説明

包装容器

【課題】開口、又は、開口状態の維持が容易な包装容器を提供すること。
【解決手段】被包装体をその内部に包装する包装容器1において、上部に開口端を有する収納体5と、収納体5の開口端を閉塞する蓋体6と、収納体5及び蓋体6の第1、第2後壁12,22を一体、且つ、蓋体6を収納体5に対して回動可能に連結させるヒンジ部7と、を備え、ヒンジ部7は、収納体5及び蓋体6の幅方向Wに対して所定の角度を有して、収納体5及び蓋体6の両端側から中央側に向かってそれぞれ傾斜する回動部31を有する構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被包装体を包装する包装容器に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、紙巻たばこ、菓子及びベビーフード等の被包装体を包装する包装容器として、被包装体を収納する収納体と、この収納体の開口端を覆う蓋体が設けられ、収納体に対して蓋体が回動可能なものが知られている。また、蓋体を円滑にあけることができる包装容器(例えば、特許文献1参照)や、意匠を向上させる包装容器(例えば、特許文献2参照)も知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−087775号公報
【特許文献2】特開2009−292515号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した包装容器では、以下の問題があった。即ち、上述した包装容器は、紙材で形成されており、収納体と蓋体との連続部が、蓋体の回動するヒンジ部となる。しかし、ヒンジ部は、包装容器を形成する際に紙素材を押圧して形成した圧痕が、包装容器の開封時に折れることで形成された折目である。このため、包装容器の蓋体を開口する際には、例えば、一方の手で収納体を支え、他方の手で蓋体を回動させる動作が必要である。また、包装容器の開口状態を維持するためには、蓋体を押さえる動作も必要となる。
【0005】
そこで、本発明は、容易に開口又は開口状態の維持が可能な包装容器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決し目的を達成するために、本発明の包装容器は次のように構成されている。
【0007】
本発明の一態様として、被包装体をその内部に包装する包装容器において、その上部に開口端を有する収納体と、前記収納体の開口端を閉塞する蓋体と、前記収納体及び前記蓋体を一体、且つ、前記蓋体を前記収納体に対して回動可能に連結させ、前記収納体及び前記蓋体の幅方向に対して所定の角度を有して、前記収納体及び前記蓋体の両端側から中央側に向かってそれぞれ傾斜する回動部を有するヒンジ部と、を備えることを特徴とする包装容器が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、開口、又は、開口状態の維持が容易な包装容器を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る包装容器の構成を示す斜視図。
【図2】同包装容器の構成を示す斜視図。
【図3】同包装容器の構成を示す斜視図。
【図4】同包装容器の構成を示す斜視図。
【図5】同包装容器のブランクを示す平面図。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る包装容器の構成を示す斜視図。
【図7】同包装容器の構成を示す斜視図。
【図8】同包装容器のブランクの構成を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の第1の実施の形態に係る包装容器1を、図1〜5を用いて説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態に係る包装容器1の構成を後方から示す斜視図、図2は同包装容器1の構成を後方から示す斜視図、図3は同包装容器1の構成を一部省略して前方から示す斜視図、図4は同包装容器1の構成を一部省略して前方から示す斜視図、図5は同包装容器1のブランク2の構成を示す平面図である。
【0011】
なお、図1〜4中、包装容器1の、収納体5の開口端が視認可能な側を前方、ヒンジ部7が設けられる側を後方とし、且つ、収納体5側を下方、蓋体6側を上方として以下説明する。また、図1〜4に示すように、包装容器1の上下方向を、高さ方向Hとし、この高さ方向Hに直交し、且つ、包装容器1のヒンジ部7が設けられた面に沿った方向を幅方向Wとし、高さ方向H及び幅方向Wと直交する方向を包装容器1の厚さ方向Tとして、以下説明する。
【0012】
図1〜4に示すように、包装容器1は、収納体5と、蓋体6と、ヒンジ部7と、を備えている。包装容器1は、これら収納体5、蓋体6及びヒンジ部7が一体に形成される。また、包装容器1は、被包装体の包装時においては、その外形状が略直方体に形成されている。
【0013】
