説明

包装用紙箱

【課題】繰り返し使用しても耐久性があり、また、組立て、折り畳みがワンタッチで行え、例えば焼酎、清酒等の瓶1本ずつ包装する場合に好適な包装用紙箱を提供する。
【解決手段】第1側板11と第6側板16とを結合して六角筒形状の箱主体10を形成すると共に、第1と第4底部片21,24の底板主体21a,24aの内側に、結合された第2底部片22と第3底部片23及び結合された第5底部片25と第6底部片26を重ね、係合片22dと25dとを互いに係合して第1〜第6底部片21〜26によって箱主体10の底部18を形成し、山折り線20a〜20fを山折りして第1底部片〜第6底部片21〜26を箱主体10の内側に折り込み、さらに第2山折り線17b及び第5山折り線17eを山折りして箱主体10を扁平状に折り畳み可能とすることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、焼酎、清酒等の瓶1本ずつ包装する包装用紙箱に関する。
【背景技術】
【0002】
焼酎、清酒等の瓶は、720ml,900ml,1800ml等が一般的であり、店頭で販売する際には、顧客が瓶を手に取ってラベルに表示された内容物の情報等を確認できるように未包装の瓶のまま陳列されている場合が多い。焼酎、清酒等を顧客が贈答用等として購入する場合、店員に紙箱包装を希望することを告げると、店員が店舗に用意されている包装用紙箱を取り出し、瓶を包装用紙箱に収納して顧客に手渡ししている。
【0003】
焼酎、清酒等の瓶を包装する包装用紙箱は、瓶を立てに1本ずつ収納できるように、上部に蓋部を有する縦長の直方体形状が一般的であるが、包装用紙箱は、店舗で保管する際に嵩張らないように扁平状に折り畳まれる折り畳み式である。しかも、包装用紙箱は必要に応じてワンタッチで組立てられると共に、組立て後は、糊や粘着テープを用いることなく立体的箱形状に保てるように構成されている。
【0004】
図11は従来の底組込み式包装用紙箱の展開図、図12は組立て状態の底部を示し、(a)は内底面図、(b)は外底面図である。図11及び図12に示すように、厚紙にコーティングを施したコートボール、段ボール等によって形成された六角筒形状の箱主体50は、同一幅、同一長さの長方形状の第1側板〜第6側板51〜56が第1山折り線〜第5山折り線57a〜57eを介して連設されている。さらに、第1側板51には山折り線58を介して糊代片59が連設されている。
【0005】
箱主体50の底部60側には第1側板〜第6側板51〜56と山折り線51a〜51fを介して第1底部片〜第6底部片61〜66が連設されている。第1底部片61〜第6底部片66は同一形状であり、山折り線51a〜51fを底辺とする略直角三角形状に形成されている。
【0006】
前記箱主体50は、第1山折り線〜第5山折り線57a〜57e及び山折り線58を山折りし、第6側板56を糊代片59に糊付けすることにより六角筒形状に形成される。また、第1側板〜第6側板51〜56に対して山折り線51a〜51fから山折りして第1底部片〜第6底部片61〜66を箱主体50の内部に折り込み、第1底部片61の先端部の上に対して第2底部片62を重ね、さらに第2底部片62の先端部の上に対して第3底部片63を重ねる要領で順次重ね、最終的に第6底部片66の先端部を第1底部片61の下(内側)に重ねることにより、底部60が形成されている。
【0007】
前述のように構成された箱主体50は、不使用時には扁平状に折り畳み可能であるが、第1底部片〜第6底部片61〜66を山折り線51a〜51fから山折りせずに箱主体50の底部60から外方に突出させた状態にすることにより、扁平状に折り畳みできる。
【0008】
さらに、焼酎、清酒等の瓶1本ずつ包装することが可能で、しかもワンタッチで組立て折り畳みが可能な六角筒形状の包装用紙箱が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】実用新案登録第3110523号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、図11及び図12に示す包装用紙箱は、箱主体50の底部60を構成する第1底部片〜第6底部片61〜66が、その先端部のみが重なる構造であり、強度的に弱く、例えば焼酎、清酒等の瓶1本ずつ包装するには不向きである。また、箱主体50の組立て時には第1底部片〜第6底部片61〜66を山折り線51a〜51fから山折りして箱主体50の内部に折り込む面倒な操作が必要となる。
