説明

包装袋

【課題】開封前は、内容物を密封して保存することができ、開封する際に、内容物が、飛び散ってしまうことのない包装袋を提供する。
【解決手段】表フィルムと裏フィルムを重ね合わせ、その周端部に天シール部を含むシール部を設けた包装袋であって、天シール部の下方に表フィルムと裏フィルムを重ね合わせた状態で表フィルム側に折り返した折り返し部を設け、折り返し部と天シール部の間に、折り返し部に平行に表フィルムと裏フィルムとを同時に開封する開封予定部を設け、開封予定部と天シール部の間、又は、天シール部、あるいは、開封予定部と天シール部の間と天シール部の表フィルムの表面を、折り返し部より下方の表フィルムの表面に、接着させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装袋に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、三方シール袋や四方シール袋、あるいは四方シールされた自立袋(スタンディングパウチ)などの包装袋を側部シール部から引き裂いて開封する際には、側部シール部の開封すべき所定の位置、例えば天シール部より僅かに下の部分に相当する位置に刻設されたVノッチ、Uノッチ、亀の子ノッチ、Iノッチなどを開封開始端として容易に開封できるようにした包装袋がある。
【0003】
また、開封予定線にミシン目などの弱め線を設けることも行われている。その他に、包装袋の側部シール部などに多数の穿孔を設け、多数の穿孔を設けたシール部の任意の端部から容易に開封ができるようにしたものもある。
【0004】
しかしながら、上述したような従来の易開封手段を有する包装袋であっても、開封する際に、その勢いによって、袋が動いてしまい内容物が、飛び散ってしまうことがあった。
【0005】
一方、書類などを発送するときに用いる袋体として、開口端部の一方の壁が他方の壁より突出して閉鎖用舌片を形成し、閉鎖用舌片を折り返して、他方の壁の外面に接着させて、閉鎖用舌片全幅にわたる切取手段を設けた閉鎖用舌片付袋体がある(特許文献1、2)。
【0006】
公知文献を以下に示す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実開平1−82146号公報
【特許文献2】特開平9−99953号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前述したように、従来の易開封手段を有する包装袋では、開封する際に、その勢いによって、包装袋が動いてしまい内容物が、飛び散ってしまうことがあり、また、閉鎖用舌片を設けた袋体では、密封することができない。
【0009】
本発明は上記した事情に鑑みてなされたもので、開封前は、内容物を密封して保存することができ、開封する際に、内容物が、飛び散ってしまうことのない包装袋を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の請求項1に係る発明は、表フィルムと裏フィルムを重ね合わせ、その周端部に天シール部を含むシール部を設けた包装袋であって、該天シール部の下方に前記表フィルムと裏フィルムを重ね合わせた状態で該表フィルム側に折り返した折り返し部を設け、該折り返し部と前記天シール部の間に、該折り返し部に平行に前記表フィルムと裏フィルムとを同時に開封する開封予定部を設け、該開封予定部と前記天シール部の間、又は、前記天シール部、あるいは、該開封予定部と前記天シール部の間と前記天シール部の前記表フィルムの表面を、前記折り返し部より下方の前記表フィルムの表面に、接着させたことを特徴とする包装袋である。
【0011】
本発明の包装袋は、以上のような構成であって、開封前は、内容物を密封して保存することができ、包装袋を開封するために、開封予定部を切り裂いても、開封予定部は、折り返し部と前記天シール部の間に、該折り返し部に平行に設けられているので、折り返し部より、天シール部側と反対側に内容物が収納されているので、開封する際に、内容物が飛び散ってしまうことがない。
【0012】
また、該開封予定部と前記天シール部の間の前記表フィルムの表面を、前記折り返し部より下方の前記表フィルムの表面に、接着させているので、折り返し部が平らに戻ってしまうことがなく、また、開封の時に、容易に開封できる。
【0013】
本発明の請求項2に係る発明は、前記折り返し部と前記開封予定部の間の前記表フィルムと裏フィルムの両側内面に、雄型テープと雌型テープでなる開閉自在なチャックが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の包装袋ある。
【0014】
