説明

化粧板の作製方法

【課題】歩留りの低下を引き起こすことないように、体系的な絵柄を複数の化粧板に効率よく割り当てて印刷画像を形成する化粧板の作製方法を提供する。
【解決手段】少なくとも1以上の体系的な絵柄データ10をコンピュータPで作成するステップと、その絵柄を、化粧板k1〜k3、k5〜k7に割り当てて分割した後、コンピュータPで演算されたレイアウトに従ってシート材に印字するステップと、シート材21を原板20に貼り付けてから、その原板20を分割した絵柄に合わせて切断して、化粧板k1〜k3、k5〜k7のそれぞれに分割された絵柄を施すステップとを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅設備の内装扉、システムキッチン、洗面化粧台などの構成部材として使用される化粧板の作製方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、床材などを構成する複数の化粧板に連続性のある模様を付したものがある。次の特許文献には、連続焼結煉瓦の表面模様を施した床材用の化粧シートが記載されている。
【0003】
この文献に記載のものは、連続性のある模様を付した化粧シートを、そのシートと同一サイズの原板に貼り付けてから、目的の部品のサイズに合った大きさに切断して使用するもので、シートには切断するための境界線、切断線などは施されておらず、そのため種々のサイズのものに利用できるという利点がある。
【特許文献1】特開平10−205109号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した連続性のある模様をそのままシートに印刷してそれを原板に貼り付ける方法では、床材やタイルなどの複数の同一サイズの部材に連続模様の絵柄を割り付ける場合には問題ないが、システムキッチンユニットの扉部品などのように個々にサイズが異なり、かつ部品間の相対位置が定まっているものに利用する場合には、切断線がないため作業効率がきわめて悪く、切断ミスも発生しやすい。
【0005】
また、連続性のある模様を割り付ける対象部材が異なる素材部材で構成されている場合には、素材ごとに同一絵柄を印刷したシートを作成して、それぞれのシートをそれぞれの素材の原板に貼り付けてから、それぞれの原板から必要な箇所のみを切り取って使わなければならず、その結果、多くの廃棄材が発生することになる。
【0006】
図4は、連続模様の絵柄をそのままシートに印刷して、そのシートを原板に貼り付けて、その後切断して化粧板を作製する方法を模式的に示したものである。
【0007】
図示するように、この方法は、必要な体系絵柄100をそのままの状態でシート101に印刷しており、そのシート101を原板102に貼り付けた後、切断している。そのため、複数の化粧板103aの全体サイズが原板サイズより小さい場合には、廃棄材103bが多く発生してしまう。また、図中の破線100aは各部材の境界を示したものであるが、その境界100aはシート101には印字されないため、部材ごとに切断する作業が困難である。
【0008】
このように、連続性のある絵柄をそのままシートに印刷する方法によってシステムキッチンなど特定製品の構成部材となる化粧板を作製する場合には、板取りの点で上記のような種々の問題があり、そのため歩留りの低下を引き起こし、製造コストをアップさせる要因になっている。
【0009】
本発明は、上記のような問題を解決すべく提案されたもので、その目的は、歩留りの低下を引き起こすことないように、体系的な絵柄を複数の化粧板に効率よく割り当てて印刷画像を形成する化粧板の作製方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、請求項1では、絵柄を印字したシート材を原板に貼り付けてから作製する第1の本発明方法を、請求項2では、原板上に直接印字する第2の本発明方法を提案している。
【0011】
請求項1に記載の化粧板の作製方法は、まとまりのある体系的な絵柄データを、特定製品の構成部材となる複数の化粧板を少なくとも含んだ絵柄割付対象材に割り当てて、印刷画像を形成する化粧板の作製方法であって、少なくとも1以上の体系的な絵柄データをコンピュータで作成するステップと、その絵柄を、化粧板に割り当てて分割した後、コンピュータで演算されたレイアウトに従ってシート材に印字するステップと、シート材を原板に貼り付けてから、該原板を分割した絵柄に合わせて切断して、化粧板のそれぞれに分割された絵柄を施すステップとを備えている。
【0012】