また、前記特許文献1は、箱主体の六角筒形状の底部開口を第1の底面片と第2の底面片の2枚の底面片で閉塞し、第1の底面片と第2の底面片の噛合部が互いに噛み合うようにした構造である。従って、繰り返し使用して噛合部の噛み合いが弱くなると底部が抜ける虞があり、例えば焼酎、清酒等の瓶1本ずつ包装するには不向きである。
本発明は、前記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、第1底部片と第4底部片とを結合した構造であり、繰り返し使用しても耐久性があり、また、組立て、折り畳みがワンタッチで行え、例えば焼酎、清酒等の瓶1本ずつ包装する場合に好適な包装用紙箱を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、前記目的を達成するために、請求項1は、1枚の厚紙によって構成され、同一幅の第1側板〜第6側板11〜16を第1山折り線〜第5山折り線17a〜17eで折曲して形成された六角筒形状で、下部に底部18を形成し、上部に蓋部19を形成した箱主体10と、前記箱主体10の底部18側に前記第1側板〜第6側板11〜16と山折り線20a〜20fを介して一体に連設された第1底部片〜第6底部片21〜26とを備え、前記第1底部片21と第4底部片24は同一形状であり、前記第1側板11及び第4側板14と同一幅の略矩形状の底板主体21a,24aの先端部における片側に前記山折り線20a、20dと平行の谷折り線21b,24bを介して第1と第2糊付け片21c、24cを設け、前記第2底部片22と第5底部片25は同一形状であり、
前記山折り線20b、20eを底辺とする略直角三角形状の底板主体22a,25aの斜辺の前記山折り線20b、20e側に谷折り線22b,25bを介して第3と第4糊付け片22c、25cを設けると共に、前記斜辺の残りの一部に係合片22d,25dを設け、前記第3底部片23と第6底部片26は、前記山折り線20c、20fを底辺とする略台形状であり、前記第3糊付け片22cをこれと隣り合う前記第3底部片23に糊付けして第2底部片22と第3底部片23を結合すると共に、前記第4糊付け片25cをこれと隣り合う第6底部片26に糊付けして第5底部片25と第6底部片26を結合し、前記第1底部片21の第1糊付け片21cを前記第4底部片24の底板主体24aに、前記第4底部片24の第2糊付け片24cを前記第1底部片21の底板主体21aにそれぞれ糊付けして前記第1底部片21と第4底部片24とを結合し、
さらに、前記第1側板11と第6側板16とを山折り線27を介して結合して六角筒形状の箱主体10を形成すると共に、前記第1と第4底部片21,24の底板主体21a,24aの内側に、結合された前記第2底部片22と第3底部片23及び結合された前記第5底部片25と第6底部片26を重ね、前記係合片22dと25dとを互いに係合して第1〜第6底部片21〜26によって箱主体10の底部18を形成し、前記山折り線20a〜20fを山折りして第1底部片〜第6底部片21〜26を前記箱主体10の内側に折り込み、さらに前記第2山折り線17b及び第5山折り線17eを山折りして前記箱主体10を扁平状に折り畳み可能とすることを特徴とする包装用紙箱にある。
【0011】
請求項2は、請求項1の扁平状に折り畳まれた前記箱主体10は、前記第2山折り線17bと第5山折り線17eを、その外側から内側に押圧することにより、六角筒形状に復元すると共に、前記第1〜第6底部片21〜26が前記第1側板〜第6側板11〜16に対して起上して前記箱主体10の底部18が形成されることを特徴とする。
【0012】
請求項3は、請求項1の前記箱主体10の蓋部19は、第2及び第5側板12,15と上部山折り線28a、28bを介して第1及び第2の蓋板片29a,29bを設け、これら第1及び第2の蓋板片29a,29bは、六角筒形状の前記箱主体10の開口を半分ずつ分担して閉塞できる幅を有し、かつ前記上部山折り線28a、28bに対して60°の傾斜角で同方向に傾斜しており、さらに前記第1及び第2の蓋板片29a,29bの先端部には該第1及び第2の蓋板片29a,29bの傾斜方向と逆方向に60°の傾斜角の山折り線30a、30bを介して差込片31a,31bを設けたことを特徴とする。
【0013】
