化粧合板の製造方法並びに樹脂液表面仕上手段及びその製造装置
【課題】表面仕上フィルムがポリビニルアルコールよりも伸縮性が小さいポリエチレンテレフタレート等の熱可塑性樹脂からなる場合であっても、皺が発生しにくく品質が安定する構成でありながら、製造コストが増大することがない化粧合板の製造方法を提供する。
【解決手段】化粧合板の基板表面に貼着された化粧紙の表面に直接又は下塗り塗料を介して塗布された樹脂液の表面を仕上げるための、矩形状枠体１及びその上面に張設された表面仕上フィルム２からなる樹脂液表面仕上手段として、矩形状枠体１の２長辺の中間部分を押圧片４Ａ，４Ｂにより内方へ押圧して弾性変形させた状態で矩形状枠体１の上面に表面仕上フィルム２を貼着した後に前記押圧を解除したものを用いる。
【解決手段】化粧合板の基板表面に貼着された化粧紙の表面に直接又は下塗り塗料を介して塗布された樹脂液の表面を仕上げるための、矩形状枠体１及びその上面に張設された表面仕上フィルム２からなる樹脂液表面仕上手段として、矩形状枠体１の２長辺の中間部分を押圧片４Ａ，４Ｂにより内方へ押圧して弾性変形させた状態で矩形状枠体１の上面に表面仕上フィルム２を貼着した後に前記押圧を解除したものを用いる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、フィルム法による化粧合板の製造方法に関わり、更に詳しくは、樹脂液の表面を仕上げる表面仕上フィルムがポリビニルアルコールよりも伸縮性が小さい熱可塑性樹脂からなる場合に特に適した化粧合板の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
化粧合板の製造方法として、合板、パーティクルボード又はＭＤＦ（中密度繊維板）等の基板に、チタン紙、クラフト紙又は石膏ボード紙等の化粧紙を貼着し、前記化粧紙の表面に直接又は下塗り塗料を介して不飽和ポリエステル樹脂に硬化剤等を混合した樹脂液を塗布し、熱可塑性樹脂からなる表面仕上フィルムにより前記樹脂液を覆って脱泡し、前記樹脂液の硬化後に前記表面仕上フィルムを剥がして化粧合板を製造するフィルム法がある。
【０００３】
このフィルム法においては、前記表面仕上フィルムを矩形状枠体の上面に張設してなる樹脂液表面仕上手段を用いて、前記表面仕上フィルムにより前記樹脂液を覆った状態でその上面を押圧するようにゴムローラーを転動させて前記樹脂液を脱泡するのが一般的である。
また、このようなフィルム法における樹脂液表面仕上手段として矩形状枠体を用いずに、前記表面仕上フィルムの対向する２辺の端部を融着手段により厚手に補強し、この補強部の所々を穿設して穿設孔を形成し、これら穿設孔と前記表面仕上フィルムの外方に設置した枠との間にスプリングを張架することにより前記表面仕上フィルムを張設するものもある（例えば、特許文献１参照。）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】特開２００１−１６２６０３号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
前記樹脂液表面仕上手段が矩形状枠体及びその上面に張設された表面仕上フィルムからなるものでは、表面仕上フィルムがポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）又はポリプロピレン（ＰＰ）等のポリビニルアルコール（ＰＶＡ）よりも伸縮性が小さい熱可塑性樹脂からなる場合において、皺が発生しやすく化粧合板の品質が安定しないという問題点がある。
また、特許文献１のような樹脂液表面仕上手段では、表面仕上フィルムがスプリングにより張架されるため、表面仕上フィルムがＰＶＡよりも伸縮性が小さい熱可塑性樹脂からなる場合であっても、皺が発生しにくく品質が安定する反面、表面仕上フィルムの対向する２辺の端部を厚手に補強するための補強部の取付作業、補強部に穿設孔を形成する作業、及び、穿設孔と枠との間にスプリングを張架する作業が必要になるため、却って製造コストが増大するという問題点がある。
【０００６】
そこで本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、表面仕上フィルムがＰＶＡよりも伸縮性が小さい熱可塑性樹脂からなる場合であっても皺が発生しにくく品質が安定する構成でありながら、製造コストが増大することがない化粧合板の製造方法並びに矩形状枠体及びその上面に張設された表面仕上フィルムからなる樹脂液表面仕上手段及びその製造装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本発明に係る化粧合板の製造方法は、前記課題解決のために、基板の表面に化粧紙を貼着し、前記化粧紙の表面に直接又は下塗り塗料を介して樹脂液を塗布し、矩形状枠体及びその上面に張設された表面仕上フィルムからなる樹脂液表面仕上手段を用いて、前記表面仕上フィルムにより前記樹脂液を覆って脱泡し、前記樹脂液の硬化後に前記表面仕上フィルムを剥がして化粧合板を製造する化粧合板の製造方法であって、前記樹脂液表面仕上手段として、前記矩形状枠体の２長辺の中間部分を内方へ押圧又は引張して弾性変形させた状態で前記矩形状枠体の上面に前記表面仕上フィルムを貼着した後に前記押圧又は引張を解除してなるものを用いることを特徴とする。
