包装箱の二重ロック構造
【課題】外力によってロック片が過剰に入り込むことを防止する。
【解決手段】一次ロック片40が差し込まれる外壁(前壁19)の少なくとも開口部の側を、外壁部21と内壁部23とを有する二重壁構造とし、外壁部21から内壁部23にかけて略U字形状をなすように切断部を設けるとともに、この切断部内に外壁19の開口縁に対して平行に延びる折曲部を設け、この折曲部を境界として先端側に二次ロック片30を形成するとともに、逆側に可動部31を形成した二次ロック部26を設け、かつ、二次ロック受部42に、外壁19における二次ロック部26の切起部分を通して可動部31の内面に当接する当接部52を設けた構成とする。
【解決手段】一次ロック片40が差し込まれる外壁(前壁19)の少なくとも開口部の側を、外壁部21と内壁部23とを有する二重壁構造とし、外壁部21から内壁部23にかけて略U字形状をなすように切断部を設けるとともに、この切断部内に外壁19の開口縁に対して平行に延びる折曲部を設け、この折曲部を境界として先端側に二次ロック片30を形成するとともに、逆側に可動部31を形成した二次ロック部26を設け、かつ、二次ロック受部42に、外壁19における二次ロック部26の切起部分を通して可動部31の内面に当接する当接部52を設けた構成とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一体的に形成した蓋壁を二重ロックするようにした包装箱の二重ロック構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の包装箱は、底壁の両側縁から側壁が立設され、前側縁および後側縁に前壁および後壁が立設されている。そして、後壁には、これら壁によって形成される上端の開口部を閉塞する蓋壁が連設されている。この蓋壁を一体成形した包装箱として、蓋壁が簡単に開放しないようにするために二重ロック構造を施したものが周知である。この二重ロック構造は、蓋壁の先端に連設した一次ロック片と、この一次ロック片が差し込まれる前壁に設けた二次ロック片とを備えている。一次ロック片には、蓋壁との境界部分の一部に二次ロック片を挿入係止するスリットが設けられている。二次ロック片は、前壁の一部を切り起こして設けられている。
【0003】
特許文献1には、二次ロック片が内部に収容した商品に干渉することを防止した包装箱が記載されている。この包装箱は、蓋壁と一次ロック片との境界にスリットを設け、このスリットの両端近傍に後方向へ延びる押さえ板を設けている。この押さえ板は、スリットに差し込んだ二次ロック片の内側面に位置することにより、二次ロック片と内部の商品との干渉を防止する。
【0004】
しかし、特許文献1の包装箱は、二次ロック片に対して前壁または蓋壁の側から外力が加わると、この二次ロック片が後壁側に入り込んでしまう。その結果、開封時に二次ロック片をスリットから引き抜く際の作業性が悪くなるという問題がある。この問題は、前壁を外壁部と内壁部とを有する二重壁構造とした場合、顕著に現れる。
【0005】
また、特許文献2には、二次ロック片をスリットに差し込む際の作業性を向上できるようにした包装箱が記載されている。この包装箱は、スリットの両端部に位置するように蓋壁に前方向へ突出する突出片を設けている。この突出片は、スリットに二次ロック片を差し込む際に上側を規制する作用をなすため、差込作業性を向上できる。
【0006】
しかし、特許文献2の包装箱は、二次ロック片に対して前壁の側から外力が加わると、やはり二次ロック片が後壁側に入り込むため、開封時の作業性が悪くなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実開平4−50627号公報
【特許文献2】特開2003−267354号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、外力によってロック片が過剰に入り込むことを防止できる包装箱の二重ロック構造を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するため、本発明の包装箱の二重ロック構造は、一端または一側を多角形状の開口部とした箱本体と、この箱本体に連設されて前記開口部を閉塞する蓋壁とを備え、前記蓋壁に前記開口部周囲の所定の外壁の内側に差し込む一次ロック片を設けるとともに、この一次ロック片が差し込まれる前記外壁に二次ロック片を設け、この二次ロック片を前記蓋壁に形成した二次ロック受部のスリット部に挿入係止するようにした包装箱の二重ロック構造であって、前記一次ロック片が差し込まれる前記外壁の少なくとも開口部の側を、外壁部と内壁部とを有する二重壁構造とし、前記外壁部から内壁部にかけて略U字形状をなすように切断部を設けるとともに、この切断部内に前記外壁の開口縁に対して平行に延びる折曲部を設け、この折曲部を境界として先端側に前記二次ロック片を形成するとともに、逆側に可動部を形成した二次ロック部を設け、かつ、前記二次ロック受部に、前記外壁における前記二次ロック部の切起部分を通して前記可動部の内面に当接する当接部を設けた構成としている。
【0010】
