説明

包装装置

【課題】様々なフィルムロールを適切に取り付けることが可能な包装装置を提供する。
【解決手段】包装装置において、装着機構30は、包装用のフィルムが巻かれて設けられたフィルムロールを装着する。幅調整機構83は、一対の溝形成部材の少なくとも一方を移動させることにより溝の幅を変更する。幅調整機構83は、2つのラックギヤ84およびギヤ86により、一対の溝形成部材82を互いに離間または近接する方向に移動させる。このため装着機構30は、巻かれたフィルムから軸方向外側に突出する軸部材の外径が収容される一対の側面82bを有し、一対の側面82bの間の距離が変更可能に設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装装置に関し、特に、フィルムロールのフィルムを用いて包装する包装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば新聞や広告などの用紙束を、配送するためにフィルムを用いて包装する包装装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。このような包装装置では、フィルムを芯に巻いて設けたフィルムロールを装着し、このフィルムロールからフィルムを引き出しながら用紙束を挟んだ後、フィルム同士を溶着して用紙束を包装する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−104542号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなフィルムロールは、フィルムの幅が同一であっても、芯の長さが異なる場合がある。例えば芯がフィルムの幅から突出しているフィルムロールでは、突出した芯の外径を溝に挿入することでフィルムロールを取り付けることができる。一方、例えば芯がフィルムの幅から突出していないフィルムロールでは、そのような位置決めをすることが困難なため、芯の内部にアダプタを挿入してフィルムの幅からシャフトなどを突出させ、これを溝に挿入してフィルムロールを取り付ける対応も考えられる。しかしながら、このようにフィルムの幅から突出する部分の太さは、芯とアダプタとの間で異なる可能性がある。また、フィルムの幅から突出する芯の太さも、フィルムロールの種類によって異なる可能性がある。このため、様々な種類のフィルムロールを適切に取り付けることが可能な包装装置が市場で求められている。
【0005】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、様々なフィルムロールを適切に取り付けることが可能な包装装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の包装装置は、包装用のフィルムが巻かれて設けられたフィルムロールを、当該フィルムから軸方向外側に突出する軸部材を利用して装着する装着機構を備える。装着機構は、軸部材の外径が収容される溝を有し、溝の幅が変更可能に設けられている。この態様によれば、フィルムロールの軸部材の外径が異なる場合においても、その外径に応じて溝の幅を変更することで、そのフィルムロールを包装装置に適切に取り付けることができる。
【0007】
装着機構は、第1の軸部材の外径を収容すべく設けられた第1の溝と、第2の軸部材の外径を収容すべく第1の溝と幅が異なる第2の溝が設けられた装着部材を取り付け可能な被取付部と、を有してもよい。この態様によれば、装着部材を取り付けることで、装着部材が取り付けられていない状態で装着されるフィルムロールと軸部材の径が異なるフィルムロールを取り付けることが可能となる。このため、複数種類のフィルムロールを、装着部材の着脱という簡易な工程により装着可能とすることができる。
【0008】
装着機構は、各々が溝の縁部を構成する一対の溝形成部材と、一対の溝形成部材の少なくとも一方を移動させることにより溝の幅を変更する幅調整機構と、を有してもよい。この態様によれば、軸部材の径が異なる複数種類のフィルムロールを適切に装着可能とすることができる。
【0009】
装着機構は、第1の軸部材の外径を収容すべく設けられた第1の溝と、第2の軸部材の外径を収容すべく第1の溝と幅が異なる第2の溝が設けられ、第2の軸部材が第2の溝に収容できるよう第1の溝内の所定位置に配置された装着部材と、を備えてもよい。装着部材は、第1の軸部材が装着されるときは第1の軸部材が第1の溝に収容できるよう所定位置から退避してもよい。この態様によれば、フィルムロールの装着に伴い装着部材を移動させることにより、フィルムロールを簡易に装着することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、様々なフィルムロールを適切に取り付けることが可能な包装装置を提供すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1の実施形態に係る包装装置の斜視図である。
