説明

包装用箱

【課題】接着剤による接着構成部分を極力少なくし、包装用箱の内部に所望の収納物を収納したのち、当該包装用箱を封緘する際、紙の特性を利用し、差込片の差し込みによって確実にロック封緘するようにした包装用箱を提供すること。
【解決手段】互いに平行する第1〜第5の5本の折線を介して連接された第1の側壁1〜第6の側壁6を有し、第1の側壁の上方および下方に折線を介して連続する第1および第2の中蓋片13、15と、第4の側壁および第6の側壁の上方および下方に折線を介して連続する垂蓋片と、第3の側壁の上方および下方に折線を介して連続する天蓋壁26および底蓋壁27とを有し、天蓋壁の差込片と第1の側壁の上方側との間、および底蓋壁の差込片と第1の側壁の下方側との間に、組立段階において差込片の差し込みによってロックされるロック手段30を設け、天蓋壁の一部に開封手段35を設けた包装用箱。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、紙製の一枚のシートを複数の折線を介して折り曲げて構成される包装用箱であって、例えば、糊などの接着剤による接着構成部分を極力少なくし、包装用箱の内部に所望の収納物を収納したのち、当該包装用箱を封緘する際、接着によって封緘するのではなく、紙の特性を利用して、当該包装用箱の組立段階における差込片の差し込みによって確実にロック封緘するように構成した包装用箱に関するものである。
【背景技術】
【0002】
周知のように、紙製の一枚のシートを複数の折線を介して折り曲げて構成される包装用箱において、当該包装用箱の内部に所望の収納物を収納して封緘してしまい、開封用のミシン目線ジッパーに沿って箱の一部を破壊して開封するようにした包装用の箱は、糊などによる多くの接着構造部分を有しているものであった。上記する従来の典型的な包装用箱は、糊を塗布する塗布工程、糊による接着工程などの工程を必要とし、構造が複雑であったり、あるいは、コストがアップするなどの問題点を有していた。一方また、当該包装用箱の糊代部分をホッチキスなどで固定して立体的に組み立てるものについては、分別回収などの問題点を有することから、近年余り利用されていない。
【0003】
従来から上記する理由により、糊などの接着剤による接着構造部分を利用しないで、包装用箱を構成するという多くの例が開発され提供されてきている。特許文献1に示すものは、通い箱等として接着剤、ステープルあるいは粘着テープ等を使用せずに容易に組み立てることが可能で、収納物の重量にも確実に耐えることができ、これにより上面と底面を閉じるフラップを劣化させずに組み立てと折り畳みが可能な包装用箱である。この特許文献1に示すものは、接合フラップの構造部分を除いて、確かに目的とする無接着構造のものとして構成されているが、底外フラップ4と底内フラップ5との間、並びに上外フラップ6と上内フラップ7との間の全てを固定するように構成してあり、その点において複雑な構造のものであって、しかも組み立て難いものである。
【0004】
一方、特許文献2に示すものは、糊を使わなくても差し込むだけでしっかりと固定できるようにし、糊貼り工程を省くことによって、コストダウンできるように構成したパッケージの差込み固定構造体である。この特許文献2に示すものは、互いに交差する二つの立ち板により形成されるコーナー部分において、二つの立ち板を起立状態にロックするように構成した点が開示されているだけのものである。即ち、この特許文献2のものは、上記する具体的な構成のものにすぎず、包装用箱の内部に所望の収納物を収納したのち、当該包装用箱を完全に封緘して、内部収納物を取り出すときには、開封用ミシン目線ジッパーに沿って開封するように構成した包装用箱に対し、当該包装用箱を完全に封緘する際に、無接着で確実にロック封緘するような構成のものには適用できない。
【0005】
【特許文献1】特開2003−341658号公報(要約、図1〜図3)