請求項4は、請求項1の前記箱主体10の蓋部19側には、少なくとも第2側板12及び第5側板15に手掛け孔32a,32bを設け、第1〜第3側板11〜13もしくは第4〜第6側板14〜16には二重山折り線33を介して第1折込片34を設け、この第1折込片34の先端部には前記手掛け孔32a,32bを貫通して折込可能な第2折込片35を設け、前記箱主体10に手提げ部36を形成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、第1底部片と第4底部片とを結合した構造であり、繰り返し使用しても耐久性があり、また、組立て、折り畳みがワンタッチで行え、例えば焼酎、清酒等の瓶1本ずつ包装する場合に好適な包装用紙箱を提供できるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の各実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
図1〜図4は第1の実施形態を示し、図1は包装用紙箱の展開図、図2は包装用紙箱の組立て状態の斜視図、図3は底部を示し、(a)は組立て過程の斜視図、(b)は組立て状態の外底部を示す平面図、図4は組立て状態の蓋部の平面図である。
【0017】
図1及び図2に示すように、厚紙にコーティングを施したコートボール、段ボール等の厚紙によって形成された六角筒形状の箱主体10の一端部側には後述する底部18が、他端部側には蓋部19が設けられている。箱主体10は、正六角筒形状を形成するように同一幅の第1側板〜第6側板11〜16が第1山折り線〜第5山折り線17a〜17eを介して連設されている。
【0018】
箱主体10の底部18側には第1側板〜第6側板11〜16と山折り線20a〜20fを介して第1底部片〜第6底部片21〜26が連設されている。第1底部片21と第4底部片24は同一形状であり、第1側板11及び第4側板14と同一幅の略矩形状の底板主体21a,24aの先端部における片側には山折り線20a、20dと平行の谷折り線21b,24bを介して第1と第2糊付け片21c、24cが設けられている。底板主体21a,24aの先端部における反対側には第1と第2糊付け片21c、24cと隣接する補強片21d,24dが設けられている。
【0019】
また、第2底部片22と第5底部片25も同一形状であり、山折り線20b、20eを底辺とする略直角三角形状の底板主体22a,25aを有し、この斜辺の山折り線20b、20e側に偏った位置には谷折り線22b,25bを介して第3と第4糊付け片22c、25cが連設されている。第3と第4糊付け片22c、25cは略三角形状であり、この第3と第4糊付け片22c、25cより先端側には斜辺より側方に僅かに突出する係合片22d,25dが設けられている。
【0020】
第3底部片23と第6底部片26は、山折り線20c、20fを底辺とする略台形状であり、一方の第6底部片26には後述する糊代片27aとの干渉を防止するために斜面の一部に切欠部26aが形成されている。
【0021】
このように構成された箱主体10の底部18は、第3糊付け片22cをこれと隣り合う第3底部片23の外面に糊付けして第2底部片22と第2底部片23とが結合されている。同様に第4糊付け片25cをこれと隣り合う第6底部片26の外面に糊付けして第5底部片25と第6底部片26とが結合されている。また、第1底部片21の第1糊付け片21cは第4底部片24の底板主体24aの外面に、第4底部片24の第2糊付け片24cは第1底部片21の底板主体21aの外面にそれぞれ糊付けされ、第1底部片21と第4底部片24とが結合されている。
【0022】
さらに、第1側板11に山折り線27を介して連設された糊代片27aは第6側板16の内面の糊付け結合されて正六角筒形状の箱主体10が形成されるが、このとき、山折り線20a〜20fを介して第1底部片〜第6底部片21〜26が箱主体10の内部に折り込まれる。そして、第1と第4底部片21,24の底板主体21a,24aの内側に、結合された第2底部片22と第3底部片23及び結合された第5底部片25と第6底部片26が重ねられる。さらに、補強片21d,24dが互いに反対側の底板主体21a,24aの内面に重なって底部18を補強する。また、係合片22dと25dとが互いに係合して第1〜第6底部片21〜26によって箱主体10の底部18を形成し、箱主体10の外部から押圧力が加わっても係合片22dと25dとの係合によって箱主体10の定型を保つことになる。
さらに、図3(a)に示すように、箱主体10は、山折り線20a〜20fを山折りして第1底部片〜第6底部片21〜26を箱主体10の内側に折り込み、さらに第2山折り線17b及び第5山折り線17eを山折りして箱主体10を扁平状に折り畳み可能であり、保管時に嵩張ることはない。
【0023】
