説明

包装用容器

【課題】容器内部の水滴等が容器外部へと漏れ出すことを防止し得る包装用容器を提供する。
【解決手段】 内容物を収容するための容器本体と、該容器本体の開口部を塞ぐ蓋体とを備えた包装用容器であって、前記容器本体の周縁に形成された本体フランジ部と、該本体フランジ部の周囲から下方に向かって形成された本体縁部とが備えられ、前記蓋体には、前記本体フランジ部と対向するよう蓋体の周縁に形成された蓋フランジ部と、該蓋フランジ部の周囲から下方へ向かって形成された蓋縁部とが備えられ、前記本体フランジ部と前記蓋フランジ部とが全域に亘って水による毛細管現象が生じない程度に離間し、且つ、前記本体縁部と前記蓋縁部とが当接するように構成されており、さらに、前記蓋フランジ部の内周に沿って、前記本体フランジ部よりも内方に位置する蓋フランジ部内周突起が形成されていることを特徴とする包装用容器による。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として種々の加工食品等を収容しうる包装用容器に関し、特に、暖かい加工食品を収容する際に適した包装用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の包装用容器としては、一般に、内容物を収容する容器本体と、該容器本体の開口部を閉塞する蓋とを備えたものが知られている。該包装用容器は、惣菜や加工食品等の収容物を収容した状態で陳列されたり、或いは、店頭で購入された食品等をその場で収容して持帰る際などにも使用されることがある。
【0003】
しかしながら、該包装用容器に、出来たての暖かい食品等を収容し、蓋を閉めた状態で時間が経過すると、該包装用容器の蓋の内側には結露が生じたり、又は水滴が付着する場合があり、そのような容器を傾斜した状態で陳列したり、または持帰る途中で該包装用容器を傾けたりすると、そのような水分が蓋を伝って容器本体と蓋体との接合面に到達し、その隙間で生じる毛細管現象によって容器外部へ漏れ出すという問題があった。
【0004】
従来、このような水分の漏れを防止するべく、容器本体のフランジと蓋の周縁部との間に、部分的に互いの間隔を広く形成するための空間部を形成した包装用容器が提案されている(下記特許文献1)。
斯かる構成の包装用容器によれば、空間部によって毛細管現象を遮断することができ、蓋の内側に付着した水滴が蓋の周縁部側へと流れた場合であっても、該空間部によって水滴の流れを絶つことができ、容器外部への水滴の漏れを防止し得るという効果がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−362643号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1記載の容器においても、例えば、水滴の量が多い場合や容器が傾斜した場合には水滴が漏れ出すことがあり、より確実に水滴の漏れ防止しうる容器が要望されていた。
【0007】
本発明は、上記のような従来技術の問題点に鑑み、容器内部の水滴等が容器外部へと漏れ出すことを防止しうる包装用容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る包装用容器は、内容物を収容するための容器本体と、該容器本体の開口部を塞ぐ蓋体とを備えた包装用容器であって、前記容器本体の周縁に形成された本体フランジ部と、該本体フランジ部の周囲から下方に向かって形成された本体縁部とが備えられ、前記蓋体には、前記本体フランジ部と対向するよう蓋体の周縁に形成された蓋フランジ部と、該蓋フランジ部の周囲から下方へ向かって形成された蓋縁部とが備えられ、前記本体フランジ部と前記蓋フランジ部とが全域に亘って水による毛細管現象が生じない程度に離間し、且つ、前記本体縁部と前記蓋縁部とが当接するように構成されており、さらに、前記蓋フランジ部の内周に沿って、前記本体フランジ部よりも内方に位置する蓋フランジ部内周突起が形成されていることを特徴とする。
【0009】
なお、本発明における容器本体および蓋本体の各構成は、閉蓋時における状態を特定するものであり、また、外方とは、容器の内側から容器の外側へ向かって概ね水平に延びる方向をいい、内方とは、容器の外側から容器の内側へ向かって概ね水平に延びる方向をいい、上方および下方とは、容器を水平面上に載置した際の、鉛直方向における上方および下方をいうものである。
