説明

化石燃料から合成ガスを生成するプラントの二酸化炭素回収システム

【課題】合成ガス利用プラントから二酸化炭素回収に必要な蒸気使用量を削減してプラントの効率を向上するプラントの二酸化炭素回収システムを提供する。
【解決手段】化石燃料から合成ガスを生成するプラントの二酸化炭素回収システムは、一酸化炭素と水蒸気を二酸化炭素と水素に転化するシフト反応を促進する触媒を内部に充填してシフト反応で転化した二酸化炭素と水素を含むシフトガスを生成するシフト反応器と、シフト反応器の下流側に設置されて生成したシフトガスに含まれた二酸化炭素を吸着する固体吸着剤を内部に充填した二酸化炭素吸着器とを備え、シフト反応器及び二酸化炭素吸着器を直列に接続してユニットを構成し、このユニットを直列に複数個接続するように配設した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、石炭や石油などの化石燃料から合成ガスを生成するプラントの二酸化炭素回収方法及び二酸化炭素回収システムに関する。
【背景技術】
【0002】
石炭ガス化プラントのように、ガス化炉で化石燃料から一酸化炭素や水素を含む合成ガスを生成し、この合成ガスを発電プラントの燃焼器の燃料として燃焼させて利用するように構成したシステムで、生成した合成ガスから二酸化炭素を回収する方法として、
石炭ガス化プラントから二酸化炭素の排出を抑制する技術が特開2010−260731号公報に開示されている。
【0003】
この特開2010−260731号公報に開示された技術では、化石燃料からガス化炉で製造した一酸化炭素や水素を含む合成ガスと水蒸気を混合させてシフト反応触媒が充填されたシフト反応器に供給し、前記シフト反応器におけるシフト反応によって合成ガスに含まれた一酸化炭素と水蒸気を二酸化炭素と水素に転換している(CO+HO→CO+H)。
【0004】
そして二酸化炭素を含んだ合成ガスをシフト反応器の下流側に設置したSelexolプロセスやアミン吸収法などの二酸化炭素回収装置に供給して、前記合成ガスに含まれた二酸化炭素を分離させ、分離した二酸化炭素を回収するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−260731号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ガス化炉で生成してシフト反応器に供給される合成ガスとして、シフト反応器の入口ガス組成が、一酸化炭素60、水素25、二酸化炭素5、窒素10vol%の場合において、250℃、300℃、350℃、及び400℃の温度条件下における化学平衡を計算した計算例について図2に示す。
【0007】
図2に示されたガス組成を有する合成ガスの化学平衡の計算例では、横軸が、シフト反応前の水蒸気の添加量と合成ガス中の一酸化炭素量の比率(入口HO/CO(mol/mol))であり、縦軸が、シフト反応後のガス中の炭素含有ガスに対する二酸化炭素の比率(出口CO/CO+CO(mol/mol))を示している。
【0008】
ところで、特開2010−260731号公報に開示されたような構成の石炭ガス化プラントから排出される二酸化炭素の排出量を90%削減する場合に、二酸化炭素回収設備での二酸化炭素の除去率を95%と仮定すると、シフト反応器によるシフト反応後の炭素含有ガスに対する二酸化炭素の比率(図2の縦軸)を0.95mol/mol以上にする必要がある。
【0009】
シフト反応器に充填する市販されているシフト反応触媒は、200〜300℃以上で活性を示すものが一般的であるので、シフト反応後のガス温度を300℃と仮定すると、図2に示した300℃の温度条件下の化学平衡の計算例によると、合成ガスに添加する水蒸気の添加量は、シフト反応器の入口ガス中の一酸化炭素に対して(図2の横軸)、1.8mol/mol以上が必要となる。
【0010】
実際に合成ガスに含まれた一酸化炭素と反応する水蒸気は、当然、1mol/molであるので、0.8mol/mol分の水蒸気が未反応となり無駄になる。
【0011】
ところで、前記シフト反応器におけるシフト反応に必要な水蒸気は、ガス化炉を備えた石炭ガス化発電プラントの排熱回収ボイラや、ガスタービンの排熱回収ボイラなどによって製造された水蒸気を使用することが想定されるが、これらの水蒸気は、本来であれば、前記発電プラントを構成する蒸気タービンに供給されて発電に寄与すべきものである。
【0012】
つまり、前記した発電プラントの排熱回収ボイラからシフト反応器に水蒸気を供給することにより、その水蒸気の供給分だけ発電プラントの蒸気タービンの出力が低下して、発電プラントの効率が低下することになる。
【0013】
