説明

包装袋

【課題】液体と固形被包装物の包装袋について、液体と固形被包装物のそれぞれの取り出しを容易に行う。
【解決手段】両側縁シール部5,6と上部及び底部端縁シール部9,10で融着された表面及び背面シート1,2のうち、表面シート1を、外層と内層を剥離面で剥離可能に積層した易剥離性積層シートとし、表面シート1の外面側から外層に形成した剥離用ハーフカット16で区画した剥離領域17内の外層を剥離することにより開孔を形成する環状の開孔用ハーフカット19を内層に形成する。上部端縁シール部9より外側を延出部11,12とし、表面シート1の内面側から剥離面に達する深さで、上部端縁シール部9の外縁に沿って延出部11を横断する第一開封用ハーフカット21aと、上部端縁シール部9の内縁から両側縁シール部5,6の内縁に沿って延びる第二開封用ハーフカット21bとを形成し、表面シート1を、外層と内層の剥離で捲り上げ開封可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体と共に収納される固形被包装物の包装に適した包装袋に関する。更に詳しくは、共に収納されている液体と分離して固形被包装物を取り出すことが容易な包装袋に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液体と共に収納される固形被包装物の包装に用いる包装袋として、開封側の外側ヒートシール部の内側に、断続的な内側ヒートシール部を形成してた包装袋が知られている(例えば、特許文献1参照)。この包装袋は、外側ヒートシール部を切断除去し、断続的な内側ヒートシール部間に残された未シール部を介して液体を排出した後、内側ヒートシール部も切断除去して開封し、残った固形被包装物を取り出すことができるものとなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−29469号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の包装袋の場合、断続的な内側ヒートシール部間に残された未シール部は、袋の表裏を構成する平面シートが合わさった箇所であり、固形被包装物が流出しないような間隔とすると、広がりにくく、液体の排出が行いにくい問題がある。また、固形被包装物を取り出すための開封は、内側ヒートシール部を除去し、袋の一端を切り開くことで行われる。この開封状態は、袋の形状によっては深さに対して開口の大きさが小さくなり、残された固形物を取り出しにくくなる場合があるという問題もある。
【0005】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたもので、液体と共に収納される固形被包装物の包装に用いられる包装袋について、液体と固形被包装物のそれぞれの取り出しを容易に行うことができる包装袋とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第一は、それぞれ表裏面を構成する両平面シートのうちの少なくとも一方の平面シートの両側と両端にそれぞれ熱融着部である側縁シール部と端縁シール部が形成された袋において、
前記両平面シートのうちの少なくとも一方の平面シートが、外層シートと内層シートを剥離可能に積層した易剥離性積層シートで構成されており、
該一方の平面シートの外面側から、外層シートと内層シートの剥離時の剥離面に達する深さで形成された剥離用ハーフカットにより、前記外層シートを前記内層シートから剥離可能な剥離領域が区画されており、
該剥離領域内において、前記一方の平面シートの内面側から前記剥離時の剥離面に達する深さで1又は複数の開孔用ハーフカットが形成されており、
一方の端縁シール部が、同じ側の前記両平面シートの一方の端縁より内側に形成されていることで、前記両平面シートの一方の端縁がそれぞれ前記一方の端縁シール部の外側に延出した延出部を構成しており、
前記一方の平面シートには、内面側から前記剥離時の剥離面に達する深さで、前記一方の端縁シール部の外縁に沿って前記一方の平面シートの延出部を幅方向に横断する第一開封用ハーフカットと、前記一方の端縁シール部の内縁から前記両側縁シール部の内縁に沿って延びる第二開封用ハーフカットとが、前記剥離用ハーフカットと交差することなく形成されていることを特徴とする包装袋を提供するものである。
【0007】
本発明の第二は、それぞれ表裏面を構成する両平面シートの両側と両端にそれぞれ熱融着部である側縁シール部と端縁シール部が形成された袋において、
前記両平面シートが、外層シートと内層シートを剥離可能に積層した易剥離性積層シートで構成されており、
前記両平面シートのうちの一方の平面シート外面側から、外層シートと内層シートの剥離時の剥離面に達する深さで形成された剥離用ハーフカットにより、前記外層シートを前記内層シートから剥離可能な剥離領域が区画されており、
該剥離領域内において、前記一方の平面シートの内面側から前記剥離時の剥離面に達する深さで1又は複数の開孔用ハーフカットが形成されており、
一方の端縁シール部が、同じ側の前記両平面シートの一方の端縁より内側に形成されていることで、前記両平面シートの一方の端縁がそれぞれ前記一方の端縁シール部の外側に延出した延出部を構成しており、
前記両平面シートのうちの他方の平面シートには、内面側から前記剥離時の剥離面に達する深さで、前記一方の端縁シール部の外縁に沿って前記一方の平面シートの延出部を幅方向に横断する第一開封用ハーフカットと、前記一方の端縁シール部の内縁から前記両側縁シール部の内縁に沿って延びる第二開封用ハーフカットとが形成されていることを特徴とする包装袋を提供するものである。
【0008】