【0010】
斯かる構成の包装用容器によれば、蓋フランジ部の内周に沿って、本体フランジ部よりも内方に位置する蓋フランジ部内周突起が形成されているため、蓋天板より蓋側面を伝って流下してきた水滴が本体フランジ部よりも内側に落ちることとなり、本体フランジ部と蓋フランジ部との間に水滴が侵入することを防止できる。また、容器本体の周縁に形成された本体フランジ部と、該本体フランジ部に対向するよう蓋体の周縁に形成された蓋フランジ部とが、全域に亘って水による毛細管現象が生じない程度に離間しており、しかも該本体フランジ部が容器外方へ向かって高くなるように傾斜しているため、水滴が本体フランジ部と蓋フランジ部との隙間を伝って外側へ移動することを効果的に防止することができる。このような作用により、容器外部への水滴の漏洩を防止することができる。
【0011】
本発明に係る包装用容器は、好ましくは、前記本体フランジ部の内側には、上方に突出した本体フランジ部内周突起が形成され、前記本体フランジ部の外側には、内方に向かって低くなるように傾斜した傾斜面が形成されているものとする。
【0012】
斯かる構成の包装用容器によれば、本体フランジ部の内側に、上方へ突出した本体フランジ部内周突起が形成されていることにより、仮に、多量の水滴が前記フランジ間の隙間に侵入した場合であっても、その水滴は、毛細管現象によって該フランジ部内周突起に沿って周方向へと伝わることとなり、容器外側に流れ出ることを防止できる。また、前記本体フランジ部の外側には、内方に向かって低くなるように傾斜した傾斜面が形成されていることにより、仮に、多量の水滴が前記本体フランジ部内周突起を乗り越えた場合であっても、容器外側に流れ出ることを防止できる。
【0013】
さらに、本発明に係る包装用容器は、好ましくは、前記本体フランジ部と前記蓋フランジ部との隙間が、外方へ向かって拡大するように構成されているものとする。
【0014】
前記本体フランジ部と前記蓋フランジ部との隙間が、外方へ向かって拡大するように構成されていると、万一、本体フランジ部と蓋フランジ部との隙間に多量の水滴が侵入した場合でも、水の表面張力によって間隔の狭い内方に留めようとする力が作用し、容器外部への水滴の漏洩をより確実に防止することができる。
【0015】
本発明に係る包装用容器は、好ましくは、前記本体フランジ部内周突起が、切欠き部によって周方向において分断されているものとする。
【0016】
斯かる構成の包装用容器によれば、万一、本体フランジ部と蓋フランジ部との間に水滴が侵入した場合であっても、該切欠き部を通ってその水滴を容器内部へと戻すことができ、容器外部への水滴の漏洩をより確実に防止することができる。
【0017】
また、本発明に係る包装用容器は、好ましくは、閉蓋時に、前記蓋フランジ部内周突起が、前記容器本体と当接するように構成されているものとする。
【0018】
斯かる構成の包装用容器によれば、蓋フランジ部内周突起と容器本体とが当接していることにより、蓋天板から蓋フランジ部内周突起へと流下してきた水滴が、容器本体へと速やかに流れ落ちることとなるため、容器外部への水滴の漏洩をより確実に防止することができる。
【0019】
また、本発明に係る包装用容器は、好ましくは、前記本体縁部が、前記本体フランジ部の周囲から垂下した本体垂下部と、該本体垂下部の周囲から外方へ張り出した本体鍔部とを備え、前記蓋縁部が、前記蓋フランジ部の周囲から垂下した蓋垂下部と、該蓋垂下部の周囲から外方へ張り出した蓋鍔部とを備え、前記本体垂下部および前記蓋垂下部には、互いに係合する係合手段がそれぞれ形成されているものとする。
【0020】
斯かる構成の包装用容器によれば、本体鍔部と蓋鍔部とを設けることで両者を当接させて容器内部を密閉状態とすることができ、しかも本体フランジ部と蓋フランジ部とが上記のような所定の間隔に保持されやすいものとなる。また、本体垂下部と蓋垂下部とに互いに係合する係合手段を形成することによって蓋体を閉蓋状態に固定することができ、しかも、これら本体垂下部、本体鍔部、蓋垂下部および蓋鍔部が、前記本体フランジ部や前記蓋フランジ部よりも外方に配置されることとなるため、容器内部を密閉状態に保ちながらも、上述のように水滴の漏れ防止効果を発揮させることができる。
【0021】