【特許文献2】実開平5−71127号公報(要約、図1〜図4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、この発明では、上記する特許文献1並びに特許文献2に示す従来技術の問題点を解消すべくなしたものであって、特に重要な要素は、極めて簡単な構成のものであって、機械詰めでも、あるいは手詰めでも、多種小ロットの箱詰めに対して極めて効果的に適用されるものであり、且つ、包装用箱の内部に所望の収納物を収納したのち、当該包装用箱を完全に封緘して、内部収納物を取り出すときには、開封用ミシン目線ジッパーに沿って開封するように構成した包装用箱に対し、当該包装用箱を完全に封緘する際に、無接着で確実にロック封緘するような構成のものに極めて有効に対応する包装用箱を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、上記する目的を達成するにあたって、請求項1に記載の発明は、一枚のシートを複数の折線を介して折り曲げて構成される包装用箱であって、互いに平行する第1〜第5の5本の折線を介して同一方向に折り曲げ可能に連接された第1の側壁、第2の側壁、第3の側壁、第4の側壁、前記第1の側壁の外側に重なり合う第5の側壁および前記第2の側壁の外側に重なり合う第6の側壁とを有し、前記第1の側壁の上方および下方に折線を介して連続する第1および第2の中蓋片と、前記第2の側壁または第4の側壁および第6の側壁の上方および下方に折線を介して連続する垂蓋片と、前記第3の側壁の上方および下方に折線を介して連続する天蓋壁および底蓋壁とを有し、前記天蓋壁の差込片と前記第1の側壁の上方側との間、および前記底蓋壁の差込片と前記第1の側壁の下方側との間に、組立段階において前記差込片の差し込みによってロックされるロック手段を設け、天蓋壁の一部に開封手段を設けたことを特徴とする包装用箱を構成するものである。
【0008】
さらに、この発明において請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の包装用箱であって、ロック手段が、天蓋壁および底蓋壁における各差込片の外側に向けてのび、それぞれ折り畳み線を介して左右に連続する折り畳みフック片と、前記第1の側壁における上方側および下方側に設けられていて、前記折り畳みフック片を折り畳んだ状態で入り通過を許容し、通過後、拡がった状態で外れ通過を阻止する折り畳みフック片受入れ孔とからなることを特徴とするものである。
【0009】
さらに、この発明において請求項3に記載の発明は、請求項1あるいは請求項2に記載の包装用箱であって、開封手段が、天蓋壁の全幅に渡って横断するミシン目線ジッパーであることを特徴とするものである。
【0010】
さらにまた、この発明において請求項4に記載の発明は、一枚のシートを複数の折線を介して折り曲げて構成される包装用箱であって、互いに平行する第1〜第4の4本の折線を介して同一方向に折り曲げ可能に連接された第1の側壁、第2の側壁、第3の側壁、第4の側壁および糊代フラップとを有し、前記第1〜第4の側壁における各下方に折線を介してそれぞれ連続する底壁構成片と、前記第1の側壁および第3の側壁の上方に折線を介して連続する垂蓋片と、前記第2の側壁の上方あるいは第4の側壁の上方のいずれか一方に折り畳み線を介して連続する内折り畳み片と、前記第2の側壁の上方あるいは第4の側壁の上方のいずれか他方に折線を介して連続する天蓋壁とを有し、前記天蓋壁の差込片と前記内折り畳み片との間に、組立段階において前記差込片の差し込みによってロックされるロック手段を設け、前記天蓋壁あるいは前記第1〜第3の側壁の一部に開封手段を設けたことを特徴とする包装用箱を構成するものでもある。
【0011】
さらに、この発明において請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の包装用箱であって、ロック手段が、天蓋壁における差込片の外側に向けてのび、それぞれ折り畳み線を介して左右に連続する折り畳みフック片と、内折り畳み片に設けられていて、折り畳みフック片を折り畳んだ状態で入り通過を許容し、通過後、拡がった状態で外れ通過を阻止する折り畳みフック片受入れ孔とからなることを特徴とするものである。
【0012】
さらに、この発明において請求項6に記載の発明は、請求項4あるいは請求項5に記載の包装用箱であって、開封手段が、天蓋壁の全幅に渡って横断するミシン目線ジッパーあるいは第2の側壁における上方側にその全幅に渡って横断するミシン目線ジッパーであることを特徴とするものである。
【0013】
