説明

包装装置

【課題】トレーを用いずに物品を包装することが可能な包装装置を得る。
【解決手段】包装装置1は、帯状フィルム50の第1部分501に物品100を載置した状態でフィルム50をX1方向に搬送するとともに、第1部分501より前方のフィルム50の第2部分502をX2方向に折り返す搬送ユニット14と、第1部分501と第2部分502とを縁部同士で封止することにより、第1部分501と第2部分502との間に物品100が収容された袋体40を形成する封止手段と、袋体40をフィルム50から切断するカッタ32と、を備える。封止手段は、フィルム50を上下から挟み込んだ状態で熱シールを行うことにより、第1部分501と第2部分502とを封止する上部シール部及び下部シール部と、熱シールに伴って上部シール部又は下部シール部に付着したフィルム50を、付着先の上部シール部又は下部シール部から引き剥がす分離手段と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
フィルムを緊張状態で保持し、トレー上に物品が載置された商品を下方からフィルムに押し当て、フィルムの周辺部をトレーの底面側に折り込むことによって、フィルムによる商品の包装を行うストレッチ包装機が、例えば下記特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−97309号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に開示されたストレッチ包装機によると、トレー上に物品が載置された商品がフィルムによって包装される。しかし、近年における消費者の環境意識の高まりにより、消費者からはゴミの排出量の削減が求められているため、トレーを用いない包装形態の実現が望まれる。また、トレーを用いない包装形態が実現されれば、トレーの購入及び管理に要するコストを削減できるとともに、トレーの保管場所を確保する必要もなくなるため、製造業者にとっても有益である。
【0005】
本発明はかかる事情に鑑みて成されたものであり、トレーを用いずに物品を包装することが可能な包装装置を得ることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係る包装装置は、帯状包材の第1部分に物品を載置した状態で当該包材を第1方向に搬送するとともに、前記第1方向に関して前記第1部分より前方の前記包材の第2部分を、前記物品を越えて前記第1方向とは逆の第2方向に折り返す包材搬送手段と、前記第1部分と前記第2部分とを縁部同士で封止することにより、前記第1部分と前記第2部分との間に前記物品が収容された袋体を形成する封止手段と、前記袋体を前記帯状包材から切断する切断手段と、を備え、前記封止手段は、前記包材を上下から挟み込んだ状態で熱シールを行うことにより、前記第1部分と前記第2部分とを封止する上部シール部及び下部シール部と、前記熱シールに伴って前記上部シール部又は前記下部シール部に付着した前記包材を、付着先の前記上部シール部又は前記下部シール部から引き剥がす分離手段と、を有することを特徴とするものである。
【0007】
第1の態様に係る包装装置によれば、包材搬送手段は、帯状包材の第1部分に物品を載置した状態で当該包材を第1方向に搬送するとともに、第1方向に関して第1部分より前方の包材の第2部分を、物品を越えて第1方向とは逆の第2方向に折り返す。また、封止手段は、第1部分と第2部分とを縁部同士で封止することにより、第1部分と第2部分との間に物品が収容された袋体を形成し、切断手段は、袋体を帯状包材から切断する。従って、第1の態様に係る包装装置によれば、トレーを用いずに物品を包装することが可能となる。その結果、消費者においては、ゴミの排出量を削減でき、また、製造業者においては、トレーの購入及び管理に要するコストを削減できるとともに、トレーの保管場所を確保する必要がなくなる。しかも、分離手段は、熱シールに伴って上部シール部又は下部シール部に付着した包材を、付着先の上部シール部又は下部シール部から引き剥がす。従って、包材が上部シール部又は下部シール部に付着することによって封止部からの袋体の排出がスムーズに行われない事態を、予め回避することができる。
【0008】
本発明の第2の態様に係る包装装置は、第1の態様に係る包装装置において特に、前記封止手段は、前記熱シールを行う際に前記袋体を上下から挟み込んで保持する保持手段をさらに有し、前記分離手段は、前記保持手段によって前記袋体が保持された状態で、当該袋体と、付着先の前記上部シール部又は前記下部シール部とを相対的に移動させて両者を遠ざけることにより、前記上部シール部又は前記下部シール部に付着した前記包材を引き剥がすことを特徴とするものである。
【0009】
第2の態様に係る包装装置によれば、分離手段は、保持手段によって袋体が保持された状態で、当該袋体と、付着先の上部シール部又は下部シール部とを相対的に移動させて両者を遠ざけることにより、上部シール部又は下部シール部に付着した包材を引き剥がす。これにより、上部シール部又は下部シール部に付着した包材を簡易に引き剥がすことが可能となる。また、付着部分の近傍で加圧手段によって包材を加圧することで包材を引き剥がす場合と比較すると、加圧手段の配設が不要となるため、装置構成の簡略化を図ることができる。
【0010】
本発明の第3の態様に係る包装装置は、第1の態様に係る包装装置において特に、前記分離手段は、前記包材と前記上部シール部又は前記下部シール部との付着部分の近傍で、付着先の前記上部シール部又は前記下部シール部から前記包材を引き剥がす方向に当該包材を加圧する加圧手段を含むことを特徴とするものである。
【0011】
第3の態様に係る包装装置によれば、加圧手段は、包材と上部シール部又は下部シール部との付着部分の近傍で、付着先の上部シール部又は下部シール部から包材を引き剥がす方向に当該包材を加圧する。加圧手段による加圧によって、上部シール部又は下部シール部に付着した包材を、付着先の上部シール部又は下部シール部から容易に引き剥がすことができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、トレーを用いずに物品を包装することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態に係る包装装置の全体構造を示す斜視図である。
【図2】包装装置における各処理部のレイアウトを模式的に示す図である。
【図3】図2に示した各処理部の構成を模式的に示す図である。
【図4】フィルム引き込みユニットの構造を示す正面図である。
【図5】フィルム引き込みユニットの構造を示す側面図である。
【図6】封止部による物品の包装動作を工程順に示す図である。
【図7】封止部による物品の包装動作を工程順に示す図である。
【図8】封止部による物品の包装動作を工程順に示す図である。
【図9】封止部による物品の包装動作を工程順に示す図である。
【図10】封止部による物品の包装動作を工程順に示す図である。
【図11】封止部による物品の包装動作を工程順に示す図である。
【図12】封止部による物品の包装動作を工程順に示す図である。
【図13】封止部による物品の包装動作を工程順に示す図である。
【図14】封止部による物品の包装動作を工程順に示す図である。
【図15】封止部による物品の包装動作を工程順に示す図である。
【図16】封止部による物品の包装動作を工程順に示す図である。
【図17】フィルムの状態を模式的に示す斜視図である。
【図18】フィルムの封止箇所を模式的に示す図である。
【図19】制御部が有する機能の一部を示すブロック図である。
【図20】分離手段の第1の変形例を示す図である。
【図21】分離手段の第1の変形例を示す図である。
【図22】分離手段の第1の変形例を示す図である。
【図23】分離手段の第2の変形例を示す図である。
【図24】分離手段の第2の変形例を示す図である。
【図25】分離手段の第2の変形例を示す図である。
【図26】分離手段の第2の変形例を示す図である。
【図27】分離手段の第3の変形例を示す図である。
【図28】分離手段の第3の変形例を示す図である。
【図29】分離手段の第3の変形例を示す図である。
【図30】フィルムを切断するためのカッタユニットの構造を示す図である。
【図31】フィルムを切断するためのカッタユニットの構造を示す図である。
【図32】フィルムを切断するためのカッタユニットの構造を示す図である。
