説明

包装箱および包装箱にて包装された医療用器材

【課題】改ざん防止機能を有することの外部からの確認および部位の特定が困難であり、かつ組み立て作業および潰し作業が容易な包装箱を提供する。
【解決手段】本発明の包装箱2は、4つの略矩形状側面部11,12,13,14と、その下辺に設けられた下部開口部封鎖部を有する。そして、下部開口部封鎖部は、第1ないし第4の底部フラップ21、22、23、24を備える。第1の底部フラップ21は、略三角形状の切欠部26を備え、第3の底部フラップ23は、切欠部26内に進入可能な舌部29を有する。包装箱の底面において、切欠部およびその付近が第2の底部フラップと第3の底部フラップにより覆われている。舌部は、切欠部に進入し、その先端部は、切欠部を越え、第1の底部フラップの内面上に位置し、底部フラップが外方に向かって開くことを防止する底部開口防止機構を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装箱および包装箱にて包装された医療用器材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、薬剤や食品等の商品を収容する紙製の包装箱が用いられている。そして、包装箱として、改ざん防止機能を備えるものも用いられている。そのような、改ざん防止機能を備える包装箱として、特許文献1(特開2006−96351)がある。この包装箱は、一枚のブランクシートから一体的に打ち抜かれた箱体形成片12からなり、互いに連接された側面14,16,18,20と、一側面18に連続し底部分の一部を覆う底蓋片66を有する。底蓋片66の両側の側面16,20から延出した一対の下フラップ54,78には、底蓋片66に糊付けされる糊付片58,82と、糊付片58,82の糊付部の周囲に形成された切込線62,86を有する。底蓋片66が設けられた側面18に対面する側面14に連続して、底部分のほぼ全面を底蓋片66の箱体内側に沿って閉鎖する内底片40を備える。内底片40は、所定位置に切断線44を有し、底蓋片66には、切断線44に差し込まれてロックする突起片70を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−96351
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1の包装箱は、改ざん防止機能を備える点においては、有効であるものの、改ざん防止機能を有することを外部より容易に確認することができ、かつ、その部位の特定も容易であるため、改ざんを行うことは困難ではあるものの完全に行えないものではなかった。また、改ざん防止機能を有するため、包装箱の組み立て作業および使用後の潰し作業(扁平状態化)に手間がかかるものであった。
本発明の目的は、改ざん防止機能を有することの外部からの確認および部位の特定が困難であり、かつ、包装箱の組み立て作業および使用後の潰し作業(扁平状態化)が容易である包装箱およびそれを用いた包装された医療用器材を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するものは、以下のものである。
(1) 上辺と下辺と2つの側辺を有する第1、第2、第3及び第4の4つの略矩形状側面部からなり、順に並列しかつ隣り合う各略矩形状側面部が側辺で連続し環状となった側面と、該略矩形状側面部の上辺に設けられた上部開口部封鎖部と、前記略矩形状側面部の下辺に設けられた下部開口部封鎖部とを有する包装箱であって、前記下部開口部封鎖部は、第1の略矩形状側面部の下辺に折り曲げ部を介して設けられた第1の底部フラップと、前記第2の略矩形状側面部の下辺に折り曲げ部を介して設けられた第2の底部フラップと、前記第3の略矩形状側面部の下辺に折り曲げ部を介して設けられた第3の底部フラップと、前記第4の略矩形状側面部の下辺に折り曲げ部を介して設けられた第4の底部フラップとを備え、前記第1の底部フラップは、前記第2の底部フラップ側のコーナー部を折り曲げることにより形成された第1の略三角形状の折曲可能片と、該第1の折曲可能片の中央部付近を側辺とし、前記第1の底部フラップを形成する折り曲げ部とほぼ平行に延びる底辺を有する略三角形状の切欠部を備え、前記第2の底部フラップは、前記第1の底部フラップ側のコーナー部を折り曲げることにより形成された第2の略三角形状の折曲可能片を備え、かつ、該第2の折曲可能片は、前記第1の折曲可能片および前記切欠部を越え、前記切欠部を封止しない位置にて前記第1の底部フラップに固着されており、前記第3の底部フラップは、前記第4の底部フラップ側のコーナー部を折り曲げることにより形成された第3の略三角形状の折曲可能片と、前記第3の底部フラップを形成する折り曲げ部と向かい合う前記第3の底部フラップの端部であり、前記第3の折曲可能片より所定距離離間した位置に設けられ、かつ、前記第1の底部フラップの前記切欠部内に進入可能な舌部を有するコーナー部を備え、前記第4の底部フラップは、前記第3の底部フラップ側のコーナー部を折り曲げることにより形成された第4の略三角形状の折曲可能片を備え、かつ、前記第3の底部フラップの前記第3の折曲可能片は、前記第4の折曲可能片を越える位置にて前記第4の底部フラップに固着されており、さらに、前記包装箱の底面において、前記第2の底部フラップは、全面が露出し、前記第3の底部フラップは、前記第2の底部フラップにより前記舌部を有するコーナー部が覆われ、前記第4の底部フラップは、前記第4の折曲可能片および中央部が前記第3の底部フラップにより覆われ、前記第1の底部フラップは、前記第1の折曲可能片が前記第2の底部フラップにより、前記第1の折曲可能片と向かい合うコーナー部が前記第4の底部フラップにより、前記切欠部およびその付近が前記第2の底部フラップと前記第3の底部フラップとにより覆われており、さらに、前記第3の底部フラップの前記舌部は、前記第1の底部フラップの前記切欠部に進入し、かつ、前記舌部の先端部は、前記切欠部を越え、前記第1の底部フラップの内面上に位置し、前記切欠部と前記舌部により、前記底部フラップが外方に向かって開くことを防止する底部開口防止機構が形成されている包装箱。