さらにまた、この発明において請求項7に記載の発明は、一枚のシートを複数の折線を介して折り曲げて構成される包装用箱であって、互いに平行する第1〜第4の4本の折線を介して同一方向に折り曲げ可能に連接された第1の側壁、底壁、第2の側壁、天壁および糊代フラップとを有し、前記第1および第2の側壁における各左右に折線を介してそれぞれ連続する垂蓋片と、前記底壁の左右に折り畳み線を介して連続する内折り畳み片と、前記天壁の左右に折線を介して連続する第3および第4の側壁とを有し、前記第3および第4の側壁の各差込片と前記各内折り畳み片との間に、組立段階において前記差込片の差し込みによってロックされるロック手段を設け、前記天蓋壁の一部に開封手段を設けたことを特徴とする包装用箱を構成するものでもある。
【0014】
さらに、この発明において請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の包装用箱であって、ロック手段が、第3および第4の側壁における差込片の外側に向けてのび、それぞれ折り畳み線を介して連続する折り畳みフック片と、前記内折り畳み片に設けられていて、前記折り畳みフック片を折り畳んだ状態で入り通過を許容し、通過後、拡がった状態で外れ通過を阻止する折り畳みフック片受入れ孔とからなることを特徴とするものである。
【0015】
さらに、この発明において請求項9に記載の発明は、請求項7あるいは請求項8に記載の包装用箱であって、開封手段が、天蓋壁の一部を取り除くべく設けたミシン目線ジッパーであることを特徴とするものである。
【0016】
さらにまた、この発明において請求項10に記載の発明は、一枚のシートを複数の折線を介して折り曲げて構成される包装用箱であって、互いに平行する第1〜第4の4本の折線を介して同一方向に折り曲げ可能に連接された第1の側壁、第2の側壁、第3の側壁、第4の側壁および糊代フラップとを有し、前記第1および第3の側壁の上方および下方に折線を介してそれぞれ連続する垂蓋片と、前記第2の側壁の上方および下方に折り畳み線を介して連続する内折り畳み片と、前記第4の側壁の上方および下方に折線を介して連続する天蓋壁および底蓋壁とを有し、前記天蓋壁の差込片と前記上方側の内折り畳み片との間、および前記底蓋壁の差込片と前記下方側の内折り畳み片との間に、組立段階において前記差込片の差し込みによってロックされるロック手段を設け、前記天蓋壁の一部に開封手段を設けたことを特徴とする包装用箱を構成するものでもある。
【0017】
さらに、この発明において請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の包装用箱であって、前記ロック手段が、前記天蓋壁および底蓋壁における各差込片の外側に向けてのび、それぞれ折り畳み線を介して左右に連続する折り畳みフック片と、前記内折り畳み片に設けられていて、前記折り畳みフック片を折り畳んだ状態で入り通過を許容し、通過後、拡がった状態で外れ通過を阻止する折り畳みフック片受入れ孔とからなることを特徴とするものである。
【0018】
さらに、この発明において請求項12に記載の発明は、請求項10あるいは請求項11に記載の包装用箱であって、前記開封手段が、前記天蓋壁の全幅に渡って横断するミシン目線ジッパーであることを特徴とするものでもある。
請求項10あるいは請求項11に記載の包装用箱。
【発明の効果】
【0019】
この発明になる包装用箱は、請求項1、請求項4、請求項7並びに請求項10に記載のもののように4つの基本的構成のものを含むものであり、これらはいずれも、包装用箱の内部に所望の収納物を収納したのち、当該包装用箱を完全に封緘して、内部収納物を取り出すときには、開封用ミシン目線ジッパーに沿って開封するように構成した包装用箱に対し、当該包装用箱を完全に封緘する際に、無接着で確実にロック封緘するような構成の包装用箱として提供することができ、糊などによる接着構造部分を極力省略し、紙の特性を利用したロック手段によって確実にロック封緘することができる点などと併せて極めて有効に作用するものといえる。
【0020】