【図33】カッタによるフィルムの切断動作を工程順に示す図である。
【図34】カッタによるフィルムの切断動作を工程順に示す図である。
【図35】カッタによるフィルムの切断動作を工程順に示す図である。
【図36】噛み込み検知手段の第1の変形例を示す図である。
【図37】噛み込み検知手段の第1の変形例を示す図である。
【図38】噛み込み検知手段の第1の変形例を示す図である。
【図39】噛み込み検知手段の第2の変形例を示す図である。
【図40】噛み込み検知手段の第2の変形例を示す図である。
【図41】カッタの刃の様々な形状を示す図である。
【図42】包装装置の外観の一部を模式的に示す図である。
【図43】凹部内に配置されているフォトセンサを示す図である。
【図44】凹部内に配置されているフォトセンサを示す図である。
【図45】フィルムの一部を示す図である。
【図46】包装装置の外観の一部を模式的に示す図である。
【図47】フィルム供給ロールの収容エリアを模式的に示す図である。
【図48】継ぎ目検出手段による継ぎ目テープの検出処理を示す図である。
【図49】継ぎ目検出手段による継ぎ目テープの検出処理を示す図である。
【図50】下部シールユニットが有するシール部の構成を模式的に示す上面図である。
【図51】下部シールユニットを用いた連包動作を工程順に示す図である。
【図52】下部シールユニットを用いた連包動作を工程順に示す図である。
【図53】下部シールユニットを用いた連包動作を工程順に示す図である。
【図54】下部シールユニットを用いた連包動作を工程順に示す図である。
【図55】下部シールユニットを用いた連包動作を工程順に示す図である。
【図56】下部シールユニットが有するシール部の構成を模式的に示す上面図である。
【図57】下部シールユニットを用いた連包動作を示す図である。
【図58】下部シールユニットを用いた連包動作を示す図である。
【図59】下部シールユニットが有するシール部の構成を模式的に示す上面図である。
【図60】下部シールユニットを用いた連包動作を示す図である。
【図61】下部シールユニットを用いた連包動作を示す図である。
【図62】下部シールユニットが有するシール部の構成を模式的に示す上面図である。
【図63】下部シールユニットを用いた連包動作を工程順に示す図である。
【図64】下部シールユニットを用いた連包動作を工程順に示す図である。
【図65】下部シールユニットを用いた連包動作を工程順に示す図である。
【図66】下部シールユニットを用いた連包動作を工程順に示す図である。
【図67】下部シールユニットを用いた連包動作を工程順に示す図である。
【図68】下部シールユニットが有するシール部の構成を模式的に示す上面図である。
【図69】下部シールユニットを用いた連包動作を示す図である。
【図70】下部シールユニットを用いた連包動作を示す図である。
【図71】下部シールユニットを用いた連包動作を示す図である。
【図72】シール部の周辺の構造を示す図である。
【図73】袋体の外観を示す図である。
【図74】パンチ穴の形成箇所を拡大して示す図である。
【図75】複数の袋体をストックする様子を示す図である。
【図76】複数の袋体から成る連包体の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、異なる図面において同一の符号を付した要素は、同一又は相応する要素を示すものとする。
【0015】
図1は、本発明の実施の形態に係る包装装置1の全体構造を示す斜視図である。図1では、装置筐体のカバーを取り外した状態で包装装置1の構造を示している。包装装置1は、例えばスーパーマーケットのバックヤード等に設置され、1台の装置によって物品の包装、計量、及び値付けの各処理を行うものである。但し、計量処理及び値付け処理はオプションであり、必ずしもこれらの処理を行う機能が搭載されている必要はない。処理対象となる物品は、例えば、肉、魚、野菜等の食品である。装置筐体の正面(図中のX1方向から眺めた面)には、表示部60、操作部61、及びラベルプリンタ62が配置されている。表示部60には、各種設定情報、物品の計量結果、及び計量値に応じた値付け情報等が表示される。操作部61はテンキーや操作スイッチ等を備えており、作業者は操作部61を操作することによって各種設定情報を入力することができる。ラベルプリンタ62からは、物品の計量値や値付け情報等が記されたラベルが、物品毎に出力される。
【0016】
図2は、包装装置1における各処理部のレイアウトを模式的に示す図である。包装装置1は、載置部2と、載置部2の奥に配置された封止部3と、封止部3の横に配置された計量部4と、計量部4の手前に配置された排出部5とを有している。また、載置部2と封止部3との間には、引き込み部6が配置されている。載置部2では、処理対象である物品が作業者によってフィルム上に載置される。載置部2で載置された物品は、矢印L1で示すように図中のX1方向に沿ってフィルムごと封止部3に搬送される。封止部3では、フィルムを用いて物品の包装が行われる。引き込み部6は、フィルムを下方に引き込むことによって所定量のフィルムをストックする。封止部3による包装後の物品は、矢印L2で示すように図中のY方向に沿って計量部4に搬送される。計量部4では、物品の計量が行われる。物品は、矢印L3で示すように図中のX2方向に沿って搬送され、排出部5から排出される。載置部2と排出部5とは、装置筐体のほぼ同じ高さで横に並んで配置されている。
【0017】
図3は、図2に示した各処理部の構成を模式的に示す図である。載置部2は、載置台10及びグリップローラ11Cを有している。封止部3は、搬送ユニット14、シール部15L,16L,17L、及びシール高さ調整ユニット18を有している。シール高さ調整ユニット18はベルトコンベアとしての機能を有しており、矢印M1で示すように図中のY方向に物品を搬送する。なお、封止部3と計量部4との間には、複数のローラ19が並んで配置されている。計量部4は、ベルトコンベア20を有しており、矢印M2で示すように図中のX2方向に物品を搬送しながら、ロードセル等の計量手段によって物品の重量を計量する。排出部5は、複数のローラが並んだ排出台21を有している。また、引き込み部6は、ローラ13A,13Bと、ローラ13A,13B間に配置されたフィルム引き込みユニット12とを有している。図1に示したように、載置台10と排出台21とは、装置筐体のほぼ同じ高さで横に並んで配置されている。
【0018】
図4及び図5は、フィルム引き込みユニット12の構造を示す正面図及び側面図である。図4,5に示すように、フィルム引き込みユニット12は、ローラ12U,12Lと一対の側板12Sとを有している。ローラ12Uは一対の側板12の上端部間に取り付けられており、ローラ12Lは一対の側板12の下端部間に取り付けられている。これにより、ローラ12U,12L間には、物品100が通過可能な空間が設けられている。なお、搬送ユニット14も同様に、一対の側板の上端部間及び下端部間にローラ14U,14Lがそれぞれ取り付けられた構造を有している。
【0019】
図6〜16は、封止部3による物品の包装動作を工程順に示す図である。封止部3は、上部シールユニット70U及び下部シールユニット70Lを有している。上部シールユニット70Uは、シール部15U,16U,17U、カッタ32、ローラ31、及びスポンジ等の押さえ部材25を有している。シール部15U,16U,17Uは、図3に示したシール部15L,16L,17Lにそれぞれ対応して設けられている。カッタ32は、シール部15U,16U間の隙間において、シール部15U,16Uに平行に設けられている。上部シールユニット70Uは、図示しない駆動機構によって上下方向(図中のZ1方向及びZ2方向)に駆動自在である。また、シール高さ調整ユニット18は図示しない駆動機構によって上下方向に駆動自在であり、フィルム引き込みユニット12も図示しない駆動機構によって上下方向に駆動自在である。さらに、搬送ユニット14は、図示しない駆動機構によって前後方向(図中のX1方向及びX2方向)に駆動自在である。
【0020】
図6に示した待機状態では、フィルム引き込みユニット12は下方に駆動されており、搬送ユニット14は前方(つまり装置筐体の正面から眺めて手前)に駆動されている。包材である帯状の透明フィルム50は、図中の太い破線で示すように、フィルム供給ロール30→テンションローラ11A→シャフト11B→グリップローラ11C→載置台10の上面→ローラ13A→ローラ12U→ローラ13B→ローラ14L→ローラ14U→ローラ33→フィルム回収ロール34の順に当接する経路で架け渡されている。
