説明

医用画像処理装置、超音波診断装置および医用画像診断装置

【課題】検査対象物について自動的に抽出された輪郭をユーザの希望に応じて自動的に補正して正しい輪郭を容易に特定可能とする。
【解決手段】画像解析部29は、被検体内の検査対象物の形態を表す医用画像に基づいて検査対象物についての表面の輪郭を抽出する。画像解析部29は、抽出した輪郭に関する特徴値として2つの輪郭どうしの間の厚みを測定する。制御プロセッサ26は、ユーザ指示に応じて補正率を設定し、上記の測定された特徴値を上記の設定した補正率に従って変化させるように輪郭を補正する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波診断装置などで生成された医用画像から被検体内の検査対象物の輪郭を特定する医用画像処理装置と、そのような画像処理機能を備えた超音波診断装置や医用画像診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
心臓を撮像して得た画像における輝度変化などを解析することで心内膜の輪郭を特定する機能を備えた超音波診断装置が知られている。
【0003】
この種の超音波診断装置では、心臓を撮像して得られた画像における輝度変化の大きい箇所をトレースすることによって心内膜の輪郭を特定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−99328号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、これまでに輝度変化などに基づいて心内膜とされていた箇所は、実際の心内膜ではなく、心筋のささくれ立った部分に相当する可能性があることが指摘されている。
【0006】
そこで自動的に特定された輪郭が心内膜の実際の輪郭に合致していない場合には、ユーザの指示に応じて輪郭を変更することとすると、ユーザの負担が大幅に増加してしまう。
【0007】
なお、このような現象は、超音波診断装置以外の医用画像診断装置により撮像された画像においても、あるいは検査対象物が心筋以外であっても起こりえる。
【0008】
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、その目的とするところは、検査対象物について自動的に抽出された輪郭をユーザの希望に応じて自動的に補正して正しい輪郭を容易に特定可能とすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様による医用画像処理装置は、被検体内の検査対象物の形態を表す医用画像を処理する医用画像処理装置であって、前記医用画像に基づいて前記検査対象物についての表面の輪郭を抽出する抽出手段と、前記抽出手段により抽出された輪郭に関する特徴値を測定する測定手段と、ユーザ指示に応じて補正率を設定する設定手段と、前記測定手段により測定された特徴値を前記設定手段により設定された補正率に従って変化させるように前記抽出手段により抽出された輪郭を補正する補正手段とを備える。
【0010】
本発明の第2の態様による超音波診断装置は、被検体内に送信した超音波の検査対象物での反射波に基づいて前記検査対象物の形態を表す医用画像を生成する超音波診断装置であって、前記医用画像に基づいて前記検査対象物についての表面の輪郭を抽出する抽出手段と、前記抽出手段により抽出された輪郭に関する特徴値を測定する測定手段と、ユーザ指示に応じて補正率を設定する設定手段と、前記測定手段により測定された特徴値を前記設定手段により設定された補正率に従って変化させるように前記抽出手段により抽出された輪郭を補正する補正手段とを備える。
【0011】
本発明の第2の態様による医用画像診断装置は、被検体内の検査対象物の形態を表す医用画像を生成する生成手段と、前記医用画像に基づいて前記検査対象物についての表面の輪郭を抽出する抽出手段と、前記抽出手段により抽出された輪郭に関する特徴値を測定する測定手段と、ユーザ指示に応じて補正率を設定する設定手段と、前記測定手段により測定された特徴値を前記設定手段により設定された補正率に従って変化させるように前記抽出手段により抽出された輪郭を補正する補正手段とを備える。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、検査対象物について自動的に抽出された輪郭をユーザの希望に応じて自動的に補正して正しい輪郭を容易に特定可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態に係る超音波診断装置のブロック図。
【図2】検査対象物の輪郭の自動トレースにおける図1中の制御プロセッサの処理手順を示すフローチャート。
【図3】表示画像とその表示画像から抽出された輪郭との関係を示す図。
【図4】心筋の厚みの測定の様子を示す図。
【図5】内輪郭の補正の様子を示す図。