この包装箱の二重ロック構造では、前記二次ロック受部は、前記二次ロック片の横幅より狭い間隔とした一対の第1切断部と、これら第1切断部の先端から前記蓋壁の外周縁を越えて前記一次ロック片にかけて延びるように設けられ、その先端部間を前記二次ロック片の横幅と略同一間隔とした第2切断部と、これら第2切断部の先端から略U字形状をなすように内向きに延びるように設けた第3切断部と、前記第1切断部の前記一次ロック片と逆側の端部間にかけて延びるように設けた第1折曲部と、前記第1切断部間にかけて延びるように設けられ、前記第1折曲部と所定間隔をもって位置する第2折曲部と、前記第3切断部の端部間に位置するように設けた第3折曲部とを設け、前記第1切断部、第1および第2折曲部により、前記蓋壁から内側へ屈曲して延びる連続部を形成し、前記第1および第2切断部、第2および第3折曲部により、前記連続部と連続して前記蓋壁に対して所定間隔をもって略平行に延びる段部を形成するとともに、この段部と前記蓋壁との間に前記スリット部を形成し、更に、前記第3切断部により、前記当接部を形成していることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の包装箱の二重ロック構造では、二次ロック受部に、外壁における二次ロック部の切起部分を通して二次ロック部の可動部の内面に当接する当接部を設けているため、二次ロック部に外力が加わっても、二次ロック片が二次ロック受部に対して過剰に入り込むことはない。よって、蓋壁の開封時に二次ロック片をスリット部から引き抜く際の作業性が悪くなることを防止できる。
【0012】
また、二次ロック受部は、第1から第3の切断部および折曲部により、蓋壁に対して略平行に位置する段部を形成し、この段部と蓋壁との間に二次ロック片を挿入係止するスリット部を形成している。そのため、箱本体の開口部を蓋壁で閉塞し、二次ロック片を二次ロック受部のスリット部に挿入係止した状態では、外部と内部とを連通させる孔はない。よって、塵埃の侵入を確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る実施形態の二重ロック構造を施した包装箱を示す斜視図である。
【図2】包装箱の中央断面図である。
【図3】包装箱の封緘工程を示す斜視図である。
【図4】包装箱の他の封緘工程を示す斜視図である。
【図5】包装箱のブランクを示す平面図である。
【図6】(A),(B)は図5の要部拡大平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
【0015】
図1および図2は、本発明に係る実施形態の二重ロック構造を施した包装箱を示す。この包装箱は、箱本体の上端開口部を閉塞する蓋壁38を後壁36に一体成形し、この蓋壁38を一対のロック片40,30によって二重ロックし、この封緘状態で外力によって各ロック片40,30が過剰に入り込むことを防止できるようにしたものである。なお、箱本体は、底壁10と、外壁である側壁11A,11B、前壁19および後壁36によって構成され、側壁11A,11B、前壁19および後壁36の上端縁により四角形状の開口部が形成される。
【0016】
この包装箱は、表ライナおよび裏ライナの間に波状の中しんを配設した周知の段ボール紙を、周知の紙器打抜装置(図示せず)によって図5に示す連続した一枚のブランクとして打ち抜き、所定部位を折り曲げることによって成形される。
【0017】
包装箱のブランクは、図5に示すように、縦方向の中央部に横方向に延びる矩形状の底壁10を備えている。この底壁10には、左右の側縁に側壁11A,11Bが連設されている。底壁10および左右の側壁11A,11Bの各境界には、肉厚を圧縮するように罫を入れて形成した第1折曲線12が設けられている。
【0018】
各側壁11A,11Bの外側縁には、組立状態で内向きに折り込まれる内フラップ13A,13Bが連設され、その各境界部分に第2折曲線14が設けられている。また、各側壁11A,11Bには、図中下側に位置する組立状態での前側縁に第1折込片15A,15Bが連設され、その各境界部分に第3折曲線16が設けられている。これら第1折込片15A,15Bは、組立状態で後述する前壁19の外壁部21と内壁部23との間に配置されるものである。さらに、各側壁11A,11Bには、図中上側に位置する組立状態での後側縁に第2折込片17A,17Bが連設され、その各境界部分に第4折曲線18が設けられている。これら第2折込片17A,17Bは、組立状態で後述する後壁36の内面側に配置されるものである。
【0019】
底壁10の前側縁には前壁19が連設され、その境界部分に第5折曲線20が設けられている。本実施形態の前壁19は、後述する一次ロック片40が内側に差し込まれる外壁である。この前壁19は、底壁10に連続する外壁部21と、この外壁部21に連続する上壁部22と、この上壁部22に連続する内壁部23とを備えた二重壁構造のものである。前壁19には、横方向の中央に位置するように、外壁部21から内壁部23にかけて二次ロック部26が設けられている。この二次ロック部26を形成する領域を除き、外壁部21と上壁部22との境界には第6折曲線24が設けられ、上壁部22と内壁部23との境界には第7折曲線25が設けられている。
【0020】
二次ロック部26は、外壁部21から内壁部23にかけて延びる切断部27を備えている。この切断部27の一対の端部は外壁部21に位置し、内壁部23内を迂回して略U字形状をなすように延びている。図6(A)に示すように、切断部27の両端間には、第1折曲線12と同様にして第1折曲部28が設けられている。また、切断部27内には、外壁部21の上端縁(開口縁)である第6折曲線24に対して平行に延びる第2折曲部29が設けられている。この第2折曲部29は、段ボール紙の肉厚分、第6折曲線24より外壁部21の側(組立状態で下側)に位置するように設けられている。これにより二次ロック部26は、第2折曲部29を境界として、後述する蓋壁38の二次ロック受部42に挿入係止する先端側の二次ロック片30と、逆側の可動部31とに区画されている。二次ロック片30の先端には、半円形状をなす打抜部32が設けられている。この打抜部32は、二次ロック部26と二次ロック受部42との係止を解除する際に、指を当てて引き抜くための操作部である。
【0021】
また、図5に示すように、内壁部23には、端縁に一対の係合突部33,33が設けられている。これら係合突部33,33は、第5折曲線20と接するように底壁10に形成した係合穴部34,34に係合される。さらに、上壁部22には、両側の外壁部21から内壁部23にかけて延びる一対の係止穴35,35が設けられている。これら係止穴35,35は、外壁部21の側の横幅が内壁部23の側の横幅より狭い台形状をなすように打ち抜きによって形成されている。