さらに、この発明になる包装用箱は、それ自体が極めて簡単な構成のものであって、機械詰めでも、あるいは手詰めでも、多種小ロットの箱詰めに対して極めて効果的に適用されるものであり、且つ、糊貼り工程などに要する作業の省力化が図れる点などにおいて、極めて有効に作用するものといえる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、この発明になる包装用箱について、図面に示す具体的な実施例に基づいて詳細に説明する。図1は、この発明になる包装用箱にあって、請求項1に記載の第1の発明における第1の実施例に係る包装用箱のための型抜きシートを展開して示す概略的な展開平面図である。図2は、その第1の発明における第2の実施例に係る包装用箱のための型抜きシートを展開して示す概略的な展開平面図である。図3は、この発明になる包装用箱にあって、請求項4に記載の第2の発明に係る包装用箱のための型抜きシートを展開して示す概略的な展開平面図である。図4は、請求項7に記載の第3の発明に係る包装用箱のための型抜きシートを展開して示す概略的な展開平面図である。図5は、請求項10に記載の第4の発明に係る包装用箱のための型抜きシートを展開して示す概略的な展開平面図である。図6A、図6B並びに図6Cは、当該包装用箱の内部に所望の収納物を収納した後、ロック手段によってロック封緘する手順を一部破断して示す概略的な斜視図である。
【0022】
この発明になる包装用箱は、例えば、包装用箱の内部に所望の収納物を収納したのち、当該包装用箱を完全に封緘して、内部収納物を取り出すときには、開封用ミシン目線ジッパーに沿って開封するように構成した包装用箱であり、当該包装用箱を完全に封緘する際に、無接着で確実にロック封緘するような構成の包装用箱であり、請求項1〜請求項3に記載の第1の発明と、請求項4〜請求項6に記載の第2の発明と、請求項7〜請求項9に記載の第3の発明と、請求項10〜請求項12に記載の第4の発明とを含むものによって構成される。
【0023】
まず、第1の発明に関して、図1に示す第1の実施例、並びに図2に示す第2の実施例に基づいて詳細に説明する。第1の発明における第1および第2の実施例は、第2の実施例のものが比較的偏平な包装用箱である点、開封手段が異なる点を除いて、他の構成は設計的な相違であり、実質上同一であるので、図面中では対応する部分毎に同一符号を付したものである。
【0024】
この第1の発明になる包装用箱P1は、一枚の型抜きシートS1によって構成されている。一枚の型抜きシートS1は、図1および図2に示すように、互いに平行する第1〜第5の5本の折線7、8、9、10および11を介して同一方向に折り曲げ可能に連接された第1の側壁1、第2の側壁2、第3の側壁3、第4の側壁4、組み立て時において前記第1の側壁1の外側に重なり合う第5の側壁5および前記第2の側壁2の外側に重なり合う第6の側壁6とを有している。
【0025】
前記第1の側壁1の上方には、折線12を介して連続する第1の中蓋片13が設けてあり、前記第1の側壁1の下方には、折線14を介して連続する第2の中蓋片15が設けてある。前記第4の側壁4の上方および下方には、折線16、18を介して連続する垂蓋片17、19が設けてあり、第6の側壁6の上方および下方には、折線20、22を介して連続する垂蓋片21、23が設けてある。前記第3の側壁3の上方および下方には、折線24、25を介して連続する天蓋壁26および底蓋壁27が設けてある。
【0026】
前記天蓋壁26および底蓋壁27の各自由端側には、折線28、28を介して差し込み片29、29が設けてあり、前記各差し込み片29、29の自由端側に、ロック手段30の一方の構成要素30Aが設けてある。前記ロック手段30は、前記天蓋壁26および底蓋壁27における各差し込み片29、29の外側に向けてのびるロック構成片31により構成されている。前記ロック構成片31は、折り畳み線32、32を介して左右に連続する折り畳みフック片33、33を有している。これに対して前記ロック手段30の他方の構成要素30Bは、前記第1の側壁1における上方側および下方側に設けられていて、前記折り畳みフック片33、33を折り畳んだ状態で入り通過を許容し、通過後、拡がった状態で外れ通過を阻止する折り畳みフック片受入れ孔34によって形成されている。
【0027】
図1に示す第1の実施例において、開封手段35は、前記天蓋壁26の全幅に渡って横断するミシン目線ジッパー35aにより構成されているものであり、図2に示す第2の実施例において、開封手段35は、前記天蓋壁26の全幅に渡って横断するミシン目線35bにより構成されているものである。
【0028】