具体的に説明すると、包装容器1は、例えば、被包装体である紙巻たばこT(以下「たばこT」として説明)を包装可能な、所謂たばこ箱であり、収納体5内部に内包体を有している。包装容器1は、その材料として、紙巻たばこTを包装可能な紙素材が用いられる。このような紙素材の一例として、例えばミードウエストベーコ社製、ハイイールドプリントコート(登録商標)のグラメジが221g/mの紙素材が用いられる。なお、紙素材は、これに限定されず、適宜使用可能である。包装容器1は、図5に示すように、紙素材から、打ち抜き加工により形成されたブランク2を組み立てることで形成される。
【0014】
なお、内包体は、例えば、包装容器1の開封まで、たばこTの束を直接包装し、たばこTの劣化を防止可能に形成されている。内包体は、保湿性及び保香性等を有している。この内包体は、主として、アルミニウムの膜が蒸着又は積層された紙が用いられるが、本実施の形態では内包体の詳細な構成、及び、図面中への記載は省略する。
【0015】
図1〜4に示すように、収納体5は、外体8と内体9とを備え、外体8及び内体9の上端により、収納体5の内部を開口する開口端が形成されている。外体8は、上端部が後方から前方に向って下方に傾斜して開口する箱体である。外体8は、第1前壁11と、第1後壁12と、一対の第1側壁13と、底壁14とを備えている。
【0016】
第1前壁11は、矩形状、例えば、平面視で幅方向Wが高さ方向Hよりも短い長方形状に形成されている。また、第1前壁11は、その上端縁の中央部に、突出部16が設けられている。この突出部16は、例えば、円弧状に形成されている。突出部16は、蓋体6の固定手段であり、例えば、突出部16と内体9との間に蓋体6の一部を位置させることで、蓋体6を固定可能に形成されている。
【0017】
第1後壁12は、下方の形状が第1前壁11と同様形状に形成され、その上方にヒンジ部7が形成されている。第1後壁12は、上端縁の両端部が第1前壁11よりも高さ方向Hに長く、中央側に向ってその両端部より高さ方向Hに短くなる形状、例えばV字状に形成されている。なお、第1後壁12は、ヒンジ部7を介して蓋体6の一部と一体に連続して形成されている。
【0018】
第1側壁13は、第1前壁11及び第1後壁12を連結させるとともに、その上端が傾斜する台形状に形成されている。底壁14は、平面視で長方形状に形成され、第1前壁11、第1後壁12及び一対の第1側壁13をこれら下端側で連結する。
【0019】
内体9は、第1前壁11及び第1側壁13の内面に沿って設けられている。具体的には、内体9は、前内壁17と一対の側内壁18と、を備えている。前内壁17は、第1前壁11の内面に設けられる。前内壁17は、第1前壁11の上方から突出する。側内壁18は、第1側壁13の内面にそれぞれ設けられる。側内壁18は、一対の第1側壁13の上方からそれぞれ突出する。
【0020】
また、内体9は、前内壁17及び側内壁18が第1前壁11及び第1側壁13の内面に接着剤等により接着されている。なお、前内壁17は、第1前壁11に接着する際に、前内壁17の前面と、第1前壁11の突出部16との間は接着されず、互いに離間可能に形成されている。内体9は、外体8の第1前壁11及び第1側壁13に沿った壁を形成し、蓋体6の案内及び蓋体6のつぶれを防止可能に形成される。この内体9は、蓋体6が収納体5の開口端を閉塞時に、蓋体6の内面と少なくともその一部が干渉する。
【0021】
蓋体6は、第2前壁21と、第2後壁22と、一対の第2側壁23と、天壁24と、を備えている。蓋体6は、収納体5を覆うことで、収納体5の開口端を閉塞可能に形成されている。
【0022】
第2前壁21は、平面視で幅方向Wが高さ方向Hよりも長く、且つ、その幅は、第1前壁11と略同一寸法の長方形状に形成されている。第2後壁22は、上方の形状が第2前壁21と同様形状を有し、その下方にヒンジ部7が形成されている。第2後壁22は、例えば、下端縁の両端部において、第2前壁21よりも高さ方向Hに短く、中央側に向ってその両端部より高さ方向Hに長くなる形状に形成されている。
【0023】
第2側壁23は、第2前壁21及び第2後壁22を連結するとともに、その下端が傾斜する台形状に形成されている。なお、第2側壁23は、その下端の傾斜角度が、第1側壁13の上端の傾斜角度と略同一の角度に形成されている。天壁24は、平面視で長方形状に形成され、第2前壁21、第2後壁22及び一対の第2側壁23を上端側で連結する。
【0024】
ヒンジ部7は、第1後壁12及び第2後壁22間に設けられ、第1後壁12に対して第2後壁22を回動可能に形成されている。具体的には、ヒンジ部7は、回動部31と、第1案内部32と、第2案内部33と、を備えている。なお、ヒンジ部7は、紙素材上に押圧によって形成された圧痕又は切断部により形成されている。
【0025】
回動部31は、第1、第2後壁12,22の幅方向Wの両端側から中央側に向って傾斜して形成されている。即ち、回動部31は、V字状に形成されている。なお、回動部31は、第1後壁12及び第2後壁22間に、圧痕71及び切断部74を有し、これら圧痕71及び切断部74に沿って曲折することで、蓋体6が収納体5に対して回動する。例えば、回動部31は、両端側から中心側に向って、それぞれ第2後壁22と天壁24との稜部(稜線)に対して例えば20°の傾斜で形成されている。
【0026】