【0022】
底壁10の後側縁には後壁36が連設され、その境界部分に第8折曲線37が設けられている。図中上側に位置する後壁36の上端縁には、底壁10、側壁11A,11B、前壁19および後壁36からなる有底筒状の箱本体の開口部を閉塞する蓋壁38が連設され、その境界部分に第9折曲線39が設けられている。この蓋壁38には、組立状態で前壁19の内壁部23の内側に差し込まれる一次ロック片40が連設されている。また、蓋壁38には、横方向の中央に二次ロック受部42が設けられるとともに、この二次ロック部26の両側に一対の係止片53が設けられている。これら二次ロック部26および係止片53の形成領域を除き、蓋壁38と一次ロック片40との境界には第10折曲線41が設けられている。
【0023】
二次ロック受部42は、図6(B)に示すように、左右対称に形成した2組の切断部43〜45と、折曲部46〜48によって形成されている。具体的には、二次ロック受部42は、蓋壁38の先端側に設けられ、二次ロック片30の横幅より狭い間隔で平行に延びる一対の第1切断部43,43を備えている。これら第1切断部43,43の先端である一次ロック片40の側の端部には、第2切断部44が連続して設けられている。これら第2切断部44は、蓋壁38の外周縁である第10折曲線41を越えて一次ロック片40にかけて延びるように設けられている。本実施形態の第2切断部44は、第1切断部43の端部から第10折曲線41にかけて外向きに広がるように傾斜して延びる第1部分44aと、この第1部分44aから一次ロック片40内を平行に延びる第2部分44bとを備えている。そして、これら第2部分44b,44bの間は、二次ロック片30の横幅と略同一間隔となるように形成されている。これら第2切断部44の先端には、略U字形状をなすように内向きに旋回して延びる第3切断部45,45が連続して設けられている。この第3切断部45の突出寸法Sは、前壁19の肉厚と略同一としている。
【0024】
また、二次ロック受部42には、第1切断部43,43の後壁36の側である一次ロック片40と逆側に位置する端部間にかけて延びるように第1折曲部46が設けられている。さらに、二次ロック受部42には、第1折曲線に対して所定間隔をもって平行に位置するように、第1切断部43,43間にかけて延びる第2折曲部47が設けられている。これら第1折曲部46と第2折曲部47の間は、略段ボール紙の肉厚の約2倍の寸法設定とされている、そして、二次ロック受部42には、第3切断部45,45の内側端部間にかけて延びるように第3折曲部48が設けられている。
【0025】
このようにした二次ロック受部42は、第1切断部43、第1および第2折曲部46,47により、組立状態で蓋壁38から底壁10へ向けて内側へ屈曲して延びる連続部49が形成される。また、第1および第2切断部44,45、第2および第3折曲部47,48により、連続部49と連続して蓋壁38に対して所定間隔をもって底壁10の側へ平行に位置する段部50が形成される。そして、この段部50と蓋壁38との間には、二次ロック片30を挿入係止するスリット部51が形成される(図4参照)。さらに、第3切断部45,45により、前壁19の側に突出し、前壁19における二次ロック部26の切起部分を通して可動部31の内面に当接する当接部52が形成される。
【0026】
係止片53は、第10折曲線41上に両端が位置するように一次ロック片40の側に台形状をなすように切断線54を形成することにより、その内部に形成される。この係止片53は、組立状態で蓋壁38から前方に突出するとともに、面一に延びる。そして、前壁19の上端の上壁部22に形成した係止穴35に係止する。
【0027】
このように構成した包装箱のブランクは、打ち抜かれた展開状態のまま所定の納入先に出荷される。そして、所定の商品を包装する際に組み立てられる。
【0028】
例えば、図3に示すように、まず、底壁10に対して左右の側壁11A,11Bを折り曲げるとともに、これら側壁11A,11Bに対して各折込片15A,15B,17A,17Bを内向きに折り曲げる。その後、底壁10に対して外壁部21を折り曲げ、この外壁部21に対して上壁部22を折り曲げ、この上壁部22に対して内壁部23を折り曲げる。そして、この内壁部23の係合突部33を底壁10の係合穴部34に差し込む。また、この際には、前壁19に形成した二次ロック部26が外側に位置するように切り起こしておく。
【0029】
ついで、側壁11A,11Bに対して内フラップ13A,13Bを折り曲げるとともに、底壁10に対して後壁36を折り曲げる。また、後壁36に対して蓋壁38を折り曲げるとともに、蓋壁38に対して一次ロック片40を折り曲げる。この際、図4に示すように、二次ロック受部42の連続部49が底壁10の側に延びるように蓋壁38に対して折り曲げるとともに、連続部49および一次ロック片40に対して段部50が屈曲するように折り曲げる。そして、この状態で、一次ロック片40を前壁19の内側に差し込んで係止する。これにより、図示のように、係止片53が前壁19の上端の係止穴35に係止する。また、段部50が蓋壁38に対して所定間隔をもって下側に位置し、その段差によって段部50の周囲にスリット部51が形成される。さらに、当接部52が、二次ロック部26を形成したことによる切起部分を通して前側に突出する。
【0030】
最後に、二次ロック部26の二次ロック片30を可動部31に対して折り曲るとともに、可動部31を前壁19の外壁部21との境界である第1折曲部28を中心として回動させる。そして、二次ロック片30の先端両側部を当接部52上に押し付けるようにして、二次ロック片30をスリット部51に挿入係止する。これにより、図1および図2に示すように、一体成形した蓋壁38を一次ロック片40および二次ロック片30によって二重ロックすることができる。また、二次ロック部26の可動部31の内面には、二次ロック部26の切起部分を通して突出した当接部52が当接する。