従って、シフト反応器でのシフト反応に使用するために供給したにも拘わらず、未反応として無駄になる水蒸気の量はできるだけ低減させることが望ましいが、未反応によって無駄になる水蒸気の量を効果的に低減させることは困難であった。
【0014】
本発明の目的は、化石燃料から一酸化炭素と水素を含む合成ガスを生成して燃料として燃焼させて発電に利用するプラントにおいて、生成した合成ガスに水蒸気を添加して前記合成ガスに含まれる一酸化炭素を二酸化炭素に転換して分離回収する際に、一酸化炭素を二酸化炭素に転換するシフト反応に使用する水蒸気の量を低減してプラントの効率を向上させることを可能にしたプラントの二酸化炭素回収システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の化石燃料から合成ガスを生成するプラントの二酸化炭素回収システムは、化石燃料から合成ガスを生成するプラントの二酸化炭素回収システムにおいて、合成ガスに含まれた一酸化炭素と水蒸気を二酸化炭素と水素に転化するシフト反応を促進する触媒を内部に充填してシフト反応で転化した二酸化炭素と水素を含むシフトガスを生成するシフト反応器と、前記シフト反応器の下流側に設置されて生成したシフトガスに含まれた二酸化炭素を吸着する吸着剤を内部に充填した二酸化炭素吸着器とを備え、前記シフト反応器及び二酸化炭素吸着器を直列に接続してユニットを構成し、このユニットを直列に複数個接続するように配設したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、化石燃料から一酸化炭素と水素を含む合成ガスを生成して燃料として燃焼させて発電に利用するプラントにおいて、生成した合成ガスに水蒸気を添加して前記合成ガスに含まれる一酸化炭素を二酸化炭素に転換して分離回収する際に、一酸化炭素を二酸化炭素に転換するシフト反応に使用する水蒸気の量を低減してプラントの効率を向上させることを可能にした、プラントの二酸化炭素回収システムが実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は本発明の第1実施例である化石燃料から合成ガスを生成するプラントの二酸化炭素回収システムの概略構成を示すブロック線図。
【図2】図2は、ガス化炉で生成してシフト反応器に供給される合成ガスの各種温度条件下における化学平衡を計算した計算例。
【図3】本発明での一酸化炭素と二酸化炭素の流量との関係を示した模式図。
【図4】本発明と比較例における水蒸気量と炭素回収率の関係を示す特性図。
【図5】本発明の第2実施例である化石燃料から合成ガスを生成するプラントの二酸化炭素回収システムにおけるシフト反応器と二酸化炭素吸着器のユニット構成例を示す部分図。
【図6】本発明の第3実施例である化石燃料から合成ガスを生成するプラントの二酸化炭素回収システムにおける再生ガスから二酸化炭素を分離して回収する構成を示す部分構成図。
【図7】本発明の第4実施例である化石燃料から合成ガスを生成するプラントの二酸化炭素回収システムにおけるシフト反応熱をシフト反応用の水蒸気に利用する構成を示す部分図。
【図8】本発明の第5実施例である化石燃料から合成ガスを生成するプラントの二酸化炭素回収システムにおけるシフト反応熱を二酸化炭素吸着器の再生用水蒸気に利用する構成を示す部分図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の化石燃料から合成ガスを生成するプラントの二酸化炭素回収システムの実施例について図面を引用して以下に説明する。
【実施例1】
【0019】
本発明の第1実施例である化石燃料から合成ガスを生成するプラントの二酸化炭素回収システムについて図1を用いて説明する。
【0020】
図1は、本発明の第1実施例である化石燃料から合成ガスを生成するプラントの二酸化炭素回収システムの概略構成を示すブロック線図である。
【0021】
図1に示した本実施例の化石燃料から合成ガスを生成するプラントの二酸化炭素回収システムにおいて、ガス化炉20は、化石燃料である石炭などの炭化水素を部分燃焼して、一酸化炭素と水素などの可燃性ガスを主成分とする生成ガス1を製造する。
【0022】
ガス化炉20で製造された生成ガス1は脱塵装置21に導入され、この脱塵装置21にて生成ガス1に同伴するチャーなどの煤塵を除去した合成ガス2となる。
【0023】
脱塵装置21を経た合成ガス2に対して水蒸気3を添加させて、この合成ガス2に含まれた一酸化炭素と水蒸気から二酸化炭素と水素に転化するシフト反応を行う第1のシフト反応器22aに導入される。
【0024】
前記第1のシフト反応器22aの内部には前記シフト反応を促進するシフト反応触媒が充填されている。
【0025】