第1案内部32は、回動部31と同様に、第1、第2後壁12、22の幅方向Wの両端側から中央側に向って傾斜して形成されている。即ち、第1案内部32は、V字状に形成されている。なお、第1案内部32は、第1、第2後壁12,22の幅方向に対して、回動部31よりもその傾斜角度が大に形成されている。このため、第1案内部32の頂角は、回動部31の頂角よりもその角度が小さい。例えば、第1案内部32は、両端側から中心側に向って、それぞれ第2後壁22と天壁24との稜部(稜線)に対して、例えば52°の傾斜で形成されている。
【0027】
第2案内部33は、第1、第2後壁12、22の幅方向Wの中央部に、高さ方向Hに沿って設けられている。具体的には、第2案内部33は、第2後壁22の幅方向Wの略中央であって、高さ方向Hの略中央である第1案内部32から、回動部31を横切って第2後壁22の上方まで、幅方向Wに沿って延設されている。
【0028】
次に、このような包装容器1を形成するブランク2、及び、ブランク2による包装容器1の形成方法について図5を用いて説明する。なお、図5中、鎖線は、ブランク2の折線を示し、太線は切断部をそれぞれ示している。なお、折線とは、ブランク2の組立時に、ブランク2を折り込む部位であり、たとえば、ブランク2の製造時に、折線を案内する圧痕が形成される。以下、圧痕を用いて説明する。また、切断部とは、所謂切れ刃と呼ばれるブランク2形成時に切断した部位である。
【0029】
ブランク2は、包装容器1を展開した形状に紙素材を打ち抜き加工により切断した素材片である。ブランク2は、後面51と、底面52と、第1前面53と、天面54と、第1側面55と、第2前面56と、第2側面57と、を備えている。また、ブランク2は、第1接続面61と、第2接続面62と、第3接続面63と、第4接続面64と、を備えている。
【0030】
後面51は、第1、第2後壁12、22、及び、ヒンジ部7を形成する。具体的には、後面51は、圧痕71,72,73及び複数の切断部74が形成されている。後面51は、この形成された圧痕71,72,73及び切断部74により、ヒンジ部7を形成する。
【0031】
また、後面51は、その四辺に形成された圧痕75〜78を有する。後面51は、これら圧痕75〜78に囲われた領域であって、且つ、圧痕71〜73及び切断部74の下方の領域が第1後壁12を形成し、その上方の領域が第2項壁22を形成する。このため、後面51は、圧痕75〜78が折り曲げられることで、第1、第2後壁12,22及びヒンジ部7を形成する。
【0032】
このため、圧痕71は、回動部31と同形状に設けられ、複数の切断部74は、この圧痕71の一部を切断することで形成されている。圧痕72は、第1案内部32と同形状に設けられる。圧痕73は、第2案内部33と同形状に設けられる。
【0033】
このような後面51は、例えば、その高さ方向Hの寸法が圧痕75,76間において87.5mmに形成され、その幅方向Wの寸法が圧痕77,78間において54.5mmに形成される。
【0034】
また、回動部31を形成する圧痕71は、圧痕77,78上であって、圧痕76から12mm下方のそれぞれから、後面51の中央であって圧痕76から22mm下方までを結ぶ傾斜状に形成される。なお、圧痕71は、上述した回動部31の角度となるように、圧痕76に対して、その両端側から中心側に向って20°程度の傾斜で形成されている。
【0035】
また、圧痕72は、その頂角部の先端が半径3mmの曲線で連続し、且つ、圧痕77,78上であって、圧痕76から12mm下方のそれぞれから、その先端が後面51の中央であって圧痕76から45mm下方となるように結ばれた傾斜状に形成される。なお、圧痕72は、上述した第1案内部32の角度となるように、圧痕76に対して、その両端側から中心側に向って52°程度の傾斜で形成されている。なお、圧痕71(回動部31)及び圧痕72(第1案内部32)の角度は、これに限定されない。
【0036】
圧痕73は、後面51の中央であって、且つ、圧痕76から5mm下方から圧痕72まで、45mmの長さに高さ方向Hに沿って形成されている。
【0037】
切断部74は、それぞれが5mmの長さに形成され、圧痕71上に等間隔に形成されている。
【0038】
底面52は、後面51の下端に隣接して設けられ、圧痕75,79及び切断部80,81により、その形状が、底壁14の形状に形成されている。なお、圧痕79は、圧痕75と平行に相対して設けられ、切断部80,81は、図5中高さ方向Hに沿って、圧痕75,79の両端側にそれぞれ設けられている。
【0039】
底面52は、例えば、図5中の高さ方向H(図1〜4中では、底壁14の厚さ方向T)の寸法が圧痕75,79間において22.5mmに形成され、幅方向Wの寸法が切断部80,81間において54.5mmに形成されている。
【0040】
第1前面53は、底面52の下端に隣接して設けられ、圧痕79,82,83及び切断部84により、その形状が、第1前壁11の形状に形成されている。第1前面53は、切断部84により、第1前壁11の上端及び突出部16が形成される。
【0041】
第1前面53は、例えば、高さ方向Hの寸法が圧痕79及び切断部84の縁部において約61.7mmに形成され、突出部16において約64.7mmに形成される。また、第1前面53は、幅方向Wの寸法が圧痕82,83間において54.5mmに形成される。
【0042】