【0021】
次に図7を参照して、作業者は、載置台10上において、処理対象である物品100をフィルム50上に載置する。本実施の形態に係る包装装置1では、トレーを用いることなく、物品100をフィルム50上に直接載置することが可能である。但し、必ずしもトレーの使用を禁止する意図ではなく、物品が載置されたトレーを載置台10上に載置することも可能である。
【0022】
次に図8を参照して、ローラ12Lがローラ13A,13Bに同一平面内で並ぶ位置まで、フィルム引き込みユニット12が上方に駆動される。これに連動して、搬送ユニット14が後方(つまり装置筐体の正面から眺めて奥)に駆動される。搬送ユニット14は、上部シールユニット70Uと下部シールユニット70Lとの間の空間を奥に向かって進行する。この時、フィルム回収ロール34は回転が停止されており、フィルム供給ロール30は必要量だけフィルム50を供給する。これにより、搬送ユニット14が進行することによってフィルム50が搬送され、それに伴って、フィルム50上に載置されている物品100は、載置台10上から、ローラ12U,12L間の空間を通って、シール高さ調整ユニット18上に搬送される。
【0023】
次に図9を参照して、フィルム引き込みユニット12が下方に駆動される。この時、フィルム回収ロール34は回転が停止されており、フィルム供給ロール30は必要量だけフィルム50を供給する。これにより、次回の包装処理で使用されるフィルム50の一部が引き込み部6にストックされる。
【0024】
次に図10を参照して、物品100の厚みに応じた所定量だけ、シール高さ調整ユニット18が下方に駆動される。シール高さ調整ユニット18は、シール部15L,16L,17Lの上面の高さと、厚み方向に関する物品100の中央の高さとがほぼ等しくなる位置まで、下方に駆動される。但し、物品100とシール部15L,16L,17Lとの相対位置を調整できれば良いので、シール高さ調整ユニット18を下方に駆動する代わりに、下部シールユニット70Lを上方に駆動しても良い。
【0025】
次に図11,12を参照して、物品100との接触を回避し得る所定の姿勢及び軌道で、搬送ユニット14が前方に駆動される。これにより、搬送ユニット14は、上部シールユニット70Uと下部シールユニット70Lとの間の空間から排出され、図6に示した初期位置に戻る。図17は、フィルム50の状態を模式的に示す斜視図である。これまでの搬送ユニット14の一連の動作により、フィルム50は、物品100が載置されている第1部分501よりも前方(図中のX1方向に関する前方)の第2部分502が、物品100を越えて図中のX2方向に折り返された格好となる。
【0026】
次に図13を参照して、上部シールユニット70Uが下方に駆動されることにより、シール部15U,16U,17Uとシール部15L,16L,17Lとによって上下からフィルム50を挟み込む。そして、シール部15L,16L,17Lが有するヒータを用いた熱圧着によって、第1部分501及び第2部分502の縁部同士を封止する。これにより、第1部分501と第2部分502との間に物品100が収容された袋体40が形成される。その際、物品100が収容された袋体40は、押さえ部材25の底面とシール高さ調整ユニット18の上面とによって上下から挟み込まれて保持される。つまり、押さえ部材25及びシール高さ調整ユニット18は、熱シールを行う際に袋体40を上下から挟み込んで保持する保持手段として機能する。
【0027】
図18は、フィルム50の封止箇所を模式的に示す図である。シール部17U,17Lによって側辺部分のエリアAR1が封止され、シール部16U,16Lによって口部分のエリアAR2が封止される。これにより、袋体40が形成される。なお、必ずしも袋体40の三方を封止する必要はなく、例えばエリアAR2の封止を保留して側辺部分のみの二方の封止としても良い。この場合、袋体40の口部分が開封しているため、作業者は、袋体40が包装装置1から排出された後に調味料の小袋等を袋体40内に投入することができる。
【0028】
また、エリアAR2の近傍のラインNに沿って、カッタ32によってフィルム50が切断される。これとともに、切断によって分離されたフィルム50同士を接合するために、ラインNの近傍のエリアAR3がシール部15U,15Lによって封止される。これにより、切断によって一旦分離されたフィルム50が、接合箇所41において再び結合される。
【0029】
次に図14を参照して、押さえ部材25及びシール高さ調整ユニット18によって袋体40を上下から挟み込んだ状態で(つまり保持手段が袋体40を保持した状態で)、上部シールユニット70U及びシール高さ調整ユニット18が上方に駆動される。これにより、熱シールに伴って袋体40の縁部のフィルム50がシール部16L,17Lに付着していた場合であっても、袋体40が保持手段によって保持されつつシール部16L,17Lから遠ざけられることにより、フィルム50がシール部16L,17Lから引き剥がされる。つまり、上部シールユニット70U(特に押さえ部材25)及びシール高さ調整ユニット18は、シール部16L,17Lに付着したフィルム50を引き剥がす分離手段として機能する。
【0030】
次に図15を参照して、上部シールユニット70Uが上方に駆動されることにより、図6に示した初期位置に戻る。
【0031】
次に図16を参照して、シール高さ調整ユニット18のベルトコンベアが駆動されることにより、袋体40は、シール高さ調整ユニット18上から、シール部17Lを飛び越えて、ローラ19を介して計量部4のベルトコンベア20上に搬送される。また、フィルム回収ロール34が駆動されて所定量だけフィルム50を巻き取ることにより、フィルム50の接合箇所41が回収される。その後、シール高さ調整ユニット18が下方に駆動されることにより、図6に示した初期位置に戻る。これにより、次回の包装動作の待機状態となる。
【0032】
図19は、包装装置1に搭載されている制御部が有する機能の一部を示すブロック図である。制御部は、設定部45と記憶部46とを有している。作業者は、図1に示した操作部61を用いて、フィルム50の長手方向に関する袋体40の大きさ(つまり袋丈)と、物品100の厚みとを入力する。袋丈の入力値はデータS1として設定部45に入力され、物品100の厚みの入力値はデータS2として設定部45に入力される。
【0033】
設定部45は、データS1に基づいて、フィルム引き込みユニット12によるフィルム50の引き込み量(つまり、図8に示した位置から図9に示した位置へのフィルム引き込みユニット12の変位量)と、搬送ユニット14によるフィルム50の搬送量(つまり、図7に示した位置から図8に示した位置への搬送ユニット14の変位量)とを設定する。袋丈が大きいほどこれらの引き込み量及び搬送量は大きくなり、袋丈が小さいほどこれらの引き込み量及び搬送量は小さくなる。具体的には、様々な袋丈と、各袋丈に対応する引き込み量及び搬送量の各適正値との関係が記述されたデータテーブルを記憶部46に予め記憶しておき、設定部45は、データS1で表される袋丈に対応する引き込み量及び搬送量を、記憶部46から読み出す。制御部45は、設定した引き込み量に関するデータS3を、フィルム引き込みユニット12の駆動部に入力する。また、制御部45は、設定した搬送量に関するデータS4を、搬送ユニット14の駆動部に入力する。
【0034】
また、設定部45は、データS2に基づいて、シール高さ調整ユニット18の駆動量(つまり、図9に示した位置から図10に示した位置へのシール高さ調整ユニット18の変位量)を設定する。設定部45は、シール高さ調整ユニット18の駆動量を、データS2で表される物品100の厚みの半分の値に設定する。制御部45は、設定した駆動量に関するデータS5を、シール高さ調整ユニット18の駆動部に入力する。
【0035】