上記本発明の第一及び第二は、それぞれ、前記一方の端縁シール部の全部又は一部が、頂部が延出部の幅方向中央部に位置する、外方へ突出した山形に形成されていること、
前記一方の端縁シール部の山形に形成された部分のシール幅が、山形の頂部に向かって徐々に狭くなっていること、
前記延出部の幅方向中央部に、外方へ舌片状に突出した摘み部が形成されていること
を好ましい態様として含むものである。
【0009】
本発明の第三は、それぞれ表裏面を構成する両平面シートのうちの少なくとも一方の平面シートの両側と両端にそれぞれ熱融着部である側縁シール部と端縁シール部が形成された袋において、
前記両平面シートのうちの少なくとも一方の平面シートが、外層シートと内層シートを剥離可能に積層した易剥離性積層シートで構成されており、
該一方の平面シートの外面側から、外層シートと内層シートの剥離時の剥離面に達する深さで形成された剥離用ハーフカットにより、前記外層シートを前記内層シートから剥離可能な剥離領域が区画されており、
該剥離領域内において、前記一方の平面シートの内面側から前記剥離時の剥離面に達する深さで1又は複数の開孔用ハーフカットが形成されており、
一方の端縁シール部が、同じ側の前記両平面シートの一方の端縁より内側に形成されていることで、前記両平面シートの一方の端縁がそれぞれ前記一方の端縁シール部の外側に延出した延出部を構成しており、
前記一方の端縁シール部と、前記両側縁シール部の前記一方の端縁シール部に連なる側から中間部まで又は前記両側縁シール部の全長が、引き剥がし可能な弱シール部となっていることを特徴とする包装袋を提供するものである。
【0010】
本発明の第一乃至第三は、それぞれ、前記両側縁シール部の全長が弱シール部となっていると共に、他方の端縁シール部も弱シール部となっていること、
前記剥離領域の外縁の一部を形成する前記一方の平面シートの外縁の一部が外方へ突出し、剥離用タブを形成していること
を好ましい態様として含むものである。
【0011】
なお、本発明の包装袋は、平面略四角形をなすもので、その相対向する二辺を側縁といい、他の相対向する二辺を端縁という。但し、平面略四角形とは、四辺が直線である場合だけでなく、曲線状又は屈曲線状である場合をも含む。また、端縁の対向方向を長さ方向、側縁の対向方向を幅方向という。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る包装袋は、剥離領域の外層シートを剥がすと、開孔用ハーフカットの内側部分の内層シートが外層シートに付着した状態で除去されて開孔が形成される。従って、包装袋をこの開孔側へ傾けることで、収納されている液体を排出することができる。開孔は、平面シートを打ち抜いた状態に形成されるので、開放された流出口となって、液体の排出が行いやすい。
【0013】
固形被包装物を取り出すための開封は、両平面シートの延出部を摘んで引き離す方向へ引っ張ることで行われる。
【0014】
本発明の第一に係る包装袋の場合、まず、第一開封用ハーフカットと、第二開封用ハーフカットの一方の端縁シール部の内縁に沿った部分とが、一方の端縁シール部を挟んで形成されていることにより、この挟まれた領域において、一方の平面シートの外層シートと内層シート間に剥離が生じ、これによって一方の端縁シール部が引き開けられる。その後は、第二開封用ハーフカットが一方の端縁シール部の内縁から両側縁シール部の内縁に沿って延びていることから、上記一方の表面シートの剥離が第二開封用ハーフカットが隣接する両側縁シール部の領域におよび、これによって一方の表面シートが大きく捲り上げられて広い開口部が形成されることになる。従って、包装袋の形状によらず、取り出しやすい開封状態とすることができる。
【0015】
本発明の第二に係る包装袋の場合、上記請求項1の包装袋と同様であるが、開封時に捲り上げられるのが他方の平面シートとなる。特に請求項3の包装袋は、剥離用ハーフカットと、第一開封用ハーフカット及び第二開封用ハーフカットとが交差することがないので、これらの形成位置が互いに制約されない利点がある。
【0016】
開封時に第二開封用ハーフカットの両端から切れ目を伝播させることができる間隔を開けた点を結ぶ位置に、切り離し用ハーフカット及び/又は前記剥離用ハーフカットを設けておくと、固形被包装物の取り出しの邪魔にならないよう、平面シートの捲り上げた部分を包装用袋から分離除去することができる。
【0017】
一方の端縁シール部の全部又は一部を、頂部が延出部の幅方向中央部に位置する、外方へ突出した山形としておくと、開封時の一方の端縁シール部に対応する領域における内層シートと外層シート間の剥離に要する力を軽減することができる。
【0018】
上記一方の端縁シール部の山形に形成された部分のシール幅を、山形の頂部に向かって徐々に狭くしておくと、上記剥離に要する力を更に軽減することができる。
【0019】
延出部に摘み部を形成しておくと、延出部を引っ張りやすくなり、開封操作性が向上する。
【0020】
本発明の第三に係る包装袋の場合、開封が、延出部を引っ張って、一方の端縁シール部とそれに連なる両側縁シール部のシール自体を引き剥がすことで行われること以外、請求項1の包装袋と同様である。この請求項8の包装袋の場合、その製造時に、第一開封用ハーフカット及び第二開封用ハーフカットを形成する手間を省略することができる。
【0021】
両側縁シール部の全長を弱シール部とすると共に、他方の端縁シール部も弱シール部としておくと、開封時に、固形被包装物の取り出しの邪魔にならないよう、一方又は他方の平面シートを除去することができる。
【0022】
剥離領域の外縁に剥離用タブを設けておくと、剥離領域における外層シートの剥離が行いやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の包装袋に係るガゼット袋の例を示す平面図である。