天面54は、圧痕76,86及び切断部87,88により、その形状が、天壁24の形状に形成されている。天面54は、後面51に隣接して設けられている。なお、圧痕86は、圧痕76と平行に相対して設けられ、切断部87,88は、図5中高さ方向Hに沿って、圧痕76,86の両端側にそれぞれ設けられている。
【0043】
天面54は、例えば、図5中の高さ方向H(図1〜4中では、天壁24の厚さ方向T)の寸法が圧痕76,86間において25.25mmに形成され、幅方向Wの寸法が切断部87,88間において55mmに形成される。なお、底面52及び天面54の寸法の違いは、ブランク2の組立て時における他箇所との積層や接着等の関係により、ブランク2の紙素材の厚さを考慮して設けられており、ブランク2の形状や組立てによっては詳細な寸法は適宜設定可能である。
【0044】
第1側面55は、圧痕82,83をそれぞれ介して第1前面53に隣接して設けられている。第1側面55は、圧痕82及び切断部89〜91、及び、圧痕83及び切断部92〜94により、第1側壁13の形状に形成されている。
【0045】
第1側面55は、例えば、高さ方向Hの切断部93の寸法が74.74mmに形成され、幅方向Wの寸法が、圧痕83及び切断部93間において21.5mmに形成されている。なお、切断部94は、切断部93に対して60度に傾斜して形成されており、切断部93は、切断部84と連続する。
【0046】
第2前面56は、圧痕86,95,96及び切断部97により、その形状が第2前壁21の形状に形成されている。第2前面56は、天面54に隣接して設けられている。第2前面56は、圧痕86,95,96及び切断部97により、第2前壁21の形状に形成されている。
【0047】
第2前面56は、例えば、高さ方向Hの寸法が圧痕86及び切断部97間において25.5mmに形成され、幅方向Wの寸法が圧痕95,96間において55mmに形成される。
【0048】
第2側面57は、圧痕95,96をそれぞれ介して第2前面56に隣接して設けられている。第2側面57は、圧痕95及び切断部98〜100、及び、圧痕96及び切断部101〜103により、第2側壁23の形状に形成されている。
【0049】
第2側面57は、例えば、高さ方向Hの圧痕95,96の寸法が25.25mmに形成され、幅方向Wの寸法が圧痕95,96及び切断部99,102のそれぞれの間において、21.5mmに形成される。なお、第2側面57は、切断部98、101が圧痕95,96に対してそれぞれ60度に傾斜して形成される。
【0050】
第1接続面61は、圧痕104及び切断面81,89,105、及び、圧痕106及び切断面80,92,107により、底面52及び一対の第1側面55に隣接して、一対形成されている。なお、第1接続面61は、底面52と積層可能な形状に形成されている。
【0051】
第2接続面62は、圧痕77,104及び切断部109,110、及び、圧痕78,106及び切断部111,112により、後面51、一対の第2側面57及び第1接続面61に隣接して、一対形成されている。なお、これら一対の第2接続面62は、一対の第1側面55とそれぞれ積層可能に形成されている。
【0052】
第3接続面63は、圧痕77,113及び切断部109,114、及び、圧痕78,115及び切断部111,114により、後面51及び第2接続面62に隣接して、一対形成されている。第3接続面63は、第2側面57の形状と略同一形状に形成され、第2側面57とそれぞれ積層可能に形成されている。
【0053】
第4接続面64は、圧痕113及び切断部87,100,116、及び、圧痕115及び切断部88,103,117により、天面54、第2側面57及び第3接続面63に隣接して、一対形成されている。第4接続面64は、天面54とそれぞれ積層可能に形成されている。
【0054】
このように構成されたブランク2は、ヒンジ部7を形成する圧痕71,72,73を除く各圧痕が同方向に折りこまれる。このとき、一対の第1接続面61が底面52と、一対の第2接続面62が一対の第1側面55と、一対の第3接続面63が一対の第2側面57と、一対の第4接続面64が天面54と、それぞれ積層し、且つ、接着材により接着される。
【0055】
これらのように、ブランク2は、必要な折線を曲折し、必要面を接着することで、後面51、第1、第2前面53,56、第1、第2側面55,57、底面52及び天面54により、それぞれ、第1、第2後壁12,22、ヒンジ部7、第1、第2前壁11,21、第1、第2側壁13,23、底壁14及び天壁24がそれぞれ形成される。このように、ブランク2から、包装容器1が形成される。なお、ここでは、包装容器1の内体9のブランク、及び、内体9と外体8との接着についての詳細な説明は省略する。
【0056】
このように形成された包装容器1は、ブランク2から包装容器1を形成する時に、内包体に包装されたたばこ束がその内部に設けられることで、たばこTを包装する。たばこ束を包装した包装容器1は、包装容器1の外囲が透明フィルム等の外包フィルムで外包される。これにより、たばこ商品となる。
【0057】
次に、このように構成された包装容器1の開封、及び、蓋体6の開閉について説明する。先ず、外包フィルムで外包された包装容器1は、外包フィルムを開封して除去し、収納体5から離間する方向に移動させる。この蓋体6の移動により、ヒンジ部7の圧痕71が折り曲げられ、回動部31が形成される。