この第1の発明における各実施例の場合、第1〜第3の3本の折線7、8および9を同一方向に折り曲げ、第1〜第4の側壁1、2、3および4により四側壁を形成し、さらに第4の折線10に沿って第5の側壁5を前記第1の側壁1の外側に重ね合わせ、さらにまた第5の折線11に沿って第6の側壁6を前記第2の側壁2の外側に重ね合わせて接合する。図1および図2に示す実施例では、第1の側壁1の外面と第5の側壁5の内面との間で一部接着され、第2の側壁2の外面と第6の側壁6の内面との間で接着される。下側の中蓋片15、下側の垂蓋片19、22を同一方向に折り曲げて、後述するようにして下側のロック手段30を係止することにより、当該包装用箱P1は、図6Aに示す状態に変位する。
【0029】
例えば、図6Aに示す状態において、当該包装用箱P1の内部に所望の収納物を収納した後、当該包装用箱P1は、次に示す手順に従って封緘される。まず、ロック手段30の一方の構成要素30Aにおけるロック構成片31の左右に連続する折り畳みフック片33、33を折り畳み線32、32に沿って完全に折り畳んだ後(図6B参照)、前記天蓋壁26の自由端側の差し込み片29ごとロック構成片31を前記第1の側壁1と第5の側壁5との間に差し込む(図6C参照)。前記第1の側壁1と第5の側壁5との間に差し込まれたロック構成片31における左右のフック片33、33は、前記第1の側壁1に設けてある折り畳みフック片受入れ孔34の位置に達した段階で、折り畳まれた状態から開き延ばされた状態に変位し、当該フック片33、33が前記折り畳みフック片受入れ孔34に進入して前記第1の側壁1の内側に入り込んでロック状態になる。
【0030】
次いで、図3に基づいて、第2の発明になる包装用箱P2の具体的な構成について詳細に説明する。この第2の発明になる包装用箱P2は、一枚の型抜きシートS2によって構成されている。この一枚の型抜きシートS2は、図3に示すように、互いに平行する第1〜第4の4本の折線47、48、49および50を介して同一方向に折り曲げ可能に連接された第1の側壁41、第2の側壁42、第3の側壁43、第4の側壁44および糊代フラップ45とを有している。
【0031】
図3に示す実施例によれば、前記第1の側壁41、第2の側壁42、第3の側壁43、第4の側壁44の各下方には、折線55、56、57、58を介してそれぞれ連続する底壁構成片51、52、53、54が設けてあり、当該包装用箱P2の底部を形成する。一方、前記第1の側壁41および第3の側壁43の上方には、折線59、60を介して連続する垂蓋片61、62が設けてある。さらに、前記第2の側壁42の上方には、折り畳み線63を介して連続する内折り畳み片64が設けてある。この実施例では、前記折り畳み線63に沿って差し込み片差し込み開口65が設けてあり、前記内折り畳み片64には、折り畳みフック片受入れ孔34が設けてある。
【0032】
一方、図3に示す実施例において、前記第4の側壁44の上方には、折線66を介して連続する天蓋壁67が設けてあり、その自由端側には、折線68を介して差し込み片69が設けてあり、前記差し込み片69の自由端側に、ロック手段30の一方の構成要素30Aが設けてある。前記ロック手段30は、前記天蓋壁67における各差し込み片69の外側に向けてのびるロック構成片31により構成されている。前記ロック構成片31は、折り畳み線32、32を介して左右に連続する折り畳みフック片33、33を有している。これに対して前記ロック手段30の他方の構成要素30Bは、前記第2の側壁42における上方側の内折り畳み片64に設けられていて、前記折り畳みフック片33、33を折り畳んだ状態で入り通過を許容し、通過後、拡がった状態で外れ通過を阻止する折り畳みフック片受入れ孔34によって形成されている。
【0033】
この第2の発明における図3に示す実施例の場合、第1〜第3の3本の折線47、48および49を同一方向に折り曲げ、第1〜第4の側壁41、42、43および44により四側壁を形成し、さらに第4の折線50に沿って糊代フラップ45を折り曲げ、これを第1の側壁41に接合する。図3に示す実施例では、内折り畳み片64が、第2の側壁側に折り畳まれて、その間で一部接着される。さらに、底壁構成片51と底壁構成片52aとの間、底壁構成片53と底壁構成片54aとの間が接着される。
【0034】
図3に示す実施例において、開封手段35は、前記第2の側壁42における上方側に、その全幅に渡って横断するミシン目線ジッパー35cと、その一端から前記第1の側壁41に、傾斜して横断するミシン目線35d、その他端から前記第3の側壁43に、傾斜して横断するミシン目線35dによって構成されているものである。
