包装用容器
【課題】包装用容器を形成する紙の剛性が高くても、開いた姿勢から閉じた姿勢の方向へ働く力を緩和して、包装用容器の任意の形状において開いた姿勢を容易に保持することのできる包装用容器を提供する。
【解決手段】ファーストフード店などにおいて提供されるハンバーガーなどの物品を収納するのに適した包装用容器1であって、容器部aと蓋部bがヒンジ部Pを介して開閉自在となっており、包装用容器1は210〜310g/m2の質量を有する紙で形成されていて、ヒンジ部Pの両側の端部近傍Paを除いた部分には、ヒンジ部Pの全長Lの71〜81%の長さの切込みC1が設けられている。
【解決手段】ファーストフード店などにおいて提供されるハンバーガーなどの物品を収納するのに適した包装用容器1であって、容器部aと蓋部bがヒンジ部Pを介して開閉自在となっており、包装用容器1は210〜310g/m2の質量を有する紙で形成されていて、ヒンジ部Pの両側の端部近傍Paを除いた部分には、ヒンジ部Pの全長Lの71〜81%の長さの切込みC1が設けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は包装用容器に関し、特に、ファーストフード店などにおいて提供されるハンバーガーなどの物品を収納するのに適した包装用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
ファーストフード店などでハンバーガーなどの食品を提供するための包装用容器として、蓋部と容器部とがヒンジ部を介して開閉自在とされた箱型の包装用容器(クラムシェル型容器)が知られている。その一例として、特許文献1には、蓋部を閉じる際に蓋部の左右の側板を外側に押し広げる手段を設け、蓋閉め操作を円滑に行えるようにした包装用容器が開示されている。図10はそのような包装用容器の一例を示す展開図であり、図11および図13はそこから組み立てた包装用容器の斜視図を示したものである。また、図12は図10に展開図で示す包装用容器を製函機に投入した状態の斜視図を示したものである。
【0003】
図10に示すように、この包装用容器1Aは、容器部aと蓋部bとからなり、容器部aは、底板11、前板12、左右の側板13,14および後板15を有し、前板12はその左右両側に延長部12a,12aを有し、後板15もその左右両側に延長部15a,15aを有している。また、蓋部bも、容器部aと同様に、天板21、前板22、左右の側板23,24および後板25を有し、後板25はその左右両側に延長部25a,25aを有し、左右の側板23,24はその前方側に延長部23a,24aを有している。容器部aの後板15の上縁と蓋部bの後板25の下縁とは連接しており、その部分が組み立て後に包装用容器1Aのヒンジ部Pとなる。
【0004】
組み立てに当たっては、底板11の周囲に位置する前板12、左右の側板13,14および後板15、天板21の周囲に位置する前板22、左右の側板23,24および後板25を、底板11と天板21に対して立ち上がった姿勢とする。そして、図11に示すように、容器部aにおいては、前板12の左右両側の延長部12a,12aが左右の側板13,14の前方側内側面に接着され、後板15の左右両側の延長部15a,15aが左右の側板13,14の後方側内側面に接着される。これにより、前板12、左右の側板13,14および後板15が外側に角度αで広がる箱形の容器部aが形成される。なお、角度αは、図10に示すように、底板11の各辺に対する前板12、左右の側板13,14および後板15の各側縁のなす角度である。
【0005】
また、蓋部bにおいては、後板25の左右両側の延長部25a,25aが左右の側板23,24の後方側内側面に接着され、左右の側板23、24の前方側の延長部23a,24aが前板22の内側面に接着される。これにより、容器部aと同様に、前板22、左右の側板23,24および後板25が外側に角度βで広がる箱形の蓋部bが形成される。なお、角度βは、図10に示すように、天板21の各辺に対する前板22、左右の側板23,24および後板25の各側縁のなす角度である。ここで、角度αと角度βは同じ角度であってもよい。また、底板11の各辺に対する前板12、左右の側板13,14および後板15の各側縁のなす角度や、天板21の各辺に対する前板22、左右の側板23,24および後板25の各側縁のなす角度はそれぞれ異なる角度であってもよい。また、図10に示すように、蓋部bの前板22の高さは容器部aの前板12の高さよりも高く、蓋部bの左右の側板23,24の高さも容器部aの左右の側板13,14の高さよりも僅かながら高い。
【0006】
なお、上記する容器部aにおける前板12の左右両側の延長部12a,12aおよび後板15の左右両側の延長部15a,15a、蓋部bにおける後板25の左右両側の延長部25a,25aおよび左右の側板23、24の前方側の延長部23a,24aの接着は、図12に示すような開いた姿勢の包装用容器1Aの外形に相当する枠組を有する製函機Kを用いて同時に行われる。具体的には、図10に示す包装用容器1Aを厚紙等から打ち抜き、その接着面に接着剤を塗布した後、それを製函機Kの枠組内に投入する。その際予め開いた姿勢の包装用容器が当該枠組内に載置されており、その上に当該包装用容器1Aを載置するため、包装用容器1Aは、図12に示すように、底板11の周囲に位置する前板12、左右の側板13,14および後板15、天板21の周囲に位置する前板22、左右の側板23,24および後板25が、底板11と天板21に対して立ち上がった姿勢となる。そして、この工程を繰り返すことにより、包装用容器1Aの接着面はその上方に積層された包装用容器の重みによって押圧され、包装用容器1Aの各接着面が接着されることとなる。
【0007】
組み立てた姿勢において、容器部aにおける前板12の左右両側の延長部12a,12aの一部12b,12bと左右の側板13,14の前端部13b,14bによって、前板12よりも前方へ延出する第1の係止爪13B,14Bが形成される。ここで、図11に示すように、容器部aにおける前板12の延長部12a,12aと左右の側板13,14の前方側内側面との接着部において、前板12の延長部12a,12aの上縁33は左右の側板13,14の上縁34よりも下方に位置している。
【0008】
また、蓋部bにおける左右の側板23,24の延長部23a,24aの下方側には切り欠き部23c,24cが形成されており、側板23,24の延長部23a,24aの先端部23b,24bによって左右へ延出する第2の係止爪23B,24Bが形成されている。すなわち、包装用容器1Aにおいて、容器部aのヒンジ部Pと反対側に側板13,14の上方側で前板12よりも前方へ延出する第1の係止爪13B,14Bが形成され、蓋部bのヒンジ部Pと反対側には前板22の下方側から左右へ延出する第2の係止爪23B,24Bが形成されている。
【0009】