【0058】
以降、蓋体6の開閉時には、回動部31が蓋体6の回転軸となり、回動部31が曲折することで、蓋体6が回転する。このため、蓋体6を収納体5から離間させることで、回動部31を軸に蓋体6が回動し、包装容器1を開閉することが可能となる。
【0059】
なお、図4に示すように、包装容器1は、包装されたたばこTが数本消費され、たばこTと包装容器1とに間隙が発生することで、ヒンジ部7の押圧により、回動部31を軸に、蓋体6を開閉することが可能となる。以下、図1〜4を用いて、ヒンジ部7の押圧による蓋体6の開閉について、具体的に説明する。
【0060】
図3に示すように、包装容器1は、蓋体6の閉塞時において、蓋体6の第2前壁21の下端の一部が、第1前壁11の突出部16と内体9の前内壁17との間に狭持される。これにより、蓋体6が収納体5の上方の開口端を覆い、且つ、蓋体6が突出部16により、回動を防止するように固定され、包装容器1は閉塞される。
【0061】
このような閉状態の包装容器1を開口させる場合には、先ず、蓋体6を上方に若干移動させ、第2前壁21を、突出部16及び前内壁17の狭持から開放させる。次に、ヒンジ部7の回動部31の下方、好ましくは、ヒンジ部7の回動部31と第1案内部32との間であって、第2案内部33上を押圧する。
【0062】
具体的には、一方の手の、親指及び中指により、包装容器1の第1側壁13を狭持するとともに、人差し指で当該ヒンジ部7を押圧する。
【0063】
このヒンジ部7の押圧により、回動部31の下方の第2案内部33は、谷折り側に曲折し、且つ、第1案内部32が山折り側に曲折する。同時に、回動部31は、圧痕71及び切断部74に案内され、第1案内部32と同様に谷折り側に曲折する。
【0064】
これらの曲折により、回動部31及び第1案内部32間が押圧方向へと撓む。詳しくは、これら回動部31及び第1案内部32の曲折により、回動部31及び第1案内部32間においては、図2に示すように、押圧した部位が撓み、第2案内部33を中心に対称の面が互いに近接するように撓む。
【0065】
また、回動部31の曲折により、第2後壁22は、回動部31の上方の第2案内部33を中心に、第2後壁22の左右側の面が突出するように撓む。即ち、回動部31の上方の第2案内部33は山折り側への曲折が案内され、押圧方向とは反対の方へと撓む。
【0066】
これら各部の曲折により、蓋体6は、第2後壁22が撓みながら(湾曲しながら)回動部31を支点に回動し、蓋体6が収納体5から離間し、包装容器1が開口状態となる。なお、ヒンジ部7の押圧を継続して行うことで、包装容器1は開口状態を維持することが可能となる。
【0067】
次に、ヒンジ部7の押圧を解除すると、曲折した回動部31及び第1、第2案内部32,33が復元し、蓋体6は閉塞方向へと回動部31を支点に回動する。なお、ヒンジ部7は、圧痕71,72,73が一度折り曲げられると、折り痕(折目)が発生するため、完全には復元しない。また、蓋体6は、内体9と干渉する。このため、ヒンジ部7の押圧の解除により、蓋体6は自然には閉塞しない。
【0068】
このため、完全に包装容器1を閉塞させる場合には、蓋体6を直接回動させ、蓋体6と内体9とを干渉させるとともに、第2前壁21の下端の一部を、突出部16及び前内壁17に狭持させる。これにより、蓋体6を収納体5の上端と当接し、収納体5の開口を閉塞させる。
【0069】
このように構成された包装容器1によれば、ヒンジ部7の回動部31より下方を押圧することで、第1後壁22が撓み、この撓みにより、斜方に形成された回動部31が曲折し、この曲折により蓋体6が回動部31を中心に回動することとなる。
【0070】
さらに、ヒンジ部7は、回動部31の下方に第1案内部32を、回動部31及び第1案内部32の中央側に第2案内部33を設ける構成とすることで、第1、第2案内部32,33により、撓みがより案内され、蓋体6の回動を確実に行なうこととなる。
【0071】
このため、包装容器1は、ヒンジ部7の押圧により、蓋体6を回動させて、開口することが可能となり、包装容器1の蓋体6の回動、即ち、包装容器1の開口を容易とすることが可能となる。即ち、押圧による撓みを、
具体的には、従来の包装容器では、一方の手で収納体を持ち、他方の手で蓋体を回動させることで開口させる。また、包装容器の開口の維持は、回動させた蓋体を一方の手の指で押さえることが必要であった。このため、包装容器の開口及び開口の維持は、幾つかの動作が必要であり、又、両手を使用する必要がある。このため、片手での包装容器の開口及び開口の維持が困難なこともある。
【0072】
しかし、本実施の形態の包装容器1によれば、蓋体6が突出部16及び前内壁17の狭持から開放されていれば、ヒンジ部7の押圧だけで蓋体6を回動させ、包装容器1の開口及び開口維持が可能となる。このように、包装容器1は、開口及び開口維持が容易にできる。
【0073】
また、一度でも圧痕71が曲折すると、回動部31には折り痕が発生する。このため、ヒンジ部7の押圧をせず、第1側壁13、特に、第1側壁13の後方側を、互いに近接する方向に押圧すると、第1後壁12が撓み、回動部31及び第1案内部32が曲折する。このため、ヒンジ部7の押圧と同様に、蓋体6を回動させることが可能となる。