このように本実施の形態に係る包装装置1によれば、搬送ユニット14は、フィルム50の第1部分501に物品100を載置した状態でフィルム50をX1方向に搬送するとともに、X1方向に関して第1部分501より前方のフィルム50の第2部分502を、物品100を越えてX1方向とは逆のX2方向に折り返す。また、シール部16U,16L,17U,17Lは、第1部分501と第2部分502とを縁部同士で封止することにより、第1部分501と第2部分502との間に物品100が収容された袋体40を形成し、カッタ32は、袋体40をフィルム50から切断する。従って、本実施の形態に係る包装装置1によれば、トレーを用いずに物品100を包装することが可能となる。その結果、消費者においては、ゴミの排出量を削減でき、また、製造業者においては、トレーの購入及び管理に要するコストを削減できるとともに、トレーの保管場所を確保する必要がなくなる。
【0036】
また、シール部16U,16Lによる袋体40の口部分の封止は、物品100の搬送方向(X1方向)に対して物品100よりも後方で行われる。従って、搬送に伴う慣性に起因して搬送停止後に物品100がフィルム50上をX1方向に進行したとしても、物品100は口部分の封止箇所から遠ざかるため、当該封止箇所において物品100の噛み込みが生じる可能性を低減することが可能となる。
【0037】
さらに、ピロー包装機と比較すると、フィルムを筒状に成形するためのフォーマが不要となるため、装置の小型化を図ることが可能となる。
【0038】
しかも、分離手段としての上部シールユニット70U及びシール高さ調整ユニット18は、熱シールに伴ってシール部16L,17Lに付着したフィルム50を、付着先のシール部16L,17Lから引き剥がす。従って、フィルム50がシール部16L,17Lに付着することによって封止部3からの袋体40の排出がスムーズに行われない事態を、予め回避することができる。
【0039】
<分離手段の第1の変形例>
上記実施の形態では、下部のシール部15L,16L,17Lがヒータを有する例について述べたが、シール部15L,16L,17Lではなく上部のシール部15U,16U,17Uがヒータを有していてもよい。
【0040】
図20〜22は、分離手段の第1の変形例を示す図である。図20を参照して、図12の状態から上部シールユニット70Uが下方に駆動されることにより、シール部15U,16U,17Uとシール部15L,16L,17Lとによって上下からフィルム50を挟み込む。そして、シール部15U,16U,17Uが有するヒータを用いた熱圧着によって、第1部分501及び第2部分502の縁部同士を封止する。これにより、第1部分501と第2部分502との間に物品100が収容された袋体40が形成される。その際、物品100が収容された袋体40は、押さえ部材25の底面とシール高さ調整ユニット18の上面とによって上下から挟み込まれて保持される。
【0041】
次に図21を参照して、押さえ部材25及びシール高さ調整ユニット18によって袋体40を上下から挟み込んだ状態で(つまり保持手段が袋体40を保持した状態で)、押さえ部材25を除く上部シールユニット70Uが上方に駆動される。これにより、熱シールに伴って袋体40の縁部のフィルム50がシール部16U,17Uに付着していた場合であっても、保持手段によって保持された袋体40からシール部16U,17Uが遠ざかることにより、フィルム50がシール部16U,17Uから引き剥がされる。
【0042】
次に図22を参照して、押さえ部材25が上方に駆動されることにより、図6に示した初期位置に戻る。
【0043】
<分離手段の第2の変形例>
上記実施の形態では、保持手段によって袋体40を保持した状態で袋体40からシール部16L,17Lを遠ざけることにより、シール部16L,17Lに付着したフィルム50を引き剥がす例について述べたが、これとは異なる手法によってフィルム50を引き剥がすこともできる。
【0044】
図23〜26は、分離手段の第2の変形例を示す図である。図23を参照して、シール部16L,17Lとシール高さ調整ユニット18との隙間に、当該隙間の形状に沿って延在するコの字形の加圧部材101が配置されている。加圧部材101は、図示しない駆動機構によって上下方向に駆動自在である。
【0045】
図24を参照して、図12の状態から上部シールユニット70Uが下方に駆動されることにより、シール部15U,16U,17Uとシール部15L,16L,17Lとによって上下からフィルム50を挟み込む。そして、シール部15L,16L,17Lが有するヒータを用いた熱圧着によって、第1部分501及び第2部分502の縁部同士を封止する。これにより、第1部分501と第2部分502との間に物品100が収容された袋体40が形成される。その際、物品100が収容された袋体40は、押さえ部材25(図24〜26では図示を省略した)の底面とシール高さ調整ユニット18の上面とによって上下から挟み込まれて保持される。
【0046】
次に図25を参照して、上部シールユニット70Uが上方に駆動されることにより、図6に示した初期位置に戻る。なお、この際、押さえ部材25の上方駆動を保留することにより、保持手段によって袋体40が保持された状態を維持してもよい。
【0047】
次に図26を参照して、加圧部材101が所定量だけ上方に駆動される。これにより、熱シールに伴って袋体40の縁部のフィルム50がシール部16L,17Lに付着していた場合であっても、フィルム50とシール部16L,17Lとの付着部分の近傍において、シール部16L,17Lからフィルム50を引き剥がす方向(この例では上方)に、加圧部材101によってフィルム50が加圧される。その結果、シール部16L,17Lに付着していたフィルム50がシール部16L,17Lから引き剥がされる。なお、加圧部材101による加圧に起因するフィルム50の損傷を防止すべく、加圧部材101の頂部は丸みを帯びた形状となっている。その後、押さえ部材101が下方に駆動されることにより、図24に示した初期位置に戻る。
【0048】
<分離手段の第3の変形例>
上記第2の変形例では、下部のシール部15L,16L,17Lがヒータを有する例について述べたが、シール部15L,16L,17Lではなく上部のシール部15U,16U,17Uがヒータを有していてもよい。
【0049】
図27〜29は、分離手段の第3の変形例を示す図である。シール部16L,17Lとシール高さ調整ユニット18との隙間の上方に、図23と同様に当該隙間の形状に沿って延在するコの字形の加圧部材101が配置されている。加圧部材101は、図示しない駆動機構によって上下方向に駆動自在である。
【0050】
図27を参照して、図12の状態から上部シールユニット70Uが下方に駆動されることにより、シール部15U,16U,17Uとシール部15L,16L,17Lとによって上下からフィルム50を挟み込む。そして、シール部15U,16U,17Uが有するヒータを用いた熱圧着によって、第1部分501及び第2部分502の縁部同士を封止する。これにより、第1部分501と第2部分502との間に物品100が収容された袋体40が形成される。その際、物品100が収容された袋体40は、押さえ部材25(図27〜29では図示を省略した)の底面とシール高さ調整ユニット18の上面とによって上下から挟み込まれて保持される。
【0051】
次に図28を参照して、押さえ部材101を除く上部シールユニット70Uが上方に駆動されることにより、図6に示した初期位置に戻る。これにより、熱シールに伴って袋体40の縁部のフィルム50がシール部16U,17Uに付着していた場合であっても、フィルム50とシール部16U,17Uとの付着部分の近傍において、シール部16U,17Uからフィルム50を引き剥がす方向(この例では下方)に、加圧部材101によってフィルム50が加圧される。その結果、シール部16U,17Uに付着していたフィルム50がシール部16U,17Uから引き剥がされる。
【0052】
次に図29を参照して、押さえ部材101が上方に駆動されることにより、初期位置に戻る。
【0053】
<物品の噛み込み検知手段>
ここでは、カッタ32によってフィルム50を切断する際の物品100の噛み込み検知手段について説明する。
【0054】
図30〜32は、フィルム50を切断するためのカッタユニットの構造を示す図である。図30,31を参照して、シール部16Lとシール部15Lとの間に、受け部材105が配置されている。受け部材105の上面には、カッタ32の刃の先端が受け部材105に接触しないように、凹部106が形成されている。また、凹部106の形成箇所に対応して、受け部材105の左右には、投光部107と受光部108とを有するフォトセンサが配置されている。但し、受け部材105の左右の一方側に投光部107及び受光部108を配置し、左右の他方側に反射板を配置することで、反射型のフォトセンサとして構成してもよい。図32を参照して、受け部材105の上方には、カッタ32を支持するための支持部材110が配置されている。支持部材110には貫通溝111が形成されており、カッタ32は貫通溝111内に配置されている。
