説明

包装用容器

【課題】パルプモールド製の容器本体1に合成樹脂シート製の蓋体2を載置するときの位置決めを容易且つ正確に行うことができるようにする。
【解決手段】複数の下側収容凹部13を備えた容器本体1と、下側収容凹部13に対応する上側収容凹部23を備えた蓋体2を有し、平行な縁面11a・21a・/11b・21bを粘着テープ3a,3bで貼り合わせて使用される包装用容器。容器本体1は台面部15aに貫通孔15bを備えた略四角錐台形状の下側凸部15を有し、蓋体2は台面部25aに貫通孔15bに対応する突起部25bを備えた略四角錐台形状の上側凸部25を有する。容器本体1の外周縁面11に蓋体2の外周縁面21を載置したとき、下側凸部15の台面部15aに上側凸部25の台面部25aが当接し且つ貫通孔15bに突起部25bが嵌合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鶏卵等の包装用容器に関する。詳しくは、パルプモールド製の容器本体と合成樹脂製の蓋体から成り、使用に際して、容器本体の外周縁面上に蓋体の外周縁面を重ねて載置し、外周縁面の中の一対の平行な2辺の縁面を粘着テープで貼り合わせて一体化する包装用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
容器本体と蓋体とから成る鶏卵等の包装用容器としては、合成樹脂シートを成形して成る容器や、パルプモールド製の容器が提供されている。何れの容器の場合も容器本体と蓋体とをヒンジ部を介して折り返し自在とすることにより、容器本体と蓋体とを一体化している。合成樹脂シートから成形された包装用容器としては、例えば、特開2002−234520号公報(特許文献1)の包装用容器を挙げることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−234520号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
合成樹脂製の包装用容器は透明化できるため、容器を閉じた状態でも内部の収容物を容易に視認できるという長所を持つが、通気性に欠けるという欠点も有する。
これに対して、パルプモールド製の包装用容器は、透明化できないため容器を閉じた状態では内部の収容物を視認できないが、その反面、通気性を有するため鶏卵等の収容物の保存期間の点で有利である。
これら両者の長所を併せ持つ包装用容器に対する需要がある。即ち、容器本体をパルプモールド製とし、蓋体を合成樹脂製とした包装用容器に対する需要がある。
【0005】
容器本体をパルプモールド成形体で構成し、蓋体を合成樹脂成形体で構成する場合、当然ながら、容器本体と蓋体とは全く異質な別々の工程で製造される。このため、容器本体と蓋体とをヒンジ部を介して一体成形することはできず、例えば、容器本体に蓋体を被せた後、両者を粘着テープやホッチキス等で一体化することになる。
この一体化の作業を自動化したいという要請がある。
【0006】
容器本体と蓋体とを粘着テープ等で一体化する作業を自動化するためには、容器本体の上に、精度良く、蓋体を位置決めしなければならない。
しかし、パルプモールド製の容器本体と合成樹脂製の蓋体とは材質が全く異なり、それぞれの成形精度も異なるため、位置決めが困難である。
本発明は、パルプモールド製の容器本体の上に合成樹脂製の蓋体を精度良く位置決めできるようにすることで、両者を一体化する作業を自動化し、これにより、容器本体をパルプモールド成形体で構成し、蓋体を合成樹脂成形体で構成して成る包装用容器を提供できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の構成を、下記[1]〜[5]に記す。なお、この項([課題を解決するための手段])と次項([発明の効果])に於いて、符号は理解を容易にするために付したものであり、本発明を符号の構成に限定する趣旨ではない。