【0006】
(2) 前記切欠部および前記舌部は、前記包装箱の底面外方より、視認不能である上記(1)に記載の包装箱。
(3) 前記包装箱は、医療用部材収納用の包装箱である上記(1)または(2)に記載の包装箱。
(4) 前記包装箱は、薬剤充填済み医療用部材収納用の包装箱である上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の包装箱。
(5) 前記切欠部は、斜辺に設けられ、前記舌部の離脱防止用の突出部を有している上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の包装箱。
(6) 前記斜辺が、途中で角度が変わる変曲点を持っている上記(5)に記載の包装箱。
(7) 前記舌部は、丸みを帯びた先端部と、該先端部より前記第3の底部フラップ形成用の折り曲げ部に向かってほぼ直交するように延びる第1の側辺と、前記先端部より、前記第3の底部フラップの側部方向にかつ斜めに延びる第2の側辺とを有している上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の包装箱。
(8) 前記第3の底部フラップは、露出し、かつ前記第4の底部フラップに固着されていない端部より、前記第3の底部フラップ形成用の折り曲げ部方向に向かって延びる破断可能かつ破断状態確認可能部を備えている上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の包装箱。
(9) 前記舌部は、前記第1の側辺に設けられた離脱防止用の小切欠部を備えている上記(8)に記載の包装箱。
(10) 前記切欠部は、前記第1の略矩形状側面部側の頂点が切り欠かれた形状となっている上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の包装箱。
(11) 前記包装箱は、前記上部開口部封鎖部により前記上部開口部が封鎖されていない状態において、前記略矩形状側面部を押圧することにより、前記4つの底部フラップが、前記折り曲げ部および前記折曲可能片部分により折れ曲がることにより内側に倒れ、扁平状態となることが可能となっている上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の包装箱。
(12) 前記包装箱は、いずれかの2つの略矩形状側面部間に形成された接合部と、残りの略矩形状側面部間に形成された折り曲げ部を有している上記(1)ないし(11)のいずれかに記載の包装箱。
(13) 前記上部開口部封鎖部は、いずれかの略矩形状側面部の上辺に折り曲げ部を介して設けられた上部開口封鎖フラップと、該上部開口封鎖フラップの先端部に折り曲げ部を介して設けられた接合片と、前記上部開口封鎖フラップが形成された略矩形状側面部と向かい合う略矩形状側面部の上部に設けられた破断可能かつ破断状態確認可能部と、前記上部開口封鎖フラップが形成された略矩形状側面部と隣り合う2つの略矩形状側面部の上辺に折り曲げ部を介して設けられた上部フラップとを備えている上記(1)ないし(12)のいずれかに記載の包装箱。
(14) 前記包装箱は、略直方体状包装箱である上記(1)ないし(13)のいずれかに記載の包装箱。
【0007】
また、上記目的を達成するものは、以下のものである。
(15) 前記(1)ないし(14)のいずれかに記載の包装箱と、前記包装箱内に収納された医療用器材とからなり、かつ、前記包装箱の上部開口部が、前記上部開口部封鎖部により封鎖された状態となっている包装された医療用器材。
(16) 前記医療用器材が、プレフィルドシリンジもしくは薬剤収納容器である上記(15)に記載の包装された医療用器材。
【発明の効果】
【0008】
本発明の包装箱は、上辺と下辺と2つの側辺を有する第1、第2、第3及び第4の4つの略矩形状側面部からなり、順に並列しかつ隣り合う各略矩形状側面部が側辺で連続し環状となった側面と、略矩形状側面部の上辺に設けられた上部開口部封鎖部と、略矩形状側面部の下辺に設けられた下部開口部封鎖部とを有する。下部開口部封鎖部は、第1の略矩形状側面部の下辺に設けられた第1の底部フラップと、第2の略矩形状側面部の下辺に設けられた第2の底部フラップと、第3の略矩形状側面部の下辺に設けられた第3の底部フラップと、第4の略矩形状側面部の下辺に設けられた第4の底部フラップとを備える。第1の底部フラップは、第2の底部フラップ側のコーナー部により形成された第1の略三角形状の折曲可能片と、第1の折曲可能片の中央部付近を側辺とし、第1の底部フラップを形成する折り曲げ部とほぼ平行に延びる底辺を有する略三角形状の切欠部を備える。第2の底部フラップは、第1の底部フラップ側のコーナー部により形成された第2の略三角形状の折曲可能片を備え、第2の折曲可能片は、第1の折曲可能片および切欠部を越え、切欠部を封止しない位置にて第1の底部フラップに固着されている。