また、扁平状の箱主体10の山折り線17bと17eを矢印P方向に押圧すると、残りの山折り線17a,17c,17d,27が徐々に山折りされて箱主体10が六角筒形状に組立てられる。このとき、底部18を構成する第1底部片〜第6底部片21〜26は第1側板〜第6側板11〜16に対して起上し、第1と第4底部片21,24の底板主体21a,24aの内側に、結合された第2底部片22と第3底部片23及び結合された第5底部片25と第6底部片26が重ねられる。そして、最終的に、図3(b)に示すように、箱主体10に底部18が構成される。従って、扁平状の箱主体10の山折り線17bと17eを矢印P方向に押圧するだけでワンタッチで箱主体10が組立てられる。
また、組立て状態の箱主体10の第1側板11と第4側板14を矢印Q方向に押圧すると、底部18を構成する第1底部片〜第6底部片21〜26が山折り線20a〜20fで山折りされ、図3(a)に示すように箱主体10の内部に折り込まれて六角筒形状の箱主体10をワンタッチで扁平状に折り畳むことができる。
【0024】
一方、箱主体10の前記蓋部19について説明すると、図1に示すように、第2及び第5側板12,15の上端部には上部山折り線28a、28bを介して第1及び第2の蓋板片29a,29bが連設されている。これら第1及び第2の蓋板片29a,29bは、六角筒形状の箱主体10の開口を半分ずつ分担して閉塞できる幅を有しており、上部山折り線28a、28bに対して傾斜角θ1=60°で同方向に傾斜している。
【0025】
さらに、第1及び第2蓋板片29a,29bの先端部には第1及び第2蓋板片29a,29bの傾斜方向と逆方向に傾斜角θ2=60°の山折り線30a、30bを介して差込片31a,31bが設けられている。さらに、第1及び第2蓋板片29a,29bの基端部側における側縁部には傾斜方向と逆方向に突出する突片29a’,29b’が形成されている。また、第3及び第6側板13,16の上端部には上部山折り線28c、28dを介して第1及び第2補助片29c,29dが連設されている。
【0026】
このように構成された箱主体10の蓋部19は、組立て状態の箱主体10に対し、まず上部山折り線28c、28dから第1及び第2補助片29c,29dを略直角に山折りする。次に、第1補助片29cの上面に重ねるように、第1蓋板片29aを上部山折り線28aから山折りし、第2補助片29dの上面に重ねるように、第2蓋板片29bを上部山折り線28bから山折りし、第1差込片31aを第4側板14の内側に、第2差込片31bを第1側板11の内側にそれぞれ差し込むと、図4に示すように、箱主体10の開口が第1及び第2蓋板片29a,29bによって閉塞され、突片29a’,29b’が互いに第1及び第2蓋板片29a,29bと重なる。
従って、このように構成された包装用紙箱は、例えば焼酎、清酒等の瓶1本ずつ包装する包装箱として適しており、組立て、折り畳みがワンタッチで行え、繰り返し使用することが可能である。
図5〜図8は第2の実施形態を示し、第1の実施形態と同一構成部分は同一番号を付して説明を省略する。本実施形態の箱本体10の底部18は第1の実施形態と同一構造であり、箱本体10に手提げ部を設けて携帯に便利な構成としたものである。
図5に示すように、箱主体10の蓋部19側における第2側板12及び第5側板15には人差し指から小指までの4本の手指を揃えた状態で挿入可能な長方形の手掛け孔32a,32bが穿設されており、手掛け孔32a,32bは両端部が隣の側板まで延長している。
【0027】
また、第4〜第6側板14〜16の上端部には二重山折り線33を介して第4〜第6側板14〜16の幅に相当する第1折込片34が連設されている。この第1折込片34の先端部には手掛け孔32a,32bを貫通して折込可能な第2折込片35が二重山折り線35aを介して連設されている。そして、手掛け孔32a,32b及び第1折込片34、第2折込片35によって箱主体10に手提げ部36を形成している。なお、37は第1〜第3側板11〜13及び第4〜第6側板14〜16の表面に形成した略V字状の折り目癖であり、手提げ部36を形成したとき、箱主体10の上部が扁平状に窄まるようになっている。
本実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、六角筒形状の箱主体10を扁平状に折り畳んだときは、手提げ部36も図6に示すように折り畳まれるため、嵩張ることはない。また、包装用紙箱に内容物を入れ、携帯する場合には、図7及び図8に示すように箱主体10に手提げ部36を設けることができる。