本発明の包装袋は、更に、折り返し部と開封予定部の間の表フィルムと裏フィルムの両側内面に、開閉自在なチャックが設けられているので、再封することができ、また、開封するときに、チャックは物理的なコシがあるので、開封しやすい。
【0015】
本発明の請求項3に係る発明は、前記開封予定部の左右いずれか、または、左右両側の端部に、ノッチが設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の包装袋である。
【0016】
本発明の包装袋は、また、前記開封予定部の左右いずれか、または、左右両側の端部にノッチが設けられているので、ノッチから容易に、開封予定部を切り裂いて開封することができる。
【0017】
本発明の請求項4に係る発明は、前記ノッチが上下に2つ設けられていることを特徴とする請求項3に記載の包装袋である。
【0018】
本発明の包装袋は、また更に、ノッチが上下に2つ設けられているので、2つのノッチの間を摘んで引っ張れば、帯状に開封予定部を容易に切り裂けるので、開封が簡単である。
【発明の効果】
【0019】
本発明の包装袋は、開封前は、内容物を密封して保存することができ、開封する際に、内容物が、飛び散ってしまうことがない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】(A)本発明の包装袋の第1の実施形態の折り返す前の状態を模式的に平面で示した説明図である。(B)本発明の包装袋の第1の実施形態を模式的に平面で示した説明図である。(C)本発明の包装袋の第1の実施形態の開封予定部を帯状に切り裂いた状態を模式的に平面で示した説明図である。(D)本発明の包装袋の第1の実施形態の開封予定部を切り裂いて、折り返し部を平らに延ばした状態を模式的に平面で示した説明図である。
【図2】(A)本発明の包装袋の第2の実施形態を模式的に斜視で示した説明図である。(B)本発明の包装袋の第2の実施形態の開封予定部を帯状に切り裂いている状態を模式的に斜視で示した説明図である。(C)本発明の包装袋の第1の実施形態の開封予定部を切り裂いて、折り返し部を平らに延ばした状態を模式的に斜視で示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
<第1の実施形態>
以下、本発明を実施するための第1の実施形態につき説明する。
【0022】
図1(A)は、本発明の包装袋の第1の実施形態の折り返す前の状態を模式的に平面で示した説明図である。
(B)は、本発明の包装袋の第1の実施形態を模式的に平面で示した説明図である。
(C)は、本発明の包装袋の第1の実施形態の開封予定部を帯状に切り裂いた状態を模式的に平面で示した説明図である。
(D)は、本発明の包装袋の第1の実施形態の開封予定部を切り裂いて、折り返し部を平らに延ばした状態を模式的に平面で示した説明図である。
【0023】
第1の実施形態の包装袋100は、図1(A)のような、表フィルム101と裏フィルム102を重ね合わせ、その周端部に天シール部1と左側部シール部2と右側部シール部3と地シール部4を設けた4方シール包装袋である。
【0024】
そして、天シール部1の下方に表フィルム101と裏フィルム102を重ね合わせた状態で表フィルム101側に折り返した折り返し部8が設けられている。この折り返し部8と天シール部1との間に、折り返し部8に平行に表フィルム101と裏フィルム102とを同時に開封する開封予定部5が、2本の切り裂き線51、52により、設けられている。
【0025】
折り返すことによって、図1(B)のように、表フィルム101どうしが折り返し部8を境界として対向していて、開封予定部5と天シール部1の間と天シール部1の表フィルム101の表面が、折り返し部8より下方の表フィルム101の表面に、接着部9によって接着されている。
【0026】
そして、折り返し部8と開封予定部5の間の表フィルム101と裏フィルム102の両側内面それぞれに、線状の突起部が設けられた雄型テープと線状の溝部が設けられた雌型テープでなり、線状の突起部が線状の溝部に嵌合し、あるいは、外れることによって開閉自在なチャック7が設けられている。
【0027】
本実施形態の包装袋100を作成するには、まず、表フィルム101と裏フィルム102を重ね合わせ、図1(A)のように、左側部シール部2と右側部シール部3と天シール部1とを有し、地シール部4が未シールになっている4方シール包装袋を作成する。
【0028】
左側部シール部2と右側部シール部3をシールするときに、天シール部1の下方の表フィルム101と裏フィルム102の両フィルムの内面に、それぞれ線状の突起部が設けられた雄型テープと、線状の溝部が設けられた雌型テープとを溶着して、線状の突起部が線状の溝部に嵌合し、あるいは、外れることによって開閉自在なチャック7を設ける。
【0029】