【図2】(a)は図1におけるA−A拡大断面図、(b)は図1におけるB−B拡大断面図である。
【図3】剥離領域及び剥離用タブ付近の模式的断面図で、(a)は剥離領域の外層シートの剥離前の状態、(b)は剥離領域の外層シートの剥離後の状態を示す図である。
【図4】開封側の端縁シール部付近の模式的拡大断面図で、(a)は開封前の状態、(b)は開封時の状態を示す図である。
【図5】図1に示される包装袋の剥離領域の外層シートを捲り上げることによる開孔の形成途中の状態を示す斜視図である。
【図6】図1に示される包装袋の表面シートを捲り上げることによる開封途中の状態を示す斜視図である。
【図7】(a)〜(c)はそれぞれ図1に示される包装袋の開封側の端縁シール部周りの変形例を示す平面図である。
【図8】(a)〜(c)はそれぞれ図1に示される包装袋の表面シート、背面シート及び両側面シートの連なり状態の変形例を示す断面図である。
【図9】(a)〜(c)はそれぞれ図1に示される包装袋の剥離領域周りの変形例を示す平面図である。
【図10】本発明の包装袋に係る平袋の例を示す平面図である。
【図11】本発明の包装袋に係る自立型袋の例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面に基づいて本発明を更に説明する。なお、以下に説明する図面において、同じ符号は同様の構成要素を示す。
【0025】
まず、図1〜図6に基づいて本発明に係る包装袋の一例を説明する。
【0026】
本例の包装袋は、図1及び図2に示されるように、四方シールガゼット袋で、表裏を形成する平面シート1,2と、両側にマチ部を形成する側面シート3,4とによって、マチ付の袋状に形成されている。なお、以下の説明においては、説明の便宜上、図面上の上側の平面シート1を表面シート、下側の平面シート2を背面シートとする。
【0027】
表面シート1と背面シート2は、同形同大の平面四角形をなし、重ね合わされている。側面シート3,4は、表面シート1及び背面シート2と同じ長さで、折り目を内側に向けて幅方向に二つ折りにされ、表面シート1と背面シート2の両側縁部間にそれぞれ挟み込まれている。表面シート1の両側縁部は、それぞれ、二つ折りされた側面シート3,4の一片との対向部分と側縁シール部5,6によって熱融着されている。背面シート2の両側縁部も、それぞれ対応する側面シート3,4の対向部分と側縁シール部7,8によって熱融着されている。表面シート1と背面シート2の対応する端縁部同士及びこの両者間に挟まれた側面シート3,4が端縁シール部9,10によってそれぞれ熱融着されている。
【0028】
開封側となる一方の端縁シール部9(以下「上部端縁シール部9」という)は、同じ側の表面シート1及び背面シート2の端縁よりも内側(袋の中心側)に形成されており、これによって表面シート1及び背面シート2の一方の端縁がそれぞれこの上部端縁シール部9の外側に延出した延出部11,12を構成している。また、表面シート1側の延出部11には、側縁シール部5,6が形成されておらず、延出部11の両側縁は自由端となっていることが、後述する開封を容易にする上で好ましい。
【0029】
表面シート1は、図3及び図4に示されるように、外層シート13と内層シート14を剥離可能に積層した易剥離性積層シートで構成されている。
【0030】
図1、図2(a)、図3、図4に示されるように、表面シート1の外面側から、外層シート13と内層シート14の剥離時の剥離面15に達する深さで形成された剥離用ハーフカット16により、外層シート13を内層シート14から剥離可能となった剥離領域17が区画されている。本例における表面シート1は、図3、図4に示されるように、外層シート13を、シーラント層14aに易剥離性樹脂層14bを積層した内層シート14の易剥離性樹脂層14b側に積層したもので、外層シート13と、内層シート14の易剥離性樹脂層14bとの界面が剥離面15となる。本例における剥離領域17は、他方の端縁シール部10(以下「底部端縁シール部10」という)側の表面シート1にU字形に形成された剥離用ハーフカット16によって区画されている。剥離用ハーフカット16の始端と終端は、表面シート1の底部端縁シール部10側の端縁に位置している。また、剥離領域16の外縁の一部を構成する、表面シート1の底部端縁シール部10側の外縁の一部が外方へ突出し、剥離用タブ18を形成している。
【0031】
図2(a)、図3に示されるように、上記剥離領域17内において、表面シート1の内面側から剥離面15に達する深さで環状の開孔用ハーフカット19が形成されている。この開孔用ハーフカット19は、後述するように、液体を排出するための開孔20〔図3(b)〕、図5参照〕を形成するためのもので、必要に応じて1又は複数形成される。なお、環状とは、無端形状であれば良く、図示される開孔用ハーフカット19は円環であるが、円環以外の無端形状、例えば三角環、矩形環、楕円環などの形状とすることもできる。また、開孔用ハーフカット19を、例えばU字形などの凸形の舌片形状に形成し、内側が、切り込みの形成されていない部分をヒンジにして折れ曲がって開口するように設けることもできる。
【0032】
