説明

包装袋及び包装容器

【課題】広い開口部を形成可能な包装袋について、開封のための弱シールの領域を少なくし、全体のシール強度を向上させると共に、開封量を調整しやすくする。
【解決手段】表面シート1、背面シート2及び側面シート3,4とからなり、表面シート1の四方を両側縁シール部5,6と両端縁シール部9,10で熱融着したガゼットタイプの包装袋において、表面シート1を、長さ方向に延伸された一軸延伸フィルム層を有する積層シートで構成し、表面シート1の一方の端縁部に同じ側の端縁シール部9より外方に延出した延出部13を設け、延出部13の幅方向両端部にそれぞれノッチ15,16を形成し、表面シート1の長さ方向中間部には、両ノッチ15,16から長さ方向への延長線と交差する位置に、表面シート1と側面シート3,4を熱融着した裂け止めシール部19,20をそれぞれ形成し、しかも延出部13に隣接する端縁シール部9を易剥離性の弱シール部とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開封手段を有する包装袋及び包装容器に関する。更に詳しくは、広い開口部を形成可能な開封手段を有する包装袋及び包装容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、広い開口部を形成可能な開封手段を有する包装袋として、特許文献1に示されるガゼット袋が知られている。この従来の包装袋は、基本的には四方シールガゼット袋であるが、表裏を構成する平面シートの一端側が山形に形成された平面瓶形をなしている。具体的には、それぞれ長方形の一端側を山形にした平面シートを重ね合わせ、その両側にマチ部を形成する側面シートを挟み込んで、平面シートの周囲を周縁シール部で熱融着したものとなっている。一方の平面シートは、山形部頂部に周縁シール部より外方へ延出した開封用摘み片を有している。また、周縁シール部のうち、山形部外縁に沿った山形外縁シール部と、両側部に沿った両側縁シール部とが易剥離性の弱シールとなっている。開封は、一方の平面シートを、その開封用摘み片を引いて、山形部外縁シール部と両側縁シール部から引き剥がして、山形部とは反対側の端縁(瓶の底部に相当)を熱融着している端縁シール部までめくり上げることで行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−231645号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の包装袋の場合、山形部外縁シール部と両側縁シール部を易剥離性の弱シールとしなければならず、四方のシールのうち少なくとも三方のシールが弱シールとなるので、袋全体のシール強度が不足しやすい問題がある。このため、この包装袋を用いた包装体に衝撃が加わった場合などに破袋を生じやすい問題がある。
【0005】
また、内容物によっては、開封を半分程度にし、めくり上げた平面シートを元に戻して蓋代わりとし、一時的に保存しやすくすることが好ましい場合もある。しかし、前記包装袋の場合、開封時に不用意に力を入れると平面シートが大きく引き剥がされてしまい、開封量の調整が行いにくい問題がある。特に力を入れすぎて一気に全開してしまうと、はずみで内容物が飛び出しやすい問題もある。
【0006】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたもので、広い開口部を形成可能な包装袋について、開封のための弱シールの領域を少なくし、全体のシール強度を向上させると共に、開封量を調整しやすくすることを第1の目的とする。また、本発明は、袋と同様の原理を用いて、蓋材の開封量を調整しやすい包装容器を提供することを第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1は、上記第1の目的のために、表裏面を形成する平面シートと、両側にマチ部を形成する側面シートを備え、少なくとも一方の平面シートの両側部と、対応する側の前記側面シートとをそれぞれ熱融着した側縁シール部と、前記平面シートの対応する端縁部同士及びこの両者間に挟まれた前記側面シートを熱融着した端縁シール部とからなる周縁シール部が形成された平面四角形の包装袋において、
