説明

包装箱用ブランクシート、及び包装箱

【課題】積み上げられた包装箱の安定性を高めることのできる包装箱用ブランクシート、及び包装箱を提供する。
【解決手段】直方体形状の包装箱を形成する段ボールからなる包装箱用ブランクシート10であって、底面板13を挟んで互いに向い合う第1側面板12と第2側面板14とを備えている。また、天面板11、第1側面板12、底面板13、第2側面板14、及び天面板11の内側面と第2側面板14とを接続する糊代15が、罫線を介してこの順に一つの方向に連設されている。糊代15は、罫線に沿って第2側面板14の全幅にわたり形成されて、罫線が延びる方向の両端部以外には、被包装物の天部が天面板11の内側面に向けて露出される切り欠き15A,15Bを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、段ボールからなる包装箱用ブランクシート、及び包装箱に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば特許文献1に記載のように、段ボールからなる箱体は、飲料の包装された複数本のペットボトルを一まとめに包装する包装箱として広く用いられている。図9は、こうした包装箱の一例を包装されたペットボトルとともに示している。直方体形状の包装箱50では、矩形板状の底面板51と、該底面板51と向かい合う同じく矩形板状の天面板53とが、互いに向かい合う一対の第1側面板52A,52Bと、互いに向かい合う一対の第2側面板54A,54Bとによって連結されている。
【0003】
包装箱50を形成するための包装箱用ブランクシートは、通常、一枚の段ボールから形成されている。そして、ペットボトル等の被包装物を内部に収容した包装箱50を組み立てる包装箱50の製造工程においては、こうした包装箱用ブランクシートが罫線で折り曲げられるとともに、該包装箱用ブランクシートの縁同士が接着されることによって、該包装箱用ブランクシートが直方体形状に成形されている。それゆえに、このような被包装物充填ラインの製造工程を経て製造される包装箱の側面には、一枚の包装箱用ブランクシートからなる部分の他に、包装箱用ブランクシートが二枚重なる部分が存在することとなる。
【0004】
特に、上述した包装箱50では、包装箱の厚さを定める一対の第1側面板52A,52Bのうち、一方の第1側面板52Aは、罫線を介して天面板53と直接連結され、これに対して、他方の第1側面板52Bは、包装箱用ブランクシートの縁である糊代55を介して天面板53と連結される。
【0005】
また、包装箱の側面となる第2側面板54A,54Bは、内フラップと外フラップとの2枚のフラップが重なっている。すなわち、第2側面板54A,54Bにおいても、包装箱用ブランクシートが二枚重なる部分が存在することとなる。
【0006】
そして、ペットボトル60の底部によって底面板51が内側から外側へ押され、且つ、ペットボトル60のキャップによって天面板53が内側から外側へ押されるように、複数のペットボトル60が包装箱50内に緻密に配列される。これにより、ペットボトル60に包装される飲料の流通に際して、商品の一部であるペットボトル60の汚れや傷付きが抑えられる。
【0007】
このようなペットボトル等の被包装物が倉庫等に保管される場合には、倉庫等の省スペース化を目的として、上述した包装箱が複数段に積み上げられることも少なくない。
また、包装箱50を形成するための包装箱用ブランクシートは、通常、被包装物充填ラインの包装箱の組み立て工程上において進行しながら組み立てられる。包装箱は、搬送時や保管時の被包装物の保護のため被包装物が包装箱内部で動かないよう、内部になるべく余分な空間がないようにできる限り被包装物に密着するよう組み立てられ封をされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−280047号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、包装箱を積み上げて被包装物を保管する場合には、積み上げることの可能な包装箱の段数が、以下に示される包装箱の形状により大幅に制約されている。
すなわち、第1側面板52Bと天面板53とが糊代55を介して連結されるため、底面板51と天面板53との距離のうち、上記一方の第1側面板52B側の距離である高さHBは、他方の第1側面板52A側における高さHAよりも糊代55の厚さ分だけ大きくなる。そのため、包装箱50の天面板53に他の包装箱50の底面板51を載せて包装箱50を多く積み上げるにしたがい、一方の第1側面板52B側の高さが他方の第1側面板52A側の高さよりも大きくなる。その結果、水平面に対する天面板53あるいは底面板51の傾斜が次第に大きくなるため、梅雨時期などには積み上げた包装箱50が崩れてしまう虞がある。
【0010】
また、包装箱の側面となる第2側面板54A,54Bを組み立てる際には、外フラップを折り曲げるのに内フラップの厚みが妨げとなり、罫線通りに緻密に折り曲げることができず、罫線付近、すなわち、天面板53と第2側面板54A,54Bとの間が隆起してしまうことがある。
【0011】