【０００８】
このような構成によれば、樹脂液表面仕上手段として、矩形状枠体の２長辺の中間部分を内方へ押圧又は引張して弾性変形させた状態で矩形状枠体の上面に表面仕上フィルムを貼着した後に前記押圧又は引張を解除してなるものを用いることから、前記押圧又は引張が解除された樹脂液表面仕上手段の使用状態では、弾性変形した矩形状枠体の復元力により表面仕上フィルムが矩形状枠体の２長辺に向かう外方向へ引っ張られるため、表面仕上フィルムに皺が発生しにくくなる。
したがって、このような樹脂液表面仕上手段を用いることにより、製造される化粧合板の品質が安定する。
その上、表面仕上フィルムが、ＰＥＴ又はＰＰ等のＰＶＡよりも伸縮性が小さい熱可塑性樹脂からなる場合であっても、皺が発生しやすく化粧合板の品質が安定しないために従来は使用が困難であった、矩形状枠体及びその上面に張設された表面仕上フィルムからなる一般的な構成の樹脂液表面仕上手段を用いることができる。
【０００９】
また、本発明に係る樹脂液表面仕上手段は、前記課題解決のために、化粧合板の基板表面に貼着された化粧紙の表面に直接又は下塗り塗料を介して塗布された樹脂液の表面を仕上げるための、矩形状枠体及びその上面に張設された表面仕上フィルムからなる樹脂液表面仕上手段であって、前記矩形状枠体の２長辺の中間部分を内方へ押圧又は引張して弾性変形させた状態で前記矩形状枠体の上面に前記表面仕上フィルムを貼着した後に前記押圧又は引張が解除されてなることを特徴とする。
【００１０】
このような構成によれば、樹脂液表面仕上手段が、矩形状枠体の２長辺の中間部分を内方へ押圧又は引張して弾性変形させた状態で矩形状枠体の上面に表面仕上フィルムを貼着した後に前記押圧又は引張を解除してなるものであることから、前記押圧又は引張が解除された樹脂液表面仕上手段の使用状態では、弾性変形した矩形状枠体の復元力により表面仕上フィルムが矩形状枠体の２長辺に向かう外方向へ引っ張られるため、表面仕上フィルムに皺が発生しにくくなる。
したがって、このような樹脂液表面仕上手段を用いることにより、製造される化粧合板の品質が安定する。
その上、表面仕上フィルムが、ＰＥＴ又はＰＰ等のＰＶＡよりも伸縮性が小さい熱可塑性樹脂からなる場合であっても、皺が発生しやすく化粧合板の品質が安定しないために従来は使用が困難であった、矩形状枠体及びその上面に張設された表面仕上フィルムからなる一般的な構成の樹脂液表面仕上手段を用いることができる。
【００１１】
さらに、本発明に係る樹脂液表面仕上手段の製造装置は、前記課題解決のために、化粧合板の基板表面に貼着された化粧紙の表面に直接又は下塗り塗料を介して塗布された樹脂液の表面を仕上げるための、矩形状枠体及びその上面に張設された表面仕上フィルムからなる樹脂液表面仕上手段の製造装置であって、前記矩形状枠体が載置されるテーブルと、前記矩形状枠体の２長辺の中間部分を外方から押圧するための一対の押圧片と、前記一対の押圧片にそれぞれ連結され、前記矩形状枠体の短辺方向の孔に雌ねじ部が逆ねじにそれぞれ螺刻された一対のナットと、前記一対のナットと螺合する雄ねじ部が同軸に形成された、前記短辺方向に長いボルトと、前記押圧片及びナットが回転しないように、これらを前記ボルトの回転に伴って前記短辺方向に直動可能に支持する直動支持手段と、前記ボルトを回転するハンドルを備えたことを特徴とする。
【００１２】
このような構成によれば、テーブルに矩形状枠体を載置し、ハンドルを操作することにより押圧片を内方へ移動させて矩形状枠体の２長辺の中間部分を外方から押圧し、矩形状枠体を所定の変位量まで弾性変形させた状態に容易にすることができるとともに、矩形状枠体の弾性変形による復元力により一対の押圧片及びナットを押し戻す方向の力が作用しても、ナット側からボルト及びハンドルを回転することができないため、前記矩形状枠体が弾性変形した状態を保持することができる。
そして、このように弾性変形した状態の矩形状枠体の上面に表面仕上フィルムを貼着する作業を行った後に、ハンドルを操作して押圧片を外方へ移動させて押圧を解除することにより、矩形状枠体の２長辺の中間部分を内方へ押圧して弾性変形させた状態で矩形状枠体の上面に表面仕上フィルムを貼着した後に前記押圧を解除してなる樹脂液表面仕上手段を容易かつ確実に製作することができる。
したがって、矩形状枠体の上面に表面仕上フィルムを貼着する作業の作業性が高くなるとともに、使用する表面仕上フィルムの歩留りが向上する。
【発明の効果】
【００１３】
以上のように、本発明に係る化粧合板の製造方法並びに樹脂液表面仕上手段及びその製造装置によれば、矩形状枠体及びその上面に張設された表面仕上フィルムからなる一般的な構成の樹脂液表面仕上手段を用いながら、樹脂液表面仕上手段の使用状態では、弾性変形した矩形状枠体の復元力により表面仕上フィルムが矩形状枠体の２長辺に向かう外方向へ引っ張られることから、表面仕上フィルムに皺が発生しにくくなるため、表面仕上フィルムがＰＶＡよりも伸縮性が小さい熱可塑性樹脂からなる場合であっても皺が発生しにくく品質が安定するとともに、簡素な構成により製造コストの増大を抑制することができるという顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【００１４】