【図2】第1の実施形態に係る包装装置の鉛直断面図である。
【図3】包装装置に装着されるフィルムロールの断面図である。
【図4】(a)は、包装装置に装着されるフィルムロールの断面図である。(b)は、フィルムロール32Bにアダプタ66が挿入された状態を示す図である。
【図5】(a)および(b)は、第1の実施形態に係る装着機構の斜視図である。
【図6】(a)および(b)は、第2の実施形態に係る装着機構の斜視図である。
【図7】(a)および(b)は、第3の実施形態に係る装着機構の斜視図である。
【図8】(a)および(b)は、第4の実施形態に係る装着機構の斜視図である。
【図9】(a)は、第5の実施形態に係る装着機構の斜視図であり、(b)は、(a)の視点Pから装着機構を見た図である。
【図10】(a)は、フィルムロールが装着されたときの装着機構の上面図である。(b)は、フィルムロールが装着されたときの装着機構の上面図である。
【図11】第6の実施形態に係る装着機構の斜視図である。
【図12】(a)は、フィルムロールが装着されたときの装着機構の正面図である。(b)は、フィルムロールが装着されたときの装着機構の正面図である。
【図13】第7の実施形態に係る支持プレートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態(以下、実施形態という)について詳細に説明する。
【0013】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る包装装置10の斜視図である。包装装置10は、フロントプレート12、リヤプレート14、給紙トレイ16、およびスタッカ18を有する。給紙トレイ16は、フロントプレート12とリヤプレート14との間の上部において急に傾斜するよう配置されている。この給紙トレイ16に用紙束2が挿入されることで、重力により用紙束2が包装装置10の内部に進入し、包装装置10の内部にて用紙束2がフィルム包装される。スタッカ18は、フロントプレート12とリヤプレート14との間の下部に配置され、排出された包装物が積載される。
【0014】
図2は、第1の実施形態に係る包装装置10の鉛直断面図である。図2は、フロントプレート12とリヤプレート14との間においてフロントプレート12やリヤプレート14と平行な平面で包装装置10を切断したときの断面を前方から見た図を示している。包装装置10は、装着機構30、溶着切断ヒータ40、ベルト搬送機構46、および排出プレート52を有する。
【0015】
給紙トレイ16は、右上から左下に急に傾斜し且つ前後方向に延在するよう配置される。装着機構30は、包装用のフィルム34が巻かれて設けられたフィルムロールを装着する。包装装置10には、2本のフィルムロール32が装着されるため、装着機構30は、装置前方および後方にそれぞれ2つ設けられている。具体的には、装置前方および後方の2つの装着機構30は、装着された2本のフィルムロール32が給紙トレイ16を挟んで包装装置10の前後方向に延在するよう、2本のフィルムロール32をそれぞれ装着する。
【0016】
装着機構30の下方には、支持ローラ36が設けられている。支持ローラ36は2本設けられ、装着機構30に装着される2本のフィルムロール32とそれぞれ平行に装置前後方向に延在する。支持ローラ36は回転可能にフロントプレート12およびリヤプレート14によって支持されている。支持ローラ36は、重量により下方に移動しようとするフィルムロール32を下方に接触して支持し、フィルムロール32の回転に従動する。このため、フィルムロール32のフィルム34が消費されてフィルムロール32の径が小さくなった場合においても、同様にフィルムロール32に接触して支持し、フィルムロール32の回転に従動する。このように支持ローラ36を設けることにより、フィルムロール32からフィルム34を円滑に引き出すことができる。
【0017】
溶着切断ヒータ40は、給紙トレイ16の下方に設けられ、さらにその下方にベルト搬送機構46が設けられている。包装装置10には、電子制御部(図示せず)が設けられている。電子制御部は、各種の演算を実行するCPU、各種の制御プログラムを格納するROM、およびデータ格納やプログラム実行のためのワークエリアとして利用されるRAMを有する。電子制御部は、包装装置10内のアクチュエータなどの作動を制御することにより、挿入された用紙束2の包装を制御する。
【0018】
給紙トレイ16と溶着切断ヒータ40との間には第1センサ42が配置されている。第1センサ42は給紙トレイ16に挿入された用紙束2の先端を検知する。第1センサ42によって用紙束2の先端が検知されると、電子制御部は、ベルト搬送機構46の作動を開始させる。
