説明

化学実験を実行するためのシステムおよび方法

本発明は、並列化学実験を実行するためのシステムに関する。システムは、並列流通式反応器のアレイを備え、各流通式反応器は、反応室(1a)と、反応室(1a)に連結されている反応器入口(1b)と、反応器出口(1c)とを備える。各反応器の下流側には、対応している能動的圧力調整装置(4)が、各反応器の圧力を能動的に調整するために設けられる。圧力調整装置は、反応器出口(16)に連結されている入口を伴った反応器排出物のための経路(5)と、反応器の圧力に関して減少した圧力において反応器の排出物を放出するための出口とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、並列化学実験を実行するためのシステムに関する。該システムは、並列流通式反応器のアレイを備え、各反応器は、反応室と、反応室に連結されている反応器入口と、反応器出口とを備える。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
本発明の目的は、化学実験を実行するための改善されたシステムおよび方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の第1の態様によると、この目的は、請求項1に記載のシステムによって達成される。この態様によると、本システムは、並列流通式反応器のアレイを備え、各反応器は、反応室と、反応室に連結されている反応器入口と、反応器出口とを備える。各反応器の下流側には、反応器の圧力を能動的に調整するために個々の能動的圧力調整装置が設けられている。この圧力調整装置は反応器出口に連結されている入口および反応器の圧力に対して減少した圧力において反応器排出物を放出するための出口によって、反応器排出物に対する能動的に調整可能な経路を備える。
【0004】
1つの好ましい態様においては、能動的圧力調整装置は、各反応器の反応器排出物に対する能動的に調整可能な経路を備え、この能動的に調整可能な経路は、経路の実効断面の変動を起こさせるための可動部材を有する。
【0005】
好適には、可動部材は、制御ガスで満たされている共通圧力室と接触し、この可動部材は、反応器の圧力が制御ガスの圧力より低い場合に閉位置に向かって移動され、反応器の圧力が制御ガスの圧力を超えている場合には、開位置に向かって移動されるようになっていて、上記システムは、圧力室内の制御ガスの圧力を制御するための圧力制御装置をさらに備える。アレイの反応器は、この態様においては、圧力調整装置を有し、それにより本システムは、反応器内で同じ圧力の状態が維持されるように、例えば、50バールなどの同じ圧力において並列反応器内の反応を実行するのに適している。
【0006】
さらにもう1つの好ましい態様においては、可動部材は、反応器排出物に対する能動的に調整可能な経路を定義する柔軟壁部材を備え、この壁部材は、能動的に調整可能な経路を圧力室から分離し、この壁部材はまた、上記圧力室内の制御ガスと接触していて、圧力室内の制御ガスとその経路内の反応器排出物の圧力との間の圧力差によって変形することができ、能動的圧力調整装置は、圧力室内の制御ガスの圧力を制御するための圧力制御装置をさらに備える。したがって、この好ましい態様によるシステムは、非常に簡単な、いわゆる背圧調整装置を提供する。この背圧調整装置によって、圧力室内の制御ガスの圧力を圧力制御装置によって設定値に対応するある値にすることができる。この圧力がアレイの調整可能な経路の上流側の反応器排出物の圧力より高い場合、上記特定の経路の変形可能な壁が、その経路が絞られるように変形される。結果として、上記調整可能な経路の上流側の圧力は、圧力室内の制御ガスの圧力と平衡状態に達するまで上昇する。この圧力調整は非常にロバストであり、その概念が簡単であるので、圧力制御装置の応答時間が速く、例えば、二相または三相の流れなどの流動状態の広い範囲でのシステム内の正確な圧力調整に適している。
【0007】
1つの特に好ましい態様においては、共通圧力調整装置は、それぞれの柔軟壁部材によって区切られている共通圧力室を有し、圧力室は、圧力制御装置に連結されている。これは、すべての個々の反応器出口のために別々の圧力制御装置が必要ではなく、複数の反応器内の圧力を制御するために必要な圧力制御装置が1つだけで済むという利点がある。これにより、例えば、少なくとも8つまたはおそらくは16、32以上の反応器が並列に動作している時、特に簡単で費用のかからない解決策となる。
【0008】
本発明の背圧調整装置によって、排出流が多相、例えば、流体相および気相を有する場合でさえも、排出流の圧力を設定レベルに保つことができる。
【0009】
システムは、むしろ小さい体積の反応器での実施において、特に、「高スループット」の小規模な化学実験のために使用することができる。迅速な触媒スクリーニングなどの実験においては、並列流通式反応器のアレイからの排出流を1つの分析装置で分析することができる。分析は、オンラインで実行することができる。分析装置は、試料収集装置も有することができる。