【図１】本発明の実施の形態に係る樹脂液表面仕上手段の製造装置の構成を示す斜視図である。
【図２】同じく平面図であり、テーブル上に矩形状枠体を載置した状態を示している。
【図３】同じく平面図であり、押圧片により矩形状枠体の２長辺の中間部分を外方から押圧して弾性変形させた状態を示している。
【図４】押圧片を駆動するための機構を示す部分縦断面図である。
【図５】（ａ）は弾性変形した矩形状枠体の上面に表面仕上フィルムを貼着した状態を、（ｂ）は表面仕上フィルムを矩形状枠体に合わせて切断した状態を、（ｃ）は押圧片による押圧を解除した状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【００１５】
本発明の化粧合板の製造方法は、フィルム法であり、基板に接着剤により化粧紙を貼着し、前記化粧紙の表面に直接又は下塗り塗料を介して樹脂液を塗布し、矩形状枠体及びその上面に張設された表面仕上フィルムからなる樹脂液表面仕上手段を用いて、前記表面仕上フィルムにより前記樹脂液を覆った状態でその上面を押圧するようにゴムローラーを転動させて前記樹脂液を脱泡し、前記樹脂液の硬化後に前記表面仕上フィルムを剥がして化粧合板を製造するものである。
ここで、前記基板は、合板、パーティクルボード、ハードボード、ＭＤＦ（中密度繊維板）又は石膏ボード等、前記化粧紙は、チタン紙、クラフト紙、リンター紙又は石膏ボード紙等、前記樹脂液は、不飽和ポリエステル樹脂に硬化剤等を混合したものであり、いずれも化粧合板用として一般的に使用されるものである。
また、前記矩形状枠体は、例えば鉄製であるが、必要な強度及び剛性並びに耐熱性等の特性を備えたものであればよい。
さらに、前記表面仕上フィルムは、ポリビニルアルコール（ＰＶＡ）、ポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）、ポリプロピレン（ＰＰ）又はポリエチレン（ＰＥ）等の熱可塑性樹脂であるが、本発明においては、特にＰＥＴが好適である。
【００１６】
次に、本発明の実施の形態に係る樹脂液表面仕上手段の製造装置の詳細について説明する。
図１〜図４に示すように、樹脂液表面仕上手段の製造装置Ｂは、矩形状枠体１が載置されるテーブル３、矩形状枠体１の２長辺の中間部分を外方から押圧するための一対の押圧片４Ａ，４Ｂ、押圧片４Ａ，４Ｂにそれぞれ連結され、矩形状枠体１の短辺方向の孔に雌ねじ部５ａ，５ｂが逆ねじにそれぞれ螺刻された一対のナット５Ａ，５Ｂ、ナット５Ａ，５Ｂとそれぞれ螺合する、逆ねじの雄ねじ部６ａ，６ｂが同軸に形成された、矩形状枠体１の短辺方向に長いボルト６、押圧片４Ａ，４Ｂ及びナット５Ａ，５Ｂが回転しないように、これらをボルト６の回転に伴って前記短辺方向に直動可能に支持する直動支持手段である、押圧片４Ａ，４Ｂが挿通される、フレーム８の上面に形成された前記短辺方向の長孔８ａ，８ｂ、並びに、ボルト６を回転するハンドル７等からなる。
また、矩形状枠体１の上面に貼着する表面仕上フィルム２は、支持脚１２の上端部に回転可能に支持された水平軸芯１１に巻回された状態のものから引き出して使用する。
【００１７】
図４の押圧片４Ａ，４Ｂを駆動するための機構の説明図に示すように、ハンドル７を矢印Ｃ方向へ回転させると、ハンドル７に連結されたボルト６が同方向へ回転するため、その逆ねじの雄ねじ部６ａ，６ｂにそれぞれ螺合するナット５Ａ，５Ｂが押圧片４Ａ，４Ｂとともに同期して内方へ移動する（矢印Ｃ参照。）。
また、同様にハンドル７を矢印Ｄ方向へ回転させると、ハンドル７に連結されたボルト６が同方向へ回転するため、その逆ねじの雄ねじ部６ａ，６ｂにそれぞれ螺合するナット５Ａ，５Ｂが押圧片４Ａ，４Ｂとともに同期して外方へ移動する（矢印Ｄ参照。）。
【００１８】
次に、以上のような構成の樹脂液表面仕上手段の製造装置Ｂを用いて行う樹脂液表面仕上手段の製造方法について説明する。
先ず、図１及び図２に示すように、テーブル３上の四隅に設けたＬ形の位置決め部材９，９，…により矩形状枠体１を位置決めした状態でテーブル３に矩形状枠体１を載置する。
次に、ハンドル７を所定方向（例えば、図４の矢印Ｃ方向）へ回転させ、図３に示すように矩形状枠体１の２長辺の中間部分（例えば中央）を内方へ押圧して所定の変位量まで弾性変形させる。
この状態では、矩形状枠体１の弾性変形による復元力により一対の押圧片４Ａ，４Ｂ及びナット５Ａ，５Ｂを押し戻す方向の力（外方への力）が作用しても、ナット５Ａ，５Ｂ側からボルト６及びハンドル７を回転することができないため、矩形状枠体１が弾性変形した状態を保持することができる。
【００１９】
次に、図３のように矩形状枠体１を弾性変形させた状態で、矩形状枠体１の上面に例えばゴム系接着剤を塗布し、図中２点鎖線のように表面仕上フィルム２を引き出して、矩形状枠体１の上面の高さと略同じ高さに設定された受け板１０，１０の上面及び矩形状枠体１の上面を覆うようにして矩形状枠体１の上面に貼着する。