【0019】
2つのフィルムロール32から送り出されたフィルム34は、給紙トレイ16の下方において用紙束2の包装時に溶着切断ヒータ40によって互いに溶着され、溶着された部分において切断される。このとき、切断後も2つのフィルム34の先端が互いに溶着された状態となっている。このため、給紙トレイ16に挿入された用紙束2は、2つのフィルム34が互いに溶着した部分に先端が当接し、重力によりフィルム34を引き出しながら下方へと移動する。用紙束2の先端がベルト搬送機構46に到達すると、用紙束2は表裏面がフィルム34により覆われた状態でベルト搬送機構46によりさらに下方へと搬送される。
【0020】
溶着切断ヒータ40とベルト搬送機構46との間には、第2センサ44が配置されている。第2センサ44によって用紙束2の後端が検知されると、電子制御部は、ベルト搬送機構46の作動を一時的に停止させ、用紙束2の搬送を停止する。電子制御部は、用紙束2の搬送が停止されているときに、溶着切断ヒータ40によって用紙束2よりも上流部分においてフィルム34を溶着し、これと同時に溶着ヒータ48によって用紙束2の側方でフィルム34を溶着する。溶着が終了すると、電子制御部は、溶着切断ヒータ40をフィルム34に押し当てた状態のままベルト搬送機構46を作動させる。これによって用紙束2を包むフィルムが下方に引っ張られフィルム34で押し当てられた部分が切断される。これが包装物の後端となる。
【0021】
溶着切断ヒータ40による切断が終了すると、電子制御部は再びベルト搬送機構46を作動させる。こうして、用紙束2がフィルム34によって包装された包装物が下方へと搬送される。ベルト搬送機構46と排出プレート52との間には、第3センサ50が配置されている。第3センサ50によって包装物に含まれる用紙束2の後端が検知されると、電子制御部は、ベルト搬送機構46の作動を停止させる。なお、包装物の後端の溶着時にベルト搬送機構46を作動させてから所定時間経過後にベルト搬送機構46の作動を停止させてもよい。ベルト搬送機構46から搬出された包装物は、排出プレート52上を通過して重力によりスタッカ18に落下し、その上に積載される。
【0022】
図3は、包装装置10に装着されるフィルムロール32Aの断面図である。包装装置10に用いられるフィルムロール32には2つの種類があり、フィルムロール32Aはその一つである。フィルムロール32Aは、芯62にフィルム34が巻かれて設けられている。芯62は、フィルム34の幅よりも長い長さを有する円筒形に形成されている。このため、巻かれたフィルム34の端部から芯62の端部が突出している。フィルム34から突出する芯62の端部は、フィルム34が引き出されてフィルムロール32が回転するときに回転可能に支持される軸部材として用いられている。
【0023】
図4(a)は、包装装置10に装着されるフィルムロール32Bの断面図である。フィルムロール32Bは、上述した2つの種類のフィルムロール32の一つである。フィルムロール32Bは、芯64にフィルム34が巻かれて設けられている。芯64は、フィルム34の幅と略同一の長さを有する円筒形に形成されている。このため、巻かれたフィルム34の端部からは芯64の端部はほとんど突出することなく、フィルム34の端部と芯64の端部とは略同一面上に位置している。
【0024】
フィルムロール32Bは、フィルムロール32Aと違い芯64がフィルム34の端部から突出しないため、回転可能に支持される軸部材として芯64を用いることは困難である。このため、フィルムロール32Bを使用するときは、芯64の内部にアダプタ66を挿入している。
【0025】
図4(b)は、フィルムロール32Bにアダプタ66が挿入された状態を示す図である。図4(b)では、フィルムロール32Bのみ断面図で表している。アダプタ66は、シャフト68およびローラ70を有している。シャフト68は、芯64よりも長く、芯64の内径よりも外径が小さい円柱状に形成されている。ローラ70は、芯64の内径と略同一の外径を有し、アダプタ66の外径と略同一の内径を有する円環状に形成されている。2つのローラ70の各々の中心の孔にシャフト68が挿入され固定されることで、アダプタ66が設けられている。アダプタ66は、図4(b)に示すように、巻かれたフィルム34の端部からシャフト68の2つの端部がそれぞれ突出するようにフィルムロール32Bの芯64の内部に挿入される。これにより、突出したシャフト68の端部を、フィルムロール32Bが回転するときに回転可能に支持される軸部材として利用することが可能となる。
【0026】
しかしながら、シャフト68の外径は芯62の外径よりも小さく、この径の違いを考慮してフィルムロール32を装着する必要がある。このため第1の実施形態では、装着機構30は、巻かれたフィルム34から軸方向外側に突出する軸部材の外径が収容される溝を有し、溝の幅が変更可能に設けられている。