図11に示す組み立て後の開いた姿勢から、蓋部bをヒンジ部Pを支点として容器部aの上に向けて回動すると、容器部aの前板12と左右の側板13,14の一部は蓋部bの前板22と左右の側板23,24の内側に入り込んだ姿勢となるとともに、第2の係止爪23B,24Bはそれぞれ、第1の係止爪13B,14Bの上縁35を滑るようにして次第に下方に移動していく。そして、第2の係止爪23B,24Bが第1の係止爪13B,14Bを乗り越えた時点で、第1の係止爪13B,14Bは延長部23a,24aの下方側の切り欠き部23c,24c内に入り込む。これにより、図13に示すように、包装用容器1Aは、第1の係合爪13B,14Bと第2の係止爪23B,24Bとが互いに係合して閉じた姿勢とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2007−210660号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、上記する包装容器1Aにおいては、図11に示すような開いた姿勢では、ヒンジ部Pに連接する容器部aおよび蓋部bの後板15,25の内周面に引張応力が作用し、その外周面に圧縮応力が作用する。したがって、上記開いた姿勢では、開いた姿勢から閉じた姿勢の方向へ反発力が作用することとなる。そこで、開いた姿勢から閉じた姿勢の方向へ働く力を緩和して、開いた姿勢でハンバーガーなどの物品を容器部aに置き易くするために、包装用容器1Aの外周面にヒンジ部Pに沿った僅かな窪み(不図示)を形成し、開いた姿勢を保持し易くしている。
【0012】
しかしながら、たとえばハンバーガーの材料となるパンを容器部aと蓋部bとにそれぞれ置いた状態でその上にハンバーグや野菜などを置き、ソースなどの調味料をかけて調理した後、蓋部bをヒンジ部Pを介して容器部aの上へ回動させて包装用容器1Aを閉じた姿勢とするとともに包装用容器1A内でハンバーガーを作るような場合には、包装用容器1Aを形成する紙自体の厚みが厚くて剛性が高く、上記するような開いた姿勢から閉じた姿勢の方向へ働く力が相対的に大きくなる。そのため、調理中に蓋部bが開いた姿勢から閉じた姿勢の方向へ回動してしまい、たとえばソースなどが所定の位置から流れて包装用容器1Aに付着してしまう可能性がある。
【0013】
また、たとえば容器部aの底板11や蓋部bの天板21が、当該底板11や天板21の各辺のうち前板12,22および後板15,25に連接する辺が長辺を成し、側板13,14,23,24に連接する辺が短辺を成す長方形を呈している場合には、容器部aや蓋部bの重心が相対的にヒンジ部Pに近接して配置され、ヒンジ部Pに対する容器部aや蓋部bの重力によるモーメントが上記する反発力によるモーメントよりも小さくなるため、蓋部bが開いた姿勢から閉じた姿勢の方向へ回動し易くなり、物品の収納作業や調理作業を円滑に行い難い。
【0014】
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、包装用容器を形成する紙の剛性が高くても、開いた姿勢から閉じた姿勢の方向へ働く力を緩和して、包装用容器の任意の形状において開いた姿勢を容易に保持することのできる包装用容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明による包装用容器は、容器部と蓋部とがヒンジ部を介して開閉自在な包装用容器であり、前記容器部は、底板、前板、左右の側板および後板を有し、前記蓋部は、天板、前板、左右の側板および後板を有し、前記容器部の後板の上縁と前記蓋部の後板の下縁とが連続して前記ヒンジ部が形成されている包装用容器において、前記包装用容器は、210〜310g/m2の質量を有する紙で形成されていて、前記ヒンジ部の両側の端部近傍を除いた部分には、該ヒンジ部の全長の71〜81%の長さの切込みが設けられていることを特徴とする。
【0016】
上記する包装用容器では、当該包装用容器が一般にハンバーガーなどの食品を提供する際に使用される210〜310g/m2の質量を有する紙で形成されている場合において、ヒンジ部の両側の端部近傍を除いた部分にヒンジ部の全長の71〜81%の長さに相当する切込みを設けることで、たとえば開いた姿勢で包装用容器の容器部を水平に配置した際に、蓋部がヒンジ部を介して閉じた姿勢の方向へ回動しようとする力を効果的に緩和することができる。具体的には以下の実施例で示すように、切込みの長さがヒンジ部の全長の71%よりも短い場合には、蓋部がヒンジ部を介して閉じた姿勢の方向へ回動しようとする力を十分に緩和することができないため、容器部内への物品の収納作業や容器部や蓋部での物品の調理作業において容器部や蓋部がヒンジ部を介して回動し、上記収納作業や調理作業が阻害される可能性がある。また、切込みの長さがヒンジ部の全長の81%よりも長い場合には、包装用容器のヒンジ部の軸芯方向の剛性が低下し、製函時などにおいて包装用容器のヒンジ部が変形してその外形を保持することができなくなる可能性が高い。したがって、上記するようにヒンジ部の両側の端部近傍を除いた部分でヒンジ部の全長の71〜81%の長さに相当する切込みを設けることで、包装用容器の外形を保持しながら、たとえば別途の押圧力を蓋部に作用させること無く、包装用容器の開いた姿勢を容易に保持することができ、容器部内への物品の収納作業や容器部や蓋部での物品の調理作業を円滑に行うことができる。
【0017】
また、本発明による包装用容器の好ましい態様では、前記両側の端部近傍の総長さが前記ヒンジ部の全長の8%以上であることを特徴とする。
【0018】
上記する包装用容器では、前記切込みをヒンジ部の両側の端部近傍を除いた部分に設けるとともに、その両側の端部近傍の総長さをヒンジ部の全長の8%以上とする、すなわち少なくともヒンジ部の両側の端部近傍において容器部の後板と蓋部の後板とをヒンジ部の全長の8%以上の長さで連接することで、包装用容器におけるヒンジ部の軸芯方向の剛性を効果的に高めることができる。したがって、上記するような製函機で製函する際に製函機の枠組によって押圧されることで発生するヒンジ部のゆがみを抑制することができ、製函時にヒンジ部に亀裂が生じるのを効果的に回避することができ、製函後の包装用容器の外形を確実に保持することができる。
【0019】
ここで、前記包装用容器の底板および天板は、正方形であってもよいし、底板および天板の各辺のうち前板および後板に連接する辺が長辺を成す長方形であってもよい。
【0020】
また、本発明による包装用容器の別の好ましい態様では、前記容器部における後板の下縁と上縁との距離をd1、底板と後板とのなす角度をθ1、前記蓋部における後板の下縁と上縁との距離をd2、天板と後板とのなす角度をθ2としたときに、d1sinθ1=d2sinθ2であることを特徴とする。
【0021】
上記する包装用容器では、容器部の底板と蓋部の天板とを同一平面上に載置することができる。したがって、たとえば所定の段差を設けた調理台等を使用する必要がなく、任意の平板上で容器部と蓋部との双方が略水平となるように当該包装用容器を置くことができ、収納作業や調理作業の自由度が増し、収納作業や調理作業をさらに円滑に行うことができる。
【0022】
さらに、本発明による包装用容器の別の好ましい態様では、前記切込みが前記ヒンジ部に分散して設けられていることを特徴とする。
【0023】
上記する包装用容器では、ヒンジ部に対して1つの切込みを設けてもよいし、複数に分散して設けてよい。前記切込みをヒンジ部に対して複数に分散して設けることで、ヒンジ部の所望の部分において容器部と蓋部の後板を連接させることができ、ヒンジ部の剛性をより一層高めることができる。また、ヒンジ部に設けられる各切込みの長さが相対的に短くなることで、包装用容器内への異物の混入を効果的に防止することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の包装用容器によれば、製函後の包装用容器の外形を保持しながら、開いた姿勢から閉じた姿勢の方向へ働く力を効果的に緩和して開いた姿勢を確実に保持することができ、物品の収納作業や調理作業を円滑に行うことのできる包装用容器が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明による包装用容器の一実施の形態を示す展開図。
