説明

包装袋

【課題】包装袋とほぼ同程度の大きさの内容物を簡単に取り出すことのできる包装袋を提供する。
【解決手段】背貼り部3の付け根の折り線11は、包装袋の幅方向中央Cから左右いずれか一方に片寄った位置に設けられ、背貼り部3は、包装袋の左右両側のうち付け根の折り線11から近い方に向けて倒され、背貼り部3と縁シール部6とが重なり合う部分において、背貼り部および本体部の内側のフィルムに切欠13または開口が形成され、この切欠13等を通して外側のフィルムの内面同士がシールされることにより、背貼り部3が倒された状態に固定され、背貼りシール部5からフィルム2の端部9,9までの間が未シール部4,10とされ、背貼り部3の内側のフィルムの未シール部10が、背貼り部3の外側のフィルムの端部9から露出されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、背貼り部からの開封が容易な包装袋に関する。
【背景技術】
【0002】
粉粒体、液体、粘稠体等を塗布ないしは含浸させた物品の包装袋として、プラスチックフィルムやその複合フィルム等のフィルムからなるさまざまな形態の包装袋が知られている。四方シールや三方シールの平袋、スタンディングパウチやガゼット袋等の自立袋等の場合は、その一隅部を開封して内容物を取り出したり、一辺を開封したりして内容物を取り出すのが通常である。
【0003】
しかしながら、包装袋の大きさ(内寸)と内容物の大きさ(外寸)が同程度のものの場合では、一隅部の開封では取り出すことができず、また一辺を開封しても付着物や含浸物がこぼれないように内容部を取り出すことが容易ではなかった。
上記の問題点を解決するために背貼り袋の背貼り部から開封することで開口部を大きくし、包装袋と同程度の大きさの内容物であっても取り出しを容易にする包装袋が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−59063号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の包装袋では、背シール部の基材層表面と背シール部と重なる包装体本体側の基材層表面との間を固定するためヒートシール層を形成している。この場合、背シール部と包装体本体とを接着した側を開くことができないので、内容物を取り出すには、引き裂き補助線に沿って裏側まで引き裂きを1周続ける必要があり、液体や粉体など液だれや飛散が起こり易い成分を含む内容物では、周囲を汚さずに取り出すことが難しい。
また、複合フィルムの表面状態に応じて適切なヒートシール層材料を選択しなければならない上、内容物がオイル類などを含むと開封後にヒートシール層が膨潤するおそれがある等の問題がある。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、包装袋とほぼ同程度の大きさの内容物を簡単に取り出すことのできる包装袋を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本発明は、フィルムが合掌状にシールされて形成された背貼り部と、前記背貼り部の上下両端と交差する包装袋の縁部に沿って形成された上下一対の縁シール部により内容物が封入される本体部とを有する包装袋であって、前記本体部に対する前記背貼り部の付け根の折り線は、前記包装袋の幅方向中央から左右いずれか一方に片寄った位置に設けられ、前記背貼り部は、前記包装袋の左右両側のうち前記付け根の折り線から近い方に向けて倒され、前記背貼り部と前記縁シール部とが重なり合う部分において、背貼り部および本体部の内側のフィルムに切欠または開口が形成され、この切欠または開口を通して背貼り部および本体部の外側のフィルムの内面同士がシールされることにより、前記背貼り部が倒された状態に固定され、前記背貼り部において合掌状とされた前記フィルムは、前記背貼り部をシールする背貼りシール部から前記フィルムの端部までの間が未シール部とされ、前記背貼り部の内側のフィルムの未シール部が、前記背貼り部の外側のフィルムの端部から露出されていることを特徴とする包装袋を提供する。
前記背貼り部の未シール部には、前記フィルムの端部から引き裂きを開始するためのノッチが、少なくとも外側のフィルムの2箇所に設けられていることが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、本体部に対する背貼り部の付け根の折り線は、包装袋の幅方向中央から左右いずれか一方に片寄った位置に設けられ、背貼り部は、包装袋の側部のうち前記付け根の折り線から近い方に向けて倒されているので、背貼り部から片側のみを開封しても大きく開口させることができる。
