説明

包装機

【課題】被包装物を包装シートで包み込む包装機において、包装機の駆動に必要なエネルギー効率の向上と、作業環境の悪化防止を図る。
【解決手段】包装シート10の取出し、成形、前記包装シート10への被包装物13の挿入、及び前記包装シートの封緘並びに圧着を行う各工程のアクチュエータは電気モータで駆動される構成であり、前記各アクチュエータの出力部の、移動速度、移動距離、又は、前記被包装物側への押圧力は、前記電気モータの出力を数値データで設定することで調節できること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装機に関するもので、該包装機の駆動源のエネルギー効率と、作業場の衛生環境の改善を企画するものである。
【背景技術】
【0002】
段ボール紙等の包装シートから成る包装箱に被包装物を充填して蓋閉めする包装機として、例えば、図4(要部の斜視図)に示す構造を有するものがある。
このものでは、図6に示す展開形状の包装シート(10)が用いられ、該包装シート(10)は、一枚のシートで構成されていると共に、一方向に順次配列された側面板部(100)、底面板部(101)、側面板部(102)、上面板部(103)と、これらの側辺部から延長するフラップ(a)〜(e)を備えている。
【0003】
図4に示すように、ストック部(11)には、包装シート(10)が積層状態でストックされていると共に、ストック部(11)にストックされた最下層の包装シート(10)は、取出装置(図示せず)で搬送コンベヤ(12)上に取り出されると共に、該取り出し時には、図示しない成形装置で折り曲げられ、これにより、搬送コンベヤ(12)の上流端に示される側面視略J字状の半成形状態の包装シート(10)となって搬送爪(120)(120)間にセットされる。
【0004】
一方、被包装物(13)は図示しない電気モータで駆動される供給コンベヤ(14)から、第1シャッタ(15)→第2シャッタ(16)→中継リフタ(17)の順序で移し替えられつつ段積みされる(同図のものでは5段積み)と共に、前記段積みされた中継リフタ(17)上の被包装物(13)は、抜き取りプッシャ(18)で待機テーブル(19)上に送られる。又、前記抜き取りプッシャ(18)と挿入プッシャ(20)が交互に動作することにより、前記段積された被包装物(13)が2列状で待機テーブル(19)上にセットされる。
【0005】
次に、搬送コンベヤ(12)の上流端近傍にセットされた半成形状態(側面視略J字状に曲げられている)にある包装シート(10)上に、前記待機テーブル(19)にある段積みされた2列状の被包装物(13)(13)が挿入プッシャ(20)で挿入される。そして、前記包装シート(10)とこれに載置された被包装物(13)(13)は搬送コンベヤ(12)で下流側の糊付けステーション(N)に搬送された後、該糊付けステーション(N)に設けられた糊塗布装置(70)(70)が作動してフラップ(a)(c)等に接着糊(21)(21)が塗布される。尚、糊付けステーション(N)の上流側で包装シート(10)の上面板部(103)が図示しない折り曲げガイドで水平に折り曲げられる。
【0006】
次に、前記糊付け後の包装シート(10)等が圧着ステーション(P)まで搬送されると、フラップ(e)(b)(d)が押圧プッシャ(22)(23)で押圧され、これにより、各フラップ(e)(b)(d)が糊付けされた包装品(A)が完成する。
【0007】
このものでは、第1シャッタ(15)、第2シャッタ(16)、中継リフタ(17)、抜き取りプッシャ(18)、挿入プッシャ(20)、押圧プッシャ(22)(23)はエアシリンダで構成されている。エアシリンダは、他の駆動装置に比べて簡易構造で小型であることから、包装機全体の小型化が図られるからである。
【0008】
【特許文献1】特開2004−67239号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記従来のものでは、前述のように、第1シャッタ(15)、第2シャッタ(16)、中継リフタ(17)、抜き取りプッシャ(18)、挿入プッシャ(20)、押圧プッシャ(22)(23)がエアシリンダで構成されている。従って、前記エアシリンダの空気回路の配管抵抗によるエネルギーロスが大きくなると共に、エアシリンダから噴出される排気で周囲の埃等が舞い上げられて作業環境が悪化するという問題があった。そして、作業場に多数の包装機が設置されている場合は、前記エネルギーロスや、作業環境の悪化問題が顕著になることから、これらの問題を解消する技術が望まれていた。