そして第1のシフト反応器22aに導入された合成ガス2と添加された水蒸気3は、第1のシフト反応器22aの内部にて下記した(化学式1)のシフト反応により、合成ガス2中の一酸化炭素が水蒸気と反応して、二酸化炭素と水素に転換したシフトガス4aが得られる。
【0026】
シフト反応は化学平衡となるまで反応が進行するが、この化学平衡状態では未反応の一酸化炭素と水蒸気が残存している状態となる。即ち、下記した(数式1)において、この条件の化学平衡定数kを満足するような各成分の分圧が存在する状態である。
【0027】
CO+HO⇔CO+H (化学式1)
=([CO][H])/([CO][HO]) (数式1)
次に第1のシフト反応器22aによって合成ガス2に含まれた一酸化炭素と水蒸気から二酸化炭素と水素に転換した二酸化炭素と水素を含んだシフトガス4aが得られるが、このシフトガス4aは第1のシフト反応器22aの下流側に設置した第1の二酸化炭素吸着器23aに導入される。
【0028】
この第1の二酸化炭素吸着器23aの内部には二酸化炭素吸着剤が充填されており、内部に導入されたシフトガス4a中の二酸化炭素が、内部に充填した二酸化炭素吸着剤によって吸着して除去されて水素リッチガス5aが得られる。
【0029】
前記第1のシフト反応器22a及び第1の二酸化炭素吸着器23aの下流側には、直列に第2のシフト反応器22b及び第2の二酸化炭素吸着器23bが配設されており、前記第1の二酸化炭素吸着器23aを経た水素リッチガス5aは第2のシフト反応器22bに導入される。
【0030】
前記第1の二酸化炭素吸着器23aを経た水素リッチガス5aは内部に充填した二酸化炭素吸着剤によって二酸化炭素が除去されているため、化学平衡状態ではなくなっている。
【0031】
即ち、(数式1)において、同じ化学平衡定数kの状態で、二酸化炭素分圧[CO]が下がったため、水素分圧[H]が上がり、一酸化炭素分圧[CO]と水蒸気分圧[HO]が上がることになる。
【0032】
つまり、(化学式1)において、ある化学平衡状態から、右辺にある二酸化炭素を取り除いたため、その化学平衡状態ではなくなって次の化学平衡状態となるように反応が右辺側に進行することになる。
【0033】
前記第2のシフト反応器22bを経たシフトガス4bから、該第2のシフト反応器22bで発生した二酸化炭素を除去するために、前記シフトガス4bを第2のシフト反応器22bの下流側に設置した第2の二酸化炭素吸着器23bに導入する。
【0034】
更に第2の二酸化炭素吸着器23bで得られた水素リッチガス5bは、第2の二酸化炭素吸着器23bの下流側に設置されたガス精製装置24に供給されて精製され、この精製された水素リッチガス5bが燃料ガス6としてガス精製装置24から別設されたガスタービン25に供給し、前記ガスタービン25でこの燃料ガス6を燃焼させて発電等に利用する。
【0035】
第1のシフト反応器22a及び第2のシフト反応器22bの内部にそれぞれ充填されたシフト反応触媒は、銅/鉄―クロム系触媒、銅―亜鉛系触媒、コバルトーモリブデン系触媒などを用いることができる。
【0036】
第1の二酸化炭素吸着器23a及び第2の二酸化炭素吸着器23bの内部にそれぞれ充填された二酸化炭素吸着剤は、ハイドロタルサイト類を用いることができる。
【0037】
図1に示した本実施例では、説明を簡単にするために、第1のシフト反応器22a及び第1の二酸化炭素吸着器23aの下流側に第2のシフト反応器22b及び第2の二酸化炭素吸着器23bを配設した構成を図示したが、これらの下流側に第3のシフト反応器22c及び第3の二酸化炭素吸着器23c、更に第4のシフト反応器22d及び第4の二酸化炭素吸着器23dをそれぞれ直列に設置するようにすれば、本発明の効果は更に大きくすることが可能となる。
【0038】
本実施例でのガス組成の挙動を図1及び図3を用いて説明する。図3は、上記した本発明の実施例である化石燃料から合成ガスを生成するプラントの二酸化炭素回収システムにおける一酸化炭素と二酸化炭素の流量の模式図である。
【0039】
前記二酸化炭素回収システムにおいて、合成ガス2添加した水蒸気3と共に第1のシフト反応器22aに導入すると、シフト反応によって一酸化炭素が減少し、この一酸化炭素の減少量と同量の二酸化炭素が生成し、第一のシフトガス4aが得られる。第1のシフト反応器22aの出口では、シフト反応が化学平衡に到達している。
【0040】
次に第一のシフトガス4aを第1の二酸化炭素吸着器23aに導入すると、二酸化炭素が第1の二酸化炭素吸着器23aの内部の二酸化炭素吸着剤に吸着されることによって減少して第一の水素リッチガス5aが得られる。尚、第一の水素リッチガス5a中の一酸化炭素は変化しない。
【0041】