【図6】輪郭画像を表示画像に重畳表示した様子を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0015】
図1は本実施形態に係る超音波診断装置100のブロック図である。
【0016】
超音波診断装置100は、装置本体11に、超音波プローブ12、入力装置13およびモニタ14を接続して構成される。装置本体11はさらに、送受信ユニット21、Bモード処理ユニット22、ドプラ処理ユニット23、画像生成回路24、画像メモリ25、制御プロセッサ(CPU)26、内部記憶装置27、ソフトウェア格納部28、画像解析部29およびインタフェース部30を含む。
【0017】
超音波プローブ12は、圧電セラミック等の音響/電気可逆的変換素子としての圧電振動子を複数有する。複数の圧電振動子は並列され、超音波プローブ12の先端に装備される。超音波プローブ12は、送受信ユニット21からの駆動信号に基づき超音波を発生し、被検体Pからの反射波を電気信号(エコー信号)に変換する。
【0018】
入力装置13は、オペレータからの各種条件や関心領域(ROI)などの指定を入力する。入力装置13は、例えば各種スイッチ、ボタン、トラックボール、マウス、キーボード、あるいはタッチコマンドスクリーン等の周知の入力デバイスを適宜に含み得る。
【0019】
モニタ14は、画像生成回路24からの画像信号が表す画像を表示する。モニタ14としては、例えば液晶表示器やCRT(cathode-ray tube)などの周知の表示装置を利用できる。
【0020】
送受信ユニット21は、トリガ発生回路、遅延回路およびパルサ回路等を内蔵してる。パルサ回路は、所定のレート周波数で、送信超音波を形成するためのレートパルスを繰り返し発生する。遅延回路は、チャンネル毎に超音波をビーム状に集束し、かつ送信指向性を決定するのに必要な遅延を各レートパルスに与える。トリガ発生回路は、このレートパルスに基づくタイミングでパルスが生じる駆動信号を超音波プローブ12に出力する。また送受信ユニット21は、アンプ回路、A/D変換器および加算器等を内蔵している。アンプ回路は、超音波プローブ12から出力されたエコー信号をチャンネル毎に増幅する。加算器は、各チャネルのエコー信号に受信指向性を決定するのに必要な遅延を個別に与え、その後に加算する。この加算により、エコー信号の受信指向性に応じた方向からの反射成分が強調され、受信指向性と送信指向性とにより超音波送受信の総合的なビームが形成される。送受信ユニット21は、合成後のエコー信号をBモード処理ユニット22およびドプラ処理ユニット23に送る。
【0021】
Bモード処理ユニット22は、対数変換器、包絡線検波回路およびアナログディジタル(A/D)コンバータ等を内蔵している。対数変換器は、エコー信号を対数変換する。包絡線検波回路は、対数変換器からの出力信号の包絡線を検波する。アナログディジタルコンバータは、包絡線検波回路による検波信号をディジタル化し、検波データとして出力する。
【0022】
ドプラ処理ユニット23は、エコー信号から速度情報を周波数解析し、ドプラ効果による血流や組織、造影剤エコー成分を抽出し、平均速度、分散、パワー等の血流情報を多点について求め、この血流情報を出力する。
【0023】
画像生成回路24は、Bモード処理ユニット22から出力された検波データに基づいて、フレーム相関や座標変換などの空間的分布情報を演算し、この空間的分布情報を表す超音波診断画像を生成する。また画像生成回路24は、ドプラ処理ユニット23から出力された血流情報に基づいて、平均速度画像、分散画像、パワー画像、あるいはこれらの組み合わせ画像を超音波診断画像として生成する。画像生成回路24は、これらの超音波診断画像を画像メモリ25に表示画像として展開する。そして画像生成回路24は、画像メモリ25に展開された表示画像を表す画像信号をモニタ14へ出力する。
【0024】
画像メモリ25は、モニタ14に表示するための表示画像のデータを展開した状態で記憶する。
【0025】
制御プロセッサ26には、バスを介して送受信ユニット21、画像メモリ25、内部記憶装置27、ソフトウェア格納部28、画像解析部29およびインタフェース部30が接続されている。制御プロセッサ26は、内部記憶装置27に記憶された装置制御プログラムに従って動作することにより、次のような各種の機能を実現する。この機能の1つは、既存の超音波診断装置が備える各種の機能を実現するように超音波診断装置100の各部を制御する。上記の機能の1つは、例えば入力装置13を操作してのユーザ指示に応じて補正率を設定する。上記の機能のもう1つは、ユーザ指示に応じての補正率の設定を考慮して標準的な補正率を更新する。
【0026】
内部記憶装置27は、装置制御プログラムおよびデータ群を記憶する。内部記憶装置27が記憶するデータ群には、診断プロトコルや送受信条件を表すデータが含まれる。またデータ群には、後述する標準補正値を表すデータが含まれる。
【0027】
ソフトウェア格納部28は、制御プロセッサ26が上記の制御を実行するための手順を記述したソフトウェアを格納する。
