説明

化学修飾リボヌクレオチド合成とその遺伝子発現抑制効果

【課題】RNA干渉法等にて用いられる、標的遺伝子の発現を抑制する塩基数21〜27の二本鎖RNAであるsiRNAにおいて、遺伝子抑制効果の高い該siRNAの提供。又、該siRNAを用いる効率的な遺伝子発現抑制法の提供。
【解決手段】不飽和炭化水素化合物を基本骨格とする低分子化合物を、既知のホスホロアミダイト法等やコハク酸イミドリンカーを用いる活性エステル化法によってリボヌクレオチドへと簡便且つ効率的に化学修飾することによる該siRNA作製手段、且つこれを用いたRNA干渉法等に代表される効率的な遺伝子発現抑制手法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化学修飾リボヌクレオチドの合成法とこれらを用いる遺伝子発現抑制効果に関する。
【背景技術】
【0002】
近年のゲノムプロジェクト等の成果により、様々な生物のゲノム情報が次々と明らかにされつつある中、このゲノム情報を基盤として、個々の遺伝子の複製や転写、翻訳といった遺伝子機能を解明する研究が著しく発展してきている。この様な機能解明への取組みにおいては、細胞や動物個体へDNAやRNA等を導入し、ターゲットとなる遺伝子を過剰発現させ機能を活性化する、あるいは逆に欠失・欠損させ機能を停止・低下させる等により、多角的な形質変化の情報を収集し、遺伝子及びタンパク質の機能を明らかにする手法が汎用される。
【0003】
現在、数多くの遺伝子機能解析法が開発されており、目的に応じて種々の手法が選択されるが、取分けRNA interference (RNA干渉法,以下RNAi)は1998年にFireとMelloらによって報告されて以来、1. 遺伝子ノックアウト法の様な煩雑な操作を必要とせず、2.塩基配列情報と低分子RNAを用いることで遺伝子機能を調べることができ、3. アンチセンス法等と比較して数十〜数百倍の抑制活性を持つ、などの理由から遺伝子機能解析を目的とする多くの研究者にその技術が利用されている。上記低分子RNAの一つとしては、化学合成された21〜27塩基程度のオリゴ長を持つ二本鎖リボヌクレオチド(以下siRNA)が用いられるが、更なる発現抑制効果の向上、持続あるいは器官選択性への向上等を理由にその高機能化が望まれる場合があり、その手段の一つとして、リボヌクレオチドへの化学修飾が施される。
【0004】
例えば、抑制効果の向上に対しては細胞膜透過性ペプチド等を付与することで導入効果を高める、或いは効果の持続ということであればRNA分解酵素耐性を高める目的で糖鎖リボースの2位水酸基を置換する等の方法が効果的とされ、コレステロール等の脂質化合物を付与することで器官への選択性が向上するケース等もある。
【0005】
しかしながら、ペプチド修飾リボヌクレオチドに関して言えば、ペプチド自体の収量やリボヌクレオチドへの修飾効率等が不十分であるケースもみられ、遺伝子発現抑制の機能としては優れていても、コスト的に充分に満足できない場合がある。又、2位水酸基置換リボヌクレオチドは、酵素耐性という面では優れた効果が期待できるものの、置換するモノヌクレオチドの位置や数によってRNAi効果が左右されるとの報告があり、同機能解析を目的とするsiRNAとしては適切でないケースが見られる。
【非特許文献1】A. Fire, S. Xu, MK. Montgomery, SA. Kostas, SE. Driver, CC. Mello, Nature, 391, 806 (1998).
【非特許文献2】F. Simeoni, M. C. Morris, F. Heitz, G. Divita, Nucleic Acids Res., 31, 2717 (2003)
【非特許文献3】Y. L.Chiu, T. M. Rana, RNA, 9, 1034 (2003)
【非特許文献4】J. Soutschek, A. Akinc, B. Bramlage, K. Charisse, R. Constien, M. Donoghue, S. Elbashir, A. Geick, P. Hadwiger, J. Harborth, M. John, V. Kesavan, G. Lavine, R. K. Pandey, T. Racie, K. G. Rajeev, I. Rohl, I. Toudjarska, G. Wang, S. Wuschko, D. Bumcrot, V. Koteliansky, S. Limmer, M. Manoharan, H.P. Vornlocher, Nature 432, 173 (2004)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記問題点に対して、簡便且つ効率的なリボヌクレオチドへの化学修飾法により得られる化学修飾リボヌクレオチドを用い、遺伝子抑制効果の高い該siRNAを提供することを目的する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は上記課題に対して鋭意研究を重ねた結果、ピレンや3,7-ジメチル-オクタ-2,6-ジエンといった低分子不飽和炭化水素化合物とリボヌクレオチドとの共有結合体を、固相上におけるホスホロアミダイト法もしくはコハク酸イミドリンカーを介する活性エステル化法等を用いて簡便且つ効率的に与え、得られた化学修飾リボヌクレオチド及びその相補鎖から成る化学修飾siRNAが高い遺伝子抑制効果を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本発明により、下記の一般式(1)に示す低分子不飽和炭化水素化合物がリボヌクレオチド配列中の任意のヌクレオチドの少なくとも1つに、直接あるいはリンカーを介して結合した組成体とする当該siRNAが提供される。
【0009】
【化1】