次に、図５（ａ）に示すように、カッター１３により表面仕上フィルム２を矩形状枠体１に合わせて切断して図５（ｂ）の状態にする。
この状態で、図１〜図４のハンドル７を操作して、押圧片４Ａ，４Ｂを外方へ移動させて矩形状枠体１に対する押圧片４Ａ，４Ｂによる押圧を解除すると、矩形状枠体１の弾性変形の復元力により図５（ｂ）の矢印Ｅ，Ｅに示すように矩形状枠体１の２長辺が外方へ復帰することから、図５（ｃ）に示すような表面仕上フィルム２が矩形状枠体１の２長辺に向かう外方向へ引っ張られた状態の樹脂液表面仕上手段Ａが完成する。
【００２０】
以上のような構成の樹脂液表面仕上手段の製造装置Ｂによれば、上述の簡素な構成による工程を行うことにより、矩形状枠体１の２長辺の中間部分を内方へ押圧して弾性変形させた状態で矩形状枠体１の上面に表面仕上フィルム２を貼着した後に前記押圧を解除してなる樹脂液表面仕上手段Ａを容易かつ確実に製作することができる。
したがって、矩形状枠体１の上面に表面仕上フィルム２を貼着する作業の作業性が高くなるとともに、使用する表面仕上フィルム２の歩留りが向上する。
【００２１】
また、このように製作された樹脂液表面仕上手段Ａによれば、樹脂液表面仕上手段Ａの使用状態では、弾性変形した矩形状枠体１の復元力により表面仕上フィルム２が矩形状枠体１の２長辺に向かう外方向へ引っ張られるため、表面仕上フィルム２に皺が発生しにくくなる。
したがって、このような樹脂液表面仕上手段Ａを用いることにより、製造される化粧合板の品質が安定する。
その上、表面仕上フィルム２が、ＰＥＴ、ＰＰ又はＰＥ等のＰＶＡよりも伸縮性が小さい熱可塑性樹脂からなる場合であっても、皺が発生しやすく化粧合板の品質が安定しないために従来は使用が困難であった、矩形状枠体１及びその上面に張設された表面仕上フィルム２からなる一般的な構成の樹脂液表面仕上手段Ａを用いることができるため、簡素な構成により製造コストの増大を抑制することができる。
【００２２】
上述の矩形状枠体１の２長辺を弾性変形させる大きさである前記所定の変位量は、使用する矩形状枠体１及び表面仕上フィルム２に応じて、矩形状枠体１の２長辺を弾性変形させる大きさを変えた樹脂液表面仕上手段Ａを製作し、化粧合板の製造を実際に行って皺の発生や樹脂液表面仕上手段Ａを繰り返し使用できる回数等を評価することにより最適な変位量として決定することができる。
【００２３】
以上の説明においては、樹脂液表面仕上手段Ａが矩形状枠体１の２長辺の中間部分を内方へ押圧して弾性変形させた状態で矩形状枠体１の上面に表面仕上フィルム２を貼着した後に前記押圧を解除してなるものである場合を示したが、樹脂液表面仕上手段Ａは矩形状枠体の２長辺の中間部分を、例えば矩形状枠体１の２長辺の中間部分の下面に穴又は掛止部を設けておき、前記２長辺間を引張コイルばね等により内方へ引張して弾性変形させた状態で矩形状枠体１の上面に表面仕上フィルム２を貼着した後に前記引張を解除してなるものであってもよい。
【符号の説明】
【００２４】
Ａ 樹脂液表面仕上手段
Ｂ 樹脂液表面仕上手段の製造装置
１ 矩形状枠体
２ 表面仕上フィルム
３ テーブル
４Ａ，４Ｂ 押圧片
５Ａ，５Ｂ ナット
５ａ，５ｂ 雌ねじ部
６ ボルト
６ａ，６ｂ 雄ねじ部
７ ハンドル
８ フレーム
８ａ，８ｂ 長孔（直動支持手段）
９ 位置決め部材
１０ 受け板
１１ 水平軸芯
１２ 支持脚
１３ カッター
【技術分野】
【０００１】
本発明は、フィルム法による化粧合板の製造方法に関わり、更に詳しくは、樹脂液の表面を仕上げる表面仕上フィルムがポリビニルアルコールよりも伸縮性が小さい熱可塑性樹脂からなる場合に特に適した化粧合板の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
化粧合板の製造方法として、合板、パーティクルボード又はＭＤＦ（中密度繊維板）等の基板に、チタン紙、クラフト紙又は石膏ボード紙等の化粧紙を貼着し、前記化粧紙の表面に直接又は下塗り塗料を介して不飽和ポリエステル樹脂に硬化剤等を混合した樹脂液を塗布し、熱可塑性樹脂からなる表面仕上フィルムにより前記樹脂液を覆って脱泡し、前記樹脂液の硬化後に前記表面仕上フィルムを剥がして化粧合板を製造するフィルム法がある。
【０００３】
このフィルム法においては、前記表面仕上フィルムを矩形状枠体の上面に張設してなる樹脂液表面仕上手段を用いて、前記表面仕上フィルムにより前記樹脂液を覆った状態でその上面を押圧するようにゴムローラーを転動させて前記樹脂液を脱泡するのが一般的である。
また、このようなフィルム法における樹脂液表面仕上手段として矩形状枠体を用いずに、前記表面仕上フィルムの対向する２辺の端部を融着手段により厚手に補強し、この補強部の所々を穿設して穿設孔を形成し、これら穿設孔と前記表面仕上フィルムの外方に設置した枠との間にスプリングを張架することにより前記表面仕上フィルムを張設するものもある（例えば、特許文献１参照。）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】特開２００１−１６２６０３号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