【0027】
図5(a)および図5(b)は、第1の実施形態に係る装着機構30の斜視図である。図5(a)および図5(b)に示す装着機構30は、装置後方における装着機構30を示している。装置前方にもこれと左右対称の装着機構30が設けられている。以下、装置後方の装着機構30を説明することで、装置前方の装着機構30の説明は省略する。
【0028】
装着機構30は、支持プレート80、一対の溝形成部材82、および幅調整機構83を有する。支持プレート80は、中央に上下方向に延在する凹み部80aが形成されるよう、平板が折り曲げられて形成されている。凹み部80aには、シャフト68の外径よりも幅が大きい溝80bが形成されている。一対の溝形成部材82の各々は、平板の一端がL字状に折り曲げられて形成されている。
【0029】
一対の溝形成部材82の各々は、互いに左右対称に形成されている。溝形成部材82の各々の折り曲げ部が凹み部80aに収容されるよう、一対の溝形成部材82が支持プレート80に重ね合わされる。溝形成部材82には、左右方向に伸びる長孔であるガイド孔82aが形成されている。支持プレート80には4つのピン88が取り付けられており、2つのピン88が一つの溝形成部材82の2つのガイド孔82aに挿入され、その先端にストッパ90が取り付けられる。こうして一対の溝形成部材82の各々は、左右方向に移動可能にストッパ90に支持される。
【0030】
幅調整機構83は、ラックギヤ84およびギヤ86を有する。ラックギヤ84は、互いのギヤ部84aが対向するよう一対の溝形成部材82の各々に取り付けられている。この対向するギヤ部84aの双方に噛み合うよう、2つのラックギヤ84の間にギヤ86が設けられている。ギヤ86は、回転可能に支持プレート80に支持されている。こうして、一対の溝形成部材82は、互いに離間または近接する方向に移動可能となっている。
【0031】
溝形成部材82の下縁部には、2つの溝82cが設けられている。一方、溝形成部材82の下方には、板バネ92が配置されている。板バネ92は、溝形成部材82の下縁部に押し付けられるよう配置されている。このため溝形成部材82は溝82cに板バネ92が入り込んだ位置で位置決めされる。したがって板バネ92は、溝形成部材82の位置決め部材として機能する。
【0032】
一対の溝形成部材82は、折り曲げ部の外面である側面82bが互いに距離を隔てて対向する。この対向する一対の側面82bの間に、フィルムロール32Aの芯62、またはフィルムロール32Bに挿入されたアダプタ66のシャフト68が挿入される。したがって、一対の側面82bは、フィルムロール32の軸部材が装着される溝として機能する。
【0033】
幅調整機構は、一対の溝形成部材82を互いに離間および近接させる方向に移動させることにより、一対の側面82bの間の距離、すなわち芯64またはシャフト68が収容される溝の幅を変更する。幅調整機構83は、支持プレート80に回転可能に支持されたボルト(図示せず)と、溝形成部材82に固定されボルトと噛合するナット(図示せず)をさらに有する。ボルトの先端にはローレット(図示せず)が設けられており、このローレットを回転させることにより一方の溝形成部材82を左右方向に移動させる。これにより、幅調整機構83を介して他方の溝形成部材82も左右方向に移動し、一対の側面82bの間の距離が変えられる。
【0034】
これにより、フィルムロール32Aを使用するときには、一対の側面82bの間の距離が芯62の外径と略同一距離となるよう一対の溝形成部材82を移動させることができる。また、フィルムロール32Bを使用するときには、一対の側面82bの間の距離がシャフト68の外径と略同一距離となるよう溝形成部材82を移動させることができる。したがって、軸部材の径が異なるフィルムロール32Aおよびフィルムロール32Bをどちらも使用することが可能となる。なお、幅調整機構83は、一対の溝形成部材82の少なくとも一方を移動させることにより一対の側面82bの間の距離を変更可能に設けられていてもよい。
【0035】
なお、溝形成部材82の下縁部に設けられた2つの溝82cのうちの一方は、板バネ92が入り込んだときに一対の側面82bの間の距離が芯62の外径と略同一の距離となるよう配置されている。また、2つの溝82cのうちの他方は、板バネ92が入り込んだときに一対の側面82bの間の距離がシャフト68の外径と略同一の距離となるよう配置されている。このため、ユーザは、溝82cに板バネ92が入り込んだか否かを確認することで、一対の溝形成部材82を容易に位置決めすることができる。
【0036】
(第2の実施形態)
図6(a)および図6(b)は、第2の実施形態に係る装着機構120の斜視図である。装着機構30に代えて装着機構120が設けられた以外は、包装装置の構成は第1の実施形態と同様である。