少なくとも前記一方の平面シートが、長さ方向に延伸された一軸延伸フィルム層を有する積層シートで構成されており、この一方の平面シートの一方の端縁部が同じ側の前記端縁シール部より外方に延出した延出部を有しており、この延出部の幅方向両端部にそれぞれノッチが形成されており、前記一方の平面シートの長さ方向中間部には、前記両ノッチから長さ方向への延長線と交差する位置に、前記一方の平面シートの両側縁部と、対応する側の前記側面シートとを熱融着した裂け止めシール部がそれぞれ形成されており、しかも前記延出部に隣接する端縁シール部の少なくとも前記ノッチで挟まれた領域が前記周縁シール部の他の領域及び前記裂け止めシール部に比して耐剥離力が小さい易剥離性の弱シール部となっていることを特徴とする包装袋を提供するものである。
【0008】
上記本発明の第1は、前記側面シートが、他方の平面シートの対応する側縁に一体に連なっていることをその好ましい態様として含む。
【0009】
また、本発明の第2は、やはり前記第1の目的のために、表裏面を形成する平面シートの対応する両側部同士を熱融着した側縁シール部と、対応する両端縁部同士を熱融着した端縁シール部とからなる周縁シール部が形成された平面四角形の包装袋において、
少なくとも一方の平面シートが、長さ方向に延伸された一軸延伸フィルム層を有する積層シートで構成されており、この一方の平面シートの一方の端縁部が同じ側の前記端縁シール部より外方に延出した延出部を有しており、この延出部の幅方向両端部にそれぞれノッチが形成されており、前記一方の平面シートの長さ方向中間部には、前記両ノッチから長さ方向への延長線と交差する位置に、前記平面シートの対応する両側縁同士を熱融着した裂け止めシール部がそれぞれ形成されており、しかも前記延出部に隣接する前記端縁シール部の少なくとも前記ノッチで挟まれた領域が前記周縁シール部の他の領域及び前記裂け止めシール部に比して耐剥離力が小さい易剥離性の弱シール部となっていることを特徴とする包装袋を提供するものである。
【0010】
更に本発明の第3は、前記第2の目的を達成するために、蓋材が、容器の開口部周縁に張り出したフランジ部の外周縁部に、側縁シール部と端縁シール部とからなる周縁シール部で熱融着された平面四角形の包装容器において、
前記蓋材が、長さ方向に延伸された一軸延伸フィルム層を有する積層シートで構成されており、この蓋材の一方の端縁部が同じ側の前記端縁シール部より外方に延出した延出部を有しており、この延出部の幅方向両端部にそれぞれノッチが形成されており、前記蓋材の長さ方向中間部には、前記両ノッチから長さ方向への延長線と交差する位置に、前記蓋材と前記容器のフランジ部の内周縁部を熱融着した裂け止めシール部がそれぞれ形成されており、しかも前記延出部に隣接する前記端縁シール部の少なくとも前記ノッチで挟まれた領域が前記周縁シール部の他の領域及び前記裂け止めシール部に比して耐剥離力が小さい易剥離性の弱シール部となっていることを特徴とする包装容器を提供するものである。
【0011】
上記本発明の第1〜第3は、それぞれ、前記裂け止めシール部が、前記ノッチから長さ方向への延長線に沿って複数設けられていること、前記一方のシート又は蓋材が、前記両ノッチから長さ方向に形成されたハーフカットを有することをその好ましい態様として含むものである。
【0012】
なお、本発明において、四角形の相対向する二辺を側縁といい、他の相対向する二辺を端縁という。また、端縁の対向方向を長さ方向、側縁の対向方向を幅方向という。
【発明の効果】
【0013】
本発明の第1はガゼット袋であり、本発明の第2は平袋である。いずれの袋でも、開封は、一方の平面シートの延出部を摘んで引っ張ることで、延出部側の端縁シール部を引き剥がすと共に、ノッチから一軸延伸フィルム層の延伸方向への裂け目を伝播させることで行われる。一方の平面シートが、ノッチ間の間隔に亘って捲り上げられて開封されるので、広い開口部を形成することができる。また、引き剥がしやすい易剥離性の弱シール部は、延出部側の側縁シール部(特にノッチで挟まれた領域)のみで良く、側縁シール部は耐剥離性の高いシール部とすることができる。従って、袋全体としてのシール強度を向上させることができる。
【0014】
また、裂け止めシール部は、開封時に裂け目が伝播する一方の平面シートが側面シート又は他方の平面シートに熱融着された箇所であるので、一方の平面シートの裂け目がこの裂け止めシール部に至ると、裂け目の伝播が停止される。従って、この裂け止めシール部の位置で開封を停止させることができ、開封量の調整が容易となる。
【0015】