【0031】
この二重ロック状態の包装箱では、二次ロック受部42に、二次ロック部26の可動部31の内面に当接する当接部52を設けているため、二次ロック部26に外力が加わっても、二次ロック片30が二次ロック受部42に対して過剰に入り込むことはない。よって、蓋壁38の開封時に二次ロック片30をスリット部51から引き抜く際の作業性が悪くなることを防止できる。
【0032】
また、二次ロック受部42は、第1から第3の切断部43〜45および折曲部46〜48により、蓋壁38に対して平行に位置する段部50を形成し、この段部50と蓋壁38との間に二次ロック片30を挿入係止するスリット部51を形成している。そのため、封緘状態では、外部と内部とを連通させる孔はない。よって、塵埃の侵入を確実に防止できる。しかも、二次ロック片30は段部50の上側に位置するため、この二次ロック片30が内部に収容した商品に干渉して傷付けることを防止できる。
【0033】
さらに、蓋壁38には前壁19の上端に係止する係止片53を設けているため、蓋壁38に下向きの外力が加わっても、一次ロック片40が過剰に入り込むことはない。よって、確実に封緘状態を維持できるとともに、塵埃が侵入する孔が形成されることを防止できる。
【0034】
なお、本発明の包装箱の二重ロック構造は、前記実施形態の構成に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
【0035】
例えば、前記実施形態では、一次ロック片40を前壁19の内側に差し込む構成としたが、一次ロック片40の横幅を蓋壁38の横幅に対して小さく形成し、前壁19の上壁部22に一次ロック片40を差し込むスリットを設け、一次ロック片40を前壁19の外壁部21と内壁部23との間に差し込む構成としてもよい。
【0036】
また、前記実施形態の二次ロック受部42は、蓋壁38と平行に位置する段部50を有する構成とし、内部に収容する商品に二次ロック片30が干渉しない構成としたが、連続部49および段部50は設けることなく、単に蓋壁38と一次ロック片40との境界部分に二次ロック片30を挿入係止するスリット部51を設け、そのスリット部51の下部に二次ロック部26の可動部31に当接する当接部52を設ける構成としてもよい。
【0037】
さらに、前記実施形態では、平面視矩形状をなす包装箱としたが、側壁11A,11Bと前壁19および後壁36の境界部分に面取壁を設けた平面視八角形状や平面視六角形状の包装箱としてもよい。特にこの場合、各ロック片40,30は、蓋壁38の連続壁である後壁39の対向位置に設ける必要はなく、対向部に隣接する面取壁などに2以上設ける構成としてもよい。
【0038】
そして、前記実施形態では、一次ロック片40が差し込まれる前壁19全体を二重壁構造としたが、二次ロック部26を形成する上側領域だけを二重壁構造としてもよい。また、前記実施形態では、包装箱の上端に開口部を形成したが、側部に開口部を形成した包装箱であっても、前記二重ロック構造は同様にして適用可能である。さらに、前記実施形態では、二次ロック受部42の両側に当接部52を一対設けたが、この当接部52は中央に1箇所のみ設けてもよく、また、所定位置に3以上設けてもよい。
【符号の説明】
【0039】
10…底壁
11A,11B…側壁
19…前壁
21…外壁部
22…上壁部
23…内壁部
26…二次ロック部
27…切断部
28…第1折曲部
29…第2折曲部
30…二次ロック片
31…可動部
35…係止穴
36…後壁
38…蓋壁
40…一次ロック片
42…二次ロック受部
43…第1切断部
44…第2切断部
45…第3切断部
46…第1折曲部
47…第2折曲部
48…第3折曲部
49…連続部
50…段部
51…スリット部
52…当接部
53…係止片
【技術分野】
【0001】
本発明は、一体的に形成した蓋壁を二重ロックするようにした包装箱の二重ロック構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の包装箱は、底壁の両側縁から側壁が立設され、前側縁および後側縁に前壁および後壁が立設されている。そして、後壁には、これら壁によって形成される上端の開口部を閉塞する蓋壁が連設されている。この蓋壁を一体成形した包装箱として、蓋壁が簡単に開放しないようにするために二重ロック構造を施したものが周知である。この二重ロック構造は、蓋壁の先端に連設した一次ロック片と、この一次ロック片が差し込まれる前壁に設けた二次ロック片とを備えている。一次ロック片には、蓋壁との境界部分の一部に二次ロック片を挿入係止するスリットが設けられている。二次ロック片は、前壁の一部を切り起こして設けられている。
【0003】
特許文献1には、二次ロック片が内部に収容した商品に干渉することを防止した包装箱が記載されている。この包装箱は、蓋壁と一次ロック片との境界にスリットを設け、このスリットの両端近傍に後方向へ延びる押さえ板を設けている。この押さえ板は、スリットに差し込んだ二次ロック片の内側面に位置することにより、二次ロック片と内部の商品との干渉を防止する。
【0004】
しかし、特許文献1の包装箱は、二次ロック片に対して前壁または蓋壁の側から外力が加わると、この二次ロック片が後壁側に入り込んでしまう。その結果、開封時に二次ロック片をスリットから引き抜く際の作業性が悪くなるという問題がある。この問題は、前壁を外壁部と内壁部とを有する二重壁構造とした場合、顕著に現れる。
【0005】
また、特許文献2には、二次ロック片をスリットに差し込む際の作業性を向上できるようにした包装箱が記載されている。この包装箱は、スリットの両端部に位置するように蓋壁に前方向へ突出する突出片を設けている。この突出片は、スリットに二次ロック片を差し込む際に上側を規制する作用をなすため、差込作業性を向上できる。