前記樹脂液表面仕上手段が矩形状枠体及びその上面に張設された表面仕上フィルムからなるものでは、表面仕上フィルムがポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）又はポリプロピレン（ＰＰ）等のポリビニルアルコール（ＰＶＡ）よりも伸縮性が小さい熱可塑性樹脂からなる場合において、皺が発生しやすく化粧合板の品質が安定しないという問題点がある。
また、特許文献１のような樹脂液表面仕上手段では、表面仕上フィルムがスプリングにより張架されるため、表面仕上フィルムがＰＶＡよりも伸縮性が小さい熱可塑性樹脂からなる場合であっても、皺が発生しにくく品質が安定する反面、表面仕上フィルムの対向する２辺の端部を厚手に補強するための補強部の取付作業、補強部に穿設孔を形成する作業、及び、穿設孔と枠との間にスプリングを張架する作業が必要になるため、却って製造コストが増大するという問題点がある。
【０００６】
そこで本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、表面仕上フィルムがＰＶＡよりも伸縮性が小さい熱可塑性樹脂からなる場合であっても皺が発生しにくく品質が安定する構成でありながら、製造コストが増大することがない化粧合板の製造方法並びに矩形状枠体及びその上面に張設された表面仕上フィルムからなる樹脂液表面仕上手段及びその製造装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本発明に係る化粧合板の製造方法は、前記課題解決のために、基板の表面に化粧紙を貼着し、前記化粧紙の表面に直接又は下塗り塗料を介して樹脂液を塗布し、矩形状枠体及びその上面に張設された表面仕上フィルムからなる樹脂液表面仕上手段を用いて、前記表面仕上フィルムにより前記樹脂液を覆って脱泡し、前記樹脂液の硬化後に前記表面仕上フィルムを剥がして化粧合板を製造する化粧合板の製造方法であって、前記樹脂液表面仕上手段として、前記矩形状枠体の２長辺の中間部分を内方へ押圧又は引張して弾性変形させた状態で前記矩形状枠体の上面に前記表面仕上フィルムを貼着した後に前記押圧又は引張を解除してなるものを用いることを特徴とする。
【０００８】
このような構成によれば、樹脂液表面仕上手段として、矩形状枠体の２長辺の中間部分を内方へ押圧又は引張して弾性変形させた状態で矩形状枠体の上面に表面仕上フィルムを貼着した後に前記押圧又は引張を解除してなるものを用いることから、前記押圧又は引張が解除された樹脂液表面仕上手段の使用状態では、弾性変形した矩形状枠体の復元力により表面仕上フィルムが矩形状枠体の２長辺に向かう外方向へ引っ張られるため、表面仕上フィルムに皺が発生しにくくなる。
したがって、このような樹脂液表面仕上手段を用いることにより、製造される化粧合板の品質が安定する。
その上、表面仕上フィルムが、ＰＥＴ又はＰＰ等のＰＶＡよりも伸縮性が小さい熱可塑性樹脂からなる場合であっても、皺が発生しやすく化粧合板の品質が安定しないために従来は使用が困難であった、矩形状枠体及びその上面に張設された表面仕上フィルムからなる一般的な構成の樹脂液表面仕上手段を用いることができる。
【０００９】
また、本発明に係る樹脂液表面仕上手段は、前記課題解決のために、化粧合板の基板表面に貼着された化粧紙の表面に直接又は下塗り塗料を介して塗布された樹脂液の表面を仕上げるための、矩形状枠体及びその上面に張設された表面仕上フィルムからなる樹脂液表面仕上手段であって、前記矩形状枠体の２長辺の中間部分を内方へ押圧又は引張して弾性変形させた状態で前記矩形状枠体の上面に前記表面仕上フィルムを貼着した後に前記押圧又は引張が解除されてなることを特徴とする。
【００１０】
このような構成によれば、樹脂液表面仕上手段が、矩形状枠体の２長辺の中間部分を内方へ押圧又は引張して弾性変形させた状態で矩形状枠体の上面に表面仕上フィルムを貼着した後に前記押圧又は引張を解除してなるものであることから、前記押圧又は引張が解除された樹脂液表面仕上手段の使用状態では、弾性変形した矩形状枠体の復元力により表面仕上フィルムが矩形状枠体の２長辺に向かう外方向へ引っ張られるため、表面仕上フィルムに皺が発生しにくくなる。
したがって、このような樹脂液表面仕上手段を用いることにより、製造される化粧合板の品質が安定する。
その上、表面仕上フィルムが、ＰＥＴ又はＰＰ等のＰＶＡよりも伸縮性が小さい熱可塑性樹脂からなる場合であっても、皺が発生しやすく化粧合板の品質が安定しないために従来は使用が困難であった、矩形状枠体及びその上面に張設された表面仕上フィルムからなる一般的な構成の樹脂液表面仕上手段を用いることができる。
【００１１】
さらに、本発明に係る樹脂液表面仕上手段の製造装置は、前記課題解決のために、化粧合板の基板表面に貼着された化粧紙の表面に直接又は下塗り塗料を介して塗布された樹脂液の表面を仕上げるための、矩形状枠体及びその上面に張設された表面仕上フィルムからなる樹脂液表面仕上手段の製造装置であって、前記矩形状枠体が載置されるテーブルと、前記矩形状枠体の２長辺の中間部分を外方から押圧するための一対の押圧片と、前記一対の押圧片にそれぞれ連結され、前記矩形状枠体の短辺方向の孔に雌ねじ部が逆ねじにそれぞれ螺刻された一対のナットと、前記一対のナットと螺合する雄ねじ部が同軸に形成された、前記短辺方向に長いボルトと、前記押圧片及びナットが回転しないように、これらを前記ボルトの回転に伴って前記短辺方向に直動可能に支持する直動支持手段と、前記ボルトを回転するハンドルを備えたことを特徴とする。