【0010】
本発明はかかる点に鑑みて成されたもので、
『被包装物(13)(13)を包装シートで包装する包装機』において、包装機の駆動に必要なエネルギー効率の向上と、作業環境の悪化防止を図ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
[請求項1に係る発明]
上記課題を解決するための請求項1に係る発明の解決手段は、
『前記包装シートの取出し、成形、前記包装シートへの被包装物の挿入、及び前記包装シートの封緘並びに圧着を行う各工程のアクチュエータは電気モータで駆動される構成であり、
前記各アクチュエータの出力部の、移動速度、移動距離、又は、前記被包装物側への押圧力は、前記電気モータの出力を数値データで設定することで調節できる』ことである。
ここで「包装シート」とは、段ボール紙、ボール紙、その他のシート状のもの、及び、予め貼り合わせた状態でシート状に折り畳まれたもの(図10参照)を含む概念である。
このものでは、前記各アクチュエータが電気モータで駆動されるから、これらがエアシリンダで構成された既述従来のように空気回路の配管抵抗によるエネルギーロスが発生せず、エネルギー利用率が向上する。又、既述従来のエアシリンダ式のもののように、噴出される排気で周囲の埃等が舞い上がって作業環境が悪化する不都合がない。
又、各アクチュエータを構成する電気モータの出力を数値データの設定によって調節することができるから、各アクチュエータの出力部(例えば、被包装物やこれを被覆する包装シートに対する押圧板)の移動速度、移動距離、又は、被包装物側への押圧力等の調節が容易に行える。
【0012】
[請求項2に係る発明]
請求項1に係る発明に於いて、
『前記アクチュエータは、前記電気モータで駆動される歯付きプーリと該歯付きプーリに噛み合って往復移動するタイミングベルトを具備し、前記往復移動が前記アクチュエータの出力として取り出せる』ものでは、前記電気モータの作動に伴うタイミングベルトの往復移動が、アクチュエータの出力として取り出される。
【0013】
[請求項3に係る発明]
請求項1に係る発明に於いて、
『前記アクチュエータは、前記電気モータの回転運動を往復運動に変換するクランク機構を具備しており、前記往復移動が前記アクチュエータの出力として取り出せる』ものでは、前記電気モータの作動に伴うクランク機構の出力たる往復移動が、アクチュエータの出力として取り出される。
【発明の効果】
【0014】
本発明は次の特有の効果を有する。
請求項1〜3に係る発明では、既述したように、アクチュエータがエアシリンダで構成された既述従来のように空気回路の配管抵抗によるエネルギーロスが発生せず、エネルギー利用率が向上する。
【0015】
又、既述従来のエアシリンダ式のもののように、噴出される排気で周囲の埃等が舞い上がって作業環境が悪化する不都合がない。
更に、既述したように、各アクチュエータの出力部(例えば、被包装物やこれを被覆する包装シートに対する押圧板)の移動速度、移動距離、又は、被包装物側への押圧力等の調節が容易に行える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1は本発明の実施の形態に係る包装機の平面図、図2はその正面図、図3は側面図である。
図1に示すように、作業者(M)によって被包装物(13)(袋詰め品や小箱品)が移し替えられる供給コンベヤ(14)の下流側には、第1シャッタ駆動源(150)で水平方向に前後移動される第1シャッタ(15)が設けられている。
【0017】
第1シャッタ駆動源(150)は、図7に示す構成を有している。