天シール部1とチャック7の間に、2本の切り裂き線51、52からなる開口予定部5を設ける。また、2本の切り裂き線51、52の左端には、左側部シール部2にノッチ61、62を設ける。
【0030】
そして、図1(B)のように、チャック7の下方に折り返し部8を設け、表フィルム101と裏フィルム102を重ね合わせた状態で表フィルム101側に折り返し、開封予定部5と天シール部1の間と天シール部1の表フィルム101の表面を、折り返し部8より下方の表フィルム101の表面に、接着させて、接着部9を形成する。
【0031】
以上にようにして、製袋した第1の実施形態の包装袋100に、内容物を未シールになっている地シール部4より充填し、地シール部4をシールすることによって、内容物充填済みの包装袋100が得られる。
【0032】
本実施形態の包装袋100を作成する他の方法は、まず、表フィルム101と裏フィルム102を重ね合わせ、左側部シール部2と右側部シール部3と地シール部4を有し天シール部1が未シールになっている4方シール包装袋を作成する。
【0033】
左側部シール部2と右側部シール部3をシールするときに、天シール部1の下方の表フィルム101と裏フィルム102の両フィルムの内面に、それぞれ線状の突起部が設けられた雄型テープと、線状の溝部が設けられた雌型テープとを溶着して、線状の突起部が線状の溝部に嵌合し、あるいは、外れることによって開閉自在なチャック7を設ける。
【0034】
天シール部1とチャック7の間に、2本の切り裂き線51、52からなる開口予定部5を設ける。また、2本の切り裂き線51、52の左端には、左側部シール部2にノッチ61、62を設ける。
【0035】
以上にようにして、製袋中の第1の実施形態の包装袋100に、内容物を未シールになっている天シール部1より充填し、天シール部1をシールする。
【0036】
そして、図1(B)のように、チャック7の下方に折り返し部8を設け、表フィルム101と裏フィルム102を重ね合わせた状態で表フィルム101側に折り返し、開封予定部5と天シール部1の間と天シール部1の表フィルム101の表面を、折り返し部8より下方の表フィルム101の表面に、接着させて、接着部9を形成する。これによって、内容物充填済みの包装袋100が得られる。
【0037】
この包装袋100を開封して、内容物を取り出すには、まず、図1(B)のノッチ61とノッチ62の間の左側部シール部2を摘んで持ち上げ、更に、右側部シール部3に引っ張っていくと、2本の切り裂き線51、52が引き裂かれて、帯状に切り取られ、開口予定部5が開口されて開封される。
【0038】
図1(C)では、包装袋100の切り裂き線52と切り裂き線51の間は、切り取られ取り除かれている。これにより、接着部9を設けた天シール部1や切り裂き線51と天シール部1の間は、接着されたままであるが、折り返し部8を平らに延ばせるようになるので、切り裂き線52から折り返し部8の間の部分は、まっすぐに延ばすことができるようになる。
【0039】
切り裂き線52から折り返し部8の間の部分は、まっすぐに延ばすと、図1(D)のように、天シール部1や切り裂き線51と天シール部1の間は、接着部9により表フィルム101に接着されたままであるが、切り裂き線52が上端に位置して開口部となり、包装袋100が開口される。
【0040】
開口部を開き、表フィルム101と裏フィルム102の左右中央部をそれぞれ持って、表フィルム101と裏フィルム102が離れるように開くと、チャック7の嵌合していた線状の突起部と線状の溝部とが外れ、内容物が取り出せるようになる。尚、内容物の一部を取り出した後、再封するには、チャック7の線状の突起部を線状の溝部に嵌合させて再封すればよい。
【0041】
本実施形態の包装袋100では、ノッチ61、62を左側部シール部2にのみ設けたが、右側部シール部3のみにノッチ61、62を設けても良いし、また、左側部シール部2と右側部シール部3にそれぞれ設けてもよい。
【0042】
また、切り裂き線51、52は、ハーフカット線などの弱化線で設けてもよいが、特に加工を施さなくても、開封時に切り裂ければよい。チャック7は、折り返し部8より天シール部1側に設けたが、折り返し部8より地シール部4側に設けてもよい。
【0043】
但し、折り返し部8より天シール部1側に設けた方が、製袋後、未シールの地シール部4より内容物を投入して充填するときに、チャック7が開いてしまうことがなく、また、充填時や充填後に、チャック7の嵌合している線状の突起部と線状の溝部の間に、細かな内容物が入り込みにくくなるので、好ましい。
【0044】
本実施形態の包装袋100は以上のように、開封前は、内容物を密封して保存することができ、包装袋100を開封するために、開封予定部5を切り裂いても、開封予定部5は、折り返し部8と天シール部1の間に折り返し部に平行に設けられていて、内容物は折り返し部8より天シール部1側と反対側の地シール部4側に収納されているので、開封する際に、内容物が飛び散ってしまうことのない。