【0006】
しかし、特許文献2の包装箱は、二次ロック片に対して前壁の側から外力が加わると、やはり二次ロック片が後壁側に入り込むため、開封時の作業性が悪くなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実開平4−50627号公報
【特許文献2】特開2003−267354号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、外力によってロック片が過剰に入り込むことを防止できる包装箱の二重ロック構造を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するため、本発明の包装箱の二重ロック構造は、一端または一側を多角形状の開口部とした箱本体と、この箱本体に連設されて前記開口部を閉塞する蓋壁とを備え、前記蓋壁に前記開口部周囲の所定の外壁の内側に差し込む一次ロック片を設けるとともに、この一次ロック片が差し込まれる前記外壁に二次ロック片を設け、この二次ロック片を前記蓋壁に形成した二次ロック受部のスリット部に挿入係止するようにした包装箱の二重ロック構造であって、前記一次ロック片が差し込まれる前記外壁の少なくとも開口部の側を、外壁部と内壁部とを有する二重壁構造とし、前記外壁部から内壁部にかけて略U字形状をなすように切断部を設けるとともに、この切断部内に前記外壁の開口縁に対して平行に延びる折曲部を設け、この折曲部を境界として先端側に前記二次ロック片を形成するとともに、逆側に可動部を形成した二次ロック部を設け、かつ、前記二次ロック受部に、前記外壁における前記二次ロック部の切起部分を通して前記可動部の内面に当接する当接部を設けた構成としている。
【0010】
この包装箱の二重ロック構造では、前記二次ロック受部は、前記二次ロック片の横幅より狭い間隔とした一対の第1切断部と、これら第1切断部の先端から前記蓋壁の外周縁を越えて前記一次ロック片にかけて延びるように設けられ、その先端部間を前記二次ロック片の横幅と略同一間隔とした第2切断部と、これら第2切断部の先端から略U字形状をなすように内向きに延びるように設けた第3切断部と、前記第1切断部の前記一次ロック片と逆側の端部間にかけて延びるように設けた第1折曲部と、前記第1切断部間にかけて延びるように設けられ、前記第1折曲部と所定間隔をもって位置する第2折曲部と、前記第3切断部の端部間に位置するように設けた第3折曲部とを設け、前記第1切断部、第1および第2折曲部により、前記蓋壁から内側へ屈曲して延びる連続部を形成し、前記第1および第2切断部、第2および第3折曲部により、前記連続部と連続して前記蓋壁に対して所定間隔をもって略平行に延びる段部を形成するとともに、この段部と前記蓋壁との間に前記スリット部を形成し、更に、前記第3切断部により、前記当接部を形成していることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の包装箱の二重ロック構造では、二次ロック受部に、外壁における二次ロック部の切起部分を通して二次ロック部の可動部の内面に当接する当接部を設けているため、二次ロック部に外力が加わっても、二次ロック片が二次ロック受部に対して過剰に入り込むことはない。よって、蓋壁の開封時に二次ロック片をスリット部から引き抜く際の作業性が悪くなることを防止できる。
【0012】
また、二次ロック受部は、第1から第3の切断部および折曲部により、蓋壁に対して略平行に位置する段部を形成し、この段部と蓋壁との間に二次ロック片を挿入係止するスリット部を形成している。そのため、箱本体の開口部を蓋壁で閉塞し、二次ロック片を二次ロック受部のスリット部に挿入係止した状態では、外部と内部とを連通させる孔はない。よって、塵埃の侵入を確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る実施形態の二重ロック構造を施した包装箱を示す斜視図である。
【図2】包装箱の中央断面図である。
【図3】包装箱の封緘工程を示す斜視図である。
【図4】包装箱の他の封緘工程を示す斜視図である。
【図5】包装箱のブランクを示す平面図である。
【図6】(A),(B)は図5の要部拡大平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
【0015】
図1および図2は、本発明に係る実施形態の二重ロック構造を施した包装箱を示す。この包装箱は、箱本体の上端開口部を閉塞する蓋壁38を後壁36に一体成形し、この蓋壁38を一対のロック片40,30によって二重ロックし、この封緘状態で外力によって各ロック片40,30が過剰に入り込むことを防止できるようにしたものである。なお、箱本体は、底壁10と、外壁である側壁11A,11B、前壁19および後壁36によって構成され、側壁11A,11B、前壁19および後壁36の上端縁により四角形状の開口部が形成される。
【0016】
この包装箱は、表ライナおよび裏ライナの間に波状の中しんを配設した周知の段ボール紙を、周知の紙器打抜装置(図示せず)によって図5に示す連続した一枚のブランクとして打ち抜き、所定部位を折り曲げることによって成形される。
【0017】
包装箱のブランクは、図5に示すように、縦方向の中央部に横方向に延びる矩形状の底壁10を備えている。この底壁10には、左右の側縁に側壁11A,11Bが連設されている。底壁10および左右の側壁11A,11Bの各境界には、肉厚を圧縮するように罫を入れて形成した第1折曲線12が設けられている。
【0018】