このものは、リニアガイド(61)に添設されたタイミングベルト(60)と、該タイミングベルト(60)の走行域に配設されたテンションローラ(62)(63)と、これらテンションローラ(62)(63)間に配設された歯付きプーリ(64)(タイミングベルト(60)の下面に形成された歯に噛み合う)を具備しており、歯付きプーリ(64)には、その中心軸(67)に固定された歯車(66)を介して電気モータ(65)(サーボモータ、又はパルスモータ、若しくは3相モータ等で構成されている。)の回転力が伝達されるようになっている。又、タイミングベルト(60)は、歯付きプーリ(64)に対応する部分のみがリニアガイド(61)から上方へ持ち上がるようになっている。そして、リニアガイド(61)の出力部(図7のものでは右端)に第1シャッタ(15)を取り付けると、電気モータ(65)が回転した場合には、その回転力が歯付きプーリ(64)に伝達され、該歯付きプーリ(64)とタイミングベルト(60)の下面歯との噛み合いによって該タイミングベルト(60)を具備するリニアガイド(61)が左右に移動する。これにより、該リニアガイド(61)の出力部に取り付けられた第1シャッタ(15)も左右に往復移動する。従って、図7の構造の第1シャッタ駆動源(150)を使用した場合には、電気モータ(65)の作動によって、第1シャッタ(15)がリニアガイド(61)と共に往復移動し、これにより、第1シャッタ(15)が被包装物(13)の下側から引き抜かれる。
【0018】
又、図4に示すように、第1シャッタ(15)の下方には水平方向に前後移動する第2シャッタ(16)が配設されていると共に、該第2シャッタ(16)は前記第1シャッタ駆動源(150)と同様な構造の第2シャッタ駆動源(160)で駆動されるようになっている。このため、第2シャッタ駆動源(160)を構成するリニアガイド(61)(図7参照)の出力部には第2シャッタ(16)が取り付けられる。
【0019】
第2シャッタ(16)の下方には、中継リフタ(17)が配設されていると共に、該中継リフタ(17)は、昇降テーブル(170)とこれを昇降させるテーブル駆動源(171)(既述「アクチェータ」に対応する。)から構成されている。このテーブル駆動源(171)も前記第1シャッタ駆動源(150)と同様な構造を有している。そして、テーブル駆動源(171)を構成するリニアガイド(61)(図7参照)の出力部には昇降テーブル(170)が取り付けられる。
【0020】
中継リフタ(17)に段積みされた被包装物(13)(13)を待機テーブル(19)上に移送する抜き取りプッシャ(18)は、既述アクチェータたる抜き取りプッシャ用駆動源(180)とこれで駆動される押圧板(181)を備えており、前記抜き取りプッシャ用駆動源(180)も前述の第1シャッタ駆動源(150)と同様な構造を有している。そして、抜き取りプッシャ用駆動源(180)を構成するリニアガイド(61)(図7参照)の出力部には押圧板(181)が取り付けられる。
【0021】
待機テーブル(19)上の被包装物(13)(13)を、搬送コンベヤ(12)で搬送される包装シート(10)上に挿入する既述アクチェータたる挿入プッシャ(20)は、挿入プッシャ用駆動源(200)とこれで駆動される押圧板(201)を備えており、この挿入プッシャ用駆動源(200)も前記第1シャッタ駆動源(150)と同様な構造を有している。そして、挿入プッシャ用駆動源(200)を構成するリニアガイド(61)(図7参照)の出力部には押圧板(201)が取り付けられる。
【0022】
待機テーブル(19)から供給される被包装物(13)(13)は、搬送コンベヤ(12)(図示しない電気モータで駆動される)によって包装シート(10)と共に搬送されながら該包装シート(10)で包装されるようになっていると共に、前記搬送コンベヤ(12)の上流側には、包装シート(10)(10)を積層状態でストックするストック部(11)が配設されている。この包装シート(10)は、一枚のシートで構成されていると共に、本実施の形態では図6の展開形状を有している。具体的には、一方向に順次配列された側面板部(100)、底面板部(101)、側面板部(102)、上面板部(103)と、これらの側辺部から延長するフラップ(a)〜(e)を備えている。
【0023】
ストック部(11)にストックされた最下層の包装シート(10)を取り出す取出装置(3)は、図5に示すように、回動軸(30)を支点に上下に回動する取出アーム(31)(これのアクチュエータも電気モータで駆動される)と、これに長手方向に間隔を置いて取り付けられた吸着ヘッド(32)(32)を備えている。このものでは、ストック部(11)に積層状態でストックされた包装シート(10)(10)のうち、最下層の包装シート(10)を吸着ヘッド(32)(32)に吸着させた状態で、回動軸(30)を支点にして取出アーム(31)を下方に回動させると、前記最下層の包装シート(10)がストック部(11)から搬送コンベヤ(12)上の搬送爪(120)(120)間に取り出される。この取り出し時には、取出装置(3)の吸着ヘッド(32)(32)に吸着保持された包装シート(10)は、図示しない成形装置で折り曲げられ、これにより、図5の想像線で示すような側面略J字状に折り曲げられた半成形状態になり、この半成形状態の包装シート(10)が搬送爪(120)(120)間にセットされる。