背貼り部と縁シール部とが重なり合う部分において、背貼り部および本体部の内側のフィルムに切欠または開口が形成され、背貼り部および本体部の外側のフィルムの内面同士がシールされ、背貼り部が倒された状態に固定されているので、背貼り部の外側のフィルムの引き裂きが容易である。また更に背貼り部の内側のフィルムからも引き裂き可能とできるので、引き裂きを裏側まで1周させる必要がない。また、フィルム表面への接着性や内容物との相性を考慮してヒートシール層の材料を選択する必要もない。
背貼り部において合掌状とされたフィルムは、背貼り部をシールする背貼りシール部からフィルムの端部までの間に未シール部があるので、未シール部の外側と内側のフィルム同士が静電気等によって密着した場合であっても剥がすときの取っ掛かりとなり、開封前につまみ易くなる。背貼り部の内側のフィルムの未シール部が、背貼り部の外側のフィルムの端部から露出されているので、背貼り部に近い側の側部を手で持ったときに、背貼り部の内側のフィルムを指先で押え込み、開封を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】(a)は本発明の包装袋の一例を示す斜視図であり、(b)は(a)のA−A線に沿う断面図である。
【図2】図1に示す包装袋の平面図である。
【図3】図1に示す包装袋の切欠に代えて開口を設けた場合の一例を示す部分拡大図である。
【図4】図1に示す包装袋を開封した状態の一例を示す平面図である。
【図5】本発明の包装袋の別の例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、好適な実施の形態に基づき、図面を参照して本発明を説明する。
図1および図2に示す包装袋1は、1枚のフィルム2がその端部9,9付近でフィルム2の内面同士を向かい合わせて合掌状にシールされて形成された背貼り部3と、背貼り部3の上下両端12,12と交差する包装袋1の縁部に沿って形成された上下一対の縁シール部6,6により内容物7が封入される本体部とを有する背貼り袋(合掌貼り、あるいはピロータイプ包装袋などともいう。)である。
本体部に対する背貼り部3の付け根の折り線11は、包装袋の幅方向中央Cから左右いずれか一方(図1では左側)に片寄った位置に設けられている。また、背貼り部3は、包装袋1の左右両側のうち付け根の折り線11から近い方(図1では左側)に向けて倒されている。背貼り部が本体部の上に重ね合わされると、前面側(図1では手前)から順に、背貼り部の外側のフィルム、背貼り部の内側のフィルム、本体部の内側のフィルム、本体部の外側のフィルムが積層される。このうち、背貼り部の外側のフィルムと背貼り部の内側のフィルムとの間、および、本体部の内側のフィルムと本体部の外側のフィルムとの間は、内面同士がシールされる。
【0011】
本発明においては、背貼り部3を倒された状態に固定するため、背貼り部3と縁シール部6とが重なり合う部分において、背貼り部および本体部の内側のフィルムに切欠13を形成し、この切欠13を通して背貼り部および本体部の外側のフィルムの内面同士をシールする。あるいは、包装袋の上下両端にかかる切欠13に代えて、図3に示すように、縁シール部6の内部に開口13Aを設けてもよい。
これにより、背貼り部の内側のフィルムと本体部の内側のフィルムとの間が、フィルム2の外面同士であるためにシールできない場合でも、フィルムの外面にヒートシール層等の接着剤層を設けることなく、背貼り部3を倒された状態に固定することができる。
切欠13または開口13Aの形状は特に限定されないが、具体例としては円形、半円形、長円形、矩形、多角形などが挙げられる。切欠13または開口13Aは、背貼り部3の上端と下端にそれぞれ1つ以上あればよい。ノッチ14を設ける場合は、ノッチ14の側方で、フィルムの端部9に近い側に切欠13または開口13Aを設けると、より安定して開封することができ好ましい。
【0012】
背貼り部3は、背貼り部3の上下両端の間で連続した背貼りシール部5によってシールされている。本形態例の場合、背貼り部3の上下両端12,12がそれぞれ縁シール部6から延長してシールされているので、背貼りシール部5の上下がそれぞれ縁シール部6に接続されれば、背貼り部3が漏れなく封止される。背貼りシール部5は、直線状でもよいが、図1や図5に示すように、端部9に向かって突出した頂部8,8Aを1つまたは複数有することが好ましい。背貼りシール部5,5Aに頂部8,8Aを設けると、開封時に頂部8,8Aの先端に力が集中するので、剥離の開始を容易にすることができる。