【0045】
また、開封予定部5と天シール部1の間の表フィルム101の表面を、折り返し部8より下方の表フィルム101の表面に、接着させているので、折り返し部8が平らに戻ってしまうことがなく、また、開封の時に、容易に開封できる。
【0046】
本実施形態の包装袋100は、更に、折り返し部8と開封予定部5の間の表フィルム101と裏フィルム102の両側内面に、開閉自在なチャック9が設けられているので、再封することができ、また、開封するときに、チャック9は物理的なコシがあるので、開封しやすい。
【0047】
本実施形態の包装袋100、また、前記開封予定部の左右いずれか、または、左右両側の端部にノッチが設けられているので、ノッチから容易に、開封予定部を切り裂いて開封することができる。また更に、ノッチが上下に2つ設けられているので、2つのノッチの間を摘んで引っ張れば、帯状に開封予定部5を容易に切り裂けるので、開封が簡単である。
【0048】
<第2の実施形態>
以下本発明を実施するための第2の実施形態につき説明する。
【0049】
図2(A)は、本発明の包装袋の第2の実施形態を模式的に斜視で示した説明図である。(B)は、本発明の包装袋の第2の実施形態の開封予定部を帯状に切り裂いている状態を模式的に斜視で示した説明図である。
(C)は、本発明の包装袋の第1の実施形態の開封予定部を切り裂いて、折り返し部を平らに延ばした状態を模式的に斜視で示した説明図である。
【0050】
第2の実施形態の包装袋200は、図2(A)のように、表フィルム201と裏フィルム202の左右端の間にそれぞれ内方に折り込んだガゼット部203、203を設け、上下に天シール部1と地シール部4を設けたガゼット袋である。
【0051】
かつ、表フィルム201と裏フィルム202の左右の端縁部をそれぞれ接続するガゼット部203、203の端縁部とシールしてなる4つの柱シール部21を設けたガゼット袋
である。尚、本実施形態の包装袋200のガゼット袋の背シール部は4つの柱シール部21の内の1つを兼ねている。
【0052】
そして、天シール部1の下方に設けられた折り返し部8で、表フィルム201と裏フィルム202およびガゼット部203、203を重ね合わせた状態で表フィルム201側に折り返されている。
【0053】
この折り返し部8と天シール部1との間に、折り返し部8に平行に表フィルム201と裏フィルム202およびガゼット部203、203とを同時に開封する開封予定部5が、2本の切り裂き線51、52により、設けられている。また、2本の切り裂き線51、52の左端の柱シール部21には、2つのノッチ61、62が設けられている。
【0054】
折り返すことによって、表フィルム201どうしが折り返し部8を境界として対向していて、開封予定部5と天シール部1の間と天シール部1の表フィルム201の表面が、折り返し部8より下方の表フィルム201の表面に、図示しない接着部によって接着されている。
【0055】
そして、折り返し部8と開封予定部5の間の表フィルム201と裏フィルム202の両側内面それぞれに、線状の突起部が設けられた雄型テープと線状の溝部が設けられた雌型テープでなり、線状の突起部が線状の溝部に嵌合し、あるいは、外れることによって開閉自在な(図示しない)チャック7が設けられている。
【0056】
本実施形態の包装袋200を作成するには、まず、1枚のフィルムを巻いて重なり合った端縁を合掌シールして筒状にする。この筒状のフィルムを、表フィルム201と裏フィルム202およびガゼット部203、203になるように折り込む。
【0057】
このとき、表フィルム201と裏フィルム202の両フィルムの内面に、それぞれ線状の突起部が設けられた雄型テープと、線状の溝部が設けられた雌型テープとを溶着して、線状の突起部が線状の溝部に嵌合し、あるいは、外れることによって開閉自在なチャック7を設ける。
【0058】
そして、表フィルム201と裏フィルム202の左右の端縁部をそれぞれ接続するガゼット部203、203の端縁部とシールして4つの柱シール部21を設ける。この4つの柱シール部21の内の1つは、先にシールした合掌シール部が兼ねるようにする。柱シール部21をシールするとき、柱シール部21に位置するチャック7を融着させつつ押しつぶす。
【0059】
そして、天シール部1をシールにより設け、天シール部1とチャック7の間に2本の切り裂き線51、52からなる開口予定部5を設ける。切り裂き線51、52からなる開口予定部5は、ハーフカット線などの弱化線で設けても良いし、未加工のまま、切り裂き線51、52からなる開口予定部5としてもよい。また、2本の切り裂き線51、52の左端の柱シール部21にノッチ61、62を設ける。