【0010】
本発明の背圧調整装置によって、その排出流が、多相、例えば、流体相および気相を有する場合でさえも、設定値が異なっている反応器の排出流の圧力を維持することができる。
【0011】
反応器内の圧力は、実際的に300バールまで上げることができる。そのような高い圧力における試料収集は非実際的であり、危険な場合がある。本発明の圧力調整装置は、弁の下流側における反応器排出物の放出がそのような高い圧力において生ずる必要がなく、より低い圧力、好ましくは、大気圧において発生することができることを可能にする。
【0012】
本発明のもう1つの態様は、請求項12に記載の化学反応を実行するための方法に関する。大気圧より高い圧力において実行される反応に対して実際に使用されるこの方法においては、反応器の圧力は、少なくとも1つの背圧調整器の手段によって調整される。この方法においては、2つの減圧ステップが実行される。第1の減圧は、反応器の上流側の流れ制限器によって発生され、反応器入口の圧力に対する供給圧力を低減する。第2の減圧ステップは、反応器の下流側にある背圧調整装置によって発生される。反応器の上流側の流れ制限器は、各反応器に対して等しい流量の分布を発生することが好ましい。それらは受動または能動制限器であってもよい。この方法においては、反応器の上流側の制限器および下流側の背圧制御装置は、第2の減圧ステップが第1の減圧ステップより大きいように選定され、および実質的に制御される。一般に、これによって反応を高い圧力において実行することができる。
【0013】
請求項12に記載のこの方法の1つの好ましい態様においては、上記システムが使用され、それにより、その反応器内の圧力が、圧力制御装置の手段によって弁圧力室の圧力を制御することによって制御される。
【0014】
本発明のさらにもう1つの態様は、請求項14に記載の方法に関する。この方法においては、上記のようなシステムが使用され、それによりその反応器内の圧力が圧力制御装置の手段によって弁圧力室の圧力を制御することによって制御される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明は以下において次の図面を参照してより詳しく説明される。
【0016】
図1は、小規模な「高スループット」の実験などの並列化学実験を実行するためのシステムを示す。このシステムは、複数の流通式反応器1を備え、流通式反応器は、並列に配置され、例えば、システムは少なくとも8つ、ただし、16、32またはそれ以上の反応器を含むことが可能である。各流通式反応器1は、反応室1aと、少なくとも1つの反応器入口1bと、反応器出口1cとを有する。反応器入口1bは、流量制御手段3が装備されている供給管路2に連結されている。この供給管路2および流量制御手段3を通して反応物質、例えば、流体、気体または流体‐気体の混合物を反応室1aに供給することができる。本発明のシステムのこの実施形態において存在している流量制御手段3によって、反応器1への流れを能動的に制御することができる。言い換えれば、このことは流れの制限を調整できることを意味する。この実施形態においては、反応器ごとに1つの入口1bおよび1つの供給管路2が示されている。しかし、当業者であれば、その反応器は異なる反応物質を供給するためのより多くの別々の入口を有することができることが分かる。反応器を通る流れは連続または不連続であってもよい。
【0017】
実験は同時に実行されることが好ましい。
【0018】
反応器1の下流側においては、出口1cが圧力調整装置4に連結されている。図2に、圧力調整装置4の一部が示されている。この装置は、入口5aが反応器出口1cに連結され、反応器の排出物を放出するための出口5bを有する反応器の排出物の経路5を備える。図2および図3に示されているこの実施形態においては、経路5は変形可能な管6の形式での弾性変形可能な壁部材(弾性材料から作られていることが好ましい)を有する。
【0019】
装置4は、圧力室7をさらに備え、変形可能な管6を有する経路5が配置されている。圧力室7は、制御ガス、例えば、加圧空気をガス源8から圧力室7に供給することができるガス供給ライン9を介して高圧ガス源8に連結されている。ガス供給ライン9においては、圧力室7へのガスの供給を調整するために正確に開閉することができる制御弁10(図1参照)が設けられている。圧力室7は、制御ガスを充填することによって加圧することができる。その加圧プロセスは、圧力室7内の圧力を測定するための圧力センサ(図示せず)を有する圧力制御装置10aによって制御される。圧力制御装置10aは、また、制御弁10に接続されている。
【0020】
経路5は、反応器の排出物に対する能動的に調整可能な経路であり、それは弁として働く。変形可能な管6は、圧力室7内の弁制御ガスと経路5内の反応器排出物の圧力との間の圧力差によって変形可能である。上記圧力差のために管6の内側または外側への動きによって、経路5の実効断面の変化が発生する。
【0021】