また、本発明に係る包装用容器は、好ましくは、前記容器本体と前記蓋体とが、前記本体縁部と前記蓋縁部とを繋ぐヒンジ部によって連結されていても良い。
【0022】
斯かる構成の包装用容器によれば、容器本体と蓋体とがヒンジ部によって連結されていることにより、例えば、店頭で販売されるような温かい調理食品等を包装するための容器として使いやすいものとなり、また同時に、そのような温かい調理食品を収容した際に生じやすい結露水の漏れを、上記のような作用によって防止することができる。
【発明の効果】
【0023】
このように、本発明に係る包装用容器によれば、容器内部の水滴が容器外部へと漏れ出すことを極めて有効に防止することができる。特に、容器内で水滴が発生しやすい温かい食材などを収容した場合であっても、水滴の容器外部への漏れ出しを効果的に防止することができる。また、容器を傾斜して陳列した場合であっても、容器外部への水滴の漏れ出しを効果的に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明に係る包装用容器の一実施形態を示した平面図(a)および側面図(b)。
【図2】該包装用容器1の容器本体10から蓋体20と外して展開した状態を示した平面図。
【図3】容器本体10を蓋体20で閉塞させた状態とした際の、該包装用容器1の周縁部分を拡大して示した断面図。
【図4】本実施形態に係る包装用容器について、ヒンジ部が設けられた側、すなわち、容器の後ろ側を拡大して示した断面図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、本発明に係る包装用容器の一実施形態を示した平面図(a)および側面図(b)であり、容器本体10に、蓋体20を被せた状態を示したものである。また、図2は、該包装用容器1の容器本体10から蓋体20と外して展開した状態を示した平面図である。
【0026】
図1及び図2に示すように、本実施形態の包装用容器1は、略矩形状の容器本体10と、該容器本体10の開口部を閉塞する蓋体20とがヒンジ部30を介して一体的に成形されたものである。該包装用容器1は、図2に示したような展開した状態で複数の容器が積層され、惣菜店やスーパー等の小売店へと運ばれ、そこで食品等の内容物を容器本体10に収容した後、蓋体20で閉塞する、といった手順で流通し、使用されるものである。収容される内容物としては、特に限定されるものではないが、本発明の効果が発揮されやすいという観点から、例えば、前記小売店にて調理された出来たての温かい食品等が好適である。
【0027】
図3は、容器本体10を蓋体20で閉塞させた状態とした際の、該包装用容器1の周縁部分を拡大して示した断面図である。
該図3に示すように、前記容器本体10は、上記のような内容物を載置する底部11と、該底部11の周囲から斜め上方へ向かって傾斜しながら起立した本体周壁部12と、該本体周壁部12の上端から外方へ向かって延びた本体フランジ部13と、該本体フランジ部13の周囲から垂下した本体垂下部14と、該本体垂下部14の下端から外方へと水平に張り出した本体鍔部15とを備えている。
【0028】
尚、本発明において「垂下する」とは、厳密に鉛直方向に垂下する場合に限定されず、傾斜角度を有して下方へ傾斜する場合をも含む概念である。
【0029】
また、本体フランジ部13の構成としては、その内側部分に本体フランジ部内周突起13aが容器の開口に沿って形成され、また、その外側部分に内方に向かって低くなるように傾斜した傾斜部13bが形成されている。
また、本実施形態においては、前記本体フランジ部内周突起13aの内側面は、本体周壁部12の上部傾斜面がそのまま延長するように構成されており、本体フランジ部内周突起13aの内側面と本体周壁部12とは、該包装用容器の一辺において、境目のない一つの傾斜面を形成している。
【0030】
さらに、図2に示すように、本実施形態に係る包装用容器1では、該本体フランジ部内周突起13aは、切欠き部13cによって周方向において分断されたものとなっている。言い換えると、該切欠き部13cは、容器開口部に沿って周方向に形成された本体フランジ部内周突起13bの一部が部分的に欠落し、傾斜部13bが延長されて本体周壁部12と直接連続するように形成された部分である。本実施形態に係る包装用容器1では、該切欠き部は、容器の一辺あたり3乃至4箇所形成されている。
【0031】