上記剥離用ハーフカット16及び開孔用ハーフカット19の他に、図2、図4に示されるように、表面シート1の内面側から、剥離時の剥離面15に達する深さで、第一開封用ハーフカット21aと第二開封用ハーフカット21bが形成されている。第一開封用ハーフカット21aは、上部端縁シール部9の外縁(袋の外側に位置する縁部)に沿い、表面シート1の延出部11の幅方向に横断して形成されている。また、第二開封用ハーフカット21bは、上部端縁シール部9の内縁(袋の内側に位置する縁部)に沿って、両端が両側縁シール部5,6の内縁に近接する位置まで延び、更に両側縁シール部5,6の内縁に沿って袋の長さ方向へ延びて形成されている。この第一開封用ハーフカット21aと第二開封用ハーフカット21bは、剥離用ハーフカット16と交差すると交点がピンホール状の小孔となることから、剥離用ハーフカット16と交差しないように形成されている。
【0033】
易剥離性積層シートで構成されている表面シート1について更に説明すると、本例では、図3及び図4に示されるように、外面側から外層シート13/易剥離性樹脂層14b/シーラント層14aを順次積層したものとなっているが、いずれかの積層位置に中間層(図示されていない)を介在させることもできる。中間層としては、強度やコシを持たせるため、低密度ポリエチレンなどが使用される。各層間は、ウェットラミネート、ノンソルベントラミネート、ドライラミネート、押出ラミネートなどの方法によって接着することができる。
【0034】
表面シート1の外層シート13は単層シートでも積層シートでも良い。単層シートとしては、以下に述べる基材層(図示されていない)を構成する合成樹脂シートを用いることができる。また、積層シートとしては、外面側から基材層/バリア層の積層体、基材層/バリア層/剥離性調整層の積層体などを用いることができる。基材層としては、例えばポリプロピレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネートセロファン、紙、織布、不織布などを用いることができる。寸法安定性、耐熱性、機械的強度、印刷適性などの点から、ポリエチレンテレフタレート、二軸延伸ポリプロピレン、ナイロンが好ましい。バリア層としては、アルミニウム箔などの金属箔を用いることができる。剥離性調整層は、例えば易剥離性樹脂層14bが、次に述べるポリオレフィンと環状オレフィンコポリマーとを所定の比率で混合したオレフィン系混合樹脂である場合、ポリエステルを用いることができる。
【0035】
易剥離性樹脂層14bとしては、ポリエステル又は金属との間で剥離しやすい積層面を形成可能な、ポリオレフィンと環状オレフィンコポリマーとを所定の比率で混合したオレフィン系混合樹脂を用いることができる。ポリオレフィンとしては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどが挙げられるが、低密度ポリエチレンを用いるのが好ましい。環状オレフィンコポリマーとは、α−オレフィンと環状オレフィンとを、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素系溶媒中、いわゆるチーグラー触媒やメタロセン触媒などの触媒を調合することにより得ることができる共重合体であり、このような共重合体としては、三井化学株式会社製の商品名「アペル」などがある。また、低密度ポリエチレンとしては、旭化成ケミカルズ株式会社製の商品名「サンテック」などがある。オレフィン系混合樹脂は、低密度ポリエチレンと環状オレフィンコポリマーとの混合率を変えることによりポリエステル又は金属との界面剥離強度をコントロールできるので、界面剥離強度を所望の値に調整することが可能である。
【0036】
上記オレフィン系混合樹脂と金属層との間で剥離しやすい積層面を形成する場合、金属層は、アルミニウム、鉄、銅、これらを主成分とする合金などの金属箔又は金属板を用いることができる。この金属層は、表面粗さ(Ra)が0.40μm以下であることが好ましく、特に表面粗さ(Ra)が0.40μm以下のアルミニウム箔が好ましい。
【0037】
表面シート1を構成する易剥離性積層シートは、内層シート14としてシーラント層14a単独又は基材層(図示されていない)とシーラント層4aの積層体とし、この内層シート14と外層シート13の間に、層間剥離性フィルム(イージーピールフィルム)や凝集剥離層を介在させた積層シートとすることもできる。内層シート14の基材層としては、前記外層シートの基材層と同様のものを使用することができる。
【0038】
層間剥離性フィルムは、ポリプロピレン又はプロピレンとその他のα−オレフィンとの共重合体を含有する樹脂で構成された層と、ポリプロピレン及び融点が120℃以上の高密度ポリエチレン又は直鎖状低密度ポリエチレンの混合物を有する樹脂、又は、融点が30〜100℃の熱可塑性樹脂を主体とする樹脂で構成された層との積層体として構成することができる。
【0039】
凝集剥離層は、ポリプロピレンとポリエチレン、ポリスチレンとポリエチレンなどの異種の樹脂同士が相溶しない性質を利用して、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレンなどの非相溶(又は部分相溶)樹脂をブレンドした混合樹脂が挙げられる。具体的には、東セロ株式会社製の商品名「CMPS」や住化プラスチック株式会社製の商品名「アシスト」などがある。
【0040】
更に、表面シート1を構成する易剥離性積層シートは、内層シート14としてシーラント層14a単独とし、この内層シート14と外層シート13の間に、剥離ニスを塗工した積層シートとすることもできる。剥離ニスとは、硝化綿系樹脂にシリコンを添加した非接着剤であり、外層シートの内面側の剥離させたい部分に塗工しておくことで、シーラント層14aが付着しにくくなり、剥離しやすい積層面を構成することができる。
【0041】