【0037】
装着機構120は、支持プレート122および装着部材124を有する。支持プレート122は、上下方向に延在する凹み部122aが設けられるよう平板が折り曲げられ、またはプレス成形されて形成されている。この凹み部122aには、シャフト68の外径よりも幅の大きい溝122cが設けられている。この凹み部122aにおいて、左右の一対の側面122bは、芯62の外径と略同一の距離だけ離れるよう設けられている。このため、一対の側面122bは、フィルムロール32Aの軸部材が装着される溝として機能する。
【0038】
第2の実施形態では、フィルムロール32Bを装着するときには、装着部材124を支持プレート122に取り付ける。したがって、装着部材124はアダプタとして機能する。装着部材124は、厚さが凹み部122aの深さと同様となるようU字状に形成された板状部材であり、上方の上端部には、外側に突出する突出部124cが設けられている。装着部材124の左右一対の側面124bの間の距離は、支持プレート122の一対の側面122bの間の距離と略同一となっており、装着部材124は、支持プレート122の凹み部122aに収容可能に設けられている。装着部材124は、凹み部122aに収容後、突出部124cが支持プレート122にねじ止めされることにより、支持プレート122に固定される。したがって凹み部122aは、装着部材124を取り付け可能な被取付部として機能する。
【0039】
凹み部122aは、装着部材124が取り付け可能に設けられた被装着部として機能する。装着部材124は、上下方向に延在する溝124aを有する。溝124aの幅は、芯64よりも小さいシャフト68の外径と略同一となっている。このため、装着部材124を凹み部122aに装着することにより、装着部材124にフィルムロール32Bを装着することが可能となる。したがって、このように装着部材124が取り付け可能とされていることによって、フィルムロール32Aおよびフィルムロール32Bのいずれも装着可能となる。
【0040】
(第3の実施形態)
図7(a)および図7(b)は、第3の実施形態に係る装着機構150の斜視図である。装着機構30に代えて装着機構150が設けられた以外は、包装装置の構成は第1の実施形態と同様である。以下、第1の実施形態と同様の個所は同一の符号を付して説明を省略する。
【0041】
装着機構150は、幅調整機構83に代えて幅調整機構151が設けられた以外は、第1の実施形態に係る装着機構30と同様に構成される。幅調整機構151は、カム152、軸154、およびコイルスプリング156を有する。カム152は、一対の側面82bの間に配置され、軸154によって支持プレート80に回転可能に支持されている。一対の側面82bの各々の下縁部には、コイルスプリング156の端部がそれぞれ取り付けられている。コイルスプリング156は、一対の溝形成部材82が互いに近接するよう、一対の溝形成部材82に引っ張り力を与える。この溝形成部材82の引っ張り力によって、一対の側面82bはカム152の外周に押し当てられる。
【0042】
軸154は、支持プレート80の裏面に配置されたレバー(図示せず)に固定されている。ユーザは、このレバーを回転させることでカム152を回転させることができる。カム152が回転することで、一対の側面82bの間の距離を変えることができる。このようにカム152を利用することによっても、フィルムロール32を装着するための溝として機能する一対の側面82bの間の距離を変えることができ、複数種類のフィルムロール32の軸部材に対応することができる。
【0043】
(第4の実施形態)
図8(a)および図8(b)は、第4の実施形態に係る装着機構180の斜視図である。装着機構30に代えて装着機構180が設けられた以外は、包装装置の構成は第1の実施形態と同様である。以下、上述の実施形態と同様の個所は同一の符号を付して説明を省略する。
【0044】
装着機構180は、幅調整機構83に代えて幅調整機構181が設けられた以外は、第1の実施形態に係る装着機構30と同様に構成される。幅調整機構181は、ロッド182および軸184を有する。ロッド182は、その中心が軸184によって支持されている。軸184は、一対の側面82bの間に配置され、支持プレート80に回転可能に支持されている。
【0045】