請求項2に記載の化粧板の作製方法は、まとまりのある体系的な絵柄データを、特定製品の構成部材となる複数の化粧板を少なくとも含んだ絵柄割付対象材に割り当てて、印刷画像を形成する化粧板の作製方法であって、少なくとも1以上の体系的な絵柄データをコンピュータで作成するステップと、その絵柄を、化粧板に割り当てて分割した後、コンピュータで演算されたレイアウトに従って原板上に印字するステップと、原板を分割した絵柄データに合わせて切断して、化粧板のそれぞれに分割された絵柄を施すステップとを備えている。
【0013】
請求項3に記載の化粧板の作製方法は、請求項1において、絵柄対象材には、化粧板とは異なる1以上の非化生板部材を含んでおり、絵柄の分割された一部を、シート材とは異なる別のシート材に印字するステップと、別のシート材を、非化生板部材に割り当てた絵柄に合わせて切断して、非化生板部材にも上記分割された絵柄の一部を施すステップとをさらに備えている。
【0014】
請求項4に記載の化粧板の作製方法は、請求項2において、請求項2において、絵柄対象材には、化粧板とは異なる1以上の非化生板部材を含んでおり、絵柄の分割された一部を、シート材に印字するステップと、そのシート材を、非化生板部材に割り当てた絵柄に合わせて切断して、非化生板部材にも上記分割された絵柄の一部を施すステップとをさらに備えている。
【0015】
請求項5に記載の化粧板の作製方法は、請求項2または4において、原板に施される分割された絵柄データは、原板の下地部分の明度を測定し、該測定した明度により濃淡を調整して印字されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明に記載の化粧板の作製方法よれば、コンピュータで作成した体系的な絵柄を化粧板に割り当てて分割し、コンピュータで演算したレイアウトに従ってシート材に印字し、そのシート材を原板に貼り付けてから絵柄に合わせて切断しているため、無駄のない板取りができ、歩留りの低下を防止できる。
【0017】
また、体系的な絵柄を、システムキッチンユニットなどの特定製品の構成部材となる複数の化粧板に割り当てて製造しているため、各部材が体系的な絵柄の一部を有し、かつ全体として調和がとれたデザインとなり得、そのため、デザインの自由度を高めることができる。
【0018】
特に第1の本発明に対応した請求項1では、絵柄を印字したシート材を原板に貼り付けてから作製する方法を、第2の本発明に対応した請求項2では、原板上に直接印字する方法を提案しており、いずれの発明のものでも、上記の効果を奏することができる。
【0019】
また、請求項3、4に記載の化粧板の作製方法によれば、絵柄の一部を非化生板部材用にシート材に印字し、非化生板部材に割り当てた絵柄に合わせて切断しているため、非化生板部材にも体系的な絵柄の一部を施すことができる。つまり、システムキッチンユニットのように、上下の化粧板扉に挟まれた非化生板部材(壁)や扉に隣接する非化生板部材(壁)にも体系的な絵柄の一部を施したい場合にも、効率よく化粧板を作製し、ユニットを製造、設置することができる。
【0020】
請求項5に記載の化粧板の作製方法によれば、複数の分割絵柄データは、測定した原板の下地部分の明度により濃淡を調整して印字されるようにしているため、原板上に直接印字する場合でも原板の明度によらず一定の明度の化粧板を作製することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下に、本発明の実施の形態について、添付図面とともに説明する。
【実施例1】
【0022】
図1は、第1の本発明方法の化粧板作製工程を示した図である。図示した各ステップを順次実行することによって、体系的な絵柄を割り当てて画像形成した特定製品の複数の化粧板が作製される。
【0023】
本実施例では、そのような化粧板としてシステムキッチンユニットKのシステムキッチン扉k1〜k3、k5〜k7(図1の(8)を参照)を示している。また、図中のw4、w8は、このシステムキッチンユニットKを据え付けて正面視したときにシステムキッチン扉k1〜k3、k5〜k7に隣接する壁材であり、システムキッチンユニットKはこれらを含んで構成される。本実施例には、システムキッチン扉k1〜k3、k5〜k7に壁材w4、w8を含めて、それら全体に体系的な絵柄を割り当てて、画像を形成するものを示している。
【0024】
なお、本図では絵柄そのものは図示を省略し、その代わりに1〜8の数字を付したものを示している。
【0025】
以下、図1の工程フローに沿って説明する。なお、以下に示すコンピュータPの内部処理である(1)絵柄データ作成処理および(2)レイアウト処理については、図2のフローチャートに詳細を示している。
【0026】
(1)まず、コンピュータPは、以下に説明するように、体系的な絵柄データ10を作成する(図2のステップS1を参照)。
体系的な絵柄は、連続性があり、あるいは全体的に調和のとれたものなどを含んでおり、システムキッチン扉k1〜k3、k5〜k7と壁材w4、w8とに対して割り付けることを目的として生成される。