各側壁11A,11Bの外側縁には、組立状態で内向きに折り込まれる内フラップ13A,13Bが連設され、その各境界部分に第2折曲線14が設けられている。また、各側壁11A,11Bには、図中下側に位置する組立状態での前側縁に第1折込片15A,15Bが連設され、その各境界部分に第3折曲線16が設けられている。これら第1折込片15A,15Bは、組立状態で後述する前壁19の外壁部21と内壁部23との間に配置されるものである。さらに、各側壁11A,11Bには、図中上側に位置する組立状態での後側縁に第2折込片17A,17Bが連設され、その各境界部分に第4折曲線18が設けられている。これら第2折込片17A,17Bは、組立状態で後述する後壁36の内面側に配置されるものである。
【0019】
底壁10の前側縁には前壁19が連設され、その境界部分に第5折曲線20が設けられている。本実施形態の前壁19は、後述する一次ロック片40が内側に差し込まれる外壁である。この前壁19は、底壁10に連続する外壁部21と、この外壁部21に連続する上壁部22と、この上壁部22に連続する内壁部23とを備えた二重壁構造のものである。前壁19には、横方向の中央に位置するように、外壁部21から内壁部23にかけて二次ロック部26が設けられている。この二次ロック部26を形成する領域を除き、外壁部21と上壁部22との境界には第6折曲線24が設けられ、上壁部22と内壁部23との境界には第7折曲線25が設けられている。
【0020】
二次ロック部26は、外壁部21から内壁部23にかけて延びる切断部27を備えている。この切断部27の一対の端部は外壁部21に位置し、内壁部23内を迂回して略U字形状をなすように延びている。図6(A)に示すように、切断部27の両端間には、第1折曲線12と同様にして第1折曲部28が設けられている。また、切断部27内には、外壁部21の上端縁(開口縁)である第6折曲線24に対して平行に延びる第2折曲部29が設けられている。この第2折曲部29は、段ボール紙の肉厚分、第6折曲線24より外壁部21の側(組立状態で下側)に位置するように設けられている。これにより二次ロック部26は、第2折曲部29を境界として、後述する蓋壁38の二次ロック受部42に挿入係止する先端側の二次ロック片30と、逆側の可動部31とに区画されている。二次ロック片30の先端には、半円形状をなす打抜部32が設けられている。この打抜部32は、二次ロック部26と二次ロック受部42との係止を解除する際に、指を当てて引き抜くための操作部である。
【0021】
また、図5に示すように、内壁部23には、端縁に一対の係合突部33,33が設けられている。これら係合突部33,33は、第5折曲線20と接するように底壁10に形成した係合穴部34,34に係合される。さらに、上壁部22には、両側の外壁部21から内壁部23にかけて延びる一対の係止穴35,35が設けられている。これら係止穴35,35は、外壁部21の側の横幅が内壁部23の側の横幅より狭い台形状をなすように打ち抜きによって形成されている。
【0022】
底壁10の後側縁には後壁36が連設され、その境界部分に第8折曲線37が設けられている。図中上側に位置する後壁36の上端縁には、底壁10、側壁11A,11B、前壁19および後壁36からなる有底筒状の箱本体の開口部を閉塞する蓋壁38が連設され、その境界部分に第9折曲線39が設けられている。この蓋壁38には、組立状態で前壁19の内壁部23の内側に差し込まれる一次ロック片40が連設されている。また、蓋壁38には、横方向の中央に二次ロック受部42が設けられるとともに、この二次ロック部26の両側に一対の係止片53が設けられている。これら二次ロック部26および係止片53の形成領域を除き、蓋壁38と一次ロック片40との境界には第10折曲線41が設けられている。
【0023】
二次ロック受部42は、図6(B)に示すように、左右対称に形成した2組の切断部43〜45と、折曲部46〜48によって形成されている。具体的には、二次ロック受部42は、蓋壁38の先端側に設けられ、二次ロック片30の横幅より狭い間隔で平行に延びる一対の第1切断部43,43を備えている。これら第1切断部43,43の先端である一次ロック片40の側の端部には、第2切断部44が連続して設けられている。これら第2切断部44は、蓋壁38の外周縁である第10折曲線41を越えて一次ロック片40にかけて延びるように設けられている。本実施形態の第2切断部44は、第1切断部43の端部から第10折曲線41にかけて外向きに広がるように傾斜して延びる第1部分44aと、この第1部分44aから一次ロック片40内を平行に延びる第2部分44bとを備えている。そして、これら第2部分44b,44bの間は、二次ロック片30の横幅と略同一間隔となるように形成されている。これら第2切断部44の先端には、略U字形状をなすように内向きに旋回して延びる第3切断部45,45が連続して設けられている。この第3切断部45の突出寸法Sは、前壁19の肉厚と略同一としている。
【0024】
また、二次ロック受部42には、第1切断部43,43の後壁36の側である一次ロック片40と逆側に位置する端部間にかけて延びるように第1折曲部46が設けられている。さらに、二次ロック受部42には、第1折曲線に対して所定間隔をもって平行に位置するように、第1切断部43,43間にかけて延びる第2折曲部47が設けられている。これら第1折曲部46と第2折曲部47の間は、略段ボール紙の肉厚の約2倍の寸法設定とされている、そして、二次ロック受部42には、第3切断部45,45の内側端部間にかけて延びるように第3折曲部48が設けられている。
【0025】
このようにした二次ロック受部42は、第1切断部43、第1および第2折曲部46,47により、組立状態で蓋壁38から底壁10へ向けて内側へ屈曲して延びる連続部49が形成される。また、第1および第2切断部44,45、第2および第3折曲部47,48により、連続部49と連続して蓋壁38に対して所定間隔をもって底壁10の側へ平行に位置する段部50が形成される。そして、この段部50と蓋壁38との間には、二次ロック片30を挿入係止するスリット部51が形成される(図4参照)。さらに、第3切断部45,45により、前壁19の側に突出し、前壁19における二次ロック部26の切起部分を通して可動部31の内面に当接する当接部52が形成される。