第3の底部フラップは、第4の底部フラップ側のコーナー部により形成された第3の略三角形状の折曲可能片31と、第3の底部フラップ23を形成する折り曲げ部53と向かい合う第3の底部フラップ23の端部であり、第3の折曲可能片より所定距離離間した位置に設けられ、かつ、第1の底部フラップの切欠部26に進入可能な舌部を有するコーナー部を備える。第4の底部フラップは、第3の底部フラップ側のコーナー部により形成された第4の略三角形状の折曲可能片を備える。第3の底部フラップの第3の折曲可能片は、第4の折曲可能片を越える位置にて第4の底部フラップに固着されている。そして、包装箱の底面において、第2の底部フラップは、全面が露出し、第3の底部フラップは、第2の底部フラップにより舌部を有するコーナー部が覆われ、第4の底部フラップは、第4の折曲可能片および中央部が第3の底部フラップにより覆われ、第1の底部フラップは、第1の折曲可能片が第2の底部フラップにより、第1の折曲可能片と向かい合うコーナー部が第4の底部フラップにより、そして、切欠部およびその付近が第2の底部フラップと第3の底部フラップとにより覆われている。さらに、第3の底部フラップの舌部は、第1の底部フラップの切欠部に進入し、かつ、舌部の先端部は、切欠部26を越え、第1の底部フラップの内面上に位置し、切欠部と舌部により、底部フラップが外方に向かって開くことを防止する底部開口防止機構が形成されている。
このため、本発明の包装箱では、改ざん防止機能を有することを外部から確認することは極めて困難であり、改ざん防止部位の特定も極めて困難である。そして、本発明の包装箱では、扁平状態となっている包装箱を押し広げることにより、第3の底部フラップの舌部が、第1の底部フラップの切欠部に進入し、舌部の先端部は、切欠部を越え、第1の底部フラップの内面上に位置するものとなるため、包装箱の組み立て作業が容易であり、さらに、使用後、包装箱を側面方向より押圧することにより、上記舌部が上記切欠部より離脱するため、包装箱の潰し作業(扁平状態化)も容易である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本発明の包装箱を用いた包装された医療用器材の斜視図である。
【図2】図2は、図1に示した包装された医療用器材の正面図である。
【図3】図3は、図2に示した包装された医療用器材の左側面図である。
【図4】図4は、図2に示した包装された医療用器材の底面図である。
【図5】図5は、図4に示した包装箱の内側底面図である。
【図6】図6は、本発明の実施例の包装箱の展開図である。
【図7】図7は、本発明の包装箱の底面を展開した状態を説明するための説明図である。
【図8】図8は、本発明の他の実施例の包装箱の展開図である。
【図9】図9は、図8に示した包装箱を組み立てた状態の底面図である。
【図10】図10は、図9に示した包装箱の内側底面図である。
【図11】図11は、本発明の他の実施例の包装箱の展開図である。
【図12】図12は、図11に示した包装箱を組み立てた状態の底面図である。
【図13】図13は、図12に示した包装箱の内側底面図である。
【図14】図14は、本発明の他の実施例の包装箱の展開図である。
【図15】図15は、図14に示した包装箱を組み立てた状態の底面図である。
【図16】図16は、図15に示した包装箱の内側底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の包装箱および包装された医療用器材を図面に示した実施例を用いて説明する。
本発明の包装された医療用器材1は、本発明の包装箱2と包装箱2内に収納された医療用器材3とからなり、かつ、包装箱2の上部開口部が、上部開口部封鎖部により封鎖された状態となっている。
本発明の包装箱2は、上辺と下辺と2つの側辺を有する第1、第2、第3及び第4の4つの略矩形状側面部11,12,13,14からなり、順に並列しかつ隣り合う各略矩形状側面部が側辺で連続し環状となった側面(側部形成部)と、略矩形状側面部の上辺(言い換えれば、側部形成部の上辺)に設けられた上部開口部封鎖部と、略矩形状側面部の下辺(言い換えれば、側部形成部の下辺)に設けられた下部開口部封鎖部とを有する。そして、下部開口部封鎖部は、第1の略矩形状側面部11の下辺に折り曲げ部51を介して設けられた第1の底部フラップ21と、第2の略矩形状側面部12の下辺に折り曲げ部52を介して設けられた第2の底部フラップ22と、第3の略矩形状側面部13の下辺に折り曲げ部53を介して設けられた第3の底部フラップ23と、第4の略矩形状側面部14の下辺に折り曲げ部54を介して設けられた第4の底部フラップ24とを備える。
【0011】
そして、第1の底部フラップ21は、第2の底部フラップ22側のコーナー部を折り曲げることにより形成された第1の略三角形状の折曲可能片25と、第1の折曲可能片25の中央部付近を側辺とし、第1の底部フラップ21を形成する折り曲げ部51とほぼ平行に延びる底辺を有する略三角形状の切欠部26を備える。第2の底部フラップ22は、第1の底部フラップ21側のコーナー部を折り曲げることにより形成された第2の略三角形状の折曲可能片28を備え、かつ、第2の折曲可能片28は、第1の折曲可能片25および切欠部26を越え、切欠部26を封止しない位置にて第1の底部フラップ21に固着されている。第3の底部フラップ23は、第4の底部フラップ24側のコーナー部を折り曲げることにより形成された第3の略三角形状の折曲可能片31と、第3の底部フラップ23を形成する折り曲げ部53と向かい合う第3の底部フラップ23の端部であり、第3の折曲可能片31より所定距離離間した位置に設けられ、かつ、第1の底部フラップ21の切欠部26内に進入可能な舌部29を有するコーナー部を備える。第4の底部フラップ24は、第3の底部フラップ23側のコーナー部を折り曲げることにより形成された第4の略三角形状の折曲可能片32を備える。第3の底部フラップ23の第3の折曲可能片31は、第4の折曲可能片32を越える位置にて第4の底部フラップ24に固着されている。