【図2】図1に展開図で示す包装用容器を組み立てた状態で、かつ開いた状態で示す全体斜視図。
【図3】図2に示す包装用容器のA−A矢視図。
【図4】図1に展開図で示す包装用容器を組み立てた状態で、かつ閉じた状態で示す全体斜視図。
【図5】本発明による包装用容器の他の実施の形態を示す展開図。
【図6】図5に展開図で示す包装用容器を組み立てた状態で、かつ開いた状態で示す全体斜視図。
【図7】図5に展開図で示す包装用容器を組み立てた状態で、かつ閉じた状態で示す全体斜視図。
【図8】検証実験の状況を示した図であり、(a)は実施例1、(b)は実施例3、(c)は比較例2の検証実験の状況を示した図。
【図9】ヒンジ部の端部近傍の連接部の長さを13mmよりも小さくした包装用容器を製函器に投入した状況を示した図。
【図10】従来の包装用容器の展開図。
【図11】図10に展開図で示す包装用容器を組み立てた状態で、かつ開いた状態で示す全体斜視図。
【図12】図10に展開図で示す包装用容器を製函機に投入した状態を示す全体斜視図。
【図13】図10に展開図で示す包装用容器を組み立てた状態で、かつ閉じた状態で示す全体斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態に基づき説明する。
【0027】
図1は、本発明による包装用容器の一実施の形態を示す展開図であり、図2は、図1に展開図で示す包装用容器を組み立てた状態で、かつ開いた状態で示す全体斜視図であり、図3は、図2に示す包装用容器のA−A矢視図であり、図4は、図1に展開図で示す包装用容器を組み立てた状態で、かつ閉じた状態で示す全体斜視図であって、背面側(ヒンジ部側)から視た図である。
【0028】
図1〜図4に示す包装用容器1は、図10〜図13に基づき説明した包装用容器1Aに対して、主としてヒンジ部Pおよび該ヒンジ部Pに連接する容器部aと蓋部bの後板15,25の形態が相違しており、他の部材はほぼ同等の形態を有している。したがって、包装用容器1Aと同様の部材には同じ符号を付して詳細な説明は省略すると共に、以下では相違する点についてのみ詳細に説明する。
【0029】
本実施の形態の包装用容器1においては、図1に示すように、そのヒンジ部Pの両側の端部近傍Paを除いた部分に切込みC1が設けられている。具体的には、包装用容器1を形成するブランクスを厚紙等から裁断機にて打ち抜く際に、当該裁断機にてヒンジ部Pに切込みC1を入れる。ここで、ヒンジ部Pの全長をL、切込みC1の長さをL1、端部近傍Paの長さをL2とすると、L,L1およびL2は以下の式(1),(2)で示す関係を有している。
【0030】
【数1】
【0031】
【数2】
【0032】
ここで、図示する包装用容器1は210〜310g/m2の単位面積当たりの質量(坪量)を有する紙で形成されている。
【0033】
なお、蓋部bの後板25のヒンジ部Pに近い部分には、後板25の剛性を低減するとともに製函時の製造誤差を相殺するためにヒンジ部Pの軸芯方向に延びる切込みCaが設けられている。
【0034】
この形態の包装用容器1を組み立てて、図2に示すように開いた姿勢とすると、ヒンジ部Pに設けられた切込みC1によって開いた姿勢から閉じた姿勢の方向へ働く力が低減されており、この開いた姿勢を容易に保持することができる。また、その組み立ての際に図12に示す製函機を使用したとしても、ヒンジ部Pの端部近傍Paで容器部aの後板15と蓋部bの後板25とが連接され、ヒンジ部Pの軸芯方向の剛性が確保されており、包装用容器1の外形は保持されている。
【0035】
また、図3に示すように、この開いた姿勢では、容器部aにおける底板11と蓋部bにおける天板21とが同一平面上に置かれ、容器部aと蓋部bとの双方で水平姿勢を保持することができる。
【0036】
具体的には、容器部aにおける後板15の下縁36と上縁(ヒンジ部P)との距離をd1、組み立て後の底板11と後板15とのなす角度をθ1、蓋部bにおける後板25の下縁(ヒンジ部)と上縁37との距離をd2、組み立て後の天板21と後板25とのなす角度をθ2とすると、これらは以下の式(3)で示す関係を有している。
【0037】
【数3】
【0038】
このように、ヒンジ部Pに切込みC1が設けられるとともに、容器部aにおける底板11と後板15および蓋部bにおける天板21と後板25が上記する式(3)で示す関係を有していることで、別途の押圧力を作用させることなく、容器部aと蓋部bとを水平姿勢で容易に保持することができる。
【0039】
なお、組み立て後の底板11と後板15とのなす角度θ1は、底板11の後縁と側板13,14の後縁とのなす角度αが小さければこの角度αと略同一であり、組み立て後の天板21と後板25とのなす角度θ2は、天板21の後縁と側板23,24の後縁とのなす角度βが小さければこの角度βと略同一である。ここで、角度θ1,θ2は一般に95〜120°であり、好ましくは98〜112°である。
【0040】
そして、上記する開いた姿勢で物品の収納作業や調理作業などをおこなった後、蓋部bをヒンジ部Pを中心として回動し、第1の係合爪13B,14Bと第2の係止爪23B,24Bとを互いに係合させて、図4に示すように包装用容器1を閉じた姿勢とすることができる。
【0041】
次に、図5は、本発明による包装用容器の他の実施の形態を示す展開図であり、図6は、図5に展開図で示す包装用容器を組み立てた状態で、かつ開いた状態で示す全体斜視図であり、図7は、図5に展開図で示す包装用容器を組み立てた状態で、かつ閉じた状態で示す全体斜視図である。
【0042】
図5〜図7に示す包装用容器2は、図1〜図4に示す包装用容器1に対して、ヒンジ部Pに設けられた切込みの形態を変更したものであり、他の部材は同等の形態を有している。したがって、包装用容器1と同様の部材には同じ符号を付して詳細な説明は省略すると共に、以下では変更した点についてのみ詳細に説明する。
【0043】
図5に示す包装用容器2においては、ヒンジ部Pの両側の端部近傍Paを除いた部分に、3つの切込みC2a,C2b,C2cから構成される切込みC2が設けられている。すなわち、切込みC2aと切込みC2bとの間および切込みC2aと切込みC2cとの間には容器部aの後板15と蓋部bの後板25を連接する連接部Pb,Pcが形成されており、この連接部Pb,Pcはヒンジ部Pの両側の端部近傍Paとともに蓋部bを回動するためのヒンジとして機能する。ここで、切込みC2を構成する3つの切込みC2a,C2b,C2cの長さをそれぞれL1a,L1b,L1cとすると、これらは以下の式(4)で示す関係を有している。
【0044】
【数4】
【0045】
すなわち、3つの切込みC2a,C2b,C2cから構成される切込みC2全体の長さは、図1で示す包装用容器1と同様、ヒンジ部Pの全長Lの71〜81%に相当する。なお、ヒンジ部Pに分散して設ける切込みの基数や長さ、その配置は適宜変更することができる。
【0046】
この形態の包装用容器2を組み立てて(図6参照)、蓋部bをヒンジ部Pを中心として回動し、図7に示すように包装用容器2を閉じた姿勢とすると、ヒンジ部Pに設けられた各切込みC2a,C2b,C2cは図3で示す切込みC1に対して相対的に小さくなるため、包装用容器2内への異物の混入を効果的に防止することができる。また、切込みC2a,C2b,C2cの間の連接部Pb,Pcを所定の長さで形成することで、ヒンジ部Pの軸芯方向の剛性を高めることができ、包装用容器2、特にそのヒンジ部P近傍の変形を効果的に抑制することができる。