また、本実施形態においては、容器本体10の底部11には、該底部11から隆起した長状の隆起部16が、複数本平行に形成されている。該隆起部16は、収容する内容物を容器本体10の底部11から浮かせて載置しうるものであり、内容物が結露水によって濡れることを防止することができる。さらに、本実施形態においては、底部11の外側部分、即ち、本体周壁部12と隣接する位置に、底部11よりも下方へ窪んだ水溜め部17が複数形成されている。斯かる水溜め部17を備えることにより、蓋体から多量の水滴が落下し且つ該包装用容器が傾いたような場合においても、内容物が該水滴で濡れることを防止することができる。
【0032】
一方、前記蓋体20は、図3に示す如く、前記底部11に対向する天板部21と、該天板部21の周囲から外方へ向かって下向きに傾斜した蓋周壁部22とを備えている。また、該蓋体20の周縁には、閉塞時において前記本体フランジ部13と対向する蓋フランジ部23と、該蓋フランジ部23の周囲から下方へ向かって形成された蓋垂下部24と、該蓋垂下部24の下端から外方へ張り出した蓋鍔部25とが備えられており、さらに、該蓋体20には、蓋フランジ部23の内周に沿って下方に突出した蓋フランジ部内周突起26が備えられている。
【0033】
該蓋フランジ部内周突起26を設けることにより、後述するように、蓋天板21や蓋周壁部22において結露した水滴を、蓋フランジ部23と本体フランジ部13との隙間に導くことなく、速やかに本体周壁部12等を介して水溜め部17等へと誘導することができる。
【0034】
また、該蓋フランジ部内周突起26の下端は、図3に示す如く、水平面を有しない形状とすることが好ましく、周方向と垂直な断面において、尖った形状とすることがより好ましい。具体的には、該蓋フランジ部内周突起26の下端は、周方向と垂直な断面において、水平長さが1.5mm以下、あるいは、曲率半径が3mm以下となるような形状とすることが好ましい。
斯かる形状とすることにより、蓋天板21や蓋周壁部22において結露した水滴が流下してきた際、この蓋フランジ部内周突起26の下端において水滴が大きく成長することを防止できる。つまり、この蓋フランジ部内周突起26の下端において水滴が大きく成長すると、フランジの隙間に付着して外部へ漏れ出す危険性が高くなるが、上記のように形成することにより、小さい水滴であっても落下しやすくし、水滴の成長を防止して外部への漏れをより確実に防止することができる。
【0035】
また、本実施形態においては、蓋フランジ部23は、内方に向かって低くなるように傾斜した形状となっている。斯かる構成でれば、万一、該蓋フランジ部23に水滴が付着した場合であっても、その傾斜によって水滴が内側へ流れやすくなり、言い換えると、外側へ漏れ出す可能性を低減することができる。
【0036】
また、該図3に示す如く、閉蓋時においては、蓋垂下部24が本体垂下部14の外側から係合し、蓋体20が容器本体10を外嵌した状態となっている。また、蓋鍔部25は、本体鍔部15と当接した状態となっている。これに対し、本体フランジ部13と蓋フランジ部23とは、ほぼ全域に亘って水による毛細管現象が生じない程度に上下に離間した状態となっている。より具体的には、本体フランジ部13と蓋フランジ部23との隙間は、例えば、本体フランジ部から垂直方向に2mm〜5mmの隙間を有するように構成され、好ましくは、2.5mm〜4mmの隙間を有するように構成されている。
【0037】
また、前記本体垂下部および前記蓋垂下部には、互いに係合する係合手段がそれぞれ形成されている。具体的には、包装用容器1のコーナー部分や各辺の中央部分などにおいて、前記本体垂下部14には突起部が形成され、前記蓋垂下部24には窪み部が形成され、閉蓋時に、両者が係合して蓋体を容器本体に保持しうる構成となっている。
【0038】
斯かる構成の包装用容器によれば、通常は、少なくとも一部は互いに当接させるように構成され、容器の密閉状態を作り出す機能を発揮させるフランジ部を、敢えて、その全域が当接しないように構成することにより、該フランジ面を介して水滴が容器外部へ漏れ出すことを効果的に防止することができる。
【0039】