特に包装箱の組み立て工程上においては、包装箱用ブランクシートは進行しながら組み立てられる。従って、外フラップは真上から折曲げられるのではなく、斜め上方から力が加わり上流側から順に折り曲げられることになる。このような場合、内フラップが内側にあり、接着用ガイドで圧着されるため、外フラップは上側に押上げる力が働き、進行方向下流側の外フラップは、進行方向上流側の外フラップより、対向する外フラップの間に隙間が開きがちになる。
【0012】
なお、こうした問題は、被包装物がペットボトル60である場合に限らず、包装箱の側面が、重なることなく一枚の包装箱用ブランクシートからなる部分と、包装箱用ブランクシートが複数重なる部分とから構成される包装箱において、概ね共通するものである。
【0013】
この発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、積み上げられた包装箱の安定性を高めることのできる包装箱用ブランクシート、及び包装箱を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、段ボールからなり、底面板と天面板とが対向する直方体形状の包装箱を形成するための包装箱用ブランクシートであって、底面板を挟んで互いに向かい合う第1側面板と前記第2側面板とを備え、前記天面板、前記第1側面板、前記底面板、前記第2側面板、及び包装箱形成時に前記天面板の内側面と前記第2側面板とを接続する接続フラップが、罫線を介してこの順に一つの方向に連設され、前記接続フラップは、前記罫線に沿って前記第2側面板の全幅にわたり形成されて、前記罫線が延びる方向の両端部以外には、被包装物の天部が前記天面板の内側面に向けて露出される切り抜き部を備えている。
【0015】
上記構成によれば、包装箱用ブランクシートの接続フラップには、被包装物の天部が天面板の内側面に向けて露出される切り抜き部が形成されている。そのため、被包装物が包装箱に包装されると、天面板における第1側面板側では、被包装物の天部が天面板の内側面と直接当接することになる。これに対して、天面板における第2側面板側では、接続フラップの切り抜き部を通して、これもまた被包装物の天部が天面板の内側面と直接当接することとなる。これにより、天面板と接続フラップとの重なりによる天面板の外側面での傾斜が抑えられるようになるため、包装箱用ブランクシートから形成される包装箱を積み重ねたときの安定性が高められるようになる。
【0016】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記切り抜き部は、前記第2側面板と前記接続フラップとの間の罫線の中心を通ると共に該罫線に直交する対称軸に対して線対称に形成されていることが好ましい。
【0017】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記切り抜き部は、前記接続フラップの縁のうちで前記第2側面板側とは反対側の縁から切り欠かれた切り欠きであることが好ましい。
【0018】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発明において、前記底面板及び前記天面板の少なくとも一つは、前記一つの方向と直交する方向にて互いに向い合う一対の外フラップを備え、前記第2側面板には、前記第2側面板と前記外フラップとを接続する第2内フラップが罫線を介して連結され、前記第2内フラップは、前記第2内フラップと前記第2側面板との間の罫線から離れるに従って当該罫線に沿う幅が先細りすることが好ましい。
【0019】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の発明において、前記接続フラップは、前記接続フラップと前記第2側面板との間の罫線から離れるに従って当該罫線に沿う幅が先細りすることが好ましい。
【0020】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の発明において、前記底面板及び前記天面板の少なくとも一つは、前記一つの方向と直交する方向にて互いに向い合う一対の外フラップを備え、前記第1側面板には、前記第1側面板と前記外フラップとを接続する第1内フラップが罫線を介して連結され、前記第1内フラップは、前記第1内フラップと前記第1側面板との間の罫線から離れるに従って当該罫線に沿う幅が先細りすることが好ましい。
【0021】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載の発明において、前記接続フラップは、前記第2側面板と前記接続フラップとの間の罫線が延びる方向における中央に前記天面板に接着される接着部を有することが好ましい。
【0022】
上記課題を解決するため、請求項8に記載の発明は、一枚の段ボールからなり、底面板と天面板とが対向する直方体形状の包装箱であって、前記底面板を挟んで互いに向い合う第1側面板と第2側面板とを備え、天面板、前記第1側面板、前記底面板、前記第2側面板、及び前記天面板と前記第2側面板とを接続する接続フラップが、罫線を介してこの順に連設され、前記接続フラップは、前記罫線に沿って前記第2側面板の全幅にわたり形成されて、前記罫線が延びる方向の両端部以外には、被包装物の天部が前記天面板の内側面に向けて露出される切り抜き部を備えている。
【発明の効果】
【0023】
この発明によれば、積み上げられた包装箱の安定性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明にかかる包装箱用ブランクシートの一実施形態における平面構造、及び本発明にかかる包装箱の一実施形態における展開構造を示す図。