すなわち、箱主体10の上端部における第1〜第3側板11〜13と第4〜第6側板14〜16とを重ねると、手掛け孔32aと32bとが対向する。次に、二重山折り線33から第1折込片34を山折りし、さらに第1折込片34の先端部の第2折込片35を二重山折り線35aから山折りする。そして、第2折込片35を手掛け孔32a,32bに挿入して第2折込片35を手掛け孔32a,32bの上端部を包むように折り込むと、箱主体10に手提げ部36ができる。手提げ部36は、手掛け孔32a,32bの上端部を第2折込片35が包んだ状態となってエッジ部分が手指に当たらないため、包装用紙箱の内容物が重量物であっても容易に携帯できる。
図9及び図10は第3の実施形態を示し、第1の実施形態と同一構成部分は同一番号を付して説明を省略する。本実施形態の包装用紙箱は、例えばケーキ等を収容する底の浅い箱本体10を示し、底部18は第1の実施形態と同一構造であり、箱本体10に手提げ部を設けて携帯に便利な構成としたものである。
図9に示すように、箱主体10の蓋部19側には第1側板〜第6側板11〜16と山折り線40a〜40fを介して第1蓋部片〜第6蓋部片41〜46が連設されている。第1蓋部片41と第4蓋部片44は同一形状であり、第1側板11及び第4側板14より広幅になるように山折り線40a,40dから逆三角形状に拡幅した蓋板主体41a,44aが設けられている。蓋板主体41a,44aの先端部における片側には山折り線40a、40dに対して傾斜角θ3=30°の谷折り線41b,44bを介して手掛け部41c,44cが設けられている。一方の手掛け部41cは切込み41dが形成され、他方の手掛け部44cは貫通孔44dが形成されている。さらに、手掛け部41c,44cの両端部には係合片41e,44eが設けられている。
【0028】
また、第2蓋部片42と第5蓋部片45も同一形状であり、山折り線40b、40eを底辺とする背の低い台形状である。第3蓋部片43と第6蓋部片46も同一形状であり、山折り線40c、40fを底辺とする背の高い台形状であり、中央部には係合片41e,44eが挿入可能なスリット43a,46aが設けられている。
【0029】
本実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、包装用紙箱に内容物を入れ、携帯する場合には、箱主体10に手提げ部47を設けることができる。すなわち、箱主体10を六角筒形状に組立てた状態で、まず、第2蓋部片42と第5蓋部片45を箱主体10の内側に山折りし、次に、第1蓋部片41と第4蓋部片44を箱主体10の内側に山折りすると共に、谷折り線41b,44bを谷折りして手掛け部41cと44cとを重ねる。そして、手掛け部41cには切込み41dによって形成される舌片41fを蓋板主体44aの内側に重なるようにする。最後に、第3蓋部片43と第6蓋部片46を山折り線40c,40fから山折りしてスリット43a,46aを係合片41e,44eに係合すると、箱主体10に手提げ部47が形成される。
本実施形態によれば、箱主体10を構成する第1側板〜第6側板11〜16と一体の第1蓋部片〜第6蓋部片41〜46によって蓋部19が形成され、この蓋部19の中央部に手提げ部47が設けられるため、包装用紙箱の内容物が重量物であっても容易に携帯できる。
また、本発明は、瓶やケーキ等を収納する包装用紙箱について説明したが、他の商品、部品を収納する包装用紙箱として利用でき、特にワンタッチで再組立て可能であり、通い箱としても有効である。
なお、この発明は、前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の包装用紙箱の第1の実施形態を示す展開図。
【図2】同実施形態の組立て状態の斜視図。
【図3】同実施形態の底部を示し、(a)は組立て過程の斜視図、(b)は組立て状態の外底部を示す平面図。
【図4】同実施形態の組立て状態の蓋部の平面図。
【図5】本発明の包装用紙箱の第2の実施形態を示す展開図。
【図6】同実施形態の折り畳み状態の側面図。
【図7】同実施形態の組立て状態の正面図。
【図8】同実施形態の組立て状態の側面図。
【図9】本発明の包装用紙箱の第3の実施形態を示す展開図。
【図10】同実施形態の組立て状態の斜視図。
【図11】従来の包装用紙箱の展開図。
【図12】同じく組立て状態の底部を示し、(a)は内底部の平面図、(b)は外底部の平面図。
【符号の説明】
【0031】