【0035】
次いで、図4に基づいて、第3の発明になる包装用箱P3の具体的な構成について詳細に説明する。この第3の発明になる包装用箱P3は、一枚の型抜きシートS3によって構成されている。この一枚の型抜きシートS3は、図4に示すように、互いに平行する第1〜第4の4本の折線77、78、79および80を介して同一方向に折り曲げ可能に連接された第1の側壁71、底壁72、第2の側壁73、天壁74および糊代フラップ75とを有している。前記第1および第2の側壁71、73における各左右には、それぞれ折線81を介して連続する垂蓋片82を有している。前記底壁72の左右には、折り畳み線83を介して連続する内折り畳み片84が設けてある。この実施例では、前記折り畳み線83に沿って差し込み片差し込み開口85が設けてあり、前記内折り畳み片84には、折り畳みフック片受入れ孔34が設けてある。
【0036】
一方、図4に示す実施例において、前記天壁74の左右には、折線86、86を介して連続する第3および第4の側壁87、87が設けてあり、その各自由端側には、折線88を介して差し込み片89が設けてあり、前記差し込み片89の自由端側に、ロック手段30の一方の構成要素30Aが設けてある。前記ロック手段30は、前記差し込み片89の外側に向けてのびるロック構成片31により構成されている。前記ロック構成片31は、折り畳み線32、32を介して連続する折り畳みフック片33、33を有している。これに対して前記ロック手段30の他方の構成要素30Bは、前記内折り畳み片84に設けられていて、前記折り畳みフック片33、33を折り畳んだ状態で入り通過を許容し、通過後、拡がった状態で外れ通過を阻止する折り畳みフック片受入れ孔34によって形成されている。
【0037】
この第3の発明における図4に示す実施例の場合、第1〜第3の3本の折線77、78および79を同一方向に折り曲げ、第1の側壁71、底壁72、第2の側壁73、天壁74により四側壁を形成し、さらに第4の折線80に沿って糊代フラップ75を折り曲げ、これを第1の側壁71に接合する。図4に示す実施例では、各内折り畳み片84、84が、底壁72側に折り畳まれて、それぞれその間で一部接着されるようになっている。
【0038】
図4に示す実施例において、開封手段35は、前記天壁74の一部を取り除くべく設計されたミシン目線ジッパー35eによって構成されているものである。
【0039】
次いで、図5に基づいて、第4の発明になる包装用箱P4の具体的な構成について詳細に説明する。この第4の発明になる包装用箱P4は、一枚の型抜きシートS4によって構成されている。この一枚の型抜きシートS4は、図5に示すように、互いに平行する第1〜第4の4本の折線97、98、99および100を介して同一方向に折り曲げ可能に連接された第1の側壁91、第2の側壁92、第3の側壁93、第4の側壁94および糊代フラップ95とを有している。前記第1および第3の側壁91、93の上方および下方には、それぞれ折線101を介して連続する垂蓋片102を有している。前記第2の側壁92の上方および下方には、折り畳み線103、103を介してそれぞれ連続する内折り畳み片104、104が設けてある。この実施例では、前記折り畳み線103、103に沿って差し込み片差し込み開口105、105が設けてあり、前記内折り畳み片104、104には、折り畳みフック片受入れ孔34、34が設けてある。
【0040】
一方、図5に示す実施例において、前記第4の側壁94の上方および下方に折線106を介して連続する天蓋壁107aおよび底蓋壁107bが設けてあり、その各自由端側には、折線108を介して差し込み片109が設けてあり、前記差し込み片109の自由端側に、ロック手段30の一方の構成要素30Aが設けてある。前記ロック手段30は、前記差し込み片109の外側に向けてのびるロック構成片31により構成されている。前記ロック構成片31は、折り畳み線32、32を介して連続する折り畳みフック片33、33を有している。これに対して前記ロック手段30の他方の構成要素30Bは、前記内折り畳み片104に設けられていて、前記折り畳みフック片33、33を折り畳んだ状態で入り通過を許容し、通過後、拡がった状態で外れ通過を阻止する折り畳みフック片受入れ孔34によって形成されている。