[1]構成1
水平な外周縁面11に囲まれる略方形のトレイ内に複数の下側収容凹部13を格子状に形成して成るパルプモールド製の容器本体1と、該容器本体1の外周縁面11に対応する外周縁面21及び下側収容凹部13に対応する上側収容凹部23を形成して成る合成樹脂製の蓋体2とを有し、容器本体1の外周縁面11に蓋体2の外周縁面21を重ねて載置し、外周縁面11,21の中の一対の平行な2辺の縁面11a・21a・/11b・21bをそれぞれ粘着テープ3a,3bで貼り合わせて使用される包装用容器であって、
前記容器本体1は、台面部15aに貫通孔15bを備えた略四角錐台形状を成すように、隣接する4個の下側収容凹部13−1,13−2,13−3,13−4で囲まれる中央位置に凸設形成された下側凸部15を有し、
前記蓋体2は、台面部25aに前記貫通孔15bに対応する突起部25bを備えた略四角錐台形状を成すように、前記容器本体1の下側凸部15に対応する位置に凸設形成された上側凸部25を有し、
前記容器本体1の外周縁面11に前記蓋体2の外周縁面21を載置したとき、前記下側凸部15の台面部15aに前記上側凸部25の台面部25aが当接し且つ前記貫通孔15bに前記突起部25bが嵌合する、
ことを特徴とする包装用容器。
【0008】
[2]構成2
構成1に於いて、
前記容器本体1は、外周縁面11に沿って隣接する少なくとも一組の下側収容凹部13−1,13−2間の外周縁面寄りの位置に、外周縁面11より高く且つ外周縁面11側の壁面17aが傾斜をなすように凸設形成して成る縁突起部17を有し、
前記容器本体1の外周縁面11に前記蓋体2の外周縁面21を載置したとき、前記縁突起部17の外周縁面11側の壁面17aに案内されて該壁面17aに前記蓋体2の壁部26内面の対応部位が当接する、
ことを特徴とする包装用容器。
【0009】
[3]構成3
構成2に於いて、
前記縁突起部17を、外周縁面11の各辺に沿う位置にそれぞれ凸設形成して成る、
ことを特徴とする包装用容器。
【0010】
[4]構成4
構成2又は構成3に於いて、
前記容器本体1の縁突起部17の上端部17bは水平面を成し、
前記蓋体2は、前記縁突起部17に対応する位置の壁部26から内部へ凸設形成されて前記一組の下側収容凹部13−1,13−2間に対応する上側収容凹部23−1,23−2間を区画し、外周縁面21寄りの端部である下端部27bが水平面を成す張出部27を有し、
前記容器本体1の外周縁面11に前記蓋体2の外周縁面21を載置したとき、前記張出部27の下端部27bが前記縁突起部17の上端部17bに当接する、
ことを特徴とする包装用容器。
【0011】
[5]構成5
構成1〜構成4の何れかに於いて、
前記蓋体2の上側凸部25の突起部25bは円錐台形状を成す、
ことを特徴とする包装用容器。
【発明の効果】
【0012】
構成1は、水平な外周縁面11に囲まれる略方形のトレイ内に複数の下側収容凹部13を格子状に形成して成るパルプモールド製の容器本体1と、該容器本体1の外周縁面11に対応する外周縁面21及び下側収容凹部13に対応する上側収容凹部23を形成して成る合成樹脂製の蓋体2とを有し、容器本体1の外周縁面11に蓋体2の外周縁面21を重ねて載置し、外周縁面11,21の中の一対の平行な2辺の縁面11a・21a・/11b・21bをそれぞれ粘着テープ3a,3bで貼り合わせて使用される包装用容器であって、前記容器本体1は、台面部15aに貫通孔15bを備えた略四角錐台形状を成すように、隣接する4個の下側収容凹部13−1,13−2,13−3,13−4で囲まれる中央位置に凸設形成された下側凸部15を有し、前記蓋体2は、台面部25aに前記貫通孔15bに対応する突起部25bを備えた略四角錐台形状を成すように、前記容器本体1の下側凸部15に対応する位置に凸設形成された上側凸部25を有し、前記容器本体1の外周縁面11に前記蓋体2の外周縁面21を載置したとき、前記下側凸部15の台面部15aに前記上側凸部25の台面部25aが当接し且つ前記貫通孔15bに前記突起部25bが嵌合することを特徴とする包装用容器であるため、容器本体1に蓋体2を載置するときの位置決めを容易且つ正確に行うことができ、例えば、粘着テープによる貼り合わせを機械装置を用いて行う自動化が容易となる。