【0010】
式中、Xは水素原子,ハロゲン基,スルホニル基,Yは水素原子, ハロゲン基,ニトロ基,スルホニル基,Zは水素原子, ハロゲン基,水酸基,スルホニル基であり、本発明の一態様に置いては、X,Y,Zが水素原子である誘導体が好ましい。
【0011】
又、下記の一般式(2)に示す低分子不飽和炭化水素化合物がリボヌクレオチドの任意のヌクレオチドの少なくとも1つに、直接あるいはリンカーを介して結合した組成体とする当該siRNAが提供される。
【化2】



【0012】
式中、Aは水素原子、飽和アルキル鎖、不飽和アルキル鎖であり、Bは水素原子、飽和アルキル鎖、不飽和アルキル鎖であり、アルキル基の鎖長は0〜20であり、好ましくは5〜15であり、更に好ましくは5〜10である。本発明の一態様においては、Xがメチル基、Yが2-メチル-ペント-2-エンである誘導体が好ましい。
【0013】
本発明の一態様において、該リボヌクレオチドが、低分子不飽和炭化水素化合物とリボヌクレオチドとをリンカーを介して結合した組成体として提供される場合、そのリンカーには下記一般式(3)〜(12)に示すものが挙げられる。
【化3】



式中Xは、O, S, SS, CO, CS, NH, CH2, COO, CONH, NHCO, NHCONH, OCO2,OCONH, NHCSO, NHCSNH, OCSNH,-O-PO2-O-,の何れでも良く、式(3)のnは1〜20の整数を表し、好ましくは1〜10であり、更に好ましくは1〜5である。式(4)のnは0〜20の整数を表し、好ましくは0〜10であり、更に好ましくは0〜5である。
【0014】
又、本発明における化学修飾法によって提供される化学修飾リボヌクレオチドから成る該siRNAは、その抑制効果の向上によって使用量の軽減等を可能とし、精度や効率面に優れた遺伝子解析法が提供され得る。
【発明の効果】
【0015】
本発明によって、RNAi等における遺伝子発現抑制効果の高い化学修飾リボヌクレオチドを、安価に入手可能な不飽和炭化水素系の低分子化合物誘導体とリボヌクレオチドとのホスホロアミダイト法もしくはコハク酸イミドリンカーを介する活性エステル化法等によって固相上にて簡便且つ効率的に合成し、低コストで性能に優れた該siRNAの提供が可能となった。又、該siRNAの抑制効果の向上は、その使用量が軽減されることにより、細胞への負荷が低下し解析精度が向上する或いは解析における一回当りのコストが軽減されより多くの検体の解析が可能となる等の効率的遺伝子解析手法の提供を実現する。これは、国内の長寿命化・少子化傾向による社会構造の変化が齎す現行の医療制度への深刻な影響に対する、ゲノムプロジェクト或いはポストゲノム研究に基づく遺伝子レベルでの病因解明が促す疾患への未然予防・早期治療による健康リスクの低減といった取組みにおいて、有用な材料・手法の一つとなり得る。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】化学修飾リボヌクレオチドのHPLC分析結果を示す図である(実施例1)。
【図2】未修飾及び化学修飾リボヌクレオチドから成るsiRNAのPAGE分析結果を示す図である(実施例1)。
【図3】化学修飾リボヌクレオチドを用いたRNA干渉法における、NIH3T3細胞でのLamin遺伝子由来のmRNA発現量をリアルタイムPCR法によって比較したグラフである(実施例1)。
【図4】化学修飾リボヌクレオチドを用いたRNA干渉法における、HeLa細胞でのLamin遺伝子由来のタンパク(Lamin A/C)発現量をウェスタンブロッティング法によって比較したグラフである(実施例1)。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明により、提供される化学修飾リボヌクレオチドは、RNA干渉法に基づく遺伝子発現抑制において未修飾のそれより優れた抑制効果を示すものであり、ピレン誘導体あるいは3,7-ジメチル-オクタ-2,6-ジエン誘導体等を有する不飽和炭化水素化合物の少なくとも1つが、リボヌクレオチドの任意の位置に直接あるいはリンカーを介して結合した組成体であることを特徴とする21〜27塩基の二本鎖リボヌクレオチドである。