第一の水素リッチガス5aは、化学平衡状態ではないため、次の第2のシフト反応器22bに導入すると、第一の水素リッチガス5aには第1のシフト反応器22aでのシフト反応では余剰となって残存した水蒸気3が含まれているため、第1のシフト反応器22aと同様に、第2のシフト反応器22bでのシフト反応によって一酸化炭素が減少し、この一酸化炭素の減少量と同量の二酸化炭素が生成されて二酸化炭素が増加した第二のシフトガス4bが得られる。第2のシフト反応器22bの出口では、シフト反応した第二のシフトガス4bは化学平衡状態となる。
【0042】
この第二のシフトガス4bを第2の二酸化炭素吸着器23bに導入すると、第1の二酸化炭素吸着器23aと同様に、二酸化炭素が第2の二酸化炭素吸着器23bの内部の二酸化炭素吸着剤に吸着されることによって減少して第二の水素リッチガス5bが得られる。尚、第二の水素リッチガス5b中の一酸化炭素は変化しない。以降、これらの繰り返しとなる。
【0043】
上記した本実施例の二酸化炭素回収システムにおいて、シフト反応は、その運転条件(温度や圧力)で一義的に決まっている化学平衡状態で反応が見かけ上停止する。このとき、第1のシフト反応器22aのシフト反応で得られた第一のシフトガス4aには、一般的に反応物である一酸化炭素と水蒸気が残存している状態である。
【0044】
即ち、第1のシフト反応器22aでのシフト反応では、一部の水蒸気は未反応のままで余剰となっている。生成物である二酸化炭素を取り除くとこの化学平衡状態が崩れるため、第1のシフト反応器22aで得られた第一のシフトガス4aを下流側の第2のシフト反応器22bに導入させてシフト反応させることで、更にシフト反応を促進させることが可能となる。
【0045】
即ち、第一のシフトガス4aに含まれた未反応で余剰の水蒸気を第2のシフト反応器22bのシフト反応に利用することが可能となる。この結果、第2のシフト反応器22bのシフト反応では、合成ガス2に含まれた一酸化炭素と水蒸気から二酸化炭素と水素に転化させる所望の転化率を得るのに必要な水蒸気の供給量を低減することができる。
【0046】
上記した本発明の実施例である化石燃料から合成ガスを生成するプラントの二酸化炭素回収システムにおける効果について図4を用いて説明する。
【0047】
図4は、本発明の上記した実施例である化石燃料から合成ガスを生成するプラントの二酸化炭素回収システムと比較例とにおける水蒸気量と炭素回収率の関係を示した特性図である。
【0048】
図4の特性図において、比較例では、合成ガス中の一酸化炭素量に対する水蒸気添加量を1.8mol/mol以下にすると、炭素回収率が90%以下となる。
【0049】
これに対して本発明の上記した実施例では、1.0mol/molでも炭素回収率を90%以上とすることができ、余剰となる水蒸気をほとんど無くすことが可能となった。
【0050】
この結果、シフト反応器のシフト反応に必要な水蒸気の供給量を比較例に比べて減少させることが可能であり、発電プラントの排熱回収ボイラからシフト反応器に供給する水蒸気の供給量を抑制できるので、抑制した水蒸気量を発電プラントの蒸気タービンに供給してその出力を増加させ、発電プラントの効率を向上することができる。
【0051】
本実施例によれば、化石燃料から一酸化炭素と水素を含む合成ガスを生成して燃料として燃焼させて発電に利用するプラントにおいて、生成した合成ガスに水蒸気を添加して前記合成ガスに含まれる一酸化炭素を二酸化炭素に転換して分離回収する際に、一酸化炭素を二酸化炭素に転換するシフト反応に使用する水蒸気の量を低減してプラントの効率を向上させることを可能にした、プラントの二酸化炭素回収システムが実現できる。
【実施例2】
【0052】
本発明の第2実施例である化石燃料から合成ガスを生成するプラントの二酸化炭素回収システムについて図5を用いて説明する。
【0053】
本実施例の化石燃料から合成ガスを生成するプラントの二酸化炭素回収システムは図1乃至図4に示した第1実施例の化石燃料から合成ガスを生成するプラントの二酸化炭素回収システムと基本的な構成は同じであるので、両者に共通した構成の説明は省略し、相違する部分だけを以下に説明する。
【0054】
図5に示した本実施例の二酸化炭素回収システムにおいては、シフト反応器22と二酸化炭素吸着器23で構成するユニットを、シフト反応器22と並列に配設した二酸化炭素吸着器23及び二酸化炭素吸着器23’とで構成したユニット部分を示した実施例である。なお、図5に示したユニットにおいて、白抜きの弁記号は開状態を示し、塗り潰しの弁記号は閉状態を示す。
【0055】
図5に本実施例の二酸化炭素回収システムを示したように、シフト反応器22を出たシフトガス4は分岐されて、該シフト反応器22の下流側に並列に設置した二酸化炭素吸着器23及び二酸化炭素吸着器23’にシフトガス供給経路41及びシフトガス供給経路42を通じてそれぞれ接続され、下記したシフトガス入口弁50、50’を切り替えてシフトガス4を二酸化炭素吸着器23及び二酸化炭素吸着器23’の何れか一方に供給するように構成している。