第4の実施形態では、一対の溝形成部材82の各々には、上下方向に延在する長孔であるガイド孔82dが設けられている。ロッド182の両端部には、それぞれピン186が取り付けられており、このピン186がガイド孔82dに挿入されている。軸184は、支持プレート80の裏面に配置されたレバー(図示せず)に固定されている。ユーザは、このレバーを回転させることで軸184を回転させることができる。軸184を回転させることで、ロッド182が回転し、ピン186を介して一対の溝形成部材82を互いに離間および近接させる方向に移動する。こうして一対の側面82bの間の距離を変えることができる。このようにロッド182を利用することによっても、フィルムロール32を装着するための溝として機能する一対の側面82bの間の距離を変えることができ、複数種類のフィルムロール32の軸部材に対応することができる。
【0046】
(第5の実施形態)
図9(a)は、第5の実施形態に係る装着機構200の斜視図であり、図9(b)は、図9(a)の視点Pから装着機構200を見た図である。装着機構30に代えて装着機構200が設けられた以外は、包装装置の構成は第1の実施形態と同様である。
【0047】
装着機構200は、支持プレート202、装着部材204、シャフト210、およびコイルスプリング212を有する。支持プレート202は、中央に上下方向に延在する凹み部202aが形成されるよう、平板が折り曲げられて形成されている。凹み部202aには、シャフト68の外径よりも幅が大きい溝202bが形成されている。この凹み部202aにおいて、左右の一対の側面202cは、芯62の外径と略同一の距離だけ離れるよう設けられている。このため、一対の側面202cは、フィルムロール32Aの軸部材が装着される溝として機能する。
【0048】
装着部材204は、凹み部202aの深さよりも薄い板状に形成され、U字状の外形を有する。装着部材204は、上下方向に延在する溝204aを有する。溝204aの幅は、シャフト68の外径と略同一となっている。この溝204aに、フィルムロール32Bが装着されるときにシャフト68が挿入される。装着部材204の左右方向の幅は、一対の側面202cの間の距離と略同一となっている。装着部材204の上端には、上端に近づくほど裏面に近づくよう傾斜するテーパー部204bが設けられている。
【0049】
装着部材204の裏面には、4本のシャフト210が後方に突出するよう取り付けられている。凹み部202aには4つの挿入孔202dが設けられており、4本のシャフト210は、この4つの挿入孔202dにそれぞれ挿入される。こうして装着部材204は、支持プレート202の凹み部202aに収容される。
【0050】
このとき、支持プレート202と装着部材204の間にコイルスプリング212が配置されるよう、コイルスプリング212がシャフト210に挿入されている。コイルスプリング212は、前方に押し出す付勢力を装着部材204に与える。
【0051】
支持プレート202の側面202cには、ストッパピン206が取り付けられている。ストッパピン206は、テーパー部204bの上部に当接する。装着部材204の下方には、前面から凹む凹み部204cが設けられている。ストッパピン208は、この凹み部204cに当接する。
【0052】
装着部材204は、コイルスプリング212によって前方に付勢力が与えられるが、ストッパピン206およびストッパピン208に当接することで、それ以上の前方への移動が阻止される。ストッパピン206およびストッパピン208は、装着部材204が当接したときに、装着部材204の前面と支持プレート202の前面が略同一面上に位置するよう配置される。このように装着部材204がストッパピン208に当接するときの装着部材204の位置を「進出位置」という。
【0053】
図10(a)は、フィルムロール32Bが装着されたときの装着機構200の上面図である。フィルムロール32Bが上方から装着機構200に装着されるとき、フィルムロール32Bの芯64に挿入されたアダプタ66のシャフト68が、装着部材204の溝204a、および支持プレート202の溝202bに挿入される。こうしてフィルムロール32Bが装着機構200に装着される。
【0054】
図10(b)は、フィルムロール32Aが装着されたときの装着機構200の上面図である。フィルムロール32Aが上方から装着機構200に装着されるとき、フィルムロール32Aの芯62が装着部材204のテーパー部204bに当接する。フィルムロール32Aをさらに押し下げることにより、テーパー部204b上を芯62が摺動し、コイルスプリング212の付勢力に抗して装着部材204が後方に移動する。こうして、フィルム34から突出する芯62の端部が一対の側面202cの間に収容され位置決めされ、フィルムロール32Aが装着機構200に装着される。このように芯62を一対の側面202cの間に挿入するため後方に移動したときの装着部材204の位置を「退避位置」という
以上のように装着部材204は、芯62が装着されるときは芯62が一対の側面252cの間に収容されるよう進出位置から退避位置に移動し、シャフト68が装着されるときは、シャフト68を溝204aに収容できるよう退避位置から進出位置に移動する。このように装着部材204をフィルムロール32の延在方向と平行に進退させることによって、ユーザがレバーを操作する、アダプタである装着部材を取り付ける、などの作業をすることなく、フィルムロール32Aおよびフィルムロール32Bのどちらも簡易に装着機構200に装着することができる。