【0018】
本発明者は、前記化学修飾リボヌクレオチドを用いることによって、遺伝子発現抑制効果が惹起され遺伝情報の解析や核酸薬剤として有用となり得るリボヌクレオチドを見出した。即ち、係る新規なリボヌクレオチド存在下においては、RNAi等における遺伝子発現抑制法において効果的に遺伝子の発現を抑制する。よって、従来の未修飾siRNAに比較してその使用量が軽減でき、解析精度や解析コスト面に効果的な遺伝子解析法となり得る。
【0019】
本発明により、リボヌクレオチドに修飾される誘導体は、下記一般式(1)又は(2)で表される化合物を挙げることができる。
【化1】



【0020】
【化2】



【0021】
式中、Xは水素原子,ハロゲン基,スルホニル基,Yは水素原子, ハロゲン基,ニトロ基,スルホニル基,Zは水素原子, ハロゲン基,水酸基,スルホニル基であり、Aは水素原子、飽和アルキル鎖、不飽和アルキル鎖であり、Bは水素原子、飽和アルキル鎖、不飽和アルキル鎖等を有する不飽和炭化水素化合物誘導体が各々用いられる。
【0022】
本発明によれば、標的遺伝子由来のmRNAを標的とする該siRNA存在下、RNA干渉法において標的遺伝子の発現を効果的に抑制することが可能となる。発現の抑制及びその解析方法は、例えばElbashir, S.M.,et.al,Nature,411:494-498,2001 等の論文に記載の手法等、当業界において既に公知の技術と組み合わせることにより、当該の解析結果を提供できる。
【実施例】
【0023】
以下に、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
【0024】
1. ピレン修飾リボヌクレオチドの合成
(実施例1)
本発明のリボヌクレオチドに修飾する一般式(1)に示す不飽和炭化水素化合物として、ピレンを使用した場合における、該siRNAの合成法を示す。
【0025】
具体的な合成は、先ず、M. H. Caruthers, et. Al., Tetrahedron Lett., 22, 1859 (1981) 又は、S. L. Beaucage, et. Al., Current Protocols in Nucleic Acid Chemistry., vol. 1, pp. 3.3.1-3.3.20, John Wiley & Sons(2000)にて周知のホスホロアミダイト法によって、核酸自動合成装置(ジーンワールド社製 H-8)により所望のリボヌクレオチド塩基配列を合成した。配列は、Lamin遺伝子(核膜蛋白遺伝子)を標的とした配列を選定し、RNAiに要されるsense鎖、antisense鎖を各々合成した。次いでsense鎖の5末端にピレン誘導体を修飾したリボヌクレオチドを作製する場合、上記合成にて得られた未修飾リボヌクレオチドの5末端DMT(Dimethoxytrityl)基を脱保護し、予め合成機に用意しておいた1-(10b,10c-Dihydro-pyren-1-ylmethyl)-pyrrolidin phosphoramidite (Glen Research 10-1987-90)を用い、同合成法によって修飾を施した。又、本リボヌクレオチドは、コハク酸イミドリンカーを用いる活性エステル化法により、炭素鎖10のカルボン酸スクシンイミジルリンカー(Glen Research社製)とアミノピレンとのアミド結合によっても同等の修飾リボヌクレオチド体を得られる。