【0056】
前記二酸化炭素吸着器23及び二酸化炭素吸着器23’の入口側となるシフトガス供給経路41及びシフトガス供給経路42には、シフトガス入口弁50及びシフトガス入口弁50’がそれぞれ設置され、前記二酸化炭素吸着器23及び二酸化炭素吸着器23’の出口側となるシフトガス排出経路91及びシフトガス排出経路92には、シフトガス出口弁51及びシフトガス出口弁51’がそれぞれ設置されている。
【0057】
並列に配設された一方の二酸化炭素吸着器23のシフトガス入口弁50及びシフトガス出口弁51は開状態として、前記一方の二酸化炭素吸着器23がシフトガス4を通気する吸着工程となっている状態を示している。
【0058】
また並列に配設された他方の二酸化炭素吸着器23’のシフトガス入口弁50’及びシフトガス出口弁51’は閉状態として、前記他方の二酸化炭素吸着器23’がシフトガス4を通気しない状態を示している。
【0059】
更に、再生用水蒸気7は分岐されて、並列に設置した前記二酸化炭素吸着器23及び二酸化炭素吸着器23’に別途、再生用水蒸気7を供給する再生用水蒸気供給系統71及び再生用水蒸気供給系統72を通じてそれぞれ接続され、これらの再生用水蒸気供給系統71及び再生用水蒸気供給系統72に再生用水蒸気入口弁52及び再生用水蒸気入口弁52’をそれぞれ設置して、再生用水蒸気7を二酸化炭素吸着器23及び二酸化炭素吸着器23’の何れか一方に供給するように構成している。
【0060】
また、並列に設置した前記二酸化炭素吸着器23及び二酸化炭素吸着器23’の出口側には再生ガス8を排出するシフトガス出口経路83及びシフトガス出口経路84がそれぞれ設置され、これらのシフトガス出口経路83及びシフトガス出口経路84に再生ガス出口弁53及び再生ガス出口弁53’をそれぞれ設置して、前記二酸化炭素吸着器23及び二酸化炭素吸着器23’の何れか一方から再生ガス8を前記シフトガス出口経路83又はシフトガス出口経路84を通じて下流側のシフトガス出口経路81に排出するように構成している。
【0061】
前記した本実施例において、シフト反応器22を出たシフトガス4を一方の二酸化炭素吸着器23に通気して前記二酸化炭素吸着器23を吸着工程で運転する場合には、吸着工程中の前記二酸化炭素吸着器23に供給する再生用水蒸気7の供給を切り替える再生用水蒸気入口弁52は閉状態となっており、更に、前記二酸化炭素吸着器23から排出する再生ガス8の排出を切り替える再生ガス出口弁53は閉状態となっている。
【0062】
これに対して、シフト反応器22からシフトガス4を通気していない他方の二酸化炭素吸着器23’を再生工程で運転する場合には、再生工程中の前記二酸化炭素吸着器23’に供給する再生用水蒸気7の供給を切り替える再生用水蒸気入口弁52’は開状態となっており、更に、前記二酸化炭素吸着器23’から排出する再生ガス8の排出を切り替える再生ガス出口弁53’は開状態となっていて、再生用水蒸気7を前記二酸化炭素吸着器23’に通気してこの二酸化炭素吸着器23’を再生工程で運転する。
【0063】
再生工程中の二酸化炭素吸着器23’内は、再生用水蒸気7の供給によって水蒸気が充満して、二酸化炭素がほとんどなくなるため、吸着平衡によって、二酸化炭素吸着器23’の内部に充填した二酸化炭素吸着剤から二酸化炭素が脱離する。
【0064】
二酸化炭素吸着剤から脱離した二酸化炭素は、再生用水蒸気7とともに再生ガス出口弁53’、シフトガス出口経路84及びシフトガス出口経路81を経由して再生ガス8として前記二酸化炭素吸着器23’から取り出される。
【0065】
定期的に、一方の二酸化炭素吸着器23と他方の二酸化炭素吸着器23’におけるシフトガス入口弁50、50’と、シフトガス出口弁51、51’、並びに、再生用水蒸気入口弁52、52’と再生ガス出口弁53、53’の開閉を切り替えて、一方の二酸化炭素吸着器23と他方の二酸化炭素吸着器23’における吸着工程と再生工程を交換することにより、本実施例であるプラントの二酸化炭素回収システムを連続的に運転することができる。
【0066】
本実施例によれば、化石燃料から一酸化炭素と水素を含む合成ガスを生成して燃料として燃焼させて発電に利用するプラントにおいて、生成した合成ガスに水蒸気を添加して前記合成ガスに含まれる一酸化炭素を二酸化炭素に転換して分離回収する際に、一酸化炭素を二酸化炭素に転換するシフト反応に使用する水蒸気の量を低減してプラントの効率を向上させることを可能にした、プラントの二酸化炭素回収システムが実現できる。
【実施例3】
【0067】