【0047】
[切込みの長さの違いによる容器部に対する蓋部の傾きを検証した実験とその結果]
本発明者等は、切込み長さの異なる包装用容器(実施例1〜3、比較例1,2)を作製し、ハンバーガーなどの物品を収納するのに適した包装用容器のヒンジ部の切込み長さを検証した。
【0048】
以下の表1は、ハンバーガーなどの物品を収納するために一般に使用される包装用容器の容器部の底板の寸法である。なお、表1に示すそれぞれの包装用容器A〜Gにおいて、蓋部の天板の寸法は容器部の底板の寸法と同様である。
【0049】
【表1】
【0050】
本発明者等は、表1に示す包装用容器A〜Gのうち、略円形もしくは略長円形の食品を収容するために使用され、容器部の底板の側縁の長さに対して前縁および後縁の長さが相対的に長く(底板の縦横比が相対的に大きく)、開いた姿勢において蓋部が閉じる方向へ回動し易い包装用容器Fを用いて実施例1〜3、比較例1,2を作製した。ここで、包装用容器Fを形成する紙の単位面積当たりの質量(秤量)は260g/m2であり、そのヒンジ部の全長は139mmであった。
【0051】
実施例1〜3、比較例1,2の作製方法としては、上記包装用容器Fのヒンジ部に対してその中心から軸芯方向へ左右均等にそれぞれ113mm,106mm,99mm,88mm,75mmの切込みを形成した。すなわち、実施例1〜3、比較例1,2はそれぞれ、ヒンジ部の全長に対して81%,76%,71%,63%,54%の長さの切込み形成したものである。なお、上記切込みを形成したことにより、実施例1〜3、比較例1,2はそれぞれ、ヒンジ部の両側の端部近傍に13mm,16.5mm,20mm,25.5mm,32mmの連接部が形成されている(表2参照)。
【0052】
そして、一般にハンバーガーに使用されるパンの片側の質量が20〜50gであることから、本発明者等は、パンを模擬した40gの重りを容器部および蓋部のそれぞれに置いて、容器部に対する蓋部の傾きなどを測定した。
【0053】
図8はその検証実験の状況を示した図であり、図8(a)は実施例1、図8(b)は実施例3、図8(c)は比較例2の検証実験の状況を示した図である。また、以下の表2は、実施例1〜3および比較例1,2の容器部の底板と蓋部の天板との相対角度を測定した結果を示したものである。
【0054】
【表2】
【0055】
表2に示すように、開いた姿勢での容器部の底板と蓋部の天板との相対角度は、実施例1〜3ではそれぞれ0°,5°,10°であり、比較例1,2ではそれぞれ15°,20°であった。なお、上記するように蓋部のほうが容器部よりも大きいことから、図8に示すように容器部と蓋部とに同じ質量の重りを置いた場合には、容器部が相対的に浮き上がった状態となった。
【0056】
また、本発明者等は、実施例1〜3および比較例1,2の容器部と蓋部に対し、ハンバーガーの材料であるパン等を置いてソースをかけ、そのソースの流れ具合を検証した。
【0057】
その結果、比較例1,2においてはパン等からソースが流れて容器部の天板に付着したことが確認された一方で、実施例1〜3においては、ソースの流れや容器部の天板等へのソースの付着は確認されなかった。
【0058】
このように、ヒンジ部に対してそのヒンジ部の全長の71%以上の切込みを設けることによって、容器部と蓋部とが略同一平面上に載置され、包装用容器への物品の収納作業や調理作業が円滑化されることが実証された。
【0059】
また、図9は、ヒンジ部の端部近傍の連接部の長さを13mmよりも小さくした包装用容器を図12に示す製函器に投入した状況を示した図である。
【0060】
図示するように、ヒンジ部の端部近傍の連接部の長さを13mmよりも小さくした、すなわちヒンジ部の全長に対して9.5%よりも小さくした場合には、製函時にヒンジ部が撓むことが確認され、さらに、ヒンジ部の端部近傍の連接部の長さを10mmよりも小さくした、すなわちヒンジ部の全長に対して8%よりも小さくした場合には、製函時におけるヒンジ部の撓みが大きくなり、ヒンジ部の端部近傍に亀裂が生じることが確認された。
【0061】
なお、上記する実施例1〜3では、包装用容器を形成する紙の単位面積当たりの質量(秤量)が260g/m2であったが、たとえば210g/m2の紙である場合には、開いた姿勢から閉じた姿勢の方向へ働く力が減少する一方で容器部および蓋部の質量も減少するため、実施例1〜3と同様の結果を得ることができると考えられる。また、たとえば紙の単位面積当たりの質量(秤量)が310g/m2である場合には、開いた姿勢から閉じた姿勢の方向へ働く力が増加する一方で容器部および蓋部の質量も増加するため、やはり実施例1〜3と同様の結果を得ることができると考えられる。すなわち、包装用容器がハンバーガーなどの食品を提供する際に一般に使用される210〜310g/m2の質量を有する紙で形成されている場合には上記する実施例1〜3と同様の結果を得ることができると考えられる。
【符号の説明】
【0062】
1,2…包装用容器、a…容器部、11…底板、12…前板、12a,12a…前板の延長部、12b,12b…前板の延長部の一部、13,14…左右の側板、13b,14b…左右の側板の前端部、13B,14B…第1の係止爪、15…後板、15a,15a…後板の延長部、b…蓋部、21…天板、22…前板、23,24…左右の側板、23a,24a…側板の延長部、23b,24b…側板の延長部の先端部、23c,24c…切り欠き部、23B,24B…第2の係止爪、25…後板、25a,25a…後板の延長部、33…前板の延長部の上縁、34…左右の側板の上縁、35…第1の係止爪(左右の側板の前端部)の上縁、36…容器部の後板の下端、37…蓋部の後板の上端、P…ヒンジ部、Pa…ヒンジ部の端部近傍(連接部)、Pb,Pc…連接部、C1,C2,Ca…切欠き、L…ヒンジ部の全長、L1,L1a,L1b,L1c…切欠きの長さ、L2…ヒンジ部の端部近傍の長さ、K…製函機
【技術分野】
【0001】
本発明は包装用容器に関し、特に、ファーストフード店などにおいて提供されるハンバーガーなどの物品を収納するのに適した包装用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
ファーストフード店などでハンバーガーなどの食品を提供するための包装用容器として、蓋部と容器部とがヒンジ部を介して開閉自在とされた箱型の包装用容器(クラムシェル型容器)が知られている。その一例として、特許文献1には、蓋部を閉じる際に蓋部の左右の側板を外側に押し広げる手段を設け、蓋閉め操作を円滑に行えるようにした包装用容器が開示されている。図10はそのような包装用容器の一例を示す展開図であり、図11および図13はそこから組み立てた包装用容器の斜視図を示したものである。また、図12は図10に展開図で示す包装用容器を製函機に投入した状態の斜視図を示したものである。
【0003】
図10に示すように、この包装用容器1Aは、容器部aと蓋部bとからなり、容器部aは、底板11、前板12、左右の側板13,14および後板15を有し、前板12はその左右両側に延長部12a,12aを有し、後板15もその左右両側に延長部15a,15aを有している。また、蓋部bも、容器部aと同様に、天板21、前板22、左右の側板23,24および後板25を有し、後板25はその左右両側に延長部25a,25aを有し、左右の側板23,24はその前方側に延長部23a,24aを有している。容器部aの後板15の上縁と蓋部bの後板25の下縁とは連接しており、その部分が組み立て後に包装用容器1Aのヒンジ部Pとなる。