図1の実施形態においては、並列反応器のすべての経路5が共通圧力室7内に配置されているので、すべての反応器1内の圧力を1つだけの圧力制御装置10aおよび1つの制御弁10によって制御することができる。この簡単な構造の圧力調整装置によって、上流側の流れの中に大きな変動がある場合でさえも、反応器の圧力を正確に調整することにつながる高速の応答結果が得られる。本発明の範囲内において、ある共通の圧力下で実行する一組の反応器1に対する共通圧力室7、および別のまたは同じ圧力下で実行する別の一組の反応器1に対する別の共通圧力室7があるシステムも可能である。
【0022】
能動的に調整可能な経路5の出口5bは、分析装置11に連結され、図示の実施形態(図1参照)においては、複数の試料収集容器13を持つ試料収集装置12を備える。反応器内の圧力は非常に高くなる(300バールにまで上昇する)可能性があるが、圧力調整装置4の絞り作用のために、試料はずっと低い圧力、好ましくは、大気圧(1バール)において収集される。反応物質の供給圧力と反応器の圧力との間の差は、反応器の圧力と試料が収集される放出圧力との差より小さいことが好ましい。試料収集装置12の代わりに、分析装置11は、図6に示されていて以下に説明されるオンラインの分析装置を備えることもできる。
【0023】
図1〜図3の実施形態と同じ動作原理による能動的に調整可能な経路の他の実施形態が図4aおよび図4bに示されている。この実施形態においては、中央のガスライン9が反応器の排出物の経路5を通して同軸的に延びている。制御ガスライン9は、管状柔軟壁部材26を有し、壁部材は経路5の内部に配置されている。制御ガスライン9は、圧力室27を定義する。制御ガスは、圧力室27に供給され、それにより圧力室27内の圧力が増大される。柔軟壁部材26は膨張させられ、経路5の壁に対して押し付けられる(図4b参照)。それ故、反応器1内の圧力が圧力室27内の圧力に近付き、その結果、圧力室27、および圧力室27と経路5の壁との間の反応ガスの経路が収縮するまで、経路5は柔軟壁部材26によって封止される。
【0024】
図1〜図3の実施形態と同じ動作原理による能動的に調整可能な経路のもう1つの実施形態が図5に示されている。この代替実施形態による圧力調整装置4は、反応器の流体の経路5を備え、入口5aは反応器出口に連結され、出口5bは、反応器の流体を排出するための出口である。経路5は、変形可能膜16の形式での変形可能壁部材を有する。膜16は、弾性材料の膜であることが好ましい。膜16の反対側には、主圧力導管19によるマニホールド18が配置され、圧力管路17に分かれ、各管路は経路5の反対の位置につながり、圧力管路17を通して膜16に圧力が加えられると、その膜が変形し、経路の反対側の壁の部分5cに対して移動され、入口5aからの上流側の圧力が管路17内の圧力に実質的に等しくなるまで、経路5が閉じられるようになる。
【0025】
図6には、並列化学実験を実行するためのやや異なるシステムが示されている。システムは、並列に配置された複数の流通式反応器1を備える。各流通式反応器1は、反応室1aと、少なくとも1つの反応器入口1bと、反応器出口1cとを有する。反応器入口1bは、制限部63が装備されている供給管路2に連結されている。この例に制限されることなく、その制限部は、例えば、毛細管またはピンホールを備える。供給管路2および制限部63を通って、反応物、例えば、流体、気体または流体‐気体の混合物を、すべての反応器に対する1つの共通の供給ライン64から反応室1aに供給することができる。共通の供給ライン64と、制限部63の付いた並列供給管路2とを有する図示の配置構成は、各反応器1に等しい流量を供給する流れスプリッタ65を構成する。図6のこの実施形態においては、反応器ごとに1つの入口1bと1つの供給管路2だけが示されている。しかし、当業者であれば、反応器1は、異なる反応物を供給するためにさらに多くの別々の入口を有することができることを理解することができる。反応器1を通る流れは、連続的または不連続的であってもよい。
【0026】
図6の圧力調整装置4は、図1〜図3で示されているものと同じであり、その説明については上記対応している説明を参照されたい。
【0027】
図6のシステムの各出口5bは、共通分析装置61に連結され、分析装置61は、図示の実施形態においては、切替弁65を備え、切替弁65は、出口5bの1つを分析装置(AD)66、例えば、ガスクロマトグラフまたは質量分析装置と選択的に連通させることができる。また、切替弁は他の反応器を廃棄物収集装置67と連通させることができる。この分析装置によって、1つの反応器1の排出物の試料を装置66によって分析することができ、一方、残りの反応器1からの排出物は、廃棄物収集装置67へ向けられる。この結果、反応器1内で化学反応が並列に行われている間に、排出物の試料の逐次分析が可能である方法が得られる。分析時間および反応器の数に依存して、2つ以上の共通分析装置61を採用することもできる。図6に示されているようなオンラインの分析装置の代わりに、図1に示されているような、試料収集装置12を伴ったオフライン分析装置11を使用することもできる。