【0060】
チャック7より、地シール部4側に折り返し部8を設け、表フィルム201と裏フィルム202およびガゼット部203、203を重ね合わせた状態で表フィルム201側に折り返し、開封予定部5と天シール部1の間と天シール部1の表フィルム201の表面を、折り返し部8より下方の表フィルム201の表面に、接着させて、接着部(図示せず)を形成する。
【0061】
以上にようにして、製袋した第2の実施形態の包装袋200に、内容物を未シールにな
っている地シール部4より充填し、地シール部4をシールすることによって、内容物充填済みの図2(A)の包装袋200が得られる。
【0062】
この包装袋200を開封して、内容物を取り出すには、まず、図2(B)のように、ノッチ61とノッチ62の間の柱シール部21,21を摘んで持ち上げ、更に、右側に引っ張っていく。
【0063】
これによって、2本の切り裂き線51、52が引き裂かれて、帯状に切り取られ、開口予定部5が開口されて開封される。
【0064】
切り裂き線52から折り返し部8の間の部分を、まっすぐに延ばすと、図2(C)のように、天シール部1や切り裂き線51と天シール部1の間は、接着部9により表フィルム201に接着されたままであるが、切り裂き線52が上端に位置して開口部となり、包装袋200が開口される。
【0065】
開口部を開き、表フィルム201と裏フィルム202の左右中央部をそれぞれ持って、表フィルム201と裏フィルム202が離れるように開くと、チャック7の嵌合していた線状の突起部と線状の溝部とが外れ、内容物が取り出せるようになる。尚、内容物の一部を取り出した後、再封するには、チャック7の線状の突起部を線状の溝部に嵌合させて再封すればよい。
【0066】
本実施形態の包装袋200では、ノッチ61、62を左側の柱シール部21にのみ設けたが、右側の柱シール部21にのみ、ノッチ61、62を設けても良いし、また、左側の柱シール部21と右側の柱シール部21にそれぞれ設けてもよい。
【0067】
また、切り裂き線51、52は、ハーフカット線などの弱化線で設けてもよいが、特に加工を施さなくても、開封時に切り裂ければよい。チャック7は、折り返し部8より天シール部1側に設けたが、折り返し部8より地シール部4側に設けてもよい。
【0068】
但し、折り返し部8より天シール部1側に設けた方が、製袋後、未シールの地シール部4より内容物を投入して充填するときに、チャック7が開いてしまうことがなく、また、充填時や充填後に、チャック7の嵌合している線状の突起部と線状の溝部の間に、細かな内容物が入り込みにくくなるので、好ましい。
【0069】
本実施形態の包装袋200は以上のように、開封前は、内容物を密封して保存することができ、包装袋200を開封するために、開封予定部5を切り裂いても、開封予定部5は、折り返し部8と天シール部1の間に折り返し部8に平行に設けられていて、内容物は折り返し部8より天シール部1側と反対側の地シール部4側に収納されているので、開封する際に、内容物が飛び散ってしまうことのない。
【0070】
また、開封予定部5と天シール部1の間の表フィルム201の表面を、折り返し部8より下方の表フィルム201の表面に、接着させているので、折り返し部8が平らに戻ってしまうことがなく、また、開封の時に、容易に開封できる。
【0071】
本実施形態の包装袋200は、更に、折り返し部8と開封予定部5の間の表フィルム201と裏フィルム202の両フィルムの内面に、開閉自在なチャック7が設けられているので、再封することができ、また、開封するときに、チャック7は物理的なコシがあるので、開封しやすい。
【0072】
本実施形態の包装袋200は、また、開封予定部5の左の端部にノッチ61、62が設
けられているので、ノッチ61、62から容易に、開封予定部5を切り裂いて開封することができる。また更に、ノッチ61、62が上下に2つ設けられているので、2つのノッチ61、62の間を摘んで引っ張れば、帯状に開封予定部5を容易に切り裂けるので、開封が簡単である。
【0073】
本発明の包装袋100、200として、4方シール袋とヘムガゼット袋を実施形態として説明したが本発明はこれに限られるものではない。例えば、3方シール袋や背シール袋、あるいはスタンディングパウチや底ガゼット袋でもかまわない。
【0074】
本発明の包装袋の表フィルム101、201、裏フィルム102、202およびガゼット部203、203を構成するフィルムは、単体フィルムでもかまわないが、基材層とシーラント層からなる、積層フィルムが好ましく用いられる。
【0075】
基材層としては、プラスチックフィルムが主に用いられる。用いるプラスチックフィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル、ナイロン−6、ナイロン−66、MXDナイロンなどのポリアミド、さらにはこれらの共重合体などが、1軸延伸あるいは2軸延伸のフィルムで使用できる。