【0004】
組み立てに当たっては、底板11の周囲に位置する前板12、左右の側板13,14および後板15、天板21の周囲に位置する前板22、左右の側板23,24および後板25を、底板11と天板21に対して立ち上がった姿勢とする。そして、図11に示すように、容器部aにおいては、前板12の左右両側の延長部12a,12aが左右の側板13,14の前方側内側面に接着され、後板15の左右両側の延長部15a,15aが左右の側板13,14の後方側内側面に接着される。これにより、前板12、左右の側板13,14および後板15が外側に角度αで広がる箱形の容器部aが形成される。なお、角度αは、図10に示すように、底板11の各辺に対する前板12、左右の側板13,14および後板15の各側縁のなす角度である。
【0005】
また、蓋部bにおいては、後板25の左右両側の延長部25a,25aが左右の側板23,24の後方側内側面に接着され、左右の側板23、24の前方側の延長部23a,24aが前板22の内側面に接着される。これにより、容器部aと同様に、前板22、左右の側板23,24および後板25が外側に角度βで広がる箱形の蓋部bが形成される。なお、角度βは、図10に示すように、天板21の各辺に対する前板22、左右の側板23,24および後板25の各側縁のなす角度である。ここで、角度αと角度βは同じ角度であってもよい。また、底板11の各辺に対する前板12、左右の側板13,14および後板15の各側縁のなす角度や、天板21の各辺に対する前板22、左右の側板23,24および後板25の各側縁のなす角度はそれぞれ異なる角度であってもよい。また、図10に示すように、蓋部bの前板22の高さは容器部aの前板12の高さよりも高く、蓋部bの左右の側板23,24の高さも容器部aの左右の側板13,14の高さよりも僅かながら高い。
【0006】
なお、上記する容器部aにおける前板12の左右両側の延長部12a,12aおよび後板15の左右両側の延長部15a,15a、蓋部bにおける後板25の左右両側の延長部25a,25aおよび左右の側板23、24の前方側の延長部23a,24aの接着は、図12に示すような開いた姿勢の包装用容器1Aの外形に相当する枠組を有する製函機Kを用いて同時に行われる。具体的には、図10に示す包装用容器1Aを厚紙等から打ち抜き、その接着面に接着剤を塗布した後、それを製函機Kの枠組内に投入する。その際予め開いた姿勢の包装用容器が当該枠組内に載置されており、その上に当該包装用容器1Aを載置するため、包装用容器1Aは、図12に示すように、底板11の周囲に位置する前板12、左右の側板13,14および後板15、天板21の周囲に位置する前板22、左右の側板23,24および後板25が、底板11と天板21に対して立ち上がった姿勢となる。そして、この工程を繰り返すことにより、包装用容器1Aの接着面はその上方に積層された包装用容器の重みによって押圧され、包装用容器1Aの各接着面が接着されることとなる。
【0007】
組み立てた姿勢において、容器部aにおける前板12の左右両側の延長部12a,12aの一部12b,12bと左右の側板13,14の前端部13b,14bによって、前板12よりも前方へ延出する第1の係止爪13B,14Bが形成される。ここで、図11に示すように、容器部aにおける前板12の延長部12a,12aと左右の側板13,14の前方側内側面との接着部において、前板12の延長部12a,12aの上縁33は左右の側板13,14の上縁34よりも下方に位置している。
【0008】
また、蓋部bにおける左右の側板23,24の延長部23a,24aの下方側には切り欠き部23c,24cが形成されており、側板23,24の延長部23a,24aの先端部23b,24bによって左右へ延出する第2の係止爪23B,24Bが形成されている。すなわち、包装用容器1Aにおいて、容器部aのヒンジ部Pと反対側に側板13,14の上方側で前板12よりも前方へ延出する第1の係止爪13B,14Bが形成され、蓋部bのヒンジ部Pと反対側には前板22の下方側から左右へ延出する第2の係止爪23B,24Bが形成されている。
【0009】
図11に示す組み立て後の開いた姿勢から、蓋部bをヒンジ部Pを支点として容器部aの上に向けて回動すると、容器部aの前板12と左右の側板13,14の一部は蓋部bの前板22と左右の側板23,24の内側に入り込んだ姿勢となるとともに、第2の係止爪23B,24Bはそれぞれ、第1の係止爪13B,14Bの上縁35を滑るようにして次第に下方に移動していく。そして、第2の係止爪23B,24Bが第1の係止爪13B,14Bを乗り越えた時点で、第1の係止爪13B,14Bは延長部23a,24aの下方側の切り欠き部23c,24c内に入り込む。これにより、図13に示すように、包装用容器1Aは、第1の係合爪13B,14Bと第2の係止爪23B,24Bとが互いに係合して閉じた姿勢とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2007−210660号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、上記する包装容器1Aにおいては、図11に示すような開いた姿勢では、ヒンジ部Pに連接する容器部aおよび蓋部bの後板15,25の内周面に引張応力が作用し、その外周面に圧縮応力が作用する。したがって、上記開いた姿勢では、開いた姿勢から閉じた姿勢の方向へ反発力が作用することとなる。そこで、開いた姿勢から閉じた姿勢の方向へ働く力を緩和して、開いた姿勢でハンバーガーなどの物品を容器部aに置き易くするために、包装用容器1Aの外周面にヒンジ部Pに沿った僅かな窪み(不図示)を形成し、開いた姿勢を保持し易くしている。
【0012】
しかしながら、たとえばハンバーガーの材料となるパンを容器部aと蓋部bとにそれぞれ置いた状態でその上にハンバーグや野菜などを置き、ソースなどの調味料をかけて調理した後、蓋部bをヒンジ部Pを介して容器部aの上へ回動させて包装用容器1Aを閉じた姿勢とするとともに包装用容器1A内でハンバーガーを作るような場合には、包装用容器1Aを形成する紙自体の厚みが厚くて剛性が高く、上記するような開いた姿勢から閉じた姿勢の方向へ働く力が相対的に大きくなる。そのため、調理中に蓋部bが開いた姿勢から閉じた姿勢の方向へ回動してしまい、たとえばソースなどが所定の位置から流れて包装用容器1Aに付着してしまう可能性がある。
【0013】
また、たとえば容器部aの底板11や蓋部bの天板21が、当該底板11や天板21の各辺のうち前板12,22および後板15,25に連接する辺が長辺を成し、側板13,14,23,24に連接する辺が短辺を成す長方形を呈している場合には、容器部aや蓋部bの重心が相対的にヒンジ部Pに近接して配置され、ヒンジ部Pに対する容器部aや蓋部bの重力によるモーメントが上記する反発力によるモーメントよりも小さくなるため、蓋部bが開いた姿勢から閉じた姿勢の方向へ回動し易くなり、物品の収納作業や調理作業を円滑に行い難い。
【0014】