コンピュータPは、システムキッチン扉k1〜k3、k5〜k7と壁材w4、w8の各サイズ情報と、それらの最終的な据え付け状態の配列情報とを有しており、それらの情報をもとに、各部材に対して絵柄データのどの部分を割り当てるかを判断したうえで、絵柄データ10を作成する。なお、各部材に分割した絵柄データについては、符号1〜8を付して説明する。また、図中の破線は各部材に分割される際の絵柄の境界を示している。
【0027】
(2)次に、コンピュータPは、以下に説明するように、システムキッチン扉用の絵柄データ1〜3、5〜7は第1のシート材21に、壁材用の絵柄データ4、8は第2のシート材22に印字できるように絵柄データ1〜8を部材ごとに分割して、レイアウト処理を行う(図2のステップS2〜S4)。
第1のシート材21は、原板20に貼り付けてから部材(各扉の化粧板)ごとに切断できるように、原板20のサイズに合致したサイズとなっており、コンピュータPは、その原板サイズ情報を有しており、その原板サイズ情報と各部材のサイズ情報とをもとに演算処理をすることによって、第1のシート材21用に絵柄データ1〜3、5〜7を分離し、それらを所定の配列基準に合致するように、印字すべきデータのレイアウトを決定する。
【0028】
ここで、所定の配列基準とは、同一の原板20を用いて画像印刷して作製すべき他の化粧板のデータ12がある場合には、その化粧板のサイズ、数を考慮して、より多くの他の化粧板データ12が割り付けられるような最適基準を含んでいる。
つまり、コンピュータPは、第1のシート材21に、システムキッチン扉用の絵柄データ1〜3、5〜7のみならず、そのときに同時に作製することが可能な他の化粧板のデータ12を効率よく割り付ける最適なレイアウトを、演算処理によって得る。
図例では、絵柄データ1〜3、5〜7を第1のシート材21の左側にまとめて効率よく割り付け、余った右側のスペースに他の化粧板データ12を割り付けている(図1の(3)を参照)。
なお、絵柄データ1〜3、5〜7の割付は、絵柄データ間の境界に切断代11を設けることが望ましい。
【0029】
一方、第2のシート材21は、壁材w4、w8に貼り付けるための壁紙などであり、これに対して壁材用の絵柄データ4、8を分離し割り付ける。第1のシート材21と同様、切断代11を設けることが望ましい。
【0030】
(3)コンピュータPは、このように絵柄データ1〜3、5〜7の割付最適化を行った第1のシート材用のデータを、第1のシート材21に印字する。
【0031】
(4)絵柄データ1〜3、5〜7、12を印字出力した第1のシート材21を原板20に貼り付ける。
【0032】
(5)その原板20を、分割した絵柄データ間の切断代11に沿って切断すると、絵柄が印刷されたそれぞれのシステムキッチン扉k1〜k3、k5〜k7が得られる。
【0033】
(6)一方、コンピュータPは、壁材用の絵柄データ4、8を割り付けた第2のシート材用のデータを、第2のシート材22に印字する。
【0034】
(7)印字された第2のシート材22を絵柄データ間の切断代11に沿って切断する。
【0035】
(8)最後に、絵柄が形成されたシステムキッチン扉k1〜k3、k5〜k8を据え付ける一方、壁材用に絵柄が形成された第2のシート材22、22を壁材w4、w8に貼り付けてシステムキッチンユニットKを得る。
【0036】
以上のように、この化粧板作製方法は、体系的な絵柄をシステムキッチンユニットKなどの特定製品の構成部材となる複数の化粧板w1〜w3、w5〜w7に割り当てて製造しているため、各部材w1〜w3、w5〜w7が体系的な絵柄の一部を有し、かつ全体として調和がとれたデザインとなり得、そのため、デザインの自由度が高められる。
【0037】
また、コンピュータPによって体系的な絵柄を化粧板に割り当てて分割し、コンピュータPで演算したレイアウトに従ってシート材20に印字し、そのシート材21を原板20に貼り付けてから絵柄に合わせて切断しているため、無駄のない板取りができ、歩留りの低下を防止できる。
【0038】
さらに、化粧板以外の、例えばシステムキッチン扉k1〜k3、k5〜k7に隣接する壁材w4、w8を含めて体系的な絵柄を割り付けているため、そのシステムキッチンの前面とそれを設置する壁面を調和のとれたデザインに統一することができる。
【0039】
また、絵柄データの第1のシート材21への割付を、他の化粧板のための絵柄データ12が多くとれるようにスペースを確保するよう最適化すれば、廃棄材を少なくでき、歩留りが向上する。
【0040】
また、化粧板ごとに人の目に見えない符合(バーコードなど)を印刷し、そのバーコードに対応付けて部品情報や加工情報を付加しておけば、生産管理に活用することができる。