また、蓋体2側の突起部25bの嵌合相手となる容器本体側の部位が有底の凹部ではなく貫通孔15bであるため、パルプモールド成形体である容器本体1側の成形精度が高くない場合でも、突起部25bが有底の凹部から浮き上がり蓋体2の外周縁面21が容器本体1の外周縁面11から浮き上がるような不具合も生じない。また、貫通孔15bが有るため、容器本体1のパルプモールド成形の乾燥工程が速やかになり、乾燥工程での変形も小さくなる。また、容器本体1側の台面部15aに蓋体2側の台面部25aが当接するため、下側収容凹部13と上側収容凹部23とで画定される収容空間を、下側凸部15と上側凸部25とによって支えることができ、強度を高めることができる。
【0013】
構成2は、構成1に於いて、前記容器本体1は、外周縁面11に沿って隣接する少なくとも一組の下側収容凹部13−1,13−2間の外周縁面寄りの位置に、外周縁面11より高く且つ外周縁面11側の壁面17aが傾斜をなすように凸設形成して成る縁突起部17を有し、前記容器本体1の外周縁面11に前記蓋体2の外周縁面21を載置したとき、前記縁突起部17の外周縁面11側の壁面17aに案内されて該壁面17aに前記蓋体2の壁部26内面の対応部位が当接することを特徴とする包装用容器であるため、容器本体1に蓋体2を載置するときの位置決めを更に容易且つ正確に行うことができ、例えば、粘着テープによる貼り合わせを機械装置を用いて行う自動化が更に容易となる。
構成3は、構成2に於いて、前記縁突起部17を、外周縁面11の各辺に沿う位置にそれぞれ凸設形成して成ることを特徴とする包装用容器であるため、容器本体1に蓋体2を載置するときの位置決めを更に容易且つ正確に行うことができ、例えば、粘着テープによる貼り合わせを機械装置を用いて行う自動化が更に容易となる。
【0014】
構成4は、構成2又は構成3に於いて、前記容器本体1の縁突起部17の上端部17bは水平面を成し、前記蓋体2は、前記縁突起部17に対応する位置の壁部26から内部へ凸設形成されて前記一組の下側収容凹部13−1,13−2間に対応する上側収容凹部23−1,23−2間を区画し、外周縁面21寄りの端部である下端部27bが水平面を成す張出部27を有し、前記容器本体1の外周縁面11に前記蓋体2の外周縁面21を載置したとき、前記張出部27の下端部27bが前記縁突起部17の上端部17bに当接することを特徴とする包装用容器であるため、下側収容凹部13と上側収容凹部23とで画定される収容空間を、下側凸部15と上側凸部25に加えて、縁突起部17と張出部27とによっても支えることができ、強度を更に高めることができる。
構成5は、構成1〜構成4の何れかに於いて、前記蓋体2の上側凸部25の突起部25bは円錐台形状を成すことを特徴とする包装用容器であるため、容器本体1に蓋体2を載置するときの位置決めを更に容易且つ正確に行うことができ、例えば、粘着テープによる貼り合わせを機械装置を用いて行う自動化が更に容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施の形態の鶏卵包装用容器を示す斜視図。(a)は蓋体2、(b)は容器本体1に蓋体2を取り付けた状態、(c)は容器本体1を示す。
【図2】容器本体1に蓋体2を取り付けた状態を示し、(a)は平面図、(b)は図2(a)内の2B−2B線断面図、(c)は正面図、(d)は底面図。
【図3】容器本体1に蓋体2を取り付けた状態を示し、(a)は側面図、(b)は図2(a)内の3B−3B線断面図、(c)は3D−3D線断面図、(d)は(c)のD部拡大図、(e)は(b)のE部拡大図、(f)は(b)内のF部拡大図。