【００１２】
このような構成によれば、テーブルに矩形状枠体を載置し、ハンドルを操作することにより押圧片を内方へ移動させて矩形状枠体の２長辺の中間部分を外方から押圧し、矩形状枠体を所定の変位量まで弾性変形させた状態に容易にすることができるとともに、矩形状枠体の弾性変形による復元力により一対の押圧片及びナットを押し戻す方向の力が作用しても、ナット側からボルト及びハンドルを回転することができないため、前記矩形状枠体が弾性変形した状態を保持することができる。
そして、このように弾性変形した状態の矩形状枠体の上面に表面仕上フィルムを貼着する作業を行った後に、ハンドルを操作して押圧片を外方へ移動させて押圧を解除することにより、矩形状枠体の２長辺の中間部分を内方へ押圧して弾性変形させた状態で矩形状枠体の上面に表面仕上フィルムを貼着した後に前記押圧を解除してなる樹脂液表面仕上手段を容易かつ確実に製作することができる。
したがって、矩形状枠体の上面に表面仕上フィルムを貼着する作業の作業性が高くなるとともに、使用する表面仕上フィルムの歩留りが向上する。
【発明の効果】
【００１３】
以上のように、本発明に係る化粧合板の製造方法並びに樹脂液表面仕上手段及びその製造装置によれば、矩形状枠体及びその上面に張設された表面仕上フィルムからなる一般的な構成の樹脂液表面仕上手段を用いながら、樹脂液表面仕上手段の使用状態では、弾性変形した矩形状枠体の復元力により表面仕上フィルムが矩形状枠体の２長辺に向かう外方向へ引っ張られることから、表面仕上フィルムに皺が発生しにくくなるため、表面仕上フィルムがＰＶＡよりも伸縮性が小さい熱可塑性樹脂からなる場合であっても皺が発生しにくく品質が安定するとともに、簡素な構成により製造コストの増大を抑制することができるという顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【００１４】
【図１】本発明の実施の形態に係る樹脂液表面仕上手段の製造装置の構成を示す斜視図である。
【図２】同じく平面図であり、テーブル上に矩形状枠体を載置した状態を示している。
【図３】同じく平面図であり、押圧片により矩形状枠体の２長辺の中間部分を外方から押圧して弾性変形させた状態を示している。
【図４】押圧片を駆動するための機構を示す部分縦断面図である。
【図５】（ａ）は弾性変形した矩形状枠体の上面に表面仕上フィルムを貼着した状態を、（ｂ）は表面仕上フィルムを矩形状枠体に合わせて切断した状態を、（ｃ）は押圧片による押圧を解除した状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【００１５】
本発明の化粧合板の製造方法は、フィルム法であり、基板に接着剤により化粧紙を貼着し、前記化粧紙の表面に直接又は下塗り塗料を介して樹脂液を塗布し、矩形状枠体及びその上面に張設された表面仕上フィルムからなる樹脂液表面仕上手段を用いて、前記表面仕上フィルムにより前記樹脂液を覆った状態でその上面を押圧するようにゴムローラーを転動させて前記樹脂液を脱泡し、前記樹脂液の硬化後に前記表面仕上フィルムを剥がして化粧合板を製造するものである。
ここで、前記基板は、合板、パーティクルボード、ハードボード、ＭＤＦ（中密度繊維板）又は石膏ボード等、前記化粧紙は、チタン紙、クラフト紙、リンター紙又は石膏ボード紙等、前記樹脂液は、不飽和ポリエステル樹脂に硬化剤等を混合したものであり、いずれも化粧合板用として一般的に使用されるものである。
また、前記矩形状枠体は、例えば鉄製であるが、必要な強度及び剛性並びに耐熱性等の特性を備えたものであればよい。
さらに、前記表面仕上フィルムは、ポリビニルアルコール（ＰＶＡ）、ポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）、ポリプロピレン（ＰＰ）又はポリエチレン（ＰＥ）等の熱可塑性樹脂であるが、本発明においては、特にＰＥＴが好適である。
【００１６】
次に、本発明の実施の形態に係る樹脂液表面仕上手段の製造装置の詳細について説明する。
図１〜図４に示すように、樹脂液表面仕上手段の製造装置Ｂは、矩形状枠体１が載置されるテーブル３、矩形状枠体１の２長辺の中間部分を外方から押圧するための一対の押圧片４Ａ，４Ｂ、押圧片４Ａ，４Ｂにそれぞれ連結され、矩形状枠体１の短辺方向の孔に雌ねじ部５ａ，５ｂが逆ねじにそれぞれ螺刻された一対のナット５Ａ，５Ｂ、ナット５Ａ，５Ｂとそれぞれ螺合する、逆ねじの雄ねじ部６ａ，６ｂが同軸に形成された、矩形状枠体１の短辺方向に長いボルト６、押圧片４Ａ，４Ｂ及びナット５Ａ，５Ｂが回転しないように、これらをボルト６の回転に伴って前記短辺方向に直動可能に支持する直動支持手段である、押圧片４Ａ，４Ｂが挿通される、フレーム８の上面に形成された前記短辺方向の長孔８ａ，８ｂ、並びに、ボルト６を回転するハンドル７等からなる。