本発明の第3実施例である化石燃料から合成ガスを生成するプラントの二酸化炭素回収システムについて図6を用いて説明する。
【0068】
本実施例の化石燃料から合成ガスを生成するプラントの二酸化炭素回収システムは図5に示した第2実施例の化石燃料から合成ガスを生成するプラントの二酸化炭素回収システムと基本的な構成は同じであるので、両者に共通した構成の説明は省略し、相違する部分だけを以下に説明する。
【0069】
図6は前記二酸化炭素回収システムにおける再生ガスからの二酸化炭素の分離回収を行う部分を示した実施例である。
【0070】
図6に示した本実施例において、並列に配設された他方の二酸化炭素吸着器23’を再生工程で運転している場合に、再生用水蒸気7を通気して再生工程中の二酸化炭素吸着器23’からは、再生ガス8が排出される。
【0071】
再生ガス8は、二酸化炭素吸着器23’に充填した二酸化炭素吸着剤から脱離した二酸化炭素と再生用水蒸気7の混合ガスである。
【0072】
この再生ガス8を二酸化炭素吸着器23’から排出するためにシフトガス出口経路81の下流側に設置した冷却器26によって排出した再生ガス8を冷却して再生ガス8に含まれた再生用水蒸気7を凝縮させ、更に冷却器26から排出される再生ガス8の下流側に設置した気水分離器27によって、前記排出された再生ガス8を凝縮水11と二酸化炭素10とに分離することによって純度の向上した二酸化炭素10を回収するように構成されている。
【0073】
本実施例では、上記したように純度の向上した二酸化炭素10を効果的に回収することが可能となる。
【0074】
本実施例によれば、化石燃料から一酸化炭素と水素を含む合成ガスを生成して燃料として燃焼させて発電に利用するプラントにおいて、生成した合成ガスに水蒸気を添加して前記合成ガスに含まれる一酸化炭素を二酸化炭素に転換して分離回収する際に、一酸化炭素を二酸化炭素に転換するシフト反応に使用する水蒸気の量を低減してプラントの効率を向上させることを可能にした、プラントの二酸化炭素回収システムが実現できる。
【実施例4】
【0075】
本発明の第4実施例である化石燃料から合成ガスを生成するプラントの二酸化炭素回収システムについて図7を用いて説明する。
【0076】
本実施例の化石燃料から合成ガスを生成するプラントの二酸化炭素回収システムは図1乃至図4に示した第1実施例の化石燃料から合成ガスを生成するプラントの二酸化炭素回収システムと基本的な構成は同じであるので、両者に共通した構成の説明は省略し、相違する部分だけを以下に説明する。
【0077】
図7に示した本実施例は、化石燃料から合成ガスを生成するプラントの二酸化炭素回収システムにおけるシフト反応熱をシフト反応用の水蒸気に利用する部分を示す実施例である。
【0078】
図7に示した本実施例は、第1のシフト反応器22aと第1の二酸化炭素吸着器23aで構成する第1ユニットと、第2のシフト反応器22bと第2の二酸化炭素吸着器23bで構成する第2ユニットと、前記第1ユニットと第2ユニットとの間にボイラ給水12を加熱して水蒸気3を発生させるボイラ28を設置し、このボイラ28で発生させた水蒸気3は水蒸気供給系路31を通じて前記第1ユニットの第1のシフト反応器22aで使用するシフト反応用の水蒸気として第1のシフト反応器22aの上流側に供給するようにした構成である。
【0079】
図7に示した本実施例において、合成ガス2と水蒸気3を第1ユニットのシフト反応器22aに導入してシフト反応させ、シフト反応器22aにおけるシフト反応によって得たシフトガス4aを第1ユニットの第1の二酸化炭素吸着器23aに導入し、この二酸化炭素吸着器23aにてシフトガス4a中の二酸化炭素を除去して、水素リッチガス5aを得ている。
【0080】
前記二酸化炭素吸着器23aで得られた水素リッチガス5aは、前記第1ユニットと第2ユニットとの間に設置したボイラ28に導入される。ボイラ28では、水素リッチガス5aの供給により前記ボイラ28に供給されたボイラ給水12と熱交換することによってこのボイラ給水12を加熱して水蒸気3を発生させる。
【0081】
ボイラ28で得られた水蒸気3は、第1ユニットの第1の二酸化炭素吸着器23aで使用させるシフト反応用の水蒸気3としてボイラ28から水蒸気供給系路31を通じて第1のシフト反応器22aの上流側に供給され、合成ガス2とともに第1のシフト反応器22aに導入するように構成されている。
【0082】
この第1のシフト反応器22aでのシフト反応は発熱反応であり、シフト反応で得られたシフトガス4aは合成ガス2よりも高温となる。例えば、前記シフト反応器22aの運転圧力が2.5MPaで、合成ガス2の温度が250℃、組成が一酸化炭素60、水素25、二酸化炭素5、窒素10vol%であり、250℃の水蒸気3を合成ガス2中の一酸化炭素と同量を供給(HO/CO=1mol/mol)して、化学平衡まで反応させた場合、シフト反応熱により、第1の二酸化炭素吸着器23aを経た水素リッチガス5aの温度は508℃まで上昇する。