【0028】
画像解析部29は、画像メモリ25に記憶された表示画像データに基づいて検査対象物についての表面の輪郭を抽出する。画像解析部29は、抽出した輪郭に関する特徴値を測定する。そして画像解析部29は、測定した特徴値を制御プロセッサ26により設定された補正率に従って変化させるように輪郭を補正する。
【0029】
インタフェース部30は、入力装置13、ネットワーク、あるいは外部記憶装置(図示せず)等と制御プロセッサ26との情報の授受を仲介する。
【0030】
次に以上のように構成された超音波診断装置100の動作について説明する。
【0031】
被検体Pからの反射波を受けて超音波プローブ12から出力されたエコー信号に基づいて送受信ユニット21、Bモード処理ユニット22またはドプラ処理ユニット23、ならびに画像生成回路24によって生成された超音波診断画像は、表示画像として画像メモリ25に展開される。そして画像メモリ25に展開された画像メモリ25に展開された表示画像を表した画像信号を画像生成回路24がモニタ14へ出力することによって、モニタ14において表示画像が表示される。
【0032】
さて、検査対象物の輪郭の自動トレースの実施がユーザにより要求されたならば、制御プロセッサ26は図2に示すような処理を開始する。
【0033】
ステップSa1において制御プロセッサ26は、解析を実施するように画像解析部29に指示する。この指示を受けるとステップSb1において画像解析部29は、画像メモリ25に画像メモリ25に展開されている表示画像を解析し、心筋の輪郭を抽出するとともに、その輪郭に基づいて心筋の厚みを測定する。
【0034】
具体的には画像解析部29は、表示画像の輝度が大幅に変化する変化点を多数検出し、これらの変化点をトレースするトレースラインとして心筋の輪郭を抽出する。かくして、例えば表示画像が図3に細線で示すような画像である場合、例えば左心室の心腔側の面については図3に破線で示すような輪郭が抽出される。同様にして、右心室の心腔側の面や、心筋の外側の面についても輪郭が抽出される。以下、心腔側の面について抽出した輪郭を内輪郭、心筋の外側の面について抽出した輪郭を外輪郭と称する。
【0035】
また画像解析部29は、図4に示すように内輪郭上の複数の変化点Pdのそれぞれに関して、当該変化点Pdで内輪郭に直交する直線(図4中に破線で示す)の内輪郭と外輪郭との間の長さとして、あるいは左心室の内輪郭と右心室の内輪郭との間の長さとして心筋の厚みを測定する。なお、厚みを求める対象とする変化点Pdは、内輪郭を抽出するために検出した変化点の全てとしても良いし、一部のみとしても良い。
【0036】
ステップSb2において画像解析部29は、抽出した輪郭および測定した厚みを制御プロセッサ26に通知する。そしてこれをもって画像解析部29は、図2の処理を終了する。
【0037】
ステップSa2において制御プロセッサ26は、上記のように画像解析部29から通知された輪郭に基づいて、抽出された輪郭を表示画像において表すための輪郭画像を生成する。
【0038】
ステップSa3において制御プロセッサ26は、標準補正率による自動補正機能(以下、標準補正)が有効に設定されているか否かを確認する。なお当該標準補正の有効/無効は、制御プロセッサ26がユーザの指示に応じて予め設定する。
【0039】
標準補正が有効に設定されているならば制御プロセッサ26は、ステップSa3からステップSa4へ進む。ステップSa4において制御プロセッサ26は、輪郭画像を標準補正率で補正する。なお、検査対象物が心筋である場合、内輪郭のみを補正することとする。
【0040】
具体的には例えば図5に示すように、複数の変化点Pdのそれぞれを、各変化点Pdに関して測定された厚みを標準補正率で変化させるように移動させて複数の補正点Pcを求める。より具体的には、内輪郭の垂線上の位置を、内輪郭と交差する位置(変化点Pdの位置)を0%の位置、外輪郭と交差する位置を100%の位置とし、標準補正率に相当する位置として補正点Pcを求める。そしてこれらの複数の補正点Pcをトレースするトレースラインとして補正された内輪郭を求める。
【0041】
ステップSa4での補正が終了したならば、制御プロセッサ26はステップSa5へ進む。一方、標準補正が無効に設定されているならば、制御プロセッサ26はステップSa3からステップSa5へ進む。ステップSa5において制御プロセッサ26は、ステップSa4を標準補正が有効である場合にはステップSa4で補正した輪郭画像を、また標準補正が無効である場合にはステップSa2で生成した輪郭画像を、例えば図6に示すようにモニタ14における表示画像に重畳表示する。このときに制御プロセッサ26は、図6に示すように適用済みの補正率を表すGUI(graphical user interface)51もモニタ14に表示させる。
【0042】
ステップSa6において制御プロセッサ26は、補正率の変更が要求されるのを待ち受ける。制御プロセッサ26は、例えばGUI51に含まれたスライダ51aを左右に移動させる操作として補正率の変更の要求を受け付ける。