【0074】
なお、本実施の形態では、回動部31は、圧痕71だけでなく、切断部74も設ける構成とすることで、回動部31の曲折が、圧痕71及び切断部74により案内されるため、より確実に、回動部31が曲折し、蓋体6を回動させることが可能となる。
【0075】
上述したように、本実施の形態に係る包装容器1によれば、ヒンジ部7は、幅方向Wの中央側に向うにつれて、幅方向Wに対して斜め下方に傾斜する回動部31を有する構成とすることで、ヒンジ部7又は第1側壁13を押圧することで、回動部31がその傾斜に沿って曲折し、蓋体6が回動することとなる。これにより、包装容器1の開口が押圧により可能となり、包装容器1の開口及び開口の維持が容易となる。
【0076】
なお、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではない。例えば、上述したヒンジ部7では、回動部31に、さらに第1案内部32及び第2案内部33を設ける構成を記載したが、これに限定されない。次に、本発明の第2の実施の形態に係る包装容器1Aを、図6〜8を用いて説明する。
【0077】
図6は第2の実施の形態に係る包装容器1Aの構成を示す斜視図、図7は同包装容器1のA構成を示す斜視図、図8は同包装容器1Aのブランク2Aの構成を示す平面図である。
【0078】
包装容器1Aは、図6,7に示すように、収納体5Aと、蓋体6Aと、ヒンジ部7Aと、を備えている。包装容器1Aは、これら収納体5A、蓋体6A及びヒンジ部7Aが一体に形成される。また、包装容器1Aは、被包装体の包装時においては、その外形状が略直方体に形成されている。
【0079】
包装容器1Aは、例えば、内包体に包装された被包装体である菓子やベビーフード等を包装可能なものである。具体的に説明すると、包装容器1Aは、被包装体である幼児離乳食がスティック状に包装された内包体を複数包装可能に形成されている。
【0080】
包装容器1Aは、その材料として、紙素材、例えば、コートボール310g/mが用いられる。包装容器1Aは、図8に示すように、紙素材から、打ち抜き加工により形成されたブランク2Aを組み立てることで形成される。
【0081】
内包体は、例えば、内部に被包装体を包装後、被包装体である、食品の劣化を防止するために、窒素を封入可能な袋状に形成されている。この内包体は、単数又は複数設けられる。なお、内包体の詳細な構成、及び、図面中への記載は省略する。
【0082】
収納体5Aは、第1前壁11Aと、第1後壁12Aと、一対の第1側壁13Aと、底壁14Aとを備えている。
【0083】
第1前壁11Aは、平面視で幅方向Wが高さ方向Hよりも短い長方形状に形成されている。また、第1前壁11Aは、その上端縁にジッパー部120が設けられている。なお、ジッパー部120は、包装容器1Aの開封帯であり、収納体5Aと蓋体6Aとを連結させるとともに、開封時に切除されることで、包装容器1Aを開封可能に形成されている。
【0084】
第1後壁12Aは、下方の形状が第1前壁11Aと同様形状に形成され、その上方にヒンジ部7Aが形成されている。なお、第1後壁12Aは、ヒンジ部7Aを介して蓋体6Aの一部と連続して形成されている。
【0085】
第1側壁13Aは、第1前壁11A及び第1後壁12Aを連結させるとともに、その上端が傾斜する台形状に形成されている。底壁14Aは、平面視で長方形状に形成され、第1前壁11A、第1後壁12A及び一対の第1側壁13Aを下端側で連結する。
【0086】
蓋体6Aは、第2前壁21Aと、第2後壁22Aと、一対の第2側壁23Aと、天壁24Aと、を備えている。
【0087】
第2前壁21Aは、平面視で幅方向Wが高さ方向Hよりも長く、且つ、その幅は、第1前壁11Aと略同一寸法の長方形状に形成されている。また、第2前壁21Aは、包装容器1Aが未開封時においては、第1前壁11Aとジッパー部120を介して連続して形成されている。即ち、ジッパー部120を切除後、第2前壁21Aは、第1前壁11Aと離間する。
【0088】
第2後壁22Aは、上方の形状が第2前壁21Aと同様形状を有し、その下方にヒンジ部7Aが形成されている。
【0089】
第2側壁23Aは、第2前壁21A及び第2後壁22Aを連結するとともに、その下端が傾斜する台形状に形成されている。第2側壁23Aは、その下端の傾斜角度が、第1側壁13Aの上端の傾斜角度と略同一の角度に形成されている。なお、第1側壁13Aの上端及び第2側壁23Aの下端は、包装容器1Aが未開封時において、連続している。第1側壁13Aの上端及び第2側壁23Aの下端の境目には、後述する切断部155が等間隔で形成されており、包装容器1Aの開封時に、切断部に案内されて、第1側壁13A及び第2側壁23Aが離間する。
【0090】
天壁24Aは、平面視で長方形状に形成され、第2前壁21A、第2後壁22A及び一対の第2側壁23Aを上端側で連結する。
【0091】
ヒンジ部7Aは、第1後壁12A及び第2後壁22A間に設けられ、第1後壁12Aに対して第2後壁22Aを回動可能に形成されている。具体的には、ヒンジ部7は、回動部31Aと、第2案内部33Aと、を備えている。
【0092】