【0083】
この反応熱によって昇温された水素リッチガス5aをボイラ28に導入して熱交換させ、水蒸気3を発生させることにより、ガス化炉やガスタービンの排熱回収ボイラから第1のシフト反応器22aにシフト反応用の水蒸気として供給する水蒸気の抽気量を削減することが可能となり、その分だけ発電プラントの蒸気タービンの出力低下を抑制して発電プラントの発電効率を向上することができる。
【0084】
本実施例によれば、化石燃料から一酸化炭素と水素を含む合成ガスを生成して燃料として燃焼させて発電に利用するプラントにおいて、生成した合成ガスに水蒸気を添加して前記合成ガスに含まれる一酸化炭素を二酸化炭素に転換して分離回収する際に、一酸化炭素を二酸化炭素に転換するシフト反応に使用する水蒸気の量を低減してプラントの効率を向上させることを可能にした、プラントの二酸化炭素回収システムが実現できる。
【実施例5】
【0085】
本発明の第5の実施例である化石燃料から合成ガスを生成するプラントの二酸化炭素回収システムについて図8を用いて説明する。
【0086】
本実施例の化石燃料から合成ガスを生成するプラントの二酸化炭素回収システムは図5に示した第2実施例の化石燃料から合成ガスを生成するプラントの二酸化炭素回収システムと基本的な構成は同じであるので、両者に共通した構成の説明は省略し、相違する部分だけを以下に説明する。
【0087】
図8に示した本実施例は、化石燃料から合成ガスを生成するプラントの二酸化炭素回収システムにおけるシフト反応熱を二酸化炭素吸着器の再生用水蒸気に利用する部分を示す実施例である。
【0088】
図8に示した本実施例では、シフト反応器22と並列に配設した二酸化炭素吸着器23及び二酸化炭素吸着器23’とで構成したユニットにおいて、合成ガス2と水蒸気3をシフト反応器22に導入してシフト反応させ、このシフト反応器22のシフト反応によって得たシフトガス4を並列に配設した吸着行程中の一方の二酸化炭素吸着器23に導入して、シフトガス4中の二酸化炭素を除去して水素リッチガス5を得た後、この水素リッチガス5を前記二酸化炭素吸着器23の下流側に設置したボイラ28に導入する。
【0089】
前記ボイラ28では、水素リッチガス5の供給により前記ボイラ28に供給されたボイラ給水12と熱交換することによってこのボイラ給水12を加熱して再生用水蒸気7を発生させる。
【0090】
ボイラ28で得られた再生用水蒸気7は、前記ボイラ28から再生用水蒸気供給系路71を通じて並列に配設した再生工程中である他方の二酸化炭素吸着器23’に再生用水蒸気7として導入して、前記二酸化炭素吸着器23’に充填した二酸化炭素吸着剤の再生に供されるように構成されている。
【0091】
このシフト反応器22でのシフト反応は発熱反応であり、シフト反応で得られたシフトガス4は合成ガス2よりも高温となる。例えば、シフト反応器22の運転圧力が2.5MPaで、合成ガス2の温度が250℃、組成が一酸化炭素60、水素25、二酸化炭素5、窒素10vol%であり、250℃の水蒸気3を合成ガス2中の一酸化炭素と同量を供給(HO/CO=1mol/mol)して、化学平衡まで反応させた場合、シフト反応熱により、前記一方の二酸化炭素吸着器23を経た水素リッチガス5の温度は508℃まで上昇する。
【0092】
この反応熱によって昇温された水素リッチガス5をボイラ28に導入して熱交換させ、再生用水蒸気7を発生させることにより、ガス化炉やガスタービンの排熱回収ボイラから前記他方の二酸化炭素吸着器23’に再生用水蒸気7として供給する水蒸気の抽気量を削減することが可能となり、蒸気タービンの出力低下を抑制してプラント効率を向上することができる。
【0093】
本実施例によれば、化石燃料から一酸化炭素と水素を含む合成ガスを生成して燃料として燃焼させて発電に利用するプラントにおいて、生成した合成ガスに水蒸気を添加して前記合成ガスに含まれる一酸化炭素を二酸化炭素に転換して分離回収する際に、一酸化炭素を二酸化炭素に転換するシフト反応に使用する水蒸気の量を低減してプラントの効率を向上させることを可能にした、プラントの二酸化炭素回収方法及び二酸化炭素回収システムが実現できる。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明は石炭や石油などの化石燃料をガス化した合成ガスから二酸化炭素を回収する合成ガスからの二酸化炭素回収システムに適用可能である。
【符号の説明】
【0095】