【0055】
図33〜35は、カッタ32によるフィルム50の切断動作を工程順に示す図である。図33を参照して、物品100を封止部3に向けて搬送する際には、物品100の搬送の妨げにならないように、支持部材110及びカッタ32は上方(図6に示した初期位置)に配置されている。また、支持部材110の底部には、フィルム50を押さえ付けるためのスポンジ又はゴム等の押さえ部材113が接着されている。
【0056】
次に図34を参照して、押さえ部材113がフィルム50に接触する位置まで、支持部材110及びカッタ32が下方に駆動される。これにより、押さえ部材113によって上方からフィルム50が押さえ付けられる。
【0057】
次に図35を参照して、刃の先端が凹部106内に進入する位置まで、カッタ32が下方に駆動される。これにより、カッタ32によってフィルム50が切断される。
【0058】
図33〜35に示したカッタ32によるフィルム50の切断動作において、封止部3に向けての物品100の搬送量が不足した場合には、受け部材105上に物品100が位置することとなり、カッタ32によるフィルム50の切断不良が生じ得る。また、物品100のかけら等の異物が受け部材105上に存在する場合にも、同様に切断不良が生じ得る。
【0059】
そこで、支持部材110及びカッタ32を下方駆動する工程(図34,13)の直前、又は、搬送ユニット14を封止部3から排出する工程(図11)の直前において、図30,31に示したフォトセンサによって、受け部材105上に物品100(又はそのかけら等の異物。以下同様)が存在しているか否かの検出を行う。
【0060】
受け部材105上に物品100が存在していない場合には、投光部107から出射された光は受光部108によって受光される。受光部108が光を受光した場合には、カッタ32によるフィルム50の切断処理を、通常通りに実行する。
【0061】
一方、受け部材105上に物品100が存在している場合には、投光部107から出射された光は物品100によって遮られるため、受光部108は光を受光しない。受光部108が光を受光しない場合には、カッタ32によるフィルム50の切断処理を実行せず、表示部60(図1参照)への表示又はアラーム音の出力等によるエラー報知を行う。あるいは、搬送ユニット14によって物品100をX1方向に追加で搬送することにより、受け部材105上の物品100を封止部3に送る。
【0062】
なお、搬送ユニット14によって物品100を搬送する際に、受け部材105上を通過する物品100をフォトセンサによって検出することもできる。具体的には、搬送ユニット14による物品100の搬送を開始した後、受光部108が投光部107からの光を受光している状態から、受光しない状態に遷移したことにより、物品100の先端が受け部材105上に差し掛かったことを検出することができる。その後、受光部108が光を受光しない状態から、受光する状態に遷移したことにより、物品100の後端が受け部材105上を通過したことを検出することができる。また、X方向に関する物品100の長さを予め登録しておき、物品100の長さを搬送ユニット14の搬送速度で除算することによって通過所要時間の既定値を算出し、その既定値を超えてもなお受光部108が光を受光する状態に遷移しない場合には、上記の通りエラー報知を行い、あるいは、物品100の追加搬送を行うこともできる。この場合、投光部107及び受光部108を有するフォトセンサは、受け部材105上ではなく、例えばシール部16L上に配置してもよい。これにより、物品100の噛み込みに起因するシール不良を予め回避することができる。
【0063】
このように、物品100の噛み込み検知手段を設けることで、カッタ32によるフィルム50の切断不良が生じることを予め回避することが可能となる。
【0064】
<噛み込み検知手段の第1の変形例>
図36〜38は、噛み込み検知手段の第1の変形例を示す図である。図36に示すように、支持部材110の上面の四隅には、支持部材110の歪みを検出するための歪みゲージ等の圧力センサ115が固定されている。
【0065】
図37を参照して、受け部材105上に物品100が存在していない場合は、支持部材110は受け部材105の上面に均一に当接するため、圧力センサ115は支持部材110の歪みを検出しない。圧力センサ115が支持部材110の歪みを検出しない場合には、カッタ32によるフィルム50の切断処理を、通常通りに実行する。
【0066】
一方、図38を参照して、受け部材105上に物品100が存在している場合は、支持部材110に加わる圧力の分布が不均一となり、支持部材110が僅かに変形するため、圧力センサ115は支持部材110の歪みを検出する。圧力センサ115が支持部材110の歪みを検出した場合には、カッタ32によるフィルム50の切断処理を実行せず、表示部60(図1参照)への表示又はアラーム音の出力等によるエラー報知を行う。
【0067】
<噛み込み検知手段の第2の変形例>
図39,40は、噛み込み検知手段の第2の変形例を示す図である。支持部材110の上面には、光を透過しない遮蔽板126が固定されている。また、遮蔽板126の僅かに上方には、投光部124及び受光部125を有するフォトセンサが配置されている。投光部124及び受光部125は、遮蔽板126の上方を挟んで対峙している。フォトセンサは、取り付け部材123によって支持部材120の底面に取り付けられている。また、支持部材120は、スプリング121及び支持部材122を介して支持部材110に取り付けられている。これらの構造は、例えば、図36に示した圧力センサ115と同様に、支持部材110の上面の四隅に配置されている。フィルム50を切断するためにカッタユニットを下方に駆動する際には、支持部材120と受け部材105との上下方向の間隔が所定値となるまで、カッタユニットが駆動される。
【0068】
図39を参照して、受け部材105上に物品100が存在していない場合は、投光部124から出射された光は受光部125によって受光される。全ての受光部125が光を受光した場合には、カッタ32によるフィルム50の切断処理を、通常通りに実行する。
【0069】
一方、図40を参照して、受け部材105上に物品100が存在している場合は、投光部124から出射された光は遮光板126によって遮られるため、受光部125は光を受光しない。いずれかの受光部125が光を受光しない場合には、カッタ32によるフィルム50の切断処理を実行せず、表示部60(図1参照)への表示又はアラーム音の出力等によるエラー報知を行う。
【0070】
<カッタの刃の形状>
図41は、カッタ32の刃の様々な形状を示す図である。カッタ32の刃の形状としては、(A)に示すように傾斜していない平刃、(B)に示すように傾斜していない鋸刃、(C)に示すように傾斜した平刃、(D)に示すように傾斜した鋸刃、(E)に示すように山型の平刃、又は(F)に示すように山型の鋸刃等を採用することができる。
【0071】
図41の(B)〜(F)に示した形状のカッタ32を採用することにより、(A)に示した形状のカッタ32を用いた場合と比較して、フィルム50を容易に切断することができる。その結果、カッタ32によるフィルム50の切断不良を回避することが可能となる。
【0072】
<包装動作の開始処理>
図42は、包装装置1の外観の一部を模式的に示す図である。フィルム回収ロール34を覆うカバーの傾斜部の左右両端部に、一対の凹部130L,130Rが設けられている。凹部130L,130Rの大きさは、作業者が手の指先を非接触で挿入可能な程度の大きさに設定されている。
【0073】
図43,44は、凹部130L,130R内に配置されているフォトセンサを示す図である。凹部130L,130R内には、投光部131及び受光部132を有するフォトセンサがそれぞれ配置されている。
【0074】
図43に示すように、投光部131と受光部132との間に遮蔽物が存在しない場合は、投光部131から出射された光は受光部132によって受光される。
【0075】