【0028】
図7は、並列化学実験を実行するためのシステムを示す。システムは、並列に配置されている複数の流通式反応器1を備える。各流通式反応器1は、反応室1aと、少なくとも1つの反応器入口1bと、反応器出口1cとを有する。反応器入口1bは、供給管路2に連結され、供給管路2には流れ制限器73が設けられている。供給管路2および制限器73を通して、反応物、例えば、流体、気体または気体‐流体の混合物をすべての反応器1に対して共通の供給ライン74から反応室1aに供給することができる。共通の供給ライン74と、制限器73を伴った並列供給管路2とによって示されている配置構成が、各反応器1に等しい流量を供給する流れスプリッタ75を構成する。流れ制限器73は、毛細管を備えることができる。
【0029】
供給管路2および流れ制限器73を通して、反応物、例えば、流体または気体を反応室1aに供給することができる。この実施形態においては、1つの反応器当たりに1つの入口1bと1つの供給管路2だけが示されている。しかし、当業者であれば、反応器1は、異なる反応物を供給するために、より多くの別々の入口を有することができることを理解することができる。反応器1を通る流れは連続的または不連続的であってもよい。
【0030】
各反応器1の下流側には、反応器出口1cに連結されている付属の制御可能な流れ制限部76が設けられている。1つの可能な実施形態においては、各流れ制限部76は、個々に制御可能であり、結果として各反応器が個別の背圧制御装置を有するシステムができる。しかし、1つの好ましい実施形態においては、流れ制限部76は共通に制御可能であり、最も好ましいのは、図1〜図6を参照して上述されているような方法である。いずれにしても、流れ制限部76は、背圧制御装置として機能する。各背圧制御装置の出口から、反応器の排出物が、例えば、試料収集容器13内に放出され、それをオフライン分析装置において分析することができる。代替的に、各背圧制御装置の出口は、図6に示されているように共通分析装置61に連結され、共通分析装置は、図示の実施形態においては切替弁65を備え、切替弁65は、背圧制御装置の出口の1つを、分析装置、例えば、ガスクロマトグラフまたは質量分析装置66と選択的に連通させることができる。
【0031】
図8において、並列化学実験を実行するためのもう1つのシステムが示されている。そのシステムは、並列に配置されている複数の流通式反応器1を備える。各流通式反応器1は、反応室1aと、少なくとも1つの反応器入口1bと、反応器出口1cとを有する。反応器入口1bは、供給管路2に連結され、供給管路2には、流れ制限器83、例えば、毛細管が設けられている。供給管路2および制限器83を通して、反応物、例えば、流体または気体をすべての反応器1に対して1つの共通の供給ライン84から反応室1aに供給することができる。共通の供給ライン84、および制限器83を伴った並列供給管路2による図示のこの配置構成は、各反応器1に等しい流れを供給する流れスプリッタ85を構成する。
【0032】
各反応器1の反応器出口1cは、共通の放出ライン86に連結されている。共通の放出ライン86内には、単独の背圧制御装置87にすべての反応器1から入ってくる反応器排出物を放出するための放出出口88が設けられている。このシステムは、化学反応を実行するための方法において、特に高圧で使用されることが好ましい。通常、この方法においては、制限器83上の圧力差は、背圧調整装置87上の圧力差より小さい。また、このシステムは、背圧制御装置の下流側に分析装置(図示せず)を設けることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の圧力調整装置が装備され、オフライン試料分析装置が装備されているシステムの1つの好ましい実施形態の概略図である。
【図2】調整可能な経路が開状態になっている、図1のシステムの圧力調整装置の一部の概略的詳細を示す。
【図3】調整可能な経路が閉状態になっている、図2の圧力調整装置の一部の概略的詳細を示す。
【図4a】圧力調整装置の代替実施形態の一部の概略図である。
【図4b】圧力調整装置の代替実施形態の一部の概略図である。
【図5】圧力調整装置のもう1つの代替実施形態の一部の概略図である。
【図6】本発明の圧力調整装置およびオンラインの試料分析装置が装備されているシステムの概略図である。
【図7】本発明のシステムのもう1つの実施形態の概略図を示す。
【図8】本発明の方法を実行するための可能なシステムを示す概略図を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
並列化学実験を実行するためのシステムであって、該システムは並列流通式反応器のアレイを備え、各反応器は、反応室と、該反応室に連結されている反応器入口と、反応器出口とを備え、各反応器の下流側には、個別の圧力調整装置が前記反応器の圧力を能動的に調整するために設けられ、前記圧力調整装置は、反応器の排出物に対する能動的に調整可能な経路を備え、入口が前記反応器出口および前記反応器の圧力に関して減少した圧力で反応器の排出物を放出するための出口に連結されるシステム。