1:生成ガス、2:合成ガス、3:水蒸気、4、4a、4b:シフトガス、5、5a、5b:水素リッチガス、6:燃料ガス、7:再生用水蒸気、8:再生ガス、9:冷却水、10:二酸化炭素、11:凝縮水、12:ボイラ給水、20:ガス化炉、21:脱塵装置、22:シフト反応器、23:二酸化炭素吸着器、24:ガス精製装置、25:ガスタービン、26:冷却器、27:気水分離器、28:ボイラ、31:水蒸気供給系路、41、42:シフトガス供給経路、50:シフトガス入口弁、51:シフトガス出口弁、52:再生用水蒸気入口弁、53:再生ガス出口弁、71:再生用水蒸気供給系路、81、83、84:シフトガス出口経路、91、92:シフトガス排出経路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化石燃料から合成ガスを生成するプラントの二酸化炭素回収システムにおいて、
合成ガスに含まれた一酸化炭素と水蒸気を二酸化炭素と水素に転化するシフト反応を促進する触媒を内部に充填してシフト反応で転化した二酸化炭素と水素を含むシフトガスを生成するシフト反応器と、前記シフト反応器の下流側に設置されて生成したシフトガスに含まれた二酸化炭素を吸着する吸着剤を内部に充填した二酸化炭素吸着器とを備え、
前記シフト反応器及び二酸化炭素吸着器を直列に接続してユニットを構成し、
このユニットを直列に複数個接続するように配設したことを特徴とする化石燃料から合成ガスを生成するプラントの二酸化炭素回収システム。
【請求項2】
請求項1に記載の化石燃料から合成ガスを生成するプラントの二酸化炭素回収システムにおいて、
前記各二酸化炭素回収システムを構成するシフト反応器と二酸化炭素吸着器のユニットのうち、前記二酸化炭素吸着器は複数個を並列に接続させて配設し、
一方の二酸化炭素吸着器にはシフト反応器で生成したシフトガスを通気して二酸化炭素を吸着する吸着工程となるように前記シフト反応器から二酸化炭素吸着器に供給されるシフトガスの供給経路にシフトガスの供給を切り替えるシフトガス切替弁を設置し、
前記各二酸化炭素吸着器には、水蒸気を通気して前記二酸化炭素吸着器に供給されたシフトガス中の二酸化炭素を脱離する再生工程となるように二酸化炭素吸着器に供給される水蒸気の供給経路に水蒸気の供給を切り替える水蒸気切替弁を設置したことを特徴とする化石燃料から合成ガスを生成するプラントの二酸化炭素回収システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の化石燃料から合成ガスを生成するプラントの二酸化炭素回収システムにおいて、
前記二酸化炭素吸着器の再生工程でシフトガスから脱離させた二酸化炭素を含む出口ガスをこの二酸化炭素吸着器から排出する排出経路に出口ガス中の水蒸気を凝縮する冷却器を設置し、
前記冷却器の下流側に前記出口ガスに含まれる水と二酸化炭素を気水分離により分離する気水分離器を設置して二酸化炭素を回収するように構成したことを特徴とする化石燃料から合成ガスを生成するプラントの二酸化炭素回収システム。
【請求項4】
請求項1に記載の化石燃料から合成ガスを生成するプラントの二酸化炭素回収システムにおいて、
前記二酸化炭素吸着器の下流側に前記シフト反応器での発熱反応であるシフト反応によって温度が上昇したシフトガスと水とを熱交換して水蒸気を発生させるボイラを設置し、
前記ボイラで発生した水蒸気を前記シフト反応器の上流側に供給する水蒸気の供給経路を配設してシフト反応用の水蒸気として前記シフト反応器に供給するように構成したことを特徴とする化石燃料から合成ガスを生成するプラントの二酸化炭素回収システム。
【請求項5】
請求項2に記載の化石燃料から合成ガスを生成するプラントの二酸化炭素回収システムにおいて、
複数個設置された二酸化炭素吸着器の下流側に前記シフト反応器での発熱反応であるシフト反応によって温度が上昇したシフトガスと水とを熱交換して水蒸気を発生させるボイラを設置し、
前記ボイラで発生した水蒸気をこのボイラから複数個設置された二酸化炭素吸着器に再生用水蒸気を供給する再生用水蒸気経路を配設して、複数個設置された前記二酸化炭素吸着器のうち再生工程となった二酸化炭素吸着器にこの再生用水蒸気経路を通じて再生用水蒸気を供給するように構成したことを特徴とする化石燃料から合成ガスを生成するプラントの二酸化炭素回収システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−87021(P2013−87021A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−229740(P2011−229740)
【出願日】平成23年10月19日(2011.10.19)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】