図44に示すように、作業者は、載置台10上への物品100の載置を完了した後、左手の例えば人差し指の指先を凹部130L内に挿入し、それと同時に、右手の例えば人差し指の指先を凹部130R内に挿入する。これにより、凹部130L内に配置されているフォトセンサ及び凹部130R内に配置されているフォトセンサの双方において、作業者の指先が遮蔽物となって、受光部132は投光部131から出射された光を受光しない。双方の受光部132が光を受光しないことにより、包装動作が開始される。
【0076】
プッシュ式のスタートスイッチを押下することで包装動作の開始を指示する場合には、生肉や生魚等の食品を扱う場合に作業者の手が汚れ、その結果、スタートスイッチも汚れる可能性がある。そこで、図44に示したように非接触のフォトセンサを用いて包装動作の開始を指示する構成とすることで、スタートスイッチが汚れるという問題を解決することができる。
【0077】
また、左右のフォトセンサの双方において受光部132が光を受光しないことを開始条件とすることにより、誤動作の発生を回避することができる。
【0078】
さらに、図42に示したように、フィルム回収ロール34を覆うカバーの左右両端部に凹部130L,130Rが設けられている。そのため、作業者は、両手で物品100を載置台10上に載置した後、その体勢から両手を持ち上げることにより、指先を凹部130L,130R内に挿入することができる。従って、作業者の動きに無駄がないため、作業効率を高めることができる。
【0079】
なお、作業者が包装装置1を用いて作業をするにあたり、作業者によって頻繁に行われる所定の操作を、凹部130L,130R内のフォトセンサを用いて実行することもできる。例えば、凹部130L内の受光部132が光を受光しつつ、凹部130R内の受光部132が所定時間(例えば3秒)以上連続して光を受光しないことを、ラベルプリンタ62(図1参照)からのラベルの発行命令として事前に登録しておく。この場合、作業者が、左手の指先を凹部130L内に挿入しない状態で、右手の指先を凹部130R内に3秒以上連続して挿入することにより、ラベルの発行命令が受け付けられてラベルプリンタ62からラベルが発行される。この例のほかにも、遮光時間の長短、遮光回数、及び遮光の左右別等に応じて、複数の操作パターンを登録することができる。
【0080】
また、目的に応じて凹部130L,130R内に所望の読み取り装置を配置することにより、牛肉の個体識別番号等を読み取るためのバーコードリーダとしての機能や、作業者の認証を行うための指紋認証機能等を包装装置1に実装することも可能である。
【0081】
<フィルムの継ぎ目検出手段>
図45は、フィルム50の一部を示す図である。フィルム供給ロール30に巻回されているフィルム50は、理想的には継ぎ目のない一枚の連続フィルムであることが望ましい。しかし、巻回の途中でフィルム50が破断した場合等にその都度ロールを廃棄していたのでは、フィルムの製造コストが高騰する。そのため、破断箇所に新たなフィルム50を継ぎ足して巻回を再開することが行われる。この場合、フィルム50の継ぎ目には、そこが継ぎ目であることが目視で容易に判別できるよう、有色(例えば黒色)の継ぎ目テープ145が目印として付与されている。本実施の形態に係る包装装置1において、継ぎ目テープ145が袋体40の一部に含まれると、商品の見た目が悪くなるばかりか、強度の低下等を引き起こす。そのため、継ぎ目テープ145が袋体40に含まれないように配慮する必要がある。以下では、継ぎ目テープ145を検出するための継ぎ目検出手段について説明する。
【0082】
図46は、包装装置1の外観の一部を模式的に示す図である。図46には、フィルム供給ロール30の収容エリアのカバー131を開いた状態を図示している。カバー131の裏面(内面)には、支持部材140によって丸棒状のシャフト11Bが取り付けられているとともに、反射板141が取り付けられている。また、フィルム供給ロール30の収容エリア内には、反射型のフォトセンサ142が配置されている。
【0083】
図47は、カバー131を閉じた状態で、フィルム供給ロール30の収容エリアを模式的に示す図である。カバー131を閉じると、グリップローラ11Cとテンションローラ11Aとの間のフィルム50が、シャフト11BによってX1方向に押される。これにより、グリップローラ11Cとシャフト11Bとの間、及び、シャフト11Bとテンションローラ11Aとの間では、フィルム50が鉛直方向に対して斜めに架け渡されることとなる。また、継ぎ目検出手段として機能するフォトセンサ142及び反射板141は、シャフト11Bとテンションローラ11Aとの間のフィルム50を挟んで略等しい高さで対峙している。
【0084】
図48,49は、継ぎ目検出手段による継ぎ目テープ145の検出処理を示す図である。フォトセンサ142は、投光部146及び受光部147を有している。
【0085】
図48を参照して、フィルム50は透明であって光を透過するため、継ぎ目テープ145が付与されていない箇所では、投光部146から出射された光は、反射板141によって反射された後、受光部147によって受光される。従って、受光部147が光を受光していることにより、フォトセンサ142と反射板141との間には、継ぎ目テープ145ではない箇所のフィルム50が存在していることを検出できる。
【0086】
一方、図49を参照して、継ぎ目テープ145は例えば黒色であって光を反射するため、継ぎ目テープ145が付与されている箇所では、投光部146から出射された光は、継ぎ目テープ145によって斜め下方に反射され、受光部147は光を受光しない。従って、受光部147が光を受光しないことにより、フォトセンサ142と反射板141との間に継ぎ目テープ145が存在していることを検出できる。この場合、次回の包装対象の物品100が載置台10上に載置される前に、フィルム回収ロール34によって所定量(例えば1包装サイクル分)のフィルム50を巻き取ることにより、継ぎ目テープ145を排出する。但し、1包装サイクル分のフィルム50を巻き取るのではなく、継ぎ目テープ145を検出したタイミングに応じて、必要最小限のフィルム50を巻き取ってもよい。
【0087】
このように、継ぎ目検出手段を設け、検出した継ぎ目テープ145を排出することにより、継ぎ目テープ145が袋体40に含まれる事態を予め回避することが可能となる。
【0088】
<連包機能>
以上の説明では、複数の袋体40が個別に作製される包装形態(いわゆる単包)について説明したが、本実施の形態に係る包装装置1は、複数の袋体40が連なった包装形態(いわゆる連包)に対応することも可能である。
【0089】
図50は、下部シールユニット70Lが有するシール部の構成を模式的に示す上面図である。下部シールユニット70Lは、図3等に示したシール部16L,17Lに代えて、図50に示したシール部150Lを有している。シール部150Lは、X方向に沿って延在する3本のシール部151A,151B,151Cと、Y方向に沿って延在する1本のシール部151Dとが繋がった形状を有している。なお、図示は省略するが、上部シールユニット70Uは、図50に示した下部シールユニット70Lの形状に対応する形状のシール部を有している。
【0090】
図51〜55は、図50に示した下部シールユニット70Lを用いた連包動作を工程順に示す図である。まず図51を参照して、上記と同様の搬送動作及び封止動作によって、物品100が収容された袋体40Aを形成する。以降の図において、フィルム50の封止箇所には、砂地のハッチングを付すものとする。また、上部シールユニット70Uのカッタ32によって、フィルム50から袋体40Aを切断する。以降の図において、フィルム50の切断箇所は、太い実線で示すものとする。また、上部シールユニット70Uには図示しないミシン目カッタが配置されており、ミシン目カッタによって袋体40Aにミシン目を形成する。以降の図において、ミシン目の形成箇所は、太い破線で示すものとする。
【0091】
次に図52を参照して、袋体40Aの左端部152がシール部151C上に位置するまで、シール高さ調整ユニット18のベルトコンベアによって袋体40AをY方向に搬送する。
【0092】
次に図53を参照して、上記と同様の搬送動作及び封止動作によって、物品100が収容された袋体40Bを形成する。このとき、シール部151Cによる熱溶着によって、袋体40Aの左端部152と袋体40Bの右端部153とが接合される。これにより、袋体40A,40Bを有する連包体が得られる。袋体40Aと袋体40Bとの間には、ミシン目が形成されている。
【0093】