【図4】(a)は容器本体1の内部の平面図、(b)は正面図、(c)は蓋体2の内部の底面図(平面図の裏面側を示す図)、(d)は正面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
図示の包装用容器は鶏卵を収容するための容器であり、パルプモールド製の容器本体1の外周縁面11上に、合成樹脂(プラスチック;本例では透明)製の蓋体2の外周縁面21を重ねて載置した後、長辺方向の縁面21a・11a/21b・11bの外面側を覆うように、それぞれ、粘着テープ3a/3bにより貼り合わせて成る。なお、粘着テープ3a/3bによる貼り合わせは、鶏卵の収容後に、所定の機械装置を用いて行われる。
【0017】
(1)容器本体1
容器本体1は、パルプモールド成形体である。即ち、古紙を水に溶解させたパルプ溶液中に、容器本体1に対応する形状の金網を設けた金型を浸し、背後から吸引して金網上に付着させた後、取り出し、乾燥して成る成形品である。パルプモールド成形法は周知であるため、製法の詳細は省略する。なお、本例では、容器本体1の外面側が金網に吸引される側(平滑面)であり、内面側が自由空間に曝される側(粗面)である。
【0018】
この容器本体1は、図4(a)に示すように、上面視で略長方形状(隅が湾曲するR長方形状)を成し、且つ、3次元的には全体的形状が凹部を成すトレイである。このトレイ内には、複数個(本例では10個)の下側収容凹部13が、2列5個の格子状に画定されて配設されている。即ち、格子点位置の各々に収容凹部13の中心が位置するように、それぞれ配設されている。なお、収容凹部13は、長楕円球形状の鶏卵を立てて、その略下半分を収容するためのものである。
また、容器本体1のトレイ開口部の全周には水平な外周縁面11が設けられており、この外周縁面11の中の長辺部11a,11bには、3個ずつ合計6個の切欠部110(図1(c)等参照)が形成されている。
【0019】
また、この容器本体1は、隣接する4個ずつの下側収容凹部13(例:収容凹部13−1,13−2,13−3,13−4)で囲まれる各中央位置に、略四角錐台形状に凸設形成された下側凸部15を有する。この下側凸部15は、その上端の台面部15aが水平であり、その中央には貫通孔15bが設けられている。但し、本例では、下側凸部15としては合計4個が設けられているが、貫通孔15bは長手方向中央寄りの2個の下側凸部15のみに設けられており、両端の2個の下側凸部には設けられていない。また、略四角錐台形状を成す各下側凸部15の4つの斜面は、それぞれ、当該下側凸部15の周囲の4個の下側収容凹部13(例:収容凹部13−1,13−2,13−3,13−4)の内壁面の一部を成している。
【0020】
この容器本体1は、また、外周縁面11に沿って隣接する2個の下側収容凹部13,13(例:収容凹部13−1,13−2)間であって外周縁面11寄りの位置に、外周縁面11より高く凸設形成して成る縁突起部17を有する。この縁突起部17は、その外周縁面11側の壁面17aが、上方に向かって内側へ倒れる傾斜を成す。本例では、縁突起部17は、長辺方向2辺の外周縁面付近に2個ずつ小計4個、短辺方向2辺の外周縁面付近に1個ずつ小計2個、合計で6個が設けられている。
【0021】
(2)蓋体2
蓋体2は、合成樹脂(プラスチック)製のシートを公知の手法で成形して成る成形体である。本例では、厚さ0.3mm程度のPET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂であり、透明である。
この蓋体2は、図4(c)に示すように、容器本体1に対応する形状を成す。即ち、上面視で略長方形状(隅が湾曲するR長方形状)を成し、且つ、3次元的には全体的形状が凹部を成すトレイである。このトレイ内に、容器本体1の下側収容凹部13に対応する上側収容凹部23が、2列5個の格子状に画定されて配設されている。即ち、格子点位置の各々に収容凹部23の中心が位置するように、それぞれ配設されている。なお、収容凹部23は、長楕円球形状の鶏卵の略上半分を収容するためのものである。