【請求項2】
前記圧力調整装置は、各反応器の反応器排出物に対する経路に配置されている能動的に調整可能な経路を備え、前記能動的に調整可能な経路が前記経路の実効断面の変化を起こさせるための可動部材を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記可動部材が、制御ガスで満たされている共通反応室と接触し、前記可動部材は、反応器の圧力が制御ガスの圧力より低い場合に閉位置に向かって移動され、前記反応器の圧力が、前記制御ガスの圧力を超えている場合には、開位置に向かって移動され、該システムは、前記圧力室内の制御ガスの圧力を制御するための圧力制御装置をさらに備える、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記可動部材は、反応器の排出物に対する前記能動的に調整可能な経路を定義する柔軟壁部材を備え、該壁部材が、前記能動的に調整可能な経路を圧力室から分離し、前記壁部材は、前記圧力室内の制御ガスと接触し、前記圧力室内の制御ガスの圧力と前記経路内の前記反応器排出物の圧力との間の圧力差によって変形可能であり、前記能動的圧力調整装置は、前記圧力室内の前記制御ガスの圧力を制御するための圧力制御装置をさらに備える、請求項2または3に記載のシステム。
【請求項5】
前記柔軟壁部材は、前記反応器排出物の経路の入口および出口と連結する変形可能な管であり、該変形可能な管が、前記制御ガスの圧力が前記反応器排出物の圧力より高い時に閉じられるように構成される、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記柔軟壁部材が、変形可能膜である、請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記柔軟壁部材が、弾性材料を含む、請求項4〜6のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項8】
前記流通式反応器が、それぞれ流量制御装置を備える前記反応器入口に連結されているガス供給経路、流体供給経路の少なくとも一方を有する、請求項1〜7のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項9】
分析装置が、前記反応器の前記能動的に調整可能な経路の出口に連結される、請求項1〜8のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項10】
前記分析装置が、試料収集装置を備える、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記分析装置が、前記能動的に調整可能な経路の出口を介して、1つまたは複数の切替弁を介して前記反応器の出口に連結されているオンライン分析装置を備える、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
化学実験を実行するための方法であって、並列流通式反応器のアレイが使用され、反応物の1つまたは複数の流れが、前記反応器のそれぞれに1つまたは複数の共通の供給ラインから供給され、各反応器と供給ラインとの間に流れ制限器を設けることにより前記反応器上で各供給ラインからの流れが分割され、前記流れ制限器が、前記供給ラインと前記反応器との間の圧力降下(ΔP)を発生し、前記反応器内の圧力が、前記反応器の下流側に設けられている少なくとも1つの背圧調整器により能動的に調整され、前記背圧調整器が、前記反応器に連結されている反応器排出物に対する経路を有し、前記経路が、反応器の排出物を放出するための放出用出口を有し、前記背圧調整器が、前記供給ラインと前記反応器との間の圧力降下(ΔP)より大きい圧力降下(ΔP)を各反応器と放出出口との間に発生する方法。
【請求項13】
請求項1〜10のいずれか1つによるシステムが使用される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
請求項1〜10のいずれか1つによるシステムが使用される、化学実験を実行するための方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2008−535654(P2008−535654A)
【公表日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−505245(P2008−505245)
【出願日】平成17年4月4日(2005.4.4)
【国際出願番号】PCT/NL2005/000247
【国際公開番号】WO2006/107187
【国際公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【出願人】(505041405)アーヴァンティウム インターナショナル ベスローテン フェンノートシャップ (3)
【Fターム(参考)】