【0043】
補正率の変更がユーザにより要求されたならば制御プロセッサ26は、ステップSa6からステップSa7へ進む。ステップSa7において制御プロセッサ26は、ユーザの要求に応じた補正率を設定する。具体的には制御プロセッサ26は、例えばスライダ51aの位置に応じて補正率を設定する。
【0044】
ステップSa8において制御プロセッサ26は、輪郭画像をステップSa7で新たに設定した補正率で補正する。この補正のための処理は、標準補正と同様である。
【0045】
ステップSa9において制御プロセッサ26は、表示画像に重畳表示する輪郭画像をステップSa8にて補正したものに更新する。そしてこののちに制御プロセッサ26は、ステップSa10,11の待ち受け状態に移行する。
【0046】
制御プロセッサ26は、ステップSa10,11の待ち受け状態にあるときに補正率のさらなる変更がユーザにより要求されたならば、ステップSa10からステップSa7に移行し、ステップSa7乃至ステップSa9を上述と同様に処理する。
【0047】
制御プロセッサ26は、ステップSa10,11の待ち受け状態にあるときに補正率の確定がユーザにより要求されたならば、ステップSa11からステップSa12に移行する。ステップSa12において制御プロセッサ26は、この時点で設定されている補正率を加味するように標準補正率を更新する。更新後の標準補正率をどのように求めるかは任意であるが、例えば過去に確定された補正率の平均値などのような統計値を求めて、これを更新後の標準補正率とすることが考えられる。
【0048】
標準補正率を更新し終えたならば、制御プロセッサ26は図2に示す処理を終了する。なお、ステップSa12が完了した場合以外においても、ユーザによる終了指示がなされたならば制御プロセッサ26は図2に示す処理を終了する。
【0049】
かくして本実施形態の超音波診断装置100によれば、心筋の厚みを補正率に応じて変化させるように内輪郭が補正される。従って、ユーザが自動的に抽出された内輪郭が心筋のささくれ立った部分であり不適切であると判断したならば、補正率を調整するだけで内輪郭をより心筋の内側の本来の表面に合わせるように容易に調整することができる。
【0050】
また超音波診断装置100によれば、予め定められた標準補正率での補正を自動的に行うので、ユーザ個々の感覚に頼らない定量的な補正が行える。これにより、例えば、医師毎のスキルの違いに基づく誤差の影響を低減して、定量的な診断やデータ収集が行える。
【0051】
また超音波診断装置100によれば、標準補正を実施するか否かを任意に設定できるので、ユーザニーズに応じた柔軟な運用が可能である。
【0052】
また超音波診断装置100によれば、標準補正を行った後であってもユーザの指示に応じて設定した補正値でのさらなる補正を行うことができるので、例えばスキルの高い医師などは標準補正で補正し切れていない場合にさらなる適切な補正を行わせることが可能である。
【0053】
また超音波診断装置100によれば、ユーザの指示に応じて設定した補正値に基づいて標準補正率を更新するので、上記のようなスキルの高い医師などによる補正率の設定を考慮して標準補正率をより適正化するように自動的に学習できる。
【0054】
この実施形態は、次のような種々の変形実施が可能である。
【0055】
補正率は、検査対象物の部分毎でそれぞれ異なる値としても良い。例えば、右室と左室とで補正率をそれぞれ異ならせても良い。あるいは、内輪郭と外輪郭との間の心筋と内輪郭どうしの間の心筋とで補正率を異ならせても良い。さらには、例えば左室における内輪郭と外輪郭との間の心筋のような単一の部位を複数領域に分割して各領域にそれぞれ異なる補正率を適用しても良い。
【0056】
標準補正率は、医師毎、あるいは部署毎などのように複数を設定可能として、ユーザに応じて適切な標準補正率を選択して適用しても良い。
【0057】
検査対象物は、心筋には限らない。なお、補正するべき輪郭は検査対象物によって異なるので、検査対象物に応じて補正の対象とする輪郭を決めておく。複数の検査対象物に関連付けてどの輪郭を補正するかを表したデータテーブルを用意しておき、実際の検査対象物に応じて補正する輪郭を自動設定しても良い。また、輪郭を補正するために使用する特徴値も厚みには限らず、検査対象物の医用画像での表れ方を考慮して適切な特徴値を使用するべきである。
【0058】
処理対象となる医用画像は、X線CT(computed tomography)装置やMRI(magnetic resonance imaging)装置などの超音波診断装置以外の医用画像診断装置により撮像されたものとしても良い。従って、上記した実施形態の特徴的な機能は、超音波診断装置以外の医用画像診断装置に備えることも可能である。また、上記した実施形態の特徴的な機能は、医用画像診断装置で撮像された医用画像を処理する医用画像処理装置にて実現することも可能である。