シーラント層14aとしては、ポリオレフィン系樹脂などを用いることができる。ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン系樹脂(高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、エチレン−αオレフィン共重合体など)、ポリプロピレン系樹脂(プロピレンのホモポリマー、ブロックコポリマー、ランダムコポリマー、プロピレン−αオレフィン共重合体など)、エチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体(エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体など)、エチレン−α,β不飽和カルボン酸エステル共重合体(エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸エチル共重合体など)、カルボン酸部位をナトリウムイオン、亜鉛イオンで架橋した、エチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体のイオン架橋物、酸無水物変性ポリオレフィン(エチレン−無水マレイン酸グラフト共重合体、エチレン−アクリル酸エチル−無水マレイン酸三元共重合体など)、エポキシ化合物変性ポリオレフィン(エチレン−メタクリル酸グリシジル共重合体など)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、これらの混合物などが挙げられる。
【0042】
表面シート1を構成する易剥離性積層シートの具体例としては、外面側から、ポリエステル/アルミニウム箔/ポリエステル/前記オレフィン系混合樹脂/低密度ポリエチレンの層構成の積層シートを挙げることができる。
【0043】
前述した剥離用ハーフカット16、開孔用ハーフカット19、第一開封用ハーフカット21a及び第二開封用ハーフカット21bの深さは、丁度剥離面15までの深さであっても良いが、確実に剥離面15に達した深さで形成できるよう、表面シート1を貫通しない範囲で、剥離面15を若干過ぎた深さまで形成することが好ましい。開孔用ハーフカット19、第一開封用ハーフカット21a及び第二開封用ハーフカット21bは、外層シート13がバリア層を有する場合には、このバリア層よりも浅くかつ剥離面15よりも深く形成しておくことが好ましい。
【0044】
また、剥離用タブ18の基部を横断して、表面シート1の内面側から、外層シート13と内層シート14の剥離時の剥離面15に達する深さで、剥離開始用ハーフカット24が形成されている。この剥離開始用ハーフカット24の深さも、表面シート1を貫通しない範囲で、剥離面15を若干過ぎた深さまで形成することが好ましい。
【0045】
背面シート2は、外側から外層シート22、シーラント層である内層シート23の二層構成として図示されているが、外層シート22は単層でも積層構成でもよく、全体を表面シート1と同じ層構成とすることもできる。また、背面シート2は、易剥離性積層シートである必要はないので、例えば表面シート1の層構成から易剥離性樹脂層14bを除いた層構成の積層シートとすることもできる。
【0046】
本例の包装袋の開封は、まず、図5に示されるように、剥離用タブ18を引っ張ることで、剥離領域16の外層シート13を内層シート14から剥離させて引き上げ、剥離領域16を図3(a)の状態から図3(b)の状態へと変化させることで行われる。つまり、剥離用タブ18を摘んで上方へ引っ張ると、剥離用タブ18の基部に剥離開始用ハーフカット24が形成されているので、この引っ張り力は、外層シート13と内層シート14の積層面に作用する。また、剥離用タブ18は、表面シート1の外面側から形成された剥離用ハーフカット16によって区画された剥離領域17から延出しているので、この剥離領域において、外層シート13が内層シート14から剥離面15を介して剥離される。そして、外層シート13が剥離されると、内側シート14の開孔用ハーフカット19に囲まれた部分は、外層シート13に付着したまま抜き取られ、開孔20が形成されることになる。開孔20を形成した後、この開孔20側へ包装袋を傾けることで、収納されている液体を排出することができる。また、開孔20の大きさを、収納されている固形被包装物が流出しない大きさとしておくことで、液体のみを簡単に排出することができる。
【0047】
上記液体の排出後の開封は、表面シート1及び背面シート2の延出部11,12を互いに引き離す方向へ引っ張り、上部端縁シール部9付近を図4(a)の状態から図4(b)の状態へと変化させることで開始される。つまり、表面シート1及び背面シート2の延出部11,12を互いに離す方向へ引っ張ると、表面シート1における第一開封用ハーフカット21aと第二開封用ハーフカット21bで挟まれた領域で剥離が生じる。そして、この第一開封用ハーフカット21aと第二開封用ハーフカット21bで挟まれた領域の内層シート14が上部端縁シール部9によって背面シート2へ付着残留した状態で、表面シート1と背面シート2が離れて、上部端縁シール部9部分が引き開けられる。外層シート13と、内層シート14の易剥離性樹脂層14bとの界面が剥離面15である。
【0048】
上記のようにして上部端縁シール部9部分を引き開けた後、更に表面シート1及び背面シート2の延出部11,12を引っ張ると、内縁に沿って第二開封用ハーフカット21bが形成された領域の両側縁シール部5,6の部分も、上記と同様にして剥離して分離され、図6に示されるように広く開口した状態で開封される。つまり、剥離が上部端縁シール部9部分からの両側縁シール部5,6部分へと広がり、表面シート1を大きく捲り上げることができる。
【0049】