【図2】包装箱の一実施形態における斜視構造を示す図。
【図3】包装箱における図2のA−A線に沿った断面構造の一部を示す図。
【図4】包装箱における図2のB−B線に沿った断面構造の一部を拡大して示す図。
【図5】包装箱の天面板と糊代とをこれらの裏面側から見た平面構造を示す図。
【図6】包装箱における図2のC−C線に沿った端面構造を示す図。
【図7】実施例での包装箱における高さ測定位置を説明する図。
【図8】(a)(b)本発明にかかる包装箱用ブランクシート及び包装箱の変形例における糊代の平面構造を示す図。
【図9】従来の包装箱における斜視構造を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の包装箱用ブランクシート及び包装箱の一実施形態を、図1〜図8を参照して以下に説明する。
[包装箱用ブランクシートの概要]
図1は、包装箱用ブランクシートを見たときの平面構造を示す平面図であって、該包装箱用ブランクシートから形成される包装箱の表面側を示している。包装箱用ブランクシート10には、該包装箱用ブランクシート10から形成される包装箱にて天面板となる天面板11に対し、互いに平行な第1天面罫線R1Aと第2天面罫線R1Bとから構成される天面罫線R1を介して、第1側面板12が連結されている。第1側面板12には、該第1側面板12に隣接するとともに、互いに平行な第1底面罫線R2Aと第2底面罫線R2Bとから構成される底面罫線R2を介して、包装箱において上記天面板11と対向する面となる底面板13が連結されている。底面板13には、該底面板13に隣接するとともに、互いに平行な第1側面罫線R3Aと第2側面罫線R3Bとから構成される側面罫線R3を介して、包装箱において上記第1側面板12と対向する面となる第2側面板14が連結されている。第2側面板14には、該第2側面板14に隣接するとともに、互いに平行な第1接続罫線R4Aと第2接続罫線R4Bとから構成される接続罫線R4を介して、包装箱において上記天面板11に接着される接続フラップとしての糊代(シーム部)15が連結されている。すなわち、包装箱用ブランクシート10では、天面板11、第1側面板12、底面板13、第2側面板14、及び糊代15が、罫線を介してこの順に一つの方向に連設されている。
【0026】
また、上記天面板11には、天面罫線R1に直交するフラップ罫線R6A,R6Bを介して、該フラップ罫線R6A,R6Bから離れる方向に延びる天面フラップ16A,16Bが連結されている。天面板11に連結された上記第1側面板12には、底面罫線R2に直交するフラップ罫線R7A,R7Bを介して、該フラップ罫線R7A,R7Bから離れる方向に延びる第1内フラップである第1側面フラップ17A,17Bが連結されている。第1側面板12に連結された上記底面板13には、側面罫線R3に直交するフラップ罫線R8A,R8Bを介して、該フラップ罫線R8A,R8Bから離れる方向に延びる底面フラップ18A,18Bが連結されている。底面板13に連結された第2側面板14には、接続罫線R4に直交するフラップ罫線R9A,R9Bを介して、該フラップ罫線R9A,R9Bから離れる方向に延びる第2内フラップである第2側面フラップ19A,19Bが連結されている。なお、天面フラップ16A,16B及び底面フラップ18A,18Bによって、外フラップが構成されている。ここで、罫線R1〜R9の形状及び構成は特に限定されるものではなく、各フラップ及び側面板を折り曲げるためのものであればよい。
【0027】
第1側面フラップ17A,17Bは、上記フラップ罫線R7A,R7Bから離れるに従ってフラップ罫線R7A,R7Bに沿う幅が先細りする。より詳しくは、第1側面フラップ17A,17Bは、上記天面罫線R1が延びる方向にて、該天面罫線R1の両側に、挟入片17Dが延設されて、また、第1側面板12の両側には、挟入片17Dよりも幅広のフラップ部17Cが延設されている。これに対して、第2側面フラップ19A,19Bは、これもまた上記フラップ罫線R9A,R9Bから離れるに従ってフラップ罫線R9A,R9Bに沿う幅が先細りする。ただし、第2側面フラップ19A,19Bでは、上記側面罫線R3が延びる方向にて、該側面罫線R3の両側に、フラップが延設されておらず、第2側面板14の両側にのみ延設されている。また、第2側面フラップ19A,19Bは、接続罫線R4側の端辺19Eが、フラップ罫線R9A,R9Bから離れるに従って上記側
面罫線R3側に傾く傾斜を有している。
【0028】
こうした包装箱用ブランクシート10は、上記各面板及びフラップを有するシートとして1枚の段ボールシートから打ち抜かれると同時に、各面板及び各部を折り曲げるための上記各罫線が形成されたものである。包装箱用ブランクシート10の材料である段ボールシートとしては、例えば、表裏のライナで挟まれた中しんの波形が高さ2.50mm〜2.8mmであるとともに、30cmあたりの山の数が50±2個であるいわゆるBフルートと呼ばれる密度であるシートを用いることができる。
[包装箱の概要]