【0012】
さらに、包装箱の底面において、第2の底部フラップ22は、全面が露出し、第3の底部フラップ23は、第2の底部フラップ22により舌部29を有するコーナー部が覆われ、第4の底部フラップ24は、第4の折曲可能片32および中央部が第3の底部フラップ23により覆われ、第1の底部フラップ21は、第1の折曲可能片25が第2の底部フラップ22により、第1の折曲可能片25と向かい合うコーナー部が第4の底部フラップ24により、そして、切欠部26およびその付近が第2の底部フラップと第3の底部フラップにより覆われている。そして、第3の底部フラップ23の舌部29は、第1の底部フラップ21の切欠部26に進入し、かつ、舌部29の先端部は、切欠部26を越え、第1の底部フラップ21の内面上に位置し、切欠部26と舌部29により、底部フラップ21,22,23,24が外方に向かって開くことを防止する底部開口防止機構が形成されている。
【0013】
本発明の包装箱は、改ざん防止機能を備えており、医療用部材収納用の包装箱として特に有効である。医療用部材としては、医薬品、例えば、薬剤を収納した薬剤容器、プレフィルドシリンジ、注射針などの医療器具が考えられる。
特に、図示する包装された医療用器材では、包装箱内には、個包装されたプレフィルドシリンジ3が、多数収納されている。個包装されたプレフィルドシリンジ3は、プレフィルドシリンジ4とプレフィルドシリンジを収納し密封された包装体5を備えている。
特に、本発明の包装箱は、細長く大きな厚さを持たない薬剤充填済み医療用部材を立てた状態で複数個収納場合に有効である。細長く大きな厚さを持たない薬剤充填済み医療用部材としては、上述したような個包装されたプレフィルドシリンジ、一般的なシリンジなどがあり、このような医療用部材は、細長く大きな厚さを持たないため、包装箱の底面側からの抜き取りおよび抜き取った後の再収納が行いやすい。しかし、本発明の包装箱では、そのような医療用部材を収納した場合においても、底面の破損を生じないように抜き取ることは極めて困難である。
そして、図2および図3に図示する実施例の包装された医療用器材は、包装箱2と、包装箱2内に立てた状態にて複数個収納された細長く大きな厚さを持たない薬剤充填済み医療用部材3とからなり、かつ、前記包装箱の上部開口部が、前記上部開口部封鎖部により封鎖された状態となっている。
この実施例の包装箱2は、図6の展開図に示すような各部位を備えている。また、この包装箱2は、1枚の横長のシート(具体的には、板紙)を部分的に切断することにより、その基本構成が形成されている。また、包装箱2は、上述した板紙のような不透明な材料により形成されている。
具体的には、包装箱2は、図6に示すように、並列するように設けられた4つの略矩形状側面部11,12,13,14を備える。また、この実施例の包装箱2では、いずれかの2つの略矩形状側面部間に形成された接合部と、残りの略矩形状側面部間に形成された折り曲げ部を有している。各略矩形状側面部は、ほぼ矩形状となっている。具体的には、縦長の長方形状となっている。また、第1の略矩形状側面部11は、所定幅を有する縦長の長方形状であり、第2の略矩形状側面部12は、第1の略矩形状側面部11より横幅が狭い縦長の長方形状であり、第3の略矩形状側面部13は、第1の略矩形状側面部11とほぼ同じ幅を有する縦長の長方形状であり、第4の略矩形状側面部14は、第2の略矩形状側面部12とほぼ同じ幅を有する縦長の長方形状である。そして、第1の略矩形状側面部11と第2の略矩形状側面部12間には、折り曲げ部47が、第2の略矩形状側面部12と第3の略矩形状側面部13間には、折り曲げ部48が、第3の略矩形状側面部13と第4の略矩形状側面部14間には、折り曲げ部49が設けられている。そして、第1の略矩形状側面部11には、第4の略矩形状側面部14の端部と接合するための接合部を形成する接合用片45が折り曲げ部50を介して設けられている。図6および図7に示すように、第1の略矩形状側面部11の接合用片45を第4の略矩形状側面部14の端部内面(自由端部の内面)に接着することにより、矩形状側面部が形成される。
よって、接合用片45により、第1の略矩形状側面部11と第4の略矩形状側面部14とが接合された状態において、4つの略矩形状側面部11,12,13,14により、環状側部が形成される。また、各側面部間の折り曲げ部を約90度に折り曲げることにより、環状側部は、略直方体状の環状側部(言い換えれば、側部形成部)となり、その内部に収納空間を有するものとなる。
そして、環状側部は、第1の略矩形状側面部11が、一方の側辺において第2の略矩形状側面部12と隣り合い、第2の略矩形状側面部12が、一方の側辺において第3の略矩形状側面部13と隣り合い、他方の側辺において第1の略矩形状側面部11と隣り合うものとなっている。第3の略矩形状側面部13は、一方の側辺において第4の略矩形状側面部14と隣り合い、他方の側辺において第2の略矩形状側面部12と隣り合い、さらに、第1の矩形状側面部11と向かい合うものとなっている。第4の略矩形状側面部14は、一方の側辺において第1の略矩形状側面部11と隣り合い、他方の側辺において第3の略矩形状側面部13と隣り合い、さらに、第2の矩形状側面部12と向かい合うものとなっている。
【0014】