10…箱主体、11〜16…第1側板〜第6側板、17a〜17e…山折り線、18…底部、19…蓋部、20a〜20f…山折り線、21〜26…第1底部片〜第6底部片、21a,24a…底板主体、21b,24b…谷折り線、21c、24c…第1,第2糊付け片、22c,25c…第3,第4糊付け片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1枚の厚紙によって構成され、同一幅の第1側板〜第6側板11〜16を第1山折り線〜第5山折り線17a〜17eで折曲して形成された六角筒形状で、下部に底部18を形成し、上部に蓋部19を形成した箱主体10と、
前記箱主体10の底部18側に前記第1側板〜第6側板11〜16と山折り線20a〜20fを介して一体に連設された第1底部片〜第6底部片21〜26とを備え、
前記第1底部片21と第4底部片24は同一形状であり、前記第1側板11及び第4側板14と同一幅の略矩形状の底板主体21a,24aの先端部における片側に前記山折り線20a、20dと平行の谷折り線21b,24bを介して第1と第2糊付け片21c、24cを設け、
前記第2底部片22と第5底部片25は同一形状であり、前記山折り線20b、20eを底辺とする略直角三角形状の底板主体22a,25aの斜辺の前記山折り線20b、20e側に谷折り線22b,25bを介して第3と第4糊付け片22c、25cを設けると共に、前記斜辺の残りの一部に係合片22d,25dを設け、
前記第3底部片23と第6底部片26は、前記山折り線20c、20fを底辺とする略台形状であり、
前記第3糊付け片22cをこれと隣り合う前記第3底部片23に糊付けして第2底部片22と第3底部片23を結合すると共に、前記第4糊付け片25cをこれと隣り合う第6底部片26に糊付けして第5底部片25と第6底部片26を結合し、
前記第1底部片21の第1糊付け片21cを前記第4底部片24の底板主体24aに、前記第4底部片24の第2糊付け片24cを前記第1底部片21の底板主体21aにそれぞれ糊付けして前記第1底部片21と第4底部片24とを結合し、
さらに、前記第1側板11と第6側板16とを山折り線27を介して結合して六角筒形状の箱主体10を形成すると共に、前記第1と第4底部片21,24の底板主体21a,24aの内側に、結合された前記第2底部片22と第3底部片23及び結合された前記第5底部片25と第6底部片26を重ね、前記係合片22dと25dとを互いに係合して第1〜第6底部片21〜26によって箱主体10の底部18を形成し、
前記山折り線20a〜20fを山折りして第1底部片〜第6底部片21〜26を前記箱主体10の内側に折り込み、さらに前記第2山折り線17b及び第5山折り線17eを山折りして前記箱主体10を扁平状に折り畳み可能とすることを特徴とする包装用紙箱。
【請求項2】
扁平状に折り畳まれた前記箱主体10は、前記第2山折り線17bと第5山折り線17eを、その外側から内側に押圧することにより、六角筒形状に復元すると共に、前記第1〜第6底部片21〜26が前記第1側板〜第6側板11〜16に対して起上して前記箱主体10の底部18が形成されることを特徴とする請求項1記載の包装用紙箱。
【請求項3】
前記箱主体10の蓋部19は、第2及び第5側板12,15と上部山折り線28a、28bを介して第1及び第2の蓋板片29a,29bを設け、これら第1及び第2の蓋板片29a,29bは、六角筒形状の前記箱主体10の開口を半分ずつ分担して閉塞できる幅を有し、かつ前記上部山折り線28a、28bに対して60°の傾斜角で同方向に傾斜しており、さらに前記第1及び第2の蓋板片29a,29bの先端部には該第1及び第2の蓋板片29a,29bの傾斜方向と逆方向に60°の傾斜角の山折り線30a、30bを介して差込片31a,31bを設けたことを特徴とする請求項1記載の包装用紙箱。
【請求項4】
前記箱主体10の蓋部19側には、少なくとも第2側板12及び第5側板15に手掛け孔32a,32bを設け、第1〜第3側板11〜13もしくは第4〜第6側板14〜16には二重山折り線33を介して第1折込片34を設け、この第1折込片34の先端部には前記手掛け孔32a,32bを貫通して折込可能な第2折込片35を設け、前記箱主体10に手提げ部36を形成したことを特徴とする請求項1記載の包装用紙箱。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2007−284067(P2007−284067A)
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−109883(P2006−109883)
【出願日】平成18年4月12日(2006.4.12)
【出願人】(502339004)日之出紙器工業株式会社 (10)
【Fターム(参考)】