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、包装用容器を形成する紙の剛性が高くても、開いた姿勢から閉じた姿勢の方向へ働く力を緩和して、包装用容器の任意の形状において開いた姿勢を容易に保持することのできる包装用容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明による包装用容器は、容器部と蓋部とがヒンジ部を介して開閉自在な包装用容器であり、前記容器部は、底板、前板、左右の側板および後板を有し、前記蓋部は、天板、前板、左右の側板および後板を有し、前記容器部の後板の上縁と前記蓋部の後板の下縁とが連続して前記ヒンジ部が形成されている包装用容器において、前記包装用容器は、210〜310g/m2の質量を有する紙で形成されていて、前記ヒンジ部の両側の端部近傍を除いた部分には、該ヒンジ部の全長の71〜81%の長さの切込みが設けられていることを特徴とする。
【0016】
上記する包装用容器では、当該包装用容器が一般にハンバーガーなどの食品を提供する際に使用される210〜310g/m2の質量を有する紙で形成されている場合において、ヒンジ部の両側の端部近傍を除いた部分にヒンジ部の全長の71〜81%の長さに相当する切込みを設けることで、たとえば開いた姿勢で包装用容器の容器部を水平に配置した際に、蓋部がヒンジ部を介して閉じた姿勢の方向へ回動しようとする力を効果的に緩和することができる。具体的には以下の実施例で示すように、切込みの長さがヒンジ部の全長の71%よりも短い場合には、蓋部がヒンジ部を介して閉じた姿勢の方向へ回動しようとする力を十分に緩和することができないため、容器部内への物品の収納作業や容器部や蓋部での物品の調理作業において容器部や蓋部がヒンジ部を介して回動し、上記収納作業や調理作業が阻害される可能性がある。また、切込みの長さがヒンジ部の全長の81%よりも長い場合には、包装用容器のヒンジ部の軸芯方向の剛性が低下し、製函時などにおいて包装用容器のヒンジ部が変形してその外形を保持することができなくなる可能性が高い。したがって、上記するようにヒンジ部の両側の端部近傍を除いた部分でヒンジ部の全長の71〜81%の長さに相当する切込みを設けることで、包装用容器の外形を保持しながら、たとえば別途の押圧力を蓋部に作用させること無く、包装用容器の開いた姿勢を容易に保持することができ、容器部内への物品の収納作業や容器部や蓋部での物品の調理作業を円滑に行うことができる。
【0017】
また、本発明による包装用容器の好ましい態様では、前記両側の端部近傍の総長さが前記ヒンジ部の全長の8%以上であることを特徴とする。
【0018】
上記する包装用容器では、前記切込みをヒンジ部の両側の端部近傍を除いた部分に設けるとともに、その両側の端部近傍の総長さをヒンジ部の全長の8%以上とする、すなわち少なくともヒンジ部の両側の端部近傍において容器部の後板と蓋部の後板とをヒンジ部の全長の8%以上の長さで連接することで、包装用容器におけるヒンジ部の軸芯方向の剛性を効果的に高めることができる。したがって、上記するような製函機で製函する際に製函機の枠組によって押圧されることで発生するヒンジ部のゆがみを抑制することができ、製函時にヒンジ部に亀裂が生じるのを効果的に回避することができ、製函後の包装用容器の外形を確実に保持することができる。
【0019】
ここで、前記包装用容器の底板および天板は、正方形であってもよいし、底板および天板の各辺のうち前板および後板に連接する辺が長辺を成す長方形であってもよい。
【0020】
また、本発明による包装用容器の別の好ましい態様では、前記容器部における後板の下縁と上縁との距離をd1、底板と後板とのなす角度をθ1、前記蓋部における後板の下縁と上縁との距離をd2、天板と後板とのなす角度をθ2としたときに、d1sinθ1=d2sinθ2であることを特徴とする。
【0021】
上記する包装用容器では、容器部の底板と蓋部の天板とを同一平面上に載置することができる。したがって、たとえば所定の段差を設けた調理台等を使用する必要がなく、任意の平板上で容器部と蓋部との双方が略水平となるように当該包装用容器を置くことができ、収納作業や調理作業の自由度が増し、収納作業や調理作業をさらに円滑に行うことができる。
【0022】
さらに、本発明による包装用容器の別の好ましい態様では、前記切込みが前記ヒンジ部に分散して設けられていることを特徴とする。
【0023】
上記する包装用容器では、ヒンジ部に対して1つの切込みを設けてもよいし、複数に分散して設けてよい。前記切込みをヒンジ部に対して複数に分散して設けることで、ヒンジ部の所望の部分において容器部と蓋部の後板を連接させることができ、ヒンジ部の剛性をより一層高めることができる。また、ヒンジ部に設けられる各切込みの長さが相対的に短くなることで、包装用容器内への異物の混入を効果的に防止することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の包装用容器によれば、製函後の包装用容器の外形を保持しながら、開いた姿勢から閉じた姿勢の方向へ働く力を効果的に緩和して開いた姿勢を確実に保持することができ、物品の収納作業や調理作業を円滑に行うことのできる包装用容器が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明による包装用容器の一実施の形態を示す展開図。
【図2】図1に展開図で示す包装用容器を組み立てた状態で、かつ開いた状態で示す全体斜視図。
【図3】図2に示す包装用容器のA−A矢視図。
【図4】図1に展開図で示す包装用容器を組み立てた状態で、かつ閉じた状態で示す全体斜視図。
【図5】本発明による包装用容器の他の実施の形態を示す展開図。
【図6】図5に展開図で示す包装用容器を組み立てた状態で、かつ開いた状態で示す全体斜視図。
【図7】図5に展開図で示す包装用容器を組み立てた状態で、かつ閉じた状態で示す全体斜視図。
【図8】検証実験の状況を示した図であり、(a)は実施例1、(b)は実施例3、(c)は比較例2の検証実験の状況を示した図。
【図9】ヒンジ部の端部近傍の連接部の長さを13mmよりも小さくした包装用容器を製函器に投入した状況を示した図。
【図10】従来の包装用容器の展開図。
【図11】図10に展開図で示す包装用容器を組み立てた状態で、かつ開いた状態で示す全体斜視図。
【図12】図10に展開図で示す包装用容器を製函機に投入した状態を示す全体斜視図。
【図13】図10に展開図で示す包装用容器を組み立てた状態で、かつ閉じた状態で示す全体斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態に基づき説明する。
【0027】
図1は、本発明による包装用容器の一実施の形態を示す展開図であり、図2は、図1に展開図で示す包装用容器を組み立てた状態で、かつ開いた状態で示す全体斜視図であり、図3は、図2に示す包装用容器のA−A矢視図であり、図4は、図1に展開図で示す包装用容器を組み立てた状態で、かつ閉じた状態で示す全体斜視図であって、背面側(ヒンジ部側)から視た図である。
【0028】
図1〜図4に示す包装用容器1は、図10〜図13に基づき説明した包装用容器1Aに対して、主としてヒンジ部Pおよび該ヒンジ部Pに連接する容器部aと蓋部bの後板15,25の形態が相違しており、他の部材はほぼ同等の形態を有している。したがって、包装用容器1Aと同様の部材には同じ符号を付して詳細な説明は省略すると共に、以下では相違する点についてのみ詳細に説明する。
【0029】