第二開封用ハーフカット21bの両端を上部端縁シール部9とは反対側の底部端縁シール部10付近にまで伸ばしておけば、両側縁シール部5,6及び両端縁シール部9,10で囲まれた領域をほぼ全開することができる。しかし、全開させてしてしまうと固形被包装物が飛び出しやすい場合や、残った固形被包装物を包み直しやすくするためには、第二開封用ハーフカット21bの両端を側縁シール部5,6の長さ方向途中までで終端させておくことで、半開状態で開封を止めやすくしておくことが好ましい。第二開封用ハーフカット21bの両端を側縁シール部5,6の長さ方向途中までで終端させておくと、第二開封用ハーフカット21bが形成されていない領域での開封抵抗が増大するので、開封を停止させることができる。特に側縁シール部5,6の長さ方向途中までで終端させた第二開封用ハーフカット21bの両端をそれぞれ環状に形成しておくと、裂けの伝播を防止できるので、開封の停止が一層確実となる。環形状は、円環が最も好ましいが、多角形の環状とすることもできる。第二開封用ハーフカット21bの両端の位置は、内容物の種類によっても相違するが、側縁シール部5,6の長さ方向1/5〜4/5を開放できる位置とすることが好ましく、より好ましくは1/2〜2/3を開放できる位置である。
【0050】
上記の例における易剥離性積層シートは、易剥離性樹脂層14bを用いたものであるが、前述したように、層間剥離フィルム、凝集剥離層又は剥離ニスを用いたものとすることもできる。層間剥離フィルムは、通常層間剥離しやすい第一層と第二層の二層構成で、この両層の剥離した表面が剥離面15となる。凝集剥離層を用いた場合、凝集剥離層が層内で生じる凝集剥離により二分されて剥離することになる。この場合、凝集剥離層内に生じる凝集剥離面が剥離面15となる。また、剥離ニスを用いた場合、その塗布により接着性が低下した隣接層との間で剥離することになる。この場合は剥離ニスが介在した層間の界面が剥離面15となる。
【0051】
本発明に係る包装袋は、図7(a)〜(c)に示されるようにすることもできる。
【0052】
図7(a)の例では、表面シート1及び背面シート2の延出部11,12の幅方向中央部に、それぞれ外方に舌片状に突出した摘み部25,26が設けられている。また、上部端縁シール部9が、頂部が延出部11,12の幅方向中央部に位置する、外方へ突出した山形に形成されており、しかも上部端縁シール部9のシール幅が、山形の頂部に向かって徐々に狭くなっている。このようにすると、摘み部25,26を摘むことで開封時に力を入れやすくなると共に、前記表面シート1における剥離の発生とその伝播が円滑になり、開封しやすくなる。
【0053】
図7(b)の例では、直線状に設けられた上部端縁シール部9の幅方向中央部分が、頂部が延出部11,12の幅方向中央部に位置する、外方へ突出した山形に形成されている。また、この山形に形成された部分のシール幅が、山形の頂部に向かって徐々に狭くなっている。表面シート1及び背面シート2の延出部11,12の幅方向中央部に、外方に舌片状に突出した摘み部25,26が設けられているのは(a)の例と同様である。このようにしても、(a)の例と同様に開封性が向上する。
【0054】
図7(c)の例は、基本的には(a)の例と同様であるが、延出部11,12が、両者間に挟まれた側面シート3,4と共に、山形に形成された上部端縁シール部9に沿って斜めに切断された形状となっている。このようにすると、延出部11,12間への異物の挟み込みなどを防止しやすくなる。
【0055】
なお、図7(a)〜(c)においては、上部端縁シール部9の山形部分は、いずれもシール幅が山形の頂部に向かって徐々に狭くなっているが、これは均一のシール幅とすることもできる。また、図1〜図6で説明した例においても、上記摘み部25,26を設けることもできる。更に、上部端縁シール部9の全部または一部を山形とした場合その頂部は、上部端縁シール部9の幅方向中央部に位置することが好ましいが、左右一方に偏った位置に設けることもできる。摘み部25,26についても、延出部11,12の幅方向中央部に設けることが好ましいが、左右一方に偏った位置に設けることもできる。
【0056】
図1〜図6で説明した例では、表面シート1側と背面シート2側の両者に側縁シール部5,6,7,8が形成されたものとなっている。しかし、図8(a)に示される例のように、側面シート3,4が背面シート2の対応する側縁に一体に連なったものとすることで、背面シート2側の側縁シール部7,8(図3参照)がなく、表面シート1側にだけ側縁シール部5,6が形成された包装袋とすることもできる。この例の場合、側縁シール部7,8(図3参照)が不要であるので、製造工程を簡略化することができる。また、図8(b),(c)に示されるように、背面シート2が背貼りシール部27で合掌シールされて接合されたピロータイプの袋とすることもできる。このピロータイプの袋とする場合、(b)に示されるように、背面シート2と側面シート3,4が一体で、表面シート1をこれとは別体としたり、(c)に示されるように、表面シート1、側面シート3,4及び背面シートが一つながりのものとすることもできる。但し、(c)の袋においては、表面シート1と側面シート3,4の境界部分である折り目部分に、第二開封用ハーフカット21b,21bと対応して第三開封用ハーフカット21c,21cを形成しておくことで開封することができる。この第三開封用ハーフカット21c,21cは、上記折り目部分の他、折り目部分より表面シート1側であって、側縁シール部5,6より外側又は側縁シール部5,6上に形成しておくこともできる。なお、図8(a)〜(c)のいずれの袋においても、背面シート2側の側縁シール部7,8(図3参照)を形成しても良い。
【0057】
次に、図1に示される包装袋の変形例について説明する。
【0058】