また、本実施形態においては、前記本体フランジ部13と前記蓋フランジ部23との隙間は、外方へ向かって拡大するように構成されている。言い換えると、前記本体フランジ部13の外側部分に形成された傾斜部13bよりも、前記蓋フランジ部23の傾斜角度が大きくなるように構成されている。より具体的には、前記本体フランジ部13の傾斜部13bは0°より大きく50°以下、好ましくは5〜40°、前記蓋フランジ部23の傾斜角度は0°より大きく60°以下、好ましくは5〜45°、両者の差は2〜30°、好ましくは5〜10°となるように構成されている。
つまり、本実施形態においては、前記本体フランジ部13と前記蓋フランジ部23との隙間が外方へ向かって拡大するように構成されたことで、上述の如き傾斜部13bによる漏れ防止作用と、上述の如き傾斜した蓋フランジ部23による漏れ防止作用に加え、水の表面張力によって間隔の狭い内方に留めようとする作用により、さらなる漏れ防止が図られている。
【0040】
さらに、本実施形態では、前記蓋フランジ部内周突起26の下端が、本体周壁部12に当接するように構成されている。斯かる構成により、蓋天板21や蓋周壁部22から流下した水滴が、本体周壁部12へと伝わりやすくなり、フランジ部の隙間へ侵入することを防止できる。また、蓋フランジ部内周突起26の下端が、本体周壁部12に当接していれば、水溜め部17等に溜まった水滴が、容器の傾き等によってフランジ部へ侵入してしまう危険性を低下させることができる。
【0041】
図4は、本実施形態に係る包装用容器について、ヒンジ部が設けられた側、すなわち、容器の後ろ側を拡大して示した断面図であり、上記図3と同様に、閉蓋状態を示したものである。
図4に示すように、容器後側においても、本体鍔部15と蓋鍔部25とがヒンジ部により接続されていることを除き、容器本体10および蓋体20の構成、および閉蓋時の両者の関係は、容器前側とほぼ同様のものとなっている。
ている。
【0042】
なお、特に言及していないが、本実施形態における容器本体10および蓋体20は、例えば熱成型法によって成形され得るものであり、上述の各部の境界部分は連続しており、また、必要に応じた曲率半径で湾曲した(丸みを持たせた)態様で形成されている。
【0043】
本発明に係る包装用容器は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0044】
例えば、上記実施形態では、閉蓋時に、蓋フランジ部内周突起が本体周壁部12に当接するように構成された場合について説明したが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、閉蓋時に、蓋フランジ部内周突起が容器本体のどこにも当接しないようにしてもよい。そのような場合であっても、蓋フランジ部内周突起は本体フランジ部よりも内方に位置するように構成されているため、生じた水滴を容器内方へ確実に誘導することができる。
また、蓋フランジ部内周突起が容器本体に当接しない場合においては、蓋フランジ部内周突起が本体フランジ部よりも下方に延びるように構成されたものが好ましく、斯かる構成により、蓋本体に付着した水滴をフランジの隙間へ侵入させることなく速やかに容器本体の下部へと誘導することができる。
【0045】
また、上記実施形態では、本体フランジ部と蓋フランジ部との間隔が、外方に向かって拡大するように構成された場合について説明したが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、該間隔が、ほぼ均一である構成や、外方に向かって縮小するような構成であってもよい。
【0046】
また、上記実施形態では、本体縁部が本体垂下部および本体鍔部とから構成され、蓋縁部が蓋垂下部と蓋鍔部とから構成された場合について説明したが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、本体フランジ部と蓋フランジ部とを上述の如き所定の間隔で対峙させうるような種々の構成を採用することができる。
【0047】
さらに、上記実施形態では、本体鍔部と蓋鍔部とがヒンジ部により接続されたことにより容器本体と蓋体とが一体的に構成された場合について説明したが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、容器本体と蓋体とが別体で構成されたものであってもよい。
【0048】