【0055】
(第6の実施形態)
図11は、第6の実施形態に係る装着機構250の斜視図である。以下、上述の実施形態と同様の個所は同一の符号を付して説明を省略する。
【0056】
装着機構250は、支持ブレート252、装着部材254、およびコイルスプリング256を有する。支持プレート202は、中央に上下方向に延在する凹み部252aが形成されるよう、平板が折り曲げられて形成されている。この凹み部252aには、シャフト68の外径よりも幅が大きい溝252bが形成されている。この凹み部252aにおいて、左右の一対の側面252cは、芯62の外径と略同一の距離だけ離れるよう設けられている。このため、一対の側面252cは、フィルムロール32Aの軸部材が装着される溝として機能する。
【0057】
装着部材254は、凹み部252aの深さよりも薄い板状に形成され、U字状の外径を有する。装着部材254は、上下方向に延在する溝254aを有する。溝254aの幅は、シャフト68の外径と略同一となっている。この溝254aに、フィルムロール32Bが装着されるときにシャフト68が挿入される。装着部材254の左右方向の幅は、一対の側面252cの間の距離と略同一となっている。
【0058】
支持ブレート252の凹み部252aは、装着部材254の約2倍の鉛直方向の長さを有する。このため、凹み部252aに収容された装着部材254は、凹み部252aの内部を鉛直方向に移動可能となる。
【0059】
凹み部252aの下方には、底面252dが設けられている。凹み部252aと装着部材254の下面254cとの間には、コイルスプリング256が配置される。コイルスプリング256は圧縮バネとして機能し、装着部材254に上方に向かう付勢力を与える。
【0060】
図12(a)は、フィルムロール32Bが装着されたときの装着機構250の正面図である。装着部材254の両側面には、それぞれストッパピン258が設けられている。支持ブレート252の側面252cの各々には、ストッパピン258が挿入される、鉛直方向に長いガイド孔(図示せず)が設けられている。装着部材254は、ストッパピン258がガイド孔の上縁部に当接したところで、上方向への移動が阻止される。ガイド孔は、ストッパピン258と当接したときに装着部材254の上面254bが支持ブレート252の上端と同一面上に位置するよう設けられる。このように最上位に位置するときの装着部材254の位置を「進出位置」という。
【0061】
フィルムロール32が上方から装着機構250に装着されるとき、フィルムロール32Bの芯64に挿入されたアダプタ66のシャフト68が、装着部材254の溝254aに挿入される。こうしてフィルムロール32Bが装着機構250に装着される。
【0062】
図12(b)は、フィルムロール32Aが装着されたときの装着機構250の正面図である。フィルムロール32Aが上方から装着機構250に装着されるとき、フィルムロール32Aの芯62が装着部材254の上面254bに当接する。フィルムロール32Aをさらに押し下げることにより、コイルスプリング256の付勢力に抗して装着部材254が押し下げられる。こうしてフィルムロール32Aの芯62が一対の側面252cの間に挿入されて位置決めされ、フィルムロール32Aが装着機構250に装着される。このように芯62を一対の側面252cの間に挿入するため下方に移動したときの装着部材254の位置を「退避位置」という。
【0063】
以上のように装着部材254は、芯62が装着されるときは芯62が一対の側面252cの間に収容されるよう進出位置から退避位置に移動し、シャフト68が装着されるときは、シャフト68を溝254aに収容できるよう退避位置から進出位置に移動する。このように装着部材254を鉛直方向に進退させることによっても、ユーザがレバーを操作する、アダプタである装着部材を取り付ける、などの作業をすることなく、フィルムロール32Aおよびフィルムロール32Bのどちらも簡易に装着機構250に装着することができる。
【0064】
なお、コイルスプリング256を設けず、進出位置と退避位置とでそれぞれネジ止め固定できるよう装着機構250が構成されていてもよい。ネジ止め用の孔は、装着部材254を進出位置および退避位置のどちらにも固定できるよう装着部材254および支持ブレート252のどちらにも設けられていてもよい。これにより、フィルムロール32Aを使用するときは装着部材254を退避位置で固定してフィルムロール32Aを使用でき、フィルムロール32Bを使用するときは装着部材254を進出位置で固定してフィルムロール32Bを使用することができる。
