラベル４を含む部分を指す。
【００１４】
次に、本発明の包装容器１を構成する各材料について説明する。まず、密閉用シール３の密閉用基材層３０に用いる基材としては、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、スチレン等の延伸もしくは未延伸のプラスチックフィルムや合成紙、あるいは、これらの積層体ないしはこれらとアルミニウム箔や蒸着を施したプラスチックフィルムを適宜組合わせた積層体等が使用できる。
【００１５】
密閉用基材層３０の一方の面に設けられる熱接着性樹脂層３１としては、ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、ポリプロピレンないしは酸変性ポリオレフィン等の樹脂をフィルムとして使用するか乃至はエクストルージョンラミネーションして使用される。熱接着性樹脂層３１に用いる樹脂は、容器本体２に使用される樹脂により適宜、選べばよい。密閉用基材層３０と熱接着性樹脂層３１はドライラミネーション法やエクストルージョンラミネーション法等の公知の技法により積層されて密閉用シール３の積層材とされる。密閉用シール３の密閉用基材層３０に施す切目線３２は、熱接着性樹脂層３１と積層する前に、例えば所定の形状の切刃を有するダイロールとアンビルロールを備えた打抜き機で所定の位置に施せばよい。あるいは、積層後に施すこともできる。
【００１６】
次に、蓋用ラベル４の蓋用基材層４０としては、印刷適性があって機械的強度を有する材料が用いられ、密閉用基材層３０に用いられるものや、あるいは、これらに紙等を適宜組み合わせた積層体等を用いることができる。また、蓋用基材層４０上に設けた印刷面の保護と表面光沢付与のためにポリプロピレンフィルム等の表面保護層を設けてもよい。
【００１７】
蓋用基材層４０の一方の面に設けられる粘着剤層４１としては、再剥離再接着可能な粘着剤が用いられ、天然ゴムラテックス、合成ゴムラテックスあるいはアクリル系樹脂、ゴム系樹脂等にテルペン樹脂やロジン等の粘着付与剤を配合した合成樹脂等の従来から使用されている粘着剤の中から適宜選んで、グラビアコート法、ロールコート法、あるいは加熱溶融押出法等の周知の塗布方法で塗布することにより形成される。
【００１８】
容器本体２としては、射出成形可能な合成樹脂であれば、特に限定するものではないが、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ＡＢＳ、ポリカーボネート等が適宜使用される。また、密閉用シール３は、容器本体２を射出成形する工程で所定の大きさに切取られた密閉用シール３を成形金型内に載置してインモールド成形して取り出し口２０に貼着される。また、密閉用シール３は別法として、射出成形後、容器本体２の取り出し口２０の内面側に密閉用シール３の熱接着性樹脂層３１面を当接させてヒートシールして貼着することもできる。
【００１９】
密封材６としては、少なくとも一方の表出面に容器本体２と熱接着可能な熱接着性樹脂層を有すると共に、印刷適性があって機械的強度を有する構成であれば、特に限定するものではなく、たとえば、容器本体２がポリプロピレンからなるものであれば、２軸延伸ポリエステルフィルム／印刷層／接着剤層／アルミニウム箔／接着剤層／無延伸ポリプロピレンフィルムのような構成のものを例示することができる。
【００２０】
次に包装容器１の蓋部７の開閉方法について説明する。図１、図２に示すように、蓋用ラベル４の摘み部４２を摘み該摘み部４２と対向する他方の端部に向かって引張り上げて容器本体２及び密閉用シール３の熱接着性樹脂層３１との間で剥離させると切刃４３の部分で剥離が停止され、取り出し口２０の内面側に貼着された密閉用シール３が露出される。露出された密閉用シール３の切目線３２に手指を当接させて容器本体２の内面側に押し込むと切目線３２に沿って密閉用シール３が引裂かれ容易に開封でき、容器本体２の取り出し口２０を介して、内容物であるウェットティッシュを容易に取り出すことができる。必要枚数を取り出した後に、開けた蓋用ラベル４を元に戻すと粘着剤層４１により容器本体２に再接着されて閉口できるものである。