次に図54を参照して、袋体40Bの左端部154がシール部151C上に位置するまで、シール高さ調整ユニット18のベルトコンベアによって袋体40A,40BをY方向に搬送する。
【0094】
次に図55を参照して、上記と同様の搬送動作及び封止動作によって、物品100が収容された袋体40Cを形成する。このとき、シール部151Cによる熱溶着によって、袋体40Bの左端部154と袋体40Cの右端部155とが接合される。これにより、袋体40A〜40Cを有する連包体が得られる。袋体40Bと袋体40Cとの間には、ミシン目が形成されている。
【0095】
以上の動作を所望の回数だけ繰り返すことにより、所望数の袋体40が連なった連包体を得ることができる。
【0096】
<連包機能の第1の変形例>
図56は、下部シールユニット70Lが有するシール部の構成を模式的に示す上面図である。下部シールユニット70Lは、図3等に示したシール部16L,17Lに代えて、図56に示したシール部160Lを有している。シール部160Lは、X方向に沿って延在する2本のシール部161A,161Bと、Y方向に沿って延在する3本のシール部161C,161D,161Eとが繋がった形状を有している。なお、図示は省略するが、上部シールユニット70Uは、図56に示した下部シールユニット70Lの形状に対応する形状のシール部を有している。
【0097】
図57,58は、図56に示した下部シールユニット70Lを用いた連包動作を示す図である。載置台10上には、2個(又は2セット)の物品100が、X方向に所定の間隔を以て所定の箇所に載置される。次に、搬送ユニット14は、物品100が載置されたフィルム50をX1方向に搬送する。フィルム50の搬送に伴って物品100が封止部3内に搬送されることにより、前側の物品100はシール部161Cより前方に位置し、後ろ側の物品100はシール部161Dとシール部161Eとの間に位置することとなる。次に、封止部3から搬送ユニット14を排出することにより、図57に示すように、前側の物品100より前方のフィルム50を、後ろ側の物品100を越えて後方に折り返す。
【0098】
その後、上部シールユニット70Uと下部シールユニット70Lとによって上下からフィルム50を挟み込み、フィルム50の封止、切断、及びミシン目の形成を行うことにより、図58に示すように、袋体40A,40Bを有する連包体が得られる。袋体40Aと袋体40Bとの間には、ミシン目が形成されている。
【0099】
<連包機能の第2の変形例>
図59は、下部シールユニット70Lが有するシール部の構成を模式的に示す上面図である。下部シールユニット70Lは、図3等に示したシール部16L,17Lに代えて、図59に示したシール部165Lを有している。シール部165Lは、X方向に沿って延在する4本のシール部162A,162B,162C,162Dと、Y方向に沿って延在する1本のシール部162Eとが繋がった形状を有している。なお、図示は省略するが、上部シールユニット70Uは、図59に示した下部シールユニット70Lの形状に対応する形状のシール部を有している。
【0100】
図60,61は、図59に示した下部シールユニット70Lを用いた連包動作を示す図である。載置台10上には、2個(又は2セット)の物品100が、Y方向に所定の間隔を以て所定の箇所に載置される。次に、搬送ユニット14は、物品100が載置されたフィルム50をX1方向に搬送する。フィルム50の搬送に伴って物品100が封止部3内に搬送されることにより、左側の物品100はシール部162Aとシール部162Bとの間に位置し、右側の物品100はシール部162Cとシール部162Dとの間に位置することとなる。次に、封止部3から搬送ユニット14を排出することにより、図60に示すように、物品100より前方のフィルム50を、物品100を越えて後方に折り返す。
【0101】
その後、上部シールユニット70Uと下部シールユニット70Lとによって上下からフィルム50を挟み込み、フィルム50の封止、切断、及びミシン目の形成を行うことにより、図61に示すように、袋体40A,40Bを有する連包体が得られる。袋体40Aと袋体40Bとの間には、ミシン目が形成されている。
【0102】
<連包機能の第3の変形例>
図62は、下部シールユニット70Lが有するシール部の構成を模式的に示す上面図である。下部シールユニット70Lは、図3等に示したシール部16L,17Lに代えて、図62に示したシール部170Lを有している。シール部170Lは、X方向に沿って延在する3本のシール部163A,163B,163Cと、Y方向に沿って延在する3本のシール部163D,163E,163Fとが繋がった形状を有している。なお、図示は省略するが、上部シールユニット70Uは、図62に示した下部シールユニット70Lの形状に対応する形状のシール部を有している。
【0103】
図63〜67は、図62に示した下部シールユニット70Lを用いた連包動作を工程順に示す図である。まず図63を参照して、図57,58に示した上記第1の変形例と同様の搬送動作及び封止動作によって、それぞれに物品100が収容された袋体40A,40Bから成る連包体を形成する。袋体40Aと袋体40Bとの間には、ミシン目が形成されている。
【0104】
次に図64を参照して、袋体40A,40Bから成る連包体の左端部がシール部163C上に位置するまで、シール高さ調整ユニット18のベルトコンベアによって当該連包体をY方向に搬送する。
【0105】
次に図65を参照して、図57,58に示した上記第1の変形例と同様の搬送動作及び封止動作によって、それぞれに物品100が収容された袋体40C,40Dから成る連包体を形成する。袋体40Cと袋体40Dとの間には、ミシン目が形成されている。このとき、シール部163Cによる熱溶着によって、袋体40A,40Bから成る連包体の左端部と、袋体40C,40Dから成る連包体の右端部とが接合される。これにより、袋体40A〜40Dを有する連包体が得られる。袋体40Cと袋体40Aとの間、及び袋体40Dと袋体40Bとの間には、それぞれミシン目が形成されている。
【0106】
次に図66を参照して、袋体40A〜40Dから成る連包体の左端部がシール部163C上に位置するまで、シール高さ調整ユニット18のベルトコンベアによって当該連包体をY方向に搬送する。
【0107】
次に図67を参照して、図57,58に示した上記第1の変形例と同様の搬送動作及び封止動作によって、それぞれに物品100が収容された袋体40E,40Fから成る連包体を形成する。袋体40Eと袋体40Fとの間には、ミシン目が形成されている。このとき、シール部163Cによる熱溶着によって、袋体40A〜40Dから成る連包体の左端部と、袋体40E,40Fから成る連包体の右端部とが接合される。これにより、袋体40A〜40Fを有する連包体が得られる。袋体40Eと袋体40Cとの間、及び袋体40Fと袋体40Dとの間には、それぞれミシン目が形成されている。
【0108】
以上の動作を所望の回数だけ繰り返すことにより、所望数の袋体40が連なった連包体を得ることができる。
【0109】
<連包機能の第4の変形例>
図68は、下部シールユニット70Lが有するシール部の構成を模式的に示す上面図である。下部シールユニット70Lは、図3等に示したシール部16L,17Lに代えて、図68に示したシール部175Lを有している。シール部175Lは、X方向に沿って延在する3本のシール部176A,176B,176Cと、Y方向に沿って延在する1本のシール部176Dとが繋がった形状を有している。なお、図示は省略するが、上部シールユニット70Uは、図68に示した下部シールユニット70Lの形状に対応する形状のシール部を有している。
【0110】
図69〜71は、図68に示した下部シールユニット70Lを用いた連包動作を示す図である。載置台10上には、2個(又は2セット)の物品100が、Y方向に所定の間隔を以て所定の箇所に載置される。次に、搬送ユニット14は、物品100が載置されたフィルム50をX1方向に搬送する。フィルム50の搬送に伴って物品100が封止部3内に搬送される。次に、封止部3から搬送ユニット14を排出することにより、図60に示したように、物品100より前方のフィルム50を、物品100を越えて後方に折り返す。
【0111】
次に、上部シールユニット70Uと下部シールユニット70Lとによって上下からフィルム50を挟み込み、フィルム50の封止、切断、及びミシン目の形成を行うことにより、図69に示すように物品100が収容された袋体40が得られる。
【0112】