本実施の形態の包装用容器1においては、図1に示すように、そのヒンジ部Pの両側の端部近傍Paを除いた部分に切込みC1が設けられている。具体的には、包装用容器1を形成するブランクスを厚紙等から裁断機にて打ち抜く際に、当該裁断機にてヒンジ部Pに切込みC1を入れる。ここで、ヒンジ部Pの全長をL、切込みC1の長さをL1、端部近傍Paの長さをL2とすると、L,L1およびL2は以下の式(1),(2)で示す関係を有している。
【0030】
【数1】
【0031】
【数2】
【0032】
ここで、図示する包装用容器1は210〜310g/m2の単位面積当たりの質量(坪量)を有する紙で形成されている。
【0033】
なお、蓋部bの後板25のヒンジ部Pに近い部分には、後板25の剛性を低減するとともに製函時の製造誤差を相殺するためにヒンジ部Pの軸芯方向に延びる切込みCaが設けられている。
【0034】
この形態の包装用容器1を組み立てて、図2に示すように開いた姿勢とすると、ヒンジ部Pに設けられた切込みC1によって開いた姿勢から閉じた姿勢の方向へ働く力が低減されており、この開いた姿勢を容易に保持することができる。また、その組み立ての際に図12に示す製函機を使用したとしても、ヒンジ部Pの端部近傍Paで容器部aの後板15と蓋部bの後板25とが連接され、ヒンジ部Pの軸芯方向の剛性が確保されており、包装用容器1の外形は保持されている。
【0035】
また、図3に示すように、この開いた姿勢では、容器部aにおける底板11と蓋部bにおける天板21とが同一平面上に置かれ、容器部aと蓋部bとの双方で水平姿勢を保持することができる。
【0036】
具体的には、容器部aにおける後板15の下縁36と上縁(ヒンジ部P)との距離をd1、組み立て後の底板11と後板15とのなす角度をθ1、蓋部bにおける後板25の下縁(ヒンジ部)と上縁37との距離をd2、組み立て後の天板21と後板25とのなす角度をθ2とすると、これらは以下の式(3)で示す関係を有している。
【0037】
【数3】
【0038】
このように、ヒンジ部Pに切込みC1が設けられるとともに、容器部aにおける底板11と後板15および蓋部bにおける天板21と後板25が上記する式(3)で示す関係を有していることで、別途の押圧力を作用させることなく、容器部aと蓋部bとを水平姿勢で容易に保持することができる。
【0039】
なお、組み立て後の底板11と後板15とのなす角度θ1は、底板11の後縁と側板13,14の後縁とのなす角度αが小さければこの角度αと略同一であり、組み立て後の天板21と後板25とのなす角度θ2は、天板21の後縁と側板23,24の後縁とのなす角度βが小さければこの角度βと略同一である。ここで、角度θ1,θ2は一般に95〜120°であり、好ましくは98〜112°である。
【0040】
そして、上記する開いた姿勢で物品の収納作業や調理作業などをおこなった後、蓋部bをヒンジ部Pを中心として回動し、第1の係合爪13B,14Bと第2の係止爪23B,24Bとを互いに係合させて、図4に示すように包装用容器1を閉じた姿勢とすることができる。
【0041】
次に、図5は、本発明による包装用容器の他の実施の形態を示す展開図であり、図6は、図5に展開図で示す包装用容器を組み立てた状態で、かつ開いた状態で示す全体斜視図であり、図7は、図5に展開図で示す包装用容器を組み立てた状態で、かつ閉じた状態で示す全体斜視図である。
【0042】
図5〜図7に示す包装用容器2は、図1〜図4に示す包装用容器1に対して、ヒンジ部Pに設けられた切込みの形態を変更したものであり、他の部材は同等の形態を有している。したがって、包装用容器1と同様の部材には同じ符号を付して詳細な説明は省略すると共に、以下では変更した点についてのみ詳細に説明する。
【0043】
図5に示す包装用容器2においては、ヒンジ部Pの両側の端部近傍Paを除いた部分に、3つの切込みC2a,C2b,C2cから構成される切込みC2が設けられている。すなわち、切込みC2aと切込みC2bとの間および切込みC2aと切込みC2cとの間には容器部aの後板15と蓋部bの後板25を連接する連接部Pb,Pcが形成されており、この連接部Pb,Pcはヒンジ部Pの両側の端部近傍Paとともに蓋部bを回動するためのヒンジとして機能する。ここで、切込みC2を構成する3つの切込みC2a,C2b,C2cの長さをそれぞれL1a,L1b,L1cとすると、これらは以下の式(4)で示す関係を有している。
【0044】
【数4】
【0045】
すなわち、3つの切込みC2a,C2b,C2cから構成される切込みC2全体の長さは、図1で示す包装用容器1と同様、ヒンジ部Pの全長Lの71〜81%に相当する。なお、ヒンジ部Pに分散して設ける切込みの基数や長さ、その配置は適宜変更することができる。
【0046】
この形態の包装用容器2を組み立てて(図6参照)、蓋部bをヒンジ部Pを中心として回動し、図7に示すように包装用容器2を閉じた姿勢とすると、ヒンジ部Pに設けられた各切込みC2a,C2b,C2cは図3で示す切込みC1に対して相対的に小さくなるため、包装用容器2内への異物の混入を効果的に防止することができる。また、切込みC2a,C2b,C2cの間の連接部Pb,Pcを所定の長さで形成することで、ヒンジ部Pの軸芯方向の剛性を高めることができ、包装用容器2、特にそのヒンジ部P近傍の変形を効果的に抑制することができる。
【0047】
[切込みの長さの違いによる容器部に対する蓋部の傾きを検証した実験とその結果]
本発明者等は、切込み長さの異なる包装用容器(実施例1〜3、比較例1,2)を作製し、ハンバーガーなどの物品を収納するのに適した包装用容器のヒンジ部の切込み長さを検証した。
【0048】
以下の表1は、ハンバーガーなどの物品を収納するために一般に使用される包装用容器の容器部の底板の寸法である。なお、表1に示すそれぞれの包装用容器A〜Gにおいて、蓋部の天板の寸法は容器部の底板の寸法と同様である。
【0049】
【表1】
【0050】
本発明者等は、表1に示す包装用容器A〜Gのうち、略円形もしくは略長円形の食品を収容するために使用され、容器部の底板の側縁の長さに対して前縁および後縁の長さが相対的に長く(底板の縦横比が相対的に大きく)、開いた姿勢において蓋部が閉じる方向へ回動し易い包装用容器Fを用いて実施例1〜3、比較例1,2を作製した。ここで、包装用容器Fを形成する紙の単位面積当たりの質量(秤量)は260g/m2であり、そのヒンジ部の全長は139mmであった。
【0051】
実施例1〜3、比較例1,2の作製方法としては、上記包装用容器Fのヒンジ部に対してその中心から軸芯方向へ左右均等にそれぞれ113mm,106mm,99mm,88mm,75mmの切込みを形成した。すなわち、実施例1〜3、比較例1,2はそれぞれ、ヒンジ部の全長に対して81%,76%,71%,63%,54%の長さの切込み形成したものである。なお、上記切込みを形成したことにより、実施例1〜3、比較例1,2はそれぞれ、ヒンジ部の両側の端部近傍に13mm,16.5mm,20mm,25.5mm,32mmの連接部が形成されている(表2参照)。
【0052】
そして、一般にハンバーガーに使用されるパンの片側の質量が20〜50gであることから、本発明者等は、パンを模擬した40gの重りを容器部および蓋部のそれぞれに置いて、容器部に対する蓋部の傾きなどを測定した。
【0053】
図8はその検証実験の状況を示した図であり、図8(a)は実施例1、図8(b)は実施例3、図8(c)は比較例2の検証実験の状況を示した図である。また、以下の表2は、実施例1〜3および比較例1,2の容器部の底板と蓋部の天板との相対角度を測定した結果を示したものである。
【0054】
【表2】
【0055】