また、矩形状枠体１の上面に貼着する表面仕上フィルム２は、支持脚１２の上端部に回転可能に支持された水平軸芯１１に巻回された状態のものから引き出して使用する。
【００１７】
図４の押圧片４Ａ，４Ｂを駆動するための機構の説明図に示すように、ハンドル７を矢印Ｃ方向へ回転させると、ハンドル７に連結されたボルト６が同方向へ回転するため、その逆ねじの雄ねじ部６ａ，６ｂにそれぞれ螺合するナット５Ａ，５Ｂが押圧片４Ａ，４Ｂとともに同期して内方へ移動する（矢印Ｃ参照。）。
また、同様にハンドル７を矢印Ｄ方向へ回転させると、ハンドル７に連結されたボルト６が同方向へ回転するため、その逆ねじの雄ねじ部６ａ，６ｂにそれぞれ螺合するナット５Ａ，５Ｂが押圧片４Ａ，４Ｂとともに同期して外方へ移動する（矢印Ｄ参照。）。
【００１８】
次に、以上のような構成の樹脂液表面仕上手段の製造装置Ｂを用いて行う樹脂液表面仕上手段の製造方法について説明する。
先ず、図１及び図２に示すように、テーブル３上の四隅に設けたＬ形の位置決め部材９，９，…により矩形状枠体１を位置決めした状態でテーブル３に矩形状枠体１を載置する。
次に、ハンドル７を所定方向（例えば、図４の矢印Ｃ方向）へ回転させ、図３に示すように矩形状枠体１の２長辺の中間部分（例えば中央）を内方へ押圧して所定の変位量まで弾性変形させる。
この状態では、矩形状枠体１の弾性変形による復元力により一対の押圧片４Ａ，４Ｂ及びナット５Ａ，５Ｂを押し戻す方向の力（外方への力）が作用しても、ナット５Ａ，５Ｂ側からボルト６及びハンドル７を回転することができないため、矩形状枠体１が弾性変形した状態を保持することができる。
【００１９】
次に、図３のように矩形状枠体１を弾性変形させた状態で、矩形状枠体１の上面に例えばゴム系接着剤を塗布し、図中２点鎖線のように表面仕上フィルム２を引き出して、矩形状枠体１の上面の高さと略同じ高さに設定された受け板１０，１０の上面及び矩形状枠体１の上面を覆うようにして矩形状枠体１の上面に貼着する。
次に、図５（ａ）に示すように、カッター１３により表面仕上フィルム２を矩形状枠体１に合わせて切断して図５（ｂ）の状態にする。
この状態で、図１〜図４のハンドル７を操作して、押圧片４Ａ，４Ｂを外方へ移動させて矩形状枠体１に対する押圧片４Ａ，４Ｂによる押圧を解除すると、矩形状枠体１の弾性変形の復元力により図５（ｂ）の矢印Ｅ，Ｅに示すように矩形状枠体１の２長辺が外方へ復帰することから、図５（ｃ）に示すような表面仕上フィルム２が矩形状枠体１の２長辺に向かう外方向へ引っ張られた状態の樹脂液表面仕上手段Ａが完成する。
【００２０】
以上のような構成の樹脂液表面仕上手段の製造装置Ｂによれば、上述の簡素な構成による工程を行うことにより、矩形状枠体１の２長辺の中間部分を内方へ押圧して弾性変形させた状態で矩形状枠体１の上面に表面仕上フィルム２を貼着した後に前記押圧を解除してなる樹脂液表面仕上手段Ａを容易かつ確実に製作することができる。
したがって、矩形状枠体１の上面に表面仕上フィルム２を貼着する作業の作業性が高くなるとともに、使用する表面仕上フィルム２の歩留りが向上する。
【００２１】
また、このように製作された樹脂液表面仕上手段Ａによれば、樹脂液表面仕上手段Ａの使用状態では、弾性変形した矩形状枠体１の復元力により表面仕上フィルム２が矩形状枠体１の２長辺に向かう外方向へ引っ張られるため、表面仕上フィルム２に皺が発生しにくくなる。
したがって、このような樹脂液表面仕上手段Ａを用いることにより、製造される化粧合板の品質が安定する。
その上、表面仕上フィルム２が、ＰＥＴ、ＰＰ又はＰＥ等のＰＶＡよりも伸縮性が小さい熱可塑性樹脂からなる場合であっても、皺が発生しやすく化粧合板の品質が安定しないために従来は使用が困難であった、矩形状枠体１及びその上面に張設された表面仕上フィルム２からなる一般的な構成の樹脂液表面仕上手段Ａを用いることができるため、簡素な構成により製造コストの増大を抑制することができる。
【００２２】
上述の矩形状枠体１の２長辺を弾性変形させる大きさである前記所定の変位量は、使用する矩形状枠体１及び表面仕上フィルム２に応じて、矩形状枠体１の２長辺を弾性変形させる大きさを変えた樹脂液表面仕上手段Ａを製作し、化粧合板の製造を実際に行って皺の発生や樹脂液表面仕上手段Ａを繰り返し使用できる回数等を評価することにより最適な変位量として決定することができる。
【００２３】
以上の説明においては、樹脂液表面仕上手段Ａが矩形状枠体１の２長辺の中間部分を内方へ押圧して弾性変形させた状態で矩形状枠体１の上面に表面仕上フィルム２を貼着した後に前記押圧を解除してなるものである場合を示したが、樹脂液表面仕上手段Ａは矩形状枠体の２長辺の中間部分を、例えば矩形状枠体１の２長辺の中間部分の下面に穴又は掛止部を設けておき、前記２長辺間を引張コイルばね等により内方へ引張して弾性変形させた状態で矩形状枠体１の上面に表面仕上フィルム２を貼着した後に前記引張を解除してなるものであってもよい。
【符号の説明】
【００２４】
Ａ 樹脂液表面仕上手段
Ｂ 樹脂液表面仕上手段の製造装置
１ 矩形状枠体
２ 表面仕上フィルム
３ テーブル
４Ａ，４Ｂ 押圧片
５Ａ，５Ｂ ナット
５ａ，５ｂ 雌ねじ部
６ ボルト
６ａ，６ｂ 雄ねじ部