回動部31Aは、第1、第2後壁12A,22Aの幅方向Wの両端側から中央側に向って、幅方向Wに沿って所定の距離それぞれ設けられ、且つ、所定の距離から中央側に向かって傾斜して形成されている。即ち、回動部31Aは、幅方向Wに延設する端部を有するV字状に形成されている。なお、例えば、回動部31Aの傾斜角度は、上述の回動部31の傾斜角度と略同一角度に形成されている。
【0093】
第2案内部33Aは、第1、第2後壁12A、22Aの幅方向Wの中央部に、高さ方向Hに沿って設けられている。具体的には、第2案内部33Aは、第2後壁22の幅方向W及び高さ方向Hの略中央であって、回動部31から上下方向に、高さ方向Hに沿って延設されている。
【0094】
即ち、ヒンジ部7Aは、上述したヒンジ部7の第1案内部32を有さない構成である。
【0095】
次に、このような包装容器1Aを形成するブランク2Aについて説明する。なお、図8中、鎖線は、ブランク2Aの折線を示し、太線は切断部をそれぞれ示している。
【0096】
ブランク2Aは、包装容器1Aを展開した形状に紙素材を打ち抜き加工により切断した素材片である。ブランク2Aは、前面130と、一対の側面131と、後面132と、底面133と、天面134と、を備えている。また、ブランク2Aは、第1接続面135と、第2接続面136と、第3接続面137と、第4接続面138と、第5接続面139と、第6接続面140と、第7接続面141と、を備えている。
【0097】
前面130は、第1前壁11A、第2前壁21A及びジッパー部120が連続する形状に、圧痕145,146,147,148及び切断部149により形成されている。なお、切断部149は、複数連続させることで、ジッパー部120の外形を形成する。なお、この切断部149は、ジッパー部120へ一方向の力を印加した際に、切除可能な配置及び形状に形成されている。
【0098】
一対の側面131は、圧痕145,147をそれぞれ介して前面130に隣接して設けられている。側面131は、圧痕145,149,150,151、及び、圧痕147,152,153,154により、第1、第2側壁13A,23Aの形状に形成される。なお、側面131は、第1側壁13Aの上端及び第2側壁23Aの下端を形成する切断部155が複数形成されている。
【0099】
後面132は、第1、第2後壁12A、22Aが、ヒンジ部7Aを介して連続する形成に、圧痕150,156,157及び切断部157により形成されている。なお、後面132は、ヒンジ部7Aが圧痕161,162及び複数の切断部163により形成されている。なお、圧痕161は、回動部31Aと同形状に設けられ、複数の切断部163は、この圧痕161の一部を切断することで形成されている。
【0100】
回動部31Aを形成する圧痕161及び切断部163の傾斜角度は、上述した回動部31の圧痕71及び切断部74と略同一の傾斜角度に形成されている。
【0101】
底面133は、例えば、圧痕148を介して前面130に隣接して設けられ、第2〜第4接続面136〜138と積層し、且つ、接着することで、包装容器1Aの底壁14Aを形成可能に形成されている。
【0102】
天面134は、例えば、圧痕146を介して前面130に隣接して設けられ、第5〜第7接続面139〜141と積層し、且つ、接着することで、包装容器1Aの天壁24Aを形成可能に形成されている。
【0103】
第1接続面135は、圧痕153を介して一方の側面131に隣接して設けられ、後面132の一部と積層し、接着可能に形成されている。なお、第1接続面135は、後面132に積層された際に、後面132に設けられた圧痕161と重なる部位に、切断又は圧痕が設けられている。
【0104】
このように構成されたブランク2Aは、ヒンジ部7を形成する圧痕161,162を除く各圧痕が同方向に折りこまれ、接着材により底面133、天面134及び各接合面135〜141が積層され、且つ、接着されることで、包装容器1Aが形成される。
【0105】
このように構成された包装容器1Aは、ジッパー部120を切除し、蓋体6Aを収納体5Aから離間させる方向に回動させることで、切断部155が破断し、蓋体6Aと収納体5Aとが離間し、且つ、ヒンジ部7Aの圧痕161が折り曲げられ、回動部31Aが形成される。以降、蓋体6Aの開閉時には、ヒンジ部7の回動部31が曲折することとなる。
【0106】
なお、包装容器1Aは、回動部31Aが一度折り曲げられることで、上述した包装容器1Aと同様に、ヒンジ部7A又は第1側壁13Aの押圧により、回動部31Aを軸に、蓋体6Aを開閉することが可能となる。
【0107】
即ち、包装容器1Aは、回動部31Aの下方であって、第2案内部33上を押圧する。例えば、一方の手の、親指及び中指により、包装容器1Aの第1側壁13Aを狭持するとともに、人差し指で当該ヒンジ部7Aを押圧する。
【0108】
このヒンジ部7Aの押圧により、回動部31Aの下方の第2案内部33Aは、谷折り側に曲折し、且つ、当該第2案内部33A周辺は押圧方向に撓むことで、回動部31Aが谷折り側に曲折することとなる。
【0109】