上記包装箱用ブランクシート10は、ライン上にて搬送されながら、例えば以下の手順で包装箱に組み立てられる。まず、図1における包装箱用ブランクシート10の表裏を逆転させた後、第1側面板12及び第2側面板14が、底面板13に直交するように底面罫線R2及び側面罫線R3にて折り返される。次に底面フラップ18A或いは18Bが逆折り、つまり外表面側に折り曲げられ、24本のペットボトル等の飲料入り容器が底面板13上に配置される。その後、第1側面フラップ17A,17Bが、第1側面板12に直交するようにフラップ罫線R7A,R7Bで折り返されるとともに、第2側面フラップ19A,19Bが、第2側面板14に直交するようにフラップ罫線R9A,R9Bで折り返される。
【0029】
次いで、天面板11が、上記飲料入り容器に向かって天面罫線R1で折り返されるとともに、糊代15も、飲料入り容器に向かって接続罫線R4で折り返される。次いで、天面フラップ16A,16Bが、天面板11に直交するようにフラップ罫線R6A,R6Bで折り返されるとともに、底面フラップ18A,18Bが、底面板13に直交するようにフラップ罫線R8A,R8Bで折り返される。このとき、天面板11及び糊代15の接着部と、第1側面フラップ17A,17B、第2側面フラップ19A,19B、天面フラップ16A,16B、及び底面フラップ18A,18Bの接着部とには、例えばホットメルト接着剤が塗布されている。
【0030】
そして、天面フラップ16A,16Bを第1側面フラップ17A,17B、及び第2側面フラップ19A,19B側に織り込みながら、天面フラップ16A,16B、第1側面フラップ17A,17B、第2側面フラップ19A,19B、及び底面フラップ18A,18Bを接着する。加えて、天面板11と糊代15とを接着することによって、包装箱の組立が完了する。これにより、図2に示されるように、包装箱10Aは、上記各面板及びフラップによって形成された収容空間10B内に、24本の飲料入り容器20を収容した状態で形成される。こうした包装箱10Aは、ある包装箱10Aの天面板11に対して、他の包装箱10Aの底面板13が載置されることによって積み重ねられた状態で、収納されたり運搬されたりする。
[糊代15]
前出の図1に示されるように、包装箱用ブランクシート10の糊代15は、上記接続罫線R4が延びる方向にて、第2側面板14の全幅にわたり連設されている。糊代15の縁のうちで接続罫線R4が延びる方向の両端辺には、接続罫線R4と交差する交差端辺15Eが延設されている。また、糊代15のうちで接続罫線R4が延びる方向の両端部には、上記天面板11に接着される領域である末端接着部15Cが、交差端辺15Eに沿って延設されている。一方、糊代15における縁のうちで接続罫線R4と向い合う端辺には、接続罫線R4と平行な平行端辺15Fが延設されている。また、糊代15のうちで接続罫線R4が延びる方向の中央には、平行端辺15Fの中点Mを含むように、天面板に接着される中央接着部15Dが区画されている。
【0031】
糊代15には、二つの末端接着部15Cに挟まれる領域であって、中央接着部15D以外の領域に、平行端辺15Fから接続罫線R4側に向かって切り欠かれた切り抜き部とし
ての円弧形状の切り欠き15A,15Bが形成されている。切り欠き15A,15Bは、平行端辺15Fの中点Mを通って該平行端辺15Fに垂直な対称軸SAに対して線対称である。例えば、接続罫線R4の延びる方向にて糊代15を六等分した各領域のうち、上述した切り欠き15A,15Bは、一方の交差端辺15Eに近い2つの領域と他方の交差端辺15Eに近い2つの領域とに形成されている。また、切り欠き15A,15Bは、上記第1接続罫線R4Aから離れた領域に設けられている。
【0032】
本実施形態の糊代15では、末端接着部15Cと中央接着部15Dとを設けるようにしているため、上記切り欠き15A,15Bが設けられたとしても、天面板11との接着が維持されやすくなる。
【0033】
図2に示されるように、包装箱用ブランクシート10が包装箱10Aに組み立てられると、糊代15の切り欠き15A,15Bには、第2側面板14に沿って並んだ6本の飲料入り容器20のうち、両端に配置された4本の飲料入り容器20の天部側が収まるようになる。すなわち、被包装物である飲料入り容器20の天部が、天面板11の内側面に向けて切り欠き15A,15Bから露出される。
【0034】
図3は、図2のA−A線に沿った断面構造を示している。飲料入り容器20の天部側が上記切り欠き15A,15B内に収まっているとき、同切り欠き15A,15B内に収まった飲料入り容器20の天面20Aは、天面板11の裏面11Rに接している。つまり、該飲料入り容器20の天面20A上には、天面板11のみが載っている。これにより、切り欠き15A,15Bが設けられた領域においては、底面板13の外表面と天面板11の外表面との距離を、第1側面板12側における底面板13の外表面と天面板11の外表面との距離と略同一とすることができる。
【0035】
これに対し、切り欠き15A,15Bに収まっていない飲料入り容器20の天面20Aは、糊代15の裏面15Rに接している。つまり、該飲料入り容器20の天面20A上には、糊代15と天面板11とが載っている。ここで、包装箱10Aでは、糊代15の切り欠き15A,15Bから露出される天面板11の裏面11Rと底面板13の表面との距離が、飲料入り容器20の高さに一致する。そのため、糊代15における該糊代15の裏面15Rと飲料入り容器20の天面20Aとが接している領域では、糊代15の厚さ分だけ、他の領域よりも収容空間10Bの外側に向かって隆起することになる。それゆえに、天面板11においても、糊代15における切り欠き15A,15Bが形成されていない領域に接着された領域が、他の領域よりも収容空間10Bの外側に向かって隆起することになる。