そして、包装箱2は、略矩形状側面部の上辺に介して設けられた上部開口部封鎖部と、略矩形状側面部の下辺に設けられた下部開口部封鎖部を備えている。 この実施例の包装箱2では、下部開口部封鎖部は、第1の略矩形状側面部11の下辺に折り曲げ部51を介して設けられた第1の底部フラップ21と、第1の略矩形状側面部11と隣り合う第2の略矩形状側面部12の下辺に折り曲げ部52を介して設けられた第2の底部フラップ22と、第2の略矩形状側面部12と隣り合い、かつ第1の矩形状側面部11と向かい合う第3の略矩形状側面部13の下辺に折り曲げ部53を介して設けられた第3の底部フラップ23と、第3の略矩形状側面部13と隣り合い、かつ、第2の矩形状側面部12と向かい合う第4の略矩形状側面部14の下辺に折り曲げ部54を介して設けられた第4の底部フラップ24とを備える。つまり、下部開口部封鎖部は、4つの底部フラップ21,22,23,24により形成されている。
【0015】
そして、第1の底部フラップ21は、第2の底部フラップ22側のコーナー部を折り曲げ部34a,34bにより折り曲げることにより形成された第1の略三角形状の折曲可能片25を備える。さらに、第1の底部フラップ21は、第1の折曲可能片25の中央部付近(具体的には、折り曲げ部34a,34b間)を側辺26a(図7参照)とし、第1の底部フラップ21を形成する折り曲げ部51とほぼ平行に延びる底辺26b(図7参照)を有する略三角形状の切欠部26を備える。また、折曲可能片25の折り曲げ部51側の端部付近25aが切りかかれたものとなっており、折曲可能片25の折れ曲がりを容易なものとしている。また、略三角形状の切欠部26は、第1の底部フラップ21の折り曲げ部51と折曲可能片25の側辺とにより形成される角部から見た角度範囲(図6におけるα)が、25度から50度の範囲内に位置していることが好ましい。特に、30〜45度の範囲内に位置していることが好ましい。切欠部26は、図7に示すように上述した側辺26aと、上述した底辺26bと、斜辺26eを備える略三角形状のものとなっている。底辺26bは、第1の底部フラップ21を形成する折り曲げ部51と平行に延びるものであることが好ましいが、若干斜めに延びるものであってもよい。さらに、この実施例では、切欠部26は、斜辺26eに設けられた後述する舌部29の離脱防止用の突出部(小突出部)27を有している。突出部27は、略三角形状のものであり、斜辺26eの一部を底辺とし、底辺26b方向に延びるものとなっている。この実施例では、突出部27は、斜辺26eの中央部より底辺26bに寄った位置に設けられている。このため、突出部27と底辺26bの端部間には、短辺26dが形成されている。また、この実施例では、切欠部26は、折り曲げ部51側の頂点が切り欠かれた状態となっている。具体的には、切欠部26は、側辺26aの一端から斜辺26eの一端に到達する第4の辺26fを備えている。このため、切欠部26は、変形四角形状ということもできる。また、第4の辺26fは、側辺26aに対してほぼ直交するものとなっている。この第4の辺26fは、後述する舌部に当接することにより、その進行止めとして機能する。また、この実施例では、切欠部26の底辺26bと斜辺の一部である短辺26dにより、舌部の進入開始部が形成されている。なお、図5に示すように、第1の底部フラップは、略矩形状側面部の下部開口部の全体を封鎖するものなっていない。具体的には、図5に示すように、第1の底部フラップの縦幅は、第2の底部フラップおよび第4の底部フラップの横幅より短いものとなっている。本発明では、このようにしても底部は、十分な強度を備えるとともに、素材の使用量を少ないものとすることができる。
【0016】
第2の底部フラップ22は、第1の底部フラップ21側のコーナー部を折り曲げ部35により折り曲げることにより形成された第2の略三角形状の折曲可能片28を備える。また、第2の底部フラップ22は、第3の底部フラップ23側のコーナー部が大きく切りかかれた形状となっている。また、折曲可能片28の折り曲げ部52側の端部付近28aが切りかかれたものとなっており、折曲可能片28の折れ曲がりを容易なものとしている。そして、図4に示すように、第2の略三角形状の折曲可能片28は、第1の折曲可能片25および切欠部26を越え、切欠部26を封止しない位置にて第1の底部フラップ21に固着され、第1の底部フラップ21と第2の底部フラップ22との固着部71を形成している。そして、固着され連結した第1の底部フラップ21と第2の底部フラップ22は、第2のフラップ22が折り曲げ部35にて谷折れし、第1の底部フラップが、折り曲げ部34a,34bにて谷折れすることにより、略矩形状側面部の内側に折り畳まれるものとなっている。
【0017】
第3の底部フラップ23は、第4の底部フラップ24側のコーナー部を折り曲げ部36により折り曲げることにより形成された第3の略三角形状の折曲可能片31を有する。また、折曲可能片31の折り曲げ部53側の端部付近31aが切りかかれたものとなっており、折曲可能片31の折れ曲がりを容易なものとしている。さらに、第3の底部フラップ23は、第3の底部フラップ23を形成する折り曲げ部53と向かい合う第3の底部フラップ23の端部であり、第3の折曲可能片31より所定距離離間した位置に設けられた舌部29を有するコーナー部を備える。舌部29は、丸みを帯びた先端部29aと、先端部29aより第3の底部フラップ形成用の折り曲げ部53に向かってほぼ直交するように延びる第1の側辺29bと、先端部29aより、第3の底部フラップ23の側部方向にかつ斜めに延びる第2の側辺29cとを有している。また、この実施例では、舌部29を有するコーナー部と折曲可能片31間には、凹部30が形成されている。