【0013】
背貼り部3において合掌状とされたフィルム2は、背貼りシール部5からフィルムの端部9までの間が未シール部4,10とされ、そのうち、背貼り部3の内側のフィルムの未シール部10が背貼り部3の外側のフィルムの端部9から露出されている(幅Dに相当する部分)。これにより、背貼り部3の外側と内側のフィルム同士が静電気等によって密着した場合であっても未シール部4,10が剥がすときの取っ掛かりとなり、開封前につまみ易くなる。また、包装袋1の側部から未シール部10までの距離Eが近いので、背貼り部3の内側のフィルムの未シール部10を指先で押え込みながら、外側のフィルムの未シール部4を剥がして引き裂くことができる。
【0014】
背貼り部3の未シール部4には、フィルム2の端部9から引き裂きを開始するためのノッチ14が少なくとも2箇所に設けられている。ノッチ14は、切欠13または開口13Aを有する上下両端12,12の近くに設けると、より安定して開封することができ好ましい。
ノッチ14は、少なくとも外側のフィルムの未シール部4に設けられるが、図5に示すように、外側のフィルムの未シール部4と内側のフィルムの未シール部10との両方に設けてもよい。フィルムの端部9から付け根の折り線11に向かう背貼り部3の幅方向(図2の左右方向)に沿った引き裂きが容易であればよく、一軸延伸された引き裂き性の高いフィルムや、ティア(引裂用)テープを貼付したフィルム基材を用いることもできる。
【0015】
本形態例の包装袋1の開封時には、背貼り部3のある側を上面、その反対側の面16を下面として、内容物7を平らに設置させた状態で開封作業を行うことができる。
包装袋1が背貼りシール部5からフィルム2の両端部9,9側に未シール部4,10を有するので、包装袋1を背貼り部3から開封するときに、背貼りシール部5を容易に剥離することができる。外側のフィルムの未シール部4の上下の2箇所にノッチ14,14が設けられている場合、外側のフィルムの未シール部4をつまんで引っ張ると、それぞれのノッチ14,14から引き裂き線15が開始され、図4(内容物7は図示を省略)に示すように、開口部が形成される。
【0016】
背貼り部3の手前側にあたる外側のフィルムの未シール部4をつまんで、背貼り部3から右側に開封するとき、背貼り部3の付け根の折り線11が包装袋の左側に片寄っているので、背貼り部3から片側だけを開封しても、大きな開口部を形成して内容物7を取り出すことができる。これにより、開封時には、袋の裏側まで引き裂きを続ける必要がないので、内容物に付着ないし含浸した粉粒体や粘稠体、液体などが周囲に飛散することを抑えることができる。このため、包装袋1と同程度の大きさで、液だれや付着物の飛散等が起きやすい内容物7であっても、包装袋1から取り出し易くなる。
なお、背貼り部3から左側に開封するため、背貼り部3の付け根の折り線11を包装袋の右側に片寄らせるとともに、背貼り部3を右側に倒して袋本体に固定した構造とすることもできる。内容物7に上下の区別がないか、上下が入れ替わっても問題ない場合には、載置面16上で180°回転させれば、開封方向を右側と左側から任意に選択することができる。
図5に示すように、背貼り部3の内側のフィルムの未シール部10の上下の2箇所にもノッチ14,14を設けた場合には、背貼り部3の内側のフィルムからも容易に開封することができる。この場合、包装袋1と同程度の大きさの内容物7であっても、背貼り部3から両側に開封して、内容物7のほぼ全体を露出することができる。内側のフィルムの未シール部10にノッチ14を設ける場合には、外側のフィルムの未シール部4に設けたノッチ14と重なり合う位置でもよい。また、内側の未シール部10のノッチ14を、外側の未シール部4のノッチ14より上下両端12側にずらしてもよく、あるいは、外側の未シール部4のノッチ14を、内側の未シール部10のノッチ14より上下両端12側にずらしてもよい。
【0017】
図4に示すように包装袋を開封した状態では、フィルム2のうち、背貼り部3の反対側が内容物7の載置面16となるので、内容物をつかんだり、折り畳まれた内容物を広げたりする際に一時的に保持することができる。また、フィルム2の面積が広がるので、フィルム2を内容物に付着ないし含浸させた液体や粉粒体等の受け皿として用いることができる。なお、内容物7と共に薄型のトレイを包装袋1に収容したり、載置面16のフィルム2を内容物7の外形に沿ってトレイ状に成形加工したりしても良い。