７ ハンドル
８ フレーム
８ａ，８ｂ 長孔（直動支持手段）
９ 位置決め部材
１０ 受け板
１１ 水平軸芯
１２ 支持脚
１３ カッター
【特許請求の範囲】
【請求項１】
基板の表面に化粧紙を貼着し、前記化粧紙の表面に直接又は下塗り塗料を介して樹脂液を塗布し、矩形状枠体及びその上面に張設された表面仕上フィルムからなる樹脂液表面仕上手段を用いて、前記表面仕上フィルムにより前記樹脂液を覆って脱泡し、前記樹脂液の硬化後に前記表面仕上フィルムを剥がして化粧合板を製造する化粧合板の製造方法であって、
前記樹脂液表面仕上手段として、前記矩形状枠体の２長辺の中間部分を内方へ押圧又は引張して弾性変形させた状態で前記矩形状枠体の上面に前記表面仕上フィルムを貼着した後に前記押圧又は引張を解除してなるものを用いることを特徴とする化粧合板の製造方法。
【請求項２】
化粧合板の基板表面に貼着された化粧紙の表面に直接又は下塗り塗料を介して塗布された樹脂液の表面を仕上げるための、矩形状枠体及びその上面に張設された表面仕上フィルムからなる樹脂液表面仕上手段であって、
前記矩形状枠体の２長辺の中間部分を内方へ押圧又は引張して弾性変形させた状態で前記矩形状枠体の上面に前記表面仕上フィルムを貼着した後に前記押圧又は引張が解除されてなることを特徴とする樹脂液表面仕上手段。
【請求項３】
化粧合板の基板表面に貼着された化粧紙の表面に直接又は下塗り塗料を介して塗布された樹脂液の表面を仕上げるための、矩形状枠体及びその上面に張設された表面仕上フィルムからなる樹脂液表面仕上手段の製造装置であって、
前記矩形状枠体が載置されるテーブルと、
前記矩形状枠体の２長辺の中間部分を外方から押圧するための一対の押圧片と、
前記一対の押圧片にそれぞれ連結され、前記矩形状枠体の短辺方向の孔に雌ねじ部が逆ねじにそれぞれ螺刻された一対のナットと、
前記一対のナットと螺合する雄ねじ部が同軸に形成された、前記短辺方向に長いボルトと、
前記押圧片及びナットが回転しないように、これらを前記ボルトの回転に伴って前記短辺方向に直動可能に支持する直動支持手段と、
前記ボルトを回転するハンドルを備えたことを特徴とする樹脂液表面仕上手段の製造装置。
【請求項１】
基板の表面に化粧紙を貼着し、前記化粧紙の表面に直接又は下塗り塗料を介して樹脂液を塗布し、矩形状枠体及びその上面に張設された表面仕上フィルムからなる樹脂液表面仕上手段を用いて、前記表面仕上フィルムにより前記樹脂液を覆って脱泡し、前記樹脂液の硬化後に前記表面仕上フィルムを剥がして化粧合板を製造する化粧合板の製造方法であって、
前記樹脂液表面仕上手段として、前記矩形状枠体の２長辺の中間部分を内方へ押圧又は引張して弾性変形させた状態で前記矩形状枠体の上面に前記表面仕上フィルムを貼着した後に前記押圧又は引張を解除してなるものを用いることを特徴とする化粧合板の製造方法。
【請求項２】
化粧合板の基板表面に貼着された化粧紙の表面に直接又は下塗り塗料を介して塗布された樹脂液の表面を仕上げるための、矩形状枠体及びその上面に張設された表面仕上フィルムからなる樹脂液表面仕上手段であって、
前記矩形状枠体の２長辺の中間部分を内方へ押圧又は引張して弾性変形させた状態で前記矩形状枠体の上面に前記表面仕上フィルムを貼着した後に前記押圧又は引張が解除されてなることを特徴とする樹脂液表面仕上手段。
【請求項３】
化粧合板の基板表面に貼着された化粧紙の表面に直接又は下塗り塗料を介して塗布された樹脂液の表面を仕上げるための、矩形状枠体及びその上面に張設された表面仕上フィルムからなる樹脂液表面仕上手段の製造装置であって、
前記矩形状枠体が載置されるテーブルと、
前記矩形状枠体の２長辺の中間部分を外方から押圧するための一対の押圧片と、
前記一対の押圧片にそれぞれ連結され、前記矩形状枠体の短辺方向の孔に雌ねじ部が逆ねじにそれぞれ螺刻された一対のナットと、
前記一対のナットと螺合する雄ねじ部が同軸に形成された、前記短辺方向に長いボルトと、
前記押圧片及びナットが回転しないように、これらを前記ボルトの回転に伴って前記短辺方向に直動可能に支持する直動支持手段と、
前記ボルトを回転するハンドルを備えたことを特徴とする樹脂液表面仕上手段の製造装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【公開番号】特開２０１３−１８２５８（Ｐ２０１３−１８２５８Ａ）
【公開日】平成２５年１月３１日（２０１３．１．３１）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１１−１５５４１２（Ｐ２０１１−１５５４１２）
【出願日】平成２３年７月１４日（２０１１．７．１４）
【出願人】（５１１１７１９７０）株式会社 三波化粧合板 (1)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２５年１月３１日（２０１３．１．３１）
【国際特許分類】
【出願日】平成２３年７月１４日（２０１１．７．１４）
【出願人】（５１１１７１９７０）株式会社 三波化粧合板 (1)
【Ｆターム（参考）】
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