また、蓋体2のトレイ開口部の全周には、容器本体1と同様に、水平な外周縁面21が設けられており、この外周縁面21の中の長辺部21a,21bには、3個ずつ合計6個の切欠部210(図1(a)等参照)が形成されている。
【0022】
また、この蓋体2は、隣接する4個の上側収容凹部23で囲まれる中央位置に、略四角錐台形状を成すように凸設形成された上側凸部25を有する。容器本体1の場合は、下側凸部15としては、貫通孔15bを有する中央寄りの2個と、貫通孔の無い両端の2個の、合計4個が設けられていたが、蓋体2では、貫通孔15bを有する中央寄りの下側凸部15に対応する位置にのみ、上側凸部25が設けられている。即ち、2個の上側凸部25,25が設けられている。なお、略四角錐台形状を成している各上側凸部25の4つの斜面が、それぞれ、当該上側凸部25の周囲の4個の上側収容凹部23の内壁面の一部を成す点は、容器本体1の下側凸部15の場合と同様である。
この上側凸部25は、その上端(蓋体として使用する場合での下端)の台面部25aが水平であり、その中央、即ち、容器本体1の下側凸部15の台面部15aの貫通孔15bに対応する位置には、円錐台形状の突起部25bが設けられている。
【0023】
この蓋体2は、また、外周縁面21に沿って隣接する2個の上側収容凹部23,23間に、張出部27を有する。張出部27は、容器本体1の縁突起部17に対応する位置に設けられている。この張出部27は、その下端部27bが、蓋体2の外周縁面21を容器本体1の外周縁面11に載置したとき、対応する縁突起部17の上端部17bに当接するような形状に、形成されている。
【0024】
(3)容器本体1と蓋体2の組み立て
容器本体1の外周縁面11に蓋体2の外周縁面21を重ねるように載置すると、蓋体2の上側凸部25の台面部25a中央の突起部25bが、容器本体1の下側凸部15の台面部15a中央の貫通孔15bに進入する。突起部25bは円錐台形状を成すため、突起部25bが貫通孔15bに案内されて進入して、嵌まった状態となる。また、このとき、下側凸部15の台面部15aに上側凸部25の台面部25aが当接して、支持される。
同時に、蓋体2の壁部26の内面側が、容器本体1の縁突起部17の外側の壁面17aに案内されて該壁面17aに覆うように被さる。即ち、当接する。このとき、蓋体2の張出部27の下端部27bは、縁突起部17の上端部17bに当接して、支持される。
【0025】
このように、蓋体2の側の突起部25bと壁部26とが、それぞれ、容器本体1の側の貫通孔15bと縁突起部17の外側壁面17aとに案内されるため、蓋体2の容器本体1に対する位置決めが容易且つ正確に行われて、容器本体1の外周縁面11と蓋体2の外周縁面21とがピタリと重なる。このため、粘着テープ3a,3bによる平行な2辺の縁面11a・21a・/11b・21bの貼り合わせ作業に機械装置を用いることが容易となり、自動化を達成できる。
【0026】
また、位置決めに於いて蓋体2の側の突起部25bの嵌合相手となる容器本体1の側の部位が有底の凹部ではなく貫通孔15bであるため、パルプモールド成形体である容器本体1の成形精度が高くない場合でも、突起部25bが有底の凹部から浮き上がり、その結果、蓋体2の外周縁面21が容器本体1の外周縁面11から浮き上がって貼り合わせ不良となるような不具合も生じない。
【0027】
また、貫通孔15bが有るため、容器本体1のパルプモールド成形時の乾燥工程が速やかになり、その結果、乾燥工程での変形が抑えられて成形精度が向上する。