【0018】
包装袋1を構成するフィルム2として使用するフィルムとしては、特に限定されるものではないが、包装袋1をヒートシールで構成するためには少なくとも片面にヒートシール性を有することが必要であり、内面側の片面にヒートシール性を有するものが好ましい。
このようなフィルムとしては例えば、延伸フィルムなどからなる基材層の表面にヒートシール性を有する樹脂からなるシーラント層を積層してなるラミネートフィルムを用いることができる。
基材層としては、二軸延伸ナイロンフィルム(Ny)、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、二軸延伸ポリエステルフィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィルムなどの延伸フィルムが例示される。
前記シーラント層を構成する樹脂としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン―酢酸ビニル共重合体(EVA)、環状ポリオレフィン(COP)などのポリオレフィン系のシーラント樹脂や、コポリマーによる変性や添加物等によってヒートシール性を付与したポリエステル系のシーラント樹脂などが挙げられる。また、イージーピールフィルムや、部分的なイージーピール材のコートを用いることもできる。
フィルムにガスバリア性を付与するため、必要に応じて、アルミ箔などの金属箔、エチレン―ビニルアルコール共重合体などのガスバリア性樹脂フィルム、金属や無機化合物(例えばシリカやアルミナ等のセラミック)の蒸着層などを中間層としたラミネートフィルムを用いることが好ましい。
【0019】
包装袋1の寸法は特に限定されるものではないが、包装袋の高さおよび幅としてはそれぞれ30〜300mm程度が例示される。高さと幅の大小関係は特に限定されず、高さと幅とが同程度のもの、高さが幅より大きいもの、幅が高さより大きいものなど、いずれも適用可能である。
背貼り部3の寸法は特に限定されるものではないが、高さは包装袋1の高さと同一とするのが製造上好ましい。
背貼り部3の付け根の折り線11が幅方向中央Cから片寄った寸法Bは、包装袋の全幅に対して50%未満であるが、例えば10〜45%程度とすることができる。背貼り部3の内側のフィルムが露出される幅Dは、1〜10mm程度が好ましく、例えば約5mmが挙げられる。
【0020】
背貼りシール部5のシール幅は、細すぎると背貼り部3における密封性を確保しにくくなり、太すぎると剥離しにくくなる。シール強度などに応じて適宜設定することが好ましく、例えば1〜10mm程度が好ましい。背貼りシール部5のシール強度は、特に限定されるものではないが、イージーピールの場合は180°剥離強度において、2〜15N/15mm程度、通常のシールの場合は180°剥離強度において、15N/15mm以上、あるいは23N/15mm以上が好ましい。
縁シール部6のシール幅は例えば1〜50mm程度であり、全面開封するときの剥離し易さの点からは、2〜20mm程度が好ましい。
【0021】
本発明は、種々の内容物の包装に利用することができ、特に、粉粒体、液体、粘稠体等を塗布ないしは含浸させた物品の包装袋として好適である。
内容物は、小型のものであっても収容可能であるのは勿論であるが、包装袋と同程度の大きさの内容物が好適である。また、包装袋より大きい内容物であっても、折り畳んだり巻いたりし、好ましくは偏平状にまとめることで、収容することができる。
【0022】
内容物の具体例としては、化粧水やアルコール剤等を含んだガーゼやシート材等の綿製品、消毒用のアルコール綿などの衛生用品や医薬器具、化粧用品、湿布やアイマスク、フェイスマスク、ネックシート、スキンケア製品等の理美容用品、はんぺん、こんにゃく、ピザ等の食品、洗剤等を染み込ませた布巾、雑巾等の清掃用具など、特に限定されることなく種々のものが適用可能である。
内容物に付着または含浸し得る粉粒体、液体、粘稠体等の具体例としては、水、アルコール、食塩水、化粧水、医薬品、調味液、調味料、有機溶剤、オイル類、各種溶液、小麦粉等の穀粉、はちみつ、シロップ、クリーム、接着剤、粘着剤、インク類、トナー類など、特に限定されることなく種々のものが適用可能である。
【0023】