人に見えない符号としては、例えば、透明なバーコード技術(紫外線照射により可視化するものなど)、電子透かし技術、印刷型ステガノグラフィ技術などが採用される。
【0041】
本実施例および次に示す実施例2では、システムキッチンを例示しているが、洗面化粧台、床材、天井材などにも適用可能である。
【実施例2】
【0042】
図2は、第2の本発明方法の化粧板作製工程を示した図である。図示した各ステップを順次実行することによって、特定製品の部品として使用される複数の化粧板が作製される。
【0043】
本実施例では、そのような化粧板としてシステムキッチンユニットKのシステムキッチン扉k1〜k3、k5〜k7(図3の(7)を参照)を示している。また、図中のw4、w8は、このシステムキッチンユニットKを据え付けて正面視したときにシステムキッチン扉に隣接するk1〜k3、k5〜k7壁材であり、これらを含んでユニットKを構成する。本実施例には、システムキッチン扉k1〜k3、k5〜k7に壁材w4、w8を含めて、それら全体に体系的な絵柄を割り当てて、画像を形成するものを示している。
【0044】
なお、本図では絵柄そのものは図示を省略し、その代わりに1〜8の数字を付したものを示している。
【0045】
以下、図2の工程フローに沿って説明する。なお、コンピュータPの内部処理については、実施例1で添付した図2を参照し、ステップS3の「第1のシート材」は「原板」、ステップS4の「第2のシート材」は「シート材」と読み替えるものとする。
【0046】
(1)まず、コンピュータPは、以下に説明するように、体系的な絵柄データ10を作成する(図2のステップS1を参照)。
体系的な絵柄は、連続性があり、あるいは全体的に調和のとれたものなどを含んでおり、システムキッチン扉k1〜k3、k5〜k7と壁材w4、w8とに対して割り付けることを目的として生成される。なお、絵柄はデザインソフトなどで作成すればよい。
コンピュータPは、システムキッチン扉k1〜k3、k5〜k7と壁材w4、w8の各サイズ情報と、それらの最終的な据え付け状態の配列情報とを有しており、それらの情報をもとに、各部材に対して絵柄データのどの部分が割り当てられるかを判断したうえで、絵柄データ10(1〜8)を作成する。
【0047】
(2)次に、コンピュータPは、以下に説明するように、システムキッチン扉用の絵柄データ1〜3、5〜7は化粧板の原板20に、壁材用の絵柄データ4、8はシート材22に印字できるように絵柄データ1〜8を部材ごとに分割して、レイアウト処理を行う(図2のステップS2〜S4を参照)。
コンピュータPは、原板サイズ情報を有しており、その原板サイズ情報と各部材のサイズ情報とをもとに演算処理をすることによって、原板用に絵柄データ1〜3、5〜7を分割し、それらを所定の配列基準に合致するように、印字すべきデータのレイアウトを決定する。
【0048】
ここで、所定の配列基準とは、同一の原板20を用いて画像印刷して作製すべき他の化粧板のデータ12がある場合には、その化粧板のサイズ、数を考慮して、より多くの他の化粧板データ12が割り付けられるような最適基準を含んでいる。
つまり、コンピュータPは、原板20に、システムキッチン扉用の絵柄データ1〜3、5〜7のみならず、そのときに同時に作製することが可能な他の化粧板のデータ12を効率よく割り付ける最適なレイアウトを、演算処理によって得る。
図例では、絵柄データ1〜3、5〜7を原板20の左側にまとめて効率よく割り付け、余った右側のスペースに他の化粧板データ11、12を割り付けている(図3の(3)を参照)。
なお、絵柄データの割付は、絵柄データ間の境界に切断代11を設けることが望ましい。
【0049】
一方、シート材22は、壁材w4、w8に貼り付けるための壁紙などであり、このシート材22に対して壁材用の絵柄データ4、8を分割し割り付ける。化粧板用の原板20と同様、切断代11を設けることが望ましい。
【0050】
(3)コンピュータPは、このように絵柄データ1〜3、5〜7、12の割付最適化を行った原板用のデータを、原板20に印字する。
印字はインクジェット印刷で行うことが望ましいが、グラビア印刷、凹版印刷、オフセット印刷、活版印刷フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷、静電印刷などでもよい。
また、原板20はパーティクルボード、合板などで製されているが、同じ濃度でインクジェット印刷を行えば、材質によって印字画像の明暗にばらつきが生じる場合があるため、コンピュータPにあらかじめ材質による明暗データを蓄積しておき、印字する際に材質を指定させて、それに応じたインクジェットの濃淡を異ならせるようにすれば、部材間、製品間の明暗のばらつきをなくすことができる。