本発明の第3によれば、蓋材が、容器の開口部周縁に張り出したフランジ部に、側縁シール部と端縁シール部とからなる周縁シール部で熱融着された平面四角形の包装容器について、上記本発明の第1及び第2と同様に、蓋材のシール強度を大きく低下させることなく、広い開口部を形成する開封が可能となると共に、蓋材の開封量の調整が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る包装袋の第1の例を示す平面図である。
【図2】図1におけるA−A拡大断面図である。
【図3】図1におけるB−B拡大断面図である。
【図4】図1に示される包装袋の斜視図である。
【図5】図1に示される包装袋の開封状態を示す斜視図である。
【図6】本発明に係る包装袋の第2の例を示す、図1のA−Aに対応する位置の断面図である。
【図7】本発明に係る包装袋の第3の例を示す平面図である。
【図8】本発明に係る包装袋の第4の例を示す平面図である。
【図9】図8におけるC−C拡大断面図である。
【図10】図8におけるD−D拡大断面図である。
【図11】本発明に係る包装容器の一例を示す平面図である。
【図12】図11におけるE−E拡大断面図である。
【図13】図11におけるF−F拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1〜図5に基づいて本発明の第1の例に係る包装袋を説明する。
【0018】
本発明の第1の例に係る包装袋は、図1〜図3に示されるように、四方シールガゼット袋で、表裏を形成する平面シート1,2と、両側にマチ部を形成する側面シート3,4とによって、マチ付の袋状に形成されている。なお、以下の説明においては、説明の便宜上、図面上の上側の平面シート1を表面シート、下側の平面シート2を背面シートとする。
【0019】
表面シート1と背面シート2は、同形同大の平面四角形をなし、重ね合わされている。側面シート3,4は、表面シート1及び背面シート2と同じ長さで、折り目を内側に向けて幅方向に二つ折りにされ、表面シート1と背面シート2の両側縁部間にそれぞれ挟み込まれている。表面シート1の両側縁部は、それぞれ対応する側面シート3,4の対向部分と側縁シール部5,6によって熱融着されている。背面シート2の両側縁部も、それぞれ対応する側面シート3,4の対向部分と側縁シール部7,8によって熱融着されている。表面シート1と背面シート2の対応する端縁部同士は、端縁シール部9,10によってそれぞれ熱融着されている。表面シート1の周縁に形成された側縁シール部5,6及び端縁シール部9,10は表面シート1側の周縁シール部11を構成しており、背面シート2の周縁に形成された側縁シール部7,8及び端縁シール部9,10は背面シート2側の周縁シール部12を構成している。
【0020】
表面シート1は、長さ方向に延伸された一軸延伸フィルム層を有する積層シートで構成されている。例えば、外面側から一軸延伸フィルム層/接着層/バリア層/シーラント層の順に積層した積層シートを挙げることができる。一軸延伸フィルム層としては、例えばポリエステルの一軸延伸フィルムを用いることができる。接着層としては、例えば低密度ポリエチレン、EMMAなどを用いることができ、バリア層としては、例えばアルミニウム、ポリアミドなどを用いることができ、シーラント層としてはメタロセン系超低密度ポリエチレンなどを用いることができる。背面シート2は、表面シート1と同じ積層シートでも良いが、異なる積層シートを用いることもできる。
【0021】
表面シート1及び裏面シート2の一方の端縁部は、同じ側の端縁シール部9よりも外側に延出した延出部13,14となっている。延出部13,14のうち、表面シート1の延出部13の幅方向両端部には、それぞれノッチ15,16が形成されている。ノッチ15,16は、VノッチでもIノッチでも良い。また、表面シート1の長さ方向中間部には、このノッチ15,16から長さ方向への延長線17,18と交差する位置に、表面シート1と側面シート3,4を熱融着した裂け止めシール部19,20が形成されている。この裂け止めシール部19,20は、側縁シール部5,6に連なって側縁シール部5,6から内側に突出したシール部として形成しても、側縁シール部5,6の内側に側縁シール部5,6とは分離されたシール部として形成しても良い。この裂け止めシール部19,20が内側に入り込むほど本包装袋の膨らみが抑制されてしまうので、ノッチ15,16をできるだけ側縁シール部5,6に近接した位置に設け、裂け止めシール部19,20を側縁シール部5,6に近い位置に形成できるようにすることが好ましい。
【0022】