【0036】
糊代15の交差端辺15E側に切り欠き15A,15Bを形成することにより、該交差端辺15E側においては、切り欠き15A,15Bが形成されていない場合よりも、底面板13の外表面から天面板11までの外表面の高さが低くなる。これにより、天面板11に連結された天面フラップ16A,16Bと、第1側面フラップ17A,17B、第2側面フラップ19A,19B、及び底面フラップ18A,18Bを接着する際に、天面フラップ16A,16Bを底面フラップ18A,18B側に引っ張る量が少なくて済むようになる。その結果、天面板11の端部における隆起量が少なくなる。つまり、第2側面板14側での底面板13の外表面と天面板11の外表面との距離と、第1側面板12側での同距離との差が小さくなる。
【0037】
また、図4は、図2のB−B線に沿った断面構造を拡大して示している。糊代15には、押圧によって他の領域よりも肉薄化された第1肉薄部15Tが、上記平行端辺15Fから上記第1接続罫線R4Aよりも手前の領域に形成されている。より詳細には、糊代15の中しん15Mを挟む一対のライナ15Lのうち、上記収容空間10B側のライナ15L
が、鉛直上方から押圧されることで、中しん15Mの山の高さが低められる。ちなみに、上記押圧されるライナ15Lとは、図1の包装箱用ブランクシート10の裏面側である。これにより、第1肉薄部15Tの厚さT1は、他の領域の厚さT2、つまり、上記包装箱用ブランクシート10の材料である段ボールシートの厚さの例えば二分の一の厚さとされている。これにより、糊代15の厚さそのものを薄くするようにしているため、第2側面板14側における底面板13の外表面と天面板11の外表面との距離を小さくすることができる。
【0038】
図4に示されるように、糊代15の第1肉薄部15Tに接着される天面板11の領域には、第2肉薄部11Tが形成されている。第2肉薄部11Tは、例えば、天面板11における上記接続罫線R4側に接続される端部から、糊代15への接着部の全体にわたって形成されている。また、第2肉薄部11Tも上記第1肉薄部15Tと同様、収容空間10B側のライナ11L、言い換えれば図1における包装箱用ブランクシート10の裏面側が、鉛直上方から押圧されることによって中しん11Mの山の高さが低められている。つまり、第2肉薄部11Tの厚さT3が、他の領域の厚さT2よりも肉薄である。このように、天面板11において糊代15と重なる領域の厚さを薄くするようにしていることから、第2側面板14側における底面板13の外表面と天面板11の外表面との距離をより小さくすることができる。
【0039】
図5は、包装箱10Aの天面板11と糊代15とを上記収容空間10B側から見た平面構造を示している。糊代15は、上記接続罫線R4から離れるに従って接続罫線に沿う幅が先細りする。より詳しくは、糊代15における交差端辺15Eのそれぞれは、接続罫線R4から平行端辺15Fまで、該平行端辺15Fの中点M側に傾く傾斜を有している。このような構成によれば、糊代15の両交差端辺15Eが傾斜辺であるため、接続罫線R4が延びる方向では、糊代15の端部である傾斜辺と、天面板11の端部であるフラップ罫線R6A,R6Bとが互いに離間するようになる。そのため、天面フラップ16A,16Bを底面フラップ18A,18B側に折り易くなる分、天面フラップ16A,16Bの折り込み及び接着時に、上述のような隆起が生じにくくなる。
【0040】
なお、交差端辺15Eの傾斜は、交差端辺15Eと該交差端辺15Eに隣接する切り欠き15A,15Bとによって挟まれた上記末端接着部15Cが形成可能な範囲とされる。これにより、糊代15と上記第2側面板14とによって形成される包装箱10Aの角部の強度が保たれるようになる。
【0041】
また、上述したように、第2側面フラップ19A,19Bのそれぞれの端辺19Eが傾斜辺であることから、該端辺19Eと、天面板11との間に隙間が生じるようになる。そのため、天面フラップ16A,16Bの折り込み、及び接着時に、上述のような隆起がより生じにくくなる。
【0042】
図6は、前出の図2に記載のC−C線に沿った端面構造を示している。上述したように、第1側面フラップ17A,17Bでは、天面罫線R1の両側に挟入片17Dが延設される一方、第2側面フラップ19A,19Bでは、側面罫線R3の両側にフラップが延設されていない。このような包装箱用ブランクシート10から包装箱10Aが形成されると、第1側面フラップ17Aの挟入片17Dが、フラップ部17Cと天面板11との間に挟まれることで、天面板11が下がらないよう支持することができる。そのため、第1側面フラップ17Aがフラップ部17Cのみからなる場合と比較して、底面板13の外表面から天面板11の外表面までの距離が大きくなる。他方、第2側面フラップ19Aでは、端辺19Eの有する傾斜により、同端辺19Eと天面板11の裏面との間に間隙が生じることになる。そのため、端辺19Eが傾斜を有していない場合と比較して、該包装箱10Aの天面板11に他の包装箱10Aが載置されたときに、底面板13の外表面から天面板11
の外表面までの距離が小さくなる。
[実施例]