例えば、素材がパーティクルボード、合板のいずれであっても同じ明度の絵柄を印刷したい場合には、上記2種の素材に対応したインクジェットの濃淡を設定しておけば、素材にかかわらず一定の明度に補整された化粧板を作製することができる。
また、システムキッチンユニットKを構成する複数の部材間で下地の色や明度が異なる場合には、色差計を用いて部材ごとに表面の明度を測定することにより、インクジェットの濃淡を調整し、それによって、部材間の明度を調整することができる。
【0051】
(4)絵柄を印字出力した原板20を、分割した絵柄データ間の切断代11に沿って切断すると、絵柄が印刷されたそれぞれのシステムキッチン扉k1〜k3、k5〜k7が形成される。
【0052】
(5)一方、コンピュータPは、壁材用の絵柄データ4、8を割り付けたシート材用のデータをシート材22に印字する。
【0053】
(6)印字されたシート材22を絵柄データ間の切断代11に沿って切断する。
【0054】
(7)そして、絵柄が形成されたシステムキッチン扉k1〜k3、k5〜k8を据え付ける一方、絵柄が形成されたシート材4、8を壁材w4、w8に貼り付けてシステムキッチンユニットKを形成する。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】第1の本発明方法の化粧板作製工程を示した図である。
【図2】コンピュータでの内部処理を示したフローチャートである。
【図3】第2の本発明方法の化粧板作製工程を示した図である。
【図4】従来の化粧板の作製方法を示した図である。
【符号の説明】
【0056】
P コンピュータ
K システムキッチンユニット
k1〜k3、k5〜k7 システムキッチン扉(化粧板)
w4、w8 壁材(非化粧板部材)
10 絵柄データ
1〜8 分割された絵柄データ
20 原板
21 第1のシート材
22 第2のシート材(実施例2ではシート材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
まとまりのある体系的な絵柄データを、特定製品の構成部材となる複数の化粧板を少なくとも含んだ絵柄割付対象材に割り当てて、印刷画像を形成する化粧板の作製方法であって、
少なくとも1以上の体系的な絵柄データをコンピュータで作成するステップと、
その絵柄を、上記化粧板に割り当てて分割した後、コンピュータで演算されたレイアウトに従ってシート材に印字するステップと、
上記シート材を原板に貼り付けてから、該原板を上記分割した絵柄に合わせて切断して、上記化粧板のそれぞれに上記分割された絵柄を施すステップとを備えたことを特徴とする化粧板の作製方法。
【請求項2】
まとまりのある体系的な絵柄データを、特定製品の構成部材となる複数の化粧板を少なくとも含んだ絵柄割付対象材に割り当てて、印刷画像を形成する化粧板の作製方法であって、
少なくとも1以上の体系的な絵柄データをコンピュータで作成するステップと、
その絵柄を、上記化粧板に割り当てて分割した後、コンピュータで演算されたレイアウトに従って原板上に印字するステップと、
上記原板を上記分割した絵柄データに合わせて切断して、上記化粧板のそれぞれに上記分割された絵柄を施すステップとを備えたことを特徴とする化粧板の作製方法。
【請求項3】
請求項1において、
上記絵柄対象材には、上記化粧板とは異なる1以上の非化生板部材を含んでおり、
上記絵柄の分割された一部を、上記シート材とは異なる別のシート材に印字するステップと、
上記別のシート材を、上記非化生板部材に割り当てた絵柄に合わせて切断して、上記非化生板部材にも上記分割された絵柄の一部を施すステップとをさらに備えたことを特徴とする化粧板の作製方法。
【請求項4】
請求項2において、
上記絵柄対象材には、上記化粧板とは異なる1以上の非化生板部材を含んでおり、
上記絵柄の分割された一部を、シート材に印字するステップと、
そのシート材を、上記非化生板部材に割り当てた絵柄に合わせて切断して、上記非化生板部材にも上記分割された絵柄の一部を施すステップとをさらに備えたことを特徴とする化粧板の作製方法。
【請求項5】
請求項2または4において、
上記原板に施される分割された絵柄データは、原板の下地部分の明度を測定し、該測定した明度により濃淡を調整して印字されることを特徴とする化粧板の作製方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−290218(P2007−290218A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−120008(P2006−120008)
【出願日】平成18年4月25日(2006.4.25)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】