【0024】
側面略J字状に折り曲げられた半成形状態にある包装シート(10)の搬送域の下流側の糊付けステーション(N)には、包装シート(10)のフラップ(a)(c)等の接着部に接着糊(21)(21)をノズル噴射口から噴射して塗布する為の糊塗布装置(70)(70)が設けられている。
尚、糊付けステーション(N)の上流側には、包装シート(10)の上面板部(103)を水平に折り曲げたり、フラップ(a)(c)等を折り曲げる折り曲げガイド等からなる、フラップ折曲装置(図示せず)が配設されている。図4の押圧プッシャ(22)は、前記フラップ折曲装置の一つであり、水平状態にあるフラップ(a)を下向きに折り曲げる機能と、前記折り曲げと同時にフラップ(a)を側面板部(100)に押圧する機能を兼備している。押圧プッシャ(22)は、前記第1シャッタ駆動源(150)と同一構造のアクチェータたる折曲駆動源(220)とこれによって上下移動されるアングル状のフラップ押圧板(221)を備えている。このため、折り曲げ駆動源(220)に対応するリニアガイド(61)(図7参照)の出力部にはフラップ押圧板(221)が取り付けられる。
【0025】
搬送コンベヤ(12)の走行域の両側方であって前記押圧プッシャ(22)の配設部近傍には、前記糊塗布装置(70)で接着糊(21)(21)が塗布されたフラップ(a)(c)上にフラップ(b)(d)を押圧する押圧プッシャ(23)が配設されており、該押圧プッシャ(23)はアクチェータたるフラップ押圧駆動源(230)(前記第1シャッタ駆動源(150)と同一構成を有している。)とこれで駆動される押圧板(231)を備えている。このため、フラップ押圧駆動源(230)に対応するリニアガイド(61)(図7参照)の出力部には押圧板(231)が取り付けられる。前記フラップ(b)(d)に対する押圧板(231)(リニアガイド(61)の出力部でもある)の押圧力、移動速度、移動距離、即ち、アクチュエータたるフラップ押圧駆動源(230)の出力は、該フラップ押圧駆動源(230)を構成する電気モータ(65)の出力を数値データで設定することにより調節できるようになっている。このため、図7の想像線で示すように、コントローラ(80)には、前記数値データを設定するデータ入力キー(81)が設けられている。
【0026】
尚、第1、第2シャッタ駆動源(150)(160)、テーブル駆動源(171)、抜き取りプッシャ用駆動源(180)、挿入プッシャ用駆動源(200)の出力(移動速度、移動距離、被包装物等に対する押圧力)も、コントローラ(80)で数値設定できるようになっている。
搬送コンベヤ(12)の下流側には、該搬送コンベヤ(12)から排出される包装完了後の包装品(A)を排出するフリーコンベヤ(5)に適宜移し替える為の移替装置(リフタ等)が配設されている。
【0027】
次に、本実施の形態に係る上記包装機の動作を説明する。
図示しないストック部にストックされた被包装物(13)(13)を、作業者(M)が供給コンベヤ(14)上に載置すると(図1参照)、供給コンベヤ(14)から排出される被包装物(13)が第1シャッタ(15)で受け止められる。すると、図7に示すように、第1シャッタ駆動源(150)を構成する電気モータ(65)が駆動され、その回転運動が前述したように直線運動に変換されて進退ロッド(418)が進退動作し、その先端に取り付けられた第1シャッタ(15)が被包装物(13)の下方から引き抜かれ、これにより、第1シャッタ(15)上の被包装物(13)が第2シャッタ(16)上に落下する。その後、第2シャッタ駆動源(160)の作動によって、第2シャッタ(16)が被包装物(13)(13)の下方から引き抜かれると、第2シャッタ(16)上の被包装物(13)(13)が中継リフタ(17)の昇降テーブル(170)上に落下してこれで受け止められる。そして、第1、第2シャッタ(15)(16)の前記動作が繰り返されることにより、中継リフタ(17)の昇降テーブル(170)上に被包装物(13)(13)が5段積みされる。尚、中継リフタ(17)の昇降テーブル(170)は、これへの被包装物(13)の段積み数が増加するに伴って段階的に降下する制御が行われる。