このため、回動部31Aにおいては、図7に示すように、第2案内部33を中心に対称の面が互いに近接するように撓む。また、回動部31Aにより回動する第2後壁22Aは、回動部31Aの上方の第2案内部33Aを中心に、第2後壁22Aの左右側の面が突出するように撓む。これらにより、蓋体6Aは、上述した包装容器1の蓋体6と同様に、第2後壁22Aが撓みながら回動部31Aを支点に回動し、蓋体6Aが収納体5Aから離間し、包装容器1Aが開口状態となる。なお、ヒンジ部7Aの押圧を維持することで、包装容器1Aは開口状態を維持することが可能となる。
【0110】
上述したように、本実施の形態に係る包装容器1Aによれば、ヒンジ部7Aは、幅方向Wの中央側に向うにつれて、斜め下方に傾斜する回動部31を有する構成とすることで、上述した包装容器1と同様に、ヒンジ部7Aを押圧、又は、第1側壁13Aを押圧することで、蓋体6Aが回動することとなる。
【0111】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではない。例えば、上述した例では、回動部31,31Aは、圧痕71,161に切断部74,163を設ける構成を説明したが、切断部74,163の長さ及び数は、ブランク2、2Aの紙素材や寸法形状によって適宜設定可能であり、また、切断部74を設けない構成でもよい。
【0112】
特に、上述した例では、回動部31、31Aは、第2後壁22、22A及び天壁24、24Aとの稜線に対して20°としたがこれに限定されない。この20°は、上記寸法及び紙素材で形成した場合に、好ましい開度が得られた寸法であり、各寸法、紙素材及び用途に応じて、適宜設定可能である。また、第1案内部32も同様に適宜設定可能である。
【0113】
また、上述した例では、包装容器1では、ヒンジ部7として、回動部31、第1案内部32及び第2案内部33を有する構成を、包装容器1Aでは、ヒンジ部7Aとして、回動部31A及び第2案内部33Aを有する構成を記載したが、これに限定されない。例えば、第2案内部を有さずに、第1案内部を有する構成であってもよく、また、回動部のみの構成であってもよい。さらに言えば、回動部31の上方又は下方にのみ第2案内部を有する構成であってもよい。
【0114】
但し、各案内部は、回動部を曲折させて蓋体を回動させるために、ヒンジ部を押圧した際の撓みを案内し、部分的に撓みを集中させ、撓み量を大きくさせる。ヒンジ部は、この撓み量がヒンジ部7周辺で大となることで、蓋体の回動量も大となる。
【0115】
このため、案内部が少ないと、撓みが分散し、撓み量が低減するため、蓋体の回動量は低減する。しかし、包装容器の寸法形状、及び、紙素材によっても蓋体の回動量は異なり、また、蓋体の回動度の要求も、使用の用途によって異なる。このため、ヒンジ部に設けられる各案内部は、包装容器の使用の用途、各寸法形状及び紙素材等によって適宜設定可能である。
【0116】
さらに、上述した例では、ブランク2,2Aにおいて、曲折を案内する折線として、各圧痕を設ける構成としたがこれに限定されない。例えば、ブランクの曲折を、ブランクの製造装置で行う場合には、折線を案内させる必要がないため、例えば、圧痕を設けなくともよい。この他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
【符号の説明】
【0117】
1,1A…包装容器、2,2A…ブランク、5,5A…収納体、6,6A…蓋体、7,7A…ヒンジ部、8…外体、9…内体、11,11A…第1前壁、12,12A…第1後壁、13,13A…第1側壁、14,14A…底壁、16…突出部(固定手段)、17…前内壁、18…側内壁、21,21A…第2前壁、22,22A…第2後壁、23,23A…第2側壁、24,24A…天壁、31.31A…回動部、32,32A…第1案内部、33,33A…第2案内部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被包装体をその内部に包装する包装容器において、
その上部に開口端を有する収納体と、
前記収納体の開口端を閉塞する蓋体と、
前記収納体及び前記蓋体を一体、且つ、前記蓋体を前記収納体に対して回動可能に連結させ、前記収納体及び前記蓋体の幅方向に対して所定の角度を有して、前記収納体及び前記蓋体の両端側から中央側に向かってそれぞれ傾斜する回動部を有するヒンジ部と、
を備えることを特徴とする包装容器。
【請求項2】
前記ヒンジ部は、前記回動部の両端から中央側に向かって傾斜する、前記回動部の頂角よりもその頂角が小に形成された第1案内部、及び、前記回動部の情報及び下方の少なくとも一方に設けられた第2案内部の少なくとも一方をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の包装容器。
【請求項3】
前記収納体は、前記開口端の閉塞時に前記蓋体を固定する固定手段を有することを特徴とする請求項1に記載の包装容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−184009(P2012−184009A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−46710(P2011−46710)
【出願日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(594162973)株式会社トッパンプロスプリント (4)
【Fターム(参考)】