【0018】
第4の底部フラップ24は、第3の底部フラップ23側のコーナー部を折り曲げ部37により折り曲げることにより形成された第4の略三角形状の折曲可能片32を備える。また、第4の底部フラップ24は、第4の折曲可能片32が設けられていない側のコーナー部が大きく切りかかれた形状となっている。また、折曲可能片32の折り曲げ部54側の端部付近32aが切りかかれたものとなっており、折曲可能片32の折れ曲がりを容易なものとしている。そして、図4に示すように、第3の折曲可能片31は、第4の折曲可能片32を越える位置にて第4の底部フラップ24に固着され、第3の底部フラップ23と第4の底部フラップ24との固着部72を形成している。そして、固着され連結した第3の底部フラップ23と第4の底部フラップ24は、第3のフラップ23が折り曲げ部36にて谷折れし、第4の底部フラップが、折り曲げ部37にて谷折れすることにより、略矩形状側面部の内側に折り畳まれるものとなっている。
この実施例の包装箱2では、上述したように、固着され連結した第1の底部フラップ21と第2の底部フラップ22は、略矩形状側面部の内側に折り畳み可能であり、同様に、固着され連結した第3の底部フラップ23と第4の底部フラップ24も略矩形状側面部の内側に折り畳み可能であるため、上部開口部封鎖部により上部開口部が封鎖されていない状態において、略矩形状側面部を押圧することにより、4つの底部フラップが、折り曲げ部および折曲可能片部分により折れ曲がることにより内側に倒れ、扁平状態となることが可能となっている。
【0019】
そして、この実施例の包装箱2では、上記のような扁平状態において、第1の略矩形状側面部11と第4の略矩形状側面部14間が平坦であり、第2の略矩形状側面部12と第3の略矩形状側面部13間が平坦であり、第1の略矩形状側面部11と第2の略矩形状側面部12間の折り曲げ部47にて約0度に折れ曲がっており、同様に、第3の略矩形状側面部13と第4の略矩形状側面部14間の折れ曲げ部49にて約0度に折れ曲がった状態となっている。
そして、約0度に折れ曲がっている折り曲げ部47および折れ曲げ部49を近接する方向に押圧することにより、4つの略矩形状側面部11、12,13,14が開く。特に、第1の略矩形状側面部11と第2の略矩形状側面部12のなす角度が0°から90°に向かう変形にともなう第1の底部フラップ21に固定されている第2の底部フラップ22と第2の略矩形状側面部12とのなす角度が0°から90°へと変化する動きと、第2の略矩形状側面部12と第3の略矩形状側面部13のなす角度が180°から90°に向かう変形にともなう第3の底部フラップ23の動きに従い、舌部29が切欠部26の底辺方向から側辺に沿って移動することによって、第3の底部フラップ23の舌部29は、第1の底部フラップ21の切欠部26に進入し、そして、図5に示すように、舌部29の先端部は、切欠部26を越え、第1の底部フラップ21の内面上に位置し、切欠部26と舌部29により、底部フラップ21,22,23,24が外方に向かって開くことを防止する。そして、この包装箱2では、図4および図5に示すように、切欠部26および舌部29は、包装箱の底面外方より、視認不能である。このため、外方に向かって開くような操作を行うことにより、開封防止機構があることを理解できるが、その位置を特定することができないものとなっている。また、底部フラップを内方に押し開けようとする動作に対しては、基本的には収納物がこれを阻害する。また、上述したように、この実施例では、切欠部26の斜辺に突出部27を有するため、無理に押し開こうとする動作に対して、箱が直方体形状を保ったまま(言い換えれば、隣り合う略矩形状側面部同士のなす角が直角を保ったまま)での、第1の底部フラップと第3の略矩形状側面部とのなす角度と第3の底部フラップと第3の略矩形状側面部とのなす角度が90°から小さくなるような動作に対しては、舌部は斜辺に沿って移行するので、舌部は斜辺上の突出部に突き当たってそれ以上底部フラップの折曲がりは進行できない。
【0020】
そして、組み立てられた包装箱は、第2の略矩形状側面部12と第3の略矩形状側面部13間の折れ曲がり部48部分および第1の略矩形状側面部11と第4の略矩形状側面部14間の折れ曲がり部50を近接する方向に押圧することにより、上記舌部29は、切欠部26より離脱し、上述した扁平状体となる。
また、本発明の包装箱2は、図6に示すように、上部開口部封鎖部を備えている。この実施例の包装箱2では、上部開口部封鎖部は、いずれかの略矩形状側面部の上辺に折り曲げ部を介して設けられた上部開口封鎖フラップ44と、上部開口封鎖フラップ44の先端部に折り曲げ部64を介して設けられた接合片46と、上部開口封鎖フラップ44が形成された略矩形状側面部と向かい合う略矩形状側面部の上部に設けられた破断可能かつ破断状態確認可能部42と、上部開口封鎖フラップ44が形成された略矩形状側面部と隣り合う2つの略矩形状側面部の上辺に折り曲げ部を介して設けられた上部フラップ41,43とを備えている。