【0028】
次に、抜き取りプッシャ(18)が作動して中継リフタ(17)上の5段積みの被包装物(13)(13)が待機テーブル(19)に移し替えられる。そして、抜き取りプッシャ(18)と挿入プッシャ(20)が交互に動作し、これにより、5段積みの被包装物(13)(13)が待機テーブル(19)上に2列ストックされる。
次に、搬送コンベヤ(12)の上流端部近傍の搬送爪(120)(120)間にセットされた半成形状態(側面視略J字状に曲げられている)の包装シート(10)上に、5段積みされた2列状の被包装物(13)(13)が挿入プッシャ(20)で押し出される。
【0029】
すると、搬送コンベヤ(12)が間欠走行して包装シート(10)の上面板部(103)やフラップ(a)(c)等が図示しないフラップ折曲装置で順次折り曲げられると共に、糊付けステーション(N)に於いて、各フラップの糊付け部に糊塗布装置(70)から接着糊が塗布される。 そして、降下する押圧プッシャ(22)のフラップ押圧板(221)によって、フラップ(e)が側面板部(100)の糊付け部たる接着糊(21)(21)の塗布部に重なるように折り曲げられると共に押圧される(封緘並びに圧着)。
【0030】
又、搬送コンベヤ(12)の両側方に配設された押圧プッシャ(23)(23)の押圧板(231)(231)によって、フラップ(b)(d)がフラップ(a)(c)の接着糊(21)(21)塗布部たる糊付け部に押圧される(封緘並びに圧着)。このとき、押圧プッシャ(23)(23)の押圧板(231)(231)は所定の待機位置から、所定の移動距離だけ前方に押し出されるようにフラップ押圧駆動源(230)を構成する電気モータ(65)の作動量(電気モータの位相)が設定される。又、前記各フラップに対する両押圧板(231)(231)の押圧力(電気モータ(65)の駆動電圧)や移動速度(電気モータ(65)の回転数)はコントローラ(80)(図7参照)のデータ入力キー(81)で入力されており、これにより、各フラップに対する押圧板(231)(231)の押圧力が調節されるようになっている。
【0031】
これにより、被包装物(13)(13)が包装シート(10)で包装された包装品(A)が完成する。
そして、完成した包装品(A)は、搬送コンベヤ(12)の下流端部まで搬送されると、図示しない移替装置(リフタ等)によってフリーコンベヤ(5)上に移し替えられる。
尚、本実施の形態では、電気モータ(65)の電流を監視することにより、第1、第2シャッタ駆動源(150)(160)、抜き取りプッシャ用駆動源(180)、挿入プッシャ用駆動源(200)、折曲駆動源(220)、及び、フラップ押圧駆動源(230)等に過負荷が作用した場合には、異常が発生した判断し、これにより、包装機を停止させて安全状態が確保できるようにしている。
【0032】
このものでは、第1、第2シャッタ駆動源(150)(160)、テーブル駆動源(171)、抜き取りプッシャ用駆動源(180)、挿入プッシャ用駆動源(200)、及び、フラップ押圧駆動源(230)たるアクチュエータが、図7に示す電気モータ(65)で駆動される。又、ストック部(11)から包装シート(10)を取り出す為の取出アーム(31)用の駆動源たるアクチュエータも電気モータで構成されている。従って、既述従来のように空気回路の配管抵抗によるエネルギーロスが発生せずエネルギー利用率が向上すると共に、既述従来のエアシリンダ式のもののように噴出される排気で周囲の埃等が舞い上がって作業環境が悪化する不都合がない。
【0033】
尚、包装シート(10)のサイズを入力するサイズ入力手段を設け、包装シート(10)がサイズチェンジされた場合には、前記サイズ入力手段で新たなサイズを入力できる構成にしてもよい。そして、前記新たなサイズがサイズ入力手段で入力された場合は、1サイクル動作に於ける電気モータ(65)の初期位置と最終位置に相当する位相を設定できるようにすれば、前記サイズチェンジに容易に対応できる。
【0034】
図7、8は、第1、第2シャッタ駆動源(150)(160)、テーブル駆動源(171)、抜き取りプッシャ用駆動源(180)、挿入プッシャ用駆動源(200)、フラップ押圧駆動源(230)、及び、取出アーム(31)の駆動源の変形例の説明図であり、以下は、第1シャッタ駆動源(150)について例示的に説明する。
