説明

化粧パネルの取り付け構造

【課題】 化粧パネルの施工時や解体時に粉塵が発生することがなく、またビス留めをすることなく見栄えがよく、施工、解体が容易にしかも乾式で行うことができ、熟練度を必要としないものとする。
【解決手段】 スタッド9に上側ジョイナー2、下側ジョイナー2´を固定し、該ジョイナーにはシート磁石3、防錆鋼板5、接着層を介して上側化粧パネル1と下側化粧パネル1´を取り付け、該上側化粧パネル1は該上側ジョイナー2に支承されるとともに前面をストッパー7で押さえ、該ストッパー7は該上側ジョイナー2と該下側ジョイナー2´で挟着する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧パネルの取り付け構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、防錆金属スタッドを使用して壁面を構成する例として、オフィス壁面と間仕切り、学校のトイレ壁面と間仕切り、マンションの間仕切り、店舗の壁面と間仕切り、住宅のキッチン壁面などがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、石膏ボードを下貼りしてから化粧パネルが取り付けられるため解体時に石膏ボードの粉塵と廃棄の問題があった。
これを解決するためビスで留めることも可能であるがビスが見栄えを悪くするといった問題があった。
【0004】
【特許文献1】特開2004−65710号
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、かかる状況に鑑み検討されたもので、簡易取り付けと簡易解体を強力シート磁石で実現し、簡単に化粧パネルの位置決めして取り付けられるようにジョイナーを用い、ストッパーで化粧パネルのガタツキを防ぐ構造とすることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明の構造によれば石膏ボードを用いていないので、施工時や解体時に粉塵が発生することがない。またビス留めをしないので見栄えがよく、施工、解体が容易にしかも乾式で行うことができ、熟練度を必要としない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の化粧パネルの取り付け構造を示す正面図であり、上側化粧パネル1と下側化粧パネル1´が取り付けられている。図2は図1中の線A−Aの沿う断面図である。
【0008】
スタッド9には上側ジョイナー2、下側ジョイナー2´がリベット4で固定されている。上下の化粧パネル(1、1´)はジョイナー(2、2´)から順にシート磁石3、防錆鋼板5、両面テープ6を介して取り付けられている。
化粧パネル(1、1´)としては、厚み3mmのメラミン樹脂化粧板が用いられている。メラミン樹脂化粧板以外にも、意匠性、耐水性、耐熱性、剛性を有するものであれば特に限定はされず、例えば、アクリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などの樹脂を注型成形した注型品や、不飽和ポリエステル樹脂を用いてフィルム成形して得られるポリエステル樹脂化粧板、ジアリルフタレ−ト樹脂化粧板などの化粧板が適用できる。望ましくは、耐汚染性、耐摩耗性にも優れた性能を有し、傷がつきにくい注型品や、メラミン樹脂化粧板を用いるのが好ましい。
【0009】
シート磁石3としては希土類シート磁石が用いられている。磁石としては希土類磁石の他、フェライト磁石、アルニコ磁石が挙げられるが、化粧パネルの大きさが大きくなればなるほど、また、厚みが厚くなればなるほど重くなるため高磁力が必要とされるため、フェライト磁石、アルニコ磁石に比べ磁束密度の大きい希土類磁石がとりわけ好ましい。
【0010】
希土類磁石とは、スカンジウム、イットリウム、ランタン、セリウム、プラセオジウム、ネオジウム、プロメチウム、サマリウム、ユーロビウム、ガドリウム、テレビウム、ジスプロジウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウムなどの希土類金属を磁性材料に混ぜ合わせたものであり、磁性シートは、希土類系磁性粉と、樹脂バインダー、例えば合成ゴム又は熱可塑性合成樹脂と、カップリング剤、加硫剤、老化防止剤などとを混練して、軟化させた後、押出成形、射出成形、カレンダー成形などによりシート状に成形し、磁界を印加させたものである。
【0011】
希土類系磁性粉の粒径は20〜150μmが好ましく、配合割合は75〜95重量%が好ましい。粒径が小さくなると、磁気特性が低下しやすく、粒径が大きくなると、磁石粉の配向性が悪くなる。配合割合は多ければ多いほど磁気特性が向上するが95重量%を超えると磁性シートが脆くなる。
【0012】
希土類系磁性体としては、残留磁束密度、保磁力、最大エネルギー積が大きいものがとりわけ好ましく、組成的にはサマリウム−コバルト系、サマリウム−鉄−窒素系、ネオジウム−鉄−ボロン系、セリウム−コバルト系、イットリウム−コバルト系などであり、本発明ではネオジウム−鉄−ボロン系が用いられている。
【0013】
合成ゴムとしては、ニトリルゴム、ニトリル−ブタジエンゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム、アクリルゴム、ブチルゴムなどが挙げられ、また熱可塑性合成樹脂としては、塩化ビニルエラストラマー、スチレン系エラストラマー、オレフィン系エラストラマー、ポリエステル系エラストラマー、ポリアミド系エラストラマー、ウレタン樹脂などが挙げられ、本発明ではニトリル−ブタジエンゴムが用いられている。
【0014】
防錆鋼板5としては、Al、Ti、Fe、Nb、Cu、SUSなどの金属の箔を巻き込んだものや、鋼板の表面を防錆処理した表面処理鋼板、具体的には、電気亜鉛めっき鋼板(商品名 ボンデ鋼板 新日本製鐵株式会社製)が用いられている。これ以外にも表面処理鋼板としては、溶融亜鉛めっき鋼板、合金化溶融亜鉛めっき鋼板、溶融系二層めっき鋼板などの溶融亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛合金めっき鋼板、電気系二層合金めっき鋼板、電気系有機被膜めっき鋼板などの電気亜鉛めっき系鋼板、ターンめっき鋼板、電気錫めっき鋼板などが挙げられる。
【0015】
上側化粧パネル1のガタツキ、脱落を防ぐため、上側ジョイナー2で支え、前面からストッパー7で押さえつけられている。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の化粧パネルの取り付け構造を示す透視平面図。
【図2】図1中の線A−Aに沿う構成断面図。
【符号の説明】
【0017】
1 上側の化粧パネル
1´ 下側の化粧パネル
2 上側のジョイナー
2´ 下側のジョイナー
3 シート磁石
4 リベット
5 防錆鋼板
6 両面テープ
7 ストッパー
9 スタッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スタッド9に上側ジョイナー2、下側ジョイナー2´が固定され、該ジョイナーにはシート磁石3、防錆鋼板5、接着層を介して上側化粧パネル1と下側化粧パネル1´が取着され、該上側化粧パネル1は該上側ジョイナー2に支承されるとともの前面をストッパー7で押さえられ、該ストッパー7は該上側ジョイナー2と該下側ジョイナー2´に挟着されていることを特徴とする化粧パネルの取り付け構造。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−52560(P2006−52560A)
【公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−234104(P2004−234104)
【出願日】平成16年8月11日(2004.8.11)
【出願人】(000100698)アイカ工業株式会社 (566)
【Fターム(参考)】