【0065】
この態様においては、ストッパピン258およびストッパピン258が挿入される支持ブレート252のガイド孔に代えて、ネジが挿入される鉛直方向に長いガイド孔が支持プレート202に設けられていてもよい。これにより、この支持プレート202のガイド孔を通じて装着部材254に設けられたネジ孔にネジを螺合させることで装着部材254を固定できる。また、そのネジを緩めるだけで、装着部材254を支持ブレート252から離脱させることなく、進出位置と退避位置との間で装着部材254を移動させることができる。
【0066】
(第7の実施形態)
図13は、第7の実施形態に係る支持プレート122を示す図である。第7の実施形態に係る装着機構の構成は、特に言及しない限り第2の実施形態に係る装着機構120と同様である。以下、上述の実施形態と同様の個所は同一の符号を付して説明を省略する。
【0067】
第7の実施形態に係る支持プレート122には、ガイド部材300が取り付けられている。ガイド部材300は、突出する芯62を重力によって凹み部122aに案内するよう傾斜するガイド部300aを有する。このようにガイド部材300を設けることにより、突出する芯62を有するフィルムロール32Aを支持プレート122に装着するときに、簡易な装着が可能となる。
【0068】
本発明は上述の各実施形態に限定されるものではなく、各実施形態の各要素を適宜組み合わせたものも、本発明の実施形態として有効である。また、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を各実施形態に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施形態も本発明の範囲に含まれうる。
【符号の説明】
【0069】
10 包装装置、 16 給紙トレイ、 30 装着機構、 32,32A,32B フィルムロール、 34 フィルム、 60 フィルム、 62,64 芯、 66 アダプタ、 68 シャフト、 80 支持プレート、 80a 凹み部、 80b 溝、 82 溝形成部材、 82a ガイド孔、 82b 側面、 82c 溝、 82d ガイド孔、 84 ラックギヤ、 84a ギヤ部、 86 ギヤ、 88 ピン、 120 装着機構、 122 支持プレート、 122a 凹み部、 122b 側面、 122c 溝、 124 装着部材、 124a 溝、 150 装着機構、 152 カム、 154 軸、 156 コイルスプリング、 180 装着機構、 182 ロッド、 184 軸、 200 装着機構、 202 支持プレート、 202a 凹み部、 202b 溝、 204 装着部材、 204a 溝、 204b テーパー部、 204c 凹み部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装用のフィルムが巻かれて設けられたフィルムロールを、当該フィルムから軸方向外側に突出する軸部材を利用して装着する装着機構を備え、
前記装着機構は、前記軸部材の外径が収容される溝を有し、前記溝の幅が変更可能に設けられていることを特徴とする包装装置。
【請求項2】
前記装着機構は、
第1の軸部材の外径を収容すべく設けられた第1の溝と、
第2の軸部材の外径を収容すべく第1の溝と幅が異なる第2の溝が設けられた装着部材を取り付け可能な被取付部と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の包装装置。
【請求項3】
前記装着機構は、
各々が前記溝の縁部を構成する一対の溝形成部材と、
前記一対の溝形成部材の少なくとも一方を移動させることにより前記溝の幅を変更する幅調整機構と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の包装装置。
【請求項4】
前記装着機構は、
第1の軸部材の外径を収容すべく設けられた第1の溝と、
第2の軸部材の外径を収容すべく第1の溝と幅が異なる第2の溝が設けられ、第2の軸部材が第2の溝に収容できるよう第1の溝内の所定位置に配置された装着部材と、
を備え、
前記装着部材は、第1の軸部材が装着されるときは第1の軸部材が第1の溝に収容できるよう前記所定位置から退避することを特徴とする請求項1に記載の包装装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−214266(P2012−214266A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−79691(P2011−79691)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000109727)株式会社デュプロ (195)
【Fターム(参考)】