次に図70を参照して、左側の物品100と右側の物品100との間の袋体40の中央部がシール部176B,176C上に位置するまで、シール高さ調整ユニット18のベルトコンベアによって袋体40をY方向に搬送する。
【0113】
次に図71を参照して、上部シールユニット70Uと下部シールユニット70Lとによって上下から袋体40を挟み込み、フィルム50の封止及びミシン目の形成を行うことにより、それぞれに物品100が収容された袋体40A,40Bを有する連包体が得られる。袋体40Aと袋体40Bとの間には、ミシン目が形成されている。
【0114】
<パンチ穴の形成機能>
図3を参照して、包装装置1によって包装された袋体40は、排出台21上に順次排出される。本実施の形態に係る包装装置1はトレーを用いずに物品100を包装するため、順次排出された複数の袋体40を上下に積み重ねると、上方の袋体40の重さによって下方の袋体40が潰れてしまう。また、定型物であるトレーが無いため、袋体40を包装装置1から搬送用のカートに移動する際や、袋体40を商品として陳列する際に、作業者の手間を要する。そこで、このような問題を解決し得る手法について以下に説明する。
【0115】
図72は、シール部16Lの周辺の構造を示す図である。下部シールユニット70Lのシール部16Lと、カッタユニットの受け部材105との間にパンチカッタ250が配置されている。パンチカッタ250は、フィルム50の封止工程又は切断工程の際に、フィルム50にパンチ穴を形成する。なお、パンチカッタ250は、上部シールユニット70Uに配置されていてもよい。
【0116】
図73は、袋体40の外観を示す図である。袋体40の口部分(封止部分より外側)に、パンチ穴200が形成されている。
【0117】
図74は、パンチ穴200の形成箇所を拡大して示す図である。パンチ穴200の形成に伴ってゴミが発生しないよう、パンチ穴200は、円周の一部を切断せずに残した切り込みとして形成される。
【0118】
図75は、複数の袋体40をストックする様子を示す図である。パンチ穴200の直径よりも小さい直径を有する丸棒部材210が包装装置1に付属されており、作業者は、排出台21上に順次排出される複数の袋体40を、各袋体40のパンチ穴200内に丸棒部材210を挿通することによって、丸棒部材210に吊り下げる。
【0119】
これにより、複数の袋体40を上下に積み重ねてストックする必要がないため、上方の袋体40の重さによって下方の袋体40が潰れてしまう事態を回避できる。また、丸棒部材210ごと複数の袋体40をまとめて搬送用カートに移動することができるため、包装装置1から搬送用カートへの袋体40の移動の労力を軽減できる。また、複数の袋体40を商品として陳列する際には、陳列棚上で丸棒部材210を引き抜くことにより、複数の袋体40を整頓した状態で陳列することができる。
【0120】
なお、パンチ穴は、上述した連包動作において、脱気用の穴として使用することもできる。図76は、複数の袋体40A,40Bから成る連包体の一例を示す図である。袋体40Aと袋体40Bとの間のミシン目上に、脱気用のパンチ穴220が形成されている。封止工程よりも前にパンチ穴220を形成しておくことで、フィルム50を封止する際には、袋体40内の空気がパンチ穴220から外部に脱気される。
【符号の説明】
【0121】
1 包装装置
2 載置部
3 封止部
4 計量部
5 排出部
6 引き込み部
10 載置台
12 フィルム引き込みユニット
14 搬送ユニット
15U,15L,16U,16L,17U,17L シール部
18 シール高さ調整ユニット
21 排出台
25 押さえ部材
30 フィルム供給ロール
32 カッタ
34 フィルム回収ロール
40 袋体
41 接合箇所
45 設定部
50 フィルム
100 物品
101 加圧部材
501 第1部分
502 第2部分


【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状包材の第1部分に物品を載置した状態で当該包材を第1方向に搬送するとともに、前記第1方向に関して前記第1部分より前方の前記包材の第2部分を、前記物品を越えて前記第1方向とは逆の第2方向に折り返す包材搬送手段と、
前記第1部分と前記第2部分とを縁部同士で封止することにより、前記第1部分と前記第2部分との間に前記物品が収容された袋体を形成する封止手段と、
前記袋体を前記帯状包材から切断する切断手段と、
を備え、
前記封止手段は、
前記包材を上下から挟み込んだ状態で熱シールを行うことにより、前記第1部分と前記第2部分とを封止する上部シール部及び下部シール部と、
前記熱シールに伴って前記上部シール部又は前記下部シール部に付着した前記包材を、付着先の前記上部シール部又は前記下部シール部から引き剥がす分離手段と、
を有する、包装装置。
【請求項2】
前記封止手段は、
前記熱シールを行う際に前記袋体を上下から挟み込んで保持する保持手段
をさらに有し、
前記分離手段は、前記保持手段によって前記袋体が保持された状態で、当該袋体と、付着先の前記上部シール部又は前記下部シール部とを相対的に移動させて両者を遠ざけることにより、前記上部シール部又は前記下部シール部に付着した前記包材を引き剥がす、請求項1に記載の包装装置。
【請求項3】
前記分離手段は、
前記包材と前記上部シール部又は前記下部シール部との付着部分の近傍で、付着先の前記上部シール部又は前記下部シール部から前記包材を引き剥がす方向に当該包材を加圧する加圧手段
を含む、請求項1に記載の包装装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【図59】
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【図60】
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【図61】
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【図62】
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【図63】
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【図64】
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【図65】
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【図66】
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【図67】
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【図68】
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【図69】
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【図70】
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【図71】
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【図72】
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【図73】
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【図74】
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【図75】
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【図76】
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【公開番号】特開2011−251750(P2011−251750A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−127782(P2010−127782)
【出願日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】