【0026】
係止片53は、第10折曲線41上に両端が位置するように一次ロック片40の側に台形状をなすように切断線54を形成することにより、その内部に形成される。この係止片53は、組立状態で蓋壁38から前方に突出するとともに、面一に延びる。そして、前壁19の上端の上壁部22に形成した係止穴35に係止する。
【0027】
このように構成した包装箱のブランクは、打ち抜かれた展開状態のまま所定の納入先に出荷される。そして、所定の商品を包装する際に組み立てられる。
【0028】
例えば、図3に示すように、まず、底壁10に対して左右の側壁11A,11Bを折り曲げるとともに、これら側壁11A,11Bに対して各折込片15A,15B,17A,17Bを内向きに折り曲げる。その後、底壁10に対して外壁部21を折り曲げ、この外壁部21に対して上壁部22を折り曲げ、この上壁部22に対して内壁部23を折り曲げる。そして、この内壁部23の係合突部33を底壁10の係合穴部34に差し込む。また、この際には、前壁19に形成した二次ロック部26が外側に位置するように切り起こしておく。
【0029】
ついで、側壁11A,11Bに対して内フラップ13A,13Bを折り曲げるとともに、底壁10に対して後壁36を折り曲げる。また、後壁36に対して蓋壁38を折り曲げるとともに、蓋壁38に対して一次ロック片40を折り曲げる。この際、図4に示すように、二次ロック受部42の連続部49が底壁10の側に延びるように蓋壁38に対して折り曲げるとともに、連続部49および一次ロック片40に対して段部50が屈曲するように折り曲げる。そして、この状態で、一次ロック片40を前壁19の内側に差し込んで係止する。これにより、図示のように、係止片53が前壁19の上端の係止穴35に係止する。また、段部50が蓋壁38に対して所定間隔をもって下側に位置し、その段差によって段部50の周囲にスリット部51が形成される。さらに、当接部52が、二次ロック部26を形成したことによる切起部分を通して前側に突出する。
【0030】
最後に、二次ロック部26の二次ロック片30を可動部31に対して折り曲るとともに、可動部31を前壁19の外壁部21との境界である第1折曲部28を中心として回動させる。そして、二次ロック片30の先端両側部を当接部52上に押し付けるようにして、二次ロック片30をスリット部51に挿入係止する。これにより、図1および図2に示すように、一体成形した蓋壁38を一次ロック片40および二次ロック片30によって二重ロックすることができる。また、二次ロック部26の可動部31の内面には、二次ロック部26の切起部分を通して突出した当接部52が当接する。
【0031】
この二重ロック状態の包装箱では、二次ロック受部42に、二次ロック部26の可動部31の内面に当接する当接部52を設けているため、二次ロック部26に外力が加わっても、二次ロック片30が二次ロック受部42に対して過剰に入り込むことはない。よって、蓋壁38の開封時に二次ロック片30をスリット部51から引き抜く際の作業性が悪くなることを防止できる。
【0032】
また、二次ロック受部42は、第1から第3の切断部43〜45および折曲部46〜48により、蓋壁38に対して平行に位置する段部50を形成し、この段部50と蓋壁38との間に二次ロック片30を挿入係止するスリット部51を形成している。そのため、封緘状態では、外部と内部とを連通させる孔はない。よって、塵埃の侵入を確実に防止できる。しかも、二次ロック片30は段部50の上側に位置するため、この二次ロック片30が内部に収容した商品に干渉して傷付けることを防止できる。
【0033】
さらに、蓋壁38には前壁19の上端に係止する係止片53を設けているため、蓋壁38に下向きの外力が加わっても、一次ロック片40が過剰に入り込むことはない。よって、確実に封緘状態を維持できるとともに、塵埃が侵入する孔が形成されることを防止できる。
【0034】
なお、本発明の包装箱の二重ロック構造は、前記実施形態の構成に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
【0035】
例えば、前記実施形態では、一次ロック片40を前壁19の内側に差し込む構成としたが、一次ロック片40の横幅を蓋壁38の横幅に対して小さく形成し、前壁19の上壁部22に一次ロック片40を差し込むスリットを設け、一次ロック片40を前壁19の外壁部21と内壁部23との間に差し込む構成としてもよい。
【0036】
また、前記実施形態の二次ロック受部42は、蓋壁38と平行に位置する段部50を有する構成とし、内部に収容する商品に二次ロック片30が干渉しない構成としたが、連続部49および段部50は設けることなく、単に蓋壁38と一次ロック片40との境界部分に二次ロック片30を挿入係止するスリット部51を設け、そのスリット部51の下部に二次ロック部26の可動部31に当接する当接部52を設ける構成としてもよい。
【0037】
さらに、前記実施形態では、平面視矩形状をなす包装箱としたが、側壁11A,11Bと前壁19および後壁36の境界部分に面取壁を設けた平面視八角形状や平面視六角形状の包装箱としてもよい。特にこの場合、各ロック片40,30は、蓋壁38の連続壁である後壁39の対向位置に設ける必要はなく、対向部に隣接する面取壁などに2以上設ける構成としてもよい。
【0038】
そして、前記実施形態では、一次ロック片40が差し込まれる前壁19全体を二重壁構造としたが、二次ロック部26を形成する上側領域だけを二重壁構造としてもよい。また、前記実施形態では、包装箱の上端に開口部を形成したが、側部に開口部を形成した包装箱であっても、前記二重ロック構造は同様にして適用可能である。さらに、前記実施形態では、二次ロック受部42の両側に当接部52を一対設けたが、この当接部52は中央に1箇所のみ設けてもよく、また、所定位置に3以上設けてもよい。