また、容器本体1側の台面部15aに蓋体2側の台面部25aが当接し、容器本体1側の縁突起部17の上端部17bに張出部27の下端部27bが当接するため、下側収容凹部13と上側収容凹部23とで画定される収容空間を、下側凸部15と上側凸部25とによって強固に支えることができ、強度を高めることができる。
【0028】
また、本例では、容器本体1の外周縁面11と蓋体2の外周縁面21とが、それぞれの対応する部位に切欠部110,210を有するため、この部位では粘着テープ自体による粘着が発生し、結果、パルプモールドと合成樹脂という異質な材質の外周縁面11,21間の粘着を強固とすることができる。
【符号の説明】
【0029】
1 容器本体
11(11a,11b) 外周縁面
110 切欠部
13(13−1,13−2,13−3,13−4) 下側収容凹部
15 下側凸部
15a 台面部
15b 貫通孔
17 縁突起部
17a 外周縁面側の壁面
17b 上端部
2 蓋体
21(21a,21b) 外周縁面
210 切欠部
23(23−1,23−2) 上側収容凹部
25 上側凸部
25a 台面部
25b 突起部
26 壁部
27 張出部
27b 下端部
28 隅突起部
3a,3b 粘着テープ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平な外周縁面に囲まれる略方形のトレイ内に複数の下側収容凹部を格子状に形成して成るパルプモールド製の容器本体と、該容器本体の外周縁面に対応する外周縁面及び下側収容凹部に対応する上側収容凹部を形成して成る合成樹脂製の蓋体とを有し、容器本体の外周縁面に蓋体の外周縁面を重ねて載置し、外周縁面の中の一対の平行な2辺の縁面をそれぞれ粘着テープで貼り合わせて使用される包装用容器であって、
前記容器本体は、台面部に貫通孔を備えた略四角錐台形状を成すように、隣接する4個の下側収容凹部で囲まれる中央位置に凸設形成された下側凸部を有し、
前記蓋体は、台面部に前記貫通孔に対応する突起部を備えた略四角錐台形状を成すように、前記容器本体の下側凸部に対応する位置に凸設形成された上側凸部を有し、
前記容器本体の外周縁面に前記蓋体の外周縁面を載置したとき、前記下側凸部の台面部に前記上側凸部の台面部が当接し且つ前記貫通孔に前記突起部が嵌合する、
ことを特徴とする包装用容器。
【請求項2】
請求項1に於いて、
前記容器本体は、外周縁面に沿って隣接する少なくとも一組の下側収容凹部間の外周縁面寄りの位置に、外周縁面より高く且つ外周縁面側の壁面が傾斜をなすように凸設形成して成る縁突起部を有し、
前記容器本体の外周縁面に前記蓋体の外周縁面を載置したとき、前記縁突起部の外周縁面側の壁面に案内されて該壁面に前記蓋体の壁部内面の対応部位が当接する、
ことを特徴とする包装用容器。
【請求項3】
請求項2に於いて、
前記縁突起部を、外周縁面の各辺に沿う位置にそれぞれ凸設形成して成る、
ことを特徴とする包装用容器。
【請求項4】
請求項2又は請求項3に於いて、
前記容器本体の縁突起部の上端部は水平面を成し、
前記蓋体は、前記縁突起部に対応する位置の壁部から内部へ凸設形成されて前記一組の下側収容凹部間に対応する上側収容凹部間を区画し、外周縁面寄りの端部である下端部が水平面を成す張出部を有し、
前記容器本体の外周縁面に前記蓋体の外周縁面を載置したとき、前記張出部の下端部が前記縁突起部の上端部に当接する、
ことを特徴とする包装用容器。
【請求項5】
請求項1〜請求項4の何れかに於いて、
前記蓋体の上側凸部の突起部は円錐台形状を成す、
ことを特徴とする包装用容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−195400(P2010−195400A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−38678(P2009−38678)
【出願日】平成21年2月20日(2009.2.20)
【出願人】(597047163)日本モウルド工業株式会社 (13)
【Fターム(参考)】