【0035】
第1シャッタ駆動源(150)は、サーボモータ、又はパルスモータ、若しくは3相モータ等から成る電気モータ(41)と、該電気モータ(41)の回転軸(410)に固定された入力側歯車(411)に噛み合う出力側歯車(412)が一端に固定されたクランク軸(413)と、該クランク軸(413)の他端に固定されたクランクアーム(414)と、これの出力部に連結軸(415)で回転自在に連結されたクランクロッド(416)と、該クランクロッド(416)の出力部に連結軸(417)で回転自在に連結された進退ロッド(418)と、該進退ロッド(418)をスライド自在に保持するホルダ(419)を具備しており、前記進退ロッド(418)の先端に第1シャッタ(15)が取り付けられるようになっている。従って、電気モータ(41)が作動すると、回転軸(410)の回転運動が、回転軸(410)→入力側歯車(411)→出力側歯車(412)→クランク軸(413)→クランクアーム(414)の径路で伝達されると共に、該回転運動がクランクロッド(416)で直線運動に変換されて進退ロッド(418)が進退動作され、これにより、第1シャッタ(15)が被包装物(13)の下側から引き抜かれる。
【0036】
上記した図8、9の構造の、第1シャッタ駆動源(150)、第2シャッタ駆動源(160)、テーブル駆動源(171)、挿入プッシャ用駆動源(200)、折曲駆動源(220)、フラップ押圧駆動源(230)、及び、取出アーム(31)用の駆動源を使用しても、エアシリンダを使用する場合のようにエネルギーロスが発生せずエネルギー利用率が向上する等の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の実施の形態に係る包装機の平面図
【図2】本発明の実施の形態に係る包装機の正面図
【図3】本発明の実施の形態に係る包装機の側面図
【図4】包装機の要部の斜視図
【図5】取出装置(3)の配設部近傍の側面図
【図6】包装シート(10)の展開図
【図7】本発明の実施の形態に係る包装機に組み込まれた第1シャッタ駆動源(150)の側面図
【図8】本発明の実施の形態に係る包装機に組み込まれた第1シャッタ駆動源(150)の変形例の側面図
【図9】図8に示された第1シャッタ駆動源(150)の平面図
【図10】包装シート(10)の他の例を説明する図
【符号の説明】
【0038】
(10)・・・包装シート
(12)・・・搬送コンベヤ
(13)・・・被包装物
(14)・・・供給コンベヤ
(15)・・・第1シャッタ
(16)・・・第2シャッタ
(17)・・・中継リフタ
(18)・・・抜き取りプッシャ
(19)・・・待機テーブル
(20)・・・挿入プッシャ
(181)・・・押出板
(231)・・・押圧板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被包装物(13)(13)を包装シートで包装する包装機において、
前記包装シートの取出し、成形、前記包装シートへの被包装物の挿入、及び前記包装シートの封緘並びに圧着を行う各工程のアクチュエータは電気モータで駆動される構成であり、
前記各アクチュエータの出力部の、移動速度、移動距離、又は、前記被包装物側への押圧力は、前記電気モータの出力を数値データで設定することで調節できる、包装機。
【請求項2】
請求項1に記載の包装機に於いて、
前記アクチュエータは、前記電気モータで駆動される歯付きプーリと該歯付きプーリに噛み合って往復移動するタイミングベルトを具備しており、前記往復移動が前記アクチュエータの出力として取り出せる、包装機。
【請求項3】
請求項1に記載の包装機に於いて、
前記アクチュエータは、前記電気モータの回転運動を往復運動に変換するクランク機構を具備しており、前記往復移動が前記アクチュエータの出力として取り出せる、包装機。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−89788(P2010−89788A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−258262(P2008−258262)
【出願日】平成20年10月3日(2008.10.3)
【出願人】(391029819)株式会社オーエム製作所 (34)
【Fターム(参考)】