【0076】
これらのプラスチックフィルムには、必要に応じて、公知の可塑剤、酸化防止剤、滑剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤などの添加物を加えることができる。
【0077】
これらのプラスチックフィルムを単層であるいはこれらを組み合わせた多層で基材層として用いることができる。さらに、多層としてこれらプラスチックフィルムに、アルミニウム箔や紙を積層したものを基材層としても良い。また、無機酸化物蒸着層あるいはアルミニウム蒸着層を設けたプラスチックフィルムを用いても良い。
【0078】
基材層には、切れやすさに方向性のあるプラスチックフィルムを少なくとも1層設けられていることが好ましい。切れやすさに方向性のあるプラスチックフィルムとしては、1軸延伸したプラスチックフィルム、延伸倍率を縦横で異なるように延伸した2軸延伸したプラスチックフィルムがあげられる。
【0079】
このプラスチックフィルムの切れやすい方向を、天シール部1の方向に合わせて製袋することによって、開口予定部5の切り裂き線51、52を引き裂くとき、容易に帯状に引き裂くことができる。
【0080】
シーラント層には、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン共重合体、飽和ポリエステルなどの熱溶融性樹脂が使用できる。このシーラント層を、基材層に積層して積層フィルムとし、表フィルム101、201、裏フィルム102、202およびガゼット部203、203を構成するフィルムとすればよい。
【0081】
実施形態の包装袋100、200では、ノッチ61、62をVノッチで設けたが、Uノッチ、亀の子ノッチ、Iノッチなどにしても一向に構わない。また、シール部に細かい多数のキズや、穿孔を設けてもよく、切り裂き線51、52を切り裂くきっかけとなればよい。
【0082】
接着部9は、熱シールなどで設けてもよいが、接着剤を塗布して接着させ形成するのが容易である。接着剤は、表フィルム101、201の表面の素材に合わせて種種選択可能であるが、ホットメルト接着剤が好適に使用できる。ホットメルト接着剤は、熱可塑性樹脂からなり、加熱溶融させて塗布して、冷却することによって硬化接着するものであり、
高速での加工が可能であり、本用途として好ましい。
【符号の説明】
【0083】
100、200・・・包装袋
101、201・・・表フィルム
102、202・・・裏フィルム
203・・・ガゼット部
1・・・天シール部
2・・・左側部シール部
3・・・右側部シール部
21・・・柱シール部
4・・・地シール部
5・・・開封予定部
51、52・・・切り裂き線
61、62・・・ノッチ
7・・・チャック
8・・・折り返し部
9・・・接着部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表フィルムと裏フィルムを重ね合わせ、その周端部に天シール部を含むシール部を設けた包装袋であって、該天シール部の下方に前記表フィルムと裏フィルムを重ね合わせた状態で該表フィルム側に折り返した折り返し部を設け、該折り返し部と前記天シール部の間に、該折り返し部に平行に前記表フィルムと裏フィルムとを同時に開封する開封予定部を設け、該開封予定部と前記天シール部の間、又は、前記天シール部、あるいは、該開封予定部と前記天シール部の間と前記天シール部の前記表フィルムの表面を、前記折り返し部より下方の前記表フィルムの表面に、接着させたことを特徴とする包装袋。
【請求項2】
前記折り返し部と前記開封予定部の間の前記表フィルムと裏フィルムの両側内面に、雄型テープと雌型テープでなる開閉自在なチャックが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の包装袋。
【請求項3】
前記開封予定部の左右いずれか、または、左右両側の端部に、ノッチが設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の包装袋。
【請求項4】
前記ノッチが上下に2つ設けられていることを特徴とする請求項3に記載の包装袋。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−148791(P2012−148791A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−7587(P2011−7587)
【出願日】平成23年1月18日(2011.1.18)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】