【0041】
この第4の発明における図5に示す実施例の場合、第1〜第3の3本の折線97、98および99を同一方向に折り曲げ、第1〜第4の側壁91〜94により四側壁を形成し、さらに第4の折線100に沿って糊代フラップ95を折り曲げ、これを第1の側壁91に接合する。図5に示す実施例では、各内折り畳み片104、104が、第2の側壁92側に折り畳まれて、それぞれその間で一部接着されるようになっている。
【0042】
図5に示す実施例において、開封手段35は、前記天蓋壁107aの全幅に渡って横断するミシン目線ジッパー35fによって構成されているものである。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】図1は、この発明になる包装用箱にあって、請求項1に記載の第1の発明における第1の実施例に係る包装用箱のための型抜きシートを展開して示す概略的な展開平面図である。
【図2】図2は、その第1の発明における第2の実施例に係る包装用箱のための型抜きシートを展開して示す概略的な展開平面図である。
【図3】図3は、この発明になる包装用箱にあって、請求項4に記載の第2の発明に係る包装用箱のための型抜きシートを展開して示す概略的な展開平面図である。
【図4】図4は、請求項7に記載の第3の発明に係る包装用箱のための型抜きシートを展開して示す概略的な展開平面図である。
【図5】図5は、請求項10に記載の第4の発明に係る包装用箱のための型抜きシートを展開して示す概略的な展開平面図である。
【図6】図6A、図6B並びに図6Cは、当該包装用箱の内部に所望の収納物を収納した後、ロック手段によってロック封緘する手順を一部破断して示す概略的な斜視図である。
【符号の説明】
【0044】
P1、P2、P3、P4 異なる構造の包装用箱
S1、S2、S3、S4 型抜きシート
1 第1の側壁
2 第2の側壁
3 第3の側壁
4 第4の側壁
5 第5の側壁
6 第6の側壁
13 第1の中蓋片
15 第2の中蓋片
17、19 垂蓋片
21、23 垂蓋片
26 天蓋壁
27 底蓋壁
29 差し込み片
30 ロック手段
30A ロック手段の一方の構成要素
30B ロック手段の他方の構成要素
31 ロック構成片
33 折り畳みフック片
34 折り畳みフック片受入れ孔
35 開封手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一枚のシートを複数の折線を介して折り曲げて構成される包装用箱であって、互いに平行する第1〜第5の5本の折線を介して同一方向に折り曲げ可能に連接された第1の側壁、第2の側壁、第3の側壁、第4の側壁、前記第1の側壁の外側に重なり合う第5の側壁および前記第2の側壁の外側に重なり合う第6の側壁とを有し、前記第1の側壁の上方および下方に折線を介して連続する第1および第2の中蓋片と、前記第2の側壁または第4の側壁および第6の側壁の上方および下方に折線を介して連続する垂蓋片と、前記第3の側壁の上方および下方に折線を介して連続する天蓋壁および底蓋壁とを有し、前記天蓋壁の差込片と前記第1の側壁の上方側との間、および前記底蓋壁の差込片と前記第1の側壁の下方側との間に、組立段階において前記差込片の差し込みによってロックされるロック手段を設け、前記天蓋壁の一部に開封手段を設けたことを特徴とする包装用箱。
【請求項2】
前記ロック手段が、前記天蓋壁および底蓋壁における各差込片の外側に向けてのび、それぞれ折り畳み線を介して左右に連続する折り畳みフック片と、前記第1の側壁における上方側および下方側に設けられていて、前記折り畳みフック片を折り畳んだ状態で入り通過を許容し、通過後、拡がった状態で外れ通過を阻止する折り畳みフック片受入れ孔とからなることを特徴とする請求項1に記載の包装用箱。
【請求項3】
前記開封手段が、前記天蓋壁の全幅に渡って横断するミシン目線ジッパーであることを特徴とする請求項1あるいは請求項2に記載の包装用箱。
【請求項4】