具体的には、図6に示すように、第4の略矩形状側面部の上辺に折り曲げ部63を介して設けられた上部開口封鎖フラップ44を備えている。そして、封鎖フラップ44は、略矩形状側面部の上部開口部の全体を覆うものとなっている。さらに、封鎖フラップ44の先端部には、折り曲げ部64を介して接合片46が設けられている。さらに、折り曲げ部64の両側部には、スリット65a,65bが設けられている。そして、図1および図3に示すように、接合片46は、第2の略矩形状側面部12の上部内に挿入されるとともに、第2の略矩形状側面部12の上部に設けられた破断可能かつ破断状態確認可能部42(具体的には、ミシン目に囲まれた部分)の内面に接合されている。また、接合片46は、破断可能かつ破断状態確認可能部42以外には接合されていない。このため、破断可能かつ破断状態確認可能部42部分にて、第2の略矩形状側面部12の上部を破断することにより、上部開口部封鎖部を開放することができる。また、この実施例の包装箱2では、図6に示すように、第1の略矩形状側面部の上辺に折り曲げ部61を介して設けられた上部フラップ41と、第3の略矩形状側面部の上辺に折り曲げ部62を介して設けられた上部フラップ43とを備えている。
そして、この実施例の包装箱は、組み立てた状態では、略直方体状となる包装箱となっている。
【0021】
次に、図8ないし図10に示す本発明の他の実施例の包装箱について説明する。
図8は、本発明の他の実施例の包装箱の展開図である。図9は、図8に示した包装箱を組み立てた状態の底面図である。図10は、図9に示した包装箱の内側底面図である。
この実施例の包装箱2aは、上述した包装箱2と基本構成は同じである。相違点は、第1の底部フラップ21に設けられた切欠部26の斜辺26eの形態のみである。
この実施例の包装箱2aにおいても、切欠部26は、斜辺26eに設けられた舌部29の離脱防止用の突出部(小突出部)27aを有している。突出部27aは、略三角形状のものであり、斜辺26eの一部を底辺とし、底辺26b方向に延びるものとなっている。この実施例では、突出部27aは、斜辺26eの中央部に設けられている。また、斜辺26eが、途中で角度が変わる変曲点を持っている。具体的には、突出部27aと底辺26bの一端間の斜辺26eには、途中に、変曲点26gが設けられ、斜辺26eと斜辺26h間は、所定角度を有するものとなっている。このような形態とすることにより、舌部の進入を容易なものとすることができる。
【0022】
次に、図11ないし図13に示す本発明の他の実施例の包装箱について説明する。
図11は、本発明の他の実施例の包装箱の展開図である。図12は、図11に示した包装箱を組み立てた状態の底面図である。図13は、図12に示した包装箱の内側底面図である。
この実施例の包装箱2bは、上述した包装箱2と基本構成は同じである。相違点は、第3の底部フラップ23が、底面にて露出し、かつ第4の底部フラップに固着されていない端部より、第3の底部フラップ形成用の折り曲げ部53方向に向かって延びる破断可能かつ破断状態確認可能部73(具体的には、ほぼ直線状に延びるミシン目)を備えている点である。なお、この破断可能かつ破断状態確認可能部73は、上述した実施例の包装箱2,2aおよび後述する包装箱2cにも設けてもよい。このような破断可能かつ破断状態確認可能部73を設けることにより、底部フラップを外方に向かって無理に開こうとする動作に対して破断可能かつ破断状態確認可能部が破損することにより改ざん履歴を確認することが可能である。また、この実施例の包装箱では、切欠部26は、突出部27を持たないものとなっている。
【0023】
次に、図14ないし図16に示す本発明の他の実施例の包装箱について説明する。
図14は、本発明の他の実施例の包装箱の展開図である。図15は、図14に示した包装箱を組み立てた状態の底面図である。図16は、図15に示した包装箱の内側底面図である。
この実施例の包装箱2cは、上述した包装箱2と基本構成は同じである。相違点は、舌部29が、第1の側辺29bに設けられた離脱防止用の小切欠部75を備える点のみである。舌部29は、丸みを帯びた先端部29aと、先端部29aより第3の底部フラップ形成用の折り曲げ部53に向かってほぼ直交するように延びる第1の側辺29bと、先端部29aより、第3の底部フラップ23の側部方向にかつ斜めに延びる第2の側辺29cとを有している。そして、第1の側辺29bであり、かつ、先端部29aより若干離間した位置に、離脱防止用の小切欠部75が設けられている。
そして、本発明の包装された医療用器材としては、上述したすべての実施例の包装箱を用いることができる。
【符号の説明】
【0024】
1 包装された医療用器材
2,2a,2b,2c 包装箱
3 医療用器材
11 第1の略矩形状側面部
12 第2の略矩形状側面部
13 第3の略矩形状側面部
14 第4の略矩形状側面部
21 第1の底部フラップ
22 第2の底部フラップ
23 第3の底部フラップ
24 第4の底部フラップ
26 切欠部
29 舌部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上辺と下辺と2つの側辺を有する第1、第2、第3及び第4の4つの略矩形状側面部からなり、順に並列しかつ隣り合う各略矩形状側面部が側辺で連続し環状となった側面と、該略矩形状側面部の上辺に設けられた上部開口部封鎖部と、前記略矩形状側面部の下辺に設けられた下部開口部封鎖部とを有する包装箱であって、
前記下部開口部封鎖部は、第1の略矩形状側面部の下辺に折り曲げ部を介して設けられた第1の底部フラップと、第2の略矩形状側面部の下辺に折り曲げ部を介して設けられた第2の底部フラップと、第3の略矩形状側面部の下辺に折り曲げ部を介して設けられた第3の底部フラップと、第4の略矩形状側面部の下辺に折り曲げ部を介して設けられた第4の底部フラップとを備え、
前記第1の底部フラップは、前記第2の底部フラップ側のコーナー部を折り曲げることにより形成された第1の略三角形状の折曲可能片と、該第1の折曲可能片の中央部付近を側辺とし、前記第1の底部フラップを形成する折り曲げ部とほぼ平行に延びる底辺を有する略三角形状の切欠部を備え、