【符号の説明】
【0039】
10…底壁
11A,11B…側壁
19…前壁
21…外壁部
22…上壁部
23…内壁部
26…二次ロック部
27…切断部
28…第1折曲部
29…第2折曲部
30…二次ロック片
31…可動部
35…係止穴
36…後壁
38…蓋壁
40…一次ロック片
42…二次ロック受部
43…第1切断部
44…第2切断部
45…第3切断部
46…第1折曲部
47…第2折曲部
48…第3折曲部
49…連続部
50…段部
51…スリット部
52…当接部
53…係止片
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端または一側を多角形状の開口部とした箱本体と、この箱本体に連設されて前記開口部を閉塞する蓋壁とを備え、前記蓋壁に前記開口部周囲の所定の外壁の内側に差し込む一次ロック片を設けるとともに、この一次ロック片が差し込まれる前記外壁に二次ロック片を設け、この二次ロック片を前記蓋壁に形成した二次ロック受部のスリット部に挿入係止するようにした包装箱の二重ロック構造であって、
前記一次ロック片が差し込まれる前記外壁の少なくとも開口部の側を、外壁部と内壁部とを有する二重壁構造とし、
前記外壁部から内壁部にかけて略U字形状をなすように切断部を設けるとともに、この切断部内に前記外壁の開口縁に対して平行に延びる折曲部を設け、この折曲部を境界として先端側に前記二次ロック片を形成するとともに、逆側に可動部を形成した二次ロック部を設け、かつ、
前記二次ロック受部に、前記外壁における前記二次ロック部の切起部分を通して前記可動部の内面に当接する当接部を設けたことを特徴とする包装箱の二重ロック構造。
【請求項2】
前記二次ロック受部は、
前記二次ロック片の横幅より狭い間隔とした一対の第1切断部と、
これら第1切断部の先端から前記蓋壁の外周縁を越えて前記一次ロック片にかけて延びるように設けられ、その先端部間を前記二次ロック片の横幅と略同一間隔とした第2切断部と、
これら第2切断部の先端から略U字形状をなすように内向きに延びるように設けた第3切断部と、
前記第1切断部の前記一次ロック片と逆側の端部間にかけて延びるように設けた第1折曲部と、
前記第1切断部間にかけて延びるように設けられ、前記第1折曲部と所定間隔をもって位置する第2折曲部と、
前記第3切断部の端部間に位置するように設けた第3折曲部とを設け、
前記第1切断部、第1および第2折曲部により、前記蓋壁から内側へ屈曲して延びる連続部を形成し、
前記第1および第2切断部、第2および第3折曲部により、前記連続部と連続して前記蓋壁に対して所定間隔をもって略平行に延びる段部を形成するとともに、この段部と前記蓋壁との間に前記スリット部を形成し、更に、前記第3切断部により、前記当接部を形成している
ことを特徴とする請求項1に記載の包装箱の二重ロック構造。
【請求項1】
一端または一側を多角形状の開口部とした箱本体と、この箱本体に連設されて前記開口部を閉塞する蓋壁とを備え、前記蓋壁に前記開口部周囲の所定の外壁の内側に差し込む一次ロック片を設けるとともに、この一次ロック片が差し込まれる前記外壁に二次ロック片を設け、この二次ロック片を前記蓋壁に形成した二次ロック受部のスリット部に挿入係止するようにした包装箱の二重ロック構造であって、
前記一次ロック片が差し込まれる前記外壁の少なくとも開口部の側を、外壁部と内壁部とを有する二重壁構造とし、
前記外壁部から内壁部にかけて略U字形状をなすように切断部を設けるとともに、この切断部内に前記外壁の開口縁に対して平行に延びる折曲部を設け、この折曲部を境界として先端側に前記二次ロック片を形成するとともに、逆側に可動部を形成した二次ロック部を設け、かつ、
前記二次ロック受部に、前記外壁における前記二次ロック部の切起部分を通して前記可動部の内面に当接する当接部を設けたことを特徴とする包装箱の二重ロック構造。
【請求項2】
前記二次ロック受部は、
前記二次ロック片の横幅より狭い間隔とした一対の第1切断部と、
これら第1切断部の先端から前記蓋壁の外周縁を越えて前記一次ロック片にかけて延びるように設けられ、その先端部間を前記二次ロック片の横幅と略同一間隔とした第2切断部と、
これら第2切断部の先端から略U字形状をなすように内向きに延びるように設けた第3切断部と、
前記第1切断部の前記一次ロック片と逆側の端部間にかけて延びるように設けた第1折曲部と、
前記第1切断部間にかけて延びるように設けられ、前記第1折曲部と所定間隔をもって位置する第2折曲部と、
前記第3切断部の端部間に位置するように設けた第3折曲部とを設け、
前記第1切断部、第1および第2折曲部により、前記蓋壁から内側へ屈曲して延びる連続部を形成し、
前記第1および第2切断部、第2および第3折曲部により、前記連続部と連続して前記蓋壁に対して所定間隔をもって略平行に延びる段部を形成するとともに、この段部と前記蓋壁との間に前記スリット部を形成し、更に、前記第3切断部により、前記当接部を形成している
ことを特徴とする請求項1に記載の包装箱の二重ロック構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【公開番号】特開2012−162306(P2012−162306A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−24944(P2011−24944)
【出願日】平成23年2月8日(2011.2.8)
【出願人】(000115980)レンゴー株式会社 (502)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月8日(2011.2.8)
【出願人】(000115980)レンゴー株式会社 (502)
【Fターム(参考)】
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