各種包装箱用ブランクシート10を組み立てて包装箱10Aを作成し、底面板13の外表面から天面板11の外表面までの高さをノギスによって測定した。なお、複数個の包装箱10Aを積層した場合には、最下段の包装箱10Aの外表面から最上段の包装箱10Aの外表面までの高さを測定した。包装箱10Aの高さとしては、図7に示されるように、下記高さH1〜H4を測定した。
【0043】
・糊代15の切り欠き15Aに近い角部における高さH1。
・上記フラップ罫線R6A,R6Bの垂直二等分線を対称軸として、天面板11上における高さH1の測定位置に線対称な位置での高さH2。
【0044】
・切り欠き15Bに近い角部における高さH3。
・上記垂直二等分線を対称軸として、天面板11上における高さH3の測定位置に線対称な位置での高さH4。
[実施例1]
第2側面板14に沿って並ぶ6つのペットボトル(飲料入り容器20)のうち、両端の2本ずつの天部が収まるように、糊代15に切り欠き15A,15Bを形成した。そして、3つの包装箱10Aを積み重ねた後に、上記高さH1〜高さH4を測定した。比較のために、糊代15に切り欠き15A,15Bが形成されていない包装箱を3つ積み重ねた後に、上記高さH1〜高さH4を測定した。前者の結果を「切り欠きあり」として、また、後者の結果を「切り欠きなし」として、下記表1に示す。なお、切り欠きを有する包装箱10A、及び切り欠きを有しない包装箱のいずれにおいても、糊代15の両交差端辺15E、及び第2側面フラップ19A,19Bのそれぞれにおける端辺19Eは、傾斜を有していない形状とした。また、下記表1における高さの単位はmmである。
【0045】
【表1】

表1に示されるように、切り欠き15A,15Bを有する包装箱10Aにおいては、高さH1と高さH2との差が、5.62mmであり、高さH3と高さH4との差が4.1mmであった。他方、切り欠きを有しない包装箱においては、高さH1と高さH2との差が、7.35mmであり、高さH3と高さH4との差が、7.67mmであった。つまり、糊代15に切り欠き15A,15Bを形成することによって、天面板11と糊代15とが重ねられた側での高さである高さH1及び高さH3と、天面板11のみの側での高さである高さH2及び高さH4との差が緩和されることが認められた。
[実施例2]
同一の包装箱を用いることにより、第2側面フラップ19A,19Bのそれぞれの端辺19Eにおける傾斜、糊代15の両交差端辺15Eにおける傾斜、及び糊代15における切り欠き15A,15Bが、上記各高さH1〜高さH4に与える効果を確認した。まず、包装箱に対して、上記各傾斜及び切り欠き15A,15Bのいずれも形成しない状態で上記各高さH1〜高さH4を測定した。次いで、第2側面フラップ19A,19Bのそれぞれの端辺19Eに傾斜を形成して各高さH1〜高さH4を測定した。その後、さらに糊代15の両交差端辺15に傾斜を形成して各高さH1〜高さH4を測定した。最後に、糊代15に切り欠き15A,15Bを形成して各高さH1〜高さH4を測定した。なお、切り欠き15A,15Bは、上記実施例1における切り欠き15A,15Bと同一の形状とし
た。これら測定結果を下記表2に示す。なお、表2における「切り欠きなし」とは、上述のように、第2側面フラップ19A,19Bのそれぞれの端辺19Eにおける傾斜、糊代15の両交差端辺15Eにおける傾斜、及び糊代15における切り欠き15A,15Bのいずれもが形成されていない状態のことである。なお、下記表2における高さの単位はmmである。
【0046】
【表2】

表2に示されるように、第2側面フラップ19A,19Bのそれぞれの端辺19Eに傾斜を設けた包装箱においては、高さH1と高さH2との差が、2.34mmであり、高さH3と高さH4との差が、2.43mmであった。また、該包装箱に対してさらに糊代15の交差端辺15Eのそれぞれに傾斜を設けたところ、高さH1と高さH2との差が、1.86mmであり、高さH3と高さH4との差が、2.5mmであった。そして、該包装箱に対してさらに糊代15の切り欠き15A,15Bを設けたところ、高さH1と高さH2との差が、0.3であり、高さH3と高さH4との差が0.97であった。他方、上記傾斜及び切り欠き15A,15Bのいずれも設けられていない包装箱においては、高さH1と高さH2との差が、2.45mmであり、高さH3と高さH4との差が、2.56mmであった。このように、上記第2側面フラップ19A,19Bのそれぞれの端辺19Eにおける傾斜、糊代15の交差端辺15Eのそれぞれにおける傾斜、及び糊代15の切り欠き15A,15Bのいずれを形成することによっても、天面板11と糊代15とが重ねられた側での高さである高さH1及び高さH3と、天面板11のみの側での高さである高さH2及び高さH4との差が緩和されることが認められた。また、それぞれを形成することの効果が相加的であることと、上記各傾斜及び切り欠き15A,15Bのうち、切り欠き15A,15Bが、上記高さの緩和に対して最も大きく寄与することが認められた。
【0047】
以上説明した実施形態によれば、以下に列挙する効果が得られるようになる。
(1)糊代15に、切り欠き15A,15Bを設けるようにした。これにより、該切り欠き15A,15Bが設けられた領域においては、底面板13の外表面と天面板11の外表面との距離を、第1側面板12側における底面板13の外表面と天面板11の外表面との距離と略同一とすることができる。
【0048】
(2)糊代15には、末端接着部15Cと中央接着部15Dとを設けるようにした。これにより、上記切り欠き15A,15Bが設けられたとしても、天面板11との接着が維持されやすくなる。
【0049】
(3)糊代15に第1肉薄部15Tを形成するとともに、第1肉薄部15Tの厚さT1は、他の領域の厚さT2、つまり、上記包装箱用ブランクシート10の材料である段ボールシートの厚さの例えば二分の一の厚さとした。これにより、糊代15の厚さそのものを薄くするようにしているため、第2側面板14側における底面板13の外表面と天面板11の外表面との距離を小さくすることができる。
【0050】
(4)天面板11において糊代15と重なる領域に、第2肉薄部11Tを形成するようにした。これにより、第2側面板14側における底面板13の外表面と天面板11の外表面との距離をより小さくすることができる。
【0051】
(5)糊代15における交差端辺15Eのそれぞれは、接続罫線R4から平行端辺15Fまで、該平行端辺15Fの中点M側に傾く傾斜を有するようにした。つまり、糊代15の両交差端辺15Eに傾斜辺であるため、接続罫線R4が延びる方向では、糊代15の端部である傾斜辺と、天面板11の端部であるフラップ罫線R6A,R6Bとが互いに離間するようになる。そのため、包装箱用ブランクシート10を組み立てる際、第2側面フラップ19A,19Bと糊代15と間に余裕ができ、天面フラップ16A,16Bを底面フラップ18A,18B側に引っ張りやすくなる分、天面フラップ16A,16Bの折り込み及び接着時に、天面板11においてフラップ罫線R6A,R6B付近の端部における隆起が生じにくくなる。
【0052】
(6)第2側面フラップ19A,19Bのそれぞれの端辺19Eを傾斜辺とした。これにより、該端辺19Eと、天面板11との間に隙間が生じるようになる。そのため、天面フラップ16A,16Bの折り込み、及び接着時に、天面板11においてフラップ罫線R6A,R6B付近の端部における隆起がより生じにくくなる。
【0053】
(7)第1側面フラップ17A,17Bでは、天面罫線R1の両側に挟入片17Dが延設するようにした。これにより、第1側面フラップ17Aの挟入片17Dが、フラップ部17Cと天面板11との間に挟まれることで、天面板11が下がらないよう支持することができる。そのため、第1側面フラップ17Aがフラップ部17Cのみからなる場合と比較して、底面板13の外表面から天面板11の外表面までの距離が大きくなる。よって、底面板13の外表面から天面板11の外表面までの距離において、第1側面板12側と第2側面板14側との高さの差を少なく抑えることができる。
【0054】
(8)第2側面フラップ19Aでは、端辺19Eが傾斜するようにした。これにより、同端辺19Eと天面板11の裏面との間に間隙が生じることになる。そのため、端辺19Eが傾斜を有していない場合と比較して、該包装箱10Aの天面板11に他の包装箱10Aが載置されたときに、底面板13の外表面から天面板11の外表面までの距離が小さくなる。
【0055】
なお、上記実施形態は、以下のように適宜変更して実施することもできる。
・飲料入り容器20としては、ペットボトルに限らず、例えば缶あるいは瓶等の容器であってもよい。
【0056】
・切り欠き15A,15Bの形状は、円弧形状に限らず矩形状であってもよい。要は、飲料入り容器20の天面20A側の部位が収まる形状であればよい。
・1本の飲料入り容器20に対して1つの切り欠き15A,15Bが設けられるようにした。これに限らず、例えば2本の飲料入り容器20に対して1つの切り欠きを設ける等してもよい。また、隣接する切り欠き同士が繋がるようなかたちであってもよい。
【0057】
・糊代15に第1肉薄部15Tを設けるとともに、天面板11に第2肉薄部11Tを設けるようにした。これに限らず、第1肉薄部15T及び第2肉薄部11Tのいずれか一方のみを設けるようにしてもよい。また、第1肉薄部15T及び第2肉薄部11Tのいずれも設けないようにしてもよい。また、第1肉薄部15T及び第2肉薄部11Tの形成時、包装箱用ブランクシート10を鉛直上方から押圧してもよいし、第1肉薄部15Tと第2肉薄部11Tとで反対方向から押圧することで、天面板11を平坦にしてもよい。
【0058】
・糊代15の中央接着部15Dを設けなくともよい。例えば、図8(a)に示されるように、糊代35の中央部にも切り欠き35Aを設けるようにしてもよい。
・第1側面フラップ17A,17Bに挟入片17Dを設けなくともよい。つまり、第1側面フラップ17A,17Bが、フラップ部17Cのみからなるようにしてもよい。
【0059】
・糊代15の交差端辺15のそれぞれには傾斜を設けないようにしてもよい。あるいは、糊代15の交差端辺15のいずれか一方にのみ傾斜を設けるようにしてもよい。
・第2側面フラップ19A,19Bの端辺19Eには傾斜を設けなくともよい。あるいは、第2側面フラップ19A,19Bのいずれか一方の端辺19Eのみに傾斜を設けるようにしてもよい。
【0060】
・糊代15には、切り欠き15A、15Bに代えて、図8(b)に示される糊代45ように、切り抜き部としての貫通孔45Aを設けるようにしてもよい。あるいは、切り欠きと貫通孔との両方を設けるようにしてもよい。切り抜き部としての形状は、容器20の天部が露出するものであれば特に限定されるものではないが、円形や長円の切抜き、円形や長円の一部の弧を描くような形状(例えば半円)が好ましい。また、切り抜き部の位置は、包装箱の強度を保持するためにも、接続罫線R4には重ならないように形成するのが好ましい。
【0061】
・前出の図8(a)にも示したように、糊代15の切り欠き、あるいは切り抜きは線対称に設けられていなくともよい。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明は、ペットボトル、缶、及び瓶といった飲料入りの容器等を包装する包装箱、及び包装箱を形成する包装箱用ブランクシートに利用することができる。
【符号の説明】
【0063】
10…包装箱用ブランクシート、10A,50…包装箱、10B…収容空間、11,53…天面板、11L,15L…ライナ、11M,15M…中しん、11R…裏面、11T…第2肉薄部、12,52A,52B…第1側面板、13,51…底面板、14,54A,54B…第2側面板、15,35,45,55…糊代、15A,15B,35A…切り欠き、15C…末端接着部、15D…中央接着部、15E…交差端辺、15F…平行端辺、15T…第1肉薄部、16A,16B…天面フラップ、17A,17B…第1側面フラップ、17C…フラップ部、17D…挟入片、18A,18B…底面フラップ、19A,19B…第2側面フラップ、19E…端辺、20…飲料入り容器、20A…天面、45A…貫通孔、60…ペットボトル、M…中点、R1…天面罫線、R1A…第1天面罫線、R1B…第2天面罫線、R2…底面罫線、R2A…第1底面罫線、R2B…第2底面罫線、R3…側面罫線、R3A…第1側面罫線、R3B…第2側面罫線、R4…接続罫線、R4A…第1接続罫線、R4B…第2接続罫線、R6A,R6B,R7A,R7B,R8A,R8B,R9A,R9B…フラップ罫線、SA…対称軸。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
段ボールからなり、底面板と天面板とが対向する直方体形状の包装箱を形成するための包装箱用ブランクシートであって、
底面板を挟んで互いに向い合う第1側面板と第2側面板とを備え、
前記天面板、前記第1側面板、前記底面板、前記第2側面板、及び包装箱形成時に前記天面板の内側面と前記第2側面板とを接続する接続フラップが、罫線を介してこの順に一つの方向に連設され、
前記接続フラップは、前記罫線に沿って前記第2側面板の全幅にわたり形成されて、前記罫線が延びる方向の両端部以外には、被包装物の天部が前記天面板の内側面に向けて露出される切り抜き部を備えている
ことを特徴とする包装箱用ブランクシート。
【請求項2】
前記切り抜き部は、
前記第2側面板と前記接続フラップとの間の罫線の中心を通ると共に該罫線に直交する対称軸に対して線対称に形成されている
請求項1に記載の包装箱用ブランクシート。
【請求項3】
前記切り抜き部は、
前記接続フラップの縁のうちで前記第2側面板側とは反対側の縁から切り欠かれた切り欠きである
請求項1又は2に記載の包装箱用ブランクシート。
【請求項4】
前記底面板及び前記天面板の少なくとも一つは、前記一つの方向と直交する方向にて互いに向い合う一対の外フラップを備え、
前記第2側面板には、前記第2側面板と前記外フラップとを接続する第2内フラップが罫線を介して連結され、
前記第2内フラップは、
前記第2内フラップと前記第2側面板との間の罫線から離れるに従って当該罫線に沿う幅が先細りする
請求項1〜3のいずれか一項に記載の包装箱用ブランクシート。
【請求項5】
前記接続フラップは、
前記接続フラップと前記第2側面板との間の罫線から離れるに従って当該罫線に沿う幅が先細りする
請求項1〜4のいずれか一項に記載の包装箱用ブランクシート。
【請求項6】
前記底面板及び前記天面板の少なくとも一つは、前記一つの方向と直交する方向にて互いに向い合う一対の外フラップを備え、
前記第1側面板には、前記第1側面板と前記外フラップとを接続する第1内フラップが罫線を介して連結され、
前記第1内フラップは、
前記第1内フラップと前記第1側面板との間の罫線から離れるに従って当該罫線に沿う幅が先細りする
請求項1〜5のいずれか一項に記載の包装箱用ブランクシート。
【請求項7】
前記接続フラップは、
前記第2側面板と前記接続フラップとの間の罫線が延びる方向における中央に前記天面板に接着される接着部を有する
請求項1〜6のいずれか一項に記載の包装箱用ブランクシート。
【請求項8】
一枚の段ボールからなり、底面板と天面板とが対向する直方体形状の包装箱であって、
前記底面板を挟んで互いに向い合う第1側面板と第2側面板とを備え、
天面板、前記第1側面板、前記底面板、前記第2側面板、及び前記天面板と前記第2側面板とを接続する接続フラップが、罫線を介してこの順に連設され、
前記接続フラップは、前記罫線に沿って前記第2側面板の全幅にわたり形成されて、前記罫線が延びる方向の両端部以外には、被包装物の天部が前記天面板の内側面に向けて露出される切り抜き部を備えている
ことを特徴とする包装箱。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−96812(P2012−96812A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−243937(P2010−243937)
【出願日】平成22年10月29日(2010.10.29)
【出願人】(309007911)サントリーホールディングス株式会社 (307)
【Fターム(参考)】