一枚のシートを複数の折線を介して折り曲げて構成される包装用箱であって、互いに平行する第1〜第4の4本の折線を介して同一方向に折り曲げ可能に連接された第1の側壁、第2の側壁、第3の側壁、第4の側壁および糊代フラップとを有し、前記第1〜第4の側壁における各下方に折線を介してそれぞれ連続する底壁構成片と、前記第1の側壁および第3の側壁の上方に折線を介して連続する垂蓋片と、前記第2の側壁の上方あるいは第4の側壁の上方のいずれか一方に折り畳み線を介して連続する内折り畳み片と、前記第2の側壁の上方あるいは第4の側壁の上方のいずれか他方に折線を介して連続する天蓋壁とを有し、前記天蓋壁の差込片と前記内折り畳み片との間に、組立段階において前記差込片の差し込みによってロックされるロック手段を設け、前記天蓋壁あるいは前記第1〜第3の側壁の一部に開封手段を設けたことを特徴とする包装用箱。
【請求項5】
前記ロック手段が、前記天蓋壁における差込片の外側に向けてのび、それぞれ折り畳み線を介して左右に連続する折り畳みフック片と、前記内折り畳み片に設けられていて、前記折り畳みフック片を折り畳んだ状態で入り通過を許容し、通過後、拡がった状態で外れ通過を阻止する折り畳みフック片受入れ孔とからなることを特徴とする請求項4に記載の包装用箱。
【請求項6】
前記開封手段が、天蓋壁の全幅に渡って横断するミシン目線ジッパーあるいは第2の側壁における上方側にその全幅に渡って横断するミシン目線ジッパーであることを特徴とする請求項4あるいは請求項5に記載の包装用箱。
【請求項7】
一枚のシートを複数の折線を介して折り曲げて構成される包装用箱であって、互いに平行する第1〜第4の4本の折線を介して同一方向に折り曲げ可能に連接された第1の側壁、底壁、第2の側壁、天壁および糊代フラップとを有し、前記第1および第2の側壁における各左右に折線を介してそれぞれ連続する垂蓋片と、前記底壁の左右に折り畳み線を介して連続する内折り畳み片と、前記天壁の左右に折線を介して連続する第3および第4の側壁とを有し、前記第3および第4の側壁の各差込片と前記各内折り畳み片との間に、組立段階において前記差込片の差し込みによってロックされるロック手段を設け、前記天蓋壁の一部に開封手段を設けたことを特徴とする包装用箱。
【請求項8】
前記ロック手段が、前記第3および第4の側壁における差込片の外側に向けてのび、それぞれ折り畳み線を介して連続する折り畳みフック片と、前記内折り畳み片に設けられていて、前記折り畳みフック片を折り畳んだ状態で入り通過を許容し、通過後、拡がった状態で外れ通過を阻止する折り畳みフック片受入れ孔とからなることを特徴とする請求項7に記載の包装用箱。
【請求項9】
前記開封手段が、前記天蓋壁の一部を取り除くべく設けたミシン目線ジッパーであることを特徴とする請求項7あるいは請求項8に記載の包装用箱。
【請求項10】
一枚のシートを複数の折線を介して折り曲げて構成される包装用箱であって、互いに平行する第1〜第4の4本の折線を介して同一方向に折り曲げ可能に連接された第1の側壁、第2の側壁、第3の側壁、第4の側壁および糊代フラップとを有し、前記第1および第3の側壁の上方および下方に折線を介してそれぞれ連続する垂蓋片と、前記第2の側壁の上方および下方に折り畳み線を介して連続する内折り畳み片と、前記第4の側壁の上方および下方に折線を介して連続する天蓋壁および底蓋壁とを有し、前記天蓋壁の差込片と前記上方側の内折り畳み片との間、および前記底蓋壁の差込片と前記下方側の内折り畳み片との間に、組立段階において前記差込片の差し込みによってロックされるロック手段を設け、前記天蓋壁の一部に開封手段を設けたことを特徴とする包装用箱。
【請求項11】
前記ロック手段が、前記天蓋壁および底蓋壁における各差込片の外側に向けてのび、それぞれ折り畳み線を介して左右に連続する折り畳みフック片と、前記内折り畳み片に設けられていて、前記折り畳みフック片を折り畳んだ状態で入り通過を許容し、通過後、拡がった状態で外れ通過を阻止する折り畳みフック片受入れ孔とからなることを特徴とする請求項10に記載の包装用箱。
【請求項12】
前記開封手段が、前記天蓋壁の全幅に渡って横断するミシン目線ジッパーであることを特徴とする請求項10あるいは請求項11に記載の包装用箱。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−103728(P2006−103728A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−291200(P2004−291200)
【出願日】平成16年10月4日(2004.10.4)
【出願人】(000231268)日本紙工株式会社 (1)
【Fターム(参考)】