表2に示すように、開いた姿勢での容器部の底板と蓋部の天板との相対角度は、実施例1〜3ではそれぞれ0°,5°,10°であり、比較例1,2ではそれぞれ15°,20°であった。なお、上記するように蓋部のほうが容器部よりも大きいことから、図8に示すように容器部と蓋部とに同じ質量の重りを置いた場合には、容器部が相対的に浮き上がった状態となった。
【0056】
また、本発明者等は、実施例1〜3および比較例1,2の容器部と蓋部に対し、ハンバーガーの材料であるパン等を置いてソースをかけ、そのソースの流れ具合を検証した。
【0057】
その結果、比較例1,2においてはパン等からソースが流れて容器部の天板に付着したことが確認された一方で、実施例1〜3においては、ソースの流れや容器部の天板等へのソースの付着は確認されなかった。
【0058】
このように、ヒンジ部に対してそのヒンジ部の全長の71%以上の切込みを設けることによって、容器部と蓋部とが略同一平面上に載置され、包装用容器への物品の収納作業や調理作業が円滑化されることが実証された。
【0059】
また、図9は、ヒンジ部の端部近傍の連接部の長さを13mmよりも小さくした包装用容器を図12に示す製函器に投入した状況を示した図である。
【0060】
図示するように、ヒンジ部の端部近傍の連接部の長さを13mmよりも小さくした、すなわちヒンジ部の全長に対して9.5%よりも小さくした場合には、製函時にヒンジ部が撓むことが確認され、さらに、ヒンジ部の端部近傍の連接部の長さを10mmよりも小さくした、すなわちヒンジ部の全長に対して8%よりも小さくした場合には、製函時におけるヒンジ部の撓みが大きくなり、ヒンジ部の端部近傍に亀裂が生じることが確認された。
【0061】
なお、上記する実施例1〜3では、包装用容器を形成する紙の単位面積当たりの質量(秤量)が260g/m2であったが、たとえば210g/m2の紙である場合には、開いた姿勢から閉じた姿勢の方向へ働く力が減少する一方で容器部および蓋部の質量も減少するため、実施例1〜3と同様の結果を得ることができると考えられる。また、たとえば紙の単位面積当たりの質量(秤量)が310g/m2である場合には、開いた姿勢から閉じた姿勢の方向へ働く力が増加する一方で容器部および蓋部の質量も増加するため、やはり実施例1〜3と同様の結果を得ることができると考えられる。すなわち、包装用容器がハンバーガーなどの食品を提供する際に一般に使用される210〜310g/m2の質量を有する紙で形成されている場合には上記する実施例1〜3と同様の結果を得ることができると考えられる。
【符号の説明】
【0062】
1,2…包装用容器、a…容器部、11…底板、12…前板、12a,12a…前板の延長部、12b,12b…前板の延長部の一部、13,14…左右の側板、13b,14b…左右の側板の前端部、13B,14B…第1の係止爪、15…後板、15a,15a…後板の延長部、b…蓋部、21…天板、22…前板、23,24…左右の側板、23a,24a…側板の延長部、23b,24b…側板の延長部の先端部、23c,24c…切り欠き部、23B,24B…第2の係止爪、25…後板、25a,25a…後板の延長部、33…前板の延長部の上縁、34…左右の側板の上縁、35…第1の係止爪(左右の側板の前端部)の上縁、36…容器部の後板の下端、37…蓋部の後板の上端、P…ヒンジ部、Pa…ヒンジ部の端部近傍(連接部)、Pb,Pc…連接部、C1,C2,Ca…切欠き、L…ヒンジ部の全長、L1,L1a,L1b,L1c…切欠きの長さ、L2…ヒンジ部の端部近傍の長さ、K…製函機
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器部と蓋部とがヒンジ部を介して開閉自在な包装用容器であり、前記容器部は、底板、前板、左右の側板および後板を有し、前記蓋部は、天板、前板、左右の側板および後板を有し、前記容器部の後板の上縁と前記蓋部の後板の下縁とが連続して前記ヒンジ部が形成されている包装用容器において、
前記包装用容器は、210〜310g/m2の質量を有する紙で形成されていて、前記ヒンジ部の両側の端部近傍を除いた部分には、該ヒンジ部の全長の71〜81%の長さの切込みが設けられていることを特徴とする包装用容器。
【請求項2】
前記両側の端部近傍の総長さは、前記ヒンジ部の全長の8%以上であることを特徴とする請求項1に記載の包装用容器。
【請求項3】
前記包装用容器の底板および天板は、正方形、もしくは該底板および天板の各辺のうち前板および後板に連接する辺が長辺を成す長方形を呈していることを特徴とする請求項1または2に記載の包装用容器。
【請求項4】
前記容器部における後板の下縁と上縁との距離をd1、底板と後板とのなす角度をθ1、前記蓋部における後板の下縁と上縁との距離をd2、天板と後板とのなす角度をθ2としたときに、d1sinθ1=d2sinθ2であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の包装用容器。
【請求項5】
前記切込みが前記ヒンジ部に分散して設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の包装用容器。
【請求項1】
容器部と蓋部とがヒンジ部を介して開閉自在な包装用容器であり、前記容器部は、底板、前板、左右の側板および後板を有し、前記蓋部は、天板、前板、左右の側板および後板を有し、前記容器部の後板の上縁と前記蓋部の後板の下縁とが連続して前記ヒンジ部が形成されている包装用容器において、
前記包装用容器は、210〜310g/m2の質量を有する紙で形成されていて、前記ヒンジ部の両側の端部近傍を除いた部分には、該ヒンジ部の全長の71〜81%の長さの切込みが設けられていることを特徴とする包装用容器。
【請求項2】
前記両側の端部近傍の総長さは、前記ヒンジ部の全長の8%以上であることを特徴とする請求項1に記載の包装用容器。
【請求項3】
前記包装用容器の底板および天板は、正方形、もしくは該底板および天板の各辺のうち前板および後板に連接する辺が長辺を成す長方形を呈していることを特徴とする請求項1または2に記載の包装用容器。
【請求項4】
前記容器部における後板の下縁と上縁との距離をd1、底板と後板とのなす角度をθ1、前記蓋部における後板の下縁と上縁との距離をd2、天板と後板とのなす角度をθ2としたときに、d1sinθ1=d2sinθ2であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の包装用容器。
【請求項5】
前記切込みが前記ヒンジ部に分散して設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の包装用容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−32175(P2013−32175A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−169259(P2011−169259)
【出願日】平成23年8月2日(2011.8.2)
【出願人】(000002440)積水化成品工業株式会社 (1,335)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月2日(2011.8.2)
【出願人】(000002440)積水化成品工業株式会社 (1,335)
【Fターム(参考)】
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