【００２１】
次に、本発明について、以下に実施例を挙げてさらに詳しく説明する。
【実施例１】
【００２２】
＜密閉用シールの作製＞
密閉用基材層として厚さ２５μｍの透明なポリエステルフィルム（ＰＥＴ）を用いて、その片面にウレタン系インキで光電管マークをグラビア印刷し、所定の切刃を備えた打抜き型で光電管マークに位置合せして所定位置に切目線を施した。その後、印刷面にポリエステルポリオール／イソシアネート系の２液型ドライラミ接着剤をコートして、熱接着性樹脂層に厚さ２０μｍの透明なポリプロピレンフィルムを用いてドライラミネーション法で積層して密閉用シール用積層材とした。次に、該積層材を断裁し、所定の大きさに打抜き図２に示すような密閉用シール３を作製した。なお、切目線は取り出し口の長辺に平行に密閉用シールの中央に位置するように切目３．０ｍｍ、非切目１．０ｍｍのミシン目を施した。
【００２３】
＜蓋用ラベルの作製＞
次いで、蓋用ラベル基材に厚さ５０μｍの乳白ポリエステルフィルム（ＷＰＥＴ）の片面に弱接着性のアクリル系粘着剤をコートして感圧接着剤層を形成し、グラシン紙の片面にポリエチレンをラミネートして、ポリエチレン面に剥離処理をした剥離材の剥離処理面と貼り合せた基材（リンテック株式会社製、商品名：ＰＥＴ５０（Ａ）ＭＷ３）を用い、公知のラベル印刷機でＷＰＥＴ面に光電管マークと所定の印刷をすると共に、該印刷面に厚さ２０μｍの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを積層し、所定の切刃の形状を備えた抜き型で光電管マークに見当を合せて所定位置にＷＰＥＴを貫通する切刃４３を形成し、その後、所定の形状を備えた抜き型でＷＰＥＴ面に印刷された光電管マークに見当合せして密閉用シールの剥離材以外に切刃を施し、余白部分を剥離して、密閉用シールの粘着剤層面に剥離材が積層された状態の図２に示すような剥離材付きの蓋用ラベル４を作製した。
【００２４】
＜包装容器の作製＞
上記作製済の密閉用シールを金型内に載置し、射出成形樹脂にポリプロピレン樹脂を用いてインモールド成形し、幅１００ｍｍ、長さ１２０ｍｍ、高さ５０ｍｍの外寸で周壁がやや下方に向かって拡開し、上面の取り出し口の内面側に密閉用シールが貼着され、下面にフランジ部を有する図１に示す角錐状の容器本体を作製した。その後、容器本体の取り出し口の外面側に剥離材を剥離して露出した粘着剤層を当接させて容器本体と密閉用シールの熱接着性樹脂層３１に固着して図１に示すような包装容器を作製した。なお、密閉用シール、蓋用ラベル及び容器本体の取り出し口の寸法は以下の通りである。
取り出し口外寸法 ：６０ｍｍ×４５ｍｍ
密閉用シール外寸法 ：９０ｍｍ×６７ｍｍ（摘み部含まず）
切目線の長さ ：７０ｍｍ
蓋用ラベル外寸法 ：５９ｍｍ×４４ｍｍ
なお、蓋用ラベルの摘み部は長さ９０ｍｍの方向の一端部に１０ｍｍ外方に延設させて設け、境界に摘み部を区画する切目線を形成した。
【００２５】
上記実施例１の包装容器に市販のウエットティッシュを封入し、２軸延伸ポリエステルフィルム２０μｍ／接着剤層／アルミニウム箔９μｍ／接着剤層／無延伸ポリプロピレンフィルム２０μｍからなる構成の密封材を用いてフランジ部を密封シールした。蓋用ラベル側を上にして蓋用ラベルの摘み部を指で摘み、該摘み部と対向する他方の端部に向かって引張り上げて、密閉用シールの中央付近を指で内面側に押し込むと切目線に沿って、密閉用シールを開封することができ、取り出し口よりウエットティッシュを容易に取り出すことができた。
【００２６】
また、実施例１の容器について、包装容器の蓋用ラベル側を下にして、上になった容器本体のフランジ部側から染料で着色した薬液を注入し、密閉用シールをディッピング状態にして３０日間、静置して薬液の浸透状況を経時観察したが全く薬液の浸透もなく良好であった。なお、エタノール４０重量％、水５０重量％、保湿剤（エチレングリコール）９重量％、添加剤（界面活性剤、殺菌剤、防腐剤、ＰＨ調整剤、香料清涼剤）１重量％を混合した混合液にメチレンブルーで着色して薬液とした。