Lamin-siRNA sense (* Pyrene modified)
(5⇒3) *AAC UGG ACUU CCA GAA GAA CAT T
Lamin-siRNA antisense
(5⇒3) UGU UCU UCU GGA AGU CCA GTT

【0026】
得られた未精製ピレン修飾リボヌクレオチドの純度をHPLCにて測定した。分析用のカラムには、Lichrosorb RP-18 (4.6×250mm, GL science)を使用した。溶離液は、溶離液A/0.1M TEAA (10%MeCN,pH 7.0)及び溶離液B/0.1M TEAA (50%MeCN,pH 7.0)を用い、分析時のA/B混合割合には、溶離液Bの比率が40min.かけて0%から100%となるリニアーグラジェントを設定した。分析後同HPLC条件にてHPLC精製を行い、得られたサンプルを一部分析した。図1Aは、未精製のピレン修飾リボヌクレオチドの分析結果である。図1Bは、精製後のピレン修飾リボヌクレオチドの分析結果である。
【0027】
2. ピレン修飾siRNAの合成
各々調製したピレン修飾リボヌクレオチド(sense鎖)及びその相補鎖(antisense鎖)を5×アニーリング緩衝液(2.5g K-acetate, 1.8g HEPES, 0.11g Mg-acetate 4水和物, 2.0mL 2M KOH, RNase Free Water 50mLでメスアップ)にて混合・溶解し20μM濃度の溶液とした。90℃で1分間処理後に1時間かけて37℃まで冷却し、4℃で30分間処理して目的の該siRNAを得た。図2Aは未修飾リボヌクレオチド、図2Bはピレン修飾リボヌクレオチドから成るsiRNAのポリアクリルアミドゲル電気泳動の分析結果である。
【0028】
3. ピレン修飾siRNAを用いる遺伝子抑制効果の検証
トリプシン処理したNIH3T3細胞あるいはHeLa細胞をDMEM(インビトロジェン社製)培地(10%牛胎児血清(FBS),1%ペニシリン-ストレプトマイシン)に分散させ、12well plateに1well当り7×104個の細胞を播種し、37℃で24時間培養した(培地量は2mL/well)。次いで、siRNA(20μM)を10〜200倍に希釈した溶液を培地添加後の各最終濃度が0.1, 0.2, 0.5, 2, 5, 10, 20nMになるようにopti-MEM(インビトロジェン社製) 100μlに混合し、導入剤であるLipofectamin RNAiMAX(インビトロジェン社製) 1.6μlとopti-MEM 100μlとの混合液に添加し、室温で15〜20分間程インキュベートした溶液を各wellの培地に添加し37℃で72時間インキュベートした。又、比較対象となるネガティブコントロールsiRNA及び未修飾Lamin-siRNA(下記配列参照)も先述の同合成法により調整し、同手法により各wellの培地に添加した。

Lamin-siRNA sense (non-modified)
(5⇒3) CUG GAC UUC CAG AAG AAC ATT
Lamin-siRNA antisense
(5⇒3) UGU UCU UCU GGA AGU CCA GTT

Control-siRNA sense
(5⇒3) UUC UCC GAA CGU GUC ACG UTT
Control-siRNA antisense
(5⇒3) ACG UGA CAC GUU CGG AGA ATT