延出部13側の端縁シール部9は、周縁シール部11,12の他の領域及び裂け止めシール部19,20に比して耐剥離力が小さい易剥離性の弱シール部となっている。この弱シール部は、手で引き剥がせる程度の耐剥離力のシール部で、例えば端縁シール部9の形成に際し、他のシール部の形成時に比して、シールバーの押し当て時間を短くする、シールバーの温度を低くする、シールバーの押し付け圧力を低くするなどのシール条件の調整で得ることができる。また、端縁シール部9に対応する位置の表面シート1と背面シート2間に易剥離性テープを間に挟み込ませて端縁シール部9を形成することによっても得ることができる。
【0023】
本包装袋の開封は、図4及び図5に示されるように、表面シート1側の延出部13を摘んで引っ張ることで行うことができる。図示される例では、表面シート1側の延出部13の下側に背面シート2側の延出部14が重なっているが、表面シート1側の延出部13を摘みやすくするために、背面シート2の長さを表面シート1より短くし、背面シート2側の延出部14がない包装用袋とすることもできる。
【0024】
延出部13を引き上げるようにすると、ノッチ15,16から表面シート1が裂け、弱シール部となっている端縁シール部9が剥離されると共に、裂け目が表面シート1の一軸延伸フィルム層の延伸方向に伝播し、表面シート1がノッチ15,16の間隔で捲り上げられる。裂け目が裂け止めシール部19,20に達すると、そこで裂け目の伝播が停止され、表面シート1が全開される前に開封が止められる。例えば図5に示される状態から、捲り上げた表面シート1を元の位置に戻せば、これを蓋代わりにして開口部を覆うことができる。
【0025】
表面シート1には、裂け目がノッチ15,16から長さ方向への延長線17,18に沿って確実に伝播するよう、ハーフカットを形成しておくこともできる。このハーフカットは、例えば表面シート1を外面側から一軸延伸フィルム層/接着層/バリア層/シーラント層の順に積層した積層シートとした場合、一軸延伸フィルム層の外面側から当該一軸延伸フィルム層を貫通しない深さで、ノッチ15,16から長さ方向に形成しておくことができる。
【0026】
また、図5の状態から更に大きく開口させたい場合には、表面シート1の裂け止めシール部19,20付近を摘んで強い引き裂き力を加えることで、裂け目を裂け止めシール部19,20を越えて伝播させることができ、裂け目が延出部13とは反対側の端縁シール部10に達するまで表面シート1を捲り上げ、開口部を全開にすることができる。
【0027】
以上のような第1の例に係る包装袋の場合、側面シート3,4の存在によって内部空間を広くとれることから、例えば被包装物を、上部が開放された箱に収容し、この箱ごと包み込むことができる。この場合、箱の開口部を表面シート1側にして収容しておけば、表面シート1を前記のようにしてめくり上げることで、被包装物を容易に取り出すことができる。
【0028】
本発明に係る包装袋の第1の例は、表面シート1側と背面シート2側の両者に側縁シール部5,6,7,8が形成されたものとなっている(図1、図2参照)。しかし、図6(a)に示される第2の例のように、側面シート3,4が背面シート2の対応する側縁に一体に連なったものとすることで、背面シート2側の側縁シール部7,8(図2参照)がなく、表面シート1側にだけ側縁シール部5,6が形成された包装袋とすることもできる。この第2の例の場合、側縁シール部7,8(図2参照)が不要であるので、製造工程を簡略化することができる。また、この第2の例は、図6(b)に示されるように、背面シート2が背貼りシール部22で合掌シールされて接合されたピロータイプの袋とすることもできる。
【0029】
図7に示される第3の例のように、裂け止めシール部19,20を、ノッチ15,16から長さ方向への延長線17,18に沿ってそれぞれ複数設けておくことができる。ノッチ15,16をそれぞれ複数設けておくと、開封量を複数段階に調整することができる。また、表面シート1側の延出部13の外縁を更に外方へ延出させて、摘み片21を形成しておき、表面シート1を引っ張りやすくすることもできる。
【0030】
図8〜図10に示される第4の例に係る包装袋は、平袋となっている。つまり、表面シート1と背面シート2を重ね、その四周を、側縁シール部5’,6’と端縁シール部9’,10’で熱融着し、周縁シール部11’を形成することで袋状としたものとなっている。側縁シール部5’,6’と端縁シール部9’,10’は、いずれも表面シート1と背面シート2の対向部を熱融着したものである。また、裂け止めシール部19’,20’も表面シート1と背面シート2を熱融着したものとなっている。この第4の例に係る包装袋は、基本的には側面シート3,4(図1、図2参照)を有していない点以外は前述の第1の例と同様で、この第4の例に係る包装袋の開封は、前記第1の例に係る包装袋と同様にして行われる。また、第4の例に係る包装袋についても、図7で説明した第3の例のように、裂け止めシール部19’,20’を、ノッチ15,16から長さ方向への延長線17,18に沿ってそれぞれ複数設けたり、摘み片21を形成しておくこともできる。