また、蓋体の端部(例えば、前記蓋鍔部の外周部)には、図示しないが、熱成形による細かな凹凸加工やエンボス加工を施すことにより、側面視にて波形(正弦波、三角波、台形波等)の外縁線、即ち、直線ではない外縁線を備えるようにしてもよい。これにより、蓋体の外周縁のエッジの鋭利さが解消されるため、蓋体を開閉する際の指先を保護することができ、また、包装フィルム(図示しない)を使用してラッピングする際に包装フィルムが裂断するのを防止することができる。さらに、蓋体の外周縁の強度が増し、蓋体が裂断するのを防止する効果もある。なお、上記した外周縁のエッジの鋭利さを解消するための種々の施策は、容器本体の外周縁部(即ち、本体鍔部の外周部)に施してもよい。
【0049】
また、上記実施形態では、容器本体10及び蓋体20が矩形状である場合について説明したが、本発明は容器の水平断面形状については何ら限定されず、任意の形状を採用することができ、例えば、多角形状や、楕円形、或いは円形等を採用しうる。
【符号の説明】
【0050】
1…包装用容器、10…容器本体、11…底部、12…本体周壁部、13…本体フランジ部、13a…本体フランジ部内周突起、13b…傾斜部、13c…切欠き部、14…本体垂下部、15…本体鍔部、16…隆起部、17・・・水溜め部、20…蓋体、21…蓋天板、22…蓋周壁部、23…蓋フランジ部、24…蓋垂下部、25…蓋鍔部、26・・・蓋フランジ部内周突起、30…ヒンジ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物を収容するための容器本体と、該容器本体の開口部を塞ぐ蓋体とを備えた包装用容器であって、
前記容器本体の周縁に形成された本体フランジ部と、該本体フランジ部の周囲から下方に向かって形成された本体縁部とが備えられ、
前記蓋体には、前記本体フランジ部と対向するよう蓋体の周縁に形成された蓋フランジ部と、該蓋フランジ部の周囲から下方へ向かって形成された蓋縁部とが備えられ、
前記本体フランジ部と前記蓋フランジ部とが全域に亘って水による毛細管現象が生じない程度に離間し、且つ、前記本体縁部と前記蓋縁部とが当接するように構成されており、
さらに、前記蓋フランジ部の内周に沿って、前記本体フランジ部よりも内方に位置する蓋フランジ部内周突起が形成されている、
ことを特徴とする包装用容器。
【請求項2】
前記本体フランジ部の内側には、上方に突出した本体フランジ部内周突起が形成され、前記本体フランジ部の外側には、内方に向かって低くなるように傾斜した傾斜部が形成されていることを特徴とする請求項1記載の包装用容器。
【請求項3】
前記本体フランジ部と前記蓋フランジ部との隙間が、外方へ向かって拡大するように構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の包装用容器。
【請求項4】
前記本体フランジ部内周突起が、切欠き部によって周方向において分断されていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の包装用容器。
【請求項5】
閉蓋時に、前記蓋フランジ部内周突起が、前記容器本体と当接するように構成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の包装用容器
【請求項6】
前記本体縁部が、前記本体フランジ部の周囲から垂下した本体垂下部と、該本体垂下部の周囲から外方へ張り出した本体鍔部とを備え、前記蓋縁部が、前記蓋フランジ部の周囲から垂下した蓋垂下部と、該蓋垂下部の周囲から外方へ張り出した蓋鍔部とを備え、前記本体垂下部および前記蓋垂下部には、互いに係合する係合手段がそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の包装用容器。
【請求項7】
前記容器本体と前記蓋体とが、前記本体縁部と前記蓋縁部とを繋ぐヒンジ部によって連結されていることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の包装用容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−11779(P2011−11779A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−156225(P2009−156225)
【出願日】平成21年6月30日(2009.6.30)
【出願人】(000239138)株式会社エフピコ (98)
【Fターム(参考)】