前記第2の底部フラップは、前記第1の底部フラップ側のコーナー部を折り曲げることにより形成された第2の略三角形状の折曲可能片を備え、かつ、該第2の折曲可能片は、前記第1の折曲可能片および前記切欠部を越え、前記切欠部を封止しない位置にて前記第1の底部フラップに固着されており、
前記第3の底部フラップは、前記第4の底部フラップ側のコーナー部を折り曲げることにより形成された第3の略三角形状の折曲可能片と、前記第3の底部フラップを形成する折り曲げ部と向かい合う前記第3の底部フラップの端部であり、前記第3の折曲可能片より所定距離離間した位置に設けられ、かつ、前記第1の底部フラップの前記切欠部内に進入可能な舌部を有するコーナー部を備え、
前記第4の底部フラップは、前記第3の底部フラップ側のコーナー部を折り曲げることにより形成された第4の略三角形状の折曲可能片を備え、
かつ、前記第3の底部フラップの前記第3の折曲可能片は、前記第4の折曲可能片を越える位置にて前記第4の底部フラップに固着されており、
さらに、前記包装箱の底面において、前記第2の底部フラップは、全面が露出し、前記第3の底部フラップは、前記第2の底部フラップにより前記舌部を有するコーナー部が覆われ、前記第4の底部フラップは、前記第4の折曲可能片および中央部が前記第3の底部フラップにより覆われ、前記第1の底部フラップは、前記第1の折曲可能片が前記第2の底部フラップにより、前記第1の折曲可能片と向かい合うコーナー部が前記第4の底部フラップにより、前記切欠部およびその付近が前記第2の底部フラップと前記第3の底部フラップとにより覆われており、さらに、前記第3の底部フラップの前記舌部は、前記第1の底部フラップの前記切欠部に進入し、かつ、前記舌部の先端部は、前記切欠部を越え、前記第1の底部フラップの内面上に位置し、前記切欠部と前記舌部により、前記底部フラップが外方に向かって開くことを防止する底部開口防止機構が形成されていることを特徴とする包装箱。
【請求項2】
前記切欠部および前記舌部は、前記包装箱の底面外方より、視認不能である請求項1に記載の包装箱。
【請求項3】
前記包装箱は、医療用部材収納用の包装箱である請求項1または2に記載の包装箱。
【請求項4】
前記包装箱は、薬剤充填済み医療用部材収納用の包装箱である請求項1ないし3のいずれかに記載の包装箱。
【請求項5】
前記切欠部は、斜辺に設けられ、前記舌部の離脱防止用の突出部を有している請求項1ないし4のいずれかに記載の包装箱。
【請求項6】
前記斜辺が、途中で角度が変わる変曲点を持っている請求項5に記載の包装箱。
【請求項7】
前記舌部は、丸みを帯びた先端部と、該先端部より前記第3の底部フラップ形成用の折り曲げ部に向かってほぼ直交するように延びる第1の側辺と、前記先端部より、前記第3の底部フラップの側部方向にかつ斜めに延びる第2の側辺とを有している請求項1ないし6のいずれかに記載の包装箱。
【請求項8】
前記第3の底部フラップは、露出し、かつ前記第4の底部フラップに固着されていない端部より、前記第3の底部フラップ形成用の折り曲げ部方向に向かって延びる破断可能かつ破断状態確認可能部を備えている請求項1ないし7のいずれかに記載の包装箱。
【請求項9】
前記舌部は、前記第1の側辺に設けられた離脱防止用の小切欠部を備えている請求項8に記載の包装箱。
【請求項10】
前記切欠部は、前記第1の略矩形状側面部側の頂点が切り欠かれた形状となっている請求項1ないし9のいずれかに記載の包装箱。
【請求項11】
前記包装箱は、前記上部開口部封鎖部により前記上部開口部が封鎖されていない状態において、前記略矩形状側面部を押圧することにより、前記4つの底部フラップが、前記折り曲げ部および前記折曲可能片部分により折れ曲がることにより内側に倒れ、扁平状態となることが可能となっている請求項1ないし10のいずれかに記載の包装箱。
【請求項12】
前記包装箱は、いずれかの2つの略矩形状側面部間に形成された接合部と、残りの略矩形状側面部間に形成された折り曲げ部を有している請求項1ないし11のいずれかに記載の包装箱。
【請求項13】
前記上部開口部封鎖部は、いずれかの略矩形状側面部の上辺に折り曲げ部を介して設けられた上部開口封鎖フラップと、該上部開口封鎖フラップの先端部に折り曲げ部を介して設けられた接合片と、前記上部開口封鎖フラップが形成された略矩形状側面部と向かい合う略矩形状側面部の上部に設けられた破断可能かつ破断状態確認可能部と、前記上部開口封鎖フラップが形成された略矩形状側面部と隣り合う2つの略矩形状側面部の上辺に折り曲げ部を介して設けられた上部フラップとを備えている請求項1ないし12のいずれかに記載の包装箱。
【請求項14】
前記包装箱は、略直方体状包装箱である請求項1ないし13のいずれかに記載の包装箱。
【請求項15】
前記請求項1ないし14のいずれかに記載の包装箱と、前記包装箱内に収納された医療用器材とからなり、かつ、前記包装箱の上部開口部が、前記上部開口部封鎖部により封鎖された状態となっていることを特徴とする包装された医療用器材。
【請求項16】
前記医療用器材が、プレフィルドシリンジもしくは薬剤収納容器である請求項15に記載の包装された医療用器材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−25398(P2012−25398A)
【公開日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−162753(P2010−162753)
【出願日】平成22年7月20日(2010.7.20)
【出願人】(000109543)テルモ株式会社 (2,232)
【Fターム(参考)】