【0031】
次に、本発明に係る包装容器を図11〜図13で説明する。
【0032】
本発明に係る包装容器は、平面四角形をなす蓋材101と、やはり平面四角形をなす容器2とから構成されている。容器102は、開口部周縁にフランジ部103が張り出したもので、蓋材101はその周縁部がこのフランジ部103に熱融着されて容器102の開口部を封止している。
【0033】
蓋材101は、長さ方向に延伸された一軸延伸フィルム層を有する積層シートで構成されている。これは前述した本発明の包装袋における表面シート1(図1〜図3参照)と同様である。蓋材101の両側縁部と両端縁部は、対向する容器102のフランジ部103の外周縁部に、側縁シール部104,105と端縁シール部106,107でそれぞれ熱融着されている。蓋材101の周縁に形成された側縁シール部104,105及び端縁シール部106,107は蓋材101の周縁シール部108を構成している。
【0034】
蓋材101の一方の端縁部は、同じ側の端縁シール部106よりも外側に延出した延出部109となっている。そして、この延出部109の幅方向両端部には、本発明に係る包装袋で説明したものと同様のノッチ110,111が形成されている。また、蓋材101の長さ方向中間部には、このノッチ110,111から長さ方向への延長線112,113と交差する位置に、蓋材101と容器102のフランジ部103の内周縁部を熱融着した裂け止めシール部114,115が形成されている。この裂け止めシール部114,115は、側縁シール部104,105に連なって側縁シール部104,105から内側に突出したシール部として形成しても、側縁シール部104,105の内側に側縁シール部104,105とは分離されたシール部として形成しても良い。
【0035】
延出部109側の端縁シール部106は、周縁シール部108の他の領域及び裂け止めシール部114,115に比して耐剥離力が小さい易剥離性の弱シール部となっている。弱シール部は、本発明に係る包装袋での説明と同様にして得ることができる。また、また、延出部109の中央部分は、更に外方へ延出しており、摘み部116を構成している。
【0036】
本包装容器の開封は、上記摘み部116を引っ張って、ノッチ110,111から蓋材101の切断を開始すると共に、弱シール部となっている延出部109側の端縁シール部106を剥離することで行うことができる。延出部109側の端縁シール部106が剥離された後は、裂け目が蓋材101の一軸延伸フィルム層の延伸方向に誘導され、裂け目が裂け止めシール部114,115に至るまで蓋材101をめくり上げることができる。これは前述の包装用袋の開封と基本的には同じである。
【0037】
本包装容器においても、蓋材101には、裂け目がノッチ110,111から長さ方向への延長線112,113に沿って確実に伝播するよう、ハーフカットを形成しておくこともできる。また、裂け止めシール部114,115を延長線112,113に沿って複数形成しておくこともできる。
【0038】
本包装容器は、例えば一回では消費されない食品の包装などに好ましく用いることができる。具体的には、バターやマーガリンの包装、大型のアイスクリームの包装などに用いることができる。
【符号の説明】
【0039】
1 平面シート(表面シート)
2 平面シート(背面シート)
3,4 側面シート
5,6 側縁シール部(表面シート側)
5’,6’ 側縁シール部
7,8 側縁シール部(背面シート側)
9,10 端縁シール部
9’,10’端縁シール部
11 周縁シール部(表面シート側)
11’ 周縁シール部
12 周縁シール部(背面シート側)
13,14 延出部
15,16 ノッチ
17,18 延長線
19,20 裂け止めシール部
19’,20’ 裂け止めシール部
21 摘み片
22 背貼りシール部
101 蓋材
102 容器
103 フランジ部
104,105 側縁シール部
106,107 端縁シール部
108 周縁シール部
109 延出部
110,111 ノッチ
112,113 延長線
114,115 裂け止めシール部