本発明の包装袋を製造する方法は特に限定されないが、背貼り部の長さや位置、背貼りシール部の形状を変更するだけで、従来の背貼り袋の製造方法と同様に行うことができる。原反フィルムを縦方向に搬送してノズルや漏斗等で内容物を充填する縦ピロー方式、原反フィルムを横方向に搬送して水平に延ばしたフィルム上に内容物を載せて包装する横ピロー方式のいずれでもよいが、包装袋と同程度の大きさで、型崩れし易い内容物を充填包装する場合には、横ピロー方式が好ましい。
背貼りシール部5に形成に用いるシール型としては特に限定されるものではないが、背貼りシール部5全体を一度で形成出来るシール型や、分割されたシール型を用いる方法や、ロール状のシール型を用いて連続的に形成する方法などが適用可能である。シール方法についても、熱板式や熱ロール式、超音波、高周波など従来の方法が適用可能である。
【0024】
背貼りシール部5とともに、背貼り部3の両端と連続した一対の縁シール部6,6を有する背貼り袋(ピロータイプ)としたので、背貼り部3の未シール部4,10を大きくしても包装袋の面積を増やさないので、梱包や展示などに余分なスペースを要しない。また、開封時には内容物を平らに設置させた状態で開封作業が出来るので、内容物に付着ないし含浸した粉粒体や粘稠体、液体などが周囲に飛散することを抑えることができる。また、包装袋1と同程度の大きさの内容物7であっても、開封作業の際に内容物に触れることなく、内容物の全体を露出することができる。
【0025】
また、図1〜5の場合は、包装袋の幅方向の両端部がフィルム2の折り返しにより構成されているが、必要に応じて背貼りシール部5と縁シール部6に加えて、包装袋の片側端部または両端部を縦方向にシールした包装袋とすることもできる。
また、図1〜5の場合は、1枚のフィルム2の折り返しで包装袋1を構成しているが、2枚以上のフィルムを組み合わせた包装袋とすることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明は、種々の内容物の包装に利用することができ、特に、粉粒体、液体、粘稠体等を塗布ないしは含浸させた物品の包装袋として好適である。
【符号の説明】
【0027】
1,1A…包装袋、2…フィルム、3…背貼り部、4…背貼り部の外側のフィルムの未シール部、5,5A…背貼りシール部、6…縁シール部、7…内容物、8,8A…頂部、9…フィルムの両端部、10…背貼り部の内側のフィルムの未シール部、11…背貼り部の付け根の折り線、12…背貼り部の上下両端(シール部)、13…切欠、13A…開口
14…ノッチ、15…引き裂き線、16…本体部の裏面(載置面)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルムが合掌状にシールされて形成された背貼り部と、前記背貼り部の上下両端と交差する包装袋の縁部に沿って形成された上下一対の縁シール部により内容物が封入される本体部とを有する包装袋であって、
前記本体部に対する前記背貼り部の付け根の折り線は、前記包装袋の幅方向中央から左右いずれか一方に片寄った位置に設けられ、前記背貼り部は、前記包装袋の左右両側のうち前記付け根の折り線から近い方に向けて倒され、前記背貼り部と前記縁シール部とが重なり合う部分において、背貼り部および本体部の内側のフィルムに切欠または開口が形成され、この切欠または開口を通して背貼り部および本体部の外側のフィルムの内面同士がシールされることにより、前記背貼り部が倒された状態に固定され、
前記背貼り部において合掌状とされた前記フィルムは、前記背貼り部をシールする背貼りシール部から前記フィルムの端部までの間が未シール部とされ、前記背貼り部の内側のフィルムの未シール部が、前記背貼り部の外側のフィルムの端部から露出されていることを特徴とする包装袋。
【請求項2】
前記背貼り部の未シール部には、前記フィルムの端部から引き裂きを開始するためのノッチが、少なくとも外側のフィルムの2箇所に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の包装袋。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−106748(P2012−106748A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−255079(P2010−255079)
【出願日】平成22年11月15日(2010.11.15)
【出願人】(000224101)藤森工業株式会社 (292)
【Fターム(参考)】