【図面の簡単な説明】
【００２７】
【図１】本発明にかかる包装容器の一実施形態を示す斜視図である。
【図２】図１のＸ−Ｘ線の断面図である。
【図３】本発明にかかる包装容器の蓋部を示す分解図である。
【図４】図３のＹ−Ｙ線断面図である。
【符号の説明】
【００２８】
１ 包装容器
２ 容器本体
３ 密閉用シール
４ 蓋用ラベル
５ 内容物
６ 密封材
７ 蓋部
２０ 取り出し口
２１ 上壁
２２ 周壁
２３ フランジ部
３０ 密閉用基材層
３１ 熱接着性樹脂層
３２ 切目線
４０ 蓋用基材層
４１ 粘着剤層
４２ 摘み部
４３ 切刃
Ａ 取り出し口と対向する領域
【特許請求の範囲】
【請求項１】
取り出し口を有する容器本体と、密閉用基材層の一方の面に熱接着性樹脂層が設けられた密閉用シールと、蓋用基材層の一方の面に再剥離再接着可能な粘着剤層が設けられた蓋用ラベルとからなり、前記密閉用シールの前記熱接着性樹脂層面を前記取り出し口の内面側に当接させて前記密閉用シールが該取り出し口を被覆するように貼設し、前記蓋用ラベルの前記粘着剤層面を前記取り出し口の外面側に当接させて前記蓋用ラベルが該取り出し口を被覆して貼設した包装容器であって、前記蓋用ラベルは前記粘着剤層により前記容器本体に固着され、前記密閉用基材層には前記取り出し口と対向する領域に少なくとも開口用の切目線が施され、前記蓋用ラベルの一端部側より前記容器本体との間で剥離可能で且つ、剥離部分が再接着可能なように開閉自在に構成されていることを特徴とする包装容器。
【請求項２】
前記蓋用ラベルの一端部に外方に延設した摘み部が設けられていることを特徴とする請求項１に記載の包装容器。
【請求項１】
取り出し口を有する容器本体と、密閉用基材層の一方の面に熱接着性樹脂層が設けられた密閉用シールと、蓋用基材層の一方の面に再剥離再接着可能な粘着剤層が設けられた蓋用ラベルとからなり、前記密閉用シールの前記熱接着性樹脂層面を前記取り出し口の内面側に当接させて前記密閉用シールが該取り出し口を被覆するように貼設し、前記蓋用ラベルの前記粘着剤層面を前記取り出し口の外面側に当接させて前記蓋用ラベルが該取り出し口を被覆して貼設した包装容器であって、前記蓋用ラベルは前記粘着剤層により前記容器本体に固着され、前記密閉用基材層には前記取り出し口と対向する領域に少なくとも開口用の切目線が施され、前記蓋用ラベルの一端部側より前記容器本体との間で剥離可能で且つ、剥離部分が再接着可能なように開閉自在に構成されていることを特徴とする包装容器。
【請求項２】
前記蓋用ラベルの一端部に外方に延設した摘み部が設けられていることを特徴とする請求項１に記載の包装容器。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図２】
【図３】
【図４】
【公開番号】特開２００９−２３４５９３（Ｐ２００９−２３４５９３Ａ）
【公開日】平成２１年１０月１５日（２００９．１０．１５）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００８−８００６８（Ｐ２００８−８００６８）
【出願日】平成２０年３月２６日（２００８．３．２６）
【出願人】（０００００２８９７）大日本印刷株式会社 (14,506)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２１年１０月１５日（２００９．１０．１５）
【国際特許分類】
【出願日】平成２０年３月２６日（２００８．３．２６）
【出願人】（０００００２８９７）大日本印刷株式会社 (14,506)
【Ｆターム（参考）】
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