図9(a)に示される包装袋は、表面シート1の側縁シール部5側から剥離領域17の外層シート13(図3参照)を剥離することができるよう、剥離用ハーフカット16の始端と終端が表面シート1の側縁シール部5側の端縁に位置するU字形に形成されている。また、剥離用タブ18は側縁シール部5側に突出している。図9(b)に示される包装袋は、表面シート1だけでなく、背面シート2も易剥離性積層シートで構成されており、剥離用ハーフカット16、開孔用ハーフカット19及び剥離用タブ18が背面シート2側に設けられたものとなっている。また、背面シート2の延出部12側から剥離領域17の外層シートを剥離することができるよう、剥離用ハーフカット16の始端と終端が背面シート2の延出部12側の端縁に位置するU字形に形成されている。また、剥離用タブ18は延出部12側に突出している。このように、表面シート1と背面シート2の両者を易剥離性積層シートで構成し、第一開封用ハーフカット21a及び第二開封用ハーフカット21bを表面シート1に設け、剥離用ハーフカット16、開孔用ハーフカット19及び剥離用タブ18を背面シート2に設けるようにすると、第一開封用ハーフカット21a及び第二開封用ハーフカット21bと、剥離用ハーフカット16とが交差して干渉し合うことがないので、第一開封用ハーフカット21a及び第二開封用ハーフカット21bと、剥離用ハーフカット16とを自由な位置に形成することができる。なお、図において、背面シート2の内層シート側に設けられている開孔用ハーフカット19は一点鎖線で示し、背面シート2の外層シートに設けられている剥離用ハーフカット16は二点鎖線で示す。また、背面シート2の外層シートに区画されている剥離領域17を示す引出し線は二点鎖線とした。図9(c)に示される包装袋は、第二開封用ハーフカット21bでコ字形に囲まれた領域にまで延出した広い領域に剥離領域17が区画されている。このようにすると、多数の開孔用ハーフカット19を設けることができる。
【0059】
図1に示される包装袋はガゼット袋であるが、本発明に係る包装袋は、図10、図11に示されるように、平袋や自立型袋とすることもできる。
【0060】
図10に示される平袋は、側面シート3,4〔図1及び図2(b)参照〕を備えておらず、側縁シール部5’,6’と端縁シール部9’,10’が、全長に亘って、表面シート1と背面シート2の対応する側縁部同士を熱融着したものとなっている点以外は図1で説明したガゼット袋と同様である。図11に示される自立型袋は、やはり側面シート3,4〔図1及び図2(b)参照〕は備えていないが、底部端縁シール部10”a,10”b側に、二つ折りにして折り目を内側にして表面シート1と背面シート2の間に挟み込んだ底面シート28を備えたものとなっている。表面シート1及び背面シート2の袋の底側となる端縁部は、それぞれ、二つ折りされた底面シート28の一片との対向部分と底部端縁シール部10”a,10”bで熱融着されている。表面シート1と背面シート2の対応する側縁部同士及びこの両者間に挟まれた底面シート28が、側縁シール部5’,6’によってそれぞれ熱融着されている。また、上部端縁シール部9’は、平袋と同様に、表面シート1と背面シート2の対応する側縁部同士を熱融着したものとなっている。これらの点以外は図1で説明したガゼット袋と同様である。上記のような平袋や自立型袋である本発明に係る包装袋も、図7や図9で説明した変形例と同様な構成をとることができる。なお、図11に示す自立型袋は、図9(b)で説明した包装袋と同様に、剥離用ハーフカット16、開孔用ハーフカット19及び剥離用タブ18が背面シート2側に設けられたものとなっている。
【0061】
以上説明した包装袋は、第一開封用ハーフカット21a及び第二開封用ハーフカット21bにより大きく開封できるようになっているが、本発明の包装袋は、この第一開封用ハーフカット21a及び第二開封用ハーフカット21bを設けない形態をとることもできる。即ち、図1に示される包装袋の上部端縁シール部9と、両側縁シール部5,6の上部端縁シール部9に連なる側から長さ方向中間部まで又は両側縁シール部5,6の全長に亘って、引き剥がし可能な弱シール部とすることで、第一開封用ハーフカット21a及び第二開封用ハーフカット21bを設けた場合と同様の開封形態をとることができる。
【0062】
上記弱シール部は、不用意な破袋を防止できかつ手で容易に剥離することができる程度のシール強度のシール部であり、その他のシール部は、弱シール部の倍以上のシール強度を有していることが好ましい。具体的には、JIS K 6854−3に基づいて測定した剥離強度が、弱シール部では2〜15N、その他のシール部では30N以上であることが好ましい。
【0063】
上記弱シール部は、ロック&ピールシーラント材を用いることで容易に得ることができる。このロック&ピールシーラント材は、シール強度の温度依存性が大きなシーラント材で、低温シールでシール強度が弱く、高温シールでシール強度が高くなる。具体例としては、エンシュー化成工業株式会社製のロック&ピールフィルムを挙げることができる。本発明に係る包装袋を構成するシート材料のシーラント材としてロック&ピールシーラント材を用い、弱シール部とすべき領域のシール温度を低くすることで、所定の領域を弱シール部とすることができる。また、シーラント材として一般的なシーラント材を用いた場合、易剥離性テープを挟み込ませてシールを行うことで弱シール部を形成することもできる。
【0064】
本発明に係る包装袋は、例えばマッシュルームの水煮、コーンの水煮、茹でたウズラの卵、こんにゃくその他の食品包装として好適に用いることができるものである。
【符号の説明】
【0065】
1 平面シート(表面シート)
2 平面シート(背面シート)
3,4 側面シート
5,6,7,8 側縁シール部
5’,6’ 側縁シール部
5”,6” 側縁シール部