【0029】
インキュベート後、NIH3T3細胞からRNeasy Mini Kit (Qiagen)を用いてRNAを抽出し、Takara RNA PCR Kit (AMV) Ver 3.0 (Takara)を用いて標的mRNA由来のcDNAを調製した。次いで、Real-time PCR Mx 3005P(Stratagene)により、標的とするLamin遺伝子のmRNA発現抑制率を確認した。結果、本発明により提供される該siRNAは、通常のプロトコールの約100倍程度低い濃度域においても、Control-siRNA比で約65%、未修飾Lamin-siRNA比で約15%程高い抑制効果を示した。図3は、該siRNAを用いたRNA干渉法における、NIH3T3細胞でのLamin遺伝子由来のmRNA発現量をリアルタイムPCR法によって比較したグラフである。
【0030】
インキュベート後、HeLa細胞からRIPAバッファ(PIERCE)を用いてタンパク質を抽出し、1次抗体にLamin A/C抗体(BD biosciences), 2次抗体にHRP標識抗体(CALBIOCHEM)を用いてWestern-blotting法によりLamin A/Cタンパクの発現抑制効果を確認した。結果、本発明により提供される該siRNAは、通常のプロトコールの約100倍程度低い濃度域においても、Control-siRNA若しくは未修飾Lamin-siRNAのデータと比較して良好な発現抑制効果を示した。図4は、該siRNAを用いたRNA干渉法における、HeLa細胞でのLamin遺伝子由来のタンパク(Lamin A/C)発現量をウェスタンブロッティング法によって比較したグラフである。
【0031】
一連の結果は、既知のアミダイト法等を用いることにより、不飽和炭化水素化合物を簡便且つ効率的にリボヌクレオチドへと化学修飾でき得ることを示した。又、本発明により提供される当該siRNAは、RNA干渉法を用いる遺伝子発現抑制効果において、未修飾のそれと比較して同等以上の発現抑制効果を示し、その有用性が証明された。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明のより提供される該siRNAは、遺伝子発現抑制向上の為の化学修飾法において、従来の合成法に見られるような煩雑な手法や高価な試剤等を用いることなくその提供が可能であり、効果的な遺伝子発現抑制ツールとして用いることができる。従って、これに係る様々な検査薬、診断薬、核酸医薬等の医療産業への利用が期待される。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
RNA干渉法等の遺伝子発現抑制手法において、標的遺伝子の発現を抑制する塩基数21〜27の二本鎖RNA(siRNA)であって、その配列中の任意のヌクレオチドの少なくとも1つに、直接あるいはリンカーを介して不飽和炭化水素化合物が修飾された化学修飾リボヌクレオチドからなる該siRNA。
【請求項2】
不飽和炭化水素化合物として下記の一般式(1)に示すピレン誘導体を修飾したリボヌクレオチドから成る請求項1の該siRNA。
【化1】




式中、Xは水素原子,ハロゲン基,スルホニル基,Yは水素原子, ハロゲン基,ニトロ基,スルホニル基,Zは水素原子, ハロゲン基,水酸基,スルホニル基であるピレン誘導体。
【請求項3】
不飽和炭化水素化合物として下記の一般式(2)に示す不飽和アルキル誘導体を修飾したリボヌクレオチドから成る請求項1の該siRNA。
【化2】




式中、Aは水素原子、飽和アルキル鎖、不飽和アルキル鎖であり、Bは水素原子、飽和アルキル鎖、不飽和アルキル鎖等である不飽和アルキル誘導体。
【請求項4】
請求項1〜3の該siRNAを構成する化学修飾リボヌクレオチドであって、ホスホロアミダイト法もしくはコハク酸イミドリンカーを用いる活性エステル化法を用いる当該化学修飾リボヌクレオチドの合成法。
【請求項5】
請求項1〜3の何れかの該siRNAを用いるRNA干渉法等に代表される遺伝子発現抑制法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−109936(P2011−109936A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−267063(P2009−267063)
【出願日】平成21年11月25日(2009.11.25)
【出願人】(304056486)株式会社ジーンネット (4)
【Fターム(参考)】