【0059】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0060】
11…装置本体、12…超音波プローブ、13…入力装置、14…モニタ、21…送受信ユニット、22…Bモード処理ユニット、23…ドプラ処理ユニット、24…画像生成回路、25…画像メモリ、26…制御プロセッサ、27…内部記憶装置、28…ソフトウェア格納部、29…画像解析部、30…インタフェース部、100…超音波診断装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体内の検査対象物の形態を表す医用画像を処理する医用画像処理装置において、
前記医用画像に基づいて前記検査対象物についての表面の輪郭を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出された輪郭に関する特徴値を測定する測定手段と、
ユーザ指示に応じて補正率を設定する設定手段と、
前記測定手段により測定された特徴値を前記設定手段により設定された補正率に従って変化させるように前記抽出手段により抽出された輪郭を補正する補正手段とを具備したことを特徴とする医用画像処理装置。
【請求項2】
前記抽出手段は、前記検査対象物についての互いに異なる2つの表面の輪郭をそれぞれ抽出し、
前記測定手段は、前記抽出手段により抽出された2つの輪郭に基づいて前記2つの表面の間の厚みを前記特徴値として測定し、
前記補正手段は、前記測定手段により測定された厚みを前記補正率に従って変化させるように前記抽出手段により抽出された2つの輪郭の一方を補正することを特徴とする請求項1に記載の医用画像処理装置。
【請求項3】
前記補正手段は、前記測定手段により測定された特徴値を、予め定められた標準的な補正率に従って変化させるように前記抽出手段により抽出された輪郭を補正し、
前記設定手段は、前記標準的な補正率に応じた前記補正手段による補正がなされたのちのユーザ指示に応じて補正率を設定し、
前記補正手段はさらに、前記測定手段により測定された特徴値を前記設定手段により設定された補正率に従って変化させるように前記抽出手段により抽出された輪郭を補正することを特徴とする請求項1に記載の医用画像処理装置。
【請求項4】
前記ユーザ指示に応じての前記設定手段での補正率の設定を考慮して前記標準的な補正率を更新する更新手段をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の医用画像処理装置。
【請求項5】
前記測定手段は、前記検査対象物を分割して設定される複数の分割領域のそれぞれに関して前記特徴値を測定し、
前記設定手段は、前記分割領域のそれぞれに関して前記補正率を設定し、
前記補正手段は、前記測定手段により測定された複数の特徴値を前記設定手段により設定された複数の補正率に従ってそれぞれ変化させるように前記抽出手段により抽出された輪郭を補正することを特徴とする請求項1に記載の医用画像処理装置。
【請求項6】
被検体内に送信した超音波の検査対象物での反射波に基づいて前記検査対象物の形態を表す医用画像を生成する超音波診断装置において、
前記医用画像に基づいて前記検査対象物についての表面の輪郭を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出された輪郭に関する特徴値を測定する測定手段と、
ユーザ指示に応じて補正率を設定する設定手段と、
前記測定手段により測定された特徴値を前記設定手段により設定された補正率に従って変化させるように前記抽出手段により抽出された輪郭を補正する補正手段とを具備したことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項7】
被検体内の検査対象物の形態を表す医用画像を生成する生成手段と、
前記医用画像に基づいて前記検査対象物についての表面の輪郭を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出された輪郭に関する特徴値を測定する測定手段と、
ユーザ指示に応じて補正率を設定する設定手段と、
前記測定手段により測定された特徴値を前記設定手段により設定された補正率に従って変化させるように前記抽出手段により抽出された輪郭を補正する補正手段とを具備したことを特徴とする医用画像診断装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−259656(P2010−259656A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−113603(P2009−113603)
【出願日】平成21年5月8日(2009.5.8)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【出願人】(594164531)東芝医用システムエンジニアリング株式会社 (892)
【Fターム(参考)】