9 端縁シール部(上部端縁シール部)
9’ 端縁シール部(上部端縁シール部)
10 端縁シール部(底部端縁シール部)
10’ 端縁シール部(底部端縁シール部)
10”a,10”b 端縁シール部(底部端縁シール部)
11,12 延出部
13 外層シート
14 内層シート
14a シーラント層
14b 易剥離性樹脂層
15 剥離面
16 剥離用ハーフカット
17 剥離領域
18 剥離用タブ
19 開孔用ハーフカット
20 開孔
21a 第一開封用ハーフカット
21b 第二開封用ハーフカット
21c 第三開封用ハーフカット
22 外層シート
23 内層シート
24 剥離開始用ハーフカット
25,26 摘み部
27 背貼りシール部
28 底面シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ表裏面を構成する両平面シートのうちの少なくとも一方の平面シートの両側と両端にそれぞれ熱融着部である側縁シール部と端縁シール部が形成された袋において、
前記両平面シートのうちの少なくとも一方の平面シートが、外層シートと内層シートを剥離可能に積層した易剥離性積層シートで構成されており、
該一方の平面シートの外面側から、外層シートと内層シートの剥離時の剥離面に達する深さで形成された剥離用ハーフカットにより、前記外層シートを前記内層シートから剥離可能な剥離領域が区画されており、
該剥離領域内において、前記一方の平面シートの内面側から前記剥離時の剥離面に達する深さで1又は複数の開孔用ハーフカットが形成されており、
一方の端縁シール部が、同じ側の前記両平面シートの一方の端縁より内側に形成されていることで、前記両平面シートの一方の端縁がそれぞれ前記一方の端縁シール部の外側に延出した延出部を構成しており、
前記一方の平面シートには、内面側から前記剥離時の剥離面に達する深さで、前記一方の端縁シール部の外縁に沿って前記一方の平面シートの延出部を幅方向に横断する第一開封用ハーフカットと、前記一方の端縁シール部の内縁から前記両側縁シール部の内縁に沿って延びる第二開封用ハーフカットとが、前記剥離用ハーフカットと交差することなく形成されていることを特徴とする包装袋。
【請求項2】
それぞれ表裏面を構成する両平面シートの両側と両端にそれぞれ熱融着部である側縁シール部と端縁シール部が形成された袋において、
前記両平面シートが、外層シートと内層シートを剥離可能に積層した易剥離性積層シートで構成されており、
前記両平面シートのうちの一方の平面シート外面側から、外層シートと内層シートの剥離時の剥離面に達する深さで形成された剥離用ハーフカットにより、前記外層シートを前記内層シートから剥離可能な剥離領域が区画されており、
該剥離領域内において、前記一方の平面シートの内面側から前記剥離時の剥離面に達する深さで1又は複数の開孔用ハーフカットが形成されており、
一方の端縁シール部が、同じ側の前記両平面シートの一方の端縁より内側に形成されていることで、前記両平面シートの一方の端縁がそれぞれ前記一方の端縁シール部の外側に延出した延出部を構成しており、
前記両平面シートのうちの他方の平面シートには、内面側から前記剥離時の剥離面に達する深さで、前記一方の端縁シール部の外縁に沿って前記一方の平面シートの延出部を幅方向に横断する第一開封用ハーフカットと、前記一方の端縁シール部の内縁から前記両側縁シール部の内縁に沿って延びる第二開封用ハーフカットとが形成されていることを特徴とする包装袋。
【請求項3】
前記一方の端縁シール部の全部又は一部が、頂部が延出部の幅方向中央部に位置する、外方へ突出した山形に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の包装袋。
【請求項4】
前記一方の端縁シール部の山形に形成された部分のシール幅が、山形の頂部に向かって徐々に狭くなっていることを特徴とする請求項3に記載の包装袋。
【請求項5】
それぞれ表裏面を構成する両平面シートのうちの少なくとも一方の平面シートの両側と両端にそれぞれ熱融着部である側縁シール部と端縁シール部が形成された袋において、
前記両平面シートのうちの少なくとも一方の平面シートが、外層シートと内層シートを剥離可能に積層した易剥離性積層シートで構成されており、
該一方の平面シートの外面側から、外層シートと内層シートの剥離時の剥離面に達する深さで形成された剥離用ハーフカットにより、前記外層シートを前記内層シートから剥離可能な剥離領域が区画されており、
該剥離領域内において、前記一方の平面シートの内面側から前記剥離時の剥離面に達する深さで1又は複数の開孔用ハーフカットが形成されており、
一方の端縁シール部が、同じ側の前記両平面シートの一方の端縁より内側に形成されていることで、前記両平面シートの一方の端縁がそれぞれ前記一方の端縁シール部の外側に延出した延出部を構成しており、
前記一方の端縁シール部と、前記両側縁シール部の前記一方の端縁シール部に連なる側から中間部まで又は前記両側縁シール部の全長が、引き剥がし可能な弱シール部となっていることを特徴とする包装袋。
【請求項6】
前記両側縁シール部の全長が弱シール部となっていると共に、他方の端縁シール部も弱シール部となっていることを特徴とする請求項5に記載の包装袋。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−158351(P2012−158351A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−18305(P2011−18305)
【出願日】平成23年1月31日(2011.1.31)
【出願人】(000162113)共同印刷株式会社 (488)
【Fターム(参考)】