116 摘み片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表裏面を形成する平面シートと、両側にマチ部を形成する側面シートを備え、少なくとも一方の平面シートの両側部と、対応する側の前記側面シートとをそれぞれ熱融着した側縁シール部と、前記平面シートの対応する端縁部同士及びこの両者間に挟まれた前記側面シートを熱融着した端縁シール部とからなる周縁シール部が形成された平面四角形の包装袋において、
少なくとも前記一方の平面シートが、長さ方向に延伸された一軸延伸フィルム層を有する積層シートで構成されており、この一方の平面シートの一方の端縁部が同じ側の前記端縁シール部より外方に延出した延出部を有しており、この延出部の幅方向両端部にそれぞれノッチが形成されており、前記一方の平面シートの長さ方向中間部には、前記両ノッチから長さ方向への延長線と交差する位置に、前記一方の平面シートの両側縁部と、対応する側の前記側面シートとを熱融着した裂け止めシール部がそれぞれ形成されており、しかも前記延出部に隣接する端縁シール部の少なくとも前記ノッチで挟まれた領域が前記周縁シール部の他の領域及び前記裂け止めシール部に比して耐剥離力が小さい易剥離性の弱シール部となっていることを特徴とする包装袋。
【請求項2】
前記側面シートが、他方の平面シートの対応する側縁に一体に連なっていることを特徴とする請求項1に記載の包装袋。
【請求項3】
表裏面を形成する平面シートの対応する両側部同士を熱融着した側縁シール部と、対応する両端縁部同士を熱融着した端縁シール部とからなる周縁シール部が形成された平面四角形の包装袋において、
少なくとも一方の平面シートが、長さ方向に延伸された一軸延伸フィルム層を有する積層シートで構成されており、この一方の平面シートの一方の端縁部が同じ側の前記端縁シール部より外方に延出した延出部を有しており、この延出部の幅方向両端部にそれぞれノッチが形成されており、前記一方の平面シートの長さ方向中間部には、前記両ノッチから長さ方向への延長線と交差する位置に、前記平面シートの対応する両側縁同士を熱融着した裂け止めシール部がそれぞれ形成されており、しかも前記延出部に隣接する前記端縁シール部の少なくとも前記ノッチで挟まれた領域が前記周縁シール部の他の領域及び前記裂け止めシール部に比して耐剥離力が小さい易剥離性の弱シール部となっていることを特徴とする包装袋。
【請求項4】
前記裂け止めシール部が、前記ノッチから長さ方向への延長線に沿って複数設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の包装袋。
【請求項5】
前記一方のシートが、前記両ノッチから長さ方向に形成されたハーフカットを有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の包装袋。
【請求項6】
蓋材が、容器の開口部周縁に張り出したフランジ部の外周縁部に、側縁シール部と端縁シール部とからなる周縁シール部で熱融着された平面四角形の包装容器において、
前記蓋材が、長さ方向に延伸された一軸延伸フィルム層を有する積層シートで構成されており、この蓋材の一方の端縁部が同じ側の前記端縁シール部より外方に延出した延出部を有しており、この延出部の幅方向両端部にそれぞれノッチが形成されており、前記蓋材の長さ方向中間部には、前記両ノッチから長さ方向への延長線と交差する位置に、前記蓋材と前記容器のフランジ部の内周縁部を熱融着した裂け止めシール部がそれぞれ形成されており、しかも前記延出部に隣接する前記端縁シール部の少なくとも前記ノッチで挟まれた領域が前記周縁シール部の他の領域及び前記裂け止めシール部に比して耐剥離力が小さい易剥離性の弱シール部となっていることを特徴とする包装容器。
【請求項7】
前記裂け止めシール部が、前記ノッチから長さ方向への延長線に沿って複数設けられていることを特徴とする請求項6に記載の包装容器。
【請求項8】
前記蓋材が、前記両ノッチから長さ方向に形成されたハーフカットを有することを特徴とする請求項6又は7に記載の包装容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−25962(P2011−25962A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−173866(P2009−173866)
【出願日】平成21年7月27日(2009.7.27)
【出願人】(000162113